(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記登録位置抽出手段は、前記表示手段により未だ方角が指示されていない前記登録方位情報に関連付けられた前記登録位置情報のうち、最新の登録位置情報に係る高度値との差が所定の範囲内にある場合にのみ、当該登録位置情報を抽出する
ことを特徴とする請求項4又は5記載の方角表示装置。
前記換算手段は、前記測位装置から現在位置情報が取得されるごとに、当該現在位置情報に係る高度値と、前記気圧計測手段により計測された気圧とに基づいて、換算に係るパラメータを補正する
ことを特徴とする請求項1〜7の何れか一項に記載の方角表示装置。
前記測位制御手段は、前記方角表示装置からの要求を受信するごとに、前記測位手段に現在位置の測定を行わせ、当該測定の結果に係る現在位置情報を前記外部通信手段により前記方角表示装置に送信させる
ことを特徴とする請求項9記載の方角表示システム。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0013】
[第1実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態の方角表示システム1の全体構成図である。
【0014】
本実施形態の方角表示システム1は、方角表示装置としての電子時計40と、測位装置としてのスマートフォン10とにより構成される。この電子時計40は、時計本体と、バンドとを備え、腕装着が可能な腕時計型のものである。電子時計40及びスマートフォン10は、何れも近距離無線通信機能を備えており、例えば、Bluetooth通信による相互通信が可能となっている。スマートフォン10は、電子時計40を装着したユーザにより、例えば、リュック、鞄やポケットなどに納められて携帯される。
【0015】
図2は、電子時計40の内部構成を示すブロック図である。また、
図3は、スマートフォン10の内部構成を示すブロック図である。
【0016】
電子時計40は、
図2に示すように、CPU(Central Processing Unit)41(登録命令検出手段、登録制御手段、登録位置抽出手段、表示制御手段、位置一致判別手段、方角表示制御手段、位置確認手段、入出力切替制御手段)と、ROM(Read Only Memory)42と、RAM(Random Access Memory)43(記憶手段)と、操作部44(操作手段)と、計時回路45と、表示部46(表示手段)及び表示部46を駆動制御するドライバ47と、アンテナAN4と、無線通信手段としてのBluetoothモジュール48及びUART(Universal Asynchronous Receiver Transmitter)49と、振動モータ50及びそのドライバ51と、LED(発光ダイオード)52及びそのドライバ53と、ピエゾ素子54及びそのドライバ55と、気圧計測手段としての圧力センサ56及びその出力データのA/D変換回路57と、方位計測手段としての方位センサ58及びその出力データのA/D変換回路59と、加速度センサ60及びその出力データのA/D変換回路61と、CPU41と各部との間で信号のやり取りをするバス62などを備えている。
振動モータ50、LED52、及び、ピエゾ素子54により報知手段が構成される。
【0017】
CPU41は、電子時計40の全体動作の統轄制御及び各種演算処理を行う。CPU41は、計時回路45の計数する現在時刻に基づいて表示部46に時刻表示を行わせる。また、CPU41は、圧力センサ56により取得された気圧データに基づき高度を算出すると共に、Bluetoothモジュール48を介してスマートフォン10から所定の位置情報を取得することが可能となっている。また、CPU41は、方位センサ58と加速度センサ60の計測データに基づき、電子時計40の姿勢を検出する。また、CPU41は、これらの計測データからユーザの移動方向の方位角を概算可能としてもよい。
【0018】
ROM42は、CPU41が実行する種々のプログラムや初期設定データを格納する。ROM42に格納されているデータには、モデル大気圧テーブル421及び方向表示プログラム422が含まれる。
モデル大気圧テーブル421及びCPU41により換算手段が構成される。
【0019】
RAM43は、CPU41に作業用のメモリ空間を提供する。またRAM43は、計測値ログ記憶部431を備え、登録命令に基づいて指定されたタイミングで方位センサ58及び加速度センサ60により計測されたデータから算出された所定の方向の方位角と、この方位角に関連付けられたデータとを順次記憶していく。
【0020】
操作部44は、一又は複数のボタンスイッチを備え、ユーザが当該スイッチに対して行った操作を入力信号に変換してCPU11に出力する。或いは、この操作部44は、タッチパネルであっても良い。
【0021】
計時回路45は、現在時刻を計数して保持するカウンタである。このカウンタは、単に現在時刻情報を記憶するRAMであっても良い。この現在時刻が読み出されて、表示部46に表示されたり、当該現在時刻データと各種機能に係る設定時刻データとが比較されて、種々の動作が行われたりする。
【0022】
表示部46は、例えば、ドットマトリックス表示方式のLCD(液晶ディスプレイ)である。CPU41から送られた制御信号によりドライバ47(液晶ドライバ)が動作し、LCDを駆動して現在時刻、設定状態、或いは、各種機能のメニューなどの指定された内容に関する表示を行わせる。この表示部46は、他の表示手段、例えば、有機ELD(Electro-Luminescent Display)であっても良く、ドライバ47は、表示部46の種類によって適宜選択される。或いは、この電子時計40は、アナログ式のものであってもよく、表示部46は、目盛が設けられた文字盤とこの文字盤の上部で回転する複数の指針とを備えるものであっても良い。
【0023】
Bluetoothモジュール48は、アンテナAN4を介して外部機器との間でBluetooth通信を行うための制御モジュールである。このBluetoothモジュール48により行われるBluetooth通信としては、低消費電力規格(Bluetooth Low Energy)を用いることも可能である。CPU41から送られた送信データは、UART49でシリアル/パラレル変換などの処理が行われて、Bluetoothモジュール48から外部機器に送信される。また、外部機器からBluetoothモジュール48を用いて受信された受信データは、UART49でシリアル/パラレル変換などの処理が行われて、CPU41へ出力される。
【0024】
振動モータ50、LED52、及び、ピエゾ素子54は、それぞれ、振動、光、及び、ブザー音を発することでユーザに対する報知動作を行うためのものである。CPU41からドライバ51、53、55にそれぞれ制御信号が送られると、ドライバ51、53、55は、それぞれ、振動モータ50、LED52、ピエゾ素子54を動作させるのに必要な電圧信号に変換して出力する。
【0025】
スマートフォン10は、
図3に示すように、CPU11(測位制御手段、第1測位制御手段、第2測位制御手段)と、ROM12と、RAM13と、外部記憶手段としての記憶部14と、操作部15と、内蔵時計16と、表示部17及びそのドライバ18と、スピーカ19と、マイク20と、コーデック21と、RF送受信回路22と、RF送受信用のアンテナAN11と、通信回路23と、外部通信手段としてのBluetoothモジュール24と、UART25と、Bluetooth通信の送受信用のアンテナAN12と、測位手段としてのGPSデータ受信処理部26と、GPSデータ受信用のアンテナAN13と、CPU11と各部とを接続するバス27などを備えている。
【0026】
CPU11は、スマートフォン10の全体動作の統轄制御及び各種演算処理を行う。また、CPU11は、操作部15への入力操作による設定情報に基づいてBluetoothモジュール24に制御信号を送り、電子時計40に対してGPS測位データに基づく位置情報を送信させる。
【0027】
ROM12は、CPU11が実行する種々のプログラムや初期設定データを格納する。また、RAM13は、CPU11に作業用のメモリ空間を提供し、作業用の一時データを記憶する。
【0028】
記憶部14は、読み書き可能な不揮発性メモリであり、例えば、フラッシュメモリやEEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)である。この記憶部14には、例えば、スマートフォン10で実行される種々のアプリケーションプログラムや、各種機能に係る保存データや設定データが記憶される。このアプリケーションプログラムには、Bluetooth通信を用いて電子時計40から要求された位置情報を予め設定された様式でBluetoothモジュール24を介して電子時計40へ出力するための位置情報送信プログラム141が含まれている。
【0029】
操作部15は、タッチパネルの入力検出部であって、表示部17への入力操作を検知する。操作部15は、ユーザにより入力された操作を電気信号に変換し、表示部17に表示されたメニューと入力操作の位置及び内容とに対応した入力信号としてCPU11に出力する。或いは、この操作部15は、一又は複数の操作キーを備え、ユーザが当該キーに対して行った操作に基づいて電気信号に変換された入力信号をCPU11に出力する構成を含むこととしても良い。
【0030】
内蔵時計16は、現在時刻を計数して保持するカウンタである。スマートフォン10では、この現在時刻が読み出されて表示部17に表示される。また、当該現在時刻データと各種機能に係る設定時刻データとが比較されて種々の動作が行われる。この内蔵時計16の現在時刻データは、RF送受信回路22による携帯基地局との通信時に随時修正される。
【0031】
表示部17は、例えば、LCD(液晶ディスプレイ)である。CPU11から送られた制御信号によりドライバ18(液晶ドライバ)が動作し、LCDを駆動してスマートフォン10の各種機能に係る表示を行わせる。この表示部17は、他の方式によるもの、例えば、有機ELD(Electro-Luminescent Display)であっても良く、ドライバ18は、表示方式により適宜選択される。また、この表示部17は、タッチパネルの入力画面としてユーザに入力操作を行わせるためのメニュー表示を行う。
【0032】
スピーカ19は、コーデック21からの信号に基づいて電気信号を音声信号に変換して音声を出力する。また、マイク20は、音波を検知して電気信号に変換し、コーデック21に出力する。コーデック21は、符号化圧縮されたデジタル音声信号をデコードしてアナログ信号としてスピーカ19へ送るとともに、マイク20から
入力された音声信号をエンコードしてCPU11や通信回路23へ出力する。なお、通話用のスピーカと音声を外部に出力するためのスピーカを別個に備えることとしてもよい。
【0033】
RF送受信回路22は、RF送受信用アンテナAN11を用いて携帯基地局との間で行われる電話音声データや電子メールなどのパケットデータの送受信に係る処理を行う。また、通信回路23は、RF送受信回路22により送受信されるデータに対する各種処理を行い、CPU11やコーデック21との間でデータの受け渡しを行う。
【0034】
Bluetoothモジュール24は、アンテナAN12を介して電子時計40などの他の電子機器とBluetooth通信を行うための制御モジュールである。CPU11から送られた送信データは、UART25でシリアル/パラレル変換などの処理が行われて、Bluetoothモジュール24から他の電子機器に送信される。また、他の電子機器からBluetoothモジュール24を用いて受信された受信データは、UART25でパラレル/シリアル変換などの処理が行われて、CPU11へ出力される。
【0035】
GPSデータ受信処理部26は、アンテナAN13を介して複数のGPS測位衛星から受信した衛星信号を復調、解読し、時刻データや位置データに換算して所定のフォーマットでCPU11に出力する。データ出力の所定のフォーマットとしては、例えば、NMEA(National Marine Electronics Association)−0183が用いられる。
【0036】
次に、本実施形態の電子時計40における計測データの登録及び登録されたデータに基づく方角の表示に係る動作について説明する。
【0037】
図4は、本実施形態の電子時計40において実行される計測値登録処理のCPU41による制御手順を示すフローチャートである。
この計測値登録処理は、登山(登り)の際、ユーザが所望の地点で方角の登録を行いたい場合に、ユーザによる操作部44への所定の入力操作に基づいて開始、実行される。
【0038】
CPU41は、先ず、圧力センサ56、方位センサ58、及び、加速度センサ60から計測値を取得する(ステップS101)。次いで、CPU41は、電子時計40における所定の方角の方位を算出して、この方位を計測値ログ記憶部431に記憶させる(ステップS102)。この所定の方角は、予め設定されており、例えば、表示部46の中心位置から12時(表示部46の上部)への方角(方向)である。ユーザは、電子時計40を記憶させたい方角に向け、操作部44に所定の操作を行うことで、所望の方角の方位角を登録方位情報としてメモリさせることができる。
【0039】
次に、CPU41は、Bluetoothモジュール48を介してスマートフォン10にGPS測位の実行要求を送信する(ステップS103)。そして、CPU41は、スマートフォン10から測位結果に基づく所定の測位データ(現在位置情報)が受信されるまで待機し、受信した測位データを登録位置情報として先に記憶させた方位角データと関連付けて計測値ログ記憶部431に記憶させる(ステップS104)。本実施形態の方角表示システム1では、このとき記憶させる測位データには、平面座標と高度値との両方が含まれる。
【0040】
それから、CPU41は、登録位置情報に含まれる高度データと、圧力センサにより計測された気圧値とに基づき、モデル大気圧テーブル421を用いた気圧から高度への換算式の補正パラメータを設定する(ステップS105)。そして、CPU41は、計測値登録処理を終了する。
【0041】
計測値ログ記憶部431は、この計測値登録処理によりメモリされるデータを複数回分記憶可能であり、ユーザは、所望の箇所で計測値登録処理を繰り返し呼び出して登録方位情報及び登録位置情報を順次記憶させていくことができる。
【0042】
図5は、スマートフォン10で実行される位置情報送信処理のCPU11による制御手順を示すフローチャートである。
【0043】
この位置情報送信処理は、電子時計40における計測値登録処理のステップS103で、電子時計40から送信されたGPS測位要求をスマートフォン10が受信し、位置情報送信プログラム141が読み出されて実行されることで開始される。
位置情報送信処理が開始されると、CPU11は、GPSデータ受信処理部26を動作させてGPS衛星からの電波受信を行わせ、現在位置の算出を行わせる(ステップS201)。それから、CPU11は、GPSデータ受信処理部26から出力されたデータのうち、必要な測位データ(現在位置情報)を取得し(ステップS202)、Bluetoothモジュール24を介して電子時計40にこの測位データを送信させる(ステップS204)。そして、CPU11は、位置情報送信処理を終了する。
【0044】
なお、スマートフォン10が電子時計40からの指示とは関係なくGPS測位を間欠的に(例えば、所定の間隔で、など)行っている場合には、ステップS201の処理が開始された時点から所定の時間前まで(例えば、10〜30秒)にGPS測位が行われている場合には、改めてGPS測位を行わずに直近の測位データを利用することとしても良い。即ち、ここで要求される現在位置のデータには、気圧センサ及びGPS測位における測定誤差の大きさ(例えば、15〜30m)及びユーザの移動速度(例えば、1m/s)と比較して大きな誤差にならない程度の範囲で取得タイミングにずれがあってもよい。
【0045】
図6は、電子時計40において実行される本実施形態の方角表示処理のCPU41による制御手順を示すフローチャートである。
この方角表示処理は、下山(下り)の開始時に、ユーザによる操作部44への所定の操作入力に基づいて方向表示プログラム422が読み出されることで開始され、継続的に実行される。
【0046】
CPU41は、先ず、圧力センサ56、方位センサ58、及び、加速度センサ60によるセンサ計測を開始する(ステップS121)。次に、CPU41は、初期設定又はユーザ操作により予め定められた時間間隔で気圧計測値を取得し(ステップS122)、モデル大気圧テーブル421と補正パラメータとを用いて高度値に換算する(ステップS123)。
【0047】
CPU41は、換算された高度値と計測値ログ記憶部431に記憶された位置情報に係る高度とが一致するものがあるか否かを判別する(ステップS124)。ここで行われる一致の判別処理では、計測誤差やユーザの利便性などを考慮して、完全一致ではなく、気圧から換算された高度と計測値ログ記憶部431から読み出された高度との間にずれ幅を持たせることが出来る。このずれ幅の範囲(所定の範囲)としては、上下方向に等しく計測誤差を考慮した、例えば、±10mというような範囲としても良いし、下山時であることを考慮して、及び/又は、登山時と下山時の移動速度の違いを考慮して、プラス方向に偏って設定された範囲としても良い。計測値ログ記憶部431の何れの高度とも一致しないと判別された場合には、CPU41の処理は、ステップS122に戻る。
【0048】
換算された高度値と、計測値ログ記憶部431に記憶された測位データに係る高度のうち何れかの値とが一致すると判別された場合には、CPU41は、当該一致判別がなされた測位データを抽出すると共に、Bluetoothモジュール48を介してスマートフォン10にGPS測位の実行要求を送信する(ステップS125)。
このとき、スマートフォン10では、GPS測位要求が受信されると、計測値登録処理における要求と同様に位置情報送信プログラム141が読み出されることで位置情報取得処理が開始され、測位結果に係る所定の測位データが電子時計40に送信される。
【0049】
スマートフォン10からGPS測位結果に基づく測位データが受信されると、CPU41は、当該位置と、ステップS125の処理で抽出された測位データの位置とが一致するか否かを判別する(ステップS126)。CPU41は、この場合にも、完全一致ではなく、ずれ幅(所定の距離)を持たせて一致判定を行うことができる。また、両地点の位置により、例えば、両地点間の傾斜角や、両地点間の方位角と現在位置での移動方向との差といった位置関係により、許容するずれ幅に細かい設定を行うことも出来る。一致しないと判別された場合には、CPU41の処理は、ステップS122に戻る。
【0050】
一致すると判別された場合には、CPU41は、報知動作を行う(ステップS127)。この報知動作としては、ユーザの設定に基づいて、振動モータ50、LED52、ピエゾ素子54のうち何れか、又は、複数の組み合わせの動作が選択される。次いで、CPU41は、計測された加速度センサ及び方位センサの値に基づいて電子時計40の姿勢を同定し(ステップS128)、この電子時計40の姿勢に応じて、計測値ログ記憶部431にメモリされた方位角に対応する方角を表示部46に表示させる(ステップS129)。それから、CPU41は、スマートフォン10から取得されたGPS測位高度と、圧力センサにより計測された気圧値とに基づき、モデル大気圧テーブル421を用いた換算式の補正パラメータを設定する(ステップS130)。そして、CPU41の処理は、ステップS122に戻る。
【0051】
なお、表示部46への表示は、ユーザが報知動作に気づいて電子時計40の姿勢を表示部46の閲覧状態にセットした状況を検出してから行わせても良いし、報知動作に気づいたユーザが操作部44に所定の操作入力を行ったのを検出してから行わせても良い。
また、表示部46への表示は、所定の時間継続させることとしても良いし、操作部44への所定のユーザ操作に基づいて終了することとしても良い。
【0052】
図7は、本実施形態における計測値登録処理及び方向表示処理の具体例を説明するための図である。
ここでは、地点(a)の登山口から地点(e)の頂上まで破線で示した登山ルートを往復する場合について説明する。
【0053】
例えば、分岐点である地点(b)において、操作入力に基づいて圧力センサ56、方位センサ58、及び、加速度センサ60の計測値が取得され(ステップS101)、ユーザの設定及び操作によって登って来た方向(矢印方向)への方位角(北向き(図面内上向き)を基準方向として180°方向)が取得されると(ステップS102)、スマートフォン10にGPS測位要求が送信されて(ステップS103)測位データが取得され、この測位データと取得された方位角とが関連付けられて登録される(ステップS102、S104)。同様に、例えば、稜線の縦走路への合流地点である地点(c)において、谷ルートへの分岐方向(150°方向)が登録される。また、登山道の分岐点だけではなく、例えば、正規の登山道と登山道ではない支稜(図示略)との分岐地点(d)で登山道のある稜線方向(220度方向)を登録しておくことができる。また、各登録地点において、GPS測位により取得された高度と圧力センサ56の計測値とに基づいて、この計測値(気圧)から高度値への換算式を随時補正する処理を行う(ステップS105)。
【0054】
その後、頂上の地点(e)において、下山開始時にユーザ操作により方角表示処理が起動されると、圧力センサ56、方位センサ58、及び、加速度センサ60による継続的な計測が開始される(ステップS121)。そして、所定の時間間隔でデジタルサンプリングされた気圧計測値が取得され(ステップS122)、高度値に換算されて(ステップS123)、この換算高度と計測値ログ記憶部431に記憶された各測位データに係る高度値とが比較される(ステップS124)。その結果、地点(d)、(c)、(b)を通過する際、それぞれ、高度の一致が検出されると、更に、スマートフォン10にGPS測位要求が送信される(ステップS125)。スマートフォン10から受信、取得された測位データと、検出(抽出)された高度値に対応する測位データとの比較により、両地点が同位置であると判別された場合には(ステップS126で“YES”)、振動モータ50、LED52、ピエゾ素子54などを用いた報知動作が行われ(ステップS127)、また、下山方向の方角が表示部46に示されることになる(ステップS128、S129)。
【0055】
このとき、例えば、地点(c)と地点(d)の間に鞍部(f)がある場合などで、この鞍部(f)と地点(d)との間に地点(c)と等しい高度の地点(g)が存在すると、地点(g)において地点(c)に対応する高度との一致が検出されて(ステップS124で“YES”)、GPS測位要求がスマートフォン10に送られる(ステップS125)。しかしながら、スマートフォン10から受信した測位データにより、地点(g)と地点(c)とでは水平位置が異なると同定されるので(ステップS126で“NO”)、報知動作(ステップS127)及び方角表示に係る動作(ステップS128、S129)は行われない。
【0056】
なお、上記実施の形態及び具体例では、毎回地点(b)、(c)、(d)の全ての地点における高度の値と圧力センサ56の計測に基づく高度との比較が行われることとしたが、同一ルートを反対方向に進む行程であることが分かっている場合には、当初地点(d)のみについて比較検出を行い、地点(d)に到達して当該地点における進行方向が示された後には、地点(c)のみについて比較検出を行い、地点(c)に到達して当該地点における進行方向が示された後には、地点(b)のみについて比較検出を行うこととしても良い。
【0057】
以上のように、第1実施形態の方角表示システム1は、互いに近距離無線通信が可能な電子時計40とスマートフォン10により構成される。電子時計40には、圧力センサ56、方位センサ58、及び、加速度センサ60が備えられ、低消費電力で継続的に高度が求められると共に、操作部44により登録命令が受け付けられた際に指定された方向の方位角の値を取得することが出来る。また、スマートフォン10は、GPSデータ受信処理部26を備え、間欠的にGPS測位を行うことができる。そして、ユーザが登山時に所望の地点で登録したい方角の方位を登録すると、電子時計40は、スマートフォン10から当該地点におけるGPS測位データを取得して、登録された方位情報と関連付けて計測値ログ記憶部431に記憶させていく。そして、下山時には、圧力センサ56の計測値に基づいて得られる高度値が計測値ログ記憶部431に記憶させたGPS測位データに係る高度値と等しくなった場合に、電子時計40は、スマートフォン10からGPS測位データに係る現在位置データを取得して、この現在位置が計測値ログ記憶部431に記憶させたこのGPS測位データに係る位置と一致するか否かを判別する。そして、一致したと判別された場合にのみ、表示部46に当該登録地点において登録された方位に係る方向を表示させることで、進行方向を示すことができる。
このように、通常は、圧力センサ56、方位センサ58、及び、加速度センサ60の動作により位置、方位、及び、電子時計40の姿勢を計測するので、電力消費を抑えることができる。従って、電子時計40を小型化したり軽量化したりすることができるので、登山の際に手首などに装着しても負担にならない。一方で、所望の方向を登録する際には、スマートフォン10を呼び出してGPS測位に基づく現在位置データを取得するので、位置計測の精度を低下させず、確実な位置登録を行うことができる。そして、登録された正確な位置で所望の方位データを容易に表示させることができる。
【0058】
また、正確な位置データを取得したい場合にだけスマートフォン10にGPS測位を行わせるので、スマートフォン10の電力消費も抑えることができる。また、山道のように手を空けづらい場所でわざわざスマートフォン10を取り出して閲覧する必要が無い。
【0059】
また、登山時に各所で現実に移動した、又は、目視により確認した状況に従って下山時の進行方向を登録しておくことで、地図では判別しづらいような場所でも下山方向に迷わない、下山ルートを見逃さない、下山ルートを外すリスクを低減する、といった効果をそれぞれ得ることができる。特に、霧で視界が悪い稜線や岩場、大岩などの迂回や登山道の急な方向転換、紛らわしい踏み跡があり間違えやすい地点、落葉の堆積や藪、積雪などにより踏み跡が見つけづらいルートなど、山道の各所でユーザの適切なルートファインディングの一助とすることができる。
【0060】
また、GPS測位データを用いた各処理は、計測値ログ記憶部431を用いて全て電子時計40で行われ、スマートフォン10には、GPS測位と当該測位データの送信のみを行わせるので、スマートフォン10に他の処理に係る余剰負荷をかけることがない。
【0061】
また、登りの計測値登録処理と下りの方向表示処理とを切り離して別個に行うことで、まだ登りの登録を行っている段階で不必要に方向表示に係る検出処理を行う必要が無い。
【0062】
また、ユーザ操作に基づいて登りと下りの動作を切り替えるので、アップダウンの繰り返される多くの登山道でも間違いなく計測値登録処理から方向表示処理に切り替えることができる。
【0063】
また、同一ルートを戻る場合など、検出される順が明確な場合には、次に検出対象となる地点の位置データについてのみを比較検出の対象とすることで、CPU41による処理の量を低減させることができる。
【0064】
また、振動モータ50、LED52、及び、ピエゾ素子54を備え、方向表示処理において進行方向を表示する際に、ユーザ所望の方法により報知動作を行うので、ユーザが表示に気づかずに誤った方向に進んでしまうことを避けることができる。
【0065】
また、GPS測位に係る現在位置情報が取得されるたびにモデル大気圧テーブル421を用いた圧力センサ56の計測値から高度値への換算パラメータを補正するので、下山中に気圧が変化してそのままでは正しい高度を取得しづらい場合でも気圧の変化に追随して精度の高い高度値を取得することができる。
【0066】
[変形例]
図8には、上記実施の形態の電子時計40における方角表示処理の変形例に係るフローチャートを示す。
【0067】
この変形例の方角表示処理では、登山時の計測値登録処理と下山時の方角表示処理とを区別せずに並列的に行う。即ち、この変形例の方角表示処理では、上記実施形態の方角表示処理におけるステップS124の処理で“NO”に分岐した場合に、CPU41は、操作部44の入力操作によりメモリ登録要求があったか否かを判別し(ステップS100)、要求があったと判別された場合には、計測値登録処理に係るステップS101〜S105の処理が行われる制御手順となっている。上記のステップS100を除くその他のステップの各処理は、上記実施の形態と同一であり、同一の符号を付して説明を省略する。
なお、この変形例の方角表示処理では、ある地点の測位データ及び方位角の登録直後にステップS124の判別処理で同一箇所が検出されたと判別されてしまうことを防ぐため、所定時間、或いは、一旦所定の高度差の移動が行われたと判断されるまで、当該高度を検出対象としないように設定することができる。
【0068】
このように、登り下りで処理を分離することなく登録処理と表示処理をまとめて行うことで、単なる往復ルートに限らず、周回ルートや寄り道ルートを含むような場合にも柔軟に対応して方角表示を行わせることができる。
【0069】
[第2実施形態]
次に、第2実施形態の方角表示システム1について説明する。
この第2実施形態の方角表示システム1を構成する電子時計40の内部構成は、第1実施形態の電子時計40と同一であるので説明を省略する。
【0070】
図9は、第2実施形態の方角表示システム1を構成するスマートフォン10aの内部構成を示すブロック図である。
【0071】
この第2実施形態のスマートフォン10aは、第1実施形態のスマートフォン10において記憶部14に記憶された位置情報送信プログラム141の代わりに、記憶部14には、位置情報処理プログラム142及び位置情報記憶部143が記憶されている点を除き、同一であり、同一の符号を付して説明を省略する。
【0072】
次に、第2実施形態の方角表示システム1における方角表示動作について説明する。
【0073】
図10は、第2実施形態の方角表示システム1において、電子時計40で実行される方角表示処理のCPU41による制御手順を示すフローチャートである。また、
図11は、第2実施形態の方角表示システム1において、スマートフォン
10aで実行される位置情報取得処理及び位置情報比較処理のCPU11による制御手順を示すフローチャートである。
【0074】
この第2実施形態の電子時計40で実施される方角表示処理は、上記変形例の方角表示処理におけるステップS125、S126、S102〜S104の処理がそれぞれステップS125a、S126a、S102a〜S104aに変更された点を除き同一であり、同一の符号を付して詳しい説明を省略する。
【0075】
一方、第2実施形態のスマートフォン10aでは、ステップS103aに係るGPS測位要求の際には、記憶部14から読み出された位置情報処理プログラム142により位置情報取得処理が実行されて、この位置情報取得処理では、第1実施形態の位置情報取得処理に対してステップS203の処理が追加されると共に、ステップS204の処理に代えてステップS204aの処理が実行される。また、ステップS125aに係る要求の受信時には、スマートフォン10aでは、位置情報処理プログラム142により位置情報比較処理が実行されて、第1実施形態の位置情報取得処理におけるステップS204の処理の代わりにステップS213、S214の処理が実行される。その他の処理については同一であり、同一の符号を付して詳しい説明を省略する。
【0076】
第2実施形態の電子時計40における方角表示処理では、
図10に示すように、ステップS100の処理で“YES”に分岐し、気圧、方位、加速度の計測値が取得されると(ステップS101)、CPU41は、データを特定するための新たなID値を設定し、このID値と共に指定方向の方位角を計測値ログ記憶部431に記憶させる(ステップS102a)。それから、CPU41は、この設定されたID値と共にBluetoothモジュール48を介してスマートフォン10aに対し、GPS測位要求を送信する(ステップS103a)。CPU41は、スマートフォン10aから現在位置情報として高度データのみを受信すると、先に記憶されたID値に関連付けて計測値ログ記憶部431にこの高度データを記憶させる(ステップS104a)。
【0077】
ステップS103aの処理で送信されたGPS測位要求がスマートフォン10aで受信されると、スマートフォン10aのCPU11は、
図11(a)に示すように、位置情報取得処理を開始する。CPU11は、GPS衛星からの電波を受信し(ステップS201)、GPS測位データが取得されると(ステップS202)、受信されたID値と測位データとを対応付けて位置情報記憶部143に記憶させる(ステップS203)。そして、CPU11は、Bluetoothモジュール24を介して電子時計40に対し、現在位置情報として測位結果のうち高度データのみを送信する(ステップS204a)。そして、CPU11は、位置情報取得処理を終了する。
【0078】
次に、電子時計40でCPU41が制御する方角表示処理において、ステップS124の処理で“YES”に分岐すると、
図10に示すように、CPU41は、Bluetoothモジュール48を介してスマートフォン10aに対し、抽出された高度値(登録位置情報)に対応するID値と共に、GPS位置確認要求を送信する(ステップS125a)。CPU41は、スマートフォン10aから比較結果のみを受信する。ここでは、CPU41は、スマートフォン10aの位置情報記憶部143にメモリID値と対応付けられて記憶されていた測位データと、今回のGPS測位により測定された現在位置とが所定の範囲のずれ内で一致したか否かの判別結果を取得し、この判別結果の可否を判別する(ステップS126a)。一致したと判別された場合には、CPU41の処理は、ステップS127に移行し、一致しなかったと判別された場合には、CPU41の処理は、ステップS122に戻る。
【0079】
ステップS125aの処理において送信されたGPS位置確認要求がスマートフォン10aにおいて受信されると、スマートフォン10aのCPU11は、位置情報比較処理を実行する。
図11(b)に示すように、CPU11は、GPS衛星からの電波を受信し(ステップS201)、GPS測位データが取得されると(ステップS202)、このGPS測位データと、電子時計40からGPS位置確認要求と共に送信されたID値に対応して位置情報記憶部143に記憶された測位データとを比較し、両者
が所定のずれ範囲内で一致するか否かを判別する(ステップS213)。そして、CPU11は、その比較結果を“YES”か“NO”を示す二値信号で電子時計40に送信する(ステップS214)。そして、CPU11は、位置情報比較処理を終了する。
【0080】
以上のように、第2実施形態の方角表示システム1によれば、進行方向データを登録する際にスマートフォン10においてGPS測位により取得された三次元位置データは、位置情報記憶部143に記憶され、高度方向のデータのみが電子時計40に送信されて、計測値ログ記憶部431に記憶される。そして、方向表示に係る抽出処理で電子時計40において換算された高度が登録された高度と一致した場合に、位置の一致判別処理は、全てスマートフォン10で行われて、判別結果のみが電子時計40に返される。従って、電子時計40にとって不必要なデータをスマートフォン10から送信する必要がないので、通信量を減らして通信に係る電力や通信時間を抑えることができる。また、電子時計40が必要とする記憶容量を低減させることができる。
【0081】
なお、本発明は、上記実施の形態に限られるものではなく、様々な変更が可能である。
例えば、上記実施の形態では、加速度センサ60を用いて電子時計40の姿勢を同定した上で方向の計測や表示を行ったが、ユーザにより電子時計40が所定の姿勢で配置されることを前提として加速度センサ60を用いずに方向の計測や表示を行わせることとしても良い。
【0082】
また、上記実施の形態では、計測値登録処理と方向表示処理を完全に別とする形態と、同時に動作させる形態とを示したが、どちらかでなくてもよい。例えば、途中までは計測値登録処理のみを動作させ、その後、計測値登録処理と方向表示処理とを並列に動作させることとしてもよい。
【0083】
また、上記実施の形態では、GPS測位により測定された測位データ(現在位置情報)を全て電子時計40で保持、利用する形態と、GPS測位により測定された現在位置情報のうち、水平方向位置に係るデータについては、全てスマートフォン10で保持、利用する形態とを示したが、その他の形態であっても良い。例えば、データの記憶保持を計測値ログ記憶部431で行い、登録位置抽出手段で抽出された登録位置情報をスマートフォン10に送り返して、GPS測位の結果と比較させ、一致判定を行わせることとしても良い。
【0084】
また、上記実施の形態では、高度や現在位置の一致判別処理(ステップS124、S126)の際に、多少のずれ幅を持たせてよいこととしたが、この場合、設定されたずれ幅が大きかったり、又は、小刻みなアップダウンが続いたりする場合であって、且つ、近接する地点で続けて登録が行われた場合には、特に、ジグザグ道など複雑な登山道において、複数の登録地点が検出されてしまう場合がありうる。このような場合には、例えば、両地点において登録された方向を同時に表示させても良いし、より近い地点又は後に登録された地点で登録された方向を表示させることとしても良い。また、複数の方向を同時に表示させる場合であっても、より近い地点又は後に登録された地点において登録された方向とその他の地点において登録された方向とを区別できるように異なる表示方式(例えば、点滅させるなど)で表示させることとしても良い。いずれにせよ、遠く離れた地点において登録された方向の表示データを排除することが可能である。
【0085】
また、上記実施の形態では、位置の登録地点について一の進行方向のみを登録することとしたが、上記のようにずれの範囲や判別距離条件の中に複数の登録がなされた場合には、一の地点について複数の進行方向を順に登録することとしても良い。或いは、当該地点についてのみ、ずれの範囲や判別距離を小さくするような設定変更を行っても良い。
【0086】
また、上記実施の形態では、電子時計40とスマートフォン10の組み合わせを例に挙げて説明したが、これに限られない。例えば、スマートフォン10の代わりに専用のGPSロガーや測位装置を用いることも出来る。このような場合には、通常のGPS測位動作で得られたデータをそのまま兼用して電子時計40で取得すればよく、電子時計40は、別途GPS測位の要求を行う必要はない。また、電子時計40に限らず、他の腕装着型の電子装置、例えば、歩数計などに本発明を適用しても良い。また、電子装置は、腕装着型のものに限られず、登山道などで利用可能であり、且つ、容易に閲覧可能な携帯型の電子装置、例えば、首から下げたりすることが可能なものであればよい。
【0087】
また、近距離無線通信手段として、Bluetoothを例に挙げて説明したがこれに限られない。その他のもの、例えば、赤外線通信やUWB(Ultra Wide Band)などであってもよい。
その他、上記実施の形態や変形例で示した数値や構成、制御手順などの細部は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
【0088】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、本発明の範囲は、上述の実施の形態に限定するものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲とその均等の範囲を含む。
以下に、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲に記載した発明を付記する。付記に記載した請求項の項番は、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲の通りである。
【0089】
[付記]
<請求項1>
外部機器と近距離無線通信を行うための無線通信手段と、
気圧を計測する気圧計測手段と、
当該気圧計測手段により計測された気圧を高度値に換算する換算手段と、
指定された方向の方位を計測する方位計測手段と、
入力操作を受け付ける操作手段と、
情報を表示する表示手段と、
前記計測された方位の登録命令の入力操作が検出された場合に、前記無線通信手段により外部の測位装置から現在位置情報を取得し、当該現在位置情報を登録位置情報として前記計測された方位である登録方位情報と関連付けて記憶させる登録制御手段と、
前記換算手段により換算された高度値と、前記記憶された前記登録位置情報に係る高度値との差が所定の範囲内にある前記登録位置情報を抽出する登録位置抽出手段と、
当該登録位置抽出手段により一以上の前記登録位置情報が抽出された場合には、前記測位装置により測定された現在位置と、前記抽出された登録位置情報に係る位置とにより、当該登録位置情報に関連付けて記憶された前記登録方位情報に係る方角を前記表示手段により指示させる表示制御手段と
を備えることを特徴とする方角表示装置。
<請求項2>
前記計測された方位である登録方位情報を記憶する記憶手段を備え、
前記表示制御手段は、
前記無線通信手段により前記測位装置から現在位置情報を取得し、当該現在位置情報に係る現在位置と、前記抽出された登録位置情報に係る位置との間の距離を算出して、当該算出された距離が前記所定の距離以内であるか否かを判別する位置一致判別手段と、
前記位置一致判別手段により前記所定の距離以内であると判別された場合に、当該判別がなされた登録位置情報と関連付けて記憶された前記登録方位情報に係る方角を前記表示手段により指示させる方角表示制御手段と
を備えることを特徴とする請求項1記載の方角表示装置。
<請求項3>
前記表示制御手段は、
前記測位装置から前記無線通信手段により、現在位置と、前記抽出された登録位置情報に係る位置との間の距離が前記所定の距離以内にあるか否かに係る判別結果を取得する位置確認手段と、
前記位置確認手段により前記所定の距離以内であると判別された場合に、当該判別の対象となった登録位置情報と関連付けて記憶された前記登録方位情報に係る方角を前記表示手段により指示させる方角表示制御手段と
を備えることを特徴とする請求項1記載の方角表示装置。
<請求項4>
前記計測された方位の登録命令の入力操作を検出する登録命令検出手段又は前記登録位置抽出手段のうち、何れか一方を選択的に動作させる入出力切替制御手段を備える
ことを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の方角表示装置。
<請求項5>
前記入出力切替制御手段は、前記操作手段への所定の入力操作に基づいて動作の切り替えを行うことを特徴とする請求項4記載の方角表示装置。
<請求項6>
前記登録位置抽出手段は、前記表示手段により未だ方角が指示されていない前記登録方位情報に関連付けられた前記登録位置情報のうち、最新の登録位置情報に係る高度値との差が所定の範囲内にある場合にのみ、当該登録位置情報を抽出する
ことを特徴とする請求項4又は5記載の方角表示装置。
<請求項7>
所定の報知動作を行う報知手段を備え、
前記表示制御手段は、前記表示手段に方角を指示させる場合に、前記報知手段に前記所定の報知動作を行わせることを特徴とする請求項1〜6の何れか一項に記載の方角表示装置。
<請求項8>
前記換算手段は、前記測位装置から現在位置情報が取得されるごとに、当該現在位置情報に係る高度値と、前記気圧計測手段により計測された気圧とに基づいて、換算に係るパラメータを補正する
ことを特徴とする請求項1〜7の何れか一項に記載の方角表示装置。
<請求項9>
外部機器と近距離無線通信を行うための外部通信手段と、
複数の測位衛星から電波を受信することで現在位置を測定する測位手段と、
当該測位手段による測定のタイミングと、当該測定の結果に係る現在位置情報の送信出力とを制御する測位制御手段と
を備える測位装置と、
請求項1記載の方角表示装置と
によって構成される方角表示システムにおいて、
前記測位制御手段は、前記外部通信手段により受信された前記方角表示装置からの要求に従って、前記測位手段による測定の結果に係る現在位置情報を前記外部通信手段により前記方角表示装置に送信させる
ことを特徴とする方角表示システム。
<請求項10>
前記測位制御手段は、前記方角表示装置からの要求を受信するごとに、前記測位手段に現在位置の測定を行わせ、当該測定の結果に係る現在位置情報を前記外部通信手段により前記方角表示装置に送信させる
ことを特徴とする請求項9記載の方角表示システム。
<請求項11>
前記測位装置は、前記測位手段によって測定された現在位置を記憶する外部記憶手段を備え、
前記測位制御手段は、
前記方角表示装置から前記登録制御手段に係る要求が受信された場合の動作を制御する第1測位制御手段と、
前記方角表示装置から前記表示制御手段に係る要求が受信された場合の動作を制御する第2測位制御手段と、
を備え、
前記登録制御手段は、前記登録命令の入力操作が検出された場合には、当該登録命令に対する識別情報を設定して当該識別情報を前記測位装置に送信し、
前記第1測位制御手段は、前記測位手段により測定された現在位置を前記識別情報と関連付けて前記外部記憶手段に記憶させると共に、前記外部通信手段に前記現在位置情報として高度情報のみを送信させ、
前記登録制御手段は、前記登録方位情報と、前記測位装置から前記登録位置情報として取得した高度情報とを前記識別情報に関連付けて記憶させ、
前記表示制御手段は、前記登録位置抽出手段により一以上の前記登録位置情報が抽出された場合には、前記無線通信手段により前記測位装置に対し、当該抽出された前記登録位置情報に関連付けられた前記識別情報と共に現在位置確認要求を送信させ、
前記第2測位制御手段は、前記測位手段により測定された現在位置と、受信された前記識別情報に関連付けられて前記外部記憶手段に記憶されている現在位置との間の距離が前記所定の距離以内であるか否かを判別して、前記外部通信手段により当該判別の結果に基づく前記確認結果を返信させ、
前記表示制御手段は、前記測位装置から取得された当該確認結果に基づいて、前記登録方位情報に係る方角の表示を前記表示手段に行わせるか否かを決定する
ことを特徴とする請求項9又は10記載の方角表示システム。