(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
メイクアップ化粧料や紫外線防止化粧料は、肌を美しく見せ、外界の刺激から肌を保護する効果を有し、現代社会の生活においては欠かせないものとなっている。しかし、これらの化粧料は油性成分や無機顔料を多量に含んでいるため、皮膚の毛穴を塞ぎ、新陳代謝を妨げ、また化粧料自体が徐々に酸化されるため、長時間の使用は肌トラブルの原因となる場合がある。このため、1日1回はクレンジング料を用いてこれらの化粧料を除去する必要がある。
【0003】
従来より、化粧落とし用のクレンジング料としては、流動パラフィン、スクワランや植物油等の液状油が主として配合されており、これらは非イオン性界面活性剤により油性成分が乳化、または可溶化されている。また、市販されているクレンジング料の剤型は様々であり、クリーム状、ジェル状、液状などがある。この中で、クリーム状のクレンジング料はクレンジングクリームと呼ばれており、油剤を主剤とし、W/O型もしくはO/W型のエマルションのものがある。W/O型エマルションの場合、連続相が油相であるため、クレンジング効果に優れているものの、洗い流し性が悪い。O/W型エマルションの場合、連続相が水相であるため、クレンジング効果が不十分であり、メイク汚れが肌に残留し、洗い流し時にべたつきがある。一方、高内相のO/W型エマルションの場合、マッサージ中に連続相が水相から油相へと転相してクレンジング効果が向上し、更に洗い流し時には連続相が油相から水相へと再転相するため、W/O型エマルションと比較して洗い流し性が良好である。高内相のO/W型エマルションでは、各配合成分の配合量を調節することで経時安定性を維持しつつ、マッサージ中の転相を速めてメイクアップ化粧料との馴染みをいかに向上させるかが開発の課題となる。また、洗い流し時の乳化粒子サイズを小さくすることにより、使用後のべたつきをいかに低減させるかも開発の課題である。
【0004】
界面活性剤や油剤等の種類や配合量を調整することで、メイクアップ化粧料との馴染みが良好であり、メイクアップ化粧料を効果的に除去するとともに、べたつきがなく洗い流せるクレンジングクリームの開発が試みられてきた。例えば、特許文献1においてポリオキシアルキレン硬化ヒマシ油やポリオキシアルキレングリセリル脂肪酸エステル等の界面活性剤と水溶性高分子と油性成分と水を含有することを特徴とする乳化組成物が開示されている。特許文献2では、特定のポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリンモノ脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステルを含有することを特徴とする乳化組成物が開示されている。
【0005】
しかしながらメイクアップ化粧料との馴染みが良好であり、メイクアップ化粧料を効果的に除去するとともに、べたつきがなく洗い流せるクレンジングクリームは得られておらず、そのようなクレンジングクリームが望まれていた。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明のクレンジングクリームは、(A)グリセリンモノ脂肪酸エステル、(B)HLB11以上のポリオキシエチレン付加型非イオン性界面活性剤、(C)25℃で液体状の油、(D)25℃で固体状であり、炭素数が12〜22の1価アルコール、(E)ソルビトール、および(F)水を含む。以下、各成分について説明する。
【0012】
〔(A)グリセリンモノ脂肪酸エステル〕
本発明で使用されるグリセリンモノ脂肪酸エステルは、グリセリンと脂肪酸とのモノエステルである。グリセリンモノ脂肪酸エステルは、脂肪酸とグリセリンのエステル化反応、または油脂および脂肪酸エステルとグリセリンとのエステル交換反応によって得られる。反応によって得られたものを反応モノグリセライド、これを蒸留して得られたものを蒸留モノグリセライドと分類されるが、本発明のグリセリンモノ脂肪酸エステルの種類は、特に製法に制限されるものではない。
【0013】
本発明で使用されるグリセリンモノ脂肪酸エステルの原料となる脂肪酸としては、炭素数10〜22の脂肪酸が挙げられ、特に炭素数12〜18の脂肪酸が好ましい。本発明で使用されるグリセリンモノ脂肪酸エステルは、具体的には、グリセリンモノラウリン酸エステル、グリセリンモノミリスチン酸エステル、グリセリンモノパルミチン酸エステル、グリセリンモノステアリン酸エステル等が挙げられ、特にグリセリンモノステアリン酸エステルが好ましい。グリセリンモノ脂肪酸エステルは単独または2種以上を組み合わせて使用することができ、組成物(クレンジングクリーム)全体量に対して、1〜4質量%、特に2〜3質量%含有することが好ましい。1質量%より少ない場合には経時安定性を保つことができず、4質量%を越える場合は洗い流し時にべたつきがある。
【0014】
〔(B)HLB11以上のポリオキシエチレン付加型非イオン性界面活性剤〕
本発明で使用されるポリオキシエチレン付加型非イオン性界面活性剤としては、例えば、1価アルコール、脂肪酸、または多価アルコール脂肪酸エステル(例えば、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ソルビトール脂肪酸エステル)にエチレンオキシドを付加して得られる、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン多価アルコール脂肪酸エステル(例えば、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル)が挙げられる。さらに、エチレンオキシドに加えて、プロピレンオキシドを付加したもの(例えば、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル)も含む。
【0015】
本発明で使用されるポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテルの原料となる1価アルコールとしては、直鎖または分岐の1価アルコールであってもよく、例えば、炭素数12〜26の1価アルコールが挙げられ、特に炭素数14〜24の1価アルコールが好ましい。例えば、ラウリルアルコール、ステアリルアルコール、オクチルドデシルアルコール、デシルテトラデシルアルコール等が挙げられ、好ましくはオクチルドデシルアルコール、デシルテトラデシルアルコールである。本発明で使用されるポリオキシエチレンアルキルエーテルにおけるエチレンオキシド付加モル数は8〜30が好ましい。また、本発明で使用されるポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテルにおけるエチレンオキシド付加モル数は8〜30が好ましく、プロピレンオキシドの付加モル数は1〜10が好ましい。
【0016】
本発明で使用されるポリオキシエチレン脂肪酸エステルの原料となる脂肪酸としては、炭素数12〜20の脂肪酸が挙げられ、特に炭素数14〜18の脂肪酸が好ましい。例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸が挙げられ、好ましくはステアリン酸である。本発明で使用されるポリオキシエチレン脂肪酸エステルにおけるエチレンオキシド付加モル数は8〜30が好ましい。
【0017】
本発明で使用されるポリオキシエチレン多価アルコール脂肪酸エステルの原料となる多価アルコール脂肪酸エステルとしては、例えば、グリセリンモノラウリン酸エステル、グリセリンモノステアリン酸エステル、グリセリンモノオレイン酸エステル等のグリセリン脂肪酸エステル(脂肪酸の炭素数は12〜18が好ましい)、ソルビタンモノラウリン酸エステル、ソルビタンモノステアリン酸エステル、ソルビタンモノオレイン酸エステル等のソルビタン脂肪酸エステル(脂肪酸の炭素数は12〜18が好ましい)、ソルビトールトリイソステアリン酸エステル、ソルビトールテトライソステアリン酸エステル、ソルビトールテトラオレイン酸エステル等のソルビトール脂肪酸エステル(脂肪酸の炭素数は12〜18が好ましい)が挙げられ、好ましくはソルビタンモノステアリン酸エステルである。本発明で使用されるポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステルにおけるエチレンオキシド付加モル数は10〜40が好ましい。本発明で使用されるポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルにおけるエチレンオキシド付加モル数は10〜40が好ましい。本発明で使用されるポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステルにおけるエチレンオキシド付加モル数は10〜60が好ましい。
【0018】
本発明で使用されるHLB11以上のポリオキシエチレン付加型非イオン性界面活性剤としては、具体的には、ポリオキシエチレン(25モル)オクチルドデシルエーテル、ポリオキシエチレン(15モル)ステアリルエーテル、ポリオキシエチレン(20モル)デシルテトラデシルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン(20モル)ポリオキシプロピレン(8モル)セチルエーテル、ポリオキシエチレン(25モル)ポリオキシプロピレン(4モル)セチルエーテル、ポリオキシエチレン(20モル)ポリオキシプロピレン(6モル)デシルテトラデシルエーテル等のポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン(30モル)ステアリン酸エステル、ポリオキシエチレン(20モル)ミリスチン酸エステル、ポリオキシエチレン(14モル)イソステアリン酸エステル等のポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン(20モル)ソルビタンモノステアリン酸エステル、ポリオキシエチレン(20モル)ソルビタンモノオレイン酸エステル、ポリオキシエチレン(10モル)ソルビタンモノラウリン酸エステル等のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン(15モル)グリセリンモノイソステアリン酸エステル、ポリオキシエチレン(12モル)グリセリンモノラウリン酸エステル、ポリオキシエチレン(20モル)グリセリンモノオレイン酸エステル等のポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル等が挙げられる。
【0019】
本発明で使用されるポリオキシエチレン付加型非イオン性界面活性剤のHLBは、11以上のものである。本発明で使用されるポリオキシエチレン付加型非イオン性界面活性剤のHLBは、通常18以下のものである。なお、HLBはGriffinが提案した下記の算定法を採用した。
(1)1価アルコールにエチレンオキシドを付加した非イオン性界面活性剤の場合
HLB=E/5
E:界面活性剤分子中に含まれるポリオキシエチレン部分の質量%
(2)脂肪酸もしくは多価アルコール脂肪酸エステルにエチレンオキシドを付加した非イオン性界面活性剤の場合
HLB=20(1−S/A)
S:非イオン界面活性剤のケン化価(S.V.)
A:原料脂肪酸の酸化(A.V.)
【0020】
ポリオキシエチレン付加型非イオン性界面活性剤は単独または2種以上を組み合わせて使用することができ、組成物(クレンジングクリーム)全体量に対して、2〜8質量%、特に3〜6質量%含有することが好ましい。2質量%より少ない場合には洗い流し時にべたつきがあり、8質量%を越える場合は経時安定性を保つことができない。
【0021】
(A)と(B)の質量比は(A)/(B)=1/4〜1/1が好ましく、特に1/3〜1/2であることが好ましい。1/4より小さい場合には経時安定性を保つことができない場合があり、1/1より大きい場合には洗い流し時にべたつきがある場合がある。
【0022】
〔(C)25℃で液体状の油〕
本発明で用いられる25℃で液体状の油としては、化粧品、医薬品などに通常用いられる液体状の油を用いることができる。これらの液体状の油は、不揮発性油と揮発性油から選ばれる。不揮発性油としては炭化水素油(例えば、水添ポリイソブテン(好ましくは37.8℃における動粘度が3〜25mm
2/sの水添ポリイソブテン))、エステル油(例えば、パルミチン酸エチルヘキシル、イソノナン酸イソノニル)、トリグリセライド等が挙げられ、特に経時安定性を維持し、クレンジング効果を高めるために水添ポリイソブテンが好ましく、市販品としてはパールリームEX(商品名:日油株式会社製)が挙げられる。揮発性油としては、低分子量炭化水素油(例えば、イソブテン三量体)、低分子量シリコーン油(例えば、デカメチルシクロペンタシロキサン)等が挙げられ、特にメイクアップ化粧料との馴染みを向上させ、クレンジング効果を高めるためにイソブテンの三量体が好ましく、市販品としてはパールリーム3(商品名:日油株式会社製)が挙げられる。
【0023】
25℃で液体状の油は単独または2種以上を組み合わせて使用することができ、25℃で液体状の油は不揮発性油から1種以上、揮発性油から1種以上を選択して組み合わせて使用することが好ましく、組成物(クレンジングクリーム)全体量に対して、45〜65質量%、特に50〜60質量%含有することが好ましい。45質量%より少ない場合にはクレンジング効果が低く、65質量%を越える場合は洗い流し時にべたつきがある。不揮発性油と揮発性油とを組み合わせて使用する場合、不揮発性油と揮発性油との質量比は(不揮発性油)/(揮発性油)=3/2〜10/1が好ましく、2/1〜5/1が特に好ましい。
【0024】
〔(D)25℃で固体状であり、炭素数が12〜22の1価アルコール〕
本発明で用いられる炭素数が12〜22であり、25℃で固体状の1価アルコールは、分岐や不飽和結合を有していない1価アルコールであって、具体的には、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、パルミチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール等が挙げられ、特に経時安定性を維持する上でパルミチルアルコール、ステアリルアルコールが好ましい。25℃で固体状の1価アルコールは単独または2種以上を組み合わせて使用することができ、組成物(クレンジングクリーム)全体量に対して、0.5〜5質量%、特に1〜3質量%含有することが好ましい。0.5質量%より少ない場合には経時安定性を保つことができず、5質量%を越える場合は洗い流し時にべたつきがある。
【0025】
〔(E)ソルビトール〕
ソルビトールはグルコースを還元し、アルデヒド基をヒドロキシル基に変換して得られる白色無臭の6価アルコールである。本発明のクレンジングクリームを調製する際、ソルビトールの70%水溶液を配合しても良い。
【0026】
〔(F)水〕
本発明のクレンジングクリームは、上記(A)〜(E)の各成分の他に成分(F)として水を含有する。経時安定性を保つために水を一定量以上配合する必要があるが、配合量が多すぎる場合には転相が遅くなり、メイクアップ化粧料との馴染みが悪くなる。
【0027】
(F)の配合量は経時安定性に大きく影響を与えるが、(F)の配合量が少ない場合、(E)を配合することで経時安定性を維持することができる。すなわち、経時安定性を保つためには、(E)と(F)の合計配合量を一定量以上にする必要がある。
【0028】
(E)と(F)の合計含有量は30〜45質量%であり、特に35〜40質量%であることが好ましい。30質量%より少ない場合には経時安定性を保つことができず、45質量%を越える場合はメイクアップ化粧料との馴染みが悪くなる。
【0029】
また、(E)と(F)の質量比は(E)/(F)=2/3〜2/1であり、特に1/1〜3/2であることが好ましい。2/3より小さい場合には洗い流し時にべたつきがあり、2/1より大きい場合には経時安定性を保つことができない。
【0030】
本発明のクレンジングクリームは、上記の有効成分の他に、陰イオン性界面活性剤を配合することができる。陰イオン性界面活性剤を配合することでメイクアップ化粧料との馴染みおよび経時安定性を向上させることができる。本発明で用いられる陰イオン性界面活性剤としては、炭素数が14〜18の直鎖アルキル基またはアシル基を有する陰イオン性界面活性剤が好ましい。具体的には、セチル硫酸Na、ヤシ油脂肪酸メチルタウリンNa、ステアロイルグルタミン酸Na等が挙げられ、好ましくはセチル硫酸Naおよびステアロイルグルタミン酸Naである。陰イオン性界面活性剤は、組成物(クレンジングクリーム)全体量に対して、0.1〜1質量%含有することが好ましい。
【0031】
また、目的に応じて、化粧品に使われる一般的な成分を添加成分として加えることができる。本発明の効果効能を損なわないために、添加成分は組成物(クレンジングクリーム)全体量に対して、10質量%以下でなければならない。
【0032】
本発明のクレンジングクリームを調製する際、例えば、(A)と(B)と(C)と(D)の混合物および、(E)と(F)の混合物を80℃にて加熱混合して均一にした後、両予備混合物を混合する。これを室温付近まで攪拌冷却して乳化状態の組成物(O/W型エマルション)を得ることができる。
【実施例】
【0033】
以下に実施例および比較例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。
【0034】
〔実施例1〜10〕
各成分を表1に示す質量部で配合した実施例1〜10のクレンジングクリームを下記方法で調製した。また、各クレンジングクリームについて下記評価方法により評価を行った。結果を表1に示す。
【0035】
<調製>
(A)と(B)と(C)と(D)の混合物(油相)および、(E)と(F)の混合物(水相)を80℃にて加熱混合して均一にした後、攪拌しながら油相に水相を少量ずつ添加し、全量添加後にホモミキサーを使用して混合攪拌した。これを室温付近まで攪拌冷却して乳化状態の組成物を得た。水添ポリイソブテンは、パールリームEX(商品名:日油株式会社製)を使用した。イソブテン三量体は、パールリーム3(商品名:日油株式会社製)を使用した。
<評価方法>
(1)安定性
45℃条件下で1ヶ月静置保存した後の状態を確認し、下記のように安定性を判定した。
○:分離がみられなかった。
×:分離がみられた。
【0036】
(2)メイクアップ化粧料との馴染みの評価
メイクをした20名の女性をパネラーとし、クレンジングクリームを使用した時のメイクアップ化粧料との馴染みについて下記のように判定した。
2点:メイクアップ化粧料と馴染むのが速いと感じた場合。
1点:メイクアップ化粧料と馴染むまでにやや時間がかかると感じた場合。
0点:メイクアップ化粧料と馴染むのが明らかに遅いと感じた場合。
20名の合計点を求めて、下記の基準で評価して表1中に表示した。
◎:合計点が35点以上、かつ、0点の評価をしたパネラーがいない。
○:合計点が30点以上35点未満、または、合計点が35点以上かつ0点の評価をしたパネラーが1人または2人である。
△:合計点が20点以上30点未満である。
×:合計点が20点未満である。
【0037】
(3)クレンジング効果の評価
メイクをした20名の女性をパネラーとし、クレンジングクリームを使用した時の汚れ落ちについて下記のように判定した。
2点:十分メイクの汚れが落ちたと感じた場合。
1点:ややメイクの汚れが落ちたと感じた場合。
0点:明らかにメイク汚れの落ちが悪いと感じた場合。
20名の合計点を求めて、下記の基準で評価して表1中に表示した。
◎:合計点が35点以上かつ0点の評価をしたパネラーがいない。
○:合計点が30点以上35点未満かつ0点の評価をしたパネラーがいない。
△:合計点が20点以上30点未満、または、合計点が30点以上かつ0点の評価をしたパネラーがいる。
×:合計点が20点未満である。
【0038】
(4)べたつきのなさの評価
メイクをした20名の女性をパネラーとし、クレンジングクリームを使用した後のべたつきについて下記のように判定した。
2点:使用後にべたつきがないと感じた場合。
1点:使用後にややべたつきがあると感じた場合。
0点:使用後に明らかにべたつきがあると感じた場合。
20名の合計点を求めて、下記の基準で評価して表1中に表示した。
◎:合計点が35点以上、かつ、0点の評価をしたパネラーがいない。
○:合計点が30点以上35点未満、または、合計点が35点以上かつ0点の評価をしたパネラーが1人または2人である。
△:合計点が20点以上30点未満である。
×:合計点が20点未満である。
【0039】
(5)転相するまでに必要なマッサージ回数の評価
メイクをした20名の女性をパネラーとし、クレンジングクリームを使用した時に、転相するまでに必要なマッサージ回数について平均の回数を算出した。
【0040】
(6)洗い流し時の乳化粒子サイズの評価
メイクをした20名の女性を対象に、クレンジングクリームを使用して水で洗い流し時の乳化粒子サイズについて顕微鏡で確認し、平均の乳化粒子サイズを算出した。
【0041】
【表1】
【0042】
〔比較例1〜10〕
各成分を表2に示す質量部で配合した比較例1〜10のクレンジングクリームを調製した。また、各クレンジングクリームについて、実施例1〜10と同様の上記評価方法により評価を行った。結果を表2に示す。
【0043】
【表2】
【0044】
表1から明らかなように、実施例1〜10の本発明のクレンジングクリームは、クレンジング効果に優れ、メイクアップ化粧料との馴染み、べたつきのなさ、および安定性が良好であった。
比較例1のクレンジングクリームは、(A)成分の配合量が多いため、ややべたつきがあり、比較例2のクレンジングクリームは、(B)成分の配合量が多いため、安定性が不良であった。比較例3のクレンジングクリームは、(C)成分の代わりに25℃で固体状の油を配合しているため、べたつきがあり、比較例4のクレンジングクリームは、(C)成分の配合量が少ないため、クレンジング効果が不充分であり、(E)成分と(F)成分の合計配合量が多いため、メイクアップ化粧料との馴染みが不良であった。比較例5のクレンジングクリームは、(C)成分の配合量が多いため、べたつきがあり、比較例6のクレンジングクリームは、(D)成分の配合量が多いため、べたつきがあった。比較例7のクレンジングクリームは、(D)成分を配合していないため、安定性が不良であり、比較例8のクレンジングクリームは、(E)成分と(F)成分の合計配合量が少ないため、安定性が不良であった。比較例9のクレンジングクリームは、(E)/(F)の値が小さいため、ややべたつきがあり、比較例10のクレンジングクリームは、(E)成分と(F)成分の合計配合量が多いため、メイクアップ化粧料との馴染みが不良であった。