(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
タクト送り作業工程域では、ライン入口に設置した定速送り装置によって最後尾の台車を送り方向へ押出すことで複数の台車をタクト送り走行させ、ライン出口にて無人搬送車と先頭の台車とを係合し、前記無人搬送車が前記台車を所定の供給先へ搬送した後、前記ライン入口にて前記台車と前記無人搬送車との係合を解除する台車搬送システムであって、
前記台車には、台車同士を連結する連結部材を備え、
前記ライン入口にて前記台車同士を前記連結部材によって連結する連結動作と連動して、前記無人搬送車は前記台車との係合を解除すること、
前記ライン入口にて前記台車同士が連結する連結動作を検出する連結検出装置を備え、
前記連結検出装置が出力する連結信号に基づいて、前記無人搬送車と前記台車との係合を解除すること、
前記連結検出装置は、前記連結部材と連動する作動部材と、前記作動部材の動作に基づいて前記連結信号を出力する連結センサとを備えること、
前記作動部材は、前記連結部材が当接又は離間するときに移動して前記連結センサを作動させることを特徴とする台車搬送システム。
タクト送り作業工程域では、ライン入口に設置した定速送り装置によって最後尾の台車を送り方向へ押出すことで複数の台車をタクト送り走行させ、ライン出口にて無人搬送車と先頭の台車とを係合し、前記無人搬送車が前記台車を所定の供給先へ搬送した後、前記ライン入口にて前記台車と前記無人搬送車との係合を解除する台車搬送システムであって、
前記台車には、台車同士を連結する連結部材を備え、
前記ライン入口にて前記台車同士を前記連結部材によって連結する連結動作と連動して、前記無人搬送車は前記台車との係合を解除すること、
前記ライン入口にて前記台車同士が連結する連結動作を検出する連結検出装置を備え、
前記連結検出装置が出力する連結信号に基づいて、前記無人搬送車と前記台車との係合を解除すること、
前記連結検出装置と有線又は無線で接続された前記無人搬送車の遠隔制御装置を備え、
前記遠隔制御装置は、前記連結検出装置が出力する連結開始信号を受信したときに前記無人搬送車にタクト送り速度へ減速する速度変更指令を発信し、前記連結検出装置が出力する連結完了信号を受信したときに前記無人搬送車に前記台車との係合を解除する係合解除指令を発信することを特徴とする台車搬送システム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の無人搬送車の運行制御方法によると、タクト送り作業工程域に複数の工程数を有する場合、各工程に対応する複数の無人搬送車が必要になり、複数の無人搬送車を一定速度で走行させて同期しながらタクト送りを行うことになる。ところが、一般に無人搬送車の走行速度には個体差が大きく、例えば、1〜2m/分程度の極低速で無人搬送車を走行させようとしたとき、安定走行ができず、ラインのタクトと同期できない問題があった。
そのため、
図15に示すような台車搬送システムが開発されている。
図15は、従来の台車搬送システムのタクト送り作業工程域における平面レイアウト図の概略を示す。
【0005】
図15に示す従来の台車搬送システムにおいて、タクト送り作業工程域では、ライン入口(IN)に設置した定速送り装置211によって部品等を搭載する台車Dを送り方向(矢印Vの方向)へ押出すことで定速走行させ、その間にライン作業を行わせる。定速送り装置211によって押出される台車Dは、隣接する前方の台車Dを押しながらガイドレール231に案内されてタクト送り速度で走行する。台車Dは、ライン出口(OUT)で無人搬送車Aと係合して、無人搬送車Aが台車Dを牽引して部品等の供給先(例えば、メインラインの供給工程)へ搬送し、台車Dから部品等を供給した後、空の台車Dを無人搬送車Aによってライン入口(IN)まで返還した上で、ライン入口(IN)にて台車Dと無人搬送車Aとの係合を解除する。ライン出口(OUT)には、台車Dが飛び出さないように、台車Dにブレーキを掛ける飛び出し防止装置221、222が設置されている。また、ライン入口(IN)とライン出口(OUT)には、台車Dと無人搬送車Aとの係合、係合解除を適切に行うための早送り装置201、202が設置されている。
【0006】
しかし、斯かる台車搬送システムには、定速送り装置211以外に、飛び出し防止装置221、222、及び早送り装置201、202が必要となり、設備費用が増加するのみならず、設備の設置スペースが増加する問題があった。特に、路面に埋設したマーカー表示を無人搬送車Aが読取る方式のみでは、台車Dと無人搬送車Aとの係合又は係合解除をタイミング良く制御できないので、早送り装置201、202に駆動力の大きい大型モータを備える必要があり、一層、設備費と設備の設置スペースが増大する問題があった。また、定速送り装置211は、台車Dにブレーキを掛ける飛び出し防止装置221、222に逆らって台車Dを押出すため、消費電力が増大する問題があった。さらに、ライン入口(IN)とライン出口(OUT)に大型の設備を設けるため、ラインの変更、移設等にも多くのコストがかかる問題があった。
【0007】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、簡単な方法で、ライン(タクト送り作業工程域)におけるライン設備を簡素化できる台車搬送システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明に係る台車搬送システムは、次のような構成を有している。
(1)タクト送り作業工程域では、ライン入口に設置した定速送り装置によって最後尾の台車を送り方向へ押出すことで複数の台車をタクト送り走行させ、ライン出口にて無人搬送車と先頭の台車とを係合し、前記無人搬送車が前記台車を所定の供給先へ搬送した後、前記ライン入口にて前記台車と前記無人搬送車との係合を解除する台車搬送システムであって、
前記台車には、台車同士を連結する連結部材を備え、
前記ライン入口にて前記台車同士を前記連結部材によって連結する連結動作と連動して、前記無人搬送車は前記台車との係合を解除することを特徴とする。
【0009】
本発明においては、台車には、台車同士を連結する連結部材を備え、ライン入口にて台車同士を連結部材によって連結する連結動作と連動して、無人搬送車は台車との係合を解除するので、ライン(タクト送り作業工程域)では定速送り装置が複数の台車同士を連結した状態でタクト送り走行させるとともに、ライン以外では無人搬送車が台車を牽引して搬送することができる。そのため、ライン入口に設置した定速送り装置の他に、上述したような飛び出し防止装置や早送り装置を必要とせず、設備費用及び設備の設置スペースが増加する問題が解消される。また、ライン入口とライン出口に大型の設備を設けることもないため、ラインの変更、移設等を簡単に行うことができる。
よって、本発明によれば、台車同士を連結部材で連結する連結動作と連動して、無人搬送車が台車との係合を解除するという簡単な方法で、ライン(タクト送り作業工程域)におけるライン設備を簡素化できる台車搬送システムを提供することができる。
【0010】
(2)(1)に記載された台車搬送システムにおいて、
前記ライン入口にて前記台車同士が連結する連結動作を検出する連結検出装置を備え、前記連結検出装置が出力する連結信号に基づいて、前記無人搬送車と前記台車との係合を解除することを特徴とする。
【0011】
本発明においては、ライン入口にて台車同士が連結する連結動作を検出する連結検出装置を備え、連結検出装置が出力する連結信号に基づいて、無人搬送車と台車との係合を解除するので、無人搬送車が路面に埋設したマーカー表示を読取る方式等に頼ることなく、台車同士の連結動作と無人搬送車と台車との係合解除動作とを、連結検出装置が出力する連結信号によって連動させることができる。
よって、本発明によれば、ライン入口にて台車同士が連結する連結動作を検出する連結検出装置の出力信号を無人搬送車の係合解除動作に活用するという簡単な方法で、ライン(タクト送り作業工程域)におけるライン設備を簡素化できる台車搬送システムを提供することができる。
【0012】
(3)(2)に記載された台車搬送システムにおいて、
前記連結検出装置は、前記連結部材と連動する作動部材と、前記作動部材の動作に基づいて前記連結信号を出力する連結センサとを備えることを特徴とする。
【0013】
本発明においては、連結検出装置は、連結部材と連動する作動部材と、作動部材の動作に基づいて連結信号を出力する連結センサとを備えるので、ライン入口にて台車同士を連結する連結部材における連結動作を、作動部材を介して連結センサに簡単に伝達することができる。そのため、ライン入口に、作動部材と作動部材の動作に基づいて連結信号を出力する連結センサとを設置するだけで、台車同士の連結と台車と無人搬送車との係合解除とを連動させることができる。
したがって、ライン(タクト送り作業工程域)の設備スペースを、より一層コンパクトにすることができる。
【0014】
(4)(3)に記載された台車搬送システムにおいて、
前記作動部材は、前記連結部材が当接又は離間するときに移動して前記連結センサを作動させることを特徴とする。
【0015】
本発明においては、作動部材は、連結部材が当接又は離間するときに移動して連結センサを作動させるので、連結センサは、連結部材が作動部材と当接するときと離間するときに、それぞれ出力信号を出すことができる。そのため、例えば、連結部材が作動部材と当接するときの出力信号を連結開始信号とし、連結部材が作動部材と離間するときの出力信号を連結完了信号とすることができる。
【0016】
したがって、連結部材が作動部材と当接、離間するだけの簡単な方法で、例えば連結センサから連結開始と連結完了とに同期した信号を出力することができる。
なお、作動部材は、平行リンクアームで略水平に支持することによって、連結センサを作動させない待機位置に自重によって移動することができる。作動部材が自重で待機位置に移動することによって、作動部材を待機位置に移動させる駆動源が不要となり、設備のコンパクト化に一層寄与できる。
【0017】
(5)(2)乃至(4)のいずれかに記載された台車搬送システムにおいて、
前記連結検出装置と有線又は無線で接続された前記無人搬送車の遠隔制御装置を備え、前記遠隔制御装置は、前記連結検出装置が出力する連結開始信号を受信したときに前記無人搬送車にタクト送り速度へ減速する速度変更指令を発信し、前記連結検出装置が出力する連結完了信号を受信したときに前記無人搬送車に前記台車との係合を解除する係合解除指令を発信することを特徴とする。
【0018】
本発明においては、連結検出装置と有線又は無線で接続された無人搬送車の遠隔制御装置を備え、遠隔制御装置は、連結検出装置が出力する連結開始信号を受信したときに無人搬送車にタクト送り速度へ減速する速度変更指令を発信するので、台車同士が連結する前に無人搬送車に牽引される台車の搬送速度を通常の搬送速度(例えば、タクト送り速度の5〜10倍程度)からタクト送り速度付近(例えば、タクト送り速度+5〜10%程度)へ減速させることができる。台車の搬送速度をタクト送り速度付近へ減速させるので、台車の速度が定速送り装置のタクト送り速度と同期しやすくなる。台車の速度と定速送り装置のタクト送り速度とが同期しやすいため、定速送り装置の負荷が低減でき、駆動モータを小型化して定速送り装置のコンパクト化が可能となる。
【0019】
また、遠隔制御装置は、連結検出装置が出力する連結完了信号を受信したときに無人搬送車に台車との係合を解除する係合解除指令を発信するので、台車同士が連結完了してから無人搬送車と台車との係合を解除することができる。そのため、台車と無人搬送車が係合状態にあるときに、台車の速度をタクト送り速度に同期させ、タクト送り速度に同期した状態で台車と無人搬送車との係合を解除させることができる。その結果、台車同士の連結動作と台車と無人搬送車との係合解除動作とを、いずれもタクト送り速度に同期した状態で行うことができる。これによって、定速送り装置の能力を上げることなく、タクト送り速度の精度を安定化させることができる。
【0020】
したがって、本発明によれば、遠隔制御装置が連結検出装置からの連結開始信号及び連結完了信号を受信するという簡単な方法で、台車をタクト送り速度で走行させながら台車と無人搬送車との係合解除を可能とし、ライン(タクト送り作業工程域)におけるライン設備を簡素化できる台車搬送システムを提供することができる。
なお、連結検出装置が連結完了信号を出力した後、所定の時間経過後に、遠隔制御装置が無人搬送車に台車との係合解除指令を発信することもできる。この場合、台車同士の連結が確実に完了してから、無人搬送車と台車との係合を解除することができる。これによって、台車同士における連結動作の信頼性も高めることができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、簡単な方法で、ライン(タクト送り作業工程域)におけるライン設備を簡素化できる台車搬送システムを提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0023】
次に、本発明に係る実施形態である台車搬送システムについて、図面を参照して詳細に説明する。はじめに、本実施形態の台車搬送システムの全体構成を説明し、その後、本システムに使用する各装置の構成、台車同士の連結方法、及び台車連結動作と連動した無人搬送車の制御方法について詳述する。
【0024】
<台車搬送システムの全体構成>
まず、本実施形態に係る台車搬送システムの全体構成を、
図1、
図2を用いて説明する。
図1に、本実施形態に係る台車搬送システムの全体図を示す。
図2に、
図1に示す台車搬送システムにおける無人搬送車と台車との係合位置、係合解除位置を表す全体図を示す。
【0025】
図1に示すように、台車搬送システム10には、複数の台車1(1a〜1h)と、台車同士を連結する連結部材2と、ライン(タクト送り作業工程域)における最後尾の台車1aをタクト送り速度で押出す定速送り装置3と、台車同士の連結動作を検出する連結検出装置4と、ライン(タクト送り作業工程域)以外にて台車1を搬送する無人搬送車5(5a〜5c)と、無人搬送車5(5a〜5c)を遠隔操作する遠隔制御装置6とを備えている。連結検出装置4は、遠隔制御装置6と有線又は無線で電気的に接続されている。
【0026】
図1、
図2に示すように、台車搬送システム10は、ライン(タクト送り作業工程域)において複数の台車1(1a〜1f)を連結して送り方向(矢印Vの方向)へタクト送り走行させている。タクト送り走行は、ライン入口(IN)の左右両側に設置した定速送り装置3が最後尾の台車1aをタクト送り速度で押出すことによって行う。タクト送り速度は、例えば1〜2m/分程度であり、無人搬送車5が台車1を牽引して搬送する搬送速度の1/10〜1/20倍程度の速度である。ライン(タクト送り作業工程域)における台車1(1a〜1f)は、各台車の前後端に備える連結部材2によって互いに連結されている。連結する台車の数は、ライン(タクト送り作業工程域)で行う必要な作業工程数によって任意に設定することができる。
【0027】
図1に示すように、ライン(タクト送り作業工程域)で行う必要な作業工程を終了した先頭の台車1gを、ライン出口(OUT)にて無人搬送車5bが係合して所定の供給先(部品等供給工程)へ搬送する。このとき、無人搬送車5bは、タクト送り速度で先頭の台車1gと同期して走行しながら係合する。無人搬送車5bが先頭の台車1gと係合した後、先頭の台車1gと隣接する後の台車1fとの連結が解除される。先頭の台車1gと隣接する後の台車1fとの連結が解除された後、無人搬送車5bは、先頭の台車1gを牽引して所定の供給先(部品等供給工程)へ搬送する。このとき、無人搬送車5bは、タクト送り速度から上述した搬送速度に速度変更して搬送する。先に走行する無人搬送車5cは、台車1hを牽引して所定の供給先(部品等供給工程)へ搬送した後、ライン入口(IN)に設けた所定の待機位置まで帰還する。ライン(タクト送り作業工程域)においては、先頭の台車1gが発進した後は、隣接する後の台車1fが先頭の台車となる。
【0028】
図2に示すように、定速送り装置3が最後尾の台車1aをタクト送り速度で前方へ押出した後、待機位置に待機する無人搬送車5cは、台車1hを牽引してライン入口(IN)に進入する。ライン入口(IN)にて、帰還した台車1hと最後尾の台車1aとを連結部材2によって互いに連結する。台車1a、1h同士の連結動作に連動して、台車1hと無人搬送車5cとの係合を解除する。係合を解除した無人搬送車5cは、ライン内の所定の位置(例えば、次のステージ)で一時待機し、ライン出口(OUT)にて無人搬送車5aが先頭の台車1fを係合して発進してから、ライン出口(OUT)まで移動する。ライン出口(OUT)まで移動した無人搬送車5cは、ライン出口(OUT)にて次に来る先頭の台車1eを係合して所定の供給先(部品等供給工程)へ搬送する。
【0029】
ライン入口(IN)には、台車同士の連結動作を検出する連結検出装置4が設置されている。連結検出装置4は、台車同士の連結動作に基づく連結信号を出力する。連結信号は、無人搬送車5の遠隔制御装置6に有線又は無線で送信される。連結検出装置4から連結信号を受信した遠隔制御装置6は、無人搬送車5に台車1との係合解除に関する指示を発信する。遠隔制御装置6から係合解除に関する指示を受信した無人搬送車5は、速度変更、台車係合ピンの下降などの必要な動作を遠隔操作で行う。
【0030】
<台車搬送システムを構成する各装置の構成>
次に、本台車搬送システム10に使用する各装置の構成について説明する。
図3に、
図1に示す台車の斜視図を示す。
図4に、
図1に示す台車の側面図を示す。
図5に、
図1に示す定速送り装置の斜視図を示す。
図6に、
図1に示す定速送り装置の側面図を示す。
図7に、
図1に示す台車の連結部材及び連結検出装置の上面図(連結完了状態)を示す。
図8に、
図1に示す無人搬送車の側面図を示す。
【0031】
(台車及び台車の連結部材)
まず、台車1及び台車の連結部材2について、
図3、
図4を用いて説明する。
図3、
図4に示すように、台車1は、所定の断面形状で押出し成形されたフレーム部材(例えば、アルミ製)111〜114を接合して構成した矩形状の台車本体11を有し、その下端前後左右に4つのキャスター17を配置して構成されている。台車本体11の前端中央付近には、係合孔151が形成された板状体15が、水平状に固定されている。係合孔151は、後述する無人搬送車5の係合ピン52が挿入される孔である。台車本体11下端中央には、進入する無人搬送車5を案内するガイド部材18が対向して固定されている。また、台車本体11下端側方には、台車走行レール7(
図9参照)に摺接するガイドローラ部材16が固定されている。
【0032】
また、台車本体11の前端及び後端における右側方下端には、台車同士を連結する連結部材2(21、22)が締結されている。
連結部材2は、可動体21と固定体22とを備え、可動体21は台車本体11の前端側に軸支され、固定体22は台車本体11の後端側に固定されている。
可動体21は、台車本体11に固定された軸部214から、後下方へ略矩形状に形成された本体部211と、前上方へ鉤型に突出して形成された係止部212とを有している。本体部211の後方下端には、案内ローラ213が軸支されている。
【0033】
また、固定体22は、上下方向に形成された係止壁221とその後方で下端から上後方へ傾斜して形成された傾斜壁222とを有している。係止壁221には、可動体21の係止部212が係合する。係止部212が係止壁221と係合した状態で、台車同士は連結される。なお、本体部211の質量は係止部212の質量より重いので、本体部211の自重によって、係止部212が上方へ回動して固定体22と係合し、その係合状態を維持することができる。
また、傾斜壁222は、可動体21の係止部212が当接したとき、係止部212を下方に回動させる案内面である。可動体21の係止部212が軸部214を中心に下方へ回動するとき、本体部211の後方下端に軸支された案内ローラ213は上方へ回動する。案内ローラ213は、本体部211から台車1の右外方に向けて突設されている。
【0034】
(定速送り装置)
次に、定速送り装置3について、
図5、
図6を用いて説明する。
図5、
図6に示すように、定速送り装置3は、本体フレーム部31と、駆動部32と、従動部33と、押圧部34とを備えている。
本体フレーム部31は、床面に沿って前後左右方向に延設された基台部312と基台部312から上方に立設された上体部311から構成されている。上体部311にて、駆動部32、従動部33、押圧部34を支持している。
【0035】
駆動部32は、上面視で頭部と脚部で逆T字状に形成された駆動フレーム体321と、駆動フレーム体321の頭部前端に軸支された駆動輪322と、脚部先端に固定された減速機324付き駆動モータ323と、駆動輪322と減速機324とを連結する連結具325とを有している。駆動フレーム体321は、前後方向中央付近で軸部320を介して本体フレーム部31の上体部311に軸支されている。駆動輪322は、台車1のフレーム部材111と当接しながら矢印Sの方向に回動して台車1をタクト走行させる。駆動モータ323は、台車1を低速(例えば、1〜2m/分程度)で安定走行させるためインバータ制御されている。
【0036】
従動部33は、上面視でI字状に形成された従動フレーム体331と、従動フレーム体331の前端に軸支された従動輪332とを有している。従動フレーム体331は、前後方向中央付近で軸部330を介して本体フレーム部31の上体部311に軸支されている。従動輪332は、駆動輪322と上下方向で対向する位置に配置されている。従動輪332は、駆動輪322が台車1のフレーム部材111と当接しながら回動して台車1をタクト走行させるとき、矢印T方向へ追従して回動する。
【0037】
押圧部34は、前後方向に延伸されたシリンダ体341と、シリンダ体341前端を支持する支持体342と、シリンダ体341中央に外装された弾性体(例えば、圧縮ばね体)343と、シリンダ体341後端と連結ピン345で回動可能に連結された上下2つの作動腕344とを有している。上方の作動腕344は、駆動フレーム体321の後下端に軸支されている。下方の作動腕344は、従動フレーム体331の後上端に軸支されている。上下の作動腕344は、シリンダ体341中央に外装された弾性体(例えば、圧縮ばね体)343の付勢力によって、駆動フレーム体321の後下端を上方へ押圧し、従動フレーム体331の後上端を下方へ押圧している。これによって、駆動輪322と従動輪332とが、台車1のフレーム部材111を上下から押圧しながら回動することができる。その結果、駆動輪322は、台車1のフレーム部材111と摩擦接触しながら回動する。
【0038】
(連結検出装置)
次に、連結検出装置4について、
図5〜
図7を用いて説明する。
図5、
図6に示すように、連結検出装置4は、定速送り装置3の上体部311に固定されている。連結検出装置4の設置場所は、従動輪332と略同じ高さで、従動輪332の後方に隣接した位置である。
連結検出装置4には、平行リンク機構で作動する作動部材41と、作動部材41の動作を検出する連結センサ42とを備えている。作動部材41は、略L字状断面の作動体411と、作動体411を平行に支持する2つのリンク棒412、412とを有する。
【0039】
図7に示すように、連結検出装置4は、台車同士を連結する連結部材2と左右方向で隣接して配置されている。
連結検出装置4の作動体411は、連結部材2の本体部211に軸支された案内ローラ213と上下方向で重なる位置に、本体部211と平行に配置されている。作動体411は、前後方向に所定の長さを有している。作動体411の長さは、台車1が通過する際、案内ローラ213が作動体411と当接するタイミングと、離間するタイミングとによって設定する。
作動体411の側壁には、リンク棒412の上端が上関節部414によって連結されている。リンク棒412の下端は、上体部311への取付プレート415に、下関節部413によって連結されている。
【0040】
連結センサ42は、取付プレート415に固定された連結センサ本体421と、連結センサ本体421の後方上面に軸支された作動ローラ422とを備えている。作動ローラ422は、リンク棒412と当接して上下方向に回動する位置に配置されている。連結センサ42は、作動ローラ422がリンク棒412と当接、離間したときに連結信号を出力する。連結信号は、作動ローラ422がリンク棒412と当接したとき出力する連結開始信号と、作動ローラ422がリンク棒412と離間したとき出力する連結完了信号とからなる。連結センサ42は、例えば、リミットスイッチである。
【0041】
(無人搬送車及びその遠隔制御装置)
次に、無人搬送車5及びその遠隔制御装置6について、
図8を用いて説明する。
図8に示すように、無人搬送車5は、側面視で略矩形状の車体51と、車体前端上部から出没する係合ピン52と、車体前中央下部に装着された駆動車輪53及び駆動モータ54と、車体後端下部に装着された従動車輪55と、車体後中央下部に装着された畜電池56と、車体前面に装着された車両制御部57と、車両制御部前面に装着された通信ユニット58と、駆動車輪53のケース前端に装着された走行センサ59とを備えている。
【0042】
車体51は、台車本体11下方に前後方向から進入できる外形形状に形成されている。車体51から係合ピン52を上方へ突出した時は、台車本体11の前端中央付近に固定された板状体15に形成された係合孔151と係合する。無人搬送車5は、係合ピン52を係合孔151と係合した状態で、台車1を牽引する。
駆動車輪53は、左右2輪設けられ、それぞれの駆動力は、減速機を介して駆動モータ54から伝達される。駆動モータ54は、DCブラシレス方式で、電磁ブレーキを内蔵している。左右駆動車輪53の速度差によって、無人搬送車5を操舵する。畜電池56は、駆動モータ54及び係合ピン52等に供給する充電式蓄電池である。
【0043】
車両制御部57は、駆動モータ54及び係合ピン52等の動作を制御する。例えば、駆動モータ54の回転速度、電磁ブレーキ等を制御して、無人搬送車5の発進、停止、速度変更、操舵等を制御する。車両制御部57は、通信ユニット58及び走行センサ59等と電気的に接続されている。通信ユニット58は、後述する遠隔制御装置6と送受信する機器である。走行センサ59は、路面に埋設した磁気マーカー表示を読取るセンサである。走行センサ59の検知は、ホールICによる磁束検知方式である。
【0044】
遠隔制御装置6は、送受信部61と演算指示部62とを備えている。送受信部61は、無人搬送車5の通信ユニット58と無線で電気的に接続されている。また、送受信部61は、連結検出装置4の連結センサ42と有線又は無線で電気的に接続されていて、連結センサ42から連結信号を受信する。送受信部61が受信した連結信号は、演算指示部62に伝達されて、演算指示部62が無人搬送車5の車両制御部57に与える制御信号を演算処理する。
【0045】
<台車同士の連結方法>
次に、本台車搬送システム10における台車同士の連結方法について、
図9〜
図13を用いて説明する。
図9に、
図2に示す台車搬送システムにおけるライン入口の詳細斜視図を示す。
図10に、
図2に示す台車搬送システムにおけるライン入口の正面図を示す。
図11に、
図1に示す連結部材及び連結検出装置の作動説明図(連結前の側面視)を示す。
図12に、
図1に示す連結部材及び連結検出装置の作動説明図(連結開始時の側面視)を示す。
図13に、
図1に示す連結部材及び連結検出装置の作動説明図(連結完了時の側面視)を示す。
【0046】
図9、
図10に示すように、台車1は、台車本体左右端のフレーム部材111が定速送り装置3の駆動輪322と従動輪332とによって挟圧され、駆動輪322が摩擦接触しながら回動することで、送り方向(矢印Vの方向)にタクト送り速度で走行する。
最後尾の台車1aが前の台車(図示しない)と連結部材(可動体21、固定体22)によって連結されて前方に移動すると、待機位置に待機していた無人搬送車5cに牽引された次の台車1hが、ラインの送り方向(矢印Vの方向)と平行に進入する。このとき、台車1hは、無人搬送車5cの係合ピン52に係合され、ライン床面に固定された台車走行レール7に案内されて走行する。無人搬送車5cが台車1hを搬送する搬送速度は、ラインのタクト送り速度より速い速度である。
【0047】
図11に示すように、連結部材2の可動体21は、係止部212が上方へ起立した状態に保持されて、無人搬送車5cの搬送速度で、矢印Vの方向に移動している。一方、連結部材2の固定体22は、定速送り装置3のタクト送り速度で、矢印Vの方向に移動している。無人搬送車5cの搬送速度は、定速送り装置3のタクト送り速度より速いため、可動体21は固定体22に徐々に接近する。
また、連結部材2の可動体21は、定速送り装置3に装着された連結検出装置4に接近する。連結検出装置4は、作動部材41の作動体411を平行に支持するリンク棒412と連結センサ42の作動ローラ422とが、互いに離間した状態に保持されて、待機している。連結部材2の本体部211に軸支された案内ローラ213は、連結検出装置4の作動体411の上端当接部411aより僅かに下方に位置している。
ここでは、定速送り装置3、無人搬送車5c、及び台車1hを便宜上省略し、連結部材2と連結検出装置4のみを図示している。
【0048】
図12に示すように、可動体21が固定体22に更に接近すると、可動体21の係止部212が固定体22の傾斜壁222に当接する。係止部212が傾斜壁222に当接すると、可動体21は軸部214を中心に矢印K方向に回動する。可動体21が矢印K方向に回動すると、本体部211の後方下端に軸支された案内ローラ213が、作動体411の上端当接部411aに当接して作動体411を矢印L方向に上昇させる。作動体411が矢印L方向に上昇すると同時に、リンク棒412が起立する。リンク棒412が起立すると、連結センサ42の作動ローラ422が、リンク棒412に当接して矢印Mの方向に回動する。このとき、連結センサ42は、台車の連結開始信号を出力する。
【0049】
図13に示すように、可動体21が固定体22に更に接近すると、可動体21の係止部212が固定体22の傾斜壁222を乗り越えて矢印Nの方向に回動する。可動体21の係止部212は、矢印Nの方向に回動することによって固定体22の係止壁221と当接する。可動体21の係止部212が固定体22の係止壁221と当接して、両者が係合することによって、最後尾の台車1aと次の台車1hとが連結される。互いに連結された台車1a、1hは、定速送り装置3によって、タクト送り速度で走行する。
【0050】
また、係止部212が矢印Nの方向に回動すると同時に、案内ローラ213が下降する。案内ローラ213が下降することによって、作動体411が矢印Oの方向に下降し、作動体411を平行に支持するリンク棒412が倒伏する。リンク棒412が倒伏すると、連結センサ42の作動ローラ422が、矢印Pの方向に回動し、リンク棒412から離間する。このとき、連結センサ42は、台車の連結完了信号を出力する。
【0051】
<台車連結動作と連動した無人搬送車の制御方法>
次に、台車同士の連結動作と連動して、無人搬送車が台車との係合を解除する制御方法について、
図14を用いて説明する。
図14に、
図1に示す台車搬送システムにおける無人搬送車の制御フロー図を示す。
図14に示すように、ラインのタクト送り運転中において、遠隔制御装置6によって無人搬送車5(AGV)を以下のように制御する。
【0052】
まず、連結センサ42の発進指令信号ONと台車待機位置に台車1が在席する在席信号ONを条件(S1)に、遠隔制御装置6が無線で無人搬送車5に発進指令を発信する(S2)。ここで、連結センサ42の発進指令信号は、最後尾の台車1がその前の台車1と連結完了したときに、連結センサ42の連結完了信号に基づいて出力する。台車1の在席信号は、台車待機位置に次の台車1が在席するときに、在席確認センサ(図示しない)が出力する。
遠隔制御装置6から発進指令を受信した無人搬送車5は、搬送速度で走行する(S3)。このとき、無人搬送車5に牽引された次の台車1が、ラインの送り方向(矢印Vの方向)と平行に進入する。
【0053】
次に、進入する台車1に締結された連結部材2の可動体21が、最後尾の台車1に締結された固定体22に当接して反時計回りにする回動する(S4)と、連結センサ42が台車1の連結開始信号を出力し、有線又は無線を介して遠隔制御装置6に伝達する(S5)。台車1の連結開始信号を受信した遠隔制御装置6は、無線で無人搬送車5にタクト送り速度へ減速する速度変更指令を発信する(S6)。速度変更指令を受信した無人搬送車5は、搬送速度からタクト送り速度へ減速する(S7)。
【0054】
次に、連結部材2の可動体21が時計回りに回動して、固定体22に係合する(S8)と、連結センサ42が台車1の連結完了信号を出力し、有線又は無線を介して遠隔制御装置6に伝達する(S9)。遠隔制御装置6は、台車1の連結完了信号を受信し所定時間経過後、無線で無人搬送車5に台車係合解除指令を発信する(S10)。台車係合解除指令を受信した無人搬送車5は、牽引している台車1との係合ピン52を下降して、係合を解除する(S11)。
【0055】
次に、台車1との係合を解除した無人搬送車5は、ライン内の次工程へ移動して、ライン出口から前の無人搬送車5が発進するまで一時待機する(S12)。一時待機する無人搬送車5は、ライン出口から前の無人搬送車5が発進した後に、ライン出口の先頭台車へ移動する(S13)。
なお、連結センサ42の発進指令信号ONと台車待機位置に台車1が在席する在席信号ONを遠隔制御装置6が確認できないときは、遠隔制御装置6は無人搬送車5に位置確認異常信号を発信する(S14)。
【0056】
<作用効果>
以上、詳細に説明したように、本実施形態に係る台車搬送システム10によれば、台車1には、台車同士を連結する連結部材2を備え、ライン入口(IN)にて台車同士を連結部材2によって連結する連結動作と連動して、無人搬送車5は台車1との係合を解除するので、ライン(タクト送り作業工程域)では定速送り装置3が複数の台車を連結した状態でタクト送り走行させるとともに、ライン以外では無人搬送車5が台車1を牽引して搬送することができる。そのため、ライン入口(IN)に設置した定速送り装置3の他に、上述したような飛び出し防止装置や早送り装置を必要とせず、設備費用及び設備の設置スペースが増加する問題が解消される。また、ライン入口(IN)とライン出口(OUT)に大型の設備を設けることもないため、ラインの変更、移設等を簡単に行うことができる。
よって、本実施形態によれば、台車同士を連結部材2で連結する連結動作と連動して、無人搬送車5が台車1との係合を解除するという簡単な方法で、ライン(タクト送り作業工程域)におけるライン設備を簡素化できる台車搬送システムを提供することができる。
【0057】
また、本実施形態によれば、ライン入口(IN)にて台車同士が連結する連結動作を検出する連結検出装置4を備え、連結検出装置4が出力する連結信号に基づいて、無人搬送車5と台車1との係合を解除するので、無人搬送車5が路面に埋設したマーカー表示を読取る方式等に頼ることなく、台車同士の連結動作と無人搬送車5と台車1との係合解除動作とを、連結検出装置4が出力する連結信号によって連動させることができる。
【0058】
また、本実施形態によれば、連結検出装置4は、連結部材2と連動する作動部材41と、作動部材41の動作に基づいて連結信号を出力する連結センサ42とを備えるので、ライン入口(IN)にて台車同士を連結する連結部材2における連結動作を、作動部材41から連結センサ42に簡単に伝達することができる。そのため、ライン入口(IN)に、作動部材41と作動部材41の動作を介して出力する連結センサ42とを設置するだ
けで、台車同士の連結と台車1と無人搬送車5との係合解除とを連動させることができる。
【0059】
また、本実施形態によれば、作動部材41は、連結部材2が当接又は離間するときに移動して連結センサ42を作動させるので、連結センサ42は、連結部材2が作動部材41と当接するときと離間するときに、それぞれ出力信号を出すことができる。そのため、例えば、連結部材2が作動部材41と当接するときの出力信号を連結開始信号とし、連結部材2が作動部材41と離間するときの出力信号を連結完了信号とすることができる。
【0060】
したがって、連結部材2が作動部材41と当接、離間するだけの簡単な方法で、例えば連結センサ42から連結開始と連結完了とに同期した信号を出力することができる。
なお、本実施形態によれば、作動部材41は、平行リンクアームで作動させるので、連結センサ42を作動させない待機位置に自重によって移動することができる。作動部材41が自重で待機位置に移動することによって、作動部材41を待機位置に移動させる駆動源が不要となり、設備のコンパクト化に一層寄与できる。
【0061】
また、本実施形態によれば、連結センサ42と有線又は無線で接続された無人搬送車5の遠隔制御装置6を備え、遠隔制御装置6は、連結センサ42が出力する連結開始信号を受信したときに無人搬送車5にタクト送り速度へ近づける速度変更指令を発信するので、台車同士が連結する前に無人搬送車5に牽引される台車1の搬送速度を通常の搬送速度(例えば、タクト送り速度の5〜10倍程度)からタクト送り速度付近(例えば、タクト送り速度+5〜10%程度)へ減速させることができる。台車1の速度をタクト送り速度付近へ減速させるので、台車1の速度が定速送り装置のタクト送り速度と同期しやすくなる。台車1の速度と定速送り装置のタクト送り速度とが同期しやすいため、定速送り装置3の負荷が低減でき、定速送り装置3のコンパクト化が可能となる。
【0062】
また、本実施形態によれば、遠隔制御装置6は、連結センサ42が出力する連結完了信号を受信したときに無人搬送車5に台車1との係合を解除する係合解除指令を発信するので、台車同士が連結完了してから無人搬送車5と台車1との係合を解除することができる。そのため、台車1と無人搬送車5が係合状態にあるときに、台車1の速度をタクト送り速度に同期させ、タクト送り速度に同期した状態で台車1と無人搬送車5との係合を解除させることができる。その結果、台車同士の連結動作と台車1と無人搬送車5との係合解除動作とを、いずれもタクト送り速度に同期した状態で行うことができる。これによって、定速送り装置3の能力を上げることなく、タクト送り速度の精度を安定化させることができる。
【0063】
したがって、本実施形態によれば、遠隔制御装置6が連結センサ42からの連結開始信号及び連結完了信号を受信するという簡単な方法で、台車1をタクト送り速度で走行させながら台車1と無人搬送車5との係合解除を可能とし、ライン(タクト送り作業工程域)におけるライン設備を簡素化できる台車搬送システムを提供することができる。
なお、本実施形態によれば、連結センサ42が連結完了信号を出力した後、所定の時間経過後に、遠隔制御装置6が無人搬送車5に台車1との係合解除指令を発信するので、台車同士の連結が確実に完了してから、無人搬送車5と台車1との係合を解除することができる。これによって、台車同士における連結動作の信頼性も高めることができる。
【0064】
上述した実施形態は、本発明の要旨を変更しない範囲で変更することができる。
上記実施形態では、遠隔制御装置6は、連結センサ42が出力する連結開始信号を受信したときに無人搬送車5にタクト送り速度へ減速する速度変更指令を発信するが、これに限ることはない。
例えば、遠隔制御装置6は、連結センサ42が出力する連結開始信号を受信する前に、無人搬送車5に所定の速度へ減速指令を発信することもできる。これによれば、連結センサ42が出力する連結開始信号を受信したときには、台車の速度とタクト送り速度との差異が減少するので、無人搬送車5は、より短時間で台車1の速度をタクト送り速度に同期させることができる。