【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 平成24年7月2日掲載,http://www.nissan−global.com/JP/NEWS/2012/_STORY/120702−01−j.html
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
電動機を駆動源とする車両に搭載された車載装置から走行位置情報、消費電力情報および充電位置情報の少なくとも1つを順次取得して走行履歴情報として蓄積する履歴情報蓄積部と、
出発地点から目的地点までの計画ルートを取得する計画ルート取得部と、
前記履歴情報蓄積部が蓄積している前記走行履歴情報を参照して、前記車両が走行した走行ルートのうちから、前記計画ルート取得部が取得した前記計画ルートと同一または類似の提示ルートを決定する提示ルート決定部と、
前記履歴情報蓄積部が蓄積している前記走行履歴情報のうちから、前記提示ルート決定部が決定した前記提示ルートを走行する際に経由した充電経由地を抽出する提示情報決定部と、
前記提示ルート決定部による決定結果および前記提示情報決定部による決定結果の情報を提供する提示情報提供部と、を備えたことを特徴とする情報提供装置。
前記提示情報決定部は、前記履歴情報蓄積部が蓄積している前記走行履歴情報を参照して、前記提示ルート決定部が決定した前記提示ルートを走行する際に消費する消費電力を運転者毎に決定し、
前記提示情報提供部は、前記提示情報決定部が決定した運転者毎の消費電力のうちの、最大の消費電力、最小の消費電力および平均の消費電力の情報を提供することを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の情報提供装置。
渋滞有無、走行速度、走行高度、季節、気温、天気、走行時間帯、走行消費電力およびエアコンの消費電力の少なくとも1つを検索条件として取得する検索条件取得部を備え、
前記走行履歴情報は、渋滞有無、走行速度、走行高度、季節、気温、天気、走行時間帯、走行消費電力およびエアコンの消費電力の少なくとも1つを含み、
前記提示情報決定部は、前記履歴情報蓄積部が蓄積している前記走行履歴情報のうち、前記検索条件取得部が取得した検索条件に適合する走行履歴情報を参照して、前記提示ルート決定部が決定した前記提示ルートを走行する際に消費する消費電力および前記提示ルート決定部が決定した前記提示ルートを走行する際に経由する充電経由地の少なくとも1つを決定し、
前記提示情報提供部は、前記提示ルート決定部による決定結果および前記提示情報決定部による決定結果の情報とともに、前記検索条件取得部が取得した検索条件の情報を提供することを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の情報提供装置。
【発明を実施するための形態】
【0008】
次に、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
本実施形態は、本発明を、電動機を駆動源とする車両を目的地点まで走行させる際の消費電力や充電経由地の情報を提供する車両用情報提供システムに適用したものである。
【0009】
(構成)
図1は、車両用情報提供システムSの概略構成を示す図である。
図1に示すように、車両用情報提供システムSは、電動機13を駆動源とする複数台の車両Aが搭載する車載装置1、車両Aの所有者が所持する端末装置2、およびデータセンタBが有する車両用情報提供装置3を備える。車載装置1および車両用情報提供装置3、端末装置2および車両用情報提供装置3は、通信路を介して情報の送受信を行う。通信路としては、例えば、携帯電話網、無線LAN網、DSRC(Dedicated Short Range Communications)網および電力線通信網がある。また、例えば、車載装置1および車両用情報提供装置3のそれぞれが、フラッシュメモリ等の着脱式の記憶媒体に情報を記録し、記録した情報を通信機能を有する端末経由で送受信する構成としてもよい。
【0010】
(車載装置1の構成)
車載装置1は、アクセル開度検出部4、位置検出部5、スイッチ状態検出部6、気温検出部7、高度検出部8、車速検出部9、エアコン使用量検出部10、電池残量検出部11および運転者検出部12を備える。
アクセル開度検出部4は、自車両Aのアクセル開度を検出する。そして、アクセル開度検出部4は、検出結果の情報を後述する車両制御部15に出力する。
位置検出部5は、GPS(Global Positioning System)衛星が送信したGPS信号に基づいて自車両Aの現在位置(例えば、緯度経度)を検出する。そして、位置検出部5は、検出結果の情報をナビゲーション装置18に出力する。
【0011】
スイッチ状態検出部6は、自車両Aのイグニッションスイッチのスイッチ状態を検出する。スイッチ状態としては、例えば、オン状態、オフ状態がある。そして、スイッチ状態検出部6は、検出結果の情報を後述する走行履歴記録部19に出力する。
気温検出部7は、自車両Aの現在位置の気温を検出する。そして、気温検出部7は、検出結果の情報を走行履歴記録部19に出力する。
【0012】
高度検出部8は、自車両Aの現在位置の高度を検出する。そして、高度検出部8は、検出結果の情報を走行履歴記録部19に出力する。
車速検出部9は、自車両Aの車速を検出する。そして、車速検出部9は、検出結果の情報を走行履歴記録部19に出力する。
エアコン使用量検出部10は、自車両Aのエアコン使用量を検出する。エアコン使用量としては、例えば、エアコンで消費する電力がある。そして、エアコン使用量検出部10は、検出結果の情報を走行履歴記録部19に出力する。
【0013】
電池残量検出部11は、車両Aの電池残量を検出する。電池残量としては、例えば、駆動源である電動機13に電力を供給するための走行用バッテリ14の残量がある。そして、電池残量検出部11は、検出結果の情報を走行履歴記録部19に出力する。
運転者検出部12は、自車両Aの運転者の運転者ID(Identification)を検出する。運転者IDとしては、例えば、運転者を一意に特定するための番号等がある。そして、運転者検出部12は、検出結果の情報を走行履歴記録部19に出力する。
【0014】
また、車載装置1は、車両制御部15、充放電制御部16、充放電回路部17、ナビゲーション装置18および走行履歴記録部19を備える。
車両制御部15は、アクセル開度検出部4が出力した情報(アクセル開度)を取得する。そして、車両制御部15は、取得した情報を走行履歴記録部19に出力する。また、車両制御部15は、取得した情報(アクセル開度)に基づき、アクセル開度に応じた電力を電動機13に供給させる制御指令を充放電制御部16に出力する。
【0015】
充放電制御部16は、車両制御部15からの制御指令に従って、走行用バッテリ14が蓄えている電力を電動機13に供給させる制御指令を充放電回路部17に出力する。また、充放電制御部16は、走行用バッテリ14の充電状態および充電時間を検出する。充電状態としては、例えば、充電中、非充電中がある。また、充電時間としては、例えば、充電を開始してから充電を終了するまでの時間がある。そして、充放電制御部16は、検出結果の情報を走行履歴記録部19に出力する。
【0016】
充放電回路部17は、充放電制御部16からの制御指令に従って、走行用バッテリ14が蓄えている電力を電動機13に供給する。これにより、電動機13は駆動力を発生する。また、充放電回路部17は、充電コネクタ20を介して充電装置21と接続する。充電装置21としては、充電施設Cが備え走行用バッテリ14を充電するための電力を供給する装置がある。そして、充放電回路部17は、充電コネクタ20に充電装置21が接続され、充電装置21から供給される電力で走行用バッテリ14を充電する。
【0017】
ナビゲーション装置18は、位置検出部5が出力した情報(緯度経度(車両Aの現在位置))を取得する。そして、ナビゲーション装置18は、取得した情報(緯度経度(車両Aの現在位置))に基づき、運転者が設定した出発地点から目的地点までの案内ルートに沿って車両Aを案内する案内情報を運転者に提示する。また、ナビゲーション装置18は、取得した情報および案内ルートを走行履歴記録部19に出力する。
【0018】
走行履歴記録部19は、各種検出部6〜12、車両制御部15、充放電制御部16およびナビゲーション装置18が出力した情報に基づき、走行履歴情報記録処理を実行する。走行履歴情報記録処理では、後述する第1走行履歴情報および第2走行履歴情報を記録する。そして、走行履歴記録部19は、記録した第1走行履歴情報および第2走行履歴情報を車両用情報提供装置3に送信する。走行履歴情報記録処理の詳細については後述する。
【0019】
端末装置2は、目的地点等入力部22、ルート演算部23および表示部24を備える。端末装置2としては、例えば、携帯電話端末、パーソナルコンピュータ等がある。
目的地点等入力部22は、端末装置2の利用者から出発地点、目的地点、電池残量(例えば、該利用者が所有する車両Aの電池残量)および運転者ID(例えば、該利用者を特定する運転者ID)の入力を受け付ける。そして、目的地点等入力部22は、受け付けた出発地点、目的地点、電池残量および運転者IDの情報をルート演算部23に出力する。
【0020】
ルート演算部23は、目的地点等入力部22が出力した情報(出発地点、目的地点)に基づき、ルート提供処理を実行する。ルート提供処理では、ルート演算部23は、提示ルートの検索要求(以下、提示ルート検索要求とも呼ぶ)を車両用情報提供装置3に送信する。続いて、ルート演算部23は、提示ルート、該提示ルートを走行する際に消費する消費電力および該提示ルートを走行する際に経由する充電施設Cの位置(以下、充電経由地とも呼ぶ)の情報を車両用情報提供装置3から受信する。また、ルート演算部23は、車両用情報提供装置3から該情報を受信すると、受信した情報を表示させる制御信号を表示部24に出力する。ルート提供処理の詳細については後述する。
なお、本実施形態では、端末装置2が、ルート提供処理を実行する例を示したが、他の構成を採用することもできる。例えば、位置検出部5、ルート演算部23および表示部24をナビゲーション装置18で実現する構成としてもよい。
【0021】
図2は、表示部24の表示内容を表す図である。
表示部24は、
図2に示すように、ルート演算部23が出力した制御指令に従って、提示ルート、該提示ルートを走行する際に消費する消費電力および該提示ルートを走行する際に経由する充電経由地の情報を表示画面に表示する。これにより、端末装置2の利用者は、車両Aを目的地点まで走行させる際の消費電力や充電経由地を事前に確認できる。
【0022】
図1に戻り、車両用情報提供装置3は、地図情報記憶部25、走行履歴蓄積部26および履歴統計部27を備える。
地図情報記憶部25は、車両Aが走行する地域の地図情報を記憶している。地図情報としては、例えば、道路網を表現するノードやリンク、充電施設Cの位置等がある。
走行履歴蓄積部26は、ルート演算部23が送信した後述する第1走行履歴情報および第2走行履歴情報に基づいて、履歴情報蓄積処理を実行する。履歴情報蓄積処理では、走行履歴蓄積部26は、車載装置1が送信した第1走行履歴情報および第2走行履歴情報を順次受信(取得)する。そして、走行履歴蓄積部26は、受信した第1走行履歴情報および第2走行履歴情報を走行履歴情報として蓄積する。
【0023】
履歴統計部27は、端末装置2が出力した提示ルート検索要求、地図情報記憶部25が記憶している地図情報および走行履歴蓄積部26が蓄積している走行履歴情報(第1走行履歴情報、第2走行履歴情報)を参照して、走行履歴統計処理を実行する。走行履歴統計処理では、履歴統計部27が、ルート演算部23が出力した提示ルート検索要求に基づき、地図情報記憶部25が記憶している地図情報を参照して、出発地点から目的地点までの計画ルートを探索(取得)する。計画ルートとしては、例えば、出発地点と目的地点とを最短時間で走行可能な走行ルートがある。続いて、履歴統計部27が、走行履歴蓄積部26が蓄積している走行履歴情報(第1走行履歴情報)を参照して、探索(取得)した計画ルートと同一または類似の提示ルートを決定する。続いて、履歴統計部27が、走行履歴蓄積部26が蓄積している走行履歴情報(第1走行履歴情報、第2走行履歴情報)を参照して、決定した提示ルートを走行する際に消費した消費電力および提示ルートを走行する際に経由する充電経由地を決定する。そして、履歴統計部27が、決定した提示ルート、消費電力および充電経由地の情報を車載装置1に送信(提供)する。これにより、車載装置1は、履歴統計部27が出力した情報に基づいて、提示ルート、提示ルートを走行する際に消費した消費電力および提示ルートを走行する際に経由する充電経由地
の情報を提示する。走行履歴統計処理の詳細については後述する。
【0024】
(演算処理)
次に、走行履歴記録部19が実行する走行履歴情報記録処理について説明する。走行履歴記録部19は、予め定められた設定時間(例えば、10msec.)が経過するたびに走行履歴情報記録処理を実行する。
図3は、走行履歴情報記録処理を表すフローチャートである。
図3に示すように、ステップS101では、走行履歴記録部19は、運転者が車両Aの運転を開始したか否かを判定する。具体的には、走行履歴記録部19は、スイッチ状態検出部6が出力した情報(イグニッションスイッチのスイッチ状態)に基づき、イグニッションスイッチがオン状態であるか否かを判定する。そして、走行履歴記録部19は、イグニッションスイッチがオン状態であると判定した場合には(Yes)、運転者が車両Aの運転を開始したと判定し、ステップS102に移行する。一方、走行履歴記録部19は、イグニッションスイッチがオフ状態であると判定した場合には(No)、運転者が車両Aの運転を開始していないと判定し、この演算処理を終了する。
【0025】
前記ステップS102では、走行履歴記録部19は、車両Aを特定する情報(車両ID)、運転者検出部12が出力した情報(運転者ID)、気温検出部7が出力した情報(気温)および現在の日時を基本情報として該走行履歴記録部19に記録する。
続いてステップS103に移行して、走行履歴記録部19は、位置検出部5、高度検出部8が出力した情報(緯度経度、高度)および走行ルート(以下、走行位置情報とも呼ぶ)を移動情報として該走行履歴記録部19に記録する。走行ルートとしては、例えば、ナビゲーション装置18が提示する案内ルートに沿って車両Aが走行するものと考えられるため、ナビゲーション装置18が出力した情報(案内ルート)を採用できる。
【0026】
続いてステップS104に移行して、走行履歴記録部19は、各検出部4、8、9および10が出力した情報(車速、アクセル開度、エアコン使用量)を車両状態情報として該走行履歴記録部19に記録する。なお、走行履歴記録部19は、ナビゲーション装置18が案内する案内ルートに沿った走行を終えた場合には、案内ルートを走行した際に消費した消費電力(以下、消費電力情報とも呼ぶ)も車両状態情報に含めて記録する。消費電力の算出方法としては、例えば、案内ルートの出発地点を出発したときの電池残量から該走行ルートの目的地点に到達したときの電池残量を減算した減算結果がある。
【0027】
続いてステップS105に移行して、走行履歴記録部19は、走行履歴記録部19が記録している基本情報、移動情報および車両状態情報を含む情報を第1走行履歴情報として車両用情報提供装置3に送信する。
続いてステップS106に移行して、走行履歴記録部19は、運転者が車両Aの運転を終了したか否かを判定する。具体的には、走行履歴記録部19は、スイッチ状態検出部6が出力した情報(イグニッションスイッチのスイッチ状態)に基づき、イグニッションスイッチがオフ状態であるか否かを判定する。そして、走行履歴記録部19は、イグニッションスイッチがオフ状態であると判定した場合には(Yes)、運転者が車両Aの運転を終了したと判定し、ステップS107に移行する。一方、走行履歴記録部19は、イグニッションスイッチがオン状態であると判定した場合には(No)、運転者が車両Aの運転を終了していないと判定し、前記ステップS102に移行する。
【0028】
前記ステップS107では、走行履歴記録部19は、走行用バッテリ14の充電を開始したか否かを判定する。具体的には、走行履歴記録部19は、充放電制御部16が出力した情報(走行用バッテリ14の充電状態)に基づき、走行用バッテリ14が充電状態であるか否かを判定する。そして、走行履歴記録部19は、走行用バッテリ14が充電状態であると判定した場合には(Yes)、走行用バッテリ14の充電を開始したと判定し、ステップS108に移行する。一方、走行履歴記録部19は、走行用バッテリ14が充電状態ではないと判定した場合には(No)、走行用バッテリ14の充電を開始していないと判定し、前記ステップS101に移行する。
【0029】
前記ステップS108では、走行履歴記録部19は、気温検出部7が出力した情報(気温)および現在の日時を基本情報として該走行履歴記録部19に記録する。
続いてステップS109では、走行履歴記録部19は、位置検出部5、電池残量検出部11、充放電制御部16が出力した情報(緯度経度(以下、充電経由地、充電位置情報とも呼ぶ)、充電量、充電時間)を充電情報として該走行履歴記録部19に記録する。
【0030】
続いてステップS110では、走行履歴記録部19は、走行履歴記録部19が記録している基本情報および充電情報を含む情報を第2走行履歴情報として車両用情報提供装置3に送信する。その際、走行履歴記録部19は、前記ステップS105で送信した走行履歴情報と第2走行履歴情報とを対応付ける。これにより、走行履歴記録部19は、車両Aが走行した走行ルートと該走行ルートを走行した際に経由した充電経由地とを対応付ける。
【0031】
続いてステップS111に移行して、走行履歴記録部19は、走行用バッテリ14の充電を終了したか否かを判定する。具体的には、走行履歴記録部19は、充放電制御部16が出力した情報(走行用バッテリ14の充電状態)に基づき、走行用バッテリ14が充電状態でないか否かを判定する。そして、走行履歴記録部19は、走行用バッテリ14が充電状態でないと判定した場合には(Yes)、走行用バッテリ14の充電を終了したと判定し、この演算処理を終了する。一方、走行履歴記録部19は、走行用バッテリ14が充電状態であると判定した場合には(No)、走行用バッテリ14の充電を終了していないと判定し、前記ステップS108に移行する。
【0032】
次に、ルート演算部23が実行するルート提供処理について説明する。ルート演算部23は、目的地点等入力部22が情報を出力するたびにルート提供処理を実行する。
図4は、ルート提供処理を表すフローチャートである。
図4に示すように、ステップS201では、ルート演算部23は、目的地点等入力部22が出力した情報(出発地点、目的地点、電池残量、運転者ID)を取得する。
【0033】
続いてステップS202に移行して、ルート演算部23は、提示ルート検索要求を車両用情報提供装置3に送信する。提示ルート検索要求としては、例えば、前記ステップS201で取得した出発地点、目的地点、電池残量および運転者IDの情報がある。これにより、車両用情報提供装置3の履歴統計部27が、ルート演算部23が出力した提示ルート検索要求に基づき、地図情報記憶部25が記憶している地図情報を参照して、出発地点から目的地点までの計画ルートを探索(取得)する。続いて、履歴統計部27が、走行履歴蓄積部26が蓄積している走行履歴情報(第1走行履歴情報)を参照して、探索(取得)した計画ルートと同一または類似の提示ルートを決定する。続いて、履歴統計部27が、走行履歴蓄積部26が蓄積している走行履歴情報(第1走行履歴情報、第2走行履歴情報)を参照して、決定した提示ルートを走行する際に消費した消費電力および提示ルートを走行する際に経由する充電経由地を決定する。そして、履歴統計部27が、決定した提示ルート、消費電力および充電経由地の情報を車載装置1に送信(提供)する。なお、提示ルートを決定(算出)できなかった場合には、履歴統計部27は、提示ルートの情報に代えて、探索した計画ルートの情報を車載装置1に送信(提供)する。
【0034】
続いてステップS203に移行して、ルート演算部23は、車両用情報提供装置3が送信した情報(提示ルート、消費電力および充電経由地含む情報)を受信する。
続いてステップS204に移行して、ルート演算部23は、前記ステップS203で取得した情報が提示ルートの情報を含んでいるか否かを判定する。そして、ルート演算部23は、提示ルートの情報を含んでいると判定した場合には(Yes)ステップS205に移行する。一方、ルート演算部23は、提示ルートの情報を含んでいない(計画ルートの情報を含んでいる)と判定した場合には(No)ステップS207に移行する。
【0035】
前記ステップS205では、ルート演算部23は、前記ステップS203で取得した情報(提示ルート、消費電力および充電経由地)のうち提示ルートおよび充電経由地の情報を表示させる制御指令を表示部24に出力する。
続いてステップS206では、ルート演算部23は、前記ステップS203で取得した情報(提示ルート、消費電力および充電経由地)のうち消費電力の情報を表示させる制御指令を表示部24に出力した後、この演算処理を終了する。
【0036】
一方、前記ステップS207では、ルート演算部23は、前記ステップS203で取得した情報(計画ルート、消費電力および充電経由地)のうち、計画ルートおよび充電経由地の情報を表示させる制御指令を表示部24に出力する。
続いてステップS208では、ルート演算部23は、前記ステップS203で取得した情報(計画ルート、消費電力および充電経由地)のうち、消費電力の情報を表示させる制御指令を表示部24に出力した後、この演算処理を終了する。
【0037】
次に、走行履歴蓄積部26が実行する履歴蓄積処理について説明する。走行履歴蓄積部26は、ルート演算部23が送信した第1走行履歴情報または第2走行履歴情報を受信すると履歴蓄積処理を実行する。
図5は、履歴蓄積処理を表すフローチャートである。
図5に示すように、ステップS301では、走行履歴蓄積部26は、受信した第1走行履歴情報または第2走行履歴情報を走行履歴情報として該走行履歴蓄積部26に蓄積した後、この演算処理を終了する。その際、走行履歴蓄積部26は、渋滞有無、曜日、季節、天気、走行時間帯、走行消費電力および平均速度も走行履歴情報(第1走行履歴情報、第2走行履歴情報)に含めて蓄積する。渋滞有無としては、例えば、走行履歴情報が含む日時および走行ルートにおける渋滞有無がある。また、曜日としては、例えば、走行履歴情報が含む日時が属する曜日がある。さらに、季節としては、例えば、走行履歴情報が含む日時が属する季節がある。また、天気としては、例えば、走行履歴情報が含む日時および緯度経度における天気がある。さらに、時間帯としては、例えば、走行履歴情報が含む日時が属する時間帯がある。また、走行消費電力としては、例えば、走行履歴情報が含む電池残量の単位時間当たりの減少量がある。さらに、平均速度としては、例えば、走行履歴情報が含む車速の設定時間(例えば、10分)における平均値がある。
【0038】
なお、本実施形態では、走行履歴記録部19が、ナビゲーション装置18が出力した情報(案内ルート)を走行ルートとする例を示したが、他の構成を採用することもできる。例えば、第1走行履歴情報の走行ルートのうちに車両Aが実際に走行していない部分がある場合には、走行履歴蓄積部26が、該走行履歴蓄積部26が蓄積している走行履歴情報(緯度経度)に基づき、該部分を車両Aが実際に走行した走行ルートに補正する。これにより、走行履歴蓄積部26は、車両Aが実際に走行した走行ルートの情報を蓄積する。
【0039】
次に、履歴統計部27が実行する履歴統計処理について説明する。履歴統計部27は、車載装置1が送信した提示ルート検索要求を受信すると履歴統計処理を実行する。
図6は、履歴統計処理を表すフローチャートである。
図6に示すように、ステップS401では、履歴統計部27は、受信した提示ルート検索要求から出発地点および目的地点を取得する。続いて、履歴統計部27は、地図情報記憶部25が記憶している地図情報に基づき、取得した出発地点から目的地点までの計画ルートを探索(取得)する。
【0040】
なお、本実施形態では、履歴統計部27(車両用情報提供装置3)が、計画ルートを探索(取得)する例を示したが、他の構成を採用することもできる。例えば、ナビゲーション装置18(車載装置1)が、計画ルートを探索する構成としてもよい。この場合、ナビゲーション装置18が、計画ルートの探索結果を履歴統計部27に送信し、履歴統計部27が、ナビゲーション装置18が送信した計画ルートを受信(取得)する。
続いてステップS402に移行して、履歴統計部27は、受信した提示ルート検索要求から電池残量を取得する。
【0041】
図7は、類似ルートを表す説明図である。
続いてステップS403に移行して、履歴統計部27は、
図7に示すように、走行履歴蓄積部26が蓄積している第1走行履歴情報を参照して、計画ルートと同一または類似の提示ルート(以下、類似ルートとも呼ぶ)を探索(決定)する。類似の提示ルートとしては、例えば、計画ルート(出発地点、目的地点等)からの乖離が設定距離(例えば、20m)以内である提示ルートがある。例えば、履歴統計部27は、走行履歴蓄積部26が蓄積している第1走行履歴情報(走行ルート)のうちから、類似ルートを抽出する。なお、履歴統計部27は、走行履歴蓄積部26が蓄積している第1走行履歴情報(走行ルート)のうちに、適切な類似ルートが存在しない場合には類似ルートの抽出を断念する。
【0042】
なお、本実施形態では、履歴統計部27が、走行履歴蓄積部26が蓄積している第1走行履歴情報(走行ルート)のうち、計画ルートからの乖離が設定距離以内の走行ルートを類似ルートとして抽出する例を示したが、他の構成を採用することもできる。例えば、履歴統計部27が、計画ルートからの乖離に加え、走行時期(季節、気温)、走行時エアコン使用有無等の条件の類似性も考慮して提示ルートを検出する構成としてもよい。具体的には、履歴統計部27が、走行履歴蓄積部26が蓄積している第1走行履歴情報のうちから、現在の季節、気温およびエアコン使用量と同一または類似の、季節、気温およびエアコン使用量を含む第1走行履歴情報を抽出する。続いて、履歴統計部27が、抽出した第1走行履歴情報のうちから、計画ルートからの乖離が設定距離(20m)以内である走行ルートを抽出する。この場合、履歴統計部27が、現在の条件により適合する提示ルートを抽出でき、抽出した提示ルートの信頼性をより向上できる。
【0043】
続いてステップS404に移行して、履歴統計部27は、前記ステップS403で類似ルートを抽出できたか否かを判定する。そして、履歴統計部27は、類似ルートを抽出できたと判定した場合には(Yes)ステップS405に移行する。一方、履歴統計部27は、類似ルートを抽出できなかった(類似ルートの抽出を断念した)と判定した場合には(No)ステップS407に移行する。
【0044】
前記ステップS405では、履歴統計部27は、走行履歴蓄積部26が蓄積している第2走行履歴情報(充電経由地)のうちから、前記ステップS403で抽出した類似ルートを走行した際に経由した充電経由地を抽出する。例えば、履歴統計部27は、走行履歴蓄積部26が蓄積している第1走行履歴情報のうちから、前記ステップS403で抽出した類似ルートを含む第1走行履歴情報を検索する。続いて、履歴統計部27は、走行履歴蓄積部26が蓄積している第2走行履歴情報(充電経由地)のうち、検索した第1走行履歴情報に対応付けられている第2走行履歴情報から充電経由地を抽出する。
【0045】
続いてステップS406に移行して、履歴統計部27は、走行履歴蓄積部26が蓄積している第1走行履歴情報(消費電力)のうちから、前記ステップS403で抽出した類似ルートを走行した際に消費した消費電力を抽出した後、ステップS413に移行する。例えば、履歴統計部27は、前記ステップS403で抽出した類似ルートを含む第1走行履歴情報のうちから消費電力を抽出する。
【0046】
このように、本実施形態では、履歴統計部27が、走行履歴蓄積部26が蓄積している第1走行履歴情報のうちから、類似ルートを抽出する。続いて、履歴統計部27が、走行履歴蓄積部26が蓄積している第2走行履歴情報のうちから、類似ルートを走行した際に経由した充電経由地を抽出する。続いて、履歴統計部27が、走行履歴蓄積部26が蓄積している第1走行履歴情報のうちから、抽出した類似ルートを走行した際に消費した消費電力を抽出する。それゆえ、より適切な消費電力や充電経由地を取得できる。そのため、より実際の環境に則した消費電力の情報、充電経由地の情報を提供できる。
【0047】
図8は、合成ルートを表す説明図である。
一方、前記ステップS407では、履歴統計部27は、走行履歴蓄積部26が蓄積している第1走行履歴情報を参照して、複数の走行ルートを合成して形成した、計画ルートと同一または類似の提示ルート(以下、合成ルートとも呼ぶ)を探索(決定)する。具体的には、履歴統計部27は、
図8に示すように、走行履歴蓄積部26が蓄積している第1走行履歴情報を参照して、同一車両が走行した複数の走行ルートを合成して合成ルートを形成する。例えば、履歴統計部27は、まず、走行履歴蓄積部26が蓄積している第1走行履歴情報のうちから、車両IDが同一の第1走行履歴情報を抽出する。続いて、履歴統計部27は、抽出した第1走行履歴情報のうちから、前記ステップS401で取得した出発地点と同一の地点を出発地点とし、且つ計画ルートに沿って目的地点方向に延びている走行ルートを抽出する。続いて、履歴統計部27は、抽出した第1走行履歴情報のうちから、抽出した走行ルートの目的地点と同一の地点を出発地点とし、且つ計画ルートに沿って目的地点方向に延びている他の走行ルートを抽出する。そして、履歴統計部27は、上記走行ルートの抽出を繰り返し、最終的に、前記ステップS401で取得した目的地点と同一の地点を目的地点とする走行ルートを抽出する。これにより、履歴統計部27は、抽出した複数の走行ルートを合成することによって合成ルートを形成する。なお、履歴統計部27は、走行履歴蓄積部26が蓄積している複数の第1走行履歴情報のうちに、適切な走行ルートが存在しない場合には合成ルートの形成を断念する。
【0048】
続いてステップS408に移行して、履歴統計部27は、前記ステップS407で合成ルートを形成できたか否かを判定する。そして、履歴統計部27は、合成ルートを形成できたと判定した場合には(Yes)ステップS409に移行する。一方、履歴統計部27は、合成ルートを形成できなかった(合成ルートの抽出を断念した)と判定した場合には(No)ステップS411に移行する。
【0049】
前記ステップS409では、履歴統計部27は、走行履歴蓄積部26が蓄積している第2走行履歴情報(充電経由地)のうちから、前記ステップS407で形成した合成ルートを形成する各走行ルートを走行した際に経由した充電経由地を抽出する。例えば、履歴統計部27は、走行履歴蓄積部26が蓄積している第1走行履歴情報のうちから、前記ステップS407で形成した合成ルートを形成する各走行ルートを含む複数の第1走行履歴情報を検索する。続いて、履歴統計部27は、走行履歴蓄積部26が蓄積している第2走行履歴情報(充電経由地)のうち、検索した第1走行履歴情報に対応付けられている第2走行履歴情報それぞれから充電経由地を抽出する。そして、履歴統計部27は、抽出した充電経由地それぞれを、前記ステップS407で形成した合成ルートを走行した際に軽油した充電経由地とする。
【0050】
続いてステップS410に移行して、履歴統計部27は、走行履歴蓄積部26が蓄積している第1走行履歴情報(消費電力)のうちから、前記ステップS407で形成した合成ルートを形成する各走行ルートを走行した際に消費した消費電力を抽出する。例えば、履歴統計部27は、前記ステップS407で形成した合成ルートを形成する各走行ルートを含む複数の第1走行履歴情報それぞれから消費電力を抽出する。続いて、履歴統計部27は、抽出した消費電力の総和を、前記ステップS407で形成した合成ルートを走行した際に消費した消費電力とした後、前記ステップS413に移行する。
【0051】
このように、本実施形態では、履歴統計部27が、走行履歴蓄積部26が蓄積している第1走行履歴情報のうちの同一車両
が走行した複数の走行ルートを合成して合成ルートを形成する。続いて、履歴統計部27が、走行履歴蓄積部26が蓄積している第2走行履歴情報のうちから、合成ルートを形成する各走行ルートを走行した際に経由した充電経由地を抽出する。続いて、履歴統計部27が、走行履歴蓄積部26が蓄積している第1走行履歴情報のうちから、合成ルートを形成する各走行ルートを走行した際に消費した消費電力を抽出する。それゆえ、走行履歴蓄積部26が蓄積している第1走行履歴情報のうちに、計画ルートと同一または類似の走行ルート(類似ルート)が存在しない場合にも、消費電力や充電経由地を取得できる。
【0052】
図9は、合成ルートの変形例を表す説明図である。
なお、本実施形態では、履歴統計部27が、走行履歴蓄積部26が蓄積している第1走行履歴情報を参照して、同一車両が走行した複数の走行ルートを合成して合成ルートを形成する例を示したが、他の構成を採用することもできる。例えば、
図9に示すように、走行履歴蓄積部26が蓄積している第1走行履歴情報を参照して、複数車両が走行した複数の走行ルートを合成して合成ルートを形成する構成としてもよい。
【0053】
一方、前記ステップS411では、履歴統計部27は、自車両Aの理論性能に基づいて前記ステップS401で探索した計画ルートを走行する際に消費する消費電力(以下、理論消費電力とも呼ぶ)を算出する。具体的には、履歴統計部27は、計画ルートの全長と予め定めた単位距離当たりの消費電力との乗算結果を理論消費電力とする。
続いてステップS412に移行して、履歴統計部27は、地図情報記憶部25が記憶している地図情報に基づき、前記ステップS401で探索した計画ルートの近傍に存在する充電施設Cの位置を抽出した後、前記ステップS415に移行する。計画ルートの近傍に存在する充電施設Cとしては、計画ルート沿いに存在する充電施設Cや、計画ルートから設定距離(例えば、20m)以内にある充電施設Cがある。
【0054】
前記ステップS413では、履歴統計部27は、前記ステップS402で取得した電池残量に基づき、充電経由地抽出処理を実行する。充電経由地抽出処理では、履歴統計部27は、前記ステップS405、S409またはS412で取得した充電経由地のうちから、送信元端末装置2に送信(提供)する充電経由地を抽出する。送信元端末装置2としては、例えば、この履歴統計処理の開始の契機となった提示ルート検索要求の送信元の端末装置2がある。また、充電経由地抽出処理では、車両Aが目的地点に到達できない可能性を判定し、目的地点に到達できない可能性があると判定した場合にはその旨を警告する到達不能警告を行うことを決定する。充電経由地抽出処理の詳細は後述する。
【0055】
続いてステップS414に移行して、履歴統計部27は、車両Aの運転者の電力消費傾向に基づき、消費電力補正処理を実行する。消費電力補正処理では、履歴統計部27は、走行履歴蓄積部26が蓄積している第1走行履歴情報のうち、提示ルート検索要求が含んでいる運転者IDが特定した運転者の第1走行履歴情報を参照して、提示ルート(類似ルート、合成ルート)を走行した際に消費する消費電力を算出する。続いて、履歴統計部27は、算出した消費電力に基づいて、前記ステップS406、S410またはS411で抽出した消費電力を補正する。消費電力補正処理の詳細は後述する。
【0056】
前記ステップS415では、履歴統計部27は、前記ステップS403または407で抽出した提示ルート(類似ルート、合成ルート)、前記ステップS413で抽出した充電経由地および前記ステップS414で補正した消費電力の情報を送信元端末装置2に送信(提供)した後、この演算処理を終了する。なお、履歴統計部27は、前記ステップS403、407で提示ルートを抽出できなかった場合には、前記ステップS401で探索した計画ルート、前記ステップS413で抽出した充電経由地および前記ステップS412で算出した消費電力(理論消費電力)の情報を送信する。また、履歴統計部27は、前記ステップS413で到達不能警告を行うことを決定した場合には到達不能警告を表示させる制御指令も送信元端末装置2に送信(提供)する。
【0057】
なお、本実施形態では、前記ステップS413で抽出した充電経由地、および前記ステップS414で補正した消費電力の情報を送信元端末装置2に送信(提供)する例を示したが、他の構成を採用することもできる。例えば、前記ステップS405、S409またはS412で取得した充電経由地、および前記ステップS414で補正する前の消費電力の情報を送信元端末装置2に送信(提供)する構成としてもよい。
【0058】
次に、履歴統計部27が実行する充電経由地抽出処理について説明する。履歴統計部27は、履歴統計処理のステップS413に移行すると充電経由地抽出処理を実行する。
図10は、充電経由地抽出処理を表すフローチャートである。
図10に示すように、前記ステップS501では、履歴統計部27は、前記ステップS402で取得した電池残量が前記ステップS406、S410またはS411で抽出した消費電力(以下、抽出消費電力とも呼ぶ)より大きいか否かを判定する。そして、履歴統計部27は、電池残量が抽出消費電力より大きいと判定した場合には(Yes)ステップS502に移行する。一方、履歴統計部27は、電池残量が抽出消費電力以下であると判定した場合には(No)ステップS505に移行する。
【0059】
前記ステップS502では、履歴統計部27は、走行履歴蓄積部26が蓄積している第2走行履歴情報(充電経由地)を参照して、前記ステップS405、S409またはS412で取得した充電経由地のうちに、実績充電経由地があるか否かを判定する。実績充電経由地としては、複数台の車両Aのうちの少なくとも1台が実際に充電を行ったことがある充電施設Cの位置である。そして、履歴統計部27は、実績充電経由地があると判定した場合には(Yes)ステップS503に移行する。一方、履歴統計部27は、実績充電経由地がないと判定した場合には(No)、充電経由地を抽出せずに、この演算処理を終了する。これにより、履歴統計部27は、走行用バッテリ14の電池残量が十分であり、且つ前記ステップS405、S409またはS412で取得した充電経由地のうちに、実績充電経由地がない場合には、実績充電経由地の情報を送信元端末装置2に送信(提供)しない。
【0060】
前記ステップS503では、履歴統計部27は、走行履歴蓄積部26が蓄積している第2走行履歴情報(充電経由地)を参照して、前記ステップS405、S409またはS412で取得した充電経由地のうちから実績充電経由地を抽出した後、この演算処理を終了する。これにより、履歴統計部27は、走行用バッテリ14の電池残量が十分であり、且つ前記ステップS405、S409またはS412で取得した充電経由地のうちに、実績充電経由地がある場合には、実績充電経由地の情報のみを送信元端末装置2に送信(提供)する。
【0061】
一方、前記ステップS504では、履歴統計部27は、地図情報記憶部25が記憶している地図情報に基づき、前記ステップS403またはS407で抽出した提示ルート(類似ルート、合成ルート)の近傍に充電施設Cが存在するか否かを判定する。提示ルートの近傍に存在する充電施設Cとしては、提示ルート沿いに存在する充電施設Cや、提示ルートから設定距離(例えば、20m)以内にある充電施設Cがある。そして、履歴統計部27は、提示ルートの近傍に充電施設Cが存在すると判定した場合には(Yes)ステップS505に移行する。一方、履歴統計部27は、提示ルートの近傍に充電施設Cがないと判定した場合には(No)、ステップS506に移行する。
【0062】
なお、前記ステップS403またはS407で提示ルートを抽出できなかった場合には、履歴統計部27は、地図情報記憶部25が記憶している地図情報に基づき、前記ステップS401で探索した計画ルートの近傍に充電施設Cが存在するか否かを判定する。そして、履歴統計部27は、計画ルートの近傍に充電施設Cが存在すると判定した場合には(Yes)前記ステップS505に移行する。一方、履歴統計部27は、計画ルートの近傍に充電施設Cがないと判定した場合には(No)前記ステップS506に移行する。
【0063】
前記ステップS505では、履歴統計部27は、地図情報記憶部25が記憶している地図情報に基づき、提示ルート(類似ルート、合成ルート)の近傍に存在する充電施設Cの位置(以下、推奨近傍充電経由地とも呼ぶ)を抽出した後、この演算処理を終了する。なお、前記ステップS403、S407で提示ルートを抽出できなかった場合には、履歴統計部27は、地図情報記憶部25が記憶している地図情報に基づき、計画ルートの近傍に存在する推奨近傍充電経由地を抽出する。これにより、履歴統計部27は、走行用バッテリ14の電池残量が不十分であり、且つ推奨近傍充電経由地が存在する場合には、推奨近傍充電経由地の情報のみを送信元端末装置2に送信(提供)する。
【0064】
一方、前記ステップS506では、履歴統計部27は、到達不能警告を行うことを決定した後、この演算処理を終了する。これにより、履歴統計部27は、走行用バッテリ14の電池残量が不十分であり、且つ推奨近傍充電経由地が存在しない場合には、推奨近傍充電経由地(充電経由地)の情報を送信元端末装置2に送信(提供)しない。
【0065】
次に、履歴統計部27が実行する消費電力補正処理について説明する。履歴統計部27は、履歴統計処理のステップS414に移行すると消費電力補正処理を実行する。
図11は、消費電力補正処理を表すフローチャートである。
図11に示すように、前記ステップS601では、履歴統計部27は、受信した提示ルート検索要求から運転者ID(運転者を特定する情報)を取得する。続いて、履歴統計部27は、走行履歴蓄積部26が蓄積している第1走行履歴情報のうちに、取得した運転者IDと同一の運転者IDを含んでいる第1走行履歴情報(以下、送信元走行履歴情報とも呼ぶ)があるか否かを判定する。そして、履歴統計部27は、送信元走行履歴情報があると判定した場合には(Yes)ステップS603に移行する。一方、履歴統計部27は、送信元走行履歴情報がないと判定した場合には(No)ステップS602に移行する。
【0066】
前記ステップS602では、履歴統計部27は、前記ステップS406、S410またはS411で算出した消費電力をそのまま補正後の消費電力(以下、補正後消費電力とも呼ぶ)とした後、この演算処理を終了する。これにより、履歴統計部27は、走行履歴蓄積部26が蓄積している第1走行履歴情報のうちに、送信元走行履歴情報がない場合には、前記ステップS406、S410またはS411で算出した消費電力の情報をそのまま送信元端末装置2に送信(提供)する。
【0067】
一方、前記ステップS603では、履歴統計部27は、走行履歴蓄積部26が蓄積している送信元走行履歴情報(走行ルート)のうちに、前記ステップS403で抽出した類似ルートと同一の走行ルート(以下、同一走行ルートとも呼ぶ)があるか否かを判定する。そして、履歴統計部27は、同一走行ルートがあると判定した場合には(Yes)ステップS606に移行する。一方、履歴統計部27は、同一走行ルートがないと判定した場合には(No)ステップS614に移行する。
前記ステップS604では、履歴統計部27は、走行履歴蓄積部26が蓄積している送信元走行履歴情報のうちから、同一走行ルートを走行した際に消費した消費電力を抽出する。続いて、履歴統計部27は、抽出した消費電力を補正用消費電力とする。
【0068】
続いてステップS605に移行して、履歴統計部27は、前記ステップS604で算出した補正用消費電力に基づいて前記ステップS406、S410またはS411で算出した消費電力を補正する。消費電力の補正方法としては、例えば、消費電力を補正用消費電力で置換する方法、消費電力と補正用消費電力との平均値を算出する方法、消費電力bと補正用消費電力aとの差cを用いてa±cと表現する方法がある。続いて、履歴統計部27は、補正した消費電力を補正後消費電力とした後、この演算処理を終了する。これにより、履歴統計部27は、走行履歴蓄積部26が蓄積している送信元走行履歴情報のうちに、同一走行ルートがある場合には、同一走行ルートを走行した際に消費した消費電力で補正を行い、補正後の消費電力を送信元端末装置2に送信(提供)する。
【0069】
一方、前記ステップS606では、履歴統計部27は、走行履歴蓄積部26が蓄積している送信元走行履歴情報(走行ルート)のうちに、類似種別走行ルートがあるか否かを判定する。類似種別走行ルートとしては、例えば、前記ステップS403またはS407で抽出した提示ルート(類似ルート、合成ルート)と道路種別が同一または類似の走行ルートがある。なお、前記ステップS403、407で提示ルートを抽出できなかった場合には、前記ステップS401で探索した計画ルートを類似種別走行ルートとする。そして、履歴統計部27は、類似種別走行ルートがあると判定した場合には(Yes)ステップS607に移行する。一方、履歴統計部27は、類似種別走行ルートがないと判定した場合には(No)ステップS610に移行する。
【0070】
前記ステップS607では、履歴統計部27は、走行履歴蓄積部26が蓄積している送信元走行履歴情報を参照して、類似種別走行ルートの単位距離当たりの消費電力(以下、類似種別電力消費率とも呼ぶ)を算出する。
続いてステップS608に移行して、履歴統計部27は、前記ステップS607で算出した類似種別電力消費率と計画ルートの全長とを乗算する。そして、履歴統計部27は、乗算結果を補正用消費電力とする。
【0071】
続いてステップS609に移行して、履歴統計部27は、前記ステップS608で算出した補正用消費電力に基づいて前記ステップS406、S410またはS411で算出した消費電力を補正する。消費電力の補正方法は前記ステップS605と同様の方法とする。続いて、履歴統計部27は、補正した消費電力を補正後消費電力とした後、この演算処理を終了する。これにより、履歴統計部27は、走行履歴蓄積部26が蓄積している送信元走行履歴情報のうちに、類似種別走行ルートがある場合には、類似種別電力消費率で消費電力を補正し、補正後の消費電力を送信元端末装置2に送信(提供)する。
【0072】
一方、前記ステップS610では、履歴統計部27は、走行履歴蓄積部26が蓄積している送信元走行履歴情報(走行ルート)のうちに、類似距離走行ルートがあるか否かを判定する。類似距離走行ルートとしては、例えば、前記ステップS403またはS407で抽出した提示ルート(類似ルート、合成ルート)と全長が同一または類似の走行ルートがある。なお、前記ステップS403、407で提示ルートを抽出できなかった場合には、前記ステップS401で探索した計画ルートを類似距離走行ルートとする。例えば、履歴統計部27は、走行履歴蓄積部26が蓄積している送信元走行履歴情報(走行ルート)のうちに、提示ルートの全長との差が設定値(例えば、±100m)未満の走行ルートがあるか否かを判定する。そして、履歴統計部27は、類似距離走行ルートがあると判定した場合には(Yes)ステップS611に移行する。一方、履歴統計部27は、類似距離走行ルートがないと判定した場合には(No)ステップS614に移行する。
【0073】
前記ステップS611では、履歴統計部27は、走行履歴蓄積部26が蓄積している送信元走行履歴情報を参照して、類似距離走行ルートの単位距離当たりの消費電力(以下、類似距離電力消費率とも呼ぶ)を算出する。
続いてステップS612に移行して、履歴統計部27は、前記ステップS611で算出した類似距離電力消費率と計画ルートの全長とを乗算する。そして、履歴統計部27は、乗算結果を補正用消費電力とする。
【0074】
続いてステップS613に移行して、履歴統計部27は、前記ステップS612で算出した補正用消費電力に基づいて前記ステップS406、S410またはS411で算出した消費電力を補正する。消費電力の補正方法は前記ステップS605と同様の方法とする。続いて、履歴統計部27は、補正した消費電力を補正後消費電力とした後、この演算処理を終了する。これにより、履歴統計部27は、走行履歴蓄積部26が蓄積している送信元走行履歴情報のうちに、類似距離走行ルートがある場合には、類似距離電力消費率で消費電力を補正し、補正後の消費電力を送信元端末装置2に送信(提供)する。
【0075】
一方、前記ステップS614では、履歴統計部27は、走行履歴蓄積部26が蓄積している送信元走行履歴情報(走行ルート)のうちに、類似平均速度走行ルートがあるか否かを判定する。類似平均速度走行ルートとしては、例えば、前記ステップS403またはS407で抽出した提示ルート(類似ルート、合成ルート)と平均速度が同一または類似の走行ルートがある。なお、前記ステップS403、407で提示ルートを抽出できなかった場合には、前記ステップS401で探索した計画ルートを類似平均速度走行ルートとする。例えば、履歴統計部27は、走行履歴蓄積部26が蓄積している送信元走行履歴情報(走行ルート)のうちに、提示ルートの平均速度との差が設定値(例えば、±5km/h)未満の走行ルートがあるか否かを判定する。そして、履歴統計部27は、類似平均速度走行ルートがあると判定した場合には(Yes)ステップS615に移行する。一方、履歴統計部27は、類似平均速度走行ルートがないと判定した場合には(No)ステップS618に移行する。
【0076】
前記ステップS615では、履歴統計部27は、走行履歴蓄積部26が蓄積している送信元走行履歴情報を参照して、類似平均速度走行ルートの単位距離当たりの消費電力(以下、類似平均速度電力消費率とも呼ぶ)を算出する。
続いてステップS616に移行して、履歴統計部27は、前記ステップS615で算出した類似平均速度電力消費率と計画ルートの全長とを乗算する。そして、履歴統計部27は、乗算結果を補正用消費電力とする。
【0077】
続いてステップS617に移行して、履歴統計部27は、前記ステップS616で算出した補正用消費電力に基づいて前記ステップS406、S410またはS411で算出した消費電力を補正する。消費電力の補正方法は前記ステップS605と同様の方法とする。続いて、履歴統計部27は、補正した消費電力を補正後消費電力とした後、この演算処理を終了する。これにより、履歴統計部27は、走行履歴蓄積部26が蓄積している送信元走行履歴情報のうちに、類似平均速度走行ルートがある場合には、類似平均車速電力消費率で消費電力を補正し、補正後の消費電力を送信元端末装置2に送信(提供)する。
【0078】
一方、前記ステップS618では、履歴統計部27は、走行履歴蓄積部26が蓄積している送信元走行履歴情報を参照して、すべての送信元走行履歴情報の走行ルートの単位距離当たりの消費電力の平均値(以下、平均電力消費率とも呼ぶ)を算出する。
続いてステップS619に移行して、履歴統計部27は、前記ステップS618で算出した平均電力消費率と計画ルートの全長とを乗算する。そして、履歴統計部27は、乗算結果を補正用消費電力とする。
【0079】
続いてステップS620に移行して、履歴統計部27は、前記ステップS619で算出した補正用消費電力に基づいて前記ステップS406、S410またはS411で算出した消費電力を補正する。消費電力の補正方法は前記ステップS605と同様の方法とする。続いて、履歴統計部27は、補正した消費電力を補正後消費電力とした後、この演算処理を終了する。これにより、履歴統計部27は、前記ステップS603、S606、S610およびS614の判定がいずれも「No」となった場合には、平均電力消費率で消費電力を補正し、補正後の消費電力を送信元端末装置2に送信(提供)する。
【0080】
このように、本実施形態では、履歴統計部27が、走行履歴蓄積部26が蓄積している第1走行履歴情報のうち、指定した運転者の第1走行履歴情報基づき、探索した計画ルートを走行した際に消費する消費電力を算出する。続いて、履歴統計部27が、算出した消費電力に基づいて、抽出した消費電力を補正する。続いて、履歴統計部27が、補正した消費電力の情報を提供する。それゆえ、運転者の運転特性を考慮した消費電力を取得できる。そのため、より適切な消費電力の情報を提供できる。
【0081】
(動作その他)
次に、車両用情報提供システムSの動作について説明する。
まず、走行履歴蓄積部26に走行履歴情報を蓄積する際の動作について説明する。
運転者が、車両Aのイグニッションスイッチをオン状態にしたとする。すると、車両Aの車載装置1が、運転者が運転を開始したと判定する(
図3のステップS101「Yes」)。続いて、車載装置1が、各種検出部4〜11が出力した情報(運転者ID、気温、日時、緯度経度、高度、走行ルート(走行位置情報)、車速、アクセル開度、エアコン使用量)を走行履歴記録部19に記録する(
図3のステップS102〜S104)。その際、走行履歴記録部19には、車両ID、および該走行ルートを走行した際に消費した消費電力(消費電力情報)も記録する。続いて、車載装置1が、走行履歴記録部19が記録した情報を第1走行履歴情報として車両用情報提供装置3に送信する(
図3のステップS105)。そして、車載装置1が、上記
図3のステップS102〜S105のフローを繰り返し実行する(ステップS106「No」)。これにより、車載装置1が、車両Aの第1走行履歴情報を車両用情報提供装置3に順次送信する。そして、車両用情報提供装置3が、複数台の車両Aの車載装置1が送信した第1走行履歴情報を順次受信(取得)して走行履歴情報として走行履歴蓄積部26に蓄積する(
図5のステップS301)。
【0082】
また、運転者が、車両Aを充電施設Cに停車し、車両Aのイグニッションスイッチをオフ状態にした後、走行用バッテリ14の充電を開始したとする。すると、車両Aの車載装置1が、運転者が運転を終了したと判定する(
図3のステップS106「Yes」)。続いて、車載装置1が、走行用バッテリ14の充電を開始したと判定する(
図3のステップS107「Yes」)。続いて、車載装置1が、各種検出部4〜11が出力した情報(気温、日時、緯度経度(充電位置情報)、充電量、充電時間)を走行履歴記録部19に記録する(
図3のステップS108、S109)。続いて、車載装置1が、走行履歴記録部19が記録した情報を第2走行履歴情報として車両用情報提供装置3に送信する(
図3のステップS110)。そして、車載装置1が、上記
図3のステップS108〜S110のフローを繰り返し実行する(ステップS111「No」)。これにより、車載装置1が、車両Aの第2走行履歴情報を車両用情報提供装置3に順次送信する。そして、車両用情報提供装置3が、複数台の車両Aの車載装置1が送信した第2走行履歴情報を順次受信(取得)して走行履歴情報として走行履歴蓄積部26に蓄積する(
図5のステップS301)。これにより、車両用情報提供装置3が、複数台の車両Aの車載装置1が送信した走行位置情報、消費電力情報および充電位置情報を走行履歴情報として蓄積する。
【0083】
次に、提示ルート、提示ルートを走行する際に消費する消費電力、および提示ルートを走行する際に経由する充電経由地を提供する際の動作について説明する。
端末装置2の利用者が、端末装置2(目的地点等入力部22)を操作して、出発地点、目的地点、電池残量(該利用者が所有する車両Aの電池残量)、運転者ID(該利用者を特定する運転者ID)を入力したとする。すると、車載装置1が、目的地点等入力部22が出力した情報を取得する(
図4のステップS201)。続いて、端末装置2が、提示ルート検索要求を車両用情報提供装置3に送信する(
図4のステップS202)。
【0084】
端末装置2が提示ルート検索要求を送信すると、車両用情報提供装置3が、提示ルート検索要求から出発地点、目的地点および電池残量を取得する(
図6のステップS401、S402)。続いて、車両用情報提供装置3が、提示ルート検索要求および地図情報記憶部25が記憶している地図情報に基づき、出発地点から目的地点までの計画ルートを探索する(
図6のステップS401)。続いて、車両用情報提供装置3が、探索した計画ルートに基づき、走行履歴蓄積部26が蓄積している第1走行履歴情報のうちから計画ルートと同一または類似の類似ルートの抽出を行う(
図6のステップS403)。
【0085】
ここで、車両用情報提供装置3が、類似ルートを抽出できたとする。すると、履歴統計部27は、第2走行履歴情報のうちから、抽出した類似ルートを走行した際に経由した充電経由地を抽出する(
図6のステップS404「Yes」、S405)。続いて、車両用情報提供装置3が、第1走行履歴情報のうちから、抽出した類似ルートを走行した際に消費した消費電力を抽出する(
図6のステップS406)。ここで、抽出した消費電力(抽出消費電力)が車両Aの走行用バッテリ14の電池残量よりも小さかったとする。すると、車両用情報提供装置3が、抽出した充電経由地のうちから実績充電経由地を抽出する(
図5のステップS413、
図10のステップS501「Yes」、S502「Yes」、S503)。続いて、車両用情報提供装置3が、抽出した消費電力を端末装置2の利用者(運転者)の電力消費傾向に基づいて補正する(
図6のステップS414)。続いて、車両用情報提供装置3が、抽出した類似ルート、抽出した実績充電経由地、および補正した消費電力の情報を端末装置2に送信(提供)する(
図6のステップS415)。
【0086】
車両用情報提供装置3が類似ルート、消費電力および充電軽油地点の情報を送信すると、端末装置2が、この情報を受信する(
図4のステップS203)。そして、端末装置2が、
図2に示すように、受信した情報に基づき、類似ルート、消費電力および充電経由地を表示画面に表示する(
図4のステップS204「Yes」、S205、S206)。これにより、端末装置2(表示部24)が、類似ルートを実際に車両Aが走行した際に消費した消費電力および経由した充電経由地を表示する。これにより、端末装置2の利用者は、車両Aを目的地点まで走行させる際の消費電力や充電経由地を事前に確認できる。
【0087】
このように、本実施形態では、車両用情報提供装置3が、電動機13を駆動源とする車両Aに搭載された車載装置1から走行位置情報、消費電力情報および充電位置情報の少なくとも1つを順次取得して走行履歴情報(第1走行履歴情報、第2走行履歴情報)として蓄積する。そして、車両用情報提供装置3が、蓄積した第1走行履歴情報を参照して、計画ルートと同一または類似の提示ルート(類似ルート、合成ルート)を決定する。続いて、車両用情報提供装置3が、蓄積した第1走行履歴情報および第2走行履歴情報を参照して、決定した提示ルートを走行する際に消費する消費電力および提示ルートを走行する際に経由する充電経由地を検出する。続いて、車両用情報提供装置3が、決定した提示ルートの情報、並びに決定した消費電力および充電経由地の情報を提供する。そのため、実際の環境に則した消費電力の情報、充電経由地の情報を提供できる。
【0088】
なお、本実施形態では、車両用情報提供装置3が、類似ルートを実際に車両Aが走行した際に消費した消費電力および充電経由地の両方を決定(抽出)する例を示したが、他の構成を採用することもできる。例えば、車両用情報提供装置3が、消費電力および充電経由地の少なくとも1つを決定する構成としてもよい。この場合、車両用情報提供装置3は、提示ルートとともに、決定した消費電力または充電経由地のみを提供(送信)する。
【0089】
本実施形態では、
図1の車載装置1が車載装置を構成する。以下同様に、
図1の走行履歴蓄積部26が履歴情報蓄積部を構成する。また、
図1の履歴統計部27、
図6のステップS401が計画ルート取得部を構成する。さらに、
図1の履歴統計部27、
図6のステップS403、S407が提示ルート決定部を構成する。また、
図1の履歴統計部27、
図6のステップS405、S406、S409、S410が提示情報決定部を構成する。さらに、
図1のルート演算部23、
図4のステップS415が提示情報提供部を構成する。また、
図1の目的地点等入力部22が運転者指定部を構成する。さらに、
図1の履歴統計部27、
図6のステップS604、S608、S612、S616、S619が補正用消費電力算出部を構成する。また、
図1の履歴統計部27、
図6のステップS605、S609、S613、S617、S620が消費電力補正部を構成する。
【0090】
(本実施形態の効果)
本実施形態は、次のような効果を奏する。
(1)車両用情報提供装置3が、電動機13を駆動源とする車両Aに搭載された車載装置1から走行位置情報、消費電力情報および充電位置情報の少なくとも1つを順次取得して走行履歴情報(第1走行履歴情報、第2走行履歴情報)として蓄積する。そして、車両用情報提供装置3が、蓄積した第1走行履歴情報を参照して、計画ルートと同一または類似の提示ルート(類似ルート、合成ルート)を決定する。続いて、車両用情報提供装置3が、蓄積した第1走行履歴情報および第2走行履歴情報を参照して、決定した提示ルートを走行する際に消費する消費電力および提示ルートを走行する際に経由する充電経由地を検出する。続いて、車両用情報提供装置3が、決定した提示ルートの情報、並びに決定した消費電力および充電経由地の少なくとも1つの情報を提供する。
このような構成によれば、走行履歴情報、つまり、実際に車両Aが走行して得た情報を参照して、車両Aが走行する際に消費した消費電力や充電経由地を決定する。そのため、実際の環境に則した消費電力の情報、充電経由地の情報を提供できる。
【0091】
(2)車両用情報提供装置3が、蓄積している第1走行履歴情報のうちから、探索した計画ルートと同一または類似の提示ルート(類似ルート)を抽出する。続いて、車両用情報提供装置3が、蓄積している走行履歴情報のうちから、抽出した提示ルート(類似ルート)を走行した際に消費した消費電力、および提示ルート(類似ルート)を走行した際に経由した充電経由地の少なくとも1つを抽出する。
このような構成によれば、より適切な消費電力や充電経由地を取得できる。そのため、より実際の環境に則した消費電力の情報、充電経由地の情報を提供できる。
【0092】
(3)車両用情報提供装置3が、蓄積している第1走行履歴情報のうちの同一車両の走行履歴情報が走行した複数の走行ルートを合成して合成ルートを形成する。続いて、車両用情報提供装置3が、蓄積している第1走行履歴情報および第2走行履歴情報のうちから、合成ルートを形成する各走行ルートを走行した際に消費した消費電力、および合成ルートを形成する各走行ルートを走行した際に経由した充電経由地を抽出する。
このような構成によれば、蓄積している第1走行履歴情報のうちに、計画ルートと同一または類似の走行ルート(類似ルート)が存在しない場合にも、消費電力や充電経由地を取得できる。そのため、より適切な消費電力や充電経由地の情報を提供できる。
【0093】
(4)車両用情報提供装置3が、蓄積している第1走行履歴情報のうちの複数車両
が走行した複数の走行ルートを合成して合成ルートを形成する。続いて、車両用情報提供装置3が、蓄積している第1走行履歴情報および第2走行履歴情報のうちから、合成ルートを形成する各走行ルートを走行した際に消費した消費電力および提示ルートを走行した際に経由した充電経由地を抽出する。
このような構成によれば、蓄積している走行履歴情報のうちに、計画ルートと同一または類似の走行ルートが存在しない場合にも、消費電力や充電経由地を取得できる。そのため、より適切な消費電力や充電経由地の情報を提供できる。
【0094】
(5)車両用情報提供装置3が、蓄積している第1走行履歴情報のうち、指定した運転者の第1走行履歴情報基づき、探索した計画ルートを走行した際に消費する消費電力を算出する。続いて、車両用情報提供装置3が、算出した消費電力に基づいて、抽出した消費電力を補正する。続いて、車両用情報提供装置3が、補正した消費電力の情報を提供する。
このような構成によれば、運転者の運転特性を考慮した消費電力を取得できる。そのため、より適切な消費電力の情報を提供できる。
【0095】
(変形例1)
図12は、表示部24の表示内容を表す図である。
なお、本実施形態では、履歴統計部27が、走行履歴蓄積部26が蓄積している第1走行履歴情報を参照して、提示ルート(類似ルート、合成ルート)を走行する際に消費する消費電力を運転者毎に決定する構成としてもよい。この場合、履歴統計部27が、提示ルートおよび充電経由地の情報とともに、決定した運転者毎の消費電力のうちの、最大の消費電力、最小の消費電力および平均の消費電力の情報を送信元端末装置2に送信(提供)する。これにより、送信元端末装置2は、
図12に示すように、受信した情報に基づき、提示ルートおよび充電経由地に加え、最大の消費電力(消費電力MAX)、最小の消費電力(消費電力MIN)および平均の消費電力(平均消費電力)を表示画面に表示する。
【0096】
本変形例は、第1実施形態の(1)〜(5)の効果に加え、次のような効果を奏する。
(1)車両用情報提供装置3が、蓄積している第1走行履歴情報を参照して、決定した提示ルート(類似ルート、合成ルート)を走行する際に消費する消費電力を運転者毎に決定する。続いて、車両用情報提供装置3が、決定した運転者毎の消費電力のうちの、最大の消費電力、最小の消費電力および平均の消費電力の情報を提供する。
このような構成によれば、提示ルートを走行する際の消費電力を運転者毎に算出し、算出した消費電力のうちの、最大の消費電力、最小の消費電力および平均の消費電力を提供する。そのため、利用者が、運転者毎の消費電力のばらつき度合いを把握できる。
【0097】
(変形例2)
図13は、表示部24の表示内容を表す図である。
また、本実施形態では、表示部24が、提示ルート(類似ルート、合成ルート)とともに、消費電力および充電経由地を表示する例を示したが、他の構成を採用することもできる。例えば、表示部24が、消費電力や充電経由地の抽出に用いた第1走行履歴情報および第2走行履歴情報が含む渋滞有無、走行速度、走行高度、季節、気温、天気、走行時間帯、走行消費電力およびエアコンの消費電力の情報も併せて表示する構成としてもよい。具体的には、端末装置2が、渋滞有無、走行速度、走行高度、季節、気温、天気、走行時間帯、走行消費電力およびエアコンの消費電力の少なくとも1つ(以下、検索用状態量とも呼ぶ)の入力を受け付ける。続いて、端末装置2が、受け付けた検索用状態量の情報を車両用情報提供装置3に送信する。続いて、車両用情報提供装置3(履歴統計部27)が、端末装置2が送信した情報を受信すると、受信した情報から検索条件状態量を検索条件として取得する。続いて、履歴統計部27が、走行履歴蓄積部26が蓄積している走行履歴情報のうち、取得した検索条件に適合する走行履歴情報を参照して、決定した提示ルートを走行する際に消費する消費電力および提示ルートを走行する際に経由する充電経由地を決定する。続いて、履歴統計部27が、提示ルート(類似ルート、合成ルート)、消費電力および充電経由地の情報とともに、取得した検索条件の情報を送信元端末装置2に送信(提供)する。これにより、送信元端末装置2は、
図13に示すように、受信した情報に基づき、提示ルート、消費電力および充電経由地に加え、消費電力および充電経由地の決定に用いた検索条件を表示画面に表示する。
【0098】
本実施形態では、履歴統計部27が、運転者情報取得部を構成する。
本変形例は、第1実施形態の(1)〜(5)の効果に加え、次のような効果を奏する。
(1)履歴統計部27が、渋滞有無、走行速度、走行高度、季節、気温、天気、走行時間帯、走行消費電力およびエアコンの消費電力の少なくとも1つを検索条件として取得する。続いて、履歴統計部27が、蓄積している走行履歴情報のうち、取得した検索条件に適合する走行履歴情報を参照して、決定した提示ルート(類似ルート、合成ルート)を走行する際に消費する消費電力および示ルートを走行する際に経由する充電経由地の少なくとも1つを決定する。続いて、履歴統計部27が、決定した提示ルートの情報、消費電力および充電経由地の少なくとも1つの情報、および検索条件の情報を提供する。
このような構成によれば、提示ルート、消費電力および充電経由地とともに、消費電力や充電経由地の決定に用いた検索条件を提供する。そのため、利用者が、消費電力や充電経由地の決定に用いた検索条件を把握できる。