(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第一の反射部の反射面および第二の反射部の反射面は、いずれも前記光源部から離間する方向であるZ軸負方向に向かうに従ってY軸正方向に変位するよう、傾斜しており、
前記第一の反射部の反射面と前記基準面とがなす角をα、前記第二の反射部の反射面と前記基準面とがなす角をβ、前記複数の発光素子の各々から出射される光と前記基準面とがなす角の最大値をθmaxとしたとき、
(式1) β≧α+θmax/2
(式2) 45°≦β≦90°
の関係を満たすことを特徴とする請求項1に記載の光照射装置。
【背景技術】
【0002】
従来、印刷分野や電子工業分野などにおいては、処理対象物、例えば保護膜、接着剤、塗料、インク、フォトレジスト、樹脂、配向膜等に対して、硬化処理、乾燥処理、溶融処理、軟化処理、或いは改質処理などを行うために、特定の波長の光を放射する光照射装置が多用されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、紫外線硬化型のインクを用いたインクジェットプリンタが開示されている。このインクジェットプリンタには、インクを射出するヘッド部と、このヘッド部に隣接して設置された光照射装置とが搭載されている。このようなインクジェットプリンタにおいては、ヘッド部には複数の吐出部が設けられている。そして、これらの吐出部から種々のインク(光硬化材料)が記録媒体に射出される。その後、記録媒体に射出されたインクに対して、光照射装置によって光が照射される。
【0004】
しかしながら、上記のインクジェットプリンタにおいては、長期間使用すると、吐出部からのインクの射出量が不安定になることがある。このような現象が生じる一因は、ヘッド部に隣接して配置された光照射装置からの光が、当該ヘッド部における吐出部に直接ないし間接的に照射されることにより、吐出部においてインクが硬化しその硬化物によって吐出部からのインクの射出が阻害されるためである。
特に、3Dプリンタを代表とする光造形装置においては、被照射面に立体構造物が形成される。そのため、得られる立体構造物によって光照射装置からの光が反射されることにより、その反射光が、ヘッド部における吐出部に照射されやすくなる。その結果、吐出部からの光硬化性材料の射出量が不安定になる現象が生じやすい、という問題がある。
【0005】
このような問題を解決するため、特許文献2には、光照射装置を、ヘッド部から距離Lだけ離間させると共に、当該光照射装置を傾斜させて配置することにより、光照射装置からの光が、当該ヘッド部における吐出部に照射されることを抑制するインクジェットプリンタが開示されている。
しかしながら、このインクジェットプリンタにおいては、光照射装置をヘッド部から相当に大きく離間させなければならない。また、記録媒体での反射光を考慮すると、単に光照射装置を傾斜させるだけでは、ヘッド部の吐出部へ照射される光を十分に抑えることが困難であった。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の光照射装置は、複数の発光素子が一方向に並んで配置されてなる当該一方向に長尺な光源部を備えている。以下、本明細書においては、当該一方向において中央に位置される発光素子の発光面の中心に原点をとり、当該原点を通る鉛直方向に延びる軸をZ軸とするXYZ三次元直交座標系を定義し、この座標系を用いて、光照射装置の具体的な構成について説明する。
【0015】
図1は、本発明の光照射装置の一例における構成の概略を示す、X軸に垂直な断面図である。
図2は、
図1に示す光照射装置の一部を示す部分拡大図である。
図3は、
図1に示す光照射装置における光源部の一例における構成の概略を示す斜視図である。なお、
図3は、便宜上、上下を逆さまにして示してある。
この光照射装置1は、Z軸方向(鉛直方向)に長尺な直方体状の鉛直部11aと、この鉛直部11aの下端に連続する扁平な箱型形状の水平部11bを有する、全体がL字型の筐体10を備えている。水平部11bは、鉛直部11aのY軸に垂直な一対の周壁のうちの一方の周壁の外面よりY軸正方向に突出して延びるよう形成されている。鉛直部11aの内部空間および水平部11bの内部空間は連続しており、水平部11bの下面はZ軸負方向(
図1における下方向)に開口している。
【0016】
筐体10の鉛直部11a内部における上方位置には、電装部13が配置されており、電装部13に対向する鉛直部11aの周壁には、冷却風を筐体10内部に取り入れる吸気口12が形成されている。
【0017】
筐体10の鉛直部11a内部における下端位置には、上方および下方が開口する矩形枠状の保持部材15が、その下端面が水平部11bの天板の内面が位置される平面上に位置される状態で、配置されている。この保持部材15におけるY軸に垂直な互いに対向する一対の周壁の各々の内面には、下端縁より鉛直方向上方側の位置において、板状の突出部16がX軸方向に水平に延びるよう形成されており、これにより、平板状の窓部材18が受容されて保持される窓部材保持部が形成されている。窓部材18は、例えば耐熱ガラスにより構成されている。また、窓部材18の厚みは、例えば0.5〜2mmである。
【0018】
筐体10における鉛直部11aの内部には、複数の発光素子25が同一平面上に配置されたX軸方向に延びる長尺な光源部20が設けられている。
光源部20は、
図3に示すように、長尺な平板状の基板21を有する。この基板21は、保持部材15の上端面上においてX軸方向に水平に延びる姿勢で配置されている。基板21の表面(
図1においては下面)には、矩形の板状の複数の発光素子25が、各発光素子25の発光面25aがZ軸負方向(
図1においては下方向)を向く姿勢で、X軸に沿って並んで配置されている。発光素子25の各々には、当該発光素子25の発光面25aを覆う半球形状の封止レンズ22が、基板21の表面から突出するよう設けられている。この例においては、発光素子25の発光面25aの中心を通る鉛直方向に延びる中心軸(以下においては、「発光素子の光軸」ともいう。)Lと、封止レンズ22の中心軸Cとが一致しており、各発光素子25の発光面25aの中心はX軸上に位置されている。
【0019】
光源部20において、基板21を構成する材料としては、窒化アルミニウム、アルミナセラミックス等のセラミックス材料、ガラス繊維補強型エポキシ樹脂等の複合樹脂材料などを用いることができる。
また、封止レンズ22を構成する材料としては、石英ガラス、ホウ珪酸ガラス等のガラス材料、あるいは、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂などの透光性樹脂材料などを用いることができる。
また、発光素子25としては、所要の光例えば紫外線を出射する発光ダイオードを用いることができる。
【0020】
光源部20を構成する基板21の裏面(
図1において上面)には、例えばアルミニウムよりなるヒートシンク40が設けられている。このヒートシンク40には、それぞれ上方に突出する複数のフィン41が形成されている。また、ヒートシンク40の上方には、冷却ファン45が設けられている。
【0021】
而して、上記の光照射装置1においては、複数の発光素子25の各々の発光面25aの中心(この例では、発光素子25の光軸L)を含むXZ平面を基準面Nとしたとき、基準面Nに対してY軸負方向側の位置に、第一の反射部がX軸方向に延びるよう設けられていると共に、基準面Nに対してY軸正方向側の位置に、第二の反射部が、X軸方向に延びるよう設けられている。第一の反射部は、光源部20よりの光をY軸正方向に指向させるとともに、Y軸負方向に指向する光を遮断する機能を有する。第二の反射部は、光源部20よりの光および第一の反射部よりの光をY軸正方向に指向させるよう反射する機能を有する。
【0022】
第一の反射部は、X軸に垂直な断面形状が台形形状である第一の反射部材30により構成されており、この第一の反射部材30は、光源部20から離間する方向であるZ軸負方向に向かうに従ってY軸正方向(
図1において右方向)に変位するよう傾斜する、平坦面よりなる反射面31を有する。
第一の反射部材30は、反射面31の上端縁が、保持部材15におけるY軸に垂直な一方の周壁の下端面における内端縁に一致する状態で、上面が保持部材15の下面に対接されて配置されている。第一の反射部材30の下面は、筐体10における水平部11bの開口端面が位置される平面上に位置されており、反射面31の下端縁は、基準面NよりもY軸正方向に突出している。
第一の反射部材30は、例えば入射する光に対して高い反射率を有するアルミニウムなどからなる反射板が基材に貼り付けられることにより構成されている。
【0023】
第二の反射部は、X軸に垂直な断面形状が台形形状である第二の反射部材35により構成されており、この第二の反射部材35は、Z軸負方向に向かうに従ってY軸正方向に変位するよう傾斜する、平坦面よりなる反射面36を有する。
第二の反射部材35は、反射面36の上端縁が保持部材15におけるY軸に垂直な周壁の下端面における内端縁に一致する状態で、上面が保持部材15の下面および水平部12の天板内面に対接されて配置されている。第二の反射部材35の下面は、筐体10における水平部11bの開口端面が位置される平面上に位置されている。
第二の反射部材35は、例えば入射する光に対して高い反射率を有するアルミニウムなどからなる反射板が基材に貼り付けられることにより構成されている。
【0024】
第一の反射部材30の反射面31
と基準面N
とがなす角α、および、第二の反射部材35の反射面36
と基準面N
とがなす角βは、発光素子25から窓部材18を介して出射される光
と基準面とがなす角の最大値すなわち最大出射角をθmaxとしたとき、下記(式1)および(式2)の関係を満たす大きさとされていることが好ましい。このような構成とされていることにより、第二の反射部材35の反射面36による反射光は、Y軸負方向に指向する光成分を含まないものとなり、被照射面Wに対する入射角γを正の入射角(0°を含む。)とすることができる。
(式1) β≧α+θmax/2
(式2) 45°≦β≦90°
【0025】
第一の反射部材30の反射面31
と基準面N
とがなす角αは、0°<α≦(90°−θmax)である。
【0026】
このような光照射装置1においては、光源部20から窓部材18を介して基準面Nに対してY軸負方向に向かって出射される光成分、並びに、Z軸に沿ってZ軸負方向に出射される光成分は、第一の反射部材30の反射面31によって反射されてY軸正方向に指向される。すなわち、光源部20よりY軸負方向に指向する光は、第一の反射部材30によって遮断(遮光)される。
また、光源部20から窓部材18を介して基準面Nに対してY軸正方向に向かって出射される光成分は、その一部が直接的に被照射面Wに照射されると共に他の全部が第二の反射部材35の反射面36によって反射される。また、第一の反射部材30による反射光は、第二の反射部材35の反射面36によって反射される。ここに、光源部20より直接的に被照射面Wに照射される光成分の、被処理面Wに対する入射角γは正の入射角であって、Y軸負方向に指向する光成分を含まないものである。また、光源部20からY軸正方向に出射される光および第一の反射部材30による反射光が第二の反射部材35によって反射された反射光の、被処理面Wに対する入射角γは正の入射角となり、当該第二の反射部材35による反射光は、Y軸負方向に指向する光成分を含まないものである。
【0027】
このように、上記構成の光照射装置1によれば、光源部20からY軸負方向に向かって出射された光を、第一の反射部材30によって反射して遮断することができると共に、第二の反射部材35による反射光を、Y軸負方向に指向される光成分を含まないものとすることができるので、隣接する他の部位に光が照射されることを防止または抑制することができる。しかも、隣接する他の部位に対して、光照射装置1を離間して配置することが不要であるため、装置全体の小型化を図ることができる。
【0028】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されず、以下のような種々の変更を加えることが可能である。
【0029】
(1)
図4に示すように、窓部材18は、筐体10の水平部11bに設けられた構成とされていてもよい。この光照射装置においては、筐体10の水平部11bにおけるY軸に垂直な互いに対向する一対の周壁の各々の内面に、下端縁より鉛直方向上方側の位置において、板状の突出部17がX軸方向に水平に延びるよう形成されており、これにより、平板状の窓部材18が受容されて保持される窓部材保持部が形成されている。
第一の反射部材30および第二の反射部材35は、下面が突出部17の上面に対接されて配置されている。第二の反射部材35の上面は、鉛直部11aの周壁の内面よりY軸負方向に突出している。
光源部20における基板21は、鉛直部11aの下端位置において、表面(発光素子25の配置面)の両側縁部が第一の反射部材30の上面および第二の反射部材35の上面によって支持されて配置されている。
このような構成のものにおいても、上記の実施の形態に係る光照射装置と同様の効果を得ることができる。
【0030】
(2)第一の反射部材および第二の反射部材の反射面は、凹面とされていてもよい。この場合における反射面
と基準面とがなす角は、例えば、X軸に垂直な断面において、反射面の上頂点と下頂点とを結んだ仮想直線の、基準面に対する
角度で示される。
【0031】
(3)発光素子の光軸は、鉛直方向(Z軸方向)に対してY軸正方向に傾斜していてもよい。また、封止レンズは、その中心軸が発光素子の発光面の中心軸に対してY軸正方向に変位して位置されるよう形成されていてもよい。
【0032】
(4)光源部は、それぞれX軸方向に延びる2つの基板を有し、これらの基板の各々の表面に、複数の発光素子25が、X軸に沿って並んだ状態で配置されてなるものであってもよい。このような構成の光源部を用いる場合には、Y軸負方向における最外側に位置される基板に配置された複数の発光素子の各々の発光面の中心を含むXZ平面を基準面として設定すればよい。
【0033】
図5は、本発明の光硬化材料処理装置の一例における要部の構成を概略的に示す説明図である。この光硬化材料処理装置は、インクジェットプリンタとして構成されたものであって、光硬化材料である紫外線硬化性のインクを記録媒体Mに吐出する複数の吐出部(図示省略)を備えた直方体状のヘッド部2を有する。このヘッド部2のY軸方向両側の各々には、記録媒体Mに吐出された光硬化材料に対して紫外線を照射する光照射装置1が、当該ヘッド部2に隣接して配置されている。この光照射装置1は、例えば
図1乃至
図3に示す構成のものである。光照射装置1の各々は、第一の反射部が
第二の反射部に対してヘッド部に近い側になるように配置されている。
また、ヘッド部2および光照射装置1の各々は、Y軸方向に延びるガイドレール5にY軸方向に移動自在に支持されている。
【0034】
この光硬化材料処理装置においては、記録媒体Mが、適宜の搬送手段(図示省略)によってX軸方向に間欠的に搬送される。そして、ヘッド部2をY軸方向に移動させながら、搬送された記録媒体Mに向かって、当該ヘッド部2の吐出部からインクを吐出させる。これにより、記録媒体Mにはインクが付着する。その後、記録媒体Mに付着したインクに、光照射装置1によって光が照射されることにより、当該インクが硬化して記録媒体Mに定着する。
【0035】
このような光硬化材料処理装置によれば、光照射装置1から照射される光はY軸負方向に指向する光成分を含まないものであり、光源部10からの光がヘッド部2から離間する位置に照射されるため、ヘッド部2の吐出部に光が照射されることを防止または抑制することができる。しかも、光照射装置1をヘッド部2に対して離間して配置することが不要であるため、光硬化材料処理装置全体の小型化を図ることができる。
【実施例】
【0036】
〔実施例1〕
図1および
図2に示す構成に従って、下記の仕様の光照射装置(1)を作製した。
光源部(20)における基板(21)は、材質が窒化アルミウニム、寸法(X×Y×Z)が105mm×20mm×1.0mmである。発光素子(25)は、ピーク波長が395nmの発光ダイオードであり、出力が700mW、寸法(X×Y×Z)が1.0mm×1.0mm×0.1mmである。発光素子(25)の数は25個であり、配置ピッチが4.0mmである。封止レンズ(22)は、材質がシリコーン樹脂、半径が1.1mmである。
窓部材(18)は、材質が耐熱ガラス、寸法(X×Y×Z)が104mm×15mm×2.0mmである。窓部材(18)の光入射面と発光素子(25)の発光面(25a)とのZ軸方向の離間距離は2.9mmである。
第一の反射部材(30)における反射面(31)
と基準面(N)
とがなす角(α)は10°である。X軸に垂直な断面において、反射面(31)の上端縁位置は、基準面(N)に対してY軸負方向3.8mmの位置であり、下端縁位置は基準面(N)に対してY軸正方向1.5mmの位置である。
第二の反射部材(35)における反射面(36)
と基準面(N)
とがなす角(β)は50°(≧α+θmax/2)である。X軸に垂直な断面において、反射面(36)の上端縁位置は、基準面(N)に対してY軸正方向11.2mmの位置であり、下端縁位置は基準面(N)に対してY軸正方向35.8mmの位置である。
この光照射装置(1)における発光素子(25)の最大出射角度(θmax)は80°である。
【0037】
筐体(10)の水平部(11b)における下端面よりZ軸負方向に10mm離間した位置に、水平に延びる被照射面(W)を設定し、この光照射装置(1)における、光源部(20)より窓部材(18)を介してY軸負方向に最大出射角(θmax)で出射される光成分の、被照射面(W)に対する入射角(γ)を調べたところ、γ=0°となることが確認された。すなわち、第二の反射部材(35)による反射光は、Y軸負方向に指向された光成分を含まないものであることが確認された。なお、当該光成分の被照射面(W)に対する入射角(γ)が正の入射角(γ=0°を含む。)であれば、光源部(20)からの他の光成分は、いずれも、被照射面(W)に対する入射角(γ)が正の入射角となる。
【0038】
〔比較例1〕
実施例1において、第二の反射部材(35)の反射面(36)
と基準面(N)
とがなす角(β)を45°(<α+θmax/2)としたことの他は、実施例1と同一の構成を有する光照射装置を作製した。
【0039】
この光照射装置における、光源部(20)より窓部材(18)を介してY軸負方向に最大出射角(θmax)で出射される光成分の、被照射面(W)に対する入射角(γ)を調べたところ、γ=−10°であることが確認された。すなわち、第二の反射部材(35)による反射光が、Y軸負方向に指向された光成分を含むものであることが確認された。
【0040】
〔実施例2〕
実施例1において、第一の反射部材(30)の反射面(31)
と基準面(N)
とがなす角(α)を45°とし、第二の反射部材(35)の反射面(36)
と基準面(N)
とがなす角(β)を70°(≧α+θmax/2)としたことの他は、実施例1と同一の構成を有する光照射装置を作製した。この光照射装置における発光素子(25)の最大出射角度(θmax)は45°である。
【0041】
この光照射装置における、光源部(20)より窓部材(18)を介してY軸負方向に最大出射角(θmax)で出射される光成分の、被照射面(W)に対する入射角(γ)を調べたところ、γ=+5°であることが確認された。すなわち、第二の反射部材(35)による反射光は、Y軸負方向に指向された光成分を含まないものであることが確認された。
【0042】
〔比較例2〕
実施例2において、第二の反射部材(35)の反射面(36)
と基準面(N)
とがなす角(β)を60°(<α+θmax/2)としたことの他は、実施例2と同一の構成を有する光照射装置を作製した。
【0043】
この光照射装置における、光源部(20)より窓部材(18)を介してY軸負方向に最大出射角(θmax)で出射される光成分の、被照射面(W)に対する入射角(γ)を調べたところ、γ=−15°であることが確認された。すなわち、第二の反射部材(35)による反射光は、Y軸負方向に指向された光成分を含むものであることが確認された。
【0044】
〔実施例3〕
実施例1において、第一の反射部材(30)の反射面(31)
と基準面(N)
とがなす角(α)を80°とし、第二の反射部材(35)の反射面(36)
と基準面(N)
とがなす角(β)を85°(≧α+θmax/2)としたことの他は、実施例1と同一の構成を有する光照射装置を作製した。この光照射装置における発光素子(25)の最大出射角度(θmax)は10°である。
【0045】
この光照射装置における、光源部(20)より窓部材(18)を介してY軸負方向に最大出射角(θmax)で出射される光成分の、被照射面(W)に対する入射角(γ)を調べたところ、γ=0°であることが確認された。すなわち、第二の反射部材(35)による反射光は、Y軸負方向に指向された光成分を含まないものであることが確認された。
【0046】
〔比較例3〕
実施例3において、第二の反射部材(35)の反射面(36)
と基準面(N)
とがなす角(β)を80°(<α+θmax/2)としたことの他は、実施例3と同一の構成を有する光照射装置を作製した。
【0047】
この光照射装置における、光源部(20)より窓部材(18)を介してY軸負方向に最大出射角(θmax)で出射される光成分の、被照射面(W)に対する入射角(γ)を調べたところ、γ=−10°であることが確認された。すなわち、第二の反射部材(35)による反射光は、Y軸負方向に指向された光成分を含むものであることが確認された。