(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。
【0012】
(実施形態1)
図1は、本発明が適用されたナビゲーションシステム100の概略的な構成の一例を示すブロック図である。
図1に示すナビゲーションシステム100は、ナビゲーション装置1及び交通情報センタ3を含んでいる。
【0013】
交通情報センタ3は、地上に定置された基地局であって、サーバから構成されている。なお、交通情報センタ3は、1つのサーバからなるものであってもよいし、複数のサーバからなっているものであってもよい。交通情報センタ3は、その基本機能として、交通量の度合い等の交通情報をナビゲーション装置1に配信する。
【0014】
交通量の度合いの情報は、単位時間あたりの道路区間の通行台数の情報であってもよいし、通常・混雑・渋滞といった複数段階に段階分けされた交通量の指標の情報であってもよい。本実施形態では、交通量の度合いの情報は、交通量の度合いの低い順から通常、混雑、渋滞の3段階で示される交通量の指標の情報である場合を例に挙げて以降の説明を行う。なお、「通常」は交通量の度合いが第1の閾値未満であり、「混雑」は交通量の度合いが第1の閾値以上であって、且つ、第1の閾値よりも大きい第2の閾値未満であり、「渋滞」は、交通量の度合いが第2の閾値以上であるものとする。
【0015】
また、交通情報センタ3は、交通情報源から交通情報を取得することで、最新の交通情報への更新を行う。なお、交通情報センタ3と交通情報源との間は通信システムを介して情報通信可能に接続されているものとする。交通情報源には、他の交通情報センタ、及び複数の車両に搭載された交通情報端末機を含むことができる。交通情報端末機は、それが搭載された車両の現在位置、速度、加減速度、走行軌跡などの車両の走行状況を示すプローブ情報を提供する。
【0016】
交通情報センタ3は、複数の車両に搭載された交通情報端末機から得られた各車両の走行状況をもとに、道路上の赤信号で止まりやすい区間(以下、停滞区間)を特定し、この停滞区間の情報を交通情報としてナビゲーション装置1に配信する構成としてもよい。一例としては、車両の速度と走行軌跡とから、信号機が設置された隣接する交差点で連続して停車する車両数が多い区間を停滞区間として特定し、配信する構成とすればよい。
【0017】
ナビゲーション装置1は、車両で用いられるものであって、ナビゲーション機能を備えている。ナビゲーション装置1としては、車載のものであってもよいし、車両に持ち込み可能な携帯端末であってもよい。以下では、ナビゲーション装置1が用いられる車両を自車両と呼ぶ。
【0018】
ここで、ナビゲーション装置1の概略的な構成について説明を行う。
図1に示すようにナビゲーション装置1は、位置検出器11、地図データベース(DB)16、外部メモリ17、表示装置18、音声出力装置19、操作スイッチ群20、リモートコントロール端末(以下リモコン)21、リモコンセンサ22、通信機23、及び制御装置24を備えている。
【0019】
位置検出器11は、いずれも周知の地磁気センサ12、ジャイロスコープ13、走行距離を算出するための車速(距離)センサ14、及び衛星からの電波に基づいて自装置の位置を検出するGPS(Global Positioning System)のためのGPS受信機15を有しており、自車両の現在位置(以下、車両位置)を逐次検出する。例えば、車両位置は、緯度・経度で表される座標であるものとする。
【0020】
これらは、各々が性質の異なる誤差を持っているため、複数のセンサにより各々補完しながら使用するように構成されている。なお、各センサの精度によっては位置検出器11を上述した内の一部で構成しても良い。
【0021】
地
図DB16は、道路地図のデータ、各種施設のPOI(Points Of Interest)のデータ等が記憶されている。なお、地
図DB16が請求項のデータ記憶手段に相当する。道路地図のデータは、ノードデータ及びリンクデータからなる道路データ、地形等を示す背景データ、地名等を表示するための文字データなどからなる。POIのデータは、施設の名称や住所、位置、属性を示すデータ等である。POIのデータが請求項の施設データに相当する。
【0022】
リンクデータは、リンクを特定する固有番号(リンクID)、リンクの長さを示すリンク長、リンクの形状情報、セグメントの長さを示すセグメント長、リンクの始端および終端ノード座標(緯度・経度)、道路名称、道路種別、道路幅員、車線数、右折・左折専用車線の有無とその専用車線の数、および速度規制値等の各データから構成される。
【0023】
一方、ノードデータは、地図上のノード毎に固有の番号を付したノードID、ノード座標、ノード名称、ノードに接続するリンクのリンクIDが記述される接続リンクID、および交差点種類等の各データから構成される。
【0024】
POIの位置のデータは、例えば緯度・経度で表される座標とする。また、POIの属性のデータは、POIの種別や性質を表すデータとする。POIの種別の一例としては、店舗については、レストラン、カフェ、居酒屋、コンビニ、ドラッグストア等が挙げられる。また、店舗以外の施設としては、コインパーキングや病院等が挙げられる。POIの性質の一例としては、施設が建物の何階に位置するかの所属階数の情報等が挙げられる。なお、同一の施設が複数階にわたって位置する場合には、地上1階に最も近い階数をその施設の所属階数とする構成とすればよい。他にもPOIのデータとして、施設が接するリンクIDの情報も含む構成とすることが好ましい。
【0025】
地
図DB16のデータは、図示しない通信I/Fを通じてインターネット等のネットワークから制御装置24がダウンロードする構成としてもよいし、予め格納している構成としてもよい。地
図DB16としては、例えばCD−ROM、DVD−ROM、メモリカード、HDD等の記憶媒体を用いる構成としてもよい。
【0026】
外部メモリ17は、書き込み可能なHDD等の大容量記憶装置である。外部メモリ17には大量のデータや電源をオフしても消去してはいけないデータを記憶したり、頻繁に使用するデータを地
図DB16からコピーして利用したりする等の用途がある。なお、外部メモリ17は、比較的記憶容量の小さいリムーバブルなメモリであってもよい。
【0027】
表示装置18は、例えばフルカラー表示が可能なものであり、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、プラズマディスプレイ等を用いて構成することができる。また、音声出力装置19は、スピーカ等から構成され、制御装置24の指示に基づいて案内音声等を出力する。
【0028】
操作スイッチ群20は、例えば表示装置18と一体になったタッチスイッチ若しくはメカニカルなスイッチ等が用いられ、スイッチ操作により制御装置24へ各種機能の操作指示を行う。
【0029】
リモコン21には複数の操作スイッチ(図示せず)が設けられ、スイッチ操作によりリモコンセンサ22を介して各種指令信号を制御装置24に入力することにより、操作スイッチ群20と同じ機能を制御装置24に対して実行させることが可能である。
【0030】
通信機23は、基地局やネットワークを介して交通情報センタ3との間で通信を行う。通信機23は、例えば車両に搭載されるDCM(data communication module)等のテレマティクス通信に用いられる車載通信モジュールを通じて交通情報センタ3との通信を行う構成とすればよい。他にも、通信機23は、交通情報センタ3との通信を、DSRC通信用モジュールを通じて行う構成としてもよいし、Bluetooth(登録商標)等で接続した携帯端末を通じて行う構成としてもよい。
【0031】
制御装置24は、CPU、ROM、RAM、バックアップRAM等よりなるマイクロコンピュータを主体として構成される。そして、制御装置24は、位置検出器11、地
図DB16、外部メモリ17、操作スイッチ群20、リモコンセンサ22、通信機23から入力された各種情報に基づき、ナビゲーション機能としての処理を実行する。
【0032】
ここで、
図2のフローチャートを用いて、制御装置24での経路案内に関連する処理(以下、経路案内関連処理)についての説明を行う。
図2のフローチャートは、例えばイグニッション電源やアクセサリ電源がオンになってナビゲーション装置1の電源がオンになったときに開始される構成とすればよい。
【0033】
まず、ステップS1では、ユーザからの目的地を設定する入力を受け付けたか否かを判定する。例えば、操作スイッチ群20やリモコン21を介して目的地を設定する入力が行われた場合に、目的地を設定する入力を受け付けたと判定する構成とすればよい。
【0034】
そして、目的地を設定する入力を受け付けたと判定した場合(ステップS1でYES)には、ステップS5に移る。一方、目的地を設定する入力を受け付けていないと判定した場合(ステップS1でNO)には、ステップS2に移る。
【0035】
ステップS2では、ユーザからの目的を設定する入力を受け付けたか否かを判定する。例えば、操作スイッチ群20やリモコン21を介して目的を設定する入力が行われた場合に、目的地を設定する入力を受け付けたと判定する構成とすればよい。ここで言うところの目的とは、ドライブの目的であって、例えば「飲食」、「娯楽」、「買い物」等がある。
【0036】
そして、目的を設定する入力を受け付けたと判定した場合(ステップS2でYES)には、ステップS3に移る。一方、目的を設定する入力を受け付けていないと判定した場合(ステップS2でNO)には、ステップS1に戻ってフローを繰り返す。
【0037】
ステップS3では、第1推奨施設検索処理を行って、ステップS4に移る。第1推奨施設検索処理では、設定された目的に応じた種別の施設(以下、該当施設)から、ユーザの嗜好に基づいて定まる推奨施設を検索する。よって、このステップS3の処理が請求項の推奨施設検索手段に相当する。
【0038】
設定された目的に応じた種別については、制御装置24の不揮発性メモリや外部メモリ17に格納してあるものとする。設定された目的に応じた種別の一例としては、目的が「飲食」ならば、レストラン、カフェ、居酒屋等とすればよい。また、目的が「娯楽」ならば、アミューズメントストア、ビリヤード場、美術館等とすればよい。さらに、目的が「買い物」ならば、雑貨屋、服屋、酒屋、花屋等とすればよい。種別は、レストランが洋食、和食、イタリアン等に細分化されるように、上述したものよりもさらに細分化されていてもよい。
【0039】
また、第1推奨施設検索処理では、前述の該当施設のうちから、ユーザの嗜好に合う施設を抽出する。ユーザの嗜好に合う推奨施設の推定は、ユーザの行動履歴やホームページやブログの閲覧履歴から行う構成とすればよい。
【0040】
一例としては、自車両が駐車した地点を特定し、地
図DB16の道路地図データ及びPOIのデータをもとに、自車両が駐車した地点に最も近い施設をユーザが訪問した施設と特定しておく。そして、ユーザが訪問したと特定された回数が所定数を越えた施設と同じ種別の施設を、ユーザの嗜好に合う推奨施設と推定する。
【0041】
他の例としては、ユーザがナビゲーション装置1を介してホームページやブログの閲覧を行った場合に、検索に用いられたテキストやホームページやブログのテキストから、施設種別に関するキーワードを抽出して記憶しておく。施設種別に関するキーワードは、制御装置24の不揮発性メモリに記憶しておく構成としてもよいし、外部メモリ17に記憶しておく構成としてもよい。そして、施設種別に関するキーワードが抽出された回数が所定数を越えた種別の施設を、ユーザの嗜好に合う推奨施設と推定する。
【0042】
ステップS4では、仮目的地決定処理を行って、ステップS6に移る。仮目的地決定処理では、仮の目的地を設定する。一例としては、第1推奨施設検索処理でユーザの嗜好に最も合うと推定された種別の施設を仮の目的地と設定する構成とすればよい。対象となる施設が複数存在する場合には、その全てを仮の目的地とする構成としてもよいし、そのうちの一部を選択して仮の目的地とする構成としてもよい。対象となる複数の施設の一部を選択して仮の目的地とする場合には、出発地により近い施設を選択する構成としてもよいし、出発地から所定の範囲内において、より遠い施設を選択する構成としてもよい。
【0043】
ステップS5では、第2推奨施設検索処理を行って、ステップS6に移る。第2推奨施設検索処理では、ユーザの嗜好に基づいて定まる推奨施設を検索する。よって、このステップS5の処理も請求項の推奨施設検索手段に相当する。推奨施設の検索の母集団は、例えば、設定された目的地の施設の種別とジャンルが同じ種別の施設に限る構成としてもよいし、所定の種別の施設に限る構成としてもよい。推奨施設の検索の母集団からの、ユーザの嗜好に合う施設の抽出については、第1推奨施設検索処理の場合と同様にして行うものとする。
【0044】
ここで言うところのジャンルは、例えば前述した「飲食」、「娯楽」、「買い物」等のドライブの目的別に分けられている構成とすればよい。また、どの種別がどのジャンルに属するのかについての情報は、制御装置24の不揮発性メモリや外部メモリ17に記憶しておく構成とすればよい。さらに、ここで言うところの所定の種別の施設とは、例えば前述した「飲食」、「娯楽」、「買い物」の各目的に応じた全種別の施設であってもよいし、コインパーキングや病院等の娯楽に関係のない施設の種別を除く全種別の施設であってもよい。
【0045】
ステップS6では、リンクコスト決定処理を行って、ステップS7に移る。リンクコスト決定処理では、所定の範囲内のリンク(以下、対象リンク)について、リンクコストを決定する。より詳しくは、推奨施設の立地をもとに、車両のユーザ(つまり、乗員)の目に留まりやすい推奨施設(以下、発見容易推奨施設)を推定し、この発見容易推奨施設に面する対象リンクのリンクコストを下げるようにリンクコストを決定する。よって、このステップS6の処理が請求項の発見容易推奨施設推定手段及びコスト決定手段に相当する。
【0046】
対象リンクについては、出発地から目的地・仮の目的地までの経路として後述の経路探索処理で選択され得る全リンクを対象リンクとする構成としてもよいし、出発地から目的地・仮の目的地までのメッシュに含まれる全リンクを対象リンクとする構成としてもよいし、目的地・仮の目的地を含む出発地から所定距離内の全リンクを対象リンクとする構成としてもよい。
【0047】
なお、自車両の現在位置を出発地とする構成としてもよいし、自車両の現在位置以外を出発地とする構成としてもよい。また、メッシュとは、電子地図を縮尺に応じて一定面積ごとに区切った情報単位である。本実施形態では、出発地から目的地・仮の目的地までのメッシュに含まれる全リンクを対象リンクとする場合には、同じ縮尺におけるメッシュのみを対象とする。
【0048】
ここで、
図3のフローチャートを用いて、リンクコスト決定処理の概略について説明を行う。リンクコスト決定処理は、全対象リンクについて、1つずつ行うものとする。また、
図3のフローチャートの説明で述べる推奨施設は、第1推奨施設検索処理が行われた場合には、第1推奨施設検索処理で抽出した推奨施設、第2推奨施設検索処理が行われた場合には、第2推奨施設検索処理で抽出した推奨施設である。
【0049】
まず、ステップS61では、対象リンクに推奨施設が面する場合(ステップS61でYES)には、ステップS62に移る。一方、対象リンクに推奨施設が面しない場合(ステップS61でNO)には、ステップS78に移る。対象リンクに推奨施設が面するとは、対象リンクの道路に推奨施設の敷地が接する位置関係にあることであり、POIのデータのうちの施設が接するリンクIDの情報を利用して、制御装置24で判別できるものとする。なお、対象リンクの形状情報、始端および終端ノード座標と推奨施設の座標とから判別する構成としてもよい。
【0050】
ステップS62では、交差点の角に推奨施設が存在する場合(ステップS62でYES)には、ステップS63に移る。一方、交差点の角に推奨施設が存在しない場合(ステップS62でNO)には、ステップS64に移る。一例としては、POIのデータのうちの施設が接するリンクIDの情報として、同一の交差点のノードに接続する複数のリンクのリンクIDの情報を推奨施設が有していた場合に、交差点の角に推奨施設が存在すると判別する構成とすればよい。
【0051】
ステップS63では、対象リンクのリンクコストを下げて、ステップS64に移る。対象リンクのリンクコストとしては、デフォルトの値が設定されているものとし、このデフォルトの値から所定の正の値を減算するものとする。なお、所定の1より小さい正の係数をデフォルトの値に積算することでリンクコストを下げる構成としてもよい。
【0052】
交差点では車両が停車する可能性が高い。また、停車中の車両のユーザは周囲に目を配りやすくなる。よって、交差点の角に推奨施設が存在する場合には、この推奨施設が車両のユーザの目に留まる可能性が高い。従って、以上の構成によれば、車両のユーザの目に留まる可能性が高い推奨施設が面する対象リンクのリンクコストを下げて、この対象リンクが後述の経路探索において経路として採用される可能性を高めることができる。
【0053】
ステップS64では、混雑路に推奨施設が面する場合(ステップS64でYES)には、ステップS65に移る。一方、混雑路に推奨施設が面しない場合(ステップS64でNO)には、ステップS66に移る。一例としては、対象リンクについての交通量の度合いの情報が「混雑」であった場合に、混雑路に推奨施設が面すると判別する構成とすればよい。交通量の度合いの情報については、通信機23を介して交通情報センタ3から制御装置24が取得するものとする。よって、制御装置24が請求項の交通量取得手段に相当する。
【0054】
ステップS65では、対象リンクのリンクコストを下げて、ステップS68に移る。一例として、対象リンクのリンクコストから所定の正の値を減算することでリンクコストを下げる構成としてもよいし、所定の1より小さい正の係数を積算することでリンクコストを下げる構成としてもよい。
【0055】
混雑路では車両が停車したり低速走行になったりする可能性が高い。また、停車中や低速走行中の車両のユーザは周囲に目を配りやすくなる。よって、混雑路に推奨施設が面する場合には、この推奨施設が車両のユーザの目に留まる可能性が高い。従って、以上の構成によっても、車両のユーザの目に留まる可能性が高い推奨施設が面する対象リンクのリンクコストを下げて、この対象リンクが後述の経路探索において経路として採用される可能性を高めることができる。
【0056】
ステップS66では、渋滞路に推奨施設が面する場合(ステップS66でYES)には、ステップS67に移る。一方、混雑路に推奨施設が面しない場合(ステップS66でNO)には、ステップS68に移る。一例としては、対象リンクについての交通量の度合いの情報が「渋滞」であった場合に、渋滞路に推奨施設が面すると判別する構成とすればよい。
【0057】
ステップS67では、対象リンクのリンクコストを上げて、ステップS68に移る。一例として、対象リンクのリンクコストに所定の正の値を加算することでリンクコストを上げる構成としてもよいし、所定の1より大きい係数を積算することでリンクコストを上げる構成としてもよい。
【0058】
これによれば、混雑路に比べて交通量が多く、推奨施設が車両のユーザの目に留まる可能性が高くなる利点よりも、通行が困難となる欠点の方が勝る可能性の高い渋滞路のリンクコストを上げて、この渋滞路が後述の経路探索において経路として採用されなくなる可能性を高めることができる。
【0059】
ステップS68では、速度規制値が所定値以下の道路に推奨施設が面する場合(ステップS68でYES)には、ステップS69に移る。一方、速度規制値が所定値以下の道路に推奨施設が面しない場合(ステップS68でNO)には、ステップS70に移る。一例としては、対象リンクのリンクデータのうちの速度規制値が所定値以下であった場合に、速度規制値が所定値以下の道路に推奨施設が面すると判別する構成とすればよい。ここで言うところの所定値は、低めの値であることが好ましく、例えば30km/hとすればよい。
【0060】
ステップS69では、ステップS35と同様にして対象リンクのリンクコストを下げ、ステップS70に移る。速度規制値が低めの道路では、車両のユーザは周囲に目を配りやすくなる。よって、速度規制値が所定値以下の道路に推奨施設が面する場合には、この推奨施設が車両のユーザの目に留まる可能性が高い。従って、以上の構成によっても、車両のユーザの目に留まる可能性が高い推奨施設が面する対象リンクのリンクコストを下げて、この対象リンクが後述の経路探索において経路として採用される可能性を高めることができる。
【0061】
ステップS70では、赤信号で止まりやすい区間の道路に推奨施設が面する場合(ステップS70でYES)には、ステップS71に移る。一方、信号で止まりやすい区間の道路に推奨施設が面しない場合(ステップS70でNO)には、ステップS72に移る。一例としては、対象リンクが前述の停滞区間に該当する場合に、赤信号で止まりやすい区間の道路に推奨施設が面すると判別する構成とすればよい。停滞区間の情報については、通信機23を介して交通情報センタ3から制御装置24が取得するものとする。よって、制御装置24が請求項の停滞区間取得手段に相当する。
【0062】
ステップS71では、ステップS65と同様にして対象リンクのリンクコストを下げ、ステップS72に移る。赤信号で止まりやすい区間の道路では、車両が停車する可能性が高い。また、停車中の車両のユーザは周囲に目を配りやすくなる。よって、赤信号で止まりやすい区間の道路に推奨施設が面する場合には、この推奨施設が車両のユーザの目に留まる可能性が高い。従って、以上の構成によっても、車両のユーザの目に留まる可能性が高い推奨施設が面する対象リンクのリンクコストを下げて、この対象リンクが後述の経路探索において経路として採用される可能性を高めることができる。
【0063】
ステップS72では、所定階数以下の地上階に推奨施設が存在する場合(ステップS72でYES)には、ステップS73に移る。一方、所定階数より上の地上階や地階に推奨施設が存在する場合(ステップS72でNO)には、ステップS74に移る。一例としては、該当する推奨施設についてのPOIのデータのうちの所属階数の情報から、所定階数以下の地上階に推奨施設が存在するか否かを判別する構成とすればよい。ここで言うとことの所定階数は、例えば2階とすればよい。
【0064】
ステップS73では、ステップS65と同様にして対象リンクのリンクコストを下げ、ステップS74に移る。地階や高層階に存在する施設は車両のユーザの目に留まりにくいのに対して、1、2階の低層階に存在する施設は車両のユーザの目により留まりやすい。よって、所定階数以下の地上階に推奨施設が存在する場合には、この推奨施設が車両のユーザの目に留まる可能性が高い。従って、以上の構成によれば、車両のユーザの目に留まる可能性が高い推奨施設が面する対象リンクのリンクコストを下げて、この対象リンクが後述の経路探索において経路として採用される可能性を高めることができる。
【0065】
ステップS74では、走行回数が所定回数以下の道路に推奨施設が面する場合(ステップS74でYES)には、ステップS75に移る。一方、走行回数が所定回数以下の道路に推奨施設が面しない場合(ステップS74でNO)には、ステップS76に移る。一例としては、対象リンクの走行回数が所定回数以下の場合に、走行回数が所定回数以下の道路に推奨施設が面すると判別する構成とすればよい。
【0066】
ここで言うところの所定回数は任意に設定可能な値であって、例えば2回とすればよい。対象リンクの走行回数の情報については、自車両の走行履歴として制御装置24の不揮発性メモリや外部メモリ17に記憶してある情報を制御装置24が取得して用いる構成とすればよい。よって、制御装置24が請求項の走行回数取得手段に相当する。
【0067】
ステップS75では、ステップS65と同様にして対象リンクのリンクコストを下げ、ステップS76に移る。これによれば、自車両が走行した経験の少ない対象リンクのリンクコストを下げて、この対象リンクが後述の経路探索において経路として採用される可能性を高めることができる。自車両が走行した経験の少ない道路では、ユーザにとって未知の施設が多いため、嗜好に合致しそうな施設をユーザが実際に目にして発見する機会をさらに増やすことができる。
【0068】
ステップS76では、高規格幹線道路又は高架道路に推奨施設が面する場合(ステップS76でYES)には、ステップS77に移る。一方、高規格幹線道路及び高架道路のいずれにも推奨施設が面しない場合(ステップS76でNO)には、ステップS78に移る。一例としては、対象リンクのリンクデータのうちの道路種別が高規格幹線道路又は高架道路であった場合に、高規格幹線道路又は高架道路に推奨施設が面すると判別する構成とすればよい。
【0069】
ステップS77では、ステップS67と同様にして対象リンクのリンクコストを上げ、ステップS76に移る。これによれば、高規格幹線道路や高架道路といった、推奨施設に立ち寄ることが困難な対象リンクのリンクコストを上げて、この対象リンクが後述の経路探索において経路として採用されなくなる可能性を高めることができる。
【0070】
ステップS78では、全対象リンクについて、リンクコスト決定処理が終了した場合(ステップS78でYES)には、ステップS7に移る。一方、リンクコスト決定処理が終了していない対象リンクが存在する場合(ステップS78でNO)には、リンクコスト決定処理が終了していない対象リンクに対して、ステップS61に戻ってフローを繰り返す。
【0071】
なお、リンクコストを上げ下げする条件として複数のものを
図3のフローチャートにおいて示したが、必ずしもこれに限らない。例えば上述の一部の条件のみを、リンクコストを上げ下げする条件として採用する構成としてもよい。
【0072】
また、本実施形態では、条件に関わらず、リンクコストの上げ幅や下げ幅を一律とする構成を示したが、必ずしもこれに限らない。例えば、条件によってリンクコストの上げ幅や下げ幅を変える構成としてもよい。例えば、車両のユーザの目に留まる可能性が高い条件に相当するほど、リンクコストの下げ幅を大きくする構成とすることが好ましい。
【0073】
さらに、ステップS63、ステップS65、ステップS69、ステップS71、ステップS73、ステップS75において、条件に合致する推奨施設の数が多いほどリンクコストの下げ幅を大きくする構成としてもよいし、条件に合致する推奨施設の数に関わらずリンクコストの下げ幅を一律とする構成としてもよい。
【0074】
図2に戻って、ステップS7では、経路探索処理を行って、ステップS8に移る。このステップS7の処理が請求項の経路探索手段に相当する。経路探索処理では、周知の探索法と同様にして、リンクコストを用いた評価値計算を行って、自動的に推奨経路を探索する。本実施形態では、リンクコスト決定処理で決定したリンクコストを用いて推奨経路を探索する。ここで、本実施形態における評価値計算の一例について簡単に説明する。
【0075】
まず、出発地から目的地・仮の目的地までをカバーするリンクデータを地
図DB16から読み出し、制御装置24のRAM等のメモリに記憶する。そして、その記憶されたリンクデータを用いて、出発地から目的地・仮の目的地までのリンクコストの合計値が最小となる経路を探索し、探索した経路を推奨経路とする。これによれば、発見容易推奨施設を経由地や目的地とする推奨経路が探索されることになる。なお、推奨経路の探索は、距離優先や時間優先等の探索条件も加味して行う構成としてもよい。
【0076】
ステップS8では、経路探索処理で探索した推奨経路の経路案内を行って、ステップS9に移る。このステップS8の処理が請求項の経路案内手段に相当する。一例としては、自車両の車両位置を含む一定の縮尺、一定の範囲の地図に、経路探索処理で探索した推奨経路と、位置検出器11で逐次検出される自車両の車両位置を示すマークを重ね合わせて表示装置18に表示させることで経路案内を行う。さらに、推奨経路に沿って自車両が進むべき方向を案内する音声を音声出力装置19から出力することで経路案内を行う構成としてもよい。
【0077】
また、経路案内を行う際に、発見容易推奨施設が経由地や目的地であることを示す報知を行う構成としてもよい。発見容易推奨施設が経由地や目的地であることを示す報知とは、発見容易推奨施設が経由地や目的地であることが識別可能な態様での報知を意味している。
【0078】
一例としては、発見容易推奨施設が経由地や目的地であることを案内する音声を音声出力装置19から出力することで報知する構成としてもよいし、発見容易推奨施設を他の施設と差別化して表示することで報知する構成としてもよい。差別化した表示の一例としては、発見容易推奨施設に該当する施設のアイコンの大きさを他の施設のアイコンに比して大きくなるように変更したり、色を変更したり、経由地や目的地であることを示すマークを付したりすることが挙げられる。
【0079】
ステップS9では、経路案内が終了した場合(ステップS9でYES)には、フローを終了する。一方、経路案内が終了していない場合(ステップS9でNO)には、ステップS8に戻ってフローを繰り返す。一例としては、目的地・仮の目的地に到達した場合や目的地や目的の再入力が行われた場合やナビゲーション装置1の電源がオフになった場合に、経路案内が終了とする構成とすればよい。
【0080】
実施形態1の構成によれば、自車両のユーザの嗜好に合う推奨施設のうちの発見容易推奨施設を経由地や目的地とする推奨経路の案内をユーザが受けることができるようになる。発見容易推奨施設は、前述したように、自車両のユーザの目に留まりやすいと推定される推奨施設である。よって、発見容易推奨施設を経由地や目的地とする推奨経路の案内をユーザに行うことで、当該推奨経路を走行するユーザが発見容易推奨施設を実際に目にして発見しやすくなる。その結果、ユーザの嗜好に合致しそうな施設をユーザが実際に目にして発見する機会を増やすことが可能になる。
【0081】
また、経路案内を行う際に、発見容易推奨施設が経由地や目的地であることを示す報知を行わない構成(以下、変形例1)としてもよい。一例としては、発見容易推奨施設が経由地や目的地であることを案内する音声を音声出力装置19から出力しない構成や、発見容易推奨施設を他の施設と差別化した表示を行わない構成とすればよい。さらに、発見容易推奨施設のアイコンの表示自体を行わない構成としてもよい。変形例1の構成によれば、発見容易推奨施設が経由地や目的地であることを示す報知をユーザが受ける煩わしさをなくすことができる。
【0082】
さらに、経路案内を行う際に、発見容易推奨施設が経由地や目的地であることを示す報知を行う報知モードと、発見容易推奨施設が経由地や目的地であることを示す報知を行わない非報知モードとを切り替え可能となっている構成(以下、変形例2)としてもよい。変形例2の場合、非報知モードと報知モードとの切り替えを指示するユーザからの操作入力を操作スイッチ群20やリモコン21で受け付け、受け付けた操作入力に応じて非報知モードと報知モードとの切り替えを制御装置24で行う構成とすればよい。よって、操作スイッチ群20及びリモコン21が請求項の操作入力受け付け部に相当する。
【0083】
また、ステップS4の仮目的地決定処理では、仮の目的地として出発地と同じ地点を設定する構成としてもよい。この場合には、経路探索処理において、出発地から所定の範囲内を周遊して出発地に戻る推奨経路を探索する構成とすればよい。一例としては、出発地から所定の範囲内のリンクを用いて、リンク長の合計が第1の所定距離以上、且つ、第1の所定距離より長い第2の所定距離以下となるとともに、リンクコストの合計が最小となる推奨経路を探索する構成とすればよい。
【0084】
(実施形態2)
本発明は前述の実施形態1に限定されるものではなく、次の実施形態2も本発明の技術的範囲に含まれる。以下では、この実施形態2について
図4及び
図5を用いて説明を行う。なお、説明の便宜上、前述の実施形態の説明に用いた図に示した部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0085】
実施形態2のナビゲーションシステム100は、ナビゲーション装置1の制御装置24での経路案内関連処理が異なる点を除けば、実施形態1のナビゲーションシステム100と同様である。
【0086】
ここで、
図4のフローチャートを用いて、実施形態2における制御装置24での経路案内関連処理についての説明を行う。
図4のフローチャートは、例えばイグニッション電源やアクセサリ電源がオンになってナビゲーション装置1の電源がオンになったときに開始される構成とすればよい。
【0087】
まず、ステップS101では、前述のステップS1と同様にして、ユーザからの目的地を設定する入力を受け付けたか否かを判定する。そして、目的地を設定する入力を受け付けたと判定した場合(ステップS101でYES)には、ステップS102に移る。一方、目的地を設定する入力を受け付けていないと判定した場合(ステップS101でNO)には、ステップS101のフローを繰り返す。
【0088】
ステップS102では、距離優先や時間優先等の予め設定された探索条件を満たす推奨経路の候補(以下、候補経路)を、公知の探索方法によって複数抽出し、ステップS103に移る。よって、このステップS102の処理も請求項の経路探索手段に相当する。
【0089】
ステップS103では、前述のステップS5と同様にして第2推奨施設検索処理を行い、ステップS104に移る。よって、このステップS103の処理も請求項の推奨施設検索手段に相当する。推奨施設の検索の母集団は、例えば、ステップS102で抽出した複数の候補経路に面する施設に限る構成とする。
【0090】
ステップS104では、発見容易推奨施設推定処理を行って、ステップS105に移る。発見容易推奨施設推定処理では、推奨施設の立地をもとに、車両のユーザの目に留まりやすい推奨施設(つまり、前述の発見容易推奨施設)を推定し、第2推奨施設検索処理で抽出した推奨施設から発見容易推奨施設を抽出する。よって、このステップS104の処理が請求項の発見容易推奨施設推定手段に相当する。
【0091】
ここで、
図5のフローチャートを用いて、発見容易推奨施設推定処理の概略について説明を行う。まず、ステップS141では、交差点の角に存在する推奨施設を抽出し、ステップS142に移る。一例としては、POIのデータのうちの施設が接するリンクIDの情報として、同一の交差点のノードに接続する複数のリンクのリンクIDの情報を有する推奨施設を抽出する構成とすればよい。
【0092】
ステップS142では、混雑路に面する推奨施設を抽出し、ステップS143に移る。一例としては、前述の交通量の度合いの情報が「混雑」であったリンクに面する推奨施設を抽出する構成とすればよい。
【0093】
ステップS143では、速度規制値が所定値以下の道路に面する推奨施設を抽出し、ステップS144に移る。一例としては、前述の速度規制値が所定値以下であったリンクに面する推奨施設を抽出する構成とすればよい。
【0094】
ステップS144では、赤信号で止まりやすい区間の道路に面する推奨施設を抽出し、ステップS145に移る。一例としては、前述の停滞区間に該当するリンクに面する推奨施設を抽出する構成とすればよい。
【0095】
ステップS145では、所定階数以下の地上階に存在する推奨施設を抽出し、ステップS146に移る。一例としては、前述の所属階数の情報から、所定階数以下の地上階に位置する推奨施設を抽出する構成とすればよい。
【0096】
ステップS146では、走行回数が所定回数以下の道路に面する推奨施設を抽出し、ステップS147に移る。一例としては、前述の走行回数が所定回数以下のリンクに面する推奨施設を抽出する構成とすればよい。
【0097】
ステップS147では、ステップS141〜ステップS146で抽出した推奨施設を発見容易推奨施設と推定し、ステップS105に移る。ステップS105では、経路選択処理を行って、ステップS106に移る。経路選択処理では、候補経路のうちから、ステップS104で抽出した発見容易推奨施設が最も多く面する経路を推奨経路として選択する。つまり、発見容易推奨施設をより多く経由する経路を推奨経路として選択する。よって、このステップS105の処理も請求項の経路探索手段に相当する。
【0098】
ステップS106では、経路選択処理で選択した推奨経路について、ステップS8と同様にして経路案内を行い、ステップS107に移る。このステップS106の処理も請求項の経路案内手段に相当する。また、実施形態2において、前述の変形例1や変形例2の構成を採用してもよい。
【0099】
ステップS107では、経路案内が終了した場合(ステップS107でYES)には、フローを終了する。一方、経路案内が終了していない場合(ステップS107でNO)には、ステップS106に戻ってフローを繰り返す。
【0100】
実施形態2の構成によっても、実施形態1の構成と同様に、自車両のユーザの嗜好に合う推奨施設のうちの発見容易推奨施設を経由地や目的地とする推奨経路の案内をユーザが受けることができるようになる。よって、実施形態1の構成と同様に、ユーザの嗜好に合致しそうな施設をユーザが実際に目にして発見する機会を増やすことが可能になるという効果を奏する。
【0101】
さらに、実施形態2の構成によれば、発見容易推奨施設をより多く経由する経路を推奨経路として選択し、経路案内を行うので、ユーザの嗜好に合致しそうな施設をユーザが実際に目にして発見する機会をさらに増やすことが可能になる。
【0102】
また、本実施形態では、発見容易推奨施設をより多く経由する経路を推奨経路として選択する構成を示したが、必ずしもこれに限らない。例えば、以下のような構成(以下、変形例3)としてもよい。変形例3では、ステップS141〜ステップS146の抽出条件ごとに重み付けを行うことで、各発見容易推奨施設の重みを決定する。そして、候補経路ごとに、経由する発見容易推奨施設の重みの合計値を算出し、発見容易推奨施設の重みの合計値が最も大きい経路を推奨経路として選択する。
【0103】
(実施形態3)
本発明は前述の実施形態1、2に限定されるものではなく、次の実施形態3も本発明の技術的範囲に含まれる。以下では、この実施形態3について
図6及び
図7を用いて説明を行う。なお、説明の便宜上、前述の実施形態の説明に用いた図に示した部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0104】
実施形態3のナビゲーションシステム100aは、経路案内に関連する処理の一部を経路探索センタ4に担わせる点を除けば、実施形態1、2のナビゲーションシステム100と同様である。
【0105】
まず、
図6を用いて、ナビゲーションシステム100aの概略的な構成についての説明を行う。
図6に示すナビゲーションシステム100aは、ナビゲーション装置1a、交通情報センタ3、及び経路探索センタ4を含んでいる。
【0106】
ナビゲーション装置1aは、通信機23a及び制御装置24aの機能が実施形態1、2のナビゲーション装置1の通信機23及び制御装置24と異なる点を除けば、ナビゲーション装置1と同様である。
【0107】
通信機23aは、交通情報センタ3の他にも経路探索センタ4との間でも通信を行う。なお、通信機23aは、交通情報センタ3との間で通信を行う場合と、経路探索センタ4との間で通信を行う場合とで、異なる通信手段を備えていてもよいし、同一の通信手段を備えていてもよい。
【0108】
通信機23aは、制御装置24aの指示に従って、前述の出発地、目的地、ドライブの目的、自車両の走行履歴、ユーザの行動履歴やホームページやブログの閲覧履歴等の各種情報を経路探索センタ4に送信する。なお、出発地としては、自車両の車両位置を用いる構成としてもよい。また、通信機23aは、経路探索センタ4から後述する推奨経路が送信されてきた場合に、これを受信して制御装置24aに入力する。よって、制御装置24aが請求項の推奨経路取得手段に相当する。
【0109】
制御装置24aは、CPU、ROM、RAM、バックアップRAM等よりなるマイクロコンピュータを主体として構成される。そして、制御装置24aは、位置検出器11、地
図DB16、外部メモリ17、操作スイッチ群20、リモコンセンサ22、通信機23aから入力された各種情報に基づき、ナビゲーション機能としての処理を実行する。制御装置24aでは、ナビゲーション機能のうちの経路探索に関する処理を行わず、経路案内に関する処理を行う。詳細については後述する。
【0110】
経路探索センタ4は、サーバ装置から構成されている。なお、経路探索センタ4は、1つのサーバ装置からなるものであってもよいし、複数のサーバ装置からなっているものであってもよい。経路探索センタ4は、携帯電話網やインターネット等の通信網を介してナビゲーション装置1aから送信されてくる各種情報をもとに、推奨経路を探索し、探索した推奨経路をナビゲーション装置1aに返信する。
【0111】
ここで、
図7を用いて経路探索センタ4の概略的な構成について説明を行う。
図7に示すように、経路探索センタ4は、通信部41、収集情報DB42、地
図DB43、及び制御部44を備えている。
【0112】
通信部41は、ナビゲーション装置1aから送信された各種情報を受信し、制御部44に入力する。他にも、通信部41は、基地局やネットワークを介して交通情報センタ3との間で通信を行い、前述の交通情報を交通情報センタ3から取得する。また、通信部41は、制御部44の指示に従って、制御部44で探索した推奨経路の情報を送信する。
【0113】
収集情報DB42には、ナビゲーション装置1aから受信した前述の走行履歴、行動履歴、閲覧履歴や交通情報センタ3から取得した交通情報が、制御部44の指示に従って記憶される。地
図DB43には、前述の地
図DB16と同様に、道路地図のデータや各種施設のPOIのデータが記憶されている。
【0114】
制御部44は、CPU、ROM、RAM、バックアップRAM等よりなるマイクロコンピュータを主体として構成される。そして、制御部44は、通信部41、収集情報DB42、地
図DB43から入力された各種情報に基づき、推奨経路の探索に関する処理等の各種処理を実行する。
【0115】
ナビゲーションシステム100aにおいては、経路探索に関する処理は経路探索センタ4が行う。例えば、
図2のフローチャートと同様の処理をナビゲーション装置1aと経路探索センタ4とで行う場合には、ステップS1、S2、S8、S9の処理をナビゲーション装置1aの制御装置24aで行い、ステップS5〜ステップS7の処理を経路探索センタ4の制御部44で行う。また、実施形態3において、前述の変形例1や変形例2の構成を採用してもよい。
【0116】
ここで、目的地を設定する入力をナビゲーション装置1aで受け付けた場合には、制御装置24aが通信機23aを介して、出発地、目的地、自車両の走行履歴、ユーザの行動履歴やホームページやブログの閲覧履歴を経路探索センタ4に送信する。一方、目的を設定する入力をナビゲーション装置1aで受け付けた場合には、制御装置24aが通信機23aを介して、出発地、ドライブの目的、自車両の走行履歴、ユーザの行動履歴やホームページやブログの閲覧履歴を経路探索センタ4に送信する。
【0117】
また、経路探索センタ4の制御部44では、ナビゲーション装置1aから受信した情報、収集情報DB42や地
図DB43の情報を用いて、ステップS5〜ステップS7の処理と同様の処理を行って推奨経路を探索し、探索した推奨経路の情報を、通信部41を介してナビゲーション装置1aに送信する。
【0118】
推奨経路の情報は、推奨経路に含まれるリンク及びノードのIDであってもよいし、経路案内を行うための地図等の描画データも含むものであってもよい。経路案内を行うための地図等の描画データも推奨経路の情報に含ませる構成とする場合には、ナビゲーション装置1aの地
図DB16を省略する構成としてもよい。
【0119】
また、
図4のフローチャートと同様の処理をナビゲーション装置1aと経路探索センタ4とで行う場合には、ステップS101、S106、S107の処理をナビゲーション装置1aの制御装置24aで行い、ステップS102〜ステップS105に処理を経路探索センタ4の制御部44で行う。
【0120】
ここで、目的地を設定する入力をナビゲーション装置1aで受け付けた場合には、制御装置24aが通信機23aを介して、出発地、目的地、自車両の走行履歴、ユーザの行動履歴やホームページやブログの閲覧履歴を経路探索センタ4に送信する。また、経路探索センタ4の制御部44では、ナビゲーション装置1aから受信した情報、収集情報DB42や地
図DB43の情報を用いて、ステップS102〜ステップS105の処理と同様の処理を行って推奨経路を探索し、探索した推奨経路の情報を、通信部41を介してナビゲーション装置1aに送信する。
【0121】
推奨経路の情報としては、推奨経路に含まれるリンク及びノードのIDであってもよいし、経路案内を行うための地図の描画データも含むものであってもよい。経路案内を行うための地図の描画データも推奨経路の情報に含ませる構成とする場合には、ナビゲーション装置1aの地
図DB16を省略する構成としてもよい。
【0122】
よって、経路探索センタ4の制御部44が、請求項の経路探索手段、推奨施設検索手段、発見容易推奨施設推定手段に相当し、ナビゲーション装置1aの制御装置24が、請求項の経路案内手段に相当する。
【0123】
また、走行履歴、行動履歴、閲覧履歴の情報については、出発地、目的地、ドライブの目的の情報とは別に、ナビゲーション装置1aから経路探索センタ4が逐次収集し、収集情報DB42に蓄積しておく構成としてもよい。
【0124】
実施形態3の構成によっても、実施形態1、2の構成と同様に、自車両のユーザの嗜好に合う推奨施設のうちの発見容易推奨施設を経由地や目的地とする推奨経路の案内をユーザが受けることができるようになる。よって、実施形態1、2の構成と同様に、ユーザの嗜好に合致しそうな施設をユーザが実際に目にして発見する機会を増やすことが可能になるという効果を奏する。
【0125】
なお、本発明は、上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。