(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記フィルタは、前記測定されたずれ量から搭載ばらつきに起因するずれ量を除去することによって、前記基板の伸縮に起因するずれ量を抽出する、請求項1記載の部品搭載装置。
前記測定手段は、パッドを介して部品が搭載された基板を撮像し、撮像データを用いて部品位置とパッド位置との差分を測定し、前記測定した差分を前記部品位置と目標搭載位置とのずれ量とする、請求項5記載の部品搭載装置。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(第1の実施形態)
第1の実施形態に係る部品搭載装置について説明する。本実施形態に係る部品搭載装置のブロック構成図を
図1に示す。
図1において、本実施形態に係る部品搭載装置10は、測定手段20、抽出手段30、補正手段40および搭載手段50を備え、補正手段40において算出した補正値を用いて搭載手段50をフィードバック制御することにより、基板の目標搭載位置に部品を搭載する。
【0014】
測定手段20は、基板に搭載された部品の部品位置と目標搭載位置とのずれ量を測定し、測定した部品位置と目標搭載位置とのずれ量を抽出手段30に出力する。抽出手段30は、フィルタを用いて、部品位置と目標搭載位置とのずれ量から基板の伸縮に起因するずれ量を抽出し、抽出した基板の伸縮に起因するずれ量を補正手段40へ出力する。補正手段40は、基板の伸縮に起因するずれ量から補正値を算出し、算出した補正値を搭載手段50へ出力する。搭載手段50は、補正手段40から入力した補正値を用いて目標搭載位置を補正し、補正後の目標搭載位置に部品を搭載する。
【0015】
次に、本実施形態に係る部品搭載装置10が基板に複数の部品を搭載する時の動作手順について説明する。以下では、部品搭載装置10が基板に4つの部品を搭載する時の動作手順について詳細に説明する。本実施形態に係る部品搭載装置10によって部品を搭載した基板の上面図を
図2に示す。
図2において、部品の目標搭載位置を点線で示す。
図2に示すように、基板60上の目標搭載位置(点線)に、パッド81−84がはんだ印刷されている。そして、本実施形態に係る部品搭載装置10の搭載手段50が、基板60の目標搭載位置(点線)に部品71−74を配置することによって、部品71−74がパッド81−84を介して基板60に搭載される。
【0016】
測定手段20は、
図2に示した基板60の部品搭載面を撮像し、撮像データから部品71−74およびパッド81−84の座標を取得する。測定手段20は、取得したパッド81−84の座標を目標搭載位置の座標とみなし、部品71−74の座標とパッド81−84の座標との差分を測定する。そして、測定手段20は、測定した差分を部品位置と目標搭載位置とのずれ量として抽出手段30に出力する。
【0017】
ここで、部品71−74の座標とパッド81−84の座標とがずれる原因としては、目標搭載位置にパッド81−84をはんだ印刷した後で、基板60が伸縮することによってパッド81−84が目標搭載位置からずれることが考えられる。
図2において、基板60がパッド81−84をはんだ印刷した後に左右方向に伸びたことによって、パッド81、83は点線で示した目標搭載位置から左方向に、パッド82、84は目標搭載位置から右方向にずれる。
【0018】
また、部品71−74の座標とパッド81−84の座標とがずれる他の原因としては、部品71−74を目標搭載位置に搭載する時の搭載ばらつきが考えられる。
図2において、搭載ばらつきにより、部品72は点線で示した目標搭載位置中央から上方向に、部品73は目標搭載位置中央から右下方向に、部品74は目標搭載位置中央から右方向にずれて搭載される。
【0019】
ここで、
図2に示すように、搭載ばらつきに起因する位置ずれは毎回の搭載作業ごとに大きく変動し、基板の伸縮に起因する位置ずれはなめらかに且つ連続的に変化する。従って、搭載ばらつきに起因する位置ずれをノイズの高周波成分として、基板の伸縮に起因する位置ずれをノイズの低周波成分として、扱うことができる。
【0020】
抽出手段30は、部品位置と目標搭載位置とのずれ量が入力した場合、フィルタを用いて部品位置と目標搭載位置とのずれ量から基板の伸縮に起因するずれ量を抽出し、抽出した基板の伸縮に起因するずれ量を補正手段40へ出力する。なお、搭載ばらつきに起因する位置ずれがノイズの高周波成分として扱うことができる場合、フィルタとして、ガウシアンフィルタ等のローパスフィルタを適用することが望ましい。ガウシアンフィルタ等のローパスフィルタを用いることによって、ノイズの高周波成分である搭載ばらつきに起因する位置ずれが取り除かれ、ノイズの低周波成分である基板の伸縮に起因する位置ずれのみが抽出される。
【0021】
補正手段40は、抽出手段30から基板の伸縮に起因するずれ量が入力した場合、基板の伸縮に起因するずれ量に基づいて補正値を算出し、算出した補正値を搭載手段50へ出力する。例えば、補正手段40は、複数の領域ごとに抽出された基板の伸縮に起因するずれ量の符号を反転し、補正値として出力する。
【0022】
搭載手段50は、補正手段40から補正値が入力した場合、図示しない記憶手段等に予め登録されている目標搭載位置(
図2の点線の位置)を入力した補正値を用いて補正し、補正後の目標搭載位置に部品71−74を搭載する。
【0023】
以上のように、本実施形態に係る部品搭載装置10は、基板に搭載された部品の部品位置と目標搭載位置とのずれ量を計測し、フィルタを用いて基板の伸縮に起因するずれ量のみを抽出する。そして、部品搭載装置10は、抽出した基板の伸縮に起因するずれ量に基づいて目標搭載位置を補正する。
【0024】
フィルタを用いることにより、部品の部品位置と目標搭載位置とのずれ量から容易に搭載ばらつきに起因するずれ量を削除して、基板の伸縮に起因するずれ量を抽出することができる。従って、配置条件の変更等があった場合でも初期段階から基板の伸縮に起因する位置ずれを適切に抽出し、目標搭載位置を補正することができる。
【0025】
搭載ばらつきに起因する位置ずれは毎回の搭載作業ごとに大きく変動することから、部品位置と目標搭載位置とのずれ量から搭載ばらつきに起因する位置ずれを削除することにより、目標搭載位置を効果的に補正することができ、部品を精度良く基板に搭載することができる。
【0026】
ここで、フィルタの特性を適切に設定することにより、基板60の様々な伸縮に対応することができる。また、フィルタとしてガウシアンフィルタを適用する場合、基板に搭載された部品の搭載密度および基板の最大伸縮率に応じて、最適なサイズのガウシアンフィルタを選択することが望ましい。最適なサイズのガウシアンフィルタを適用することにより、基板を複数領域に区分した場合の領域ごとに、基板の伸縮に起因する位置ずれを適切に抽出することができる。
【0027】
(第2の実施形態)
第2の実施形態について説明する。本実施形態に係る部品搭載装置は、基板の所定の位置にパッド対をはんだ印刷し、このパッド対を介して基板に部品を搭載する。本実施形態に係る部品搭載装置のブロック構成図を
図3に示す。
図3において、基板200の流れを実線で、データ等の流れを点線で示す。
【0028】
図3に示すように、本実施形態に係る部品搭載装置100は、記憶手段110、はんだ印刷手段120、部品搭載手段130、部品位置測定手段140、リフロー手段150および補正手段160を備える。
【0029】
記憶手段110には基板に搭載する複数の部品の目標搭載位置が記憶されている。本実施形態において、記憶手段110には、基板200に搭載する8個の部品310−380の目標搭載位置111−181が記憶されている。
【0030】
はんだ印刷手段120は、基板上の目標搭載位置に部品を基板に電気的に接続するためのパッドをはんだ印刷し、部品搭載手段130へ搬出する。本実施形態において、はんだ印刷手段120は、記憶手段110から目標搭載位置111−181を読み出し、読み出した目標搭載位置111−181の中心と、パッド対210−280の中心位置211−281とが一致するようにして、パッド対210−280を基板200にはんだ印刷する。
【0031】
部品搭載手段130は、基板200が搬入された場合、記憶手段110から部品の目標搭載位置を補正手段160から入力した補正値を用いて補正し、補正後搭載位置に部品を搭載する。本実施形態において、部品搭載手段130は、記憶手段110に記憶されている目標搭載位置111−181を読み出し、読み出した目標搭載位置111−181を補正手段160から入力した補正値を用いて補正して補正後搭載位置112−182を取得する。そして、部品搭載手段130は、予めセットされた部品310−380の中心位置311−381と補正後搭載位置112−182の中心とが一致するようにして、部品310−380を基板200に搭載する。
【0032】
部品位置測定手段140は、部品搭載手段130から搬入された基板の部品搭載面を撮像し、撮像後の基板をリフロー手段150へ搬出する。さらに、部品位置測定手段140は、基板の部品搭載面の撮像データから部品の中心位置とパッド対の中心位置とのずれ量を測定し、測定したずれ量を部品の配置状況に基づいてマッピングすることによって搭載座標ずれマップを生成し、生成した搭載座標ずれマップを補正手段160へ出力する。
【0033】
本実施形態において、部品位置測定手段140は、テンプレートマッチング等の手法を用いて基板200の部品搭載面の撮像データから、部品310−380の搭載領域を抽出し、抽出した搭載領域の中心位置を部品310−380の中心位置311−381として取得する。また、部品位置測定手段140は、テンプレートマッチング等の手法を用いて撮像データからパッド対210−280の印刷領域を抽出し、抽出した印刷領域の中心をパッド対210−280の中心位置211−281として取得する。一例として、部品位置測定手段140が取得した部品310の中心位置311およびパッド対210の中心位置211を
図4に示す。
【0034】
部品位置測定手段140はさらに、取得した部品310−380の中心位置311−381と、パッド対210−280の中心位置211−281とのずれ量を測定し、測定したずれ量(以下、部品搭載座標ずれ量と記載する。)を部品310−380の配置状況に基づいてマッピングして搭載座標ずれマップを生成する。
【0035】
例えば、部品位置測定手段140は、
図4において、部品310の中心位置311とパッド対210の中心位置211とのX軸方向のずれ量(ΔX)とY軸方向のずれ量(ΔY)とを測定し、測定した(ΔX、ΔY)を部品310の部品搭載座標ずれ量として取得する。部品位置測定手段140は、同様に、部品320−380の部品搭載座標ずれ量を取得し、取得した部品搭載座標ずれ量を部品310−380の配置状況に基づいてマッピングすることによって搭載座標ずれマップを生成する。搭載座標ずれマップについては後述する。なお、部品の搭載領域およびパッド対の印刷領域を抽出する方法はテンプレートマッチングに限定されず、例えば、輝度変化等を用いて搭載領域および印刷領域を抽出することもできる。
【0036】
リフロー手段150は、部品位置測定手段140から搬入された基板200を加熱してパッド対210−280を溶融し、さらに、基板200を冷却してパッド対210−280を固化させる。パッド対210−280が固化することによって、部品310−380がパッド対210−280を介して基板200にはんだ付けされる。
【0037】
補正手段160は、部品位置測定手段140から搭載座標ずれマップが入力した場合、ガウシアンフィルタ等のローパスフィルタを用いて、入力した搭載座標ずれマップから搭載作業の搭載ばらつきに起因する座標ずれを除去し、基板200の伸縮に起因する座標ずれを抽出する。そして、補正手段160は、抽出した基板200の伸縮に起因する座標ずれに基づいて補正値を算出し、算出した補正値を部品搭載手段130へ出力する。
【0038】
第1の実施形態でも述べたように、部品の搭載ずれが発生する原因としては、搭載作業の搭載ばらつきに起因する座標ずれや、基板の伸縮に起因する座標ずれ等が挙げられる。搭載ばらつきに起因する座標ばらつきをノイズの高周波成分、基板の伸縮による座標ずれをノイズの低周波成分として扱うことができことから、ローパスフィルタを用いることによって、基板の伸縮による座標ずれを抽出する。
【0039】
次に、本実施形態に係る部品搭載装置100が、ガウシアンフィルタを用いて部品搭載座標ずれ量から基板200の伸縮による座標ずれを抽出して補正値を算出する場合の動作手順について説明する。本実施形態に係る部品搭載装置100の動作フロー図を
図5に示す。以下では、基板200の目標搭載位置に8個の部品310−380を搭載する場合について説明する。
【0040】
基板200の目標搭載位置に部品310−380を搭載する場合、ユーザははんだ印刷手段120に基板200をセットし、部品搭載手段130に8個の部品310−380をセットする。この状態で、ユーザは部品搭載装置100へ搭載開始を指示する。
【0041】
部品の搭載開始が指示された場合、はんだ印刷手段120は、記憶手段110から目標搭載位置111−181を読み出し、読み出した目標搭載位置111−181の中心とパッド対210−280の中心位置211−281とが一致するように、基板200の上面にパッド対210−280をはんだ印刷する(S101)。パッド対210−280がはんだ印刷された基板200は、部品搭載手段130に搬出される。
【0042】
部品搭載手段130は、基板200が搬入された場合、記憶手段110から目標搭載位置111−181を読み出し、読み出した目標搭載位置111−181を補正手段160から入力した補正値を用いて補正し、補正後搭載位置112−182を取得する(S102)。
【0043】
部品搭載手段130は、取得した補正後搭載位置112−182の中心と部品310−380の中心位置311−381とが一致するように、基板200の上面に部品310−380を搭載する(S103)。部品310−380が搭載された基板200は、部品位置測定手段140に搬出される。
【0044】
部品位置測定手段140は、基板200が搬入された場合、基板200の部品搭載面を撮像して撮像データを取得し(S104)、撮像後の基板200をリフロー手段150へ搬出する。リフロー手段150は、基板200が搬入された場合、基板200を加熱および冷却し、パッド対210−280を溶融および固化することによって、部品310−380を基板200にはんだ付けする(S105)。
【0045】
一方、部品位置測定手段140は、取得した撮像データから、テンプレートマッチングの手法を用いて部品310−380の搭載領域およびパッド対210−280の印刷領域を抽出する(S106)。部品位置測定手段140が取得した撮像データの一例を
図6に示す。
【0046】
部品位置測定手段140は、
図6に示した撮像データを、
図6に点線で示した部品の最小搭載間隔を用いて細分化し、細分化した領域の対応領域に部品を配置することによって、
図7に示す搭載マップを生成する(S107)。
【0047】
図6において、縦方向の点線および横方向の点線によって25個の交点が生成され、このうちの8個に部品310−380が搭載されている。
図7に示した搭載マップは、
図6に示した25個の交点を領域で示し、領域内に搭載された部品の部品番号(310−380)を記載することによって生成される。
図7において、部品番号が記載されていない領域は、部品が搭載されていない領域である。なお、撮像データを部品の最小搭載間隔を用いて細分化して搭載マップを生成することに限定されず、例えば、撮像データを局所的な部品搭載の疎密に応じて細分化して搭載マップを作成することもできる。
【0048】
部品位置測定手段140はさらに、S106で抽出した搭載領域の中心位置を部品310−380の中心位置311−381として取得し、抽出した印刷領域の中心位置をパッド対210−280の中心位置211−281として取得する。そして、部品位置測定手段140は、取得した部品の中心位置およびパッド対の中心位置についてそれぞれ、X軸方向とY軸方向のずれ量を計測する。部品位置測定手段140は、計測したずれ量をS107で生成した搭載マップに当て嵌めてX方向とY方向の搭載座標ずれマップを生成し、生成した搭載座標ずれマップを補正手段160に出力する(S108)。
【0049】
部品位置測定手段140が生成したX方向とY方向の搭載座標ずれマップを、
図8(a)、(b)に示す。
図6において部品310−380の中心位置311−381がパッド対210−280の中心位置211−281に対して右方向または上方向にずれている場合、
図8において正の数で示した。また、
図6において部品310−380の中心位置311−381がパッド対210−280の中心位置211−281に対して左方向または下方向にずれている場合、
図8において負の数で示した。
【0050】
補正手段160は、X方向とY方向の搭載座標ずれマップが入力した場合、入力した搭載座標ずれマップから搭載ばらつきに起因する座標ばらつき除去し、基板200の伸縮による座標ずれを抽出する(S109)。本実施形態において、補正手段160は、ガウシアンフィルタを用いて入力した搭載座標ずれマップから搭載ばらつきに起因する座標ばらつきを除去し、基板200の伸縮による座標ずれを抽出する。
【0051】
ここで、3×3のガウシアンフィルタを
図9(a)に、5×5のガウシアンフィルタを
図9(b)に示す。また、補正手段160が3×3のガウシアンフィルタを用いて
図8に示したX方向とY方向の搭載座標ずれマップから基板200の伸縮による座標ずれを抽出した結果を
図10(a)、(b)に、5×5のガウシアンフィルタを用いて
図8に示したX方向とY方向の搭載座標ずれマップから基板200の伸縮による座標ずれを抽出した結果を
図11(a)、(b)に示す。
【0052】
図8と
図10とを比較した場合、部品370および部品380の周辺領域は部品搭載密度が低いことから、部品370および部品380についてはノイズの高周波成分(搭載ばらつきに起因する座標ばらつき)が除去されていない(平滑化されていない)。一方、
図8と
図11とを比較した場合、全ての部品310−380についてノイズの高周波成分(搭載ばらつきに起因する座標ばらつき)が除去されている(平滑化されている)。従って、
図6のように基板200に8個の部品310−380を搭載する場合は、5×5のガウシアンフィルタを用いたノイズ除去が有効であることがわかる。
【0053】
補正手段160は、抽出した基板200の伸縮による座標ずれに基づいて補正値を算出し、算出した補正値を部品搭載手段130へ出力する(S110)。本実施形態において、補正手段160は、抽出した基板200の伸縮による座標ずれの符号を反転し、補正値として部品搭載手段130へ出力する。5×5のガウシアンフィルタを用いて
図11(a)、(b)に示す座標ずれが抽出された場合に、部品搭載手段130へ出力される補正値を
図12(a)、(b)に示す。
【0054】
部品搭載手段130は、S102、S103において、補正手段160から入力した
図12(a)、(b)に示す補正値を用いて記憶手段110に記憶されている部品の目標搭載位置を補正して補正後搭載位置112−182を取得し、取得した補正後搭載位置112−182に部品310−380を搭載する。
【0055】
以上のように、本実施形態に係る部品搭載装置100は、部品の配置状態に基づいて、部品搭載座標ずれ量から搭載ばらつきに起因する座標ばらつきを除去し、基板200の伸縮による座標ずれを抽出する。部品搭載装置100は、抽出した基板200の伸縮による座標ずれに基づいて補正値を決定するため、部品を高精度に基板に搭載することができる。
【0056】
本実施形態では、ノイズ除去の手法として5×5のガウシアンフィルタを用いたがこれに限定されない。フィルタの特性やサイズは、部品の配置状態や搭載座標ずれのばらつき等に基づいて、最適なフィルタの特性およびサイズを設定すれば良い。例えば、基板の最大伸縮率が既知である場合、フィルタのサイズが最大に伸縮した場合のサイズを1周期として、この周期より高い周波数成分を低減するフィルタを設定することができる。また、部品同士が近接して搭載されている基板では3×3などサイズの小さいフィルタを用い、部品間隔が空いている基板では5×5や7×7などサイズの大きいフィルタを用いることができる。さらに、予めフィルタ内の部品最低個数を設定し、最低個数に満たない場合は、例えば、3×3フィルタから5×5フィルタのように、1回り大きいサイズのフィルタに変更することも出来る。さらに、部品ごとに、フィルタの特性やサイズを切り換えることもできる。
【0057】
一例として、
図13に示す5×5フィルタを用いて、
図8に示した搭載座標ずれマップから基板200の伸縮による座標ずれを抽出した結果を
図14に示す。本フィルタは基板の伸縮による座標ずれを含めて平滑化を行う。フィルタのサイズを小さくしてフィルタ内での基板の伸縮がほぼ均一となるようにすることで、部品搭載座標ずれ量から搭載ばらつきに起因する座標ばらつきを除去し、基板200の伸縮による座標ずれを抽出することが可能となる。
【0058】
本願発明は上記実施形態に限定されるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があってもこの発明に含まれる。