特許第6036082号(P6036082)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ブラザー工業株式会社の特許一覧

<>
  • 特許6036082-画像処理装置および画像処理プログラム 図000002
  • 特許6036082-画像処理装置および画像処理プログラム 図000003
  • 特許6036082-画像処理装置および画像処理プログラム 図000004
  • 特許6036082-画像処理装置および画像処理プログラム 図000005
  • 特許6036082-画像処理装置および画像処理プログラム 図000006
  • 特許6036082-画像処理装置および画像処理プログラム 図000007
  • 特許6036082-画像処理装置および画像処理プログラム 図000008
  • 特許6036082-画像処理装置および画像処理プログラム 図000009
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6036082
(24)【登録日】2016年11月11日
(45)【発行日】2016年11月30日
(54)【発明の名称】画像処理装置および画像処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   B41J 29/00 20060101AFI20161121BHJP
   B41J 21/00 20060101ALI20161121BHJP
   B41J 29/42 20060101ALI20161121BHJP
   G06F 3/0485 20130101ALI20161121BHJP
   G06F 3/12 20060101ALI20161121BHJP
【FI】
   B41J29/00 T
   B41J21/00 Z
   B41J29/42 F
   G06F3/0485
   G06F3/12 305
   G06F3/12 353
【請求項の数】12
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2012-207990(P2012-207990)
(22)【出願日】2012年9月21日
(65)【公開番号】特開2014-61651(P2014-61651A)
(43)【公開日】2014年4月10日
【審査請求日】2015年9月3日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000534
【氏名又は名称】特許業務法人しんめいセンチュリー
(72)【発明者】
【氏名】浦川 豊
【審査官】 大浜 登世子
(56)【参考文献】
【文献】 再公表特許第2010/032402(JP,A1)
【文献】 特開2006−079281(JP,A)
【文献】 特開2006−330303(JP,A)
【文献】 特開2007−052742(JP,A)
【文献】 特開2010−157190(JP,A)
【文献】 特開2009−087338(JP,A)
【文献】 特開2011−257951(JP,A)
【文献】 特開2011−090532(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 29/00
B41J 21/00
B41J 29/42
G06F 3/0485
G06F 3/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の画像データを取得する画像取得手段と、
前記画像取得手段により取得された複数の画像データに基づく複数の画像を、所定の並び順で並べ、当該並び順で並ぶ複数の画像のうち1以上の画像を所定のレイアウトで表示部に表示させる表示制御手段と、
前記表示制御手段により前記1以上の画像が前記表示部に表示された状態において、その1以上の画像が表示された表示領域内において入力媒体による入力を検出する検出手段と、
前記検出手段により検出された入力が第1方向であるか、前記第1方向とは異なる第2方向であるかを判断する方向判断手段と、
前記方向判断手段により前記入力が前記第2方向であると判断された場合、前記並び順およびレイアウトのうち少なくとも一方の条件を、記憶部に記憶されている複数の条件のうち、現在の条件と異なる条件に変更する条件変更手段と、
を備え、
前記表示制御手段は、
前記方向判断手段により前記入力が前記第1方向であると判断された場合、前記所定の並び順に基づいて、前記複数の画像のうち前記表示部に表示される画像を切り替え、
前記条件変更手段により条件が変更された場合、前記複数の画像のうち1以上の画像を、変更後の条件に従う並び順およびレイアウトで前記表示部に表示させることを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記方向判断手段により前記入力の方向が前記第2方向であると判断された場合に、当該入力の開始位置から現在位置までの移動距離を算出する距離算出手段を備え、
前記条件変更手段は、
前記距離算出手段により算出された移動距離が、第1閾値より大きい場合に、前記条件の変更を行うことを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記条件変更手段は、
前記距離算出手段により算出された移動距離が、前記第1閾値より大きい値である第2閾値より大きい場合と、前記第1閾値から前記第2閾値までの範囲内にある場合とに応じて、それぞれ異なる条件に、前記条件を変更することを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記条件変更手段は、
前記距離算出手段により算出された移動距離が、前記第1閾値から前記第2閾値までの範囲内にある場合、前記表示部に表示されている画像に対応する並び順およびレイアウトのうち少なくとも一方の条件を、記憶部に順序付けて記憶されている前記複数の条件のうち、当該一方の条件の順序に対して第1所定数だけ前または後の順序に対応する条件に変更し、
前記距離算出手段により算出された移動距離が、前記第2閾値より大きい場合、前記表示部に表示されている画像に対応する並び順およびレイアウトのうち少なくとも一方の条件を、前記複数の条件のうち、当該一方の条件の順序に対して前記第1所定数より大きな第2所定数だけ前または後の順序に対応する条件に変更することを特徴とする請求項3記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記条件変更手段は、
前記方向判断手段により前記入力の方向が前記第2方向における正方向であると判断された場合、前記表示部に表示されている画像に対応する並び順およびレイアウトのうち少なくとも一方の条件を、記憶部に順序付けて記憶されている前記複数の条件のうち、当該一方の条件の順序より前の順序に対応する条件に変更し、
前記方向判断手段により前記入力の方向が前記第2方向における負方向であると判断された場合、前記表示部に表示されている並び順およびレイアウトのうち少なくとも一方の条件を、前記複数の条件のうち、当該一方の条件の順序より後の順序に対応する条件に変更することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記条件変更手段は、
前記方向判断手段により前記入力の方向が前記第2方向における正方向であると判断された場合、前記表示部に表示されている画像に対応する並び順またはレイアウトのうち一方の条件を変更し、
前記方向判断手段により前記入力の方向が前記第2方向における負方向であると判断された場合、前記表示部に表示されている画像に対応する並び順またはレイアウトのうち他方の条件を変更することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記方向判断手段により前記入力の方向が前記第2方向であると判断された場合に、当該入力の開始位置から現在位置までの移動距離を算出する距離算出手段を備え、
前記条件変更手段は、
前記距離算出手段により算出された移動距離が、第1閾値から、当該第1閾値より大きい値である第2閾値までの範囲内にある場合、前記表示部に表示されている画像に対応する並び順またはレイアウトのうち一方の条件を変更し、
前記距離算出手段により算出された移動距離が、前記第2閾値より大きい場合、前記表示部に表示されている画像に対応する並び順およびレイアウトの両方の条件を変更することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項8】
前記条件変更手段は、
前記距離算出手段により算出された移動距離が、前記第2閾値から、前記第2閾値より大きい値である第3閾値までの範囲内にある場合、前記表示部に表示されている画像に対応する並び順およびレイアウトの両方の条件を、記憶部に順序付けて記憶されている前記複数の条件のうち、当該両方の条件の各々の順序に対して第3所定数だけ前または後の順序に対応する条件に変更し、
前記距離算出手段により算出された移動距離が、前記第3閾値より大きい場合、前記表示部に表示されている画像に対応する並び順またはレイアウトのうち一方の条件を、前記複数の条件のうち、当該一方の条件の順序に対して第3所定数だけ前または後の順序に対応する条件に変更し、他方の条件を、前記複数の条件のうち、当該他方の条件の順序に対して前記第3所定数より大きな第4所定数だけ前または後の順序に対応する条件に変更することを特徴とする請求項7記載の画像処理装置。
【請求項9】
前記入力の終了を検出する第2検出手段を備え、
前記表示制御手段は、前記第2検出手段により前記入力の終了が検出された場合に、前記方向判断手段により判断された前記入力の方向に応じた表示の制御を実行し、
前記方向判断手段により前記入力の方向が前記第2方向であると判断された場合に、当該入力の開始位置から現在位置までの移動距離を算出する距離算出手段と、
前記方向判断手段により前記入力の方向が前記第2方向であると判断された場合、前記検出手段により前記入力が検出されてから、前記第2検出手段により前記入力の終了が検出されるまでの間に、前記距離算出手段により算出された移動距離に応じて、前記入力の現在位置において、前記条件変更手段により変更される条件を報知する報知手段とを備えていることを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項10】
前記条件変更手段により条件が変更された場合、変更前の条件に従う並び順およびレイアウトで前記表示部に表示されていた画像及び前記表示部における当該画像の位置を示す情報を、当該変更前の条件に対応付けて記憶部に記憶する第1記憶制御手段と、
前記表示制御手段は、
前記条件変更手段により条件が変更された場合、変更後の条件に対し、前記第1記憶制御手段によって前記記憶部に記憶された情報により示される画像を、当該情報により示される位置に配置させて前記表示部に表示させることを特徴とする請求項1から9のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項11】
前記条件変更手段により条件が変更された場合、変更後の条件を記憶部に記憶する第2記憶制御手段と、
前記1以上の画像が前記表示部に表示された状態において、当該画像に対する選択を受け付ける選択受付手段と、
前記選択受付手段により選択を受け付けた画像を記憶部に記憶する第3記憶制御手段と、
印刷の実行指示を受け付ける印刷受付手段と、
前記印刷手段により印刷の実行指示を受け付けた場合、前記第3記憶制御手段により記憶部に記憶された画像が、前記第2記憶制御手段により記憶部に記憶された条件に従う並び順で用紙に印刷されるように、当該画像に対応する画像データ、または、当該画像データに基づく印刷データを、印刷部に出力する出力手段と、
を備えていることを特徴とする請求項1から10のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項12】
画像処理装置のコンピュータが実行可能な画像処理プログラムであって、
複数の画像データを取得する画像取得手段と、
前記画像取得手段により取得された複数の画像データに基づく複数の画像を、所定の並び順で並べ、当該並び順で並ぶ複数の画像のうち1以上の画像を所定のレイアウトで表示部に表示させる表示制御手段と、
前記表示制御手段により前記1以上の画像が前記表示部に表示された状態において、その1以上の画像が表示された表示領域内において入力媒体による入力を検出する検出手段と、
前記検出手段により検出された入力が第1方向であるか、前記第1方向とは異なる第2方向であるかを判断する方向判断手段と、
前記方向判断手段により前記入力が前記第2方向であると判断された場合、前記並び順および前記レイアウトのうち少なくとも一方の条件を、記憶部に記憶されている複数の条件のうち、現在の条件と異なる条件に変更する条件変更手段として、
前記コンピュータを機能させ、
前記表示制御手段は、
前記方向判断手段により前記入力が前記第1方向であると判断された場合、前記所定の並び順に基づいて、前記複数の画像のうち前記表示部に表示される画像を切り替え、
前記条件変更手段により条件が変更された場合、前記複数の画像のうち1以上の画像を、変更後の条件に従う並び順およびレイアウトで前記表示部に表示させることを特徴とする画像処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置及び画像処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、記憶部に記憶された複数の画像を、並び替え条件設定画面において設定された並び替え条件に基づく順序で一覧表示する画像出力管理装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−2639406号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の画像出力管理装置において一覧表示される複数の画像の並び替え条件を変更する場合、ユーザは、画像一覧画面から並び替え条件設定画面に遷移させ、当該並び替え条件設定画面において、所望の並び替え条件を指定する操作を行う必要があり、操作が煩雑となる。
【0005】
本発明は、上述した事情を鑑みてなされたものであり、複数の画像をスクロール可能に一覧表示する場合において、一覧表示された複数の画像を所望の並び順および/またはレイアウトで表示させるための操作性が向上された画像処理装置および画像処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的を達成するために、本発明の画像処理装置は、複数の画像データを取得する画像取得手段と、前記画像取得手段により取得された複数の画像データに基づく複数の画像を、所定の並び順で並べ、当該並び順で並ぶ複数の画像のうち1以上の画像を所定のレイアウトで表示部に表示させる表示制御手段と、前記表示制御手段により前記1以上の画像が前記表示部に表示された状態において、その1以上の画像が表示された表示領域内において入力媒体による入力を検出する検出手段と、前記検出手段により検出された入力が第1方向であるか、前記第1方向とは異なる第2方向であるかを判断する方向判断手段と、前記方向判断手段により前記入力が前記第2方向であると判断された場合、前記並び順および前記レイアウトのうち少なくとも一方の条件を、記憶部に記憶されている複数の条件のうち、現在の条件と異なる条件に変更する条件変更手段と、を備え、前記表示制御手段は、前記方向判断手段により前記入力が前記第1方向であると判断された場合、前記所定の並び順に基づいて、前記複数の画像のうち前記表示部に表示される画像を切り替え、前記条件変更手段により条件が変更された場合、前記複数の画像のうち1以上の画像を、変更後の条件に従う並び順およびレイアウトで前記表示部に表示させる。
【0007】
なお、本発明は、画像処理装置を制御する方法、画像処理装置を制御する制御装置、画像処理システム、画像処理装置を制御するための入力プログラム、該プログラムを記録する記録媒体等の種々の態様で構成することができる。
【発明の効果】
【0008】
請求項1記載の画像処理装置によれば、複数の画像を、所定の並び順で並べ、当該並び順で並ぶ複数の画像のうち1以上の画像が表示部に表示された状態において、入力媒体による入力が、第1方向であると判断された場合、前記所定の並び順に基づいて、複数の画像のうち表示部に表示される画像が切り替えられる。一方で、前記1以上の画像が前記表示部に表示された状態において、その1以上の画像が表示された表示領域内において入力媒体による入力が、第1方向とは異なる第2方向であると判断された場合、並び順およびレイアウトのうち少なくとも一方の条件が、記憶部に記憶されている複数の条件のうち、現在の条件と異なる条件に変更され、それにより、前記1以上の画像が、変更後の条件に従う並び順およびレイアウトで表示部に表示される。よって、複数の画像を表示部に表示させた状態を維持したまま、入力媒体による入力の方向に応じて、複数の画像のうち表示部に表示される画像を、その並び順を保ったまま切り替える動作だけでなく、並び順およびレイアウトのうち少なくとも一方の条件を変更して、変更後の条件に従う並び順およびレイアウトで画像を表示部に表示させる動作を実施することができる。かかる場合、画像が表示されている表示部から、並び順やレイアウトの条件を指定する表示など、他の表示に遷移させる必要がないので、表示部に複数の画像を所望の並び順および/またはレイアウトを選んで表示させるための操作性に優れる。
【0009】
請求項2記載の画像処理装置によれば、請求項1が奏する効果に加え、次の効果を奏する。入力の方向が第2方向であると判断された場合、当該入力の開始位置から現在位置までの移動距離が、第1閾値より大きい場合に、前記条件の変更が行われる。よって、入力媒体による入力を、第1閾値を超えて移動させることによって、表示部に表示されている複数の画像の並び順および/またはレイアウトの条件を変更できる。
【0010】
請求項3記載の画像処理装置によれば、請求項1または2が奏する効果に加え、次の効果を奏する。入力の方向が第2方向であると判断された場合、当該入力の開始位置から現在位置までの移動距離が、第1閾値より大きい値である第2閾値より大きい場合と、第1閾値から第2閾値までの範囲内にある場合とに応じて、それぞれ異なる条件に、前記条件を変更することができる。よって、表示部に表示されている複数の画像の並び順および/またはレイアウトの条件を、入力媒体による入力の移動距離に応じた条件に変更できる。
【0011】
請求項4記載の画像処理装置によれば、請求項3が奏する効果に加え、次の効果を奏する。入力の移動距離が、第1閾値から第2閾値までの範囲内にある場合、表示部に表示されている画像に対応する並び順およびレイアウトのうち少なくとも一方の条件が、記憶部に順序付けて記憶されている複数の条件のうち、当該一方の条件の順序に対して第1所定数だけ前または後の順序に対応する条件に変更される。一方、入力の移動距離が、第2閾値より大きい場合、表示部に表示されている画像に対応する並び順およびレイアウトのうち少なくとも一方の条件が、記憶部に順序付けて記憶されている複数の条件のうち、当該一方の条件の順序に対して第1所定数より大きな第2所定数だけ前または後の順序に対応する条件に変更される。よって、順序付けられた複数の条件のうち、入力の移動距離に応じた数だけ移動させた順序に対応する条件に変更できる。なお、特許請求の範囲において、「所定数だけ前または後の順序に対応する条件に変更する」とは、記憶部に順序付けて記憶されている複数の条件のうち、所定数だけ前または後ろに条件を移動させる途中で、順序付けられている複数の条件の先頭または最後尾に達した場合、達した一端とは反対の端である最後尾または先頭から続けて残りの移動を行うことも含むものである。
【0012】
請求項5記載の画像処理装置によれば、請求項1から4のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。入力の方向が第2方向における正方向であると判断された場合、表示部に表示されている画像に対応する並び順およびレイアウトのうち少なくとも一方の条件が、記憶部に順序付けて記憶されている複数の条件のうち、当該一方の条件の順序より前の順序に対応する条件に変更される。一方、入力の方向が第2方向における負方向であると判断された場合、表示部に表示されている並び順およびレイアウトのうち少なくとも一方の条件が、記憶部に順序付けて記憶されている複数の条件のうち、当該一方の条件の順序より後の順序に対応する条件に変更される。よって、順序付けられている複数の条件のうち、入力媒体による入力が第2方向の正方向であるか負方向であるかに応じて、条件の変更順序を異ならせることができる。
【0013】
請求項6記載の画像処理装置によれば、請求項1から4のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。入力の方向が第2方向における正方向であると判断された場合、表示部に表示されている画像に対応する並び順またはレイアウトのうち一方の条件が変更され、入力の方向が第2方向における負方向であると判断された場合、表示部に表示されている画像に対応する並び順またはレイアウトのうち他方の条件が変更される。よって、入力媒体による入力が第2方向の正方向であるか負方向であるかに応じて、変更させる条件の種類を異ならせることができる。
【0014】
請求項7記載の画像処理装置によれば、請求項1から3のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。入力媒体による入力の移動距離が、第1閾値から、当該第1閾値より大きい値である第2閾値までの範囲内にある場合、表示部に表示されている画像に対応する並び順またはレイアウトのうち一方の条件が変更され、入力媒体による入力の移動距離が、第2閾値より大きい場合、表示部に表示されている画像に対応する並び順およびレイアウトの両方の条件が変更される。よって、入力媒体による入力の移動距離に応じて、変更させる条件の種類を異ならせることができる。
【0015】
請求項8記載の画像処理装置によれば、請求項7が奏する効果に加え、次の効果を奏する。入力媒体による入力の移動距離が、第2閾値から、当該第2閾値より大きい値である第3閾値までの範囲内にある場合、表示部に表示されている画像に対応する並び順およびレイアウトの両方の条件が、記憶部に順序付けて記憶されている複数の条件のうち、当該両方の条件の各々の順序に対して第3所定数だけ前または後の順序に対応する条件に変更される。一方、入力媒体による入力の移動距離が、第3閾値より大きい場合、表示部に表示されている画像に対応する並び順またはレイアウトのうち一方の条件が、記憶部に順序付けて記憶されている複数の条件のうち、当該一方の条件の順序に対して第3所定数だけ前または後の順序に対応する条件に変更され、他方の条件が、前記複数の条件のうち、当該他方の条件の順序に対して第3所定数より大きな第4所定数だけ前または後の順序に対応する条件に変更される。よって、入力媒体による入力の移動距離が並び順またはレイアウトの両方を変更する範囲に含まれる場合、当該範囲に含まれる移動距離の値に応じて、表示部に表示されている画像に対応する並び順およびレイアウトの各条件を、異なる組み合わせで変更させることができる。
【0016】
請求項9記載の画像処理装置によれば、請求項1から8のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。入力媒体による入力の方向が第2方向であると判断された場合、入力が検出されてから、当該入力の終了が検出されるまでの間に、当該入力の移動距離に応じて、当該入力の現在位置において、条件変更手段により変更される条件が報知される。よって、ユーザは、入力媒体による入力中に、現在位置においてどの条件に変更されるかを知ることができるので、所望の条件に変更し易い。
【0017】
請求項10記載の画像処理装置によれば、請求項1から9のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。条件が変更された場合には、変更前の条件に従う並び順およびレイアウトで表示部に表示されていた画像及び表示部における当該画像の位置を示す情報が、第1記憶制御手段により、当該変更前の条件に対応付けて記憶される。そして、条件が変更された場合に、変更後の条件に対し、第1記憶制御手段によって記憶部に記憶された情報により示される画像が、当該情報により示される位置に配置させて表示部に表示される。よって、条件が変更される毎に、変更後の条件に従い直近(最後)に表示部に表示されていた画像を当時の配置で再表示させることができるので、ユーザにその続きから作業を行わせることができ、利便性が良い。
【0018】
請求項11記載の画像処理装置によれば、請求項1から10のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。条件が変更された場合、変更後の条件が、第2記憶制御手段によって記憶部に記憶される。一方、1以上の画像が表示部に表示された状態において、当該画像に対する選択を受け付けた画像が、第3記憶制御手段によって記憶部に記憶される。そして、印刷の実行指示を受け付けた場合、第3記憶制御手段により記憶部に記憶された画像が、第2記憶制御手段により記憶部に記憶された条件に従う並び順で用紙に印刷されるように、当該画像に対応する画像データ、または、当該画像データに基づく印刷データが、印刷部に出力される。よって、ユーザが選択した画像を、ユーザが選択した条件に従う順序で並べて印刷させることができるので、ユーザの所望に応じた画像一覧の印刷物を得ることができる。
【0019】
請求項12記載の画像処理プログラムによれば、請求項1記載の画像処理装置と同様の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】(a)は、本発明の一実施形態であるMFPの電気的構成を示すブロック図であり、(b)は、条件テーブルの内容の一例を模式的に示す図であり、(c)は、ドラッグの態様と条件変更の動作との関係の一例を模式的に示す図である。
図2】本発明の概略を模式的に説明する図である。
図3】画像一覧表示処理を示すフローチャートである。
図4】動作決定処理を示すフローチャートである。
図5】(a)〜(c)は、第2実施形態の条件テーブルの内容の一例を模式的に示す図であり、(d)は、第2実施形態のドラッグの態様と条件変更の動作との関係の一例を模式的に示す図である。
図6】第2実施形態の動作決定処理を示すフローチャートである。
図7】第3実施形態のドラッグの態様と条件変更の動作との関係の一例を模式的に示す図である。
図8】第3実施形態の動作決定処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の好ましい実施形態について、添付図面を参照して説明する。図1は、本発明の画像処理装置の一実施形態である多機能周辺装置(以下「MFP」と称す)10の電気的構成を示すブロック図である。MFP10は、FAX機能、スキャン機能、印刷機能、メディア印刷機能など各種機能を有している。本実施形態のMFP10は、LCDに画像一覧を表示させた状態において、タッチパネル17に対する連続入力(以下「ドラッグ」と称す)を、画像のスクロールとは異なる方向に行うことにより、当該画像一覧における画像のソート順(並び順)および表示レイアウトを変更できるように構成される。そのため、画像一覧における画像のソート順および表示レイアウトを変更するための操作性に優れる。
【0022】
MFP10には、CPU11、フラッシュメモリ12、RAM13、LCD16、タッチパネル17、スキャナ18、プリンタ19、NCU20、モデム21、メモリカードインターフェイス(メモリカードI/F)22、USBインターフェイス(USB_I/F)23、ネットワークインターフェイス(ネットワークI/F)24が主に設けられている。CPU11、フラッシュメモリ12、RAM13は、バスライン25を介して互いに接続されている。また、各部16〜25は、入出力ポート26を介して互いに接続されている。
【0023】
CPU11は、フラッシュメモリ12に記憶される固定値やプログラム、RAM13に記憶されているデータ、或いは、NCU20を介して送受信される各種信号に従って、MFP10が有している各機能の制御や、入出力ポート26と接続された各部を制御する。
【0024】
フラッシュメモリ12は、不揮発性のメモリであり、MFP10の動作を制御する制御プログラム12a等が格納される。後述する図3及び図4のフローチャートに示す各処理は、制御プログラム12aに従ってCPU11により実行される。また、フラッシュメモリ12には、条件テーブル12bが格納される。条件テーブル12bについては、図1(b)を参照して後述する。
【0025】
RAM13は、CPU11が制御プログラム12aを実行するにあたり、各種データを一時的に記憶するためのテンポラリエリアを有する書換可能な揮発性のメモリである。RAM13のテンポラリエリアには、変更前画面メモリ13aと、動作内容メモリ13bと、現在条件メモリ13cと、選択画像メモリ13dとが設けられる。
【0026】
変更前画面メモリ13aは、画像一覧における表示条件が変更された場合に、当該表示条件の変更前、すなわち、当該表示条件の変更がされるまでLCD16に表示されていた画像および当該画像の表示位置を示す情報を、変更前の表示条件に対応付けて記憶する領域である。表示条件の変更が確定した場合、変更前画面メモリ13aを参照し、確定された表示条件、すなわち、変更後の表示条件に対応付けて記憶される情報に従う画像が、当該情報に従う表示位置で表示される。つまり、表示条件が変更された場合の初期画面における画像の並びおよびレイアウトを、変更後の表示条件に従い直近(最後)にLCD16に表示されていた画像の並びおよびレイアウトで再表示させることができる。なお、画像一覧における表示条件が複数回変更された場合、変更前画面メモリ13aには、複数回の変更各々における変更前の表示条件にそれぞれ対応付けられて、当該変更前にLCD16に表示されていた画像及び当該画像の表示位置を示す情報が記憶されている。
【0027】
動作内容メモリ13bは、タッチパネル17上をドラッグした場合に、ドラッグの移動方向に応じた動作内容を記憶する領域である。ドラッグの移動方向が上下方向である場合、動作内容メモリ13bには、ドラッグの移動方向およびドラッグによる移動距離に対応する条件変更の動作が記憶される。現在条件メモリ13cは、表示中の画像一覧におけるソート順および表示レイアウトの表示条件を記憶する領域である。選択画像メモリ13dは、画像一覧としてLCD16に表示された画像のうち、ユーザが選択した画像を記憶する領域である。これらのメモリ13a〜13dは、MFP10の電源が投入された場合、所定のユーザ操作が入力された場合、または、後述する画像一覧表示処理(図3参照)の開始時に初期化される。
【0028】
LCD16は液晶表示装置である。LCD16の画面には、タッチパネル17がLCD16に重ねて設けられる。タッチパネル17は、例えば、指や棒などの指示物がLCD16の画面に対してタッチ又は近づいた場合に、タッチ又は近づいた位置を検知し、検知した位置をCPU11に入力する。スキャナ18は、原稿を読み取って画像データに変換する。プリンタ19は、画像データに基づく画像を記録用紙に印刷する。モデム21は、FAX送信時には送信すべき画像データを、電話回線網(図示せず)に伝送可能な信号に変調してNCU20を介して送信し、または、電話回線網からNCU20を介して入力された信号を画像データに復調する。NCU20は、図示されない電話回線網とMFP10との間を接続するものであり、モデム21からの指示に従って、回線を閉結または切断することにより、電話回線網との間の接続状態を制御する。メモリカードI/F22は、不揮発性のメモリカードMCが装着されるインターフェイスであり、メモリカードMCに対するデータの書き込み又は読み出しを制御する。USB_I/F22は、USBケーブルを介して、例えば、パーソナルコンピュータやデジタルカメラなどの他の装置を通信可能に接続するための装置であり、周知の装置で構成される。ネットワークI/F22は、MFP10をインターネットなどのネットワーク(図示せず)に接続するためのインターフェイスである。
【0029】
図1(b)は、条件テーブル12bの内容の一例を模式的に示す図である。条件テーブル12bは、ソート順および表示レイアウトの表示条件を記憶するテーブルである。条件テーブル12bには、1の条件番号12b1に対し、1のソート順12b2と1の表示レイアウト12b3とからなる1組の表示条件が対応付けられている。条件番号12b1は、各表示条件を順序付けする値であり、本実施形態では、条件番号12b1の値が昇順で順序付けられている。
【0030】
図1(b)に示す例では、「1」から「4」までの4つの条件番号12b1に対し、それぞれ、ソート順12b2と表示レイアウト12b3との組が対応付けられている。例えば、条件番号12b1が「1」である場合に対し、昇順の日付順(図1(b)では、「日付順(昇順)」と記載)であるソート順12b2と、4in1である表示レイアウトとの組が対応付けられている。条件テーブル12bに記憶される条件番号12b1のうち、例えば、条件番号12b1が「1」に決定された場合、LCD16に表示される画像一覧は、昇順の日付順で並ぶ画像が4in1の表示レイアウトで表示される。条件テーブル12bに記憶される、条件番号12b1と、ソート順12b2と、表示レイアウト12b3との組は、MFP10に予め準備されているものであってもよいし、選択可能に準備されたソート順および表示レイアウトの中から、ユーザが所望に応じた組み合わせを、ソート順12b2および表示レイアウト12b3として選択し、条件番号12b1に対応付けて記憶させる構成としてもよい。
【0031】
図1(c)は、本実施形態のMFP10において、ドラッグの態様と条件変更の動作との関係の一例を模式的に示す図である。図1(c)に示すように、ドラッグの移動距離Lと移動方向との組に対し、それぞれ、条件変更の動作が割り当てられている。具体的に、例えば、ドラッグの移動距離Lが、第2の閾値α2より大きい場合、移動方向が上方向であれば、動作として「2つ後の条件に変更」が割り当てられる一方、移動方向が下方向であれば、動作として「2つ前の条件に変更」が割り当てられる。ドラッグの終点においてリリースされたことに伴い、当該ドラッグの移動方向と移動距離に基づき決定される動作が、例えば、「2つ後の条件に変更」である場合には、条件テーブル12bにおいて、現在条件メモリ13cに記憶されている値に対応する条件番号12b1、すなわち、表示条件の条件番号12b1から、2つ後ろの条件番号12b1に、条件番号が変更される。それに伴い、画像一覧の表示内容が、変更後の条件番号12b1に従う表示条件(ソート順12b2、レイアウト順12b3)に従って変更される。
【0032】
具体的に、ドラッグの終点においてリリースされた場合に、例えば、表示条件を変更する前の条件番号12b1が「2」であり、当該ドラッグの移動方向と移動距離に基づき決定される動作が「2つ後の条件に変更」である場合には、条件番号12b1は、「2」から2つ後の「4」に変更される。なお、表示条件を所定数だけ前または後ろに変更する場合、変更途中で、順序付けられている表示条件の先頭または最後尾に達した場合、達した側の一端とは反対側の端である最後尾または先頭から続けて残りの変更を行う。例えば、表示条件を変更する前の条件番号12b1が「2」であり、動作が「2つ前の条件に変更」である場合、条件番号12b1は「4」に変更される。
【0033】
図1(c)によれば、ドラッグの移動方向が上方向であるか下方向であるかに応じて、条件テーブル12bにおける条件番号12b1の移動方向が異なる。よって、ドラッグの移動方向を上方向とするか下方向とするかに応じて、表示条件の変更順序を異ならせることができる。また、ドラッグの移動距離Lに応じて、現在の条件番号12b1からの条件番号の変更量を異ならせることができる。そして、移動距離Lが大きい程、当該変更量を大きくできる。よって、ドラッグの移動距離に応じた表示条件に変更することができる。従って、本実施形態のMFP1によれば、ドラッグの移動方向を上方向とするか下方向とするかと、ドラッグの移動距離とを適宜組み合わせることによって、条件テーブル12bに記憶される複数の表示条件(複数の条件番号12b1)のうち、1の表示条件の選択を容易に行うことができる。また、本実施形態では、ドラッグの移動距離Lが、0≦L≦第1の閾値α1という微少な範囲である場合には、条件番号12b1の変更を行わないように構成されている。このように、ドラッグが開始されてから、条件番号12b1の変更が行われるまでの間にマージンを設けることによって、意図せずタッチパネル17に指が触れたことによって表示条件が変更されることを防止できる。
【0034】
図2は、本発明の概略を模式的に説明する図である。ユーザが、メモリカードMCをメモリカードI/F22に装着すると、メモリカードMCに記憶されている画像データが読み出され、当該画像データに基づく画像が、画像一覧を表示する画面160に、現在条件メモリ13cに記憶されている値に対応する表示条件でLCD16に表示される。なお、本実施形態では、画像一覧に表示される画像は、8枚の画像G1〜G8であるとする。各画像G1〜G8に表記された「1−4」などのハイフンを挟む数字の組み合わせは、前者の数字が、昇順の日付順に並べた場合の順序を示し、後者の数字が、昇順のファイル名順に並べた場合の順序を示す。
【0035】
図2(a)は、画像一覧を表示する画面160の一例を示す図である。画面160には、現在の表示条件161,162が表示される。具体的に、表示条件161は、画像一覧における画像のソート順(並び順)であり、図2(a)に示す例では、「日付順(昇順)」と表示されており、各画像が昇順の日付順で並べられていることを示す。一方、表示条件162は、画像一覧における表示レイアウトであり、図2(a)に示す例では、「4in1」と表示されており、表示条件161に表示されたソート順で並べられた画像のうち、4つの連続して並ぶ画像が、画面160に、左上、左下、右上、右下の順で並べて表示される。
【0036】
図2(a)に示す例では、表示条件161が昇順の日付順であり、表示条件162が4in1であることに従い、日付の昇順で並ぶ4つの画像G1〜G4が表示される。ユーザは、画像一覧に表示させた画像G1〜G8を、指示体でタッチすることにより、所望の画像の選択を行うことができる。なお、本実施形態では、指示体として指Dを例示するが、タッチセンサが検出可能であれば、ペン状など他の形態の指示体であってもよい。図2において、画像G1〜G8のうち、ハッチングを掛けた画像は、ユーザが選択した画像であることを示す。図2(a)に示す例では、画像G1および画像G3が、ユーザにより選択されていることを示す。
【0037】
本実施形態のMFP1は、画像一覧を表示する画面160に対し、指示体としての指Dによる左右方向(矢印L方向または矢印R方向)のドラッグを行った場合、現在の表示条件を維持したまま、表示される画像がドラッグ方向にスクロールされる。一方、指Dによる上下方向(矢印U方向または矢印B方向)のドラッグを行った場合、現在の画像一覧の表示条件を、ドラッグの移動方向が上方向(矢印U方向)であるか下方向(矢印B方向)であるかと、移動距離とに応じて決定される表示条件に変更する。かかる表示条件の変更に伴い、画面160に表示される画像は、変更後の表示条件に従うソート順および表示レイアウトで表示される。つまり、本実施形態のMFP1によれば、画像のスクロールとは異なる方向にドラッグを行うことにより、画面160に表示される画像のソート順および表示レイアウトを容易に変更することができる。そして、かかる場合、画面160から、表示条件を変更するための専用の画面に遷移させる必要もない。
【0038】
図2(b),(c)は、図2(a)に示す画面160の状態から、指Dを右方向(矢印R方向)にドラッグした場合の、画面160の表示内容の変遷を示す図である。図2(b),(c)に示すように、指Dを右方向にドラッグした場合、指Dが移動した距離に応じて、画面160に表示される画像が右方向にスクロールされる。このとき、表示条件161,162は、図2(a)に表示されているものと変化しない、すなわち、指を右方向にドラッグさせても、画像一覧の表示条件は変化しない。なお、指Dを左方向にドラッグした場合には、指が移動した距離に応じて、画面160に表示される画像が左方向にスクロールされる。
【0039】
図2(d)〜(f)は、図2(c)に示す画面160の状態から、指Dを上方向(矢印U方向)にドラッグした場合の、画面160の表示内容の変遷を示す図である。なお、図2(c)の状態で、ドラッグしていた指Dをリリースした後、ユーザは、画像G8を指Dでタッチして当該画像の選択を行っている。上述した通り、本実施形態のMFP1は、指Dを上下方向にドラッグした場合、移動方向が上方向であるか下方向であるかと、移動距離とに応じて、表示条件が変更される。図2(d),(e)に示すように、指Dを上下方向にドラッグした場合、指Dの現在位置においてどの表示条件に変更されるかが、表示条件161,162に、現在位置において予定される表示条件として、表示条件が確定している場合とは異なる表示態様で表示される。よって、ユーザは、指Dによるドラッグ中に、現在の指Dの位置において指Dをリリースした場合にどの表示条件に変更されるかを知ることができるので、所望の表示条件を選択し易い。表示条件161,162に表示される、予定される表示条件の表示態様としては、表示される表示条件の周囲を着色したり、文字を反転表示させたりなど、表示条件が確定している場合の表示態様と区別可能な表示態様であればよい。
【0040】
例えば、図2(d)において、表示条件161として、各画像が降順の日付順で並べることを示す「日付順(降順)」が表示され、表示条件162として、4in1の表示レイアウトで表示させることを示す「4in1」が表示される。よって、図2(d)に示す状態で指Dをリリースした場合、ソート順が日付の降順であり、表示レイアウトが4in1である表示条件が確定し、画面160には、日付の降順で並ぶ4つの画像が表示される。
【0041】
一方、図2(e)において、表示条件161として、各画像が昇順のファイル名順で並べることを示す「ファイル名順(昇順)」が表示され、表示条件162として、2in1の表示レイアウトで表示させることを示す「2in1」が表示される。よって、図2(e)に示す状態で指Dをリリースした場合、ソート順がファイル名の昇順であり、表示レイアウトが2in1である表示条件が確定し、画面160には、図2(f)に示すように、ファイル名の昇順で並ぶ2つの画像G3,G8が表示される。なお、指Dがリリースされて表示条件が確定した場合、表示条件161,162の表示態様は、図2(f)に示すように、表示条件が確定している場合の表示態様に戻る。
【0042】
画像一覧を表示する画面160には、印刷ボタン163が設けられている。ユーザが、印刷ボタン163をタッチした場合、ユーザにより選択されたことにより選択画像メモリ13dに記憶されている1または複数の画像を、表示条件161に表示される現在の表示条件に従うソート順で並べて用紙に印刷できる。
【0043】
図3は、MFP10のCPU11が実行する画像一覧表示処理を示すフローチャートである。本処理は、メモリカードMCをメモリカードI/F22に装着したことに伴い開始される。まず、ステップS301(以下、ステップを省略)において、CPU11は、メモリカードMCから画像データを取得する。次に、CPU11は、表示条件を参照する(S302)。具体的に、CPU11は、条件テーブル12bにおける、現在条件メモリ13cに記憶されている値が示す条件番号12b1に対応する表示条件(ソート順12b2,表示レイアウト12b3)を参照する。次に、CPU11は、参照した表示条件に従う初期画面を表示する(S303)。具体的に、CPU11は、参照した表示条件のソート順で並ぶ画像を、参照した表示条件の表示レイアウトでレイアウトした初期画面をLCD16に表示させる。初期画面には、参照した表示条件に対応付けられて変更前画面メモリ13aに記憶される情報に従う画像が、当該情報に従う表示位置で表示される。変更前画面メモリ13aは、画像一覧表示処理の開始時に初期化されるので、初期画面には、参照した表示条件におけるソート順の先頭から、表示レイアウトに従う数の画像が、表示レイアウトに従う位置で表示される。
【0044】
次に、CPU11は、イベントの取得を待機する(S304)。イベントが取得されない場合(S305:No)、CPU11は、処理をS304に戻し、イベントの取得を待機し続ける。一方、CPU11がイベントを取得した場合(S305:Yes)、取得したイベントの種類が「タッチ」であれば(S306:タッチ)、CPU11は、タッチされた座標(以下「今回座標」)を始点としてRAM13に記憶する(S307)。今回座標が画像または各種ボタン内の座標でない場合(S308:No)、CPU11は、処理をS304に戻す。一方、今回座標が画像または各種ボタン内の座標である場合(S308:Yes)、CPU11は、今回のタッチによるタッチ対象をRAM13に記憶し(S309)、処理をS304に戻す。S309において、例えば、画像内の座標がタッチされた場合、CPU11は、タッチされた画像を特定する情報をRAM13に記憶し、印刷ボタン163などのボタン内の座標がタッチされた場合、CPU11は、タッチされたボタンを特定する情報をRAM13に記憶する。
【0045】
S306において、取得したイベントの種類が「ドラッグ」であれば(S306:ドラッグ)、CPU11は、ドラッグの態様に応じた動作を決定する動作決定処理を実行する(S310)。動作決定処理(S310)の具体的な処理については、図4を参照して後述する。次に、動作決定処理(S310)において決定された動作が表示条件の変更でなければ(S311:No)、CPU11は、処理をS304に移行する。一方、動作決定処理(S310)において決定された動作が表示条件の変更であれば(S311:Yes)、CPU11は、動作内容メモリ13bに記憶されている動作内容に従い、現在の指Dの位置で予定される表示条件を、表示条件161,162に表示させ(S312)、処理をS304に移行する。S312において、CPU11は、例えば、図2(d),(e)に示すように、予定される表示条件の表示態様を、表示条件が確定している場合とは異なる表示態様とする。表示態様が異なるので、ユーザは、表示条件161,162に表示されている内容が、現在の指Dの位置で予定される表示条件であると認識できる。
【0046】
S306において、取得したイベントの種類が「リリース」であれば(S306:リリース)、CPU11は、現在の表示条件と現在の画像情報とを対応付けて、変更前画面メモリ13aに記憶する(S313)。変更前画面メモリ13aに記憶される現在の画像情報は、現在、LCD16に表示されている画像および当該画像の表示位置を示す情報である。次に、今回のリリースがドラッグなしのリリースでない場合、すなわち、ドラッグの終了に伴うリリースである場合(S314:No)、CPU11は、処理をS316に移行する。
【0047】
一方、今回のリリースがドラッグなしのリリースである場合、すなわち、タッチ後のリリースである場合(S314:Yes)、CPU11は、RAM13に記憶されているタッチ対象に割り当てられた処理を実行する。例えば、タッチ対象が画像である場合、当該画像を選択画像メモリ13dに記憶する。あるいは、タッチ対象が、印刷ボタン163である場合、CPU11は、選択画像メモリ13dに記憶されている1または複数の画像が、現在条件メモリ13cに記憶される現在の表示条件に従うソート順で用紙に印刷される印刷データを、当該画像に対応する画像データに基づいて生成し、プリンタ19に出力する。これにより、ユーザが選択した画像を、ユーザが選択した現在の表示条件に従う順序で並べて印刷させることができるので、ユーザの所望に応じた画像一覧の印刷物を得ることができる。
【0048】
S316において、動作内容メモリ13bに動作内容が記憶されていなければ(S316:No)、CPU11は、処理をS304に移行する。一方、動作内容メモリ13bに動作内容が記憶されている場合(S316:Yes)、CPU11は、動作内容メモリ13bに記憶されている動作内容に従って表示条件を変更し、画像一覧を表示する画面の表示を変更後の表示条件に応じて更新する(S317)。S317において、CPU11は、変更前画面メモリ13aを参照し、変更後の表示条件に対応付けて記憶される情報に従う画像を、当該情報に従う表示位置で表示させる。よって、変更後の表示条件に従い直近にLCD16に表示されていた画像が、当時の配置で再表示される。また、S317において、CPU11は、変更後の表示条件に対応する、条件テーブル12bの条件番号12b1の値を、現在の表示条件として、現在条件メモリ13cに記憶する。次に、CPU11は、動作内容メモリ13bに記憶されている動作内容をクリアして(S318)、処理をS304に移行する。
【0049】
図4は、上述した動作決定処理(S310)を示すフローチャートである。まず、CPU11は、今回座標と始点とから、移動方向と移動距離とを算出する(S401)。本実施形態では、今回座標と始点との直線距離を移動距離として算出する。次に、算出された移動方向が上下方向でない場合(S402:No)、CPU11は、画面内の画像を、算出された移動方向と移動距離に応じてスクロールさせ(S407)、動作として「画像をスクロール」を、動作内容メモリ13bに記憶し(S408)、本処理を終了する。
【0050】
一方、S402において、算出された移動方向が上下方向であり(S402:Yes)、かつ、算出された移動距離が第1の閾値α1以下である場合(S403:No)、CPU1は、本処理を終了する。よって、指Dが上下方向にドラッグされたが、その移動距離が小さ過ぎる場合には、何の変化も起こらない。
【0051】
上下方向のドラッグの移動距離が第1の閾値α1より大きく、かつ、第2の閾値α2以下である場合(S403:Yes,S404:No)、CPU11は、移動方向が上方向であるかを判断する(S410)。なお、第1の閾値α1<第2の閾値α2である。S410において、移動方向が上方向であれば(S410:Yes)、動作として「1つ後の条件に変更」を、動作内容メモリ13bに記憶し(S411)、本処理を終了する。一方、移動方向が下方向であれば(S410:No)、動作として「1つ前の条件に変更」を、動作内容メモリ13bに記憶し(S412)、本処理を終了する。なお、かかる場合に「1つ前または後の条件に変更」することは、本発明の「第1所定数だけ前または後の順序に対応する条件に変更」することの一例である。
【0052】
また、上下方向のドラッグの移動距離が第2の閾値α2より大きい場合(S404:Yes)、CPU11は、移動方向が上方向であるかを判断する(S405)。S405において、移動方向が上方向であれば(S405:Yes)、動作として「2つ後の条件に変更」を、動作内容メモリ13bに記憶し(S406)、本処理を終了する。一方、移動方向が下方向であれば(S405:No)、動作として「2つ前の条件に変更」を、動作内容メモリ13bに記憶し(S409)、本処理を終了する。なお、かかる場合に「2つ前または後の条件に変更」することは、本発明の「第2所定数だけ前または後の順序に対応する条件に変更」することの一例である。
【0053】
上述した通り、CPU11は、ドラッグの終了に伴うリリースを検出した場合に、動作内容メモリ13bに記憶されている動作内容に従って表示条件の変更を行う。具体的には、条件テーブル12bにおいて、現在条件メモリ13cに記憶されている値に対応する条件番号12b1を基準として、動作内容メモリ13bに記憶されている動作内容、すなわち、「2つ後の条件に変更」、「2つ前の条件に変更」、「1つ後の条件に変更」、または「1つ前の条件に変更」のいずれかに従って、条件番号12b1を変更する。
【0054】
次に、図5および図6を参照して、本発明の第2実施形態について説明する。第2実施形態のMFP10もまた、上述した第1実施形態と同様、画像一覧を表示させた状態において、画像のスクロールとは異なる方向のドラッグを行うことにより、当該画像一覧における画像の表示条件(ソート順、表示レイアウト)を変更させることができる。第1実施形態では、ドラッグの移動方向が上方向であるか、下方向であるかに応じて、条件テーブル12bにおいて順序付けられている表示条件の移動方向を異ならせる構成としたが、第2実施形態では、ドラッグの移動方向が上方向であるか、下方向であるかに応じて、変更させる表示条件の種類を異ならせる。なお、第2実施形態において、上述した第1実施形態と同一の部分については、同一の符号を付し、その説明は省略する。
【0055】
まず、図5(a)〜(c)を参照して、第2実施形態の条件テーブル12bについて説明する。第2実施形態の条件テーブル12bは、第1条件テーブル12baと、第2条件テーブル12bbと、第3条件テーブル12bcとから構成される。図5(a)は、第1条件テーブル12baの内容の一例を模式的に示す図である。第1条件テーブル12baは、表示条件の優先順位を規定する優先条件12ba1に対し、その対象となる表示条件12ba2を対応付けて記憶するテーブルである。本実施形態では、2つの優先条件12ba1、すなわち、優先順位が第1位である第1優先条件と、優先順位が第2位である第2優先条件とに対し、それぞれ、対象12ba2として、ソート順と、表示レイアウトとが対応付けられている。詳細は後述するが、本実施形態では、ドラッグの移動方向が上方向であるか、下方向であるかに応じて、優先条件が、第1優先条件または第2優先条件のいずれかに決定される。優先条件が決定されると、第1条件テーブル12baを参照することによって、決定された優先条件12ba1に対応する、対象12ba2が変更対象の表示条件として決定される。
【0056】
図5(b)は、第2条件テーブル12bbの内容の一例を模式的に示す図である。第2条件テーブル12bbは、ソート順の表示条件を記憶するテーブルである。第2表示条件テーブル12bbには、1の条件番号12bb1に対し、1のソート順12bb2が対応付けられている。条件番号12bb1は、各表示条件を順序付けする値であり、本実施形態では、条件番号12bb1の値が昇順で順序付けられている。図5(b)に示す例では、「1」から「4」までの4つの条件番号12bb1に対し、それぞれ、ソート順12bb2が対応付けられている。例えば、条件番号12bb1が「1」である場合に対し、昇順の日付順(図1(b)では、「日付順(昇順)」と記載)であるソート順12bb2が対応付けられている。詳細は後述するが、本実施形態では、ドラッグの移動方向に応じて、第1条件テーブル12baの内容に基づき決定された変更対象の表示条件がソート順である場合、第2条件テーブル12bbを参照し、ドラッグの移動距離に基づいて条件番号12bb1が決定される。かかる決定された条件番号12bb1が、例えば、「1」であれば、LCD16に表示される画像一覧は、昇順の日付順で並べ替えられて表示される。
【0057】
図5(c)は、第3条件テーブル12bcの内容の一例を模式的に示す図である。第3条件テーブル12bcは、表示レイアウトの表示条件を記憶するテーブルである。第3表示条件テーブル12bcには、1の条件番号12bc1に対し、1の表示レイアウト12bc2が対応付けられている。条件番号12bc1は、条件番号12bb1と同様の値であり、本実施形態では、条件番号12bc1の値が昇順で順序付けられている。なお、第2条件テーブル12bbにおける条件番号12bc1の数と、第3条件テーブル12bcにおける条件番号の数、すなわち、対応付けられる条件の数は、同じであっても、異なっていてもよい。
【0058】
図5(c)に示す例では、「1」から「3」までの3つの条件番号12bc1に対し、それぞれ、表示レイアウト12bc2が対応付けられている。例えば、条件番号12bc1が「1」である場合に対し、2in1である表示レイアウト12bc2が対応付けられている。詳細は後述するが、本実施形態では、ドラッグの移動方向に応じて、第1条件テーブル12baの内容に基づき決定された変更対象の表示条件が表示レイアウトである場合、第3条件テーブル12bcを参照し、ドラッグの移動距離に基づいて条件番号12bc1が決定される。かかる決定された条件番号12bc1が、例えば、「1」であれば、LCD16に表示される画像一覧は、2in1の表示レイアウトで表示される。
【0059】
なお、本実施形態では、現在条件メモリ13cには、第2条件テーブル12bbの条件番号12bb1の値と、第3条件テーブル12bcの条件番号12bc1の値とをそれぞれ独立して記憶されるものとする。よって、画像一覧表示処理(図3参照)のS317において、動作内容メモリ13bに記憶されている動作内容に従って表示条件を変更した場合に、CPU11は、変更後の表示条件に対応する、第2条件テーブル12bbの条件番号12bb1の値、または、第3条件テーブル12bcの条件番号12bc1の値を、現在条件メモリ13cに記憶する。
【0060】
第2条件テーブル12bbおよび第3条件テーブル12bcに記憶される、条件番号12bb1とソート順12bb2との組、および、条件番号12bc1と表示レイアウト12bc2との組は、MFP10に予め準備されているものであってもよいし、選択可能に準備されたソート順および表示レイアウトの中から、ユーザが所望に応じたソート順および表示レイアウトをソート順12bb2および表示レイアウト12bc2として選択し、それぞれ、条件番号12bb1および条件番号12bc1に対応付けて記憶させる構成としてもよい。
【0061】
図5(d)は、第2実施形態のMFP10において、ドラッグの態様と条件変更の動作との関係の一例を模式的に示す図である。図5(d)に示すように、ドラッグの移動距離Lと移動方向との組に対し、それぞれ、条件変更の動作が割り当てられている。具体的に、例えば、ドラッグの移動距離Lが、第2の閾値α2より大きい場合、移動方向が上方向であれば、動作として「第1優先条件を、2つ後の条件に変更」が割り当てられる一方、移動方向が下方向であれば、動作として「第2優先条件を、2つ後の条件に変更」が割り当てられる。ドラッグの終点においてリリースされたことに伴い、当該ドラッグの移動方向と移動距離に基づき決定される動作が、例えば、「第1優先条件を、2つ後の条件に変更」である場合、第1条件テーブル12baを参照し、第1優先条件に対応するソート順が、変更対象の表示条件として決定されるので、ソート順に対応する第2表示テーブル12bbにおいて、現在条件メモリ13cに記憶されている値に対応する条件番号12bb1、すなわち、表示条件の変更前の条件番号12bb1から、2つ後ろの条件番号12bb1に、条件番号が変更される。それに伴い、画像一覧の表示内容が、変更後の条件番号12bb1に従うソート順12bb2に従って変更される。
【0062】
図5(d)によれば、ドラッグの移動方向が上方向であるか下方向であるかに応じて、参照する条件テーブルが、第2条件テーブル12bbであるか、第3条件テーブル12bcであるかが異なる。よって、ドラッグの移動方向を上方向とするか下方向とするかに応じて、変更させる表示条件の種類を異ならせることができる。第2条件テーブル12bbを参照する場合であっても、第3条件テーブル12bcを参照する場合であっても、ドラッグの移動距離Lに応じて、現在の条件番号12bb1または条件番号12bc1からの条件番号の変更量を異ならせることができるとともに、移動距離Lが大きい程、当該変更量が大きい点は、上述した第1実施形態と同様である。また、ドラッグの移動距離Lが、0≦L≦第1の閾値α1という微少な範囲である場合に、条件番号12bb1または条件番号12bc1の変更を行わない点も、上述した第1実施形態と同様である。
【0063】
図6は、第2実施形態の動作決定処理(S310)を示すフローチャートである。本処理は、動作一覧表示処理(図3参照)の中で、第1実施形態の動作決定処理(図4参照)に換えて実行される処理である。本処理は、ドラッグの移動方向が、上方向であるか下方向であるかと、ドラッグの移動距離との組み合わせに応じて、動作内容メモリ13bに記憶される動作の内容が、第1実施形態と異なる。以下、第1実施形態との相違点を中心に説明する。
【0064】
具体的に、上下方向のドラッグの移動距離が第1の閾値α1より大きく、かつ、第2の閾値α2以下である場合(S403:Yes,S404:No)、CPU11は、移動方向が上方向であるかを判断する(S410)。移動方向が上方向であれば(S410:Yes)、動作として「第1優先条件を、1つ後の条件に変更」を、動作内容メモリ13bに記憶し(S603)、本処理を終了する。一方、移動方向が下方向であれば(S410:No)、動作として「第2優先条件を、1つ後の条件に変更」を、動作内容メモリ13bに記憶し(S604)、本処理を終了する。
【0065】
また、上下方向のドラッグの移動距離が第2の閾値α2より大きい場合(S404:Yes)、CPU11は、移動方向が上方向であるかを判断する(S405)。移動方向が上方向であれば(S405:Yes)、動作として「第1優先条件を、2つ後の条件に変更」を、動作内容メモリ13bに記憶し(S601)、本処理を終了する。一方、移動方向が下方向であれば(S405:No)、動作として「第2優先条件を、2つ後の条件に変更」を、動作内容メモリ13bに記憶し(S602)、本処理を終了する。
【0066】
本実施形態では、上述した第1実施形態と同様に、CPU11は、ドラッグの終了に伴うリリースを検出した場合に、動作内容メモリ13bに記憶されている動作内容に従って表示条件の変更を行う。具体的には、動作内容メモリ13bに記憶されている動作内容により指定される優先条件、すなわち、第1優先条件または第2優先条件に対応する第2または第3条件テーブル12bb,12bcにおいて、現在条件メモリ13cに記憶されている値に対応する条件番号12ba1または条件番号12bb1を基準として、動作内容メモリ13bに記憶されている動作内容、すなわち、「2つ後の条件に変更」または「1つ後の条件に変更」のいずれかに従って、条件番号12ba1または条件番号12bb1を変更する。
【0067】
次に、図7および図8を参照して、本発明の第3実施形態について説明する。第3実施形態のMFP10もまた、上述した第1,2実施形態と同様、画像一覧を表示させた状態において、画像のスクロールとは異なる方向のドラッグを行うことにより、当該画像一覧における画像の表示条件(ソート順、表示レイアウト)を変更させることができる。第1実施形態では、ドラッグの移動距離に応じて、条件テーブル12bにおける条件番号12b1の変更量を異ならせる構成としたが、第3実施形態では、ドラッグの移動距離に応じて、変更させる表示条件の種類を異ならせる。なお、第3実施形態において、上述した第1及び第2実施形態と同一の部分については、同一の符号を付し、その説明は省略する。本実施形態において、条件テーブル12bは、上述した第2実施形態と同様、第1条件テーブル12baと、第2条件テーブル12bbと、第3条件テーブル12bcとから構成される。
【0068】
図7は、第3実施形態のMFP10において、ドラッグの態様と条件変更の動作との関係の一例を模式的に示す図である。図5(d)に示すように、ドラッグの移動距離Lと移動方向との組に対し、それぞれ、条件変更の動作が割り当てられている。具体的に、例えば、ドラッグの移動距離Lが、第3の閾値α3より大きい場合、移動方向が上方向であれば、動作として「第1優先条件を、1つ後の条件に変更」および「第2優先条件を、2つ後の条件に変更」が割り当てられる一方、移動方向が下方向であれば、動作として「第1優先条件を、1つ前の条件に変更」および「第2優先条件を、2つ前の条件に変更」が割り当てられる。ドラッグの終点においてリリースされたことに伴い、当該ドラッグの移動方向と移動距離に基づき決定される動作が、例えば、「第1優先条件を、1つ後の条件に変更」および「第2優先条件を、2つ後の条件に変更」である場合、第1条件テーブル12baを参照し、第1優先条件に対応するソート順に対応する第2表示テーブル12bbにおいて、現在条件メモリ13cに記憶されている値に対応する条件番号12bb1、すなわち、表示条件の変更前の条件番号12bb1から、1つ後ろの条件番号12bb1に、条件番号が変更される。それとともに、第1条件テーブル12baを参照し、第2優先条件に対応する表示レイアウトに対応する第3表示テーブル12bcにおいて、現在条件メモリ13cに記憶されている値に対応する条件番号12bc1、すなわち、表示条件の変更前の条件番号12bc1から、2つ後ろの条件番号12bc1に、条件番号が変更される。条件番号が変更された結果、画像一覧の表示内容が、変更後の条件番号12b1に従う表示条件(ソート順12b2、レイアウト順12b3)に従って変更される。
【0069】
図7によれば、ドラッグの移動距離Lが第1の閾値α1<L≦第2の閾値α2の範囲内にある場合、第1優先条件を単独で変更させ、ドラッグの移動距離Lが第2の閾値α2より大きい場合、第1優先条件と第2優先条件との両方を変更させる。よって、ドラッグの移動距離に応じて、変更させる表示条件の種類を異ならせることができる。また、移動距離Lが第2の閾値α2より大きい場合、1回のドラッグにおける第1優先条件の条件番号の変更量は、ドラッグの移動距離Lにかかわらず一定であるのに対し、第2優先条件の条件番号の変更量は、移動距離Lが大きい程、当該変更量が大きい。よって、ドラッグの移動距離Lが、第1優先条件と第2優先条件との両方を変更させる範囲に含まれる場合、当該範囲に含まれる移動距離Lの値に応じて、ソート順および表示レイアウトの各表示条件を、異なる組み合わせで変更させることができる。また、ドラッグの移動方向が上方向であるか下方向であるかに応じて、上述した第1実施形態と同様、表示条件の変更順序を異ならせることができる。また、ドラッグの移動距離Lが、0≦L≦第1の閾値α1という微少な範囲である場合に、条件番号12bb1または条件番号12bc1の変更を行わない点も、上述した第1実施形態と同様である。
【0070】
図8は、第3実施形態の動作決定処理(S310)を示すフローチャートである。本処理は、動作一覧表示処理(図3参照)の中で、第1実施形態の動作決定処理(図4参照)に換えて実行される処理である。本処理は、ドラッグの移動方向が、上方向であるか下方向であるかと、ドラッグの移動距離との組み合わせに応じて、動作内容メモリ13bに記憶される動作の内容が、第1実施形態と異なる。以下、第1実施形態との相違点を中心に説明する。
【0071】
具体的に、上下方向のドラッグの移動距離が第1の閾値α1より大きく、かつ、第2の閾値α2以下である場合(S403:Yes,S404:No)、CPU11は、移動方向が上方向であるかを判断する(S410)。移動方向が上方向であれば(S410:Yes)、動作として「第1優先条件を、1つ後の条件に変更」を、動作内容メモリ13bに記憶し(S808)、本処理を終了する。一方、移動方向が下方向であれば(S410:No)、動作として「第1優先条件を、1つ前の条件に変更」を、動作内容メモリ13bに記憶し(S809)、本処理を終了する。
【0072】
また、上下方向のドラッグの移動距離が第2の閾値α2より大きく、かつ、第3の閾値α3以下である場合(S404:Yes,S801:No)、CPU11は、移動方向が上方向であるかを判断する(S807)。移動方向が上方向であれば(S807:Yes)、動作として「第1優先条件を、1つ後の条件に変更、かつ、第2優先条件を、1つ後の条件に変更」を、動作内容メモリ13bに記憶し(S805)、本処理を終了する。一方、移動方向が下方向であれば(S807:No)、「第1優先条件を、1つ前の条件に変更、かつ、第2優先条件を、1つ前の条件に変更」を、動作内容メモリ13bに記憶し(S806)、本処理を終了する。なお、かかる場合に「1つ前または後の条件に変更」することは、本発明の「第3所定数だけ前または後の順序に対応する条件に変更」することの一例である。
【0073】
また、上下方向のドラッグの移動距離が第3の閾値α3より大きい場合(S801:Yes)、CPU11は、移動方向が上方向であるかを判断する(S802)。移動方向が上方向であれば(S802:Yes)、動作として「第1優先条件を、1つ後の条件に変更、かつ、第2優先条件を、2つ後の条件に変更」を、動作内容メモリ13bに記憶し(S803)、本処理を終了する。一方、移動方向が下方向であれば(S802:No)、動作として「第1優先条件を、1つ前の条件に変更、かつ、第2優先条件を、2つ前の条件に変更」を、動作内容メモリ13bに記憶し(S804)、本処理を終了する。なお、かかる場合に「第2優先条件を2つ前または後の条件に変更」することは、本発明の「他方の条件を、複数の条件のうち当該他方の条件の順序に対して第4所定数だけ前または後の順序に対応する条件に変更」することの一例である。
【0074】
上記第1〜第3実施形態にて例示した通り、本発明の画像処理装置であるMFP1によれば、画像一覧を表示する画面上を、左右方向にドラッグした場合に、表示された画像の表示条件を保ったまま、画像をスクロールさせることができる一方で、スクロールするためのドラッグ方向とは異なる上下方向にドラッグするという簡単な操作で、画像一覧における画像のソート順および表示レイアウトを変更できる。かかる場合、画像一覧を表示する画面から、表示条件を変更するための専用の画面に遷移させる必要もないので、操作性に優れる。
【0075】
上記実施形態において、MFP10が、画像処理装置の一例である。LCD16が、表示部の一例である。フラッシュメモリ12、RAM13が、記憶部の一例である。CPU11が、コンピュータの一例である。制御プログラム11aが、画像処理プログラムの一例である。矢印L方向及び矢印R方向が、第1方向の一例である。矢印U方向及び矢印B方向が、第2方向の一例であり、前者が、第2方向における正方向の一例であり、後者が、第2方向における負方向の一例である。第1の閾値α1が第1閾値の一例であり、第2の閾値α2が第2閾値の一例であり、第3の閾値α3が第3閾値の一例である。S301の処理を実行するCPU11が、画像取得手段の一例である、S303,S317の処理を実行するCPU11が、表示制御手段の一例である。S305の処理を実行するCPU11が、検出手段の一例である。S402を実行するCPU11が、方向判断手段の一例である。S406,S409,S411,S412,S601〜S604,S803〜S806,S808,S809の処理を実行するCPU11が、条件変更手段の一例である。S401の処理を実行するCPU11が、距離算出手段の一例である。S306の処理を実行するCPU11が、第2検出手段の一例である。S312の処理を実行するCPU11が、報知手段の一例である。S313の処理を実行するCPU11が、第1記憶制御手段の一例である。S317の処理を実行するCPU11が、第2記憶制御手段の一例である。S308の処理を実行するCPU11が、選択受付手段、印刷受付手段の一例である。S315の処理を実行するCPU11が、第3記憶制御手段、出力手段の一例である。
【0076】
以上、実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上述した実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変更が可能であることは容易に推察できるものである。
【0077】
例えば、上記各実施形態では、画像処理装置の一例として、LCD16に重なるタッチパネル17を有するMFP10を例示したが、表示部の表示に対する入力が可能な装置であれば、本発明を適用可能である。表示部に対する入力が可能な装置としては、タブレット端末や、スマートフォンや、ディスプレイが接続された(又は、ディスプレイを有する)パーソナルコンピュータなどが例示される。また、上記実施形態では、表示部の表示に対する入力をタッチパネル17で行う構成としたが、表示部の表示に対する入力をマウスなどのポインティングデバイスで行う場合にも適用可能である。よって、表示条件を変更させるための入力と、スクロールを指示する入力とを、LCD16の表示に対する入力が可能なタッチパネル17に対して行う構成としたが、これらの入力は、例えば、タッチパネル17への入力に限定されない。例えば、画像一覧を表示する画面中に、上下方向にスライダが移動可能なスライドバーと、左右方向にスライダが移動可能なスライドバー(スクロールバー)とを表示させ、各スライドバーのスライダが、マウスによって上下方向又は左右方向にドラッグされた場合に、それぞれ、上記各実施形態と同様に表示条件の変更と画像のスクロールとを行う構成としてもよい。かかる場合、入力の開始位置からの移動距離は、スライダの移動距離とすればよい。また、上方向、下方向、左方向、および右方向をそれぞれ指定する操作ボタンを、例えば、LCD16の周囲に設け、各方向の操作ボタンが押された回数や長さによって、上下方向のスライドバーまたは左右方向のスライドバーにおける各スライダを移動させ、その移動方向と移動距離とに応じて、上記各実施形態と同様に表示条件の変更と画像のスクロールとを行う構成としてもよい。また、スライドバーを表示せず、画像一覧が表示された画面上を、例えば、マウスを左クリックしながらポインタを上下方向または左右方向に移動させた場合に、それぞれ、表示条件の変更と画像のスクロールとを行う構成としてもよい。
【0078】
上記各実施形態では、ドラッグの移動距離を、始点と今回座標(現在位置)との直線距離として算出したが、始点から現在位置までに辿った移動経路の距離を移動距離として算出してもよい。あるいは、連続入力であるドラッグに限らず、例えば、マウスを左クリックすることによって、始点と終点との2点を入力し、これら2点間の直線距離を、移動距離として算出する構成としてもよい。
【0079】
上記各実施形態では、画像一覧として表示させる画像に対応する画像データを、メモリカードMCから取得する構成としたが、画像一覧として表示させる画像に対応する画像データは、USBメモリなどの記憶媒体や、RAM13又はフラッシュメモリ14など、画像処理装置の内部メモリや、デジタルカメラや、USB_I/F23やネットワークI/F24などを介して接続されるPCなどの外部装置に記憶されるものであってもよい。
【0080】
上記各実施形態では、表示条件を変更させるためのドラッグ方向として、上下方向を例示したが、画像をスクロールさせるためのドラッグ方向と異なる方向であれば、種々の方向を採用できる。例えば、画像をスクロールさせるためのドラッグ方向が上下方向であれば、表示条件を変更させるためのドラッグ方向を左右方向としてもよい。
【0081】
上記第1および第2実施形態では、移動距離Lに対して表示条件を変更させる閾値として、第1の閾値α1および第2の閾値α2との2つである場合を例示し、上記第3実施形態では、移動距離Lに対する閾値として、第1の閾値α1、第2の閾値α2、第3の閾値α3との3つを例示したが、この閾値の数は上記各実施形態にて例示した数に限らず、移動距離Lに対して設定する動作の数に応じて、適宜の数の閾値を採用できる。
【0082】
上記第1実施形態では、条件テーブル12bにおいて、条件番号12b1に対応付けた表示条件を、ソート順12b2と表示レイアウト12b3とからなる組としたが、条件番号12b1に対応付ける表示条件は、ソート順12b2または表示レイアウト12b3のいずれか一方であってもよい。また、上記第2実施形態では、ドラッグの移動距離Lに応じて、第1または第2優先条件を、1つまたは2つ後の条件に変更する構成としたが、後の条件でなく、前の条件に変更する構成としてもよい。上記第3実施形態では、移動距離Lが第2の閾値α2より大きい場合、1回のドラッグにおける第1優先条件の条件番号の変更量は、ドラッグの移動距離Lにかかわらず一定としたが、第1優先条件もまた、移動距離Lが大きい程当該変更量が大きくなるように構成してもよい。かかる場合、移動距離Lによる区分が同じ場合における第1優先条件の変更量と第2優先条件の変更量とは、同じであっても、異なってもよい。また、上記各実施形態では、移動距離Lが、0≦L≦第1の閾値α1の範囲内にある場合、表示条件の変更を行わない構成としたが、かかるマージン区間を省略する構成としてもよい。
【0083】
上記各実施形態では、表示条件を所定数だけ前または後ろに変更する場合、変更途中で、順序付けられている表示条件の先頭または最後尾に達した場合、達した側の一端とは反対側の端である最後尾または先頭から続けて残りの変更を行う構成としたが、変更途中で、順序付けられている表示条件の先頭または最後尾に達した場合に、当該先頭または最後尾で変更を終了させる構成としてもよい。かかる変形例も、特許請求の範囲における「所定数だけ前または後の順序に対応する条件に変更する」ことの一例である。
【0084】
上記各実施形態では、印刷ボタン163がタッチされた場合に、選択画像メモリ13dに記憶されている1または複数の画像が、現在条件メモリ13cに記憶される現在の表示条件に従うソート順で用紙に印刷される印刷データを生成して、印刷部であるプリンタ19に出力する構成としたが、印刷データに換えて、選択画像メモリ13dに記憶されている1または複数の画像に対応する画像データと、現在条件メモリ13cに記憶される現在の表示条件とを、プリンタ19などの印刷部に出力し、印刷部において、印刷対象の画像を現在の表示条件に従うソート順で用紙に印刷させる構成であってもよい。
【0085】
上記各実施形態では、画像一覧における表示条件が変更された場合に、当該表示条件の変更前にLCD16に表示されていた画像および当該画像の表示位置を示す情報を、当該変更前の表示条件に対応付けて変更前画面メモリ13bに記憶させることにより、表示条件が変更された場合の初期画面における画像の並びおよびレイアウトを、変更後の表示条件に従い直近にLCD16に表示されていた画像の並びおよびレイアウトで再表示させる構成とした。これに換えて、ユーザが、表示条件毎に、表示条件が変更された場合の初期画面として所望する画面を任意に指定可能とし、表示条件が変更された場合には、変更後の表示条件に対して指定されている画面を再表示させる構成としてもよい。かかる場合、ユーザが指定した画面に表示される画像および当該画像の表示位置を示す情報を、当該変更前の表示条件に対応付けて変更前画面メモリ13bに記憶させ、表示条件が変更された場合には、変更前画面メモリ13aを参照し、変更後の表示条件に対応付けて記憶される情報に従う画像を、当該情報に従う表示位置で表示させればよい。
【0086】
上記各実施形態では、ドラッグ中の現在位置において予定される表示条件を、確定している表示条件とは異なる表示態様で表示する構成としたが、例えば、各表示条件に対応する発光部などを設け、予定される表示条件に対応する発光部などを発光させて、予定される表示条件を報知する構成としてもよい。また、音声などによって、予定される表示条件を報知する構成としてもよい。
【0087】
上記各実施形態では、上下方向のドラッグの移動距離に応じて変更される表示レイアウトの条件として、Nin1(N>2)を例示したが、変更対象となる表示レイアウトの条件としては、これに限定されるものではない。例えば、アルバムなどの背景枠のような、1以上の画像を配置可能な複数種類のテンプレートを、表示レイアウトの各条件としてもよい。
【符号の説明】
【0088】
10 MFP
11 CPU
12a 制御プログラム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8