(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、液体噴射装置の実施形態について、図を参照して説明する。
図1に示すように、本実施形態の液体噴射装置11は、略矩形箱状の筐体部12を備えている。筐体部12は、第1収容部13と、第1収容部13の上側に配置された第2収容部14と、第1収容部13の後側に配置された第3収容部15とを備えている。なお、本実施形態においては、重力方向に沿う上下方向Zと交差(本実施形態では直交)する第2収容部14と第3収容部15との並び方向を前後方向Yとする。また、上下方向Z及び前後方向Yと交差(本実施形態では直交)する第1収容部13及び第2収容部14の長手方向を幅方向Xとする。
【0023】
第1収容部13には、保持フレーム16が引き出し可能に収容される。また、第1収容部13の前面側には、保持フレーム16の前端面16aと、前端面16aの上側に着脱可能に取り付けられた前面カバー17と、幅方向Xにおいて保持フレーム16の両側に回動可能に取り付けられた開閉カバー18とが露出している。
【0024】
開閉カバー18は下端側に設けられた図示しない回動軸を中心に上端側が回動することで、
図1に示す閉位置と、上端部が前方へ回動して内部が露出する開位置と開位置に配置される。そして、開閉カバー18が開位置に配置されると、液体の一例としてのインクを収容するインクカートリッジ19が着脱可能に装着されるカートリッジホルダー(図示略)が露出する。また、第2収容部14の前面側には、排出口20が形成されている。
【0025】
図2に示すように、保持フレーム16には、媒体の一例としての長尺状の用紙Sを円筒状に巻き重ねたロール体Rを保持する媒体保持部22が設けられている。なお、媒体保持部22には複数の異なるサイズのロール体Rが交換可能に装填される。
【0026】
媒体保持部22は、ロール体Rを回動可能に支持する支持部の一例としての支持軸22aと、支持軸22aと一体回動する一対のフランジ22bとを有している。対をなすフランジ22bのうち、幅方向Xにおける第1端側(
図2では左側)のフランジ22bは、支持軸22aに沿って幅方向Xに移動可能となっている。
【0027】
ロール体Rを媒体保持部22にセットする場合には、
図2に示すように筐体部12から前面カバー17を取り外した上で、保持フレーム16を筐体部12から前方に引き出す。そして、ロール体Rを支持軸22aに挿通するとともに、第1端側のフランジ22bを第2端側(
図1では右側)に移動させて、ロール体Rの両端側をフランジ22bで挟持する。
【0028】
なお、本実施形態においては、媒体保持部22から第2収容部14側に向けて用紙Sを搬送することを「給送する」といい、第1収容部13内における用紙Sの搬送経路のことを「給送経路」、第1収容部13内における用紙Sの搬送方向のことを「給送方向」ということがある。
【0029】
図3に示すように、保持フレーム16には、用紙Sを第2収容部14側に向けて給送するための給送機構24が保持されている。給送機構24は、駆動源である給送モーター26と、給送モーター26の駆動力を伝達するための動力伝達機構27と、用紙Sを挟持して搬送する搬送ローラー対28,29とを備えている。また、保持フレーム16において用紙の搬送経路(給送経路)の下流端付近には、搬送ローラー対30が配置されている。なお、搬送ローラー対28は第1の搬送ローラー対、搬送ローラー対29は第2の搬送ローラー対、搬送ローラー対30は第3の搬送ローラー対の一例である。
【0030】
搬送ローラー対28は、給送モーター26の駆動力によって回転する駆動ローラー28aと、駆動ローラー28aと対をなす従動ローラー28bとによって構成されている。搬送ローラー対29は、給送モーター26の駆動力によって回転する駆動ローラー29aと、駆動ローラー29aと対をなす従動ローラー29bとによって構成されている。
【0031】
用紙Sを第2収容部14側に給送する場合には、給送モーター26が第1方向に回転駆動することで、駆動ローラー28a,29aが
図3における時計方向となる第1回転方向に回転する。そして、駆動ローラー28a,29aは、第1回転方向に回転することで、ロール体Rから用紙Sを巻き解かせて、第2収容部14側に向けて給送する。なお、用紙Sの給送時には、給送モーター26が間欠駆動することで、搬送ローラー対29と搬送ローラー対30との間において用紙Sはたるんだ状態が保持される。
【0032】
一方、給送モーター26が第1方向と逆方向となる第2方向に回転駆動することで、駆動ローラー28a,29aが
図3における反時計方向となる第2回転方向に回転して、用紙Sを給送方向と逆方向に送り戻す。なお、給送モーター26が第2方向に回転駆動する場合には、給送モーター26の駆動力によってロール体Rを保持するフランジ22bが
図3における反時計方向に回転されることで、送り戻された用紙Sがロール体Rに巻き取られる。
【0033】
第2収容部14には、用紙Sを排出口20に向けて搬送するための搬送機構34と、搬送機構34によって搬送される用紙Sにインクを噴射することで記録を行う記録部35と、インクが付着した用紙Sを乾燥させるためのヒーター36と、用紙Sを切断するためのカッター37とが収容されている。
【0034】
搬送機構34は、駆動源である搬送モーター38と、搬送モーター38の駆動力を伝達するための動力伝達機構39と、用紙Sを挟持して搬送する搬送ローラー対30,40,41,42と、搬送モーター38の駆動力によって回転する中間ローラー43と、排出ローラー44とを備えている。
【0035】
記録部35は、幅方向Xに沿って延びるガイドレール45と、幅方向Xに往復移動可能な状態でガイドレール45に保持されたキャリッジ46と、キャリッジ46をガイドレール45に沿って移動させるための駆動源であるキャリッジモーター47とを備えている。
【0036】
さらに、記録部35は、幅方向Xに所定距離を離れて配置された一対のプーリー48(
図3では一方のみ図示)と、一対のプーリー48に巻き掛けられた無端状のタイミングベルト49とを備えている。また、一方のプーリー48は、キャリッジモーター47の出力軸に連結されている。そして、キャリッジモーター47が正逆転駆動されることにより、タイミングベルト49の一部に固定されたキャリッジ46がガイドレール45に沿って往復移動する。
【0037】
キャリッジ46の下部には、用紙Sに対してインクを噴射可能な液体噴射部50が保持されている。液体噴射部50の下面側には、複数の液体噴射ノズル50aが開口している。また、キャリッジ46の下方には、搬送経路に沿って配置された搬送ローラー対40と搬送ローラー対41との間に、用紙Sを支持するための支持部材51が配置されている。
【0038】
支持部材51の前後方向Yにおける一定範囲は印刷領域とされている。また、この印刷領域単位で、用紙Sは搬送機構34によって間欠的に搬送される。そして、支持部材51上に停止した用紙Sに対して、往復移動するキャリッジ46に保持された液体噴射部50の液体噴射ノズル50aからインクが噴射されることで、用紙Sに印刷が施される。
【0039】
記録部35において記録(印刷)が施された用紙Sは、板状のヒーター36の上面に沿って搬送されることで乾燥される。なお、ヒーター36の上方には、用紙Sを押さえるための押圧ローラー52と排出ローラー44とが設けられている。
【0040】
ヒーター36上を通過した乾燥後の用紙Sは、記録が施された部分が単位長さ毎にカッター37によって切断されることで、単票紙CPとなる。また、記録が完了した単票紙CPは排出口20を通じて筐体部12外に排出される。
【0041】
保持フレーム16には、用紙Sの給送経路において搬送ローラー対28と搬送ローラー対29との間となる位置に、給送される用紙Sの第1面S1側を案内するための案内部材53と、用紙Sの第1面と反対側の第2面S2側を案内するための案内部54とが設けられている。なお、本実施形態において、用紙Sの第1面S1はインクが噴射される表面である一方、用紙Sの第2面S2はインクが噴射されない裏面である。
【0042】
また、保持フレーム16には、用紙Sの給送経路において搬送ローラー対28と搬送ローラー対29との間となる位置に、用紙Sに付着した紙粉などの付着物を除去するための複数(本実施形態では2つ)の除去機構55が設けられている。なお、搬送ローラー対28と搬送ローラー対29との間において、用紙Sはたるまないように張力が付与された状態で給送される。
【0043】
図4に示すように、除去機構55は給送経路の下側に配置された第1除去部材57と、給送経路の上側に配置されて第1除去部材57と対をなす第2除去部材58とを備えている。すなわち、保持フレーム16には、対をなす第1除去部材57と第2除去部材58とが用紙Sの給送経路(搬送経路)に沿って複数対設けられている。
【0044】
第1除去部材57は案内部材53に保持されている一方、第2除去部材58は案内部54に保持されている。第1除去部材57と第2除去部材58とは、用紙Sの給送方向(搬送方向)Fにおいて一部が重なる一方で、給送方向Fにおける上流側と下流側の端部が給送方向Fにおいて互いに離間するように配置されている。また、除去機構55において、第1除去部材57は第2除去部材58よりも給送方向上流側に配置されている。
【0045】
その結果、第2除去部材58は、給送方向Fにおける下流側の端部が第1除去部材57よりも給送方向Fにおける下流側に配置されている。なお、給送方向上流側に位置する除去機構55の第2除去部材58は、その給送方向下流側に位置する除去機構55の第1除去部材57と給送方向Fにおいて離間するように配置されている。また、案内部54には、給送方向Fにおいて2つの第2除去部材58の間となる位置に、用紙Sの第2面S2側を案内するための案内突部54aが設けられている。
【0046】
第1除去部材57と第2除去部材58とは、配置は異なるが同様の構成を有している。そして、第1除去部材57及び第2除去部材58は、給送方向Fに沿って湾曲した曲面部59aを有するフレーム部材59と、フレーム部材59をくるむシート部材60と、シート部材60をフレーム部材59に対して固定するための固定部材61とを備えている。なお、シート部材60は、フェルトなどの不織布や合成皮革などを用いることができる。そして、除去機構55において、シート部材60のフレーム部材59の曲面部59aを覆蓋するように巻かれた部分が除去部62(62A,62B)を構成している。
【0047】
本実施形態において、第1除去部材57の除去部62が第1除去部62Aとして機能する一方、第2除去部材58の除去部62が第2除去部62Bとして機能する。第1除去部62Aと第2除去部62Bとは同一形状からなるとともに、第2除去部62Bは第1除去部62Aの上方に配置される。そして、第1除去部62A及び第2除去部62Bは、印刷面となる第1面S1が下方を向いた状態で給送される用紙Sを挟持するように用紙Sの両面側に接触することで、用紙Sに付着した付着物を除去する。
【0048】
フレーム部材59の幅方向Xにおける両端側には、給送方向上流側となる位置から回動軸63が突設されている一方、給送方向下流側となる位置から係止突部64が突設されている。なお、案内部材53には、第1除去部材57の回動軸63を回動可能に支持する第1軸受け部(図示略)が給送方向Fに並ぶように形成されている。一方、案内部54には、第2除去部材58の回動軸63を回動可能に支持する第2軸受け部(図示略)が給送方向Fに並ぶように形成されている。
【0049】
図5に示すように、フレーム部材59の回動軸63には、ねじりコイルばね65のコイル部66が巻き掛けられている。なお、ねじりコイルばね65は、フレーム部材59の給送方向下流側の端部を用紙S側に向けて付勢する付勢部材の一例である。
【0050】
ねじりコイルばね65のコイル部66からは、腕部67,68が延接されている。そして、フレーム部材59の係止突部64にはねじりコイルばね65の一方の腕部67が係止されている。また、案内部材53には、第1除去部材57の回動軸63に巻き掛けられたねじりコイルばね65の他方の腕部68が係止される係止底部69が設けられている。
【0051】
案内部材53には、幅方向Xに並ぶ複数のコロ70からなるガイド部71,72,73が給送方向Fにおける上流側から下流側に向けて並ぶように配置されている。また、給送方向Fにおいて、ガイド部72,73の近傍となる位置には、複数の貫通孔74が幅方向Xに並ぶように形成されている。
【0052】
案内部材53に設けられた貫通孔74は、幅方向Xにおいては、紙幅の異なる用紙Sの端部と対応する位置に配置されている。また、貫通孔74は、給送方向Fにおいては、
図5において二点鎖線で示す第2除去部62Bの給送方向下流側となる部分の下方に配置されている。保持フレーム16の底部には、底板部75が設けられている。そして、底板部75には、貫通孔74の下方となる位置に、用紙Sから除去されて第2除去部62Bに付着した後、第2除去部62Bから落ちた紙粉等の付着物を受容する受容部76が凹設され ている。
【0053】
図6に示すように、案内部54には、第2除去部材58の回動軸63に巻き掛けられたねじりコイルばね65のコイル部66から延設された他方の腕部68が係止される係止部79が設けられている。
【0054】
第1除去部材57及び第2除去部材58は、回動軸63を中心に回動可能に設けられている。そして、第1除去部材57における給送方向下流側の端部はねじりコイルばね65によって上方に向けて付勢されている一方、第2除去部材58における給送方向下流側の端部はねじりコイルばね65によって下方に向けて付勢されている。
【0055】
その結果、対をなす第1除去部62Aと第2除去部62Bとは、互いの湾曲面が対向するとともに、用紙Sがその間に介在しない状態においては、第1除去部62Aの給送方向下流側の端部が第2除去部62Bの給送方向Fにおける中央付近に接触した状態となる。
【0056】
なお、第1除去部62Aと第2除去部62Bとの互いに接触する部分を接触部とすると、用紙Sはまず下側にある第1除去部62Aの接触部よりも給送方向上流側となる部分に接触する。そして、用紙Sは第1除去部62Aに案内されつつ接触部を通過し、その後、第2除去部62Bの接触部よりも給送方向下流側となる部分に接触する。そして、用紙Sが給送される場合には、第1除去部62Aと第2除去部62Bとの接触部は、互いに接触する代わりに用紙Sに対して圧接される。
【0057】
また、給送方向Fに並ぶ2つの除去機構55を比較すると、給送方向上流側に位置する第1除去部材57は、その給送方向下流側に位置する第1除去部材57よりも上下方向Zにおいて上側に配置されている。また、給送方向上流側に位置する第2除去部材58は、その給送方向下流側に位置する第2除去部材58よりも上下方向Zにおいて上側に配置されている。
【0058】
さらに、対をなす第1除去部62Aと第2除去部62Bとは、接触部よりも給送方向上流側の交差角度(接触角度)が、給送方向Fにおいて上流側に位置する除去機構55よりもその下流側に位置する除去機構55の方が大きくなっている。特に、給送方向Fにおいて下流側に位置する第1除去部62Aは、その給送方向上流側であって上下方向Zにおける上側に位置する第1除去部62Aよりも、給送方向上流側の端部が低くなるように傾斜している。
【0059】
その結果、第2除去部62Bの給送方向上流側における端部と第1除去部62Aとの上下方向Zにおける離間距離は、給送方向Fにおいて上流側に位置する除去機構55よりもその下流側に位置する除去機構55の方が大きくなっている。
【0060】
次に、以上のように構成された液体噴射装置11の作用について説明する。
図4に示すように、除去機構55において、第1除去部材57の第1除去部62Aは用紙Sの第1面S1側に接触することで用紙Sに付着した紙粉などの付着物を除去する。一方、第2除去部材58の第2除去部62Bは用紙Sの第2面S2側に接触することで用紙Sに付着した紙粉などの付着物を除去する。そして、第1除去部材57と第2除去部材58とは、ねじりコイルばね65によって互いに近接する方向に付勢されているので、給送方向(搬送方向)Fにおいて重なる部分で用紙Sを挟むことで、付着物が確実に除去される。
【0061】
ここで、紙粉とは、用紙Sを構成する繊維質のかけらや含有物質・塗装物質の粉などを含むものをいう。例えば、用紙Sには、白さを出す顔料としての炭酸カルシウムや光沢を出すためのカオリンなどが含有されていたり塗布されていたりすることがある。そして、例えば炭酸カルシウムなどが液体噴射ノズル50a内に入り込むと、液体噴射ノズル50a内のインクの粘度が著しく増し、解消しにくい重度の目詰まりを招く虞がある。
【0062】
その点、本実施形態では、用紙Sの印刷面である第1面S1側からだけでなく、第2面S2側からも紙粉の除去を行うことで、液体噴射部50の周辺に用紙Sとともに紙粉が進入するのを抑制するので、液体噴射ノズル50aの目詰まりが抑制される。
【0063】
また、対をなす第1除去部62Aと第2除去部62Bとが用紙Sの給送経路に沿って複数対設けられているので、給送方向上流側の除去機構55で除去できなかった付着物は給送方向下流側の除去機構55で除去される。
【0064】
さらに、対をなす第1除去部62Aと第2除去部62Bとは、第1除去部材57及び第2除去部材58の給送方向Fにおける上流側にコイル部66が巻き掛けられたねじりコイルばね65によって、互いの湾曲面が接触する方向に付勢されている。そのため、用紙Sは第1除去部62Aと第2除去部62Bとの接触部をコイルばね65の付勢力に抗して通過することになるため、用紙Sと除去部62と間の摩擦力が大きくなり、より多くの付着物が除去される。
【0065】
なお、除去部62は摩擦力を確保するために比較的柔らかいシート部材60によって構成されるので、上流側の除去機構55を通過した用紙Sは、その下流側に位置する除去機構55に対する進入角度がばらつくことがある。その点、本実施形態において、給送方向Fにおいて下流側に位置する除去機構55は、第1除去部62Aと第2除去部62Bとの接触部よりも給送方向上流側の交差角度がその上流側に位置する除去機構55よりも大きくなっている。
【0066】
特に、給送方向Fにおいて下流側に位置する第1除去部62Aは、その給送方向上流側であって上下方向Zにおける上側に位置する第1除去部62Aよりも、給送方向上流側の端部が低くなるように傾斜している。そのため、給送方向上流側に位置する除去機構55を通過した用紙Sの先端位置がばらついた場合にも、用紙Sの先端を第1除去部62Aに接触させることが可能になる。
【0067】
さらに、用紙Sの給送経路には、その上方と下方とに交互に配置されるように、1対目の第1除去部62Aと、1対目の第2除去部62Bと、ガイド部72のコロ70と、案内部54の案内突部54aと、2対目の第1除去部62Aと、2対目の第2除去部62Bと、ガイド部73のコロ70と、が給送方向Fに沿って配置されている。また、第1除去部62A及び第2除去部62Bは、給送方向Fに沿って湾曲した曲面形状によって用紙Sを給送方向Fに案内する。そのため、第1除去部62A及び第2除去部62Bが用紙Sの先端に接触して付着物を除去する場合にも、用紙Sの搬送が妨げられない。
【0068】
また、用紙Sの付着物を円筒形のローラーやブラシローラーで除去する場合と比較して、除去部62は給送方向Fに沿って延設されているので、用紙Sに対する給送方向Fにおける接触面積が大きく、より多くの付着物を除去することが可能になる。また、円筒形のローラーやブラシローラーが用紙Sの移動に従動して回転する場合には、用紙Sとの摩擦力が小さく、付着物を掻き取る効果が小さい。これに対して、除去部62は固定された面が用紙Sに圧接されるので摩擦力が大きく、より多くの付着物を除去することが可能である。
【0069】
図3に示すように、媒体保持部22は液体噴射部50よりも下方に配置され、用紙Sの給送経路は媒体保持部22の下方から液体噴射部50に向けて上方に延びている。また、除去部62は、鉛直方向において、支持軸22a(ロール体Rの回動中心)及び媒体保持部22に保持される最大半径のロール体Rの外周面(下端部)よりも下方であって、用紙Sの搬送経路における最下部となる位置に配置されている。
【0070】
すなわち、除去部62は、媒体保持部22よりも下方に位置する用紙Sの給送経路において、用紙Sに付着した付着物を除去する。そのため、除去部62によって用紙Sから除去された紙粉等の付着物は用紙Sの搬送経路における最下部であって、液体噴射部50及び媒体保持部22の下方となる位置に保持される。これにより、除去部62によって除去された付着物が、除去部62よりも上方にある用紙Sや液体噴射部50に付着することが抑制される。
【0071】
また、第1収容部13内には、用紙Sを給送するために、媒体保持部22側から液体噴射部50側に向かう給送方向に沿って並ぶ3つの搬送ローラー対28,29,30が設けられている。また、給送方向Fにおいて上流側に位置する第1の搬送ローラー対28とその給送方向下流側に位置する第2の搬送ローラー対29の間とにおいて、用紙Sは張力を付与された状態で給送される。一方、給送方向Fにおいて第2の搬送ローラー対29の下流側に位置する第3の搬送ローラー対30と第2の搬送ローラー対29との間において、用紙Sはたるんだ状態が保持されている。
【0072】
そして、除去部62は、張力が付与された状態で用紙Sが搬送される搬送ローラー対28と搬送ローラー対29との間に配置されている。そのため、除去部62は、張力が付与された用紙Sに摺接することで、紙粉等の付着物が効率よく除去される。
【0073】
さらに、搬送ローラー対29と搬送ローラー対30との間の搬送経路は、上方に向けて延びている。そのため、搬送ローラー対30よりも給送方向下流側に除去部62を配置すると、除去部62によって除去された付着物が、搬送ローラー対29と搬送ローラー対30との間でたるんだ状態で保持される用紙Sなどに付着する虞がある。その点、本実施形態では、除去部62は用紙Sがたるんだ状態で保持される搬送ローラー対29と搬送ローラー対30との間の搬送経路よりも下方であって、かつ、搬送ローラー対29よりも給送方向上流側となる位置に配置されているので、こうした虞が低減される。
【0074】
図4に示すように、第2除去部62Bは下方を向くように配置されているとともに、給送方向下流側の端部が、その下方に位置する第1除去部62Aより給送方向下流側に位置している。そのため、用紙Sの後端が通過した場合などに、第2除去部62Bに付着した付着物が下方に落ちてしまうことがある。この場合にも、第2除去部62Bの給送方向下流側となる部分の下方には貫通孔74が形成されているので、用紙Sの給送経路を形成する案内部材53上に付着物が溜まらない。さらに、貫通孔74の下方には、底板部75の受容部76が配置されているので、貫通孔74を通じて搬送経路外に排出された紙粉等は、受容部76において保持される。
【0075】
なお、用紙Sは、給送方向Fにおける上流側に配置された除去機構55の除去部62に最初に接触するので、給送方向上流側に配置された除去機構55の除去部62には、給送方向下流側に配置された除去機構55の除去部62よりも多くの紙粉等が付着する。
【0076】
その点、本実施形態では、給送方向Fに並ぶ2つの第2除去部材58のうち、給送方向上流側に位置する第2除去部材58は、その給送方向下流側に位置する第2除去部材58よりも上下方向Zにおいて上側に配置されている。そのため、給送方向上流側に位置する第2除去部62Bはその給送方向下流側に位置する第2除去部材58よりも受容部76との上下方向Zにおける離間距離が長い。したがって、給送方向上流側に位置する第2除去部62Bの下方に位置する受容部76には、より多くの付着物を堆積させることが可能になる。
【0077】
ここで、搬送経路の下側に位置する第1除去部62Aの給送方向上流側の端部が搬送経路の上側に位置する第2除去部62Bの給送方向Fにおける中央付近に接触した状態とした場合には、第1除去部62Aに付着した付着物を下方に落とすことができない。また、第1除去部62Aと第2除去部62Bとが互いの給送方向下流側における中央付近で接触したり、互いの給送方向下流側の端部が接触したりしている場合には、給送方向Fにおける用紙Sとの接触面積が小さくなってしまう。さらに、第1除去部62Aと第2除去部62Bとの給送方向上流側の端部が互いに接触している場合には、用紙Sを除去部62の湾曲面で案内できないので、用紙Sが接触部を通過しにくくなる。
【0078】
これに対して、本実施形態では、第1除去部62Aの給送方向下流側の端部が第2除去部62Bの給送方向Fにおける中央付近に接触しているので、用紙Sを第1除去部62Aで接触部に向けて案内することが可能になる。また、第2除去部62Bに付着した付着物が受容部76に落下することで、第2除去部62Bの除去能力の低下が抑制される。さらに、第1除去部62Aと第2除去部62Bとの給送方向Fにおける接触面積が大きく確保されるので、より多くの付着物が除去される。
【0079】
また、保持フレーム16は、
図3に示すように媒体保持部22、除去部62、案内部材53及び底板部75を保持して、筐体部12の第1収容部13から引き出し可能になっているが、受容部76は保持フレーム16の底板部75に設けられている。そのため、保持フレーム16が筐体部12の第1収容部13から引き出された場合にも、受容部76に受容された紙粉等が筐体部12の内側や第1収容部13の外側において飛散しにくい。
【0080】
上記実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)第1除去部62Aと第2除去部62Bとは搬送方向において一部が重なるので、用紙Sに付着した付着物を効率よく除去することができる。また、第1除去部62Aと第2除去部62Bとは搬送方向における上流側の端部が給送方向Fにおいて互いに離間するように配置されているので、用紙Sの搬送を妨げることなく、用紙Sの先端などに付着した付着物を除去することができる。すなわち、第1除去部62A及び第2除去部62Bは、インクが噴射される用紙Sの搬送を妨げることなく、用紙Sの端部などに付着した付着物を簡易な構成で除去することができる。
【0081】
(2)第1除去部62Aの上方に配置された第2除去部62Bは、搬送方向における下流側の端部が第1除去部62Aよりも搬送方向下流側に配置されているので、第2除去部62Bに溜まった付着物が下方に落ちて第1除去部62Aに付着するのを抑制することができる。
【0082】
(3)第1除去部62Aと第2除去部62Bとは同一形状からなるので、構成を簡素化することができる。また、第1除去部62Aを第2除去部62Bよりも搬送方向上流側に配置することで、第1除去部62Aと第2除去部62Bとの搬送方向における端部を離間させることができる。
【0083】
(4)一対目の第2除去部62Bは、その搬送方向下流側に位置する2対目の第1除去部62Aと搬送方向において離間しているので、一対目の第2除去部62Bに溜まった付着物が下方に落ちて2対目の第1除去部62Aに付着するのを抑制することができる。
【0084】
(5)第1除去部62A及び第2除去部62Bは搬送方向に沿って湾曲しているので、用紙Sを搬送方向に沿って案内することができる。また、第1除去部62A及び第2除去部62Bは搬送方向に延設されているので、用紙Sに対する接触距離を長くして、より多くの付着物を除去することができる。
【0085】
(6)第1除去部62A及び第2除去部62Bはフレーム部材59の曲面部59aを覆蓋するように取り付けられるシート部材60によって構成されるので、用紙Sを搬送方向に沿って案内することができる。また、シート部材60を交換することで、第1除去部62A及び第2除去部62Bの除去能力を回復させることができる。さらに、フレーム部材59の搬送方向下流側の端部はねじりコイルばね65によって用紙S側に向けて付勢されるので、第1除去部62A及び第2除去部62Bの用紙Sに対する接触圧を大きくして、より確実に付着物を除去することができる。
【0086】
(7)用紙Sは第1面S1が下方を向いた状態で搬送されているときに第1除去部62A及び第2除去部62Bと接触するので、インクが噴射される第1面S1に用紙Sから除去された付着物が付着するのを抑制することができる。
【0087】
(8)第2除去部62Bに溜まった付着物が下方に落ちた場合に、貫通孔74を通じて付着物を搬送経路の外側に排出することができる。また、付着物は貫通孔74の下方に設けられた受容部76に受容されることで、搬送経路の外側において保管される。したがって、用紙Sの搬送経路から付着物を排除して、用紙S等に付着物が付着するのを抑制することができる。
【0088】
(9)除去部62は、媒体保持部22よりも下方に位置する用紙Sの給送経路において用紙Sに付着した付着物を除去するので、除去部62によって除去された付着物は媒体保持部22の下方に保持される。これにより、除去部62から落ちた付着物が除去部62よりも上方にある給送経路や媒体保持部22にある用紙Sに付着するのを抑制することができる。したがって、除去部62によって除去された付着物が液体噴射部50に給送される用紙Sに付着するのを抑制することができる。
【0089】
(10)媒体保持部22は液体噴射部50よりも下方に配置されているとともに、給送経路は媒体保持部22の下方から液体噴射部50に向けて延びているので、除去部62によって除去された付着物は液体噴射部50及び媒体保持部22よりも下方となる位置で保持される。したがって、除去部62から落ちた付着物が用紙Sや液体噴射部50に付着するのを抑制することができる。
【0090】
(11)除去部62はロール体Rを回動可能に支持する支持軸22aの下方に配置されるので、除去部62によって除去された付着物はロール体Rの下方に保持される。したがって、除去部62から落ちた付着物がロール体Rに付着するのを抑制することができる。
【0091】
(12)除去部62は張力が付与された状態で用紙Sが搬送される搬送ローラー対28と搬送ローラー対29との間に配置されているので、張力が付与された用紙Sに摺接することで、付着物を効率よく除去することができる。
【0092】
(13)除去部62に溜まった付着物が下方に落ちた場合に、貫通孔74を通じて付着物を搬送経路の外側に排出することができる。また、付着物は貫通孔74の下方に設けられた受容部76に受容されることで、搬送経路の外側において保管される。したがって、用紙Sの搬送経路から付着物を排除して、用紙S等に付着物が付着するのを抑制することができる。
【0093】
(14)液体噴射部50を収容する第2収容部14は除去部62を保持する保持フレーム16を収容可能な第1収容部13の上側に配置されているので、除去部62によって除去された付着物が第2収容部14内に進入して液体噴射部50に付着するのを抑制することができる。また、受容部76は保持フレーム16の底部に設けられているので、搬送経路の外側に排出された付着物が筐体部12内に飛散するのを抑制することができる。
【0094】
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・除去部の形状や構成は任意に変更することができる。例えば、除去部が用紙Sに接触可能なローラーやブラシによって構成されてもよい。また、こうした除去部は用紙Sの何れか一面側にのみ接触する構成であってもよい。
【0095】
・除去機構55を1つのみ備える構成としてもよいし、除去機構55を3つ以上備える構成としてもよい。
・除去機構55を複数設ける場合には、除去機構55によってシート部材60の種類、ねじりコイルばね65の付勢力、除去部62の長さなどを変更したり、第1除去部材57と第2除去部材58とで形状を変更したりしてもよい。なお、その場合には、その変更によって、給送方向上流側の除去機構55で繊維質のかけらのような大きな塵埃類を除去する一方、給送方向下流側の除去機構55で用紙Sの含有物質や塗装物質などの微細な粉体類を除去するようにしてもよい。
【0096】
・除去部62が、上下方向Zにおいて、支持軸22a(ロール体Rの回動中心)と媒体保持部22に保持される最大半径のロール体Rの外周面の下面位置(下端部)との間に配置されてもよい。なお、この場合には、上下方向Zにおいて、ロール体Rの回動中心とロール体Rの下端部との中心位置よりも下側に除去部62を配置するのが好ましい。
【0097】
・除去部62に付着した付着物を除去するために、除去部62に接触する位置にロール状やブラシ状の除去部材を設けてもよい。
・給送方向Fに並ぶ2つの第2除去部材58が上下方向Zにおいて同じ高さに配置されてもよいし、給送方向上流側に位置する第2除去部材58がその給送方向下流側に位置する第2除去部材58よりも上下方向Zにおいて下側に配置されてもよい。
【0098】
・2つの除去機構55において、第1除去部62Aと第2除去部62Bとの交差角度(接触角度)が等しくてもよい。
・第1除去部材57及び第2除去部材58を着脱可能な構成として、第1除去部材57及び第2除去部材58を交換することで搬送経路内から付着物を排除するようにしてもよい。
【0099】
・第1除去部62Aと第2除去部62Bとは給送方向Fにおける長さが異なっていてもよい。この場合には、給送方向Fにおける長さが短い方の除去部62の全部と給送方向Fにおける長さが長い方の除去部62の一部とが重なるようにしてもよい。
【0100】
・用紙Sの搬送経路が、媒体保持部22の下方から上方に向かった後に、媒体保持部22よりも低い位置に向けて延設されるようにしてもよい。
・上下方向Zに沿って搬送される用紙Sに対して除去部62を接触させるようにしてもよい。
【0101】
・用紙は長尺状のロール紙に限らない。すなわち、媒体保持部に単票紙CPをセットするようにしてもよい。
・液体噴射装置11が、用紙の両面に対してインクを噴射することで両面印刷を行うプリンターであってもよい。
【0102】
・媒体は用紙に限らず、プラスチックフィルムや板材などでもよい。あるいは、捺染装置などに用いられる布帛であってもよい。
・案内部材53に設けられた貫通孔74を幅方向Xに延びる長孔としてもよい。
【0103】
・案内部材53に貫通孔74を設けない構成としてもよい。
・付勢部材はねじりコイルばね65に限らず、板ばねやゴムなどでフレーム部材59を付勢するようにしてもよい。
【0104】
・保持フレーム16が筐体部12から引き出し可能な構成でなくてもよい。
・媒体保持部22と液体噴射部50とが筐体部12の同じ収容部内に収容される構成としてもよい。
【0105】
・受容部76は底板部75に凹設される構成に限らず、受容部76を形成する受容部材を別途設けるようにしてもよい。
・上記各実施形態において、液体噴射装置は、インク以外の他の液体を噴射したり吐出したりする液体噴射装置であってもよい。なお、液体噴射装置から微小量の液滴となって吐出される液体の状態としては、粒状、涙状、糸状に尾を引くものも含むものとする。また、ここでいう液体は、液体噴射装置から噴射させることができるような材料であればよい。例えば、物質が液相であるときの状態のものであればよく、粘性の高い又は低い液状体、ゾル、ゲル水、その他の無機溶剤、有機溶剤、溶液、液状樹脂、液状金属(金属融液)のような流状体を含むものとする。また、物質の一状態としての液体のみならず、顔料や金属粒子などの固形物からなる機能材料の粒子が溶媒に溶解、分散又は混合されたものなども含むものとする。液体の代表的な例としては上記実施形態で説明したようなインクや液晶等が挙げられる。ここで、インクとは一般的な水性インク及び油性インク並びにジェルインク、ホットメルトインク等の各種液体組成物を包含するものとする。液体噴射装置の具体例としては、例えば、液晶ディスプレイ、EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイ、面発光ディスプレイ、カラーフィルターの製造等に用いられる電極材や色材等の材料を分散又は溶解のかたちで含む液体を噴射する液体噴射装置がある。また、バイオチップ製造に用いられる生体有機物を噴射する液体噴射装置、精密ピペットとして用いられ試料となる液体を噴射する液体噴射装置、捺染装置やマイクロディスペンサー等であってもよい。さらに、時計やカメラ等の精密機械にピンポイントで潤滑油を噴射する液体噴射装置、光通信素子等に用いられる微小半球レンズ(光学レンズ)などを形成するために紫外線硬化樹脂等の透明樹脂液を基板上に噴射する液体噴射装置であってもよい。また、基板などをエッチングするために酸又はアルカリ等のエッチング液を噴射する液体噴射装置であってもよい。
【0106】
さらに、上記実施形態及び各変形例から把握される技術的思想を以下に記載する。
(イ)前記媒体保持部は長尺状の前記媒体を円筒状に巻き重ねたロール体を回動可能に支持する支持部を有し、
前記除去部は前記ロール体の回動中心よりも下方に配置されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の液体噴射装置。
【0107】
(ロ)前記媒体を給送するために、前記媒体保持部側から前記液体噴射部側に向かう給送方向に沿って並ぶ3つ以上の搬送ローラー対をさらに備え、
前記給送方向において上流側に位置する第1の前記搬送ローラー対とその給送方向下流側に位置する第2の前記搬送ローラー対の間とにおいて、前記媒体は張力を付与された状態で給送される一方、前記第2の搬送ローラー対よりも給送方向下流側であって、かつ、上下方向において前記第1の搬送ローラー対及び前記第2の搬送ローラー対の上側となる位置に配置された第3の前記搬送ローラー対と前記第2の前記搬送ローラー対との間において、前記媒体はたるんだ状態が保持され、
前記除去部は、前記第1の搬送ローラー対と前記第2の搬送ローラー対との間に配置されていることを特徴とする上記(イ)に記載の液体噴射装置。
【0108】
(ハ)前記ロール体の回動中心は、上下方向において、前記第1の搬送ローラー対及び前記第2の搬送ローラー対よりも上側であって、前記第3の搬送ローラー対よりも下側となる位置に配置されていることを特徴とする上記(ロ)に記載の液体噴射装置。
【0109】
上記(イ)の構成によれば、除去部はロール体の回動中心よりも下方に配置されるので、除去部によって除去された付着物がロール体の上に落ちることが抑制される。したがって、除去部から落ちた付着物がロール体に付着するのを抑制することができる。
【0110】
上記(ロ)の構成によれば、除去部は張力が付与された状態で媒体が搬送される第1の搬送ローラー対と第2の搬送ローラー対との間に配置されているので、張力が付与された用紙Sに摺接することで、付着物を効率よく除去することができる。また、除去部は第3の搬送ローラー対よりも下側に配置された第1の搬送ローラー対と第2の搬送ローラー対との間に配置されているので、除去部から落ちた付着物が搬送経路上の媒体に付着するのを抑制することができる。
【0111】
上記(ハ)の構成によれば、除去部は第3の搬送ローラー対及びロール体の回動中心よりも下側に配置された第1の搬送ローラー対と第2の搬送ローラー対との間に配置されているので、除去部から落ちた付着物が搬送経路上の媒体に付着するのを抑制することができる。