(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記印刷機器に記憶されている前記セキュリティ印刷が設定された印刷ジョブの中から、前記印刷指示装置のユーザーにより実行が指示されている印刷ジョブを検出する検出部をさらに有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の印刷指示装置。
前記印刷機器に記憶されている前記セキュリティ印刷が設定された印刷ジョブのうち、前記印刷指示装置のユーザーにより実行が指示されている印刷ジョブを前記印刷機器から削除する削除制御部をさらに有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の印刷指示装置。
前記印刷機器に記憶されている前記セキュリティ印刷が設定された印刷ジョブの中から、前記コンピューターのユーザーにより実行が指示されている印刷ジョブを検出する手順(e)をさらに前記コンピューターに実行させることを特徴とする請求項8〜11のいずれか1項に記載の印刷指示プログラム。
前記印刷機器に記憶されている前記セキュリティ印刷が設定された印刷ジョブのうち、前記コンピューターのユーザーにより実行が指示されている印刷ジョブを前記印刷機器から削除する手順(g)をさらに前記コンピューターに実行させることを特徴とする請求項8〜13のいずれか1項に記載の印刷指示プログラム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上述した課題に鑑みてなされたものである。したがって、本発明の目的は、同一のサブネットワーク内でユーザーが出力先の印刷機器を間違った場合でも、印刷機器の排紙トレイに印刷物が放置されることを確実に防止することができる印刷指示装置および印刷指示プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の上記目的は、下記の手段によって達成される。
【0010】
(1)ユーザーにより出力先に指定された印刷機器について、前記ユーザーによる前記印刷機器の使用実績に関する情報を取得する取得部と、前記取得部により取得された前記使用実績に関する情報に応じて、前記印刷機器の使用頻度が低いか否かを判断する判断部と、前記判断部により前記印刷機器の使用頻度が低いと判断された場合、ユーザーが認証されたことを条件に印刷物の出力を許可するセキュリティ印刷
用の認証情報の入力を前記ユーザーに促す入力画面を表示する表示部と、前記入力画面を通じて前記ユーザーにより前記認証情報が入力されるまで待機し、前記入力画面を通じて前記ユーザーにより前記認証情報が入力されると、前記認証情報を使用する前記セキュリティ印刷を印刷ジョブに設定する設定部と、前記設定部により前記セキュリティ印刷が設定された印刷ジョブを前記印刷機器に向けて送信する送信部と、を有することを特徴とする印刷指示装置。
【0011】
(2)前記使用実績に関する情報は、前記ユーザーにより前記印刷機器に実行が指示された印刷ジョブの数を示す情報であり、前記取得部により取得された前記情報が示す前記数が閾値未満の場合、前記判断部は、前記印刷機器の使用頻度が低いと判断することを特徴とする上記(1)に記載の印刷指示装置。
(3)前記閾値は可変的に設定されることを特徴とする上記(2)に記載の印刷指示装置。
(4)前記使用実績に関する情報は、前記ユーザーにより前記印刷機器に実行が指示された印刷ジョブの数を示す情報であり、前記判断部は、前記印刷ジョブの数により印刷機器に順位付けを行って、所定順位以下の印刷機器について、前記使用頻度が低いと判断することを特徴とする上記(1)に記載の印刷指示装置。
【0012】
(
5)前記印刷機器に記憶されている前記セキュリティ印刷が設定された印刷ジョブの中から、前記印刷指示装置のユーザーにより実行が指示されている印刷ジョブを検出する検出部をさらに有することを特徴とする上記(1)
〜(
4)
のいずれか1つに記載の印刷指示装置。
【0013】
(
6)
前記表示部は、前記印刷機器に記憶されている前記セキュリティ印刷が設定された印刷ジョブのうち、前記印刷指示装置のユーザーにより実行が指示されている印刷ジョブを一覧表示す
ることを特徴とする上記(1)〜(
5)のいずれか1つに記載の印刷指示装置。
【0014】
(
7)前記印刷機器に記憶されている前記セキュリティ印刷が設定された印刷ジョブのうち、前記印刷指示装置のユーザーにより実行が指示されている印刷ジョブを前記印刷機器から削除する削除制御部をさらに有することを特徴とする上記(1)〜(
6)のいずれか1つに記載の印刷指示装置。
【0015】
(
8)ユーザーにより出力先に指定された印刷機器について、前記ユーザーによる前記印刷機器の使用実績に関する情報を取得する手順(a)と、前記手順(a)において取得された前記使用実績に関する情報に応じて、前記印刷機器の使用頻度が低いか否かを判断する手順(b)と、前記手順(b)において前記印刷機器の使用頻度が低いと判断された場合、ユーザーが認証されたことを条件に印刷物の出力を許可するセキュリティ印刷
用の認証情報の入力を前記ユーザーに促す入力画面を表示部に表示する手順(h)と、前記入力画面を通じて前記ユーザーにより前記認証情報が入力されるまで待機し、前記入力画面を通じて前記ユーザーにより前記認証情報が入力されると、前記認証情報を使用する前記セキュリティ印刷を印刷ジョブに設定する手順(c)と、前記手順(c)において前記セキュリティ印刷が設定された印刷ジョブを前記印刷機器に向けて送信部に送信させる手順(d)と、をコンピューターに実行させることを特徴とする印刷指示プログラム。
【0016】
(
9)前記使用実績に関する情報は、前記ユーザーにより前記印刷機器に実行が指示された印刷ジョブの数を示す情報であり、前記手順(a)において取得された前記情報が示す前記数が閾値未満の場合、前記手順(b)において、前記印刷機器の使用頻度が低いと判断されることを特徴とする上記(
8)に記載の印刷指示プログラム。
(10)前記閾値は可変的に設定されることを特徴とする上記(9)に記載の印刷指示プログラム。
(11)前記使用実績に関する情報は、前記ユーザーにより前記印刷機器に実行が指示された印刷ジョブの数を示す情報であり、前記手順(b)において、前記印刷ジョブの数により印刷機器に順位付けが行われ、所定順位以下の印刷機器について、前記使用頻度が低いと判断されることを特徴とする上記(8)に記載の印刷指示プログラム。
【0017】
(
12)前記印刷機器に記憶されている前記セキュリティ印刷が設定された印刷ジョブの中から、前記コンピューターのユーザーにより実行が指示されている印刷ジョブを検出する手順(e)をさらに前記コンピューターに実行させることを特徴とする上記(
8)
〜(
11)
のいずれか1つに記載の印刷指示プログラム。
【0018】
(
13)前記印刷機器に記憶されている前記セキュリティ印刷が設定された印刷ジョブのうち、前記コンピューターのユーザーにより実行が指示されている印刷ジョブを
前記表示部に一覧表示する手順(f)をさらに前記コンピューターに実行させることを特徴とする上記(
8)〜(
12)のいずれか1つに記載の印刷指示プログラム。
【0019】
(1
4)前記印刷機器に記憶されている前記セキュリティ印刷が設定された印刷ジョブのうち、前記コンピューターのユーザーにより実行が指示されている印刷ジョブを前記印刷機器から削除する手順(g)をさらに前記コンピューターに実行させることを特徴とする上記(
8)〜(
13)のいずれか1つに記載の印刷指示プログラム。
【0020】
(1
5)上記(
8)〜(1
4)のいずれか1つに記載の印刷指示プログラムを記録したコンピューター読み取り可能な記録媒体。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、使用頻度の低い印刷機器が出力先に指定された場合、出力先が間違っている可能性があるとして、セキュリティ印刷を設定し、ユーザーの許可なく印刷物が印刷機器から出力されることを防止することが可能になる。したがって、同一のサブネットワーク内でユーザーが出力先の印刷機器を間違った場合でも、印刷機器の排紙トレイに印刷物が放置されることを確実に防止することができる。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0024】
図1は、本発明の一実施形態に係る印刷システムの全体構成を示すブロック図である。本実施形態に係る印刷システムは、印刷指示装置としてのPC1と、印刷機器としてのプリンター2a,2b(以下、プリンター2と総称する場合がある)とを備える。PC1とプリンター2a,2bとは、ネットワーク3を介して相互に通信可能に接続されている。
【0025】
ネットワーク3は、たとえば、イーサネット(登録商標)、トークンリング、およびFDDI(Fiber Distributed Data Interface)等の規格によりコンピューターやネットワーク機器同士を接続したLAN(Local Area Network)、またはLAN同士を専用線で接続したWAN(Wide Area Network)等の各種のネットワークからなる。なお、ネットワーク3に接続される機器の種類および台数は、
図1に示される例に限定されない。また、プリンター2a,2bには、MFPが含まれる。
【0026】
図2は、PCの概略構成を示すブロック図である。PC1は、CPU(Central Processing Unit)11、ROM(Read Only Memory)12、RAM(Random Access Memory)13、ハードディスク14、ディスプレイ15、入力装置16、および通信インターフェース17を含み、これらは信号をやり取りするためのバス18を介して相互に接続されている。
【0027】
CPU11は、プログラムにしたがって上記各部の制御や各種の演算処理を行う。ROM12は、各種プログラムや各種データを格納する。RAM13は、作業領域として一時的にプログラムやデータを記憶する。ハードディスク14は、オペレーティングシステム(OS)を含む各種プログラムや、各種データを格納する。
【0028】
ディスプレイ15は、たとえば、液晶ディスプレイであり、各種の情報を表示する。入力装置16は、マウス等のポインティングデバイス、およびキーボードを含み、各種の入力を行うために使用される。
【0029】
通信インターフェース17は、ネットワーク3を介し他の機器と通信するためのインターフェースであり、イーサネット(登録商標)、トークンリング、FDDI等の規格が用いられる。
【0030】
図3は、PCのハードディスクの記憶内容を示す図である。ハードディスク14には、文書ファイルを作成するための文書ファイル作成アプリケーション30と、文書ファイルをプリンター2が解釈可能なページ記述言語(PDL)で記述された印刷データに変換するためのプリンタードライバー40とがインストールされている。また、ハードディスク14には、ネットワーク3上のプリンター2の使用頻度を記録するカウンターテーブル50が格納されている。
【0031】
プリンタードライバー40は、複数機種のプリンター2に対応可能なプリンタードライバー(UPD:Universal Printer Driver)である。プリンタードライバー40は、印刷時に、出力機器選択画面100(
図4参照)にネットワーク3上のプリンター2の情報を一覧表示し、出力機器選択画面100を用いたユーザーの操作に基づいて、複数のプリンター2の中から出力先のプリンターを選択することができる。
【0032】
図5は、ハードディスクに格納されているカウンターテーブルの一例を示す図である。カウンターテーブル50には、機器ポート番号情報と使用履歴カウンター値情報とが対応付けて記録されている。機器ポート番号情報は、ネットワーク3上のプリンターを特定するための情報であり、ネットワーク3上のプリンターと一対一に対応している。使用履歴カウンター値情報は、ポート番号により特定される各プリンターに対して、PC1のユーザーが実行を指示した印刷ジョブの数を示す情報である。
【0033】
PC1のCPU11は、プリンタードライバー40のプログラムを実行することによって、取得部、判断部、および設定部として機能する。ここで、取得部は、PC1のユーザーにより出力先に指定されたプリンターについて、ユーザーによるプリンターの使用実績に関する情報を取得する。判断部は、使用実績に関する情報に応じて、後述するセキュリティ印刷を印刷ジョブに設定するか否かを判断する。設定部は、セキュリティ印刷を印刷ジョブに設定する。また、PC1の通信インターフェース17は、セキュリティ印刷が設定された印刷ジョブをプリンターに向けて送信する送信部として機能する。なお、各部の具体的な処理内容については後述する。
【0034】
図6は、プリンターの概略構成を示すブロック図である。プリンター2a,2bは、相互に同様の構成であるため、以下、プリンター2aを代表として用いて説明する。
【0035】
プリンター2aは、CPU21、ROM22、RAM23、ハードディスク24、操作パネル25、印刷部26、後処理部27、および通信インターフェース28を含み、これらは信号をやり取りするためのバス29を介して相互に接続されている。なお、プリンター2aの上記各部のうち、PC1の上記各部と同様の機能を有する部分については、説明の重複を避けるためその説明を省略する。
【0036】
操作パネル25は、各種情報の表示および各種指示の入力に使用される。印刷部26は、電子写真式プロセス等の周知の作像プロセスを用いて、画像データに基づく画像を用紙等の記録媒体に印刷する。後処理部27は、印刷部26により印刷が実行された用紙に対して、ステープル処理、穴開け処理、折り処理等の後処理を施す。
【0037】
ハードディスク24には、印刷データにラスタライズ処理を施して印刷用の画像データを生成するためのプログラム、および、セキュリティ印刷を実行するためのプログラムが格納されている。ここで、セキュリティ印刷とは、印刷指示を行ったユーザーが実際にプリンター2aの前まで行き、本人確認の認証を行った場合にのみ印刷出力を可能とする印刷処理のことをいう。
【0038】
なお、PC1およびプリンター2a,2bは、上記構成要素以外の構成要素を含んでいてもよく、あるいは、上記構成要素のうちの一部が含まれていなくてもよい。
【0039】
以上のとおり構成される本実施形態の印刷システムでは、出力機器選択画面100を用いてユーザーが出力先のプリンターを指定した場合、出力先に指定されたプリンターの使用頻度に応じて、印刷ジョブにセキュリティ印刷が設定される。以下、
図7〜
図14を参照して、印刷システムの動作について説明する。
【0040】
図7は、PCにより実行される印刷指示処理の手順を示すフローチャートである。なお、
図7のフローチャートにより示されるアルゴリズムは、PC1のハードディスク14にプログラムとして記憶されており、CPU11によって実行される。印刷指示処理の実行に先立って、プリンタードライバー40が起動され、出力機器検索画面100(
図4参照)がPC1のディスプレイ15に表示される。出力機器検索画面100上には、ネットワーク3上のプリンター2の情報が一覧表示される。
【0041】
まず、残ジョブ処理が実行される(ステップS101)。本実施形態では、ネットワーク3上のプリンター2に、PC1のユーザーが実行を指示しセキュリティ印刷が設定されている印刷ジョブがあるか否かを問い合わせる残ジョブ処理が実行される。残ジョブ処理についての詳細な説明は後述する。また、残ジョブ処理は、省略され得る。
【0042】
続いて、出力先の機器が選択される(ステップS102)。本実施形態では、出力機器選択画面100を用いて、ネットワーク3上のプリンター2の中から、ユーザーにより出力先のプリンターが選択される。具体的には、出力機器選択画面100に表示されるプリンター2の情報の一覧の中から、ユーザーの操作により一のプリンターの情報が選択され、選択された情報が出力先のプリンターの情報として受け付けられる。
【0043】
続いて、機器の使用実績の情報として機器使用履歴数が取得される(ステップS103)。本実施形態では、PC1のハードディスク14に格納されているカウンターテーブル50から、ステップS102に示す処理で出力先に選択されたプリンターのポート番号に対応する使用履歴カウンター値情報が取得される。たとえば、ポート番号「192.168.0.100」のプリンターが出力先としてユーザーにより選択された場合、使用履歴カウンター値情報として「2」が取得される。
【0044】
続いて、機器使用履歴数が閾値α未満であるか否かが判断される(ステップS104)。本実施形態では、ステップS103に示す処理で取得された使用履歴カウンター値情報が示す数値が、閾値α(たとえば、5)未満であるか否かが判断される。
【0045】
機器使用履歴数が閾値α未満でないと判断される場合(ステップS104:NO)、ステップS106の処理に移行する。
【0046】
一方、機器使用履歴数が閾値α未満であると判断される場合(ステップS104:YES)、当該機器の使用頻度が低いものとして扱い、セキュリティ印刷処理が実行される(ステップS105)。本実施形態では、印刷ジョブにセキュリティ印刷を設定するセキュリティ印刷処理が実行される。
【0047】
図8は、
図7のステップS105に示されるセキュリティ印刷処理の手順を示すフローチャートである。
【0048】
まず、プリンタードライバーの出力方法がセキュリティ印刷に変更される(ステップS201)。本実施形態では、印刷ジョブの出力方法として、ユーザーが認証された場合のみ印刷物の出力を許可するセキュリティ印刷が設定される。その結果、
図9に示されるとおり、プリンタードライバー40の印刷設定画面200上で、「出力方法」210が「セキュリティ印刷」に固定され、グレーアウト表示される。
【0049】
続いて、ID・パスワード入力画面が表示される(ステップS202)。本実施形態では、ユーザーIDおよびパスワードの入力をユーザーに促すID・パスワード入力画面300(
図10参照)が、PC1のディスプレイ15に表示される。ID・パスワード入力画面300がディスプレイ15に表示されることにより、ユーザーは、印刷ジョブにセキュリティ印刷が設定されることを認識することができる。
【0050】
続いて、IDおよびパスワードが入力されたか否かが判断される(ステップS203)。本実施形態では、ステップS202に示す処理で表示されたID・パスワード入力画面300に、ユーザーIDおよびパスワードが入力されたか否かが判断される。
【0051】
IDおよびパスワードが入力されていないと判断される場合(ステップS203:NO)、IDおよびパスワードが入力されるまで待機する。一方、IDおよびパスワードが入力されたと判断される場合(ステップS203:YES)、処理が終了される。
【0052】
以上のとおり、
図7のステップS105に示されるセキュリティ印刷処理によれば、印刷ジョブに対して、印刷物の出力を許可するためのユーザーIDおよびパスワードが設定される。なお、本実施形態とは異なり、ユーザーがPC1にログインする際に使用するユーザーIDおよびパスワードが、セキュリティ印刷用のユーザーIDおよびパスワードとして印刷ジョブに自動的に設定されてもよい。
【0053】
続いて、印刷ジョブが送信される(ステップS106)。本実施形態では、セキュリティ印刷が設定されていない印刷ジョブ、または、ステップS105に示す処理でセキュリティ印刷が設定された印刷ジョブが、ステップS102に示す処理で出力先に選択されたプリンターに向けて送信される。
【0054】
そして、カウンター値が「1」増加され(ステップS107)、処理が終了される。本実施形態では、ステップS106に示す処理で印刷ジョブが送信されたプリンターについて、ハードディスク14に格納されているカウンターテーブル50の使用履歴カウンター値情報が「1」増加され、処理が終了される。
【0055】
以上のとおり、
図7に示されるフローチャートの処理によれば、ネットワーク3上のプリンターに印刷が指示された場合、出力先に指定されたプリンターの使用履歴数が閾値未満であるか否かが判断される。そして、使用履歴数が閾値未満であると判断される場合、当該プリンターの使用頻度が低いものとして扱い、印刷ジョブにセキュリティ印刷が設定され、プリンターに送信される。一方、使用履歴数が閾値以上であると判断される場合、使用頻度が低くないものとして扱い、印刷ジョブにセキュリティ印刷が設定されることなく、プリンターに送信される。
【0056】
つまり、本実施形態の印刷システムによれば、出力先のプリンターに使用頻度の低いプリンターが指定された場合、出力先が間違っている可能性があるとして、印刷ジョブにセキュリティ印刷が設定され、ユーザーの許可なく印刷物がプリンターから出力されることが防止される。このような構成によれば、ユーザーが出力先のプリンターを間違った場合でも、プリンターの排紙トレイに印刷物が放置されることが防止される。
【0057】
次に、
図11を参照して、セキュリティ印刷が設定されている印刷ジョブを実行するプリンターの動作について説明する。
【0058】
図11は、プリンターにより実行される印刷処理の手順を示すフローチャートである。なお、
図11のフローチャートにより示されるアルゴリズムは、プリンター2のハードディスク24にプログラムとして記憶されており、CPU21によって実行される。
【0059】
まず、セキュリティ印刷が認識される(ステップS301)。本実施形態では、ユーザーによりセキュリティ印刷モードが指定されたことが認識される。
【0060】
続いて、ID・パスワード入力画面が操作パネルに表示される(ステップS302)。本実施形態では、ユーザーIDおよびパスワードの入力をユーザーに促すID・パスワード入力画面(不図示)が、プリンター2の操作パネル25に表示される。
【0061】
続いて、認証に成功したか否かが判断される(ステップS303)。本実施形態では、ステップS302に示す処理で表示されたID・パスワード入力画面に入力されたユーザーIDおよびパスワードが認証されたか否かが判断される。
【0062】
認証に成功していないと判断される場合(ステップS303:NO)、ステップS302の処理に戻る。一方、認証に成功したと判断される場合(ステップS303:YES)、ジョブリストが表示される(ステップS304)。本実施形態では、プリンターに記憶されているセキュリティ印刷が設定された印刷ジョブの中から、ステップS303に示す処理で認証されたユーザーIDのユーザーにより実行が指示されている印刷ジョブが検索され、当該印刷ジョブの一覧が操作パネル25に表示される。
【0063】
そして、選択されたジョブの印刷が行われた後、ジョブが削除され(ステップS305)、処理が終了される。本実施形態では、ステップS304に示す処理で表示された印刷ジョブの一覧の中からユーザーにより一の印刷ジョブが選択され、選択された印刷ジョブについての印刷出力が行われる。印刷出力が行われることにより、印刷物がプリンターの排紙トレイに出力される。印刷出力が行われた印刷ジョブは、印刷ジョブの一覧から削除される。
【0064】
以上のとおり、
図11に示されるフローチャートの処理によれば、ユーザーが認証された場合にのみ印刷出力が行われ、印刷物が排紙トレイに出力される。このような構成によれば、プリンターの排紙トレイに印刷物が放置されることが防止される。
【0065】
以下、
図12を参照して、
図7のステップS101に示される残ジョブ処理について説明する。
【0066】
図12は、
図7のステップS101に示される残ジョブ処理の手順を示すフローチャートである。
【0067】
まず、登録されている機器に残ジョブが問い合わされる(ステップS401)。本実施形態では、PC1に登録されているプリンターに対して、PC1のユーザーが実行を指示しセキュリティ印刷が設定されている印刷ジョブがあるか否かが順番に問い合わされる。
【0068】
図13は、PCのプロパティ画面の一例を示す図である。たとえば、アドレス「192.168.0.XXX」のネットワークにPC1が接続され、ポート番号「192.168.0.128」がPC1に割り当てられている場合、ポート番号「192.168.0.100」および「192.168.0.110」のプリンターに対して問い合わせが行われる。一方、アドレス「192.168.3.XXX」のネットワークにPC1が接続され、ポート番号「192.168.3.128」がPC1に割り当てられている場合、ポート番号「192.168.3.50」および「192.168.3.100」のプリンターに対して問い合わせが行われる。あるいは、PC1が、上記の2つのネットワークに同時に接続されている場合には、上記の4つのポート番号のプリンターに対して問い合わせが行われる。問い合わせを受けたプリンターは、自機に記憶されているセキュリティ印刷が設定された印刷ジョブのうち、PC1のユーザーにより実行が指示されている印刷ジョブの一覧を生成して、ジョブリストとしてPC1に送信する。PC1からの問い合わせに応じて、ジョブリストを返信するプリンターの動作については後述する。
【0069】
続いて、ジョブリストがあるか否かが判断される(ステップS402)。本実施形態では、ステップS401に示す処理で行われた問い合わせに対して、プリンターからジョブリストの返信があったか否かが判断される。
【0070】
ジョブリストがないと判断される場合(ステップS402:NO)、処理が終了される。一方、ジョブリストがあると判断される場合(ステップS402:YES)、残ジョブリストが表示される(ステップS403)。本実施形態では、ネットワーク3上のプリンター2から送信された印刷ジョブの一覧がまとめられ、残ジョブリストして、PC1のディスプレイ15に表示される。
【0071】
続いて、ジョブを削除するか否かが判断される(ステップS404)。本実施形態では、ステップS403に示す処理で表示された残ジョブリスト中の印刷ジョブについて、ユーザーにより一の印刷ジョブの削除が指示されたか否かが判断される。
【0072】
ジョブを削除すると判断される場合(ステップS404:YES)、ジョブが残ジョブリストから削除される(ステップS405)。本実施形態では、対応するプリンターに対して印刷ジョブを削除する旨が指示され、印刷ジョブがプリンターから削除される。そして、削除された印刷ジョブが、残ジョブリストから削除される。
【0073】
続いて、カウンター値が「1」減少され(ステップS406)、ステップS401の処理に戻る。本実施形態では、削除された印刷ジョブを記憶していたプリンターについて、ハードディスク14に格納されているカウンターテーブル50の使用履歴カウンター値情報が「1」減少される。
【0074】
一方、ステップS404に示す処理で、ジョブを削除しないと判断される場合(ステップS404:NO)、処理が終了される。
【0075】
以上のとおり、
図12に示されるフローチャートの処理によれば、プリンターに記憶されているセキュリティ印刷が設定された印刷ジョブのうち、PC1のユーザーにより実行が指示されている印刷ジョブがPC1のディスプレイ15に一覧表示される。そして、ユーザーの指示により印刷ジョブが削除される。
【0076】
このような構成によれば、一定期間を経過した印刷ジョブが検出され、ユーザーに印刷ジョブを削除することが促されるため、ユーザーが、間違ったプリンターに印刷を指示した場合であっても、プリンター内に印刷ジョブが蓄積し続けることが防止される。
【0077】
最後に、
図14を参照して、PC1からの問い合わせに応じて、ジョブリストを返信するプリンターの動作について説明する。
【0078】
図14は、プリンターにより実行される応答処理の手順を示すフローチャートである。なお、
図14のフローチャートにより示されるアルゴリズムは、プリンター2のハードディスク24にプログラムとして記憶されており、CPU21によって実行される。
【0079】
まず、セキュリティ印刷ジョブ中の該当ユーザーの印刷ジョブが検索される(ステップS501)。本実施形態では、プリンターに記憶されているセキュリティ印刷が設定された印刷ジョブの中から、PC1のユーザーにより実行が指示されている印刷ジョブが検索される。
【0080】
続いて、ジョブリストが返信され(ステップS502)、処理が終了される。本実施形態では、ステップS501に示す処理で検索された印刷ジョブの一覧が生成され、ジョブリストとして、PC1に送信される。
【0081】
以上のとおり、
図14に示されるフローチャートの処理によれば、プリンターに記憶されているセキュリティ印刷が設定された印刷ジョブの中から、PC1のユーザーにより実行が指示されている印刷ジョブが検索され、印刷ジョブの一覧がPC1に送信される。
【0082】
本発明は、上述した実施形態のみに限定されるものではなく、特許請求の範囲内において、種々改変することができる。
【0083】
たとえば、上述した実施形態では、複数機種のプリンターに対応可能なプリンタードライバーにより印刷を行う場合を例に挙げて説明した。しかしながら、本発明は、特定機種のプリンターのみに対応可能な通常のプリンタードライバーにも適用可能である。
【0084】
また、上述した実施形態では、印刷ジョブにセキュリティ印刷を設定するか否かを判断するための使用頻度に関する情報として、カウンターテーブルの使用履歴カウンター値情報が用いられた。しかしながら、使用頻度に関する情報は、使用履歴カウンター値情報に限定されるものではなく、プリンターに記憶されている使用履歴情報であってもよい。
【0085】
更に、上記実施形態においては、特定のプリンターの使用履歴カウンター値を比較する閾値は固定値であるが、閾値は可変値であっても良い。たとえば、カウンターテーブルにおいて管理している全プリンターのカウンター値の総計に基づいて閾値が可変的に設定される形態であっても良い。
【0086】
また、使用履歴カウンター値として、直近の所定期間における使用履歴数のみを扱う形態であっても良い。或いは、直近時期の使用回数に重み付けを行うような形態であっても良い。
【0087】
また更に、プリンターの使用頻度が低いか否かを判断する別形態として、上述したような閾値を用いない形態であっても良い。たとえば、カウンターテーブルにおいて管理しているプリンターのうち、使用履歴カウンター値による順位付けを行って、所定順位以下のものについては使用頻度が低いとして扱うこととしても良い。
【0088】
また、上述した実施形態では、カウンターテーブルは、PCのハードディスクに格納された。しかしながら、カウンターテーブルは、プリンターやネットワーク上の管理サーバーに格納されてもよい。
【0089】
また、上述した実施形態では、PCに対するユーザーの操作に基づいて、プリンターから印刷ジョブが削除された。しかしながら、プリンターに対するユーザーの操作により印刷ジョブがプリンターから削除されてもよい。
【0090】
上述した実施形態に係る印刷指示装置における各種処理を行う手段および方法は、専用のハードウエア回路、またはプログラムされたコンピューターのいずれによっても実現することが可能である。上記プログラムは、たとえば、フレキシブルディスクおよびCD−ROM等のコンピューター読み取り可能な記録媒体によって提供されてもよいし、インターネット等のネットワークを介してオンラインで提供されてもよい。この場合、コンピューター読み取り可能な記録媒体に記録されたプログラムは、通常、ハードディスク等の記憶部に転送され記憶される。また、上記プログラムは、単独のアプリケーションソフトとして提供されてもよいし、印刷指示装置の一機能としてその装置のソフトウエアに組み込まれてもよい。