(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6036315
(24)【登録日】2016年11月11日
(45)【発行日】2016年11月30日
(54)【発明の名称】ロック構造
(51)【国際特許分類】
B60K 1/04 20060101AFI20161121BHJP
H01M 2/10 20060101ALI20161121BHJP
B60L 11/18 20060101ALN20161121BHJP
【FI】
B60K1/04 A
H01M2/10 S
!B60L11/18 Z
【請求項の数】4
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2013-3338(P2013-3338)
(22)【出願日】2013年1月11日
(65)【公開番号】特開2014-133500(P2014-133500A)
(43)【公開日】2014年7月24日
【審査請求日】2015年6月4日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003218
【氏名又は名称】株式会社豊田自動織機
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(72)【発明者】
【氏名】扇谷 一慶
(72)【発明者】
【氏名】深川 敬暢
(72)【発明者】
【氏名】尾島 嘉男
【審査官】
須山 直紀
(56)【参考文献】
【文献】
特開2013−001336(JP,A)
【文献】
特開2009−287181(JP,A)
【文献】
実開昭59−194468(JP,U)
【文献】
実開平04−030674(JP,U)
【文献】
特開平05−039681(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2012/0326107(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60K 1/04
H01M 2/10
B60L 11/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッテリパックを車体に固定するためのロック構造であって、
前記バッテリパック及び前記車体の一方に設置されたストライカ装置と、
前記バッテリパック及び前記車体の他方に設置されたロック装置と、を備え、
前記ストライカ装置は、ストライカとカバーとを有し、
前記ロック装置は、前記ストライカ装置の前記ストライカを進入させるための開口部が形成されたハウジングと、前記ハウジングに収容され、前記開口部から進入した前記ストライカを係止するラッチとを有し、
前記ストライカ装置の前記カバーは、前記ストライカを前記ハウジングの前記開口部から前記ハウジング内に進入させて前記ラッチにより係止したときに、前記ハウジングの開口部を覆うように構成されており、
前記カバーは、ヒンジを介して回動可能とされており、前記ストライカを前記ハウジングの前記開口部から前記ハウジング内に進入させて前記ラッチにより係止するときに、前記ハウジングの外形に倣って回動しながら前記開口部を覆う、
ことを特徴とするロック構造。
【請求項2】
バッテリパックを車体に固定するためのロック構造であって、
前記バッテリパック及び前記車体の一方に設置されたストライカ装置と、
前記バッテリパック及び前記車体の他方に設置されたロック装置と、を備え、
前記ストライカ装置は、ストライカとカバーとを有し、
前記ロック装置は、前記ストライカ装置の前記ストライカを進入させるための開口部が形成されたハウジングと、前記ハウジングに収容され、前記開口部から進入した前記ストライカを係止するラッチとを有し、
前記ストライカ装置の前記カバーは、前記ストライカを前記ハウジングの前記開口部から前記ハウジング内に進入させて前記ラッチにより係止したときに、前記ハウジングの開口部を覆うように構成されており、
前記カバーは弾性部材を備え、該弾性部材により、前記ストライカの係止前には所定位置に支持される、
ことを特徴とするロック構造。
【請求項3】
前記ストライカ装置の前記カバーは、前記ストライカを前記ハウジングの前記開口部から前記ハウジング内に進入させて前記ラッチにより係止するときに、前記ハウジングの外形に倣いながら前記開口部を覆う、ことを特徴とする請求項1又は2に記載のロック構造。
【請求項4】
前記ハウジングの前記開口部は、前記バッテリパックを前記車体に固定するときに鉛直方向上向きに開口するように形成されている、ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のロック構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バッテリユニットを車体に固定するためのロック構造に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、車両用のドアロックが記載されている。特許文献1においては、斜め前方を向く開口外縁面と、車体外側に向く開口内縁面とによって、車体側のドア開口の一部が規定されている。また、ドア閉鎖時において開口外縁面に近接対向するドア外端面と、開口内縁面に近接対向するドア内端面とによって、上述したドア開口に対応するドアの端部が規定されている。
【0003】
特に、特許文献1に記載のドアロックにおいては、車体側の開口外縁面に略U字状のストライカが取り付けられており、ドア側のドア外端面にストライカを係止するためのロック機構が設置されている。このような特許文献1に記載のドアロック構造においては、ドアを閉鎖したときに、車体側のストライカがドア側のロック機構の挿通穴からロック機構内に挿通されて係止される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−287181号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述したような車両用のドアロックにおいては、ドアの閉鎖時において互いに近接対向する面のそれぞれにストライカやロック機構を設置しているため、それらの面の間にシール部材を配置すれば、ロック機構の挿通穴から水や石や泥等の異物がロック機構内に進入することを防止することができる。
【0006】
ところで、現在、例えば電気自動車等の車体に対して、車体下方よりバッテリパックを固定する技術として、上述したようなストライカとロック機構とを利用したロック構造を採用することが検討されている。その場合には、例えば、電気自動車等の車体側にストライカを設置すると共に、バッテリパック側にロック機構を設置することが考えられる。しかしながら、その場合に、ロック機構をバッテリパックの上面に配置し、ストライカを設置する車体床下側の面と近接対向するように配置すると、ストライカとロック機構の為に、車体床下の高さが余分に必要になる。ロック装置をバッテリパックの側面に配置すれば、前記の不具合を回避できるが、ドアロックの場合と異なり、ストライカを設置する車体側の面とロック機構を設置するバッテリパック側の面とが互いに近接対向しないため、上述したようにシール部材を設けることによって異物のロック機構内への進入を防止することが困難となる。
【0007】
本発明は、そのような事情に鑑みてなされたものであり、バッテリパックを車体に固定したときにロック装置内に異物が進入することを防止可能なロック構造を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明に係るロック構造は、バッテリパックを車体に固定するためのロック構造であって、バッテリパック及び車体の一方に設置されたストライカ装置と、バッテリパック及び車体の他方に設置されたロック装置と、を備え、ストライカ装置は、ストライカとカバーとを有し、ロック装置は、ストライカ装置のストライカを進入させるための開口部が形成されたハウジングと、ハウジングに収容され、開口部から進入したストライカを係止するラッチとを有し、ストライカ装置のカバーは、ストライカをハウジングの開口部からハウジング内に進入させてラッチにより係止したときに、ハウジングの開口部を覆うように構成されていることを特徴とする。
【0009】
このロック構造においては、ストライカを有するストライカ装置が、カバーをさらに有している。そして、そのストライカ装置のカバーは、ロック装置のハウジングの開口部からストライカを進入させてラッチにより係止したときに、ハウジングの開口部を覆うように構成されている。したがって、ストライカをラッチにより係止することによりバッテリパックを車体に固定したときに、ハウジングの開口部を介してロック装置内に異物が進入することが防止される。
【0010】
本発明に係るロック構造においては、ストライカ装置のカバーは、ストライカをハウジングの開口部からハウジング内に進入させてラッチにより係止するときに、ハウジングの外形に倣いながら開口部を覆うものとすることができる。この場合、バッテリパックと車体との相対的な位置ずれ(例えば傾斜等)を許容しつつハウジングの開口部を覆うことが可能となる。
【0011】
本発明に係るロック構造においては、カバーは、ヒンジを介して回動可能とされており、ストライカをハウジングの開口部からハウジング内に進入させてラッチにより係止するときに、ハウジングの外形に倣って回動しながら開口部を覆うものとすることができる。この場合、簡単な構成によりバッテリパックと車体との相対的な位置ずれ(例えば傾斜等)を許容して開口部を覆うことが可能となる。
【0012】
本発明に係るロック構造においては、カバーは弾性部材を備え、該弾性部材により、前記ストライカの係止前には所定位置に支持されるものとすることができる。このように、カバーが所定位置に支持されていることによって、意図しないカバーとロック装置との干渉により、バッテリパックの固定が阻害されることが防止される。
【0013】
本発明に係るロック構造においては、ハウジングの開口部は、バッテリパックを車体に固定するときに鉛直方向上向きに開口するように形成されているものとすることができる。このように、開口部が鉛直方向上側に開口している場合には、異物が進入しやすいので、カバーによって開口部を覆うことがより有効となる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、バッテリパックを車体に固定したときにロック装置内に異物が進入することを防止可能なロック構造を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】バッテリパックを車体に搭載する様子を示す模式的な側面図である。
【
図2】本発明に係るロック構造の一実施形態の構成を示す斜視図である。
【
図3】
図2に示されたストライカ装置及びロック装置の構成を示す図である。
【
図4】
図2に示されたカバーが開口部を覆う様子を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明のロック構造の一実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、図面の説明においては、同一の要素同士、或いは、相当する要素同士には互いに同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、各図において、各要素の寸法比率は、実際のものとは異なる場合がある。
【0017】
図1に示されるように、本実施形態に係るロック構造100は、例えば、電気自動車Cに対してバッテリパック10を搭載する場合に用いることができる。電気自動車Cの底部には、バッテリパック10を搭載するための搭載スペースSが設けられている。電気自動車Cは、その搭載スペースSが載置台Aの開口部ARの直上に位置するように、載置台Aに配置されている。
【0018】
また、バッテリパック10は、載置台Aの開口部ARの直下に配置されたバッテリ移載機DのテーブルD1上に配置されている。したがって、バッテリ移載機DのリフトD2によってテーブルD1を上昇させることにより、載置台Aの開口部ARを介して、バッテリパック10を電気自動車Cの搭載スペースSに搭載することができる。
【0019】
図2は、本発明のロック構造の一実施形態の構成を示す斜視図である。
図1,2に示されるように、ロック構造100は、電気自動車Cの車体20に設置されたストライカ装置30と、バッテリパック10に設置されたロック装置40とを備えている。ここで、電気自動車Cの車体20は、例えば、電気自動車Cの前後方向に延びる一対のフレーム21を含む。
【0020】
ストライカ装置30は、フレーム21の側面に二か所ずつ、合計4箇所に設置されている。同様に、ロック装置40は、フレーム21におけるストライカ装置30が設置された箇所に対応するように、バッテリパック10の側面に二か所ずつ、合計4箇所に設置されている。上述したように、バッテリ移載機Dを用いてバッテリパック10を上昇させたときに、車体20(フレーム21)側のストライカ装置30と、バッテリパック10側のロック装置40とが協働して、バッテリパック10を車体20に固定する。
【0021】
図3の(a)は、
図2の(B)の部分的な拡大図であり、
図3の(b)は、
図3の(a)のIII−III線に沿っての模式的な断面図である。なお、
図2及び
図3の(a)においては、後述するカバー32が省略されており、
図3の(b)においては、後述するラッチ42が省略されている。
図2,3に示されるように、ストライカ装置30は、ストライカ31と、カバー32とを有している。
【0022】
ストライカ31は、車体20の上下方向に沿って延びる一対の設置部31aと、設置部31a同士を互いに接続するように車体20の左右方向に沿って延びる係止部31bとによって、略V字状に形成されている。ストライカ31は、例えば鋼材からなる棒状部材を上述したように略V字状に折り曲げることによって形成することができる。ストライカ31は、その設置部31aにおいて、フレーム21を挟持するようにしてフレーム21(車体20)に取り付けられている。
【0023】
カバー32は、例えば正位置において、車体20の上下方向に略直交する板状の第1のカバー部32aと、車体20の左右方向に略直交する板状を呈し、第1のカバー部32aに接続された第2のカバー部32cとによって、断面略L字状の板状に形成されている。第1のカバー部32aと第2のカバー部32cとは、互いに略直交している。
【0024】
このようなカバー32は、第1のカバー部32aと第2のカバー部32cとの接続部分において、ヒンジ33を介してフレーム21に取り付けられている。また、カバー32には弾性部材34が付与されており、カバー32の初期位置(係止前の所定位置)が定められている。つまり、カバー32は弾性部材34を備え、該弾性部材34により、ストライカ31の係止前には所定位置に支持される。したがって、カバー32は、車体20の前後方向(フレーム21の長手方向)に沿った回転軸の周りに、前記初期位置より、回動可能とされている。このようなカバー32は、例えば鋼材からなる板状部材を略L字状に折り曲げることによって形成することができる。また、弾性部材34は、例えばバネ、または合成ゴムからなる。
【0025】
ロック装置40は、ハウジング41と、ラッチ42を含むロック機構とを備えている。ハウジング41は、バッテリパック10の上下方向(車体20の上下方向)に略直交する上壁部41a及び下壁部41bと、バッテリパック10の左右方向(車体20の左右方向)に略直交する側壁部41cと、バッテリパック10の前後方向(車体20の前後方向)に略直交する一対の前後壁部41dとによって、断面略U字状に形成されている。特に、上壁部41aと側壁部41cとは、互いに略直交している。
【0026】
ハウジング41は、前後壁部41dから延設せれたフランジ部において、ボルト等によってバッテリパック10上の補強部材11に取り付けられている。したがって、バッテリパック10側には、ハウジング41の上壁部41a、下壁部41b、及び前後壁部41dと、補強部材11とによって、収容空間SPが画成されている。ハウジング41には、上壁部41aから側壁部41cにわたって延在する開口部41hが形成されている。
【0027】
したがって、上述した収容空間SPは、その開口部41hにおいて解放されている。この開口部41hは、ストライカ装置30のストライカ31をハウジング41内に(ロック装置40内に)進入させるためのものである。特に、開口部41hは、バッテリパック10を車体20に固定する際に、少なくとも鉛直方向上側に開口されている。
【0028】
ラッチ42を含むロック機構は、ハウジング41内に(すなわち、収容空間SPに)収容されている。ラッチ42は、ハウジング41の開口部41hからハウジング41内に進入したストライカ31を係止するためのものである。そのために、ラッチ42は、略C字状を呈しており、ハウジング41の側壁部41cに直交する回転軸に沿って回動可能とされている。
【0029】
ラッチ42は、非係止時においては、そのC字の開放部分42aが上側(すなわち、ハウジング41の上壁部41aにおける開口部41h側)に向いており、ストライカ31が開口部41hから進入してその係止部31bによって下方に押されると、その係止部31bに噛み合うように回動し、ストライカ31を係止する。
【0030】
ここで、ストライカ装置30のカバー32は、バッテリパック10を車体20に固定した状態において、ロック装置40のハウジング41の開口部41hを覆っている。より具体記には、ストライカ装置30のカバー32は、ストライカ装置30のストライカ31をロック装置40のハウジング41の開口部41hからハウジング41内に進入させてラッチ42により係止したときに、ハウジング41の開口部41hを覆うように構成されている。したがって、カバー32(第1のカバー部32a及び第2のカバー部32c)は、ハウジング41の開口部41hの大部分を覆い得る程度の寸法を有している。
【0031】
引き続いて、
図4を参照し、バッテリパック10を車体20に固定する際にストライカ装置30のカバー32がロック装置40のハウジング41の開口部41hを覆う様子について説明する。
図4の(a)に示されるように、まず、バッテリパック10を車体20に固定する際には、バッテリパック10を車体20側に向けて上昇させる(すなわち、ロック装置40をストライカ装置30側に向けて上昇させる)。このときには、ストライカ装置30のカバー32は、ヒンジを介して回動可能とされているため、例えば自重や弾性部材34の弾性力によって上述した正位置から傾斜した安定な状態(初期位置)となっている。
【0032】
続いて、
図4の(b)に示されるように、ロック装置40をストライカ装置30側に向けてさらに上昇させると、ストライカ装置30のストライカ31が、ロック装置40のハウジング41の開口部41hからハウジング41内(すなわち収容空間SP内)に進入する。これにより、初期位置にあるカバー32の第1のカバー部32aと、ハウジング41の上壁部41aとがわずかに接触する。
【0033】
続いて、
図4の(c)に示されるように、ストライカ31をラッチ42により係止すべく、ロック装置40をさらに上昇させてストライカ31をハウジング41内に深く進入させると、カバー32は、第1のカバー部32aと上壁部41aとの接触部分から上向きの力を受けて回動する。そして、第2のカバー部32cがハウジング41の側壁部41cに接触すると、カバー32の回動が停止し、カバー32によってハウジング41の開口部41hが覆われることとなる。すなわち、カバー32は、ストライカ31をハウジング41の開口部41hからハウジング41内に進入させてラッチ42により係止するときに、ハウジング41の外形(上壁部41a及び側壁部41c)に倣って回動しながら(倣いながら)開口部41hを覆う。
【0034】
以上説明したように、本実施形態に係るロック構造100においては、ストライカ31を有するストライカ装置30が、カバー32をさらに有している。そして、そのストライカ装置30のカバー32は、ロック装置40のハウジング41の開口部41hからストライカ31を進入させてラッチ42により係止したときに、ハウジング41の開口部41hを覆うように構成されている。したがって、ストライカ31をラッチ42により係止することによりバッテリパック10を車体20に固定したときに、ハウジング41の開口部41hを介してロック装置40内に異物が進入することが防止される。
【0035】
特に、本実施形態に係るロック構造100においては、ストライカ装置30が車体20側に設置されており、ロック装置40がバッテリパック10側に設置されている。したがって、電気自動車Cの底部の搭載スペースSにバッテリパック10を搭載したときには(すなわち、バッテリパック10を車体20に固定したときには)、ストライカ装置30が上側になり、ロック装置40が下側になる。そして、ロック装置40のハウジング41の開口部41hは、少なくとも鉛直方向上側に開口している。このため、その開口部41hを介して異物がロック装置40内に進入し易いので、その開口部41hをカバー32によって覆うことがより有効である。
【0036】
また、上記実施形態に係るロック構造100においては、カバー32に弾性部材34が付与され、カバー32の初期位置を定めている。これにより、バッテリパック10との着脱時において、カバー32の第2のカバー部32cが、ロック装置40と干渉しない位置に、位置決めすることができる。
【0037】
以上の実施形態は、本発明に係るロック構造の一実施形態を説明したものである。したがって、本発明に係るロック構造は、上述したロック構造100に限定されない。本発明に係るロック構造は、各請求項の要旨を変更しない範囲において、上述したロック構造100を任意に変形したものとすることができる。
【0038】
例えば、上記実施形態に係るロック構造100においては、バッテリパック10側にロック装置40を設置し、車体20側にストライカ装置30を設置したが、例えば、バッテリパック10側にストライカ装置30を設置し、車体20側にロック装置40を設置してもよい。つまり、バッテリパック10及び車体20の一方にストライカ装置30を設置し、他方にロック装置40を設置すればよい。このような場合にも、上述した効果と同様の効果を奏することができる。
【0039】
また、上記実施形態に係るロック構造100においては、比較的硬質のカバー32が回動することによってハウジング41の外形に倣いつつハウジング41の開口部41hを覆う構成としたが、ハウジング41の開口部41hを覆う構成はこれに限定されない。すなわち、カバー32として弾性部材を用いることにより、ハウジング41の開口部41hからストライカ31を進入させてラッチ42により係止するときに、カバー32が弾性変形しつつハウジング41の外形に倣いながら開口部41を覆うように構成してもよい。
【0040】
さらに、上記実施形態に係るロック構造100においては、ストライカ装置30のカバー32を、ヒンジ33を介してフレーム21(車体20)に取り付けるものとしたが、カバー32は、ヒンジ33を介してストライカ31に取り付けてもよい。この場合には、組み付け精度が向上する。
【符号の説明】
【0041】
10…バッテリパック、20…車体、30…ストライカ装置、31…ストライカ、32…カバー、33…ヒンジ、34…弾性部材、40…ロック装置、41…ハウジング、41h…開口部、42…ラッチ、100…ロック構造。