特許第6035990号(P6035990)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6035990
(24)【登録日】2016年11月11日
(45)【発行日】2016年11月30日
(54)【発明の名称】車両用電源装置
(51)【国際特許分類】
   B60K 1/04 20060101AFI20161121BHJP
   B62D 25/08 20060101ALI20161121BHJP
   B62D 25/20 20060101ALI20161121BHJP
【FI】
   B60K1/04 Z
   B62D25/08 K
   B62D25/20 G
   B62D25/20 H
【請求項の数】9
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2012-179215(P2012-179215)
(22)【出願日】2012年8月13日
(65)【公開番号】特開2014-37174(P2014-37174A)
(43)【公開日】2014年2月27日
【審査請求日】2015年6月29日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003997
【氏名又は名称】日産自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100100712
【弁理士】
【氏名又は名称】岩▲崎▼ 幸邦
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100098327
【弁理士】
【氏名又は名称】高松 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】貞方 祐太
(72)【発明者】
【氏名】東野 龍也
(72)【発明者】
【氏名】萱野 茂樹
【審査官】 須山 直紀
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−073466(JP,A)
【文献】 特開2012−135083(JP,A)
【文献】 特開2012−121375(JP,A)
【文献】 特開2000−152470(JP,A)
【文献】 特開平07−081624(JP,A)
【文献】 特開2011−194912(JP,A)
【文献】 特開2011−195057(JP,A)
【文献】 特開2011−194911(JP,A)
【文献】 特開2010−231907(JP,A)
【文献】 特開2005−297861(JP,A)
【文献】 特開2011−093458(JP,A)
【文献】 特開2011−079471(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60K 1/04
B62D 25/08
B62D 25/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッテリと補機とを一つのケース内に離間して固定配置した車両用電源装置であって、
前記ケースは前記バッテリを内部に収納した第一筐体部と、前記補機を内部に収納した第二筐体部とを備え、
前記第二筐体部がフロアパネルのフロアトンネルに固定配置されており、前記第一筐体部が前記フロアトンネルよりも前記フロアトンネルの延在方向のいずれか一方の側に配置され、
前記第一筐体部は、前記ケースに前記フロアトンネルの延在方向の外力が入力された際に、前記第二筐体部に対して車両前後方向に相対的に移動可能であることを特徴とする車両用電源装置。
【請求項2】
前記補機は、手動で電源を遮断することができる手動遮断装置であることを特徴とする請求項1に記載の車両用電源装置。
【請求項3】
前記補機は、前記ケースに前記フロアトンネルの延在方向の外力が入力された際に自動で電源を遮断する自動遮断装置であることを特徴とする請求項1に記載の車両用電源装置。
【請求項4】
前記ケースは、前記第一筐体部と前記第二筐体部との間に形成され、前記ケースに前記フロアトンネルの延在方向の外力が入力された際に前記フロアトンネルの延在方向に収縮する収縮部を備えることを特徴とする請求項1〜3のうちいずれか1項に記載の車両用電源装置。
【請求項5】
前記第一筐体部と前記第二筐体部とが互いに嵌合する嵌合部で結合され、前記ケースに前記フロアトンネルの延在方向の外力が入力された際には、前記嵌合部において前記第一筐体部と前記第二筐体部とが摺動することを特徴とする請求項4に記載の車両用電源装置。
【請求項6】
前記ケースは、前記第一筐体部と前記第二筐体部との間に形成された脆弱部を備え、前記ケースに前記フロアトンネルの延在方向の外力が入力された際には、前記脆弱部が圧縮変形することを特徴とする請求項4に記載の車両用電源装置。
【請求項7】
前記補機と前記バッテリとを電気的に接続する可撓性のハーネスを備えることを特徴とする請求項1〜6のうちいずれか1項に記載の車両用電源装置。
【請求項8】
前記補機と前記バッテリとを電気的に接続する可撓性のハーネスを前記フロアパネルもしくは前記ケースに固定する固定部材を備え、
前記固定部材は前記ハーネスの撓みを許容する許容手段を備えることを特徴とする請求項7に記載の車両用電源装置。
【請求項9】
前記許容手段は、前記ハーネスに前記フロアトンネルの延在方向の外力が入力された際に、前記固定部材と前記ハーネスとの固定を解除することを特徴とする請求項8に記載の車両用電源装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用電源装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両用電源装置として、第1の電池アセンブリおよび第2の電池アセンブリと、第1および第2の電池アセンブリに電気的に接続される電気接続箱(補機)と、を備え、フロアパネルに搭載されたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この特許文献1では、車両左右方向に第1および第2の電池アセンブリを搭載し、第1の電池アセンブリと第2の電池アセンブリとの間に、電気接続箱(補機)を電池アセンブリやフロアパネルに対して相対移動可能に搭載している。そして、外力が入力された際に電気接続箱(補機)を電池アセンブリやフロアパネルに対して外力の入力方向に相対移動させることで、電気接続箱(補機)の保護を図っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−297861号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来の技術では、電気接続箱(補機)が電池アセンブリやフロアパネルに対して相対移動できるように搭載されている。そのため、電池アセンブリやフロアパネルに対して相対移動した電気接続箱(補機)が移動した先に配置された他の部品(例えば電池アッセンブリなど)に接触して、当該電気接続箱(補機)が破損してしまうおそれがある。
【0006】
そこで、本発明は、補機が破損してしまうのをより確実に抑制することのできる車両用電源装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、バッテリと補機とを一つのケース内に離間して固定配置した車両用電源装置の前記ケースが、前記バッテリを内部に収納した第一筐体部と、前記補機を内部に収納した第二筐体部とで形成されており、前記第二筐体部がフロアパネルのフロアトンネルに固定配置されており、前記第一筐体部が前記フロアトンネルよりも前記フロアトンネルの延在方向のいずれか一方の側に配置され、前記第一筐体部が、前記ケースに前記フロアトンネルの延在方向の外力が入力された際に、前記第二筐体部に対して車両前後方向に相対的に移動可能であることを最も主要な特徴としている。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、補機が固定された第二筐体部をフロアパネルのフロアトンネルに固定配置するとともに、バッテリが固定された第一筐体部をフロアトンネルよりもフロアトンネルの延在方向のいずれか一方の側に配置している。そして、ケースにフロアトンネルの延在方向の外力が入力された際に、第一筐体部が第二筐体部に対して車両前後方向に相対的に移動可能となるようにしている。そのため、ケースにフロアトンネルの延在方向の外力が入力された際には、第一筐体部が第二筐体部に対して車両前後方向に相対移動して外力を吸収することができる。さらに、延在方向からの衝撃に対する剛性が比較的高いフロアトンネルに第二筐体部を固定配置しているため、補機への外力入力を抑制することができ、補機が破損してしまうのをより確実に抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の第1実施形態にかかる車両用電源装置の配置状態を模式的に示す裏面図である。
図2】本発明の第1実施形態にかかる車両用電源装置の配置状態を模式的に示す斜視図である。
図3図2のA部を拡大して示す斜視図である。
図4図2のB部を拡大して示す斜視図である。
図5】本発明の第1実施形態にかかる車両用電源装置を模式的に示す斜視図である。
図6】本発明の第1実施形態にかかる車両用電源装置の配置状態を模式的に示す側断面図である。
図7】通常時における車両用電源装置を拡大して示す側断面図である。
図8】後方から外力が加えられた場合における車両用電源装置を拡大して示す側断面図である。
図9】通常時におけるハーネスと取付部材との関係を模式的に示す斜視図である。
図10】後方から外力が加えられた場合におけるハーネスと取付部材との関係を模式的に示す斜視図である。
図11】本発明の第2実施形態にかかる車両用電源装置を模式的に示す斜視図である。
図12】通常時における車両用電源装置を拡大して示す側断面図である。
図13】後方から外力が加えられた場合における車両用電源装置を拡大して示す側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態を図面と共に詳述する。なお、以下の複数の実施形態およびその変形例には、同様の構成要素が含まれている。よって、以下では、それら同様の構成要素には共通の符号を付与するとともに、重複する説明を省略する。
【0011】
(第1実施形態)
本実施形態にかかる車両用電源装置10は、図1に示すように、1つのケース20を備えている。そして、一つのケース20内には、バッテリ30と補機40とが離間して固定配置されている。
【0012】
ケース20は、バッテリ30を内部に収納した第一筐体部21と、補機40を内部に収納した第二筐体部22とを備えている。本実施形態では、図5に示すように、車幅方向に細長い箱状の第一筐体部21と車両前後方向に細長い箱状の第二筐体部22とで、ケース20を略T字状に形成している。
【0013】
第一筐体部21は、上下方向に2分割された分割体を重ね合わせることで形成することができる。例えば、第一筐体部21は、それぞれの分割体に形成した図示せぬフランジ部同士を重ね合わせ、重ね合わせたフランジ部をボルト(図示せず)等により固定することで、収容空間23を有する略箱状に形成することができる。このとき、互いに重ね合わせたフランジ部間にシール材を介在させて分割体を水密に固定するのが好適である。そして、収容空間23内にバッテリ30を収容している。なお、バッテリ30は図示せぬボルト等によって第一筐体部21に固定されている。
【0014】
一方、第二筐体部22も、上下方向に2分割された分割体を重ね合わせることで形成することができる。例えば、第二筐体部22は、それぞれの分割体に形成した図示せぬフランジ部同士を重ね合わせ、重ね合わせたフランジ部をボルト(図示せず)等により固定することで、収容空間24を有する略箱状に形成することができる。このとき、互いに重ね合わせたフランジ部間にシール材を介在させて分割体を水密に固定するのが好適である。そして、収容空間24内に補機40を収容している。なお、補機40も図示せぬボルト等によって第二筐体部22に固定されている。
【0015】
バッテリ30は、複数のセル31を備えており、複数のセル31が横方向(本実施形態では車幅方向)に積重された状態で第一筐体部21の収容空間23内に収容されている。セル31は、その長辺が前後方向に沿い、短辺が上下方向に沿い、かつ厚さ方向が車幅方向に沿う姿勢で、車幅方向に積重されている。なお、本実施形態では、横方向に積重された複数のセル31が1列だけ配置されたバッテリ30を例示したが、横方向に積重されたセル31を前後に複数列となるように配置したバッテリ30としてもよい。
【0016】
一方、補機40としては、手動で電源を遮断することができる手動遮断装置としてのサービスディスコネクトスイッチを用いることができる。サービスディスコネクトスイッチは、電源回路の途中に設けられ、電源を遮断および接続するメイン回路スイッチとして機能する装置であり、このサービスディスコネクトスイッチとしては公知のものを用いることができる。また、補機40として、後突時等に外力Fがケース20に入力された際に、自動で電源を遮断する自動遮断装置を用いることも可能である。この自動遮断装置としても、従来公知のサービスディスコネクトスイッチを用いることができる。なお、自動遮断装置としてのサービスディスコネクトスイッチは、電源回路の途中に設けられ、電源を遮断および接続するメイン回路スイッチとして機能する装置であり、後突時等に外力Fがケース20に入力されたことを検知した際に、自動的に電源を遮断するようにしたものである。
【0017】
そして、バッテリ30と補機40とは、可撓性を有するハーネス50を介して電気的に接続されている。さらに、補機40は、可撓性を有するハーネス50を介してバッテリ30の電力が供給される図示せぬ電気部品(例えば、モータ、チャージャ、インバータ等)に電気的に接続されている。このように、本実施形態では、バッテリ30と電気部品(図示せず)との間に補機40としてのサービスディスコネクトスイッチ(手動もしくは自動で電源を遮断することができる遮断装置)を介在させている。
【0018】
そして、本実施形態では、かかる構成とした車両用電源装置10をフロアパネル100の裏面に固定配置している。
【0019】
具体的には、第二筐体部22をフロアパネル100のフロアトンネル110内に固定配置している。本実施形態では、フロアトンネル110は、車両前後方向に延在するように形成されており、フロアトンネル110を形成することで、車両前後方向から入力される外力Fに対する剛性を高めている。
【0020】
一方、第一筐体部21は、フロアトンネル110よりも車両前後方向(フロアトンネル100の延在方向)のいずれか一方の側に配置されている。本実施形態では、第一筐体部21がフロアトンネル110よりも車両前後方向後方側(フロアトンネル110よりもリアフロント120側:後席シート下のフロア)に配置されている。なお、第一筐体部21をフロアトンネル110よりも車両前後方向前方側(例えば、エンジンルーム)に配置するようにしてもよい。
【0021】
そして、第二筐体部22をフロアトンネル110内に固定配置し、第一筐体部21をフロアトンネルよりもリアフロント120側に配置した状態で、第一筐体部21および第二筐体部22を車体構成部材としてのフロアパネル100に取り付けることで、車両用電源装置10をフロアパネル100に固定配置している。
【0022】
本実施形態では、ボルト挿通孔61が形成された固定部材60を用い、ボルト挿通孔61をフロアパネル100に形成された挿通孔(図示せず)に連通させた状態で、ボルト70をボルト挿通孔61およびボルト挿通孔61に連通した挿通孔(図示せず)に挿通してナットと締結することで、車両用電源装置10をフロアパネル100に固定している。なお、固定部材60は、溶接等により第一筐体部21や第二筐体部22に固定されている。
【0023】
このとき、第一筐体部21に固定される固定部材60のボルト挿通孔61を、図3および図4に示すように、車両前後方向に長孔となるように形成し、第一筐体部21をフロアパネル100に固定した状態で、第一筐体部21がフロアパネル100に対して車両前後方向に相対移動できるようにしている。一方、第二筐体部22に固定される固定部材60のボルト挿通孔61は通常の挿通孔とし、第二筐体部22のフロアパネル100に対する相対移動が規制されるようにしている。なお、固定部材60を図示せぬサイドメンバやクロスメンバ等の車体構成部材に固定し、かかる状態で、第一筐体部21がフロアパネル100に対して車両前後方向に相対移動できるようにするとともに、第二筐体部22のフロアパネル100に対する相対移動が規制されるようにしてもよい。
【0024】
ここで、本実施形態では、第一筐体部21を、後突時等、ケース20に車両前後方向(フロアトンネル110の延在方向)の外力(本実施形態では、車両後方からの外力F)が入力された際に、第二筐体部22に対して相対的に移動可能となるようにした。
【0025】
具体的には、図7に示すように、第一筐体部21の前端21aと第二筐体部22の後端22aとを互いに嵌合させて、第一筐体部21と第二筐体部22とが嵌合部25で結合されるようにした。このとき、図7に示すように、隙間Dだけ第一筐体部21が第二筐体部22に対して摺動(相対移動)できるようにした状態で、第一筐体部21の前端21aと第二筐体部22の後端22aとをスポット溶接により接合している。そして、後突時等、ケース20に車両後方からの外力Fが入力された際には、第一筐体部21と第二筐体部22との接合が外れて、嵌合部25において第一筐体部21と第二筐体部22とが摺動するようにした。
【0026】
なお、第一筐体部21の前端21aおよび第二筐体部22の後端22aにボルト挿通孔を形成し、少なくともいずれかの筐体部に形成したボルト挿通孔を車両前後方向に延在する長孔とし、当該ボルト挿通孔にボルトを挿通してナットにより締結することで、第一筐体部21が第二筐体部22に対して相対的に移動(摺動)可能となるようにしてもよい。
【0027】
このように、本実施形態では、嵌合部25が、第一筐体部21と第二筐体部22との間に形成され、後突時等、ケース20に車両前後方向(フロアトンネル110の延在方向)の外力Fが入力された際に車両前後方向(フロアトンネル110の延在方向)に収縮する収縮部に相当している。
【0028】
さらに、車両用電源装置10は、補機40とバッテリ30とを電気的に接続する可撓性のハーネス50をフロアパネル100もしくはケース20に固定する固定部材90を備えている。本実施形態では、ハーネス50に取り付けられたクリップ80を固定部材90に取り付けることで、ハーネス50の撓みを規制しつつ、当該ハーネス50をフロアパネル100もしくはケース20に固定している。
【0029】
また、固定部材90は、ハーネス50の撓みを許容する許容手段を備えている。本実施形態では、クランク状に折曲された固定部材90のクリップ80との結合部を車両前方に開口する取付穴91とすることで、許容手段を構成している。そして、後突時等、ハーネス50に車両後方からの外力Fが入力された際には、ハーネス50のクリップ80が固定部材90から脱落して、固定部材90とハーネス50との固定が解除されるようにしている。このように、固定部材90とハーネス50との固定が解除されることで、ハーネス50の車両前後方向(フロアトンネル110の延在方向)の撓みが許容されることとなる。
【0030】
なお、後突時等、ハーネス50に車両後方からの外力Fが入力された際に、クランク状に折曲された固定部材90を車両前向(フロアトンネル110の延在方向)に伸びるように変形させることで、固定部材90とハーネス50との固定を解除することなくハーネス50の車両前後方向(フロアトンネル110の延在方向)の撓みを許容できるようにしてもよい。
【0031】
かかる構成とすることで、後突時等、ケース20に車両後方からの外力Fが入力された際には、第一筐体部21が第二筐体部22に対して車両前向(フロアトンネル110の延在方向)に相対移動する。このとき、第一筐体部21は、当該第一筐体部21に固定された固定部材60とともにフロアパネル100に対して車両前向(フロアトンネル110の延在方向)に相対移動する。一方、車両前後方向から入力される外力に対する剛性が比較的高いフロアトンネル110は、後突時等、車両前後方向から外力が入力された場合に、車両前後方向に潰れ変形してしまうのが抑制されるため、フロアトンネル110内に固定配置した第二筐体部22がフロアパネル100に対して車両前後方向(フロアトンネル110の延在方向)に相対移動してしまうのが抑制される。
【0032】
このように、上記構成とすることで、後突時等、ケース20に車両後方からの外力Fが入力された際には、第一筐体部21が、図7の状態から図8の状態となるように第二筐体部22に対して車両前方に相対移動することとなる。このとき、ハーネス50のクリップ80が固定部材90から脱落して、固定部材90とハーネス50との固定が解除され、ハーネス50の車両前後方向(フロアトンネル110の延在方向)の撓みが許容されることとなる。
【0033】
以上説明したように、本実施形態では、ケース20に車両前後方向(フロアトンネル110の延在方向)の外力Fが入力された際に、第一筐体部21が第二筐体部22に対して相対的に移動可能となるようにしている。そのため、ケース20に車両前後方向(フロアトンネル110の延在方向)の外力Fが入力された際には、第一筐体部21が第二筐体部22に対して相対移動して入力された外力Fを吸収することができる。
【0034】
ところで、上述した従来技術のように、補機40をフロアパネル100に対して相対移動できるように搭載すると、バッテリ30やフロアパネル100に対して相対移動した補機40が、移動した先に配置された電気部品(例えば、モータ、チャージャ、インバータ等)などの他の部品に接触して破損してしまうおそれがある。
【0035】
そのため、補機40をフロアパネル100に固定することで、他の部品との接触を抑制するようにすることが考えられるが、フロアパネル100の比較的変形しやすい部位に補機40を固定した場合、補機40がフロアパネル100の変形によって破損したり、フロアパネル100の変形に伴って他の部材に接触することで破損したりするおそれがある。
【0036】
そこで、本実施形態では、補機40が固定された第二筐体部22をフロアパネル100のフロアトンネル110に固定配置するとともに、バッテリ30が固定された第一筐体部21をフロアトンネル110よりも車両前後方向後方側(フロアトンネル110よりもリアフロント120側)に配置した。すなわち、車両前後方向からの衝撃に対する剛性が比較的高いフロアトンネル110に第二筐体部22を固定配置した。そのため、ケース20に車両前後方向(フロアトンネル110の延在方向)の外力Fが入力された際における補機40への衝撃入力を抑制することができ、補機40が破損してしまうのをより確実に抑制することができるようになる。
【0037】
このように、本実施形態によれば、第一筐体部21に対して外力の入力(衝突・振動・ねじれ等)があった場合に、第一筐体部21が第二筐体部22に対して相対的に移動し、外力を吸収するとともに第二筐体部22への外力の入力を抑制して補機40の破損をより確実に抑制することができる。
【0038】
また、補機40の破損をより確実に抑制できるようにすることで、外力の入力時に補機40への衝撃入力を抑制するためにケース20の補強等を極力行わないようにすることができるようになり、車両用電源装置10の重量増加を抑制することができる上、コストが増加してしまうのを抑制することができる。
【0039】
また、上述したように、補機40として手動遮断装置を用い、当該手動遮断装置をフロアトンネル110内に配置すれば、第一筐体部21に対して外力の入力(衝突・振動・ねじれ等)があった場合に、手動遮断装置の破損が抑制されるため、手動遮断装置の機能を維持することができ、外力の入力後であってもバッテリ30を強制遮断することができるようになる。その結果、車両用電源装置10の安全信頼性をより向上させることができる。
【0040】
また、補機40として自動遮断装置を用い、当該自動遮断装置をフロアトンネル110内に配置すれば、第一筐体部21に対して外力の入力(衝突・振動・ねじれ等)があった場合には、自動遮断装置が外力の入力を検知し、バッテリ30を強制遮断することができるようになる。その結果、車両用電源装置10の安全信頼性をより向上させることができる。また、バッテリ30を自動で強制遮断するようになるため、手動遮断装置のように作業者がバッテリ30を強制遮断させる必要がなくなり、作業者の手間を省くことができるようになる。
【0041】
また、本実施形態によれば、ケース20は、第一筐体部21と第二筐体部22との間に形成され、ケース20に車両前後方向(フロアトンネル110の延在方向)の外力Fが入力された際に車両前後方向(フロアトンネル110の延在方向)に収縮する収縮部を備えている。
【0042】
具体的には、第一筐体部21と第二筐体部22とが互いに嵌合する嵌合部25で結合され、ケース20に車両前後方向(フロアトンネル110の延在方向)の外力Fが入力された際に、嵌合部25において第一筐体部21と第二筐体部22とを摺動させることで、ケース20を車両前後方向(フロアトンネル110の延在方向)に収縮させるようにした。そのため、より簡素な構成で、第一筐体部21を第二筐体部22に対して相対的に移動させることができるようになる。
【0043】
また、本実施形態によれば、車両用電源装置10は、補機40とバッテリ30とを電気的に接続する可撓性のハーネス50を備えている。このように、補機40とバッテリ30とを可撓性のハーネス50を用いて電気的に接続することで、第一筐体部21を第二筐体部22に対して相対的に移動させた際に、ハーネス50が撓んでバッテリ30の補機40に対する相対移動を許容することができるようになる。
【0044】
また、本実施形態によれば、補機40とバッテリ30とを電気的に接続する可撓性のハーネス50をフロアパネル100もしくはケース20に固定する固定部材90を備え、固定部材90がハーネス50の撓みを許容する許容手段を備えている。そのため、通常時には、可撓性のハーネス50をフロアパネル100もしくはケース20に固定しつつ、ケース20に車両前後方向(フロアトンネル110の延在方向)の外力Fが入力された際には、ハーネス50を撓ませることができるようになる。
【0045】
また、本実施形態によれば、ハーネス50にフロアトンネル110の延在方向の外力Fが入力された際に、固定部材90とハーネス50との固定を解除するようにすることで、許容手段を構成している。すなわち、ハーネス50にフロアトンネル110の延在方向の外力Fが入力された際にハーネス50を固定部材90から脱落させるようにしている。こうすることで、ハーネス50の撓みが固定部材90によって阻害されてしまうのを抑制することができ、より確実にハーネス50を撓ませることができるようになる。
【0046】
(第2実施形態)
本実施形態にかかる車両用電源装置10Aは、基本的に上記第1実施形態にかかる車両用電源装置10と同様の構成をしている。
【0047】
すなわち、車両用電源装置10Aは、1つのケース20Aを備えている。そして、一つのケース20A内には、バッテリ30と補機40とが離間して固定配置されている。
【0048】
ケース20Aは、バッテリ30を内部に収納した第一筐体部21と、補機40を内部に収納した第二筐体部22とを備えている。本実施形態では、図11に示すように、車幅方向に細長い箱状の第一筐体部21と車両前後方向に細長い箱状の第二筐体部22とで、ケース20Aを略T字状に形成している。
【0049】
そして、第二筐体部22をフロアトンネル110内に固定配置し、第一筐体部21をフロアトンネルよりもリアフロント120側に配置した状態で、第一筐体部21および第二筐体部22を車体構成部材としてのフロアパネル100に取り付けることで、車両用電源装置10をフロアパネル100に固定配置している。
【0050】
また、補機40として手動遮断装置や自動遮断装置を用いている。
【0051】
そして、本実施形態においても、第一筐体部21を、後突時等、ケース20Aに車両前後方向(フロアトンネル110の延在方向)の外力(本実施形態では、車両後方からの外力F)が入力された際に、第二筐体部22に対して相対的に移動可能となるようにしている。
【0052】
さらに、車両用電源装置10Aは、補機40とバッテリ30とを電気的に接続する可撓性のハーネス50をフロアパネル100もしくはケース20に固定する固定部材90を備えている。
【0053】
また、固定部材90は、ハーネス50の撓みを許容する許容手段を備えている。
【0054】
ここで、本実施形態の車両用電源装置10Aが、上記第1実施形態の車両用電源装置10と主に異なる点は、ケース20Aが、第一筐体部21と第二筐体部22との間に形成された脆弱部25Aを備え、ケース20Aに車両前後方向(フロアトンネル110の延在方向)の外力Fが入力された際に脆弱部25Aが圧縮変形するようにした点にある。
【0055】
この脆弱部25Aは、第一筐体部21と第二筐体部22との連結部分にビードを形成したり、連結部分を薄肉にしたりすることで形成することができる。そして、ケース20Aに車両前後方向(フロアトンネル110の延在方向)の外力Fが入力された際には、当該脆弱部25Aが圧縮変形して、第一筐体部21が第二筐体部22に対して車両前方に相対移動することとなる。
【0056】
なお、本実施形態では、脆弱部25Aを第一筐体部21および第二筐体部22とは別体に設けたものを例示したが、第一筐体部21および第二筐体部22のいずれか一方もしくは両方に一体に設けるようにしてもよい。
【0057】
このように、本実施形態では、脆弱部25Aが、第一筐体部21と第二筐体部22との間に形成され、ケース20Aに車両前後方向(フロアトンネル110の延在方向)の外力Fが入力された際に車両前後方向(フロアトンネル110の延在方向)に収縮する収縮部に相当している。
【0058】
以上の本実施形態によっても、上記第1実施形態と同様の作用、効果を奏することができる。
【0059】
また、本実施形態によれば、ケース20Aの第一筐体部21と第二筐体部22との間に脆弱部25Aを形成し、ケース20Aに車両前後方向(フロアトンネル110の延在方向)の外力Fが入力された際に、脆弱部25Aを圧縮変形させることで、ケース20Aを車両前後方向(フロアトンネル110の延在方向)に収縮させるようにした。そのため、より簡素な構成で、第一筐体部21を第二筐体部22に対して相対的に移動させることができるようになる。
【0060】
以上、本発明にかかる車両用電源装置について、上記各実施形態を例にして説明したが、本発明は、上記各実施形態に限ることなく本発明の要旨を逸脱しない範囲で他の実施形態を各種採用することができる。
【0061】
例えば、フロアパネル100における第二筐体部22の車幅方向両側の少なくともいずれか一方の側に、第一筐体部21とは別に形成され、内部にバッテリが収納された筐体部を固定配置させてもよい。
【0062】
また、バッテリや補機、その他細部のスペック(形状、大きさ、レイアウト等)も適宜に変更可能である。
【符号の説明】
【0063】
10,10A 車両用電源装置
20,20A ケース
21 第一筐体部
22 第二筐体部
25 嵌合部
25A 脆弱部
30 バッテリ
40 補機
50 ハーネス
90 固定部材
91 取付穴(許容手段)
100 フロアパネル
110 フロアトンネル
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
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図9
図10
図11
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図13