(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1に記載のプリンタでは、左右方向、すなわち、感光ドラムの軸線の延びる軸線方向において、本体ケースに対するドラム支持部材の位置決め精度を十分に確保できない場合がある。そのため、軸線方向において、本体ケースに対するドラム支持部材が備える感光ドラムの位置決め精度を十分に図れず、画像形成不良が生じる場合がある。
【0007】
そこで、本発明の目的は、引出部材の引出位置と装着位置との円滑な移動を確保することができながら、筐体に対する複数の感光ドラムの軸線方向における位置決め精度の向上を図ることができる画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)上記目的を達成するために、本発明の画像形成装置は、開口部が形成される筐体と、互いに間隔を隔てて並列配置される複数の感光ドラムを支持し、感光ドラムの並び方向に移動可能であって、筐体内に装着される装着位置と、装着位置から開口部を介して筐体外に引き出される引出位置とに移動するように構成される引出部材と、筐体に設けられ、感光ドラムの軸線の延びる軸線方向の一方側に向かって引出部材を押圧する押さえ部材と、を備えている。
【0009】
押さえ部材は、引出部材が装着位置に配置された状態において、引出部材における引出位置から装着位置に向かう装着方向の下流側端部であって、並び方向において複数の感光ドラムと重なる位置を押圧する。
【0010】
このような構成によれば、押さえ部材が、装着位置に配置される引出部材を軸線方向の一方側に向かって押圧するので、装着位置に配置される引出部材は、筐体に対する軸線方向への相対移動が規制される。そのため、引出部材に支持される複数の感光ドラムは、引出部材を介して、筐体に対する軸線方向への相対移動が規制される。
【0011】
また、押さえ部材は、引出部材において、並び方向に投影したときに複数の感光ドラムと重なる部分を押圧するので、押さえ部材の押圧力は、引出部材を介して、複数の感光ドラムに確実に作用する。
【0012】
その結果、筐体に対する複数の感光ドラムの軸線方向への相対移動を規制でき、軸線方向において、筐体に対する複数の感光ドラムの位置決め精度の向上を図ることができる。
【0013】
また、押さえ部材は、引出部材が装着位置に配置された状態において、引出部材の装着方向の下流側端部を押圧する。
【0014】
しかるに、押さえ部材が、装着位置に配置される引出部材の装着方向の上流側端部、または、上流側端部と下流側端部との間の部分を押圧する場合、引出部材は、引出位置と装着位置との間を移動するときに、押さえ部材により押圧される。そのため、引出部材の引出位置と装着位置との移動が阻害される場合がある。
【0015】
一方、押さえ部材が、装着位置に配置される引出部材の装着方向の下流側端部を押圧する構成によれば、上記の場合と比較して、引出部材が、引出位置と装着位置との間を移動するときに、押さえ部材により押圧されることを抑制できる。そのため、引出部材の引出位置と装着位置との円滑な移動を確保することができる。
【0016】
従って、本発明の画像形成装置によれば、引出部材の引出位置と装着位置との円滑な移動を確保することができながら、筐体に対する複数の感光ドラムの軸線方向における位置決め精度の向上を図ることができる。
【0017】
(2)また、押さえ部材は、引出部材が装着位置に配置された状態において、引出部材における装着方向の下流側端部であって、並び方向において複数の感光ドラムのそれぞれの軸線と重なる位置を押圧してもよい。
【0018】
このような構成によれば、押さえ部材が、引出部材において、並列方向において複数の感光ドラムのそれぞれの軸線と重なる位置を押圧するので、押さえ部材の押圧力が、引出部材を介して、複数の感光ドラムのそれぞれの軸線に確実に作用する。
【0019】
そのため、筐体に対する複数の感光ドラムの軸線方向への相対移動を確実に抑制でき、軸線方向において、筐体に対する複数の感光ドラムの位置決め精度の向上を確実に図ることができる。
【0020】
(3)また、筐体には、引出部材が装着位置に配置された状態において、引出部材における複数の感光ドラムのそれぞれの近傍を軸線方向の一方側に向かって押圧する押圧部材が設けられていてもよい。
【0021】
このような構成によれば、押圧部材が、装着位置に配置された引出部材における複数の感光ドラムのそれぞれの近傍を、軸線方向の一方側に向かって押圧するので、装着位置に配置される引出部材は、押さえ部材および押圧部材の両部材により、軸線方向の一方側に向かって押圧される。
【0022】
そのため、筐体に対する引出部材の軸線方向への相対移動をより一層確実に抑制できる。その結果、軸線方向において、筐体に対する複数の感光ドラムの位置決め精度のさらなる向上を図ることができる。
【0023】
(4)本発明の画像形成装置は、開口部が形成される筐体と、互いに間隔を隔てて並列配置される複数の感光ドラムを支持し、筐体内に装着される装着位置と、装着位置から開口部を介して筐体外に引き出される引出位置とに移動するように構成される引出部材と、筐体に設けられ、引出部材を感光ドラムの軸線の延びる軸線方向の一方側に向かって押圧するように構成される押さえ部材と、筐体に設けられ、装着位置に配置された状態の引出部材と電気的に接続されるように構成される電極部材と、を備えている。
【0024】
電極部材は、引出部材が装着位置に配置された状態のとき、押さえ部材よりも、軸線方向と引出部材における引出位置から装着位置に向かう装着方向との両方向と直交する直交方向の一方側に配置される第1電極と、引出部材が装着位置に配置された状態のとき、押さえ部材よりも、直交方向の他方側に配置される第2電極と、を含んでいる。
【0025】
押さえ部材は、引出部材が装着位置に配置された状態において、引出部材における装着方向の下流側端部であって、直交方向において第1電極と第2電極との間を押圧する。
【0026】
このような構成によれば、押さえ部材が、装着位置に配置される引出部材を軸線方向の一方側に向かって押圧するので、装着位置に配置される引出部材は、筐体に対する軸線方向への相対移動が規制される。そのため、引出部材に支持される複数の感光ドラムは、引出部材を介して、筐体に対する軸線方向への相対移動が規制される。
【0027】
また、押さえ部材が、装着位置に配置される引出部材の装着方向の下流側端部を押圧するので、引出部材が、引出位置と装着位置との間を移動しているときに、押さえ部材により押圧されることを抑制できる。
【0028】
そのため、引出部材の引出位置と装着位置との円滑な移動を確保することができながら、筐体に対する複数の感光ドラムの軸線方向における位置決め精度の向上を図ることができる。
【0029】
また、筐体には、電極部材として第1電極と第2電極とが設けられているので、引出部材が装着位置に配置された状態において、引出部材に電極部材を介して電力を供給することができる。
【0030】
そして、押さえ部材は、装着位置に配置された状態の引出部材において、直交方向における第1電極と第2電極との間を押圧するので、第1電極、第2電極および押さえ部材の効率的な配置を確保することができる。
【0031】
そのため、引出部材が装着位置に配置された状態において、引出部材に電力を供給することができながら、第1電極、第2電極および押さえ部材の効率的な配置を確保することができる。
【0032】
(5)また、筐体は、装着位置に配置される引出部材を挟むように、軸線方向に互いに間隔を隔てて対向配置される第1フレームおよび第2フレームを備えていてもよい。
【0033】
この場合、第1フレームは、引出部材に対して軸線方向の一方側に配置され、金属から形成され、第2フレームは、引出部材に対して軸線方向の他方側に配置され、樹脂から形成されている。
【0034】
このような構成によれば、金属から形成される第1フレームが、装着位置に配置される引出部材に対して、軸線方向の一方側に配置されているので、装着位置に配置される引出部材は、押さえ部材により、第2フレームと比較して剛性の高い第1フレームに向かって押圧される。
【0035】
そのため、装着位置に配置される引出部材を、第1フレームを基準として位置決めすることができる。その結果、軸線方向において、筐体に対する引出部材の位置決め精度の向上を図ることができ、ひいては、筐体に対する複数の感光ドラムの位置決め精度のさらなる向上を図ることができる。
【0036】
(6)また、筐体は、引出部材が装着位置に配置された状態において、複数の感光ドラムと対向配置されるベルト部材を備えていてもよい。
【0037】
このような構成によれば、筐体がベルト部材を備えているので、複数の感光ドラムに複数色のそれぞれに対応する現像剤像を担持させることにより、複数の感光ドラムのそれぞれから、ベルト部材により搬送される記録媒体またはベルト部材に、複数色の画像を転写することができる。
【0038】
(7)また、筐体は、引出部材の引出位置から装着位置へ向かう移動を案内するように構成される案内部を備えていてもよい。
【0039】
また、案内部は、装着方向の下流側端部において、装着方向と交差する方向に延びるように形成され、複数の感光ドラムとベルト部材とが近接するように、引出部材を案内する装着案内部を有していてもよい。この場合、押さえ部材は、少なくとも装着案内部よりも装着方向の上流側において、引出部材を押圧するように構成されている。
【0040】
このような構成によれば、筐体の案内部が、引出部材の引出位置から装着位置へ向かう移動を案内するので、引出部材の引出位置から装着位置への円滑な移動を確保することができる。
【0041】
また、案内部が装着方向の下流側端部において装着案内部を備えているので、引出部材が引出位置から装着位置へ向かって移動するときに、引出部材が装着案内部に到達するまでは、複数の感光ドラムとベルト部材とを十分に離間させることができ、複数の感光ドラムとベルト部材とが摺擦することを抑制できる。
【0042】
一方、引出部材が装着案内部に到達すると、引出部材が装着案内部に案内され、複数の感光ドラムとベルト部材とが近接される。そのため、引出部材が装着位置に配置された状態において、複数の感光ドラムとベルト部材とを近傍に配置することができる。
【0043】
その結果、引出部材の移動時において、複数の感光ドラムとベルト部材とが摺擦することを抑制できながら、引出部材が装着位置に配置された状態において、複数の感光ドラムと搬送ベルトとを近傍に配置することができる。
【0044】
また、押さえ部材は、少なくとも装着案内部よりも装着方向の上流側において、引出部材を押圧するので、引出部材が装着案内部に到達する前に、押さえ部材による押圧が開始される。
【0045】
そのため、引出部材は、装着方向の下流側に向かって移動されるとともに、押さえ部材により、軸線方向の一方側に向かって押圧される。これにより、引出部材を、装着方向の下流側に向かって移動させるに従って、軸線方向の一方側に向かって徐々に移動させることができる。
【0046】
その結果、装着位置に配置された引出部材が、軸線方向の一方側に向かって移動される場合と比較して、引出部材を、軸線方向の一方側に向かって安定して移動させることができる。
【0047】
(8)また、筐体は、ベルト部材と対向配置され、複数の感光ドラムからベルト部材上に転写される現像剤を検知するように構成されるセンサと、センサを清掃するように構成される清掃部材と、を備えていてもよい。
【0048】
また、押さえ部材は、引出部材が装着位置に配置された状態において、引出部材と接触され、引出部材の移動軌跡から退避するように配置される第1位置と、引出部材との接触が解除され、引出部材の移動軌跡内に進出するように配置される第2位置とに変位するように構成されていてもよい。
【0049】
また、清掃部材は、押さえ部材と連結され、押さえ部材の第1位置と第2位置との変位に伴ってセンサを清掃するように構成されている。
【0050】
このような構成によれば、複数の感光ドラムからベルト部材上に転写される現像剤を、センサに検知させることができるので、画像形成動作時において、現像剤像が、ベルト部材に搬送される記録媒体またはベルト部材に、確実に転写されるか否かをチェックすることができる。
【0051】
しかるに、センサは、例えば、現像剤などにより汚染され、検知精度が低下する場合がある。
【0052】
この点、上記の構成によれば、引出部材を引出位置と装着位置とに移動させて、押さえ部材を第1位置と第2位置とに変位させることにより、清掃部材にセンサを清掃させることができる。
【0053】
そのため、引出部材を引出位置と装着位置とに移動させることにより、清掃部材を別途操作する必要なく、清掃部材にセンサを清掃させることができる。
【0054】
その結果、センサの清掃作業の円滑化を図ることができながら、センサの検知精度が低下することを抑制できる。
【0055】
(9)また、押さえ部材は、装着方向に沿って延びるように形成され、装着方向の上流側端部が筐体に揺動可能に支持される押さえ部と、押さえ部の装着方向の下流側端部から連続して、軸線方向と装着方向との両方向と直交する直交方向に沿って延びる連結部と、連結部と筐体との間に配置され、連結部を介して、押さえ部の装着方向の下流側端部を軸線方向の一方側に向かって付勢する付勢部材とを備えていてもよい。
【0056】
また、清掃部材は、連結部と連結され、軸線方向に沿って延びるように形成され、センサとベルト部材との間に配置されるシャッタと、シャッタに設けられ、センサと接触することにより、センサを清掃するように構成される清掃部とを備えていてもよい。
【0057】
また、シャッタは、センサと対向したときにセンサを露出させる開口を有し、押さえ部材が第1位置に位置するときに配置され、開口がセンサと対向する検知位置と、押さえ部材が第2位置に位置するときに配置され、センサがシャッタにより被覆される非検知位置とに、軸線方向に沿ってスライド移動するように構成されていてもよい。
【0058】
また、清掃部は、シャッタが検知位置と非検知位置とに移動することにより、センサを清掃してもよい。
【0059】
このような構成によれば、押さえ部材が、押さえ部と連結部と付勢部材とを備えているので、押さえ部の装着方向の下流側端部は、連結部を介して、付勢部材により軸線方向の一方側に向かって付勢される。
【0060】
そのため、押さえ部の装着方向の下流側端部を、常には、引出部材の移動軌跡内に進出するように配置でき、押さえ部材を、常には、第2位置に配置することができる。
【0061】
そして、押さえ部は、引出部材が装着位置に配置された状態において、押さえ部の装着方向の下流側端部が、引出部材と接触することにより、装着方向の上流側端部を支点として、引出部材の移動軌跡から退避し、第1位置に配置される。
【0062】
その結果、押さえ部材を、常には、第2位置に配置することができながら、引出部材の移動に連動して押さえ部材を第1位置と第2位置とに確実に移動させることができる。
【0063】
また、清掃部材は、連結部と連結されるシャッタと、シャッタに設けられ、センサを清掃するように構成される清掃部とを備えているので、押さえ部材の第1位置と第2位置との移動と、シャッタの検知位置と非検知位置との移動とを確実に連動させることができる。つまり、引出部材の引出位置と装着位置との移動と、シャッタの検知位置と非検知位置との移動とを確実に連動させることができる。
【0064】
さらに、清掃部は、シャッタが検知位置と非検知位置とに移動することにより、センサを清掃するので、引出部材を引出位置と装着位置とに移動させることにより、シャッタを検知位置と非検知位置とに移動させることができながら、清掃部にセンサを清掃させることができる。
【発明の効果】
【0065】
本発明の画像形成装置では、引出部材の引出位置と装着位置との円滑な移動を確保することができながら、筐体に対する複数の感光ドラムの軸線方向における位置決め精度の向上を図ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0067】
1.プリンタの全体構成
図1に示すように、画像形成装置の一例としてのプリンタ1は、横置きタイプのダイレクトタンデム型カラープリンタである。
【0068】
プリンタ1は、筐体の一例としての本体ケーシング2内において、用紙Sを給紙するように構成される給紙部3と、給紙された用紙Sに画像を形成するように構成される画像形成部4とを備えている。
【0069】
(1)本体ケーシング
本体ケーシング2は、給紙部3および画像形成部4を収容する側面視略矩形のボックス形状に形成されている。本体ケーシング2の一方側壁には、後述するドラムフレーム16を引き出すための開口部5が形成されるとともに、開口部5を開閉するためのフロントカバー6が設けられている。
【0070】
なお、以下の説明において、フロントカバー6が設けられる側を前側とし、その反対側を後側とする。また、プリンタ1を前側から見たときを左右の基準とする。すなわち、
図1の紙面左側が前側、紙面右側が後側、
図1の紙面手前側が右側、紙面奥側が左側である。さらに、後述するドラムフレーム16に関しても、本体ケーシング2に対する装着状態を基準として前後左右上下を規定する。
【0071】
なお、左右方向が軸線方向の一例であり、左側が軸線方向の一方側、右側が軸線方向の他方側である。また、前後方向が並び方向の一例であり、前側が並び方向の一方側、後側が並び方向の他方側である。また、上下方向が直交方向の一例であり、上側が直交方向の一方側、下側が直交方向の他方側である。
【0072】
フロントカバー6は、その下端部を支点として、開口部5を閉鎖する閉鎖位置と、開口部5を開放する開放位置とに揺動可能に設けられている。なお、仮想線にて示されるフロントカバー6は、閉鎖位置と開放位置との間に配置されるフロントカバー6である。
【0073】
(2)給紙部および画像形成部
給紙部3は、用紙Sを収容し、本体ケーシング2内の底部に着脱自在に装着される給紙トレイ7を備えている。
【0074】
画像形成部4は、給紙トレイ7の上方に配置されており、スキャナユニット10と、プロセスユニット11と、転写ユニット12と、定着ユニット13とを備えている。
【0075】
スキャナユニット10は、本体ケーシング2内における上端部に配置されている。スキャナユニット10は、実線で示すように、複数の感光ドラム17のそれぞれに向けて、画像データに基づく、レーザービームを出射し、感光ドラム17を露光する。
【0076】
プロセスユニット11は、スキャナユニット10の下方に配置されており、ドラムフレーム16と、現像カートリッジ15とを備えている。
【0077】
ドラムフレーム16は、感光ドラム17と、スコロトロン型帯電器18と、ドラムクリーニングローラ29とを備えている。
【0078】
感光ドラム17は、複数色、具体的には、イエロー、マゼンタ、シアンおよびブラックのそれぞれに対応して複数、すなわち、4つ設けられている。複数の感光ドラム17は、給紙トレイ7の上側において、前後方向に互いに等間隔を隔てて並列配置されている。
【0079】
スコロトロン型帯電器18は、複数の感光ドラム17のそれぞれに対応して設けられ、対応する感光ドラム17の後上側において間隔を隔てて対向配置されている。
【0080】
ドラムクリーニングローラ29は、複数の感光ドラム17のそれぞれに対応して設けられ、スコロトロン型帯電器18の後下側において、感光ドラム17に対して後側から接触するように配置されている。
【0081】
現像カートリッジ15は、複数の感光ドラム17のそれぞれに対応して設けられ、対応する感光ドラム17の前上側に配置されている。また、現像カートリッジ15は、現像ローラ19を備えている。そして、現像ローラ19は、現像カートリッジ15の下端部において後下側から露出されるように配置され、感光ドラム17に対して前上側から接触している。
【0082】
また、現像カートリッジ15は、現像ローラ19に、トナーを供給する供給ローラ20と、現像ローラ19に供給されたトナーの厚みを規制する層厚規制ブレード21とを備え、それらの上側において、現像剤の一例としてのトナーを収容している。
【0083】
転写ユニット12は、給紙トレイ7の上側、かつ、複数の感光ドラム17の下側において、前後方向に沿って延びるように設けられている。
【0084】
転写ユニット12は、ベルトユニット53と、ベルトクリーナ26とを備えている。
【0085】
ベルトユニット53は、駆動ローラ22と、従動ローラ23と、ベルト部材の一例としての搬送ベルト24と、転写ローラ25とを備えている。
【0086】
駆動ローラ22および従動ローラ23は、前後方向に互いに間隔を隔てて対向配置されている。
【0087】
搬送ベルト24は、その上側部分が感光ドラム17と接触するように、複数の感光ドラム17のそれぞれに対して下側から対向され、駆動ローラ22および従動ローラ23の周りに掛け渡されている。そして、搬送ベルト24は、駆動ローラ22の駆動および従動ローラ23の従動により、感光ドラム17と接触する上側部分が前側から後側に向かって移動するように、周回移動されている。
【0088】
転写ローラ25は、複数の感光ドラム17のそれぞれに対応して複数、具体的には、4つ設けられ、対応する感光ドラム17に対して、搬送ベルト24の上側部分を挟んで対向するように配置されている。
【0089】
ベルトクリーナ26は、ベルトユニット53の下側に配置されている。そして、搬送ベルト24の表面に付着したトナーすなわち廃トナーは、ベルトクリーニングローラ28によってクリーニングされた後、掻き落とされ、廃トナー収容部30内に収容される。
【0090】
定着ユニット13は、転写ユニット12の後側に配置され、加熱ローラ31と、加熱ローラ31に圧接される加圧ローラ32とを備えている。
【0091】
(3)画像形成動作
(3−1)現像動作
現像カートリッジ15内のトナーは、供給ローラ20に供給され、さらに、現像ローラ19に供給され、供給ローラ20と現像ローラ19との間で正極性に摩擦帯電される。
【0092】
現像ローラ19に供給されたトナーは、現像ローラ19の回転に伴って、層厚規制ブレード21によって厚さが規制され、一定厚さの薄層として現像ローラ19の表面に担持される。
【0093】
また、感光ドラム17の表面は、スコロトロン型帯電器18によって一様に帯電された後、スキャナユニット10によって、所定の画像データに基づき露光される。これにより、感光ドラム17の表面には、画像データに基づく静電潜像が形成される。そして、現像ローラ19に担持されるトナーが、現像ローラ19の回転に伴って、感光ドラム17の周面上の静電潜像に供給される。これにより、感光ドラム17の周面上にトナー像が担持される。
【0094】
(3−2)給紙動作
一方、給紙トレイ7に収容されている用紙Sは、給紙ローラ8の回転により、上方の1対のレジストローラ9間に向けて1枚ずつ給紙される。次いで、用紙Sは、所定のタイミングで、レジストローラ9の回転により、画像形成部4に向けて搬送され、感光ドラム17と搬送ベルト24との間に供給される。
【0095】
そして、感光ドラム17と搬送ベルト24との間に給紙された用紙Sは、搬送ベルト24によって、前側から後側に向かって搬送される。用紙Sには、感光ドラム17と転写ローラ25との間を通過するときに各色のトナー像が順次転写され、カラー画像が形成される。
【0096】
(3−3)定着および排紙動作
次いで、カラー画像が転写された用紙Sは、加熱ローラ31と加圧ローラ32との間に向かって搬送され、加熱ローラ31と加圧ローラ32との間を通過するときに、加熱および加圧される。これにより、用紙Sに転写されたカラー画像は、用紙Sに熱定着される。
【0097】
その後、用紙Sは、前上側へUターンするように搬送されて、本体ケーシング2の上面に形成された排紙トレイ33に排紙される。
【0098】
2.プロセスユニットの詳細
プロセスユニット11は、上記したように、引出部材の一例としてのドラムフレーム16を備えている。
【0099】
ドラムフレーム16は、
図2に示すように、前後方向に長手の平面視略矩形枠形状に形成されている。また、ドラムフレーム16は、詳しくは後述するが、
図5〜
図7に示すように、本体ケーシング2内に装着される装着位置と、装着位置から開口部5を介して本体ケーシング2外に引き出される引出位置とに、前後方向に沿ってスライド移動可能に構成されている。なお、以下の説明において、ドラムフレーム16が、
図1、
図3〜
図5、および、
図8〜
図10(a)に示す装着位置にある状態を基準として説明する。
【0100】
また、ドラムフレーム16は、
図2に示すように、1対の側板36と、フロントビーム34と、リヤビーム35とを備えている。
【0101】
1対の側板36は、左右方向に互いに間隔を隔てて対向配置されている。
【0102】
1対の側板36のそれぞれは、前後方向に延びる側面視略矩形状の略平板形状に形成されており、その後端部には、切欠部40が形成されている。切欠部40は、側板36の後端縁における上下方向略中央部分から、前方に向かって切り欠かれる側面視略V字形状に形成されている。切欠部40は、
図1および
図3に示すように、ドラムフレーム16が装着位置にある状態で、後述する本体側基準軸67を受け入れて、後述する本体側基準軸67に上方および前下方から当接する。
【0103】
また、1対の側板36のそれぞれには、
図3に示すように、ドラム側レール部37が一体的に設けられている。ドラム側レール部37は、略杆状に形成され、側板36の左右方向外側面における上端部から左右方向外方に向かって突出し、側板36の全体にわたって前後方向に延びるように形成されている。
【0104】
また、ドラム側レール部37には、突出部77が一体的に設けられている。突出部77は、ドラム側レール部37の下面における後端部から、下方に向かって突出する側面視略矩形状に形成されている。また、突出部77は、その後面が、後方に向かうに従って上方に傾斜するように面取りされ、その前面が、前方に向かうに従って上方に傾斜するように面取りされている。突出部77は、ドラムフレーム16が装着位置にある状態で、後述する案内部44の第2ガイド面47に対して、後方に配置される。
【0105】
また、右側の側板36には、
図2に示すように、スコロトロン中継電極82と、クリーニング中継電極83とが埋設されている。
【0106】
スコロトロン中継電極82は、複数のスコロトロン型帯電器18に対応して複数、具体的には、4つ設けられている。複数のスコロトロン中継電極82は、右側の側板36の上下方向略中央部分において、前後方向に互いに間隔を隔てて配置されており、右側から見て露出されるように右側の側板36に埋設されている。クリーニング中継電極83は、複数のスコロトロン中継電極82のうち、最も前側のスコロトロン中継電極82の後下側に設けられ、右側から見て露出されるように右側の側板36に埋設されている。
【0107】
フロントビーム34は、左右方向に延びる正面視略矩形状の略平板形状に形成され、1対の側板36の前端部間に架設されている。リヤビーム35は、左右方向に延びる背面視略矩形状の略平板形状に形成され、1対の側板36の後端間に架設されている。
【0108】
また、ドラムフレーム16は、複数の感光ドラム17と、複数のドラムサブユニット90と、ドラム側基準軸38とを支持している。
【0109】
複数の感光ドラム17は、1対の側板36の下側部分間に配置され、前後方向に互いに等間隔を隔てて並列配置されている。詳しくは、複数の感光ドラム17のそれぞれは、左右方向に投影したときに、複数のスコロトロン中継電極82のそれぞれの前下側に配置されている。さらに、左右方向に投影したときに、最も前側の感光ドラム17は、クリーニング中継電極83の前側に配置され、前側から2番目の感光ドラム17は、クリーニング中継電極83の後側に配置されている。
【0110】
感光ドラム17は、左右方向に延びる略円筒形状に形成され、その左右両端部が1対の側板36に相対回転可能に支持されることにより、ドラムフレーム16に支持されている。これにより、感光ドラム17は、
図1に示すように、本体ケーシング2に設けられるモータなどの駆動源からの駆動力が伝達されると、左右方向に沿って延びる軸線Aを回転中心として、右側面視反時計回りに回転される。
【0111】
ドラムサブユニット90は、
図2に示すように、左右方向に延びるように形成されており、1対の側板36間において、対応する感光ドラム17の後上側に配置され、前後方向に互いに等間隔を隔てて並列配置されている。ドラムサブユニット90は、
図1に示すように、上記したスコロトロン型帯電器18およびドラムクリーニングローラ29を支持している。そして、ドラムサブユニット90は、
図2に示すように、その左右両端部が1対の側板36に固定されることにより、ドラムフレーム16に支持されている。
【0112】
また、スコロトロン型帯電器18は、対応するスコロトロン中継電極82に電気的に接続されている。また、ドラムクリーニングローラ29は、図示しない配線を介して、クリーニング中継電極83に電気的に接続されている。
【0113】
ドラム側基準軸38は、左右方向に延びる略円柱形状に形成され、フロントビーム34および1対の側板36の前端部を貫通するように設けられている。ドラム側基準軸38の左右方向両端部は、側板36の前端部から左右方向外側に突出している。ドラム側基準軸38の左右両端部のそれぞれは、
図3に示すように、ドラムフレーム16が装着位置にある状態において、後述する基準軸挿通溝45の後端部に受け入れられ、基準軸挿通溝45の下端縁に下側から当接される。
【0114】
現像カートリッジ15は、
図1に示すように、対応する感光ドラム17の前上側において、ドラムフレーム16に離脱可能に装着されている。
【0115】
3.本体ケーシングの詳細
本体ケーシング2は、
図7に示すように、左右方向に互いに間隔を隔てて対向配置される1対の側壁41を備えている。
【0116】
左側の側壁41は、第1フレーム42と、第1フレーム42の左側に配置される第1支持フレーム80とを備え、右側の側壁41は、第2フレーム43と、第2フレーム43の右側に配置される第2支持フレーム81とを備えている。
【0117】
つまり、第1フレーム42と第2フレーム43とは、
図5に示すように、装着位置に配置されるドラムフレーム16を挟むように、左右方向に互いに間隔を隔てて対向配置されている。具体的には、第1フレーム42は、装着位置に配置されるドラムフレーム16に対して、左側に配置され、第2フレーム43は、装着位置に配置されるドラムフレーム16に対して、右側に配置されている。
【0118】
(1)側壁
第1フレーム42は、
図8に示すように、亜鉛めっき鋼板などの金属から形成され、前後方向に延びる側面視略矩形状の略平板形状に形成されている。
【0119】
第2フレーム43は、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂などの樹脂から形成され、前後方向に延びる側面視略矩形状の略平板形状に形成されている。
【0120】
また、第2フレーム43には、
図4に示すように、案内部44と、基準軸挿通溝45と、スコロトロン電極挿通口51と、クリーニング電極挿通口52とが形成されている。
【0121】
なお、本実施形態では、案内部44および基準軸挿通溝45に関する構成のそれぞれが、第1フレーム42および第2フレーム43のそれぞれに、左右対称となる形状および配置にて設けられ、後述する電極部材56に関する構成が第2フレーム43のみに設けられている。そこで、以下の説明において、第1フレーム42および第2フレーム43については、第2フレーム43を詳細に説明し、第1フレーム42の説明を省略する。
【0122】
案内部44は、
図4および
図7に示すように、第2フレーム43の上端面に区画されており、第1ガイド面46と、装着案内部の一例としての第2ガイド面47とを有している。
【0123】
第1ガイド面46は、第2フレーム43の上端面において、
図4に示すように、その前端縁から前後方向略9/10まで、前後方向に沿って延びる水平面として区画されている。
【0124】
第2ガイド面47は、第1ガイド面46の後端部から連続し、後方に向かうに従って下方に向かって傾斜する傾斜面として区画されている。つまり、第2ガイド面47は、案内部44の上面における後端部において、前後方向と交差する後下方と前上方とを結ぶ交差方向に延びるように形成されている。
【0125】
基準軸挿通溝45は、第2フレーム43の前端部に形成され、第2フレーム43の前端縁における上側部分から、後下方に向かって窪む溝部として形成されている。また、基準軸挿通溝45の下端縁は、第1水平部48と、傾斜部49と、第2水平部50とを有している。第1水平部48は、第1フレーム42の前端縁から後方に向かって延びるように形成されている。傾斜部49は、第1水平部48の後端部から連続して、後方に向かうに従って下方に傾斜するように形成されている。第2水平部50は、傾斜部49の後端部から連続して後方に向かって延びるように形成されている。
【0126】
スコロトロン電極挿通口51は、第2フレーム43の基準軸挿通溝45の後方において、前後方向に互いに等間隔を隔てて複数、具体的には、4つ形成されている。スコロトロン電極挿通口51は、後下方と前上方とを結ぶ方向に延びる側面視略矩形状に貫通形成されている。
【0127】
クリーニング電極挿通口52は、複数のスコロトロン電極挿通口51のうち、最も前側のスコロトロン電極挿通口51の後下方に間隔を隔てて形成され、後下方と前上方とを結ぶ方向に延びる側面視略矩形状に貫通形成されている。
【0128】
第1支持フレーム80および第2支持フレーム81のそれぞれは、
図7に示すように、前後方向に延びる側面視略略矩形状の略平板形状に形成されている。また、第1支持フレーム80の前後方向長さは、第1フレーム42の前後方向長さよりも長く形成され、第2支持フレーム81の前後方向長さは、第2フレーム43の前後方向長さよりも長く形成されている。
【0129】
そして、第1支持フレーム80は、その後端部が、第1フレーム42の後端部よりも後側に位置するように、第1フレーム42の左側に隣接配置されている。また、第2支持フレーム81は、その後端部が、第2フレーム43の後端部よりも後側に位置するように、第2フレーム43の右側に隣接配置されている。また、第2支持フレーム81には、図示しないが、後述する電極部材56と電気的に接続される電源基板が設けられている。
【0130】
(2)電極部材
また、右側の側壁41には、
図4に示すように、押圧部材の一例としての電極部材56と、押さえ部材55とが設けられている。
【0131】
電極部材56は、第1電極の一例としてのスコロトロン電極61と、第2電極の一例としてのクリーニング電極62とを含んでいる。
【0132】
スコロトロン電極61は、
図3および
図4に示すように、複数のスコロトロン中継電極82のそれぞれに対応して複数、具体的には、4つ設けられている。スコロトロン電極61は、金属などの導電性を有する材料から形成され、スコロトロンばね部63と、スコロトロン接点部64とを一体的に有している。
【0133】
スコロトロンばね部63は、
図3に示すように、左右方向に延びる空心コイル形状に形成されている。また、スコロトロン接点部64は、
図7に示すように、スコロトロンばね部63の左端部から連続して、左方に向かって突出する略円環形状に形成されている。
【0134】
そして、スコロトロン電極61は、スコロトロン接点部64が対応するスコロトロン電極挿通口51に右側から挿通されるとともに、スコロトロンばね部63の右端部が図示しない電極基板に接触するように、右側の側壁41に支持されている。これにより、複数のスコロトロン電極61は、右側の側壁41の上側部分において、前後方向に互いに等間隔を隔てて並列配置されており、スコロトロン接点部64は、スコロトロン電極挿通口51から左側に突出している。
【0135】
クリーニング電極62は、クリーニング中継電極83に対応して設けられている。クリーニング電極62は、
図3および
図4に示すように、金属などの導電性を有する材料から形成され、クリーニングばね部65と、クリーニング接点部66とを一体的に有している。
【0136】
クリーニングばね部65は、
図3に示すように、左右方向に延びる空心コイル形状に形成されている。クリーニング接点部66は、
図7に示すように、クリーニングばね部65の左端部から連続して、左方に向かって突出する略円環形状に形成されている。
【0137】
そして、クリーニング電極62は、クリーニング接点部66が対応するクリーニング電極挿通口52に右側から挿通されるとともに、クリーニングばね部65の右端部が図示しない電極基板に接触するように、右側の側壁41に支持されている。
【0138】
これにより、クリーニング電極62は、
図4に示すように、右側の側壁41において、最も前側のスコロトロン電極61の後下側に間隔を隔てて配置されており、クリーニング接点部66は、クリーニング電極挿通口52から左側に突出している。
【0139】
(3)押さえ部材
押さえ部材55は、
図4および
図7に示すように、右側の側壁41の後端部に設けられている。押さえ部材55は、揺動軸60と、押さえ部の一例としてのレバー57と、連結部58と、付勢部材の一例としてのばね59とを備えている。
【0140】
揺動軸60は、
図4に示すように、上下方向に延びる略円柱形状に形成され、第2フレーム43の左面において、最も後側のスコロトロン電極61の前下側に相対回転可能に支持されている。
【0141】
レバー57は、揺動軸60の上下方向略中央部分から後方に向かって延びる側面視略矩形状の略平板形状に形成されている。これにより、レバー57は、その前端部が第2フレーム43に揺動可能に支持されている。また、レバー57は、最も後側のスコロトロン電極61の下側に配置されており、前後方向に投影したときに、複数のスコロトロン電極61とクリーニング電極62との間に配置されている。つまり、複数のスコロトロン電極61は、レバー57よりも上側に配置され、クリーニング電極62は、レバー57よりも下側に配置されている。
【0142】
そして、レバー57は、
図5に示すように、レバー57と第2フレーム43とが揺動軸60を中心として、約30°の角度を形成する第1位置と、
図7に示すように、レバー57と第2フレーム43とが揺動軸60を中心として、約45°の角度を形成する第2位置とに揺動可能である。また、レバー57は、詳しくは後述するが、
図5に示すように、第1位置に配置される状態において、ドラムフレーム16の移動軌跡から退避され、
図7に示すように、第2位置に配置される状態において、ドラムフレーム16の移動軌跡と重なるように、ドラムフレーム16の移動軌跡内に進出される。
【0143】
連結部58は、
図9に示すように、上下方向に延びる略杆状に形成され、その上端部が、レバー57の後端部の右面と相対移動可能に接触するように、
図7に示すように、レバー57の後端部の右側、かつ、第2支持フレーム81の後端部の左側に配置されている。これにより、連結部58は、
図9に示すように、レバー57の後端部から連続して下方に向かって延びるように設けられている。なお、連結部58の下端部は、後述するが、シャッタ72の右側の軸挿通部75に連結されている。
【0144】
ばね59は、
図5に示すように、左右方向に延びる空心コイルばね形状に形成されており、ばね59は、連結部58の右面と第2支持フレーム81の左面における後端部との間に介在されている。そして、ばね59は、その左端部が、連結部58の右面に固定され、その右端部が、第2支持フレーム81の左面に固定されている。
【0145】
これにより、レバー57は、
図7に示すように、その後端部が、連結部58を介してばね59により、左方に向かって付勢され、常には、第2位置に配置されている。なお、レバー57は、
図5に示すように、ドラムフレーム16が装着位置にある状態において、ドラムフレーム16の右側の側板36の後端部に接触されており、ドラムフレーム16の移動軌跡から退避するように、第2位置に配置されている。
【0146】
(4)本体側基準軸
また、1対の側壁41は、本体側基準軸67を支持している。本体側基準軸67は、
図3および
図7に示すように、左右方向に延びる略円柱形状に形成されており、第1支持フレーム80および第2支持フレーム81の後端部における上下方向略中央部分間に架設されている。
【0147】
(5)ベルトユニットおよびレジストユニット
また、本体ケーシング2は、ベルトユニット53と、レジストユニット27とを備えている。
【0148】
ベルトユニット53は、
図4および
図7に示すように、左右方向において、第1フレーム42と第2フレーム43との間に挟まれるように配置され、かつ、
図4に示すように、左右方向に投影したときに、第2フレーム43の上下方向略中央よりもやや下側に配置されている。
【0149】
レジストユニット27は、第1支持フレーム80および第2支持フレーム81の後端部間において、ベルトユニット53の後端部の後下側に配置されている。レジストユニット27は、
図8および
図9に示すように、センサ保持部68と、センサ69と、清掃部材70とを備えている。
【0150】
センサ保持部68は、
図8に示すように、搬送ベルト24の後端部における左右両端部と対向するように、左右方向に互いに間隔を隔てて2つ設けられている。センサ保持部68は、左右方向に延びる略平板形状に形成され、本体ケーシング2に固定されている。また、各センサ保持部68には、各センサ保持部68の左右方向外側端部よりも左右方向外方に向かって突出するスライド軸71が固定されている。
【0151】
センサ69は、搬送ベルト24の後端部における左右両端部と対向するように、センサ保持部68に1つずつ保持されている。これにより、センサ69は、搬送ベルト24の表面と間隔を隔てて対向配置されている。
【0152】
清掃部材70は、センサ69を保護するためのシャッタ72と、センサ69を清掃するための清掃部73を備えている。
【0153】
シャッタ72は、本体部74と、軸挿通部75とを一体的に有している。本体部74は、左右方向に延びる正面視略矩形の略平板形状に形成されており、2つのセンサ69と搬送ベルト24との間に配置されている。本体部74には、その左右方向両端部のそれぞれに、センサ69に対応する開口76が形成されている。
【0154】
軸挿通部75は、
図9に示すように、本体部74の左右両端部のそれぞれから、後下方に向かって延びる側面視略矩形状の略平板形状に形成されている。また、軸挿通部75には、側面視略中央部分において、軸挿通穴78が左右方向に貫通形成されている。また、右側の軸挿通部75の後端部と、連結部58の下端部とは、相対移動不能に連結されている。
【0155】
そして、シャッタ72は、軸挿通穴78にスライド軸71が遊びを有して嵌合されることにより、センサ保持部68に対して、左右方向にスライド移動可能に支持される。これにより、シャッタ72は、詳しくは後述するが、レバー57の回動に連動して、レバー57が第1位置にあるときに、
図10(a)に示すように、開口76がセンサ69と対向する検知位置に配置され、レバー57が第2位置にあるときに、
図10(b)に示すように、シャッタ72がセンサ69を被覆する非検知位置に配置される。なお、
図10(a)および
図10(b)では、説明の便宜上、ベルトユニット53を省略している。
【0156】
清掃部73は、スポンジなどの弾性材料から形成され、
図10(b)に示すように、左右方向に延びる略平板形状に形成されている。そして、清掃部73は、本体部74の後下側面において、各開口76の右側に設けられ、シャッタ72が非検知位置にあるとき、センサ69と対向接触する。
【0157】
4.本体ケーシングに対するドラムフレームの引き出しおよび装着動作
次に、
図5〜
図7を参照して、本体ケーシング2に対するドラムフレーム16の引出動作および装着動作を説明する。なお、
図5〜
図7では、説明の便宜上、ドラムサブユニット90、フロントビーム34およびリヤビーム35を省略している。
【0158】
(1)本体ケーシングに対するドラムフレームの引出動作
ドラムフレーム16を装着位置から本体ケーシング2外に引き出すには、
図1に示すように、まず、本体ケーシング2のフロントカバー6を、仮想線で示すように、閉鎖位置から開放位置に向かって回動させ、フロントカバー6を開放位置に配置させる。これにより、開口部5が開放される。
【0159】
次いで、
図2および
図5に示すように、ドラムフレーム16を前側に引き出す。
【0160】
そうすると、ドラムフレーム16は、
図5および
図6に示すように、レバー57の傾斜に沿って、前方に向かって引き出されるに従って右方に向かって移動される。このとき、ドラムフレーム16の左右両側の突出部77が、対応する案内部44の第2ガイド面47に到達するとともに、ドラム側基準軸38の左右方向両端部が、対応する基準軸挿通溝45の傾斜部49に到達する。また、切欠部40と本体側基準軸67との係合が解除される。
【0161】
そして、左右両側の突出部77が対応する第2ガイド面47にガイドされるとともに、ドラム側基準軸38の左右方向両端部が対応する傾斜部49にガイドされることにより、ドラムフレーム16が前上方に向かって移動される。これにより、複数の感光ドラム17と搬送ベルト24とが、上下方向に離間される。
【0162】
そうすると、左右両側の突出部77が、第2ガイド面47から第1ガイド面46に到達し、ドラム側基準軸38の左右方向両端部が、基準軸挿通溝45の傾斜部49から第1水平部48に到達する。
【0163】
続いて、ドラムフレーム16をさらに前方に向かって引き出すと、
図6および
図7に示すように、左右両側の突出部77が対応する第1ガイド面46にガイドされ、ドラムフレーム16が、前後方向に沿って、スライド移動される。そうすると、ドラムフレーム16は、
図7に示すように、本体ケーシング2外まで引き出され、引出位置に配置される。
【0164】
以上により、ドラムフレーム16の装着位置から引出位置への引き出しが完了する。
【0165】
ドラムフレーム16が引出位置に配置された状態において、レバー57は、その後端部とドラムフレーム16の右側の側板36との接触が解除され、その後端部がばね59の付勢力によりドラムフレーム16の移動軌跡内に進出する第2位置に配置される。
【0166】
このとき、シャッタ72は、
図10(b)に示すように、連結部58を介して、ばね59の付勢力により左方に向かって付勢されており、清掃部73がセンサ69と対向接触する非検知位置に配置される。なお、ドラムフレーム16は、引出位置からさらに前方に向かって引き出されることにより、本体ケーシング2から離脱する離脱位置に配置される。
【0167】
(2)本体ケーシングに対するドラムフレームの装着動作
ドラムフレーム16を本体ケーシング2に装着するには、上記した引出動作と逆の手順に操作する。
【0168】
具体的には、フロントカバー6を開放位置に配置させた後、
図2および
図7に示すように、各ドラム側レール部37の突出部77と、対応する案内部44とが前後方向に対向するように、ドラムフレーム16を本体ケーシング2の開口部5に対して前側に配置する。
【0169】
そして、開口部5を介して、ドラムフレーム16を本体ケーシング2に前側から挿入する。そうすると、各突出部77が、対応する案内部44の第1ガイド面46の上面に下側から支持され、第1ガイド面46に案内される。これにより、ドラムフレーム16は、複数の感光ドラム17と搬送ベルト24とが上下方向に僅かな間隔を隔てて対向する状態で、後方に向かってスライド移動される。
【0170】
そうすると、
図6に示すように、突出部77が対応する第2ガイド面47に到達するより先に、ドラムフレーム16の右側の側板36の後端部が、第2位置に配置されているレバー57の右面と当接する。そして、レバー57は、ドラムフレーム16が後方に向かって移動するに従って、ばね59の付勢力に抗して、揺動軸60を支点として、矢印で示す平面視時計回りに回動される。これにより、レバー57は、第2位置から第1位置に向かって回動される。このとき、シャッタ72は、
図10(a)および
図10(b)に示すように、レバー57の回動に連動して、非検知位置から検知位置に向かって、右方に向かって移動される。このとき、清掃部73は、センサ69と摺擦し、センサ69をクリーニングする。つまり、レバー57の第1位置と第2位置との変位に伴って、清掃部73がセンサ69をクリーニングする。
【0171】
一方、右側の側板36の後端部は、
図6に示すように、レバー57および連結部58を介してばね59により左方に向かって押圧される。つまり、押さえ部材55は、少なくとも案内部44の第2ガイド面47よりも前側において、ドラムフレーム16の後端部を押圧するように構成されている。そして、ドラムフレーム16がさらに後方に向かって移動し、右側の側板36の後端部とばね59とが近づくに従って、右側の側板36の後端部に作用するばね59の付勢力が大きくなる。これにより、ドラムフレーム16は、後方に向かって移動されるに従って、徐々に右方に向かって移動される。
【0172】
そして、ドラムフレーム16がさらに後方に向かって移動されると、左右両側の突出部77が、案内部44の第1ガイド面46から第2ガイド面47に到達するとともに、ドラム側基準軸38の左右両端部が、対応する基準軸挿通溝45に挿入され、傾斜部49に到達する。そうすると、左右両側の突出部77が対応する第2ガイド面47に案内されるとともに、ドラム側基準軸38の左右両端部が対応する傾斜部49に案内される。
【0173】
これにより、ドラムフレーム16は、後方に向かうに従って、複数の感光ドラム17が搬送ベルト24と徐々に近接するように、下方に向かって移動される。そして、
図3に示すように、各突出部77が対応する第2ガイド面47の後端部から落下すると、切欠部40が、本体側基準軸67を前側から受け入れ、切欠部40と本体側基準軸67とが係合される。これにより、ドラムフレーム16は、本体ケーシング2に対する前後方向への相対移動が規制され、本体ケーシング2に対して前後方向において位置決めされる。
【0174】
以上により、ドラムフレーム16の引出位置から装着位置への移動が完了する。つまり、引出位置から装着位置に向かう装着方向は、前側から後側に向かう方向である。
【0175】
ドラムフレーム16が装着位置にある状態において、ドラムフレーム16は、
図5に示すように、左側の側板36と第1フレーム42とが接触している。そして、レバー57が、
図4に示すように、右側の側板36における後端部であって、前後方向に投影したときに、複数の感光ドラム17と重なる位置を、左方に向かって押圧している。詳しくは、レバー57が、右側の側板36における後端部であって、前後方向において複数の感光ドラム17のそれぞれの軸線Aを通る仮想線X上を押圧している。
【0176】
また、レバー57が、右側の側板36における後端部であって、前後方向に投影したときに、複数のスコロトロン電極61と、クリーニング電極62との間の部分を、左方に向かって押圧している。
【0177】
また、複数のスコロトロン接点部64が、
図5に示すように、対応する複数のスコロトロン中継電極82と接触し、スコロトロン中継電極82を左方に向かって押圧し、クリーニング接点部66が、クリーニング中継電極83と接触し、クリーニング中継電極83を左方に向かって押圧している。つまり、複数のスコロトロン電極61およびクリーニング電極62のそれぞれが、右側の側板36において、複数の感光ドラム17の近傍に配置される、複数のスコロトロン中継電極82およびクリーニング中継電極83のそれぞれ左方に向かって押圧する。
【0178】
これらにより、装着位置に配置されているドラムフレーム16は、本体ケーシング2に対する左右方向の相対移動が規制され、第1フレーム42を基準として、本体ケーシング2に対して左右方向において位置決めされている。
【0179】
また、スコロトロン電極61は、対応するスコロトロン中継電極82と電気的に接続され、対応するスコロトロン型帯電器18と電気的に接続される。クリーニング電極62は、クリーニング中継電極83と電気的に接続され、図示しない配線を介して、ドラムクリーニングローラ29と電気的に接続される。
【0180】
また、レバー57は、その後端部と右側の側板36の後端部とが接触することにより、第1位置に配置され、シャッタ72は検知位置に配置される。シャッタ72が検知位置にある状態において、
図10(b)に示すように、シャッタ72の開口76とセンサ69とが対向し、搬送ベルト24側から見て、開口76を介してセンサ69が露出される。
【0181】
5.レジストレーション
次に、
図1を参照して、レジストレーションについて説明する。
【0182】
プリンタ1では、上記した画像形成動作における給紙動作の前に、レジストレーションが実行される。レジストレーションでは、まず、複数の感光ドラム17のそれぞれが、搬送ベルト24の表面に直接、レジパッチを転写する。そして、搬送ベルト24の周回移動により、センサ69とレジパッチとが対向すると、センサ69は、
図10(b)に示すように、開口76を介して、レジパッチを検知・検出する。そして、プリンタ1に設けられる図示しないCPUが、センサ69による検出結果に基づいて、各色の位置ずれなどを判断する。
【0183】
一方、レジパッチは、ベルトクリーニングローラ28と対向したときに、ベルトクリーニングローラ28に掻き取られる。これにより、搬送ベルト24が、ベルトクリーナ26によりクリーニングされる。
【0184】
6.作用効果
(1)プリンタ1では、
図5に示すように、レバー57が、装着位置に配置されるドラムフレーム16を左方に向かって押圧するので、装着位置に配置されるドラムフレーム16は、本体ケーシング2に対する左右方向への相対移動が規制される。
【0185】
そのため、ドラムフレーム16に支持される複数の感光ドラム17は、ドラムフレーム16を介して、本体ケーシング2に対する左右方向への相対移動が規制される。
【0186】
また、レバー57は、
図4に示すように、右側の側板36において、前後方向に投影したときに複数の感光ドラム17と重なる部分を押圧するので、レバー57の押圧力は、ドラムフレーム16を介して、複数の感光ドラム17に確実に作用する。
【0187】
その結果、本体ケーシング2に対する複数の感光ドラム17の左右方向への相対移動を規制でき、左右方向において、本体ケーシング2に対する複数の感光ドラム17の位置決め精度の向上を図ることができる。
【0188】
また、レバー57は、ドラムフレーム16が装着位置に配置された状態において、ドラムフレーム16の右側の側板36の後端部を押圧する。そのため、ドラムフレーム16が、
図5〜
図7に示すように、引出位置と装着位置との間を移動するときに、レバー57により押圧されることを抑制できる。その結果、ドラムフレーム16の引出位置と装着位置との円滑な移動を確保することができる。
【0189】
従って、プリンタ1では、ドラムフレーム16の引出位置と装着位置との円滑な移動を確保することができながら、本体ケーシング2に対する複数の感光ドラム17の左右方向における位置決め精度の向上を図ることができる。
【0190】
(2)また、レバー57が、
図4に示すように、右側の側板36において、仮想線Xと重なる位置を押圧するので、レバー57の押圧力が、ドラムフレーム16を介して、複数の感光ドラム17のそれぞれの軸線Aに確実に作用する。
【0191】
そのため、本体ケーシング2に対する複数の感光ドラム17の左右方向への相対移動を確実に抑制でき、左右方向において、本体ケーシング2に対する複数の感光ドラム17の位置決め精度の向上を確実に図ることができる。
【0192】
(3)また、複数のスコロトロン電極61は、
図4および
図5に示すように、右側の側板36において、対応する複数の感光ドラム17のそれぞれの近傍に設けられたスコロトロン中継電極82を、左方に向かって押圧する。また、クリーニング電極62は、右側の側板36において、最も前側に配置される感光ドラム17の近傍に設けられたクリーニング中継電極83を、左方に向かって押圧する。
【0193】
そのため、本体ケーシング2に対するドラムフレーム16の左右方向への相対移動をより一層確実に抑制できる。その結果、左右方向において、本体ケーシング2に対する複数の感光ドラム17の位置決め精度のさらなる向上を図ることができる。
【0194】
(4)また、レバー57が、
図5に示すように、装着位置に配置されるドラムフレーム16を左方に向かって押圧するので、装着位置に配置されるドラムフレーム16は、本体ケーシング2に対する左右方向への相対移動が規制される。そのため、ドラムフレーム16に支持される複数の感光ドラム17は、ドラムフレーム16を介して、本体ケーシング2に対する左右方向への相対移動が規制される。
【0195】
また、レバー57が、
図4に示すように、装着位置に配置されるドラムフレーム16の右側の側板36の後端部を押圧するので、ドラムフレーム16が、引出位置と装着位置との間を移動しているときに、レバー57により押圧されることを抑制できる。
【0196】
そのため、ドラムフレーム16の引出位置と装着位置との円滑な移動を確保することができながら、本体ケーシング2に対する複数の感光ドラム17の左右方向における位置決め精度の向上を図ることができる。
【0197】
また、本体ケーシング2の右側の側壁41には、電極部材56としてスコロトロン電極61とクリーニング電極62とが設けられているので、ドラムフレーム16が装着位置に配置された状態において、ドラムフレーム16に、スコロトロン電極61とクリーニング電極62とを介して、図示しない電源基板からの電力を供給することができる。
【0198】
そして、レバー57は、装着位置に配置された状態のドラムフレーム16の右側の側板36において、前後方向に投影したときに、複数のスコロトロン電極61と、クリーニング電極62との間を押圧するので、スコロトロン電極61、クリーニング電極62およびレバー57の効率的な配置を確保することができる。
【0199】
そのため、ドラムフレーム16が装着位置に配置された状態において、ドラムフレーム16に電力を供給することができながら、スコロトロン電極61、クリーニング電極62およびレバー57の効率的な配置を確保することができる。
【0200】
(5)また、金属から形成される第1フレーム42が、
図5に示すように、装着位置に配置されるドラムフレーム16に対して、左側に配置されている。そのため、装着位置に配置されるドラムフレーム16は、レバー57により、第1フレーム42に向かって押圧される。
【0201】
その結果、装着位置に配置されるドラムフレーム16を、第2フレームと比較して剛性の高い第1フレーム42と接触させることができ、第1フレーム42を基準として位置決めすることができる。
【0202】
従って、左右方向において、本体ケーシング2に対するドラムフレーム16の位置決め精度の向上を図ることができ、ひいては、本体ケーシング2に対する複数の感光ドラム17の位置決め精度のさらなる向上を図ることができる。
【0203】
(6)また、プリンタ1は、
図1に示すように、搬送ベルト24を備えているので、複数の感光ドラム17の表面に、複数色のそれぞれに対応するトナーを担持させることにより、複数の感光ドラム17のそれぞれから、搬送ベルト24により搬送される用紙Sに、カラー画像を転写することができる。
【0204】
(7)また、案内部44が、
図5〜
図7に示すように、ドラムフレーム16の引出位置から装着位置へ向かう移動を案内するので、ドラムフレーム16の引出位置から装着位置への円滑な移動を確保することができる。
【0205】
また、案内部44が第2ガイド面47を備えているので、ドラムフレーム16が引出位置から装着位置へ向かって移動するときに、突出部77が第2ガイド面47の前端部に到達するまでは、複数の感光ドラム17と搬送ベルト24の上面とを十分に離間させることができ、複数の感光ドラム17と搬送ベルト24とが摺擦することを抑制できる。
【0206】
一方、ドラムフレーム16が第2ガイド面47の前端部に到達すると、ドラムフレーム16の突出部77が第2ガイド面47に案内され、複数の感光ドラム17と搬送ベルト24とが対向接触される。そのため、ドラムフレーム16が装着位置に配置された状態において、複数の感光ドラム17と搬送ベルト24とを対向接触させることができる。
【0207】
その結果、ドラムフレーム16の移動時において、複数の感光ドラム17と搬送ベルト24とが摺擦することを抑制できながら、ドラムフレーム16が装着位置に配置された状態において、複数の感光ドラム17と搬送ベルトとを対向接触させることができる。
【0208】
また、レバー57は、少なくとも第2ガイド面47よりも前側において、ドラムフレーム16を押圧するので、突出部77が第2ガイド面47に到達する前に、レバー57による押圧が開始される。
【0209】
そのため、ドラムフレーム16は、後方に向かって移動されるとともに、レバー57により、左方に向かって押圧される。これにより、ドラムフレーム16を、後方に向かって移動させるに従って、左方に向かって徐々に移動させることができる。
【0210】
その結果、ドラムフレーム16を、左方に向かって安定して移動させることができる。
【0211】
(8)また、このプリンタ1では、
図9に示すように、複数の感光ドラム17から搬送ベルト24上に転写されるトナーを、センサ69に検知・検出させることができるので、画像形成動作時において、トナー像が、搬送ベルト24に搬送される用紙Sに、確実に転写されるか否かをチェックすることができる。とりわけ、プリンタ1は、センサ69による検出結果に基づいて、各色の位置ずれなどを判断することができる。
【0212】
また、ドラムフレーム16を引出位置と装着位置とに移動させて、レバー57を第1位置と第2位置とに変位させることにより、清掃部73にセンサ69を清掃させることができる。
【0213】
そのため、ドラムフレーム16を引出位置と装着位置とに移動させることにより、清掃部材70を別途操作する必要なく、清掃部73にセンサを清掃させることができる。
【0214】
その結果、センサ69の清掃作業の円滑化を図ることができながら、センサ69の検知精度が低下することを抑制できる。
【0215】
(9)また、押さえ部材55が、
図3に示すように、レバー57と連結部58とばね59とを備えているので、レバー57の後端部は、連結部58を介して、ばね59により左方に向かって付勢される。
【0216】
そのため、
図7に示すように、レバー57の後端部を、常には、ドラムフレーム16の移動軌跡内に進出するように配置でき、レバー57を、常には、第2位置に配置することができる。
【0217】
そして、
図3および
図5に示すように、レバー57は、ドラムフレーム16が装着位置に配置された状態において、レバー57の後端部が右側の側板36の後端部と接触することにより、ドラムフレーム16の移動軌跡から退避する第1位置に配置される。その結果、レバー57を、常には、第2位置に配置することができながら、レバー57を第1位置と第2位置とに確実に回動させることができる。
【0218】
また、清掃部材70は、
図10(a)および
図10(b)に示すように、連結部58の下端部と連結されるシャッタ72と、シャッタ72に設けられ、センサ69を清掃するように構成される清掃部73とを備えているので、レバー57の第1位置と第2位置との移動と、シャッタ72の検知位置と非検知位置との移動とを確実に連動させることができる。つまり、ドラムフレーム16の引出位置と装着位置との移動と、シャッタ72の検知位置と非検知位置との移動とを確実に連動させることができる。
【0219】
さらに、清掃部73は、シャッタ72が検知位置と非検知位置とに移動することにより、センサ69を清掃するので、ドラムフレーム16を引出位置と装着位置とに移動させることにより、シャッタ72を検知位置と非検知位置とに移動させることができながら、清掃部73にセンサ69を清掃させることができる。
【0220】
7.変形例
上記したプリンタ1は、本発明の画像形成装置の一実施形態であり、本発明は上記した実施形態に限定されない。
【0221】
上記したプリンタ1では、ドラムフレーム16が感光ドラム17を支持し、現像カートリッジ15がドラムフレーム16に着脱可能に装着されている。
【0222】
これに対して、感光ドラム17を支持するドラムカートリッジが、ドラムフレーム16に着脱可能に装着されていてもよい。また、現像カートリッジ15とドラムカートリッジとを一体的に備えるプロセスカートリッジが、ドラムフレーム16に着脱可能に装着されていてもよい。これらによっても、感光ドラム17は、ドラムフレーム16に支持される。
【0223】
また、上記したプリンタ1は、ベルト部材の一例として、用紙Sを搬送するための搬送ベルト24を備えるダイレクトタンデム型カラープリンタとして構成されるが、例えば、ベルト部材の一例として、感光ドラム17のトナー像が一次転写され、そのトナー像を用紙Sに二次転写する中間転写ベルトを備える中間転写型カラープリンタとして構成することもできる。
【0224】
また、上記したプリンタ1では、第1フレーム42が金属から形成され、第2フレーム43が樹脂から形成されるが、第1フレーム42および第2フレーム43のそれぞれを、ともに金属から形成することもできる。
【0225】
また、上記したプリンタ1では、レバー57と連結部58とが相対移動可能に接触し、揺動軸60が第2フレーム43に回転可能に支持されるが、レバー57の後端部が連結部58に対して相対回転可能に連結され、レバー57の前端部が、前後方向にスライド移動可能かつ相対回転可能に、第2フレーム43に支持されていてもよい。
【0226】
また、上記したプリンタ1では、押さえ部材55のレバー57が、第1位置に配置された状態において、装着位置に配置されるドラムフレーム16と接触し、ドラムフレーム16を押圧する。
【0227】
これに対して、押さえ部材55が、レバー57の移動に連動するその他の部材をさらに備え、レバー57が第1位置に配置された状態において、その他の部材が、装着位置に配置されるドラムフレーム16と接触するように構成することもできる。この場合、レバー57は、その他の部材を介して、装着位置に配置されるドラムフレーム16を押圧する。