特許第6036903号(P6036903)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6036903
(24)【登録日】2016年11月11日
(45)【発行日】2016年11月30日
(54)【発明の名称】表示制御装置および表示制御方法
(51)【国際特許分類】
   G10G 1/00 20060101AFI20161121BHJP
   G10H 1/00 20060101ALI20161121BHJP
【FI】
   G10G1/00
   G10H1/00 Z
【請求項の数】9
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2015-77502(P2015-77502)
(22)【出願日】2015年4月6日
(62)【分割の表示】特願2010-76108(P2010-76108)の分割
【原出願日】2010年3月29日
(65)【公開番号】特開2015-146035(P2015-146035A)
(43)【公開日】2015年8月13日
【審査請求日】2015年4月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】000004075
【氏名又は名称】ヤマハ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100125689
【弁理士】
【氏名又は名称】大林 章
(74)【代理人】
【識別番号】100128598
【弁理士】
【氏名又は名称】高田 聖一
(74)【代理人】
【識別番号】100121108
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 太朗
(72)【発明者】
【氏名】大下 隼人
(72)【発明者】
【氏名】吉田 雅史
【審査官】 安田 勇太
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−279470(JP,A)
【文献】 特許第5779838(JP,B2)
【文献】 特開2003−108119(JP,A)
【文献】 特開2003−114674(JP,A)
【文献】 特開平09−006345(JP,A)
【文献】 特開2005−017732(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G10G 1/00 − 7/02
G10H 1/00 − 1/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
音符情報が示す音高に応じて第1方向の位置が決定され、前記第1方向に交差する第2方向の位置および長さが前記音符情報の発音期間に応じて決定された音指示子を、指定音毎に表示装置に表示させ、時間軸上の再生点に対応する前記音指示子の全体の態様であって当該音指示子の表示色、階調または模様を含む態様を、当該音指示子が示す発音期間のうち当該再生点での当該指定音の特性に応じた態様となるように前記再生点の移動とともに経時的に変化させる表示制御手段
を具備する表示制御装置。
【請求項2】
前記表示制御手段は、前記音指示子が示す発音期間の終点を前記再生点が経過すると、当該音指示子の態様を、前記再生点が前記発音期間の開始前に位置する場合の当該音指示子の態様とする
請求項1の表示制御装置。
【請求項3】
音符情報が示す音高に応じて第1方向の位置が決定され、前記第1方向に交差する第2方向の位置および長さが前記音符情報の発音期間に応じて決定された音指示子を、指定音毎に表示装置に表示させ、時間軸上の再生点に対応する前記音指示子の一部または全部の形状または位置を、当該音指示子が示す発音期間のうち当該再生点での当該指定音の特性に応じ前記再生点の移動とともに経時的に変化させる表示制御手段
を具備する表示制御装置。
【請求項4】
前記表示制御手段は、前記指定音の音高の微小変化を示す制御情報に応じて、前記再生点に対応する前記音指示子の一部または全部の位置を前記再生点の移動とともに経時的に変化させる
請求項3の表示制御装置。
【請求項5】
前記表示制御手段は、前記音指示子のうち前記第2方向の端部の、前記第1方向における位置を、前記再生点の移動とともに経時的に変化させる
請求項3または請求項4の表示制御装置。
【請求項6】
前記表示制御手段は、前記第1方向における前記音指示子の全体の位置を、前記再生点の移動とともに経時的に変化させる
請求項3または請求項4の表示制御装置。
【請求項7】
前記表示制御手段は、前記第1方向における前記音指示子の長さを、前記再生点の移動とともに経時的に変化させる
請求項3の表示制御装置。
【請求項8】
コンピュータが、
音符情報が示す音高に応じて第1方向の位置が決定され、前記第1方向に交差する第2方向の位置および長さが前記音符情報の発音期間に応じて決定された音指示子を、指定音毎に表示装置に表示させ、時間軸上の再生点に対応する前記音指示子の全体の態様であって当該音指示子の表示色、階調または模様を含む態様を、当該音指示子が示す発音期間のうち当該再生点での当該指定音の特性に応じた態様となるように前記再生点の移動とともに経時的に変化させる
表示制御方法。
【請求項9】
コンピュータが、
音符情報が示す音高に応じて第1方向の位置が決定され、前記第1方向に交差する第2方向の位置および長さが前記音符情報の発音期間に応じて決定された音指示子を、指定音毎に表示装置に表示させ、時間軸上の再生点に対応する前記音指示子の一部または全部の形状または位置を、当該音指示子が示す発音期間のうち当該再生点での当該指定音の特性に応じて前記再生点の移動とともに経時的に変化させる
表示制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、楽曲の各音(以下「指定音」という)に関する情報を表示する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
指定音毎に音高と発音期間とを指定する楽譜情報(スコアデータ)を利用して歌唱音等の音響を合成する技術が従来から提案されている。例えば特許文献1には、各指定音を示す音指示子を時間軸に沿って配列した画像(ピアノロール画像)と、各指定音の特性(例えば音楽的な表情)を指定する制御変数の時間的な変化を示すグラフとを共通の時間軸のもとで表示する技術が開示されている。指定音の再生時には、再生点を示す指示子(ポインタ)が表示され、再生の進行とともに時間軸に沿って移動する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−165130号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1の技術のもとでは、再生点を示す指示子が各指定音の再生時に表示されるに過ぎないから、各指定音に付与される特性を利用者が直感的に把握できないという問題がある。以上の事情を考慮して、本発明は、各指定音に付与される特性の直感的な把握を可能にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以上の課題を解決するために、本発明の表示制御装置は、各指定音の音高と発音期間とを示す音符情報を表示する装置であって、音符情報が示す音高に応じて第1方向の位置が決定され、第1方向に交差する第2方向の位置および長さが音符情報の発音期間に応じて決定された音指示子を、指定音毎に表示装置に表示させ、時間軸上の再生点に対応する音指示子の態様を、当該音指示子が示す発音期間のうち当該再生点での当該指定音の特性に応じた態様となるように再生点の移動とともに経時的に変化させる表示制御手段を具備する。以上の態様においては、再生点に対応する音指示子の態様が指定音の特性に応じて可変に制御される。したがって、利用者が各指定音の特性を直感的に把握できるという利点がある。
【0006】
なお、音指示子の態様とは、観察者が視覚的に識別できる画像の状態を意味する。例えば、音指示子の形状や寸法(幅や長さ),位置,階調の濃淡,表示色(色相,明度,彩度),模様、またはこれらの組合せが、音指示子の態様の概念に包含される。
【0007】
本発明の好適な態様において、表示制御手段は、再生点に対応する音指示子の態様を、各指定音の特性の時間的な変化を示す制御情報が当該再生点について示す特性に応じた態様に制御する。以上の態様においては、各指定音の音指示子の態様が、再生点について制御情報が示す特性に応じて制御されるから、制御情報が示す各指定音の特性を利用者が直感的に把握できるという利点がある。
【0008】
本発明の音響処理装置は、各指定音の音高と発音期間とを示す音符情報を利用者からの指示に応じて可変に生成する情報生成手段と、音符情報に応じた音響信号を生成する音響生成手段と、音符情報が示す音高に応じて第1方向の位置が決定され、第1方向に交差する第2方向の位置および長さが音符情報の発音期間に応じて決定された音指示子を、指定音毎に表示装置に表示させ、音響生成手段が生成する音響信号の再生点に対応する音指示子の態様を、当該音指示子が示す発音期間のうち当該再生点での当該指定音の特性に応じた態様となるように音響信号の再生とともに経時的に変化させる表示制御手段とを具備する。以上の態様においては、再生点に対応する音指示子の態様が指定音の特性に応じて可変に制御される。したがって、利用者が各指定音の特性を直感的に把握できるという利点がある。
【0009】
情報生成手段は、各指定音の特性の時間的な変化を示す制御情報(例えば図1の制御情報DCや図5の制御情報UC)を利用者からの指示に応じて可変に生成し、音響生成手段は、制御情報に応じて音響信号を生成し、表示制御手段は、音響生成手段が生成した音響信号の再生点に対応する音指示子を、制御情報が当該再生点について示す特性に応じた態様に制御する。以上の態様においては、各指定音の音指示子の態様が、音響信号の再生点について制御情報が示す特性に応じて制御されるから、制御情報が示す各指定音の特性を利用者が直感的に把握できるという利点がある。
【0010】
例えば、制御情報(例えば図1の制御情報DC)が指定音の音量の変化を示す場合、第1方向における音指示子の長さおよび音指示子の階調の少なくとも一方を表示制御手段が制御情報に応じて制御する構成が好適である。以上の態様によれば、各指定音の音量を利用者が音指示子の長さや階調から直感的に把握できるという利点がある。以上の態様の具体例は、例えば第1実施形態として後述される。
【0011】
また、制御情報(例えば図5の制御情報UC)が音高の微小変化(例えばビブラートやプレパレーション,オーバーシュート)を示す場合、第1方向における音指示子の一部(例えば図6の端部52)または全部の位置を表示制御手段が制御情報に応じて制御する構成が好適である。以上の態様によれば、各指定音の音高の微小変化を、音高を示す第1方向における音指示子の位置から利用者が直感的に把握できるという利点がある。なお、以上の態様の具体例は、例えば第2実施形態として後述される。
【0012】
本発明の好適な態様において、表示制御手段は、所定の間隔で設定された拍点に対して指定音の発音期間の始点が遅延または先行する場合に、再生点が発音期間の始点に接近すると、当該指定音に対応する音指示子の端点(例えば図7図8の端点E)を、第2方向の一方側に移動させてから元の位置に戻す。以上の態様においては、拍点に対して指定音の発音が先行または遅延する場合に、再生点が発音期間に接近すると音指示子が第2方向に移動するから、指定音の発音期間が拍点に対して遅延(溜め)または先行(走り)していることを利用者が直感的に把握できるという利点がある。
【0013】
以上の各態様に係る情報表示装置および音響処理装置は、音符情報の処理に専用されるDSP(Digital Signal Processor)などのハードウェア(電子回路)によって実現されるほか、CPU(Central Processing Unit)などの汎用の演算処理装置とプログラムとの協働によっても実現される。本発明のひとつの態様に係るプログラムは、各指定音の音高と発音期間とを示す音符情報を表示するためのプログラムであって、音符情報が示す音高に応じて第1方向の位置が決定され、第1方向に交差する第2方向の位置および長さが音符情報の発音期間に応じて決定された音指示子を、指定音毎に表示装置に表示させ、時間軸上の再生点に対応する音指示子の態様を、当該音指示子が示す発音期間のうち当該再生点での当該指定音の特性に応じた態様となるように再生点の移動とともに経時的に変化させる表示制御手段としてコンピュータを機能させる。また、本発明の他の態様に係るプログラムは、各指定音の音高と発音期間とを示す音符情報を利用者からの指示に応じて可変に生成する情報生成手段、音符情報に応じた音響信号を生成する音響生成手段、および、音符情報が示す音高に応じて第1方向の位置が決定され、第1方向に交差する第2方向の位置および長さが音符情報の発音期間に応じて決定された音指示子を、指定音毎に表示装置に表示させ、音響生成手段が生成する音響信号の再生点に対応する音指示子の態様を、当該音指示子が示す発音期間のうち当該再生点での当該指定音の特性に応じた態様となるように音響信号の再生とともに経時的に変化させる表示制御手段、としてコンピュータを機能させる。
【0014】
以上の各態様に係るプログラムは、コンピュータが読取可能な記録媒体に格納された形態で利用者に提供されてコンピュータにインストールされるほか、通信網を介した配信の形態でサーバ装置から提供されてコンピュータにインストールされる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の第1実施形態に係る音響処理装置のブロック図である。
図2】楽譜情報の模式図である。
図3】編集画面の模式図である。
図4】音指示子の態様の変化を説明するための模式図である。
図5】第2実施形態における楽譜情報の模式図である。
図6】音指示子の態様の変化を説明するための模式図である。
図7】第3実施形態における音指示子の態様の変化を説明するための模式図である。
図8】第3実施形態の変形例における音指示子の態様の変化の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
<A:第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態に係る音響処理装置100のブロック図である。音響処理装置100は、複数の指定音を時系列に配列した歌唱音等の音響(以下「合成音」という)を生成する装置であり、図1に示すように、制御装置10と記憶装置12と入力装置14と表示装置16と放音装置18とを具備するコンピュータシステムで実現される。
【0017】
制御装置(CPU)10は、記憶装置12に記憶されたプログラムPGの実行で、音響信号SOUTの生成に必要な複数の機能(情報生成部22,音響生成部24,表示制御部26)を実現する。音響信号SOUTは、合成音の時間軸上の波形を示す信号である。なお、制御装置10の各機能を専用の電子回路(DSP)で実現した構成や、制御装置10の各機能を複数の集積回路に分散した構成も採用され得る。
【0018】
入力装置14は、利用者からの指示を受付ける機器(例えばマウスやキーボード)である。表示装置16(例えば液晶表示装置)は、制御装置10から指示された画像を表示する。放音装置18(例えばスピーカやヘッドホン)は、制御装置10が生成する音響信号SOUTに応じた音響を再生する。
【0019】
記憶装置12は、制御装置10が実行するプログラムPGや制御装置10が使用する各種のデータ(素片情報DV,楽譜情報DS,制御情報DC)を記憶する。半導体記録媒体や磁気記録媒体等の公知の記録媒体または複数種の記録媒体の組合せが記憶装置12として任意に採用され得る。なお、複数の記録媒体にプログラムPGや各データ(DV,DS,DC)を分散して記憶した構成も採用され得る。
【0020】
素片情報DVは、合成音の素材として利用されるデータ群であり、相異なる音声素片に対応する多数の素片データ(例えば音声素片の波形や特徴量を示すデータ)を含んで構成される。音声素片は、聴覚的に区別できる最小の単位である音素、または複数の音素を連結した音素連鎖である。
【0021】
楽譜情報DSは、各指定音を指示する情報(スコアデータ)であり、図2に示すように、相異なる指定音に対応する複数の単位情報Uの時系列で構成される。各単位情報Uは、音符情報UNと文字情報ULとを含む。音符情報UNは、指定音の音高と発音期間(指定音の発音の開始点および継続長)とを指定し、文字情報ULは、指定音の発音文字(歌詞の音節)を指定する。
【0022】
図1の制御情報DCは、各指定音の特性(音楽的な表情)を示す制御変数Xの時間的な変化を示す情報である。本実施形態では音量(dynamics)を制御変数Xとして例示する。ただし、制御変数Xが示す指定音の特性の種類や制御変数Xの総数は適宜に変更され得る。図1の情報生成部22は、入力装置14に対する利用者からの操作に応じて楽譜情報DSおよび制御情報DCを可変に設定する。
【0023】
図1の表示制御部26は、楽譜情報DSや制御情報DCの生成や編集のために利用者が視認する図3の編集画面40を生成して表示装置16に表示させる。図3に示すように、編集画面40は、各指定音の時系列を表示する楽譜領域42と、制御変数Xの経時的な変化を表示する変数領域44とを含んで構成される。
【0024】
楽譜領域42は、音高を示す縦軸(以下「音高軸」という)と時間を示す横軸(以下「時間軸」という)とが設定されたピアノロール型の画像領域である。楽譜領域42には、音高軸に平行な複数の直線48が時間軸の方向に等間隔に配置される。時間軸において各直線48で指示される位置は、楽曲内の拍点の時点に相当する。
【0025】
表示制御部26は、楽譜領域42のうち利用者が入力装置14の操作で指示した任意の位置に音指示子50を配置する。音指示子50は、指定音毎に設定される矩形状の画像である。音高軸の方向における音指示子50の位置が指定音の音高を示し、時間軸の方向における音指示子50の位置が指定音の発音の時点を示す。また、表示制御部26は、入力装置14に対する利用者からの操作に応じて時間軸の方向における音指示子50の長さを可変に設定する。時間軸の方向における音指示子50の長さは、指定音の継続長(発音の始点から終点までの時間長)を示す。更に、表示制御部26は、入力装置14の操作で利用者が指定音毎に指示する発音文字(歌詞)を当該指定音の音指示子50に付加する。
【0026】
図1の情報生成部22は、利用者が楽譜領域42に配置した音指示子50毎に楽譜情報DSの各単位情報Uを生成して記憶装置12に格納する。すなわち、各単位情報Uの音符情報UNは、音高軸の方向における音指示子50の位置に応じた音高と、時間軸の方向における音指示子50の位置および長さに応じた発音期間とを指定し、各単位情報Uの文字情報ULは、音指示子50に付加された発音文字を指定する。
【0027】
図3の変数領域44は、変数遷移画像442が配置される画像領域である。変数遷移画像442は、制御変数Xの経時的な変化を示すグラフ(折線グラフ)であり、楽譜領域42内と共通の時間軸のもとで表示される。表示制御部26は、入力装置14に対する利用者からの操作に応じて変数遷移画像442を随時に更新する。情報生成部22は、変数遷移画像442が示す制御変数Xの時間的な変化を示す制御情報DCを生成して記憶装置12に格納する。
【0028】
入力装置14に対する操作で利用者が合成音の再生を指示すると、図1の音響生成部24は、記憶装置12に格納された楽譜情報DSで指示される各指定音の音響信号SOUTを生成する。具体的には、音響生成部24は、記憶装置12に記憶された素片情報DVのうち各単位情報Uの文字情報ULで指定される発音文字に対応した素片データを、当該単位情報Uの音符情報UNで指定される音高および発音期間に調整し、調整後の各素片データを相互に連結することで音響信号SOUTを生成(音声合成)する。音響生成部24による音響信号SOUTの生成には制御情報DCが適用される。すなわち、制御情報DCが時系列に指定する制御変数Xの各数値に対応して音響信号SOUTの特性(音量)が経時的に変動するように、音響生成部24は音響信号SOUTを生成する。音響生成部24が生成した音響信号SOUTは、放音装置18に順次に供給されることで音響として再生される。
【0029】
音響信号SOUTの再生が開始されると、表示制御部26は、図3に示すように、音響信号SOUTのうち実際に再生されている時点(以下「再生点」という)pを指示する再生指示子(ポインタ)46を編集画面40に表示させる。再生指示子46は、音響信号SOUTの再生の進行とともに時間軸に沿って移動する。そして、表示制御部26は、楽譜領域42に配置された複数の音指示子50のうち再生点pに対応する音指示子50の態様を順次に変化させる。音指示子50の態様の制御について以下に説明する。
【0030】
図4は、発音文字「さ[s_a]」が付加された音指示子50の態様の変化を示す模式図である。図4には、音指示子50の発音期間(始点tsから終点teまでの期間)内の変数遷移画像442が便宜的に併記されている。再生指示子46で指示される音響信号SOUTの再生点pが音指示子50の発音期間の開始前に位置する場合、表示制御部26は、図4の部分(A)に示すように、音指示子50を標準的な態様(以下「標準態様」という)で表示する。標準態様では、音高軸の方向における音指示子50の長さ(幅)Wが基準値W0に設定され、音指示子50の階調(表示色の濃淡)Gが基準値G0に設定される。
【0031】
再生点pが音指示子50の発音期間内に到達すると(図4の部分(B)または部分(C))、表示制御部26は、制御情報DCが時系列に示す制御変数Xに応じて音指示子50の態様(幅Wおよび階調G)を可変に制御する。例えば、制御変数Xの数値x1が所定の基準値xrefを上回る時点t1では、図4の部分(B)に示すように、音指示子50の幅Wは基準値W0を上回る数値W1に設定され、かつ、音指示子50の階調Gは基準値G0よりも高濃度側(濃い階調)の数値G1に設定される。他方、制御変数Xの数値x2が所定の基準値xrefを下回る時点t2では、図4の部分(C)に示すように、音指示子50の幅Wは基準値W0を下回る数値W2に設定され、かつ、音指示子50の階調Gは基準値G0よりも低濃度側(淡い階調)の数値G2に設定される。なお、以上の説明では、時点t1および時点t2に着目したが、音指示子50の態様は、音響信号SOUTの再生の進行(再生指示子46の移動)とともに連続的に変化する。
【0032】
以上の例示のように、制御変数Xの数値が大きいほど音指示子50の幅Wおよび階調Gが増加するように、表示制御部26は、制御情報DCで指定される制御変数Xに応じて音指示子50の態様を経時的に変化させる。すなわち、音響信号SOUTの特性(音量)の変化が音指示子50の態様(幅Wおよび階調G)で模擬的に表現される。
【0033】
他方、音響信号SOUTの再生点pが音指示子50の発音期間の終点teを経過すると、表示制御部26は、図4の部分(D)に示すように音指示子50を標準態様に設定する。以上に説明した処理(音指示子50の態様の制御)が、楽譜領域42内の各音指示子50について音響信号SOUTの再生の進行とともに順次に実行される。
【0034】
以上の形態によれば、音響信号SOUTの再生の進行とともに制御変数Xに応じて音指示子50の態様が経時的に変化するから、各指定音の特性(音量)の変化を利用者が直感的に把握できるという利点がある。また、各音指示子50の態様が固定された構成と比較して、編集画面40を利用して各指定音を編集する作業の興趣性を向上することが可能である。
【0035】
<B:第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態を説明する。なお、以下の各例示において作用や機能が第1実施形態と同等である要素については、以上の説明で参照した符号を流用して各々の詳細な説明を適宜に省略する。
【0036】
図5は、第2実施形態における楽譜情報DSの模式図である。図5に示すように、第2実施形態の楽譜情報DSを構成する各単位情報Uは、音符情報UNおよび文字情報ULに加えて制御情報UCを含み得る。制御情報UCは、指定音の音高の微小変化を指定する情報であり、先頭変動情報VAとビブラート情報VBとを含んで構成される。先頭変動情報VAおよびビブラート情報VBは、入力装置14に対する利用者からの操作に応じて情報生成部22が可変に生成する。なお、音高の微小変化が付加されない指定音の単位情報Uは制御情報UCを含まない。
【0037】
図6は、指定音の音高の微小変化を示す模式図である。相前後する指定音の間で音高が変化する場合、図6に示すように、後方の指定音の発音期間内の先頭にプレパレーション(期間TA1)およびオーバーシュート(期間TA2)を付加すると、指定音間の音高の変動が聴感的に自然な印象となる。プレパレーションは、指定音間の音高の変化とは逆方向に瞬時的に音高を変化させる歌唱法であり、オーバーシュートは、変化後の音高(N0)を瞬時的に越えるように音高を変化させる歌唱法である。
【0038】
図5の先頭変動情報VAは、指定音に付加されるプレパレーションおよびオーバーシュートの特性を指示する。具体的には、先頭変動情報VAは、プレパレーションによる音高の変動量(直前の指定音の音高との差異)δA1およびプレパレーション期間(開始点および継続長)TA1と、オーバーシュートによる音高の変動量(目標の音高N0との差異)δA2およびオーバーシュート期間(開始点および継続長)TA2とを指定する。
【0039】
図5のビブラート情報VBは、指定音の発音期間のうちビブラート期間TBに付加されるビブラートの特性を指示する。例えば、ビブラート情報VBは、ビブラート期間TB(開始点および継続長)とビブラート深度δB1とビブラート速度δB2とを含んで構成される。図6に示すように、ビブラート深度δB1は、ビブラートによる音高の変動幅を意味し、ビブラート速度δB2は、ビブラートによる音高の変化の速度(周波数)を意味する。
【0040】
音響生成部24は、音符情報UNで指定される各指定音の音高が制御情報UC(先頭変動情報VA,ビブラート情報VB)に従って微小変化するように音響信号SOUTを生成する。他方、音響生成部24による音響信号SOUTの再生が開始すると、表示制御部26は、制御情報UC(先頭変動情報VA,ビブラート情報VB)で指定される各指定音の音高の微小変化に応じて音指示子50の態様を制御する。以下の説明では、音響信号SOUTの再生点pが、指定音(発音文字「さ[s_a]」)の発音期間のうちのプレパレーション期間TA1またはオーバーシュート期間TA2内に位置する場合と、ビブラート期間TB内に位置する場合とに区分して、音指示子50の態様の変化を詳述する。
【0041】
(1)プレパレーション期間TA1,オーバーシュート期間TA2
先頭変動情報VAで指定されるプレパレーション期間TA1またはオーバーシュート期間TA2内に音響信号SOUTの再生点pが位置する場合、表示制御部26は、音指示子50の端部(時間軸の方向の左端部)52の音高軸の方向における位置を、先頭変動情報VAが示す音高の微小変動(プレパレーションおよびオーバーシュート)に連動するように可変に制御する。
【0042】
図6の部分(A1)に示すように、再生指示子46で指示される音響信号SOUTの再生点pが、先頭変動情報VAで指定されるプレパレーション期間TA1の開始前に位置する場合、音指示子50の形状は、全体が時間軸に沿った直線状に設定される。
【0043】
音響信号SOUTの再生が進行して再生点pがプレパレーション期間TA1内に到達すると、表示制御部26は、図6の部分(A2)に示すように、プレパレーションによる音高の変化の方向(音高軸の方向の低音側)に端部52が移動するように音指示子50を変形(湾曲)させる。具体的には、音高軸の方向における端部52の移動量ΔA1が、プレパレーション期間TA1の始点tA1sから中央点にかけて増加して、先頭変動情報VAが示す変動量δA1に応じた最大値に到達し、そこからプレパレーション期間TA1の終点tA1eにかけて減少するように、プレパレーション期間TA1の始点tA1sから終点tA1eにわたる再生点pの移動とともに音指示子50が連続的に変形する。
【0044】
他方、音響信号SOUTの再生点pがオーバーシュート期間TA2内に到達すると、表示制御部26は、図6の部分(A3)に示すように、オーバーシュートによる音高の変化の方向(音高軸の方向の高音側)に端部52が移動するように音指示子50を変形(湾曲)させる。具体的には、音高軸の方向における端部52の移動量ΔA2が、オーバーシュート期間TA2の始点tA2sから増加して先頭変動情報VA内の変動量δA2に応じた最大値に到達し、そこからオーバーシュート期間TA2の終点tA2eにかけて減少するように音指示子50が連続的に変形する。
【0045】
音響信号SOUTの再生点pがオーバーシュート期間TA2の終点tA2eを経過すると、表示制御部26は、図6の部分(A4)に示すように、音指示子50を変形前の形状(時間軸に沿った直線状)に設定する。以上の説明から理解されるように、先頭変動情報VAで指示されるプレパレーションおよびオーバーシュートによる音高の微小変動が音指示子50の端部52の移動で模擬的に表現される。
【0046】
(2)ビブラート期間TB
図6の部分(B1)に示すように、音響信号SOUTの再生点pがビブラート期間TB(始点tBs)の開始前に位置する場合、表示制御部26は、音符情報UNで指定された音高(以下「指定音高」という)N0に対応する音高軸上の位置(以下「基準位置」という)Prefに中心線が合致するように音指示子50を配置する。
【0047】
指定音の発音期間のうちビブラート情報VBで指定されるビブラート期間TB内に音響信号SOUTの再生点pが到達すると、表示制御部26は、ビブラート情報VBが示す音高の変動(ビブラート)に連動するように、音高軸の方向における音指示子50(全体)の位置を可変に制御する。具体的には、表示制御部26は、ビブラートによる音響信号SOUTの音高の微小変動に連動するように、基準位置Prefを中心として音高軸の方向に音指示子50を連続的に振動させる。
【0048】
例えば、音響信号SOUTの音高がビブラートにより指定音高N0を上回る時点tB1では、表示制御部26は、音指示子50の中心線が基準位置Prefよりも高音側(上方)に位置するように音指示子50の位置を制御する。他方、音響信号SOUTの音高がビブラートにより指定音高N0を下回る時点tB2では、表示制御部26は、音指示子50の中心線が基準位置Prefよりも低音側(下方)に位置するように音指示子50の位置を制御する。以上の説明では時点tB1および時点tB2のみに着目したが、音指示子50は、音響信号SOUTの再生の進行とともに音高軸に沿って連続的に移動(振動)する。
【0049】
音指示子50の振動の振幅は、ビブラート情報VBで指定されるビブラート深度δB1に応じて可変に設定される。例えば、ビブラート深度δB1が大きいほど音指示子50の振動の振幅は増加する。また、音指示子50の振動の周波数は、ビブラート情報VBで指定されるビブラート速度δB2に応じて可変に設定される。例えば、ビブラート速度δB2が大きいほど音指示子50の振動の周波数は増加する。以上の説明から理解されるように、ビブラート情報VBで指示されるビブラートによる指定音の音高の変動が音指示子50の移動(振動)で模擬的に表現される。
【0050】
以上の形態によれば、制御情報UCが指定する音高の微小変化に連動して音指示子50の態様(形状や位置)が変化するから、音響信号SOUTの音高の微小変化を利用者が直感的に把握できるという利点がある。また、各音指示子50の態様が固定された構成と比較して、編集画面40を利用して各指定音を編集する作業の興趣性を向上することが可能である。
【0051】
<C:第3実施形態>
図3において、発音文字「あ[a]」および発音文字「さ[s_a]」の各指定音の発音期間の始点は、直線48が示す拍点に合致する。他方、発音文字「が[g_a]」の指定音については、発音期間の始点を拍点から遅延させる歌唱法(いわゆる「溜め」)が指示されている。第3実施形態の表示制御部26は、発音期間の始点が拍点に合致しない指定音の音指示子50の態様を可変に制御する。
【0052】
図7は、第3実施形態における音指示子50の態様の変化を説明するための模式図である。音符情報UNで指定される発音期間の始点tsが、直線48に対応する拍点bから遅延している場合を以下では想定する。図7の部分(A)に示すように、再生指示子46で指示される音響信号SOUTの再生点pが拍点bに到達していない段階では、第1実施形態や第2実施形態と同様に、音指示子50の端点Eは時点ts(発音期間の始点)に位置する。
【0053】
音響信号SOUTの再生が進行して再生点pが拍点bに到達すると、表示制御部26は、図7の部分(B)に示すように、音指示子50の端点Eが時点tsから距離dだけ右側(時間の経過側)の時点txに位置するように音指示子50を時間軸の方向に移動させて維持する。音指示子50の移動の距離dは、例えば拍点bと時点tsとの時間差(拍点bに対する発音の遅延量)に応じて可変に設定される。例えば、拍点bと時点txとの時間差が大きいほど距離dは増加する。
【0054】
音符情報UNで指定される発音期間の始点tsに音響信号SOUTの再生点pが到達すると、表示制御部26は、端点Eが時点tsに合致するまで音指示子50を時間軸に沿って経時的に移動させる。具体的には、表示制御部26は、音指示子50を時間軸の方向に振動させながら徐々に振動を減衰させ、最終的に端点Eが時点tsに合致するように音指示子50の振動を収束させる。すなわち、弾性的に支持された物体に作用する負荷を解放したときの当該物体の挙動が端点Eで模擬されるように音指示子50の時間軸上の位置が制御される。
【0055】
以上のように、拍点bから遅延して発音される指定音(すなわち、溜めて歌唱される歌唱音)の音指示子50を時間軸の方向に移動させ、再生点pが実際の発音期間の始点tsに接近した時点で音指示子50が初期の位置に復帰する。すなわち、発音を溜める様子が音指示子50の挙動で模擬的に表現される。したがって、各指定音の発音の溜め(特性)を利用者が直感的に把握できるという利点がある。また、各音指示子50の態様が固定された構成と比較して、編集画面40を利用して各指定音を編集する作業の興趣性を向上することが可能である。
【0056】
なお、以上の説明では、発音期間の始点tsを拍点bから遅延させた場合(溜め)を例示したが、例えば図8の部分(A)に示すように、発音期間の始点tsを拍点bに先行させる歌唱法(いわゆる「走り」)が指示された指定音についても、以下に説明するように、音指示子50の態様が溜めの場合と同様に制御され得る。
【0057】
例えば、音符情報UNで指定される発音期間の始点tsよりも手前の時点t0に音響信号SOUTの再生点pが到来すると、表示制御部26は、図8の部分(B)に示すように、時点tsと拍点bとの時間差に応じた距離dだけ時点tsから右側の時点txに端点Eが位置するように音指示子50を移動させる。そして、音響信号SOUTの再生点pが発音期間の始点tsに到達すると、表示制御部26は、図8の部分(C)に示すように、端点Eが時点tsに合致するまで音指示子50を振動させながら経時的に移動させる。以上の構成によれば、歌唱の走りの様子を音指示子50の挙動で模擬的に表現することが可能である。したがって、各指定音の発音の走りを利用者が直感的に把握できるという利点がある。
【0058】
<D:変形例>
以上の各形態は多様に変形され得る。具体的な変形の態様を以下に例示する。以下の例示から任意に選択された2以上の態様は適宜に併合され得る。
【0059】
(1)変形例1
音指示子50の態様の変化に適用される指定音の特性は、第1実施形態における指定音の音量(制御変数X)や、第2実施形態における指定音の音高の微小変動や、第3実施形態における指定音の発音期間の始点tsと拍点bとの時間差に限定されない。例えば、例えば、指定音に付加される息成分の強弱(breathiness),明瞭度(brightness,clearness),発音時の開口度(opening),発音者の性別(genderfactor),音高を連続的に変化(ポルタメント)させる時点(portamento-timing)など、音響信号SOUTの生成に適用され得る任意の変数(制御変数X)が、指定音の特性を示す数値として音指示子50の態様の制御に適用され得る。
【0060】
(2)変形例2
指定音の特性に応じて表示制御部26が制御する音指示子50の態様の種類は、第1実施形態における音指示子50の幅Wおよび階調Gや、第2実施形態における音指示子50(全部または端部52)の音高軸上の位置や、第3実施形態における音指示子の時間軸上の位置に限定されない。例えば、音指示子50の表示色(色相,明度,彩度)や形状や模様等の任意の種類の態様が可変に制御される。また、以上の形態では音指示子50を平面的な図形としたが、音指示子50を立体的に表示した構成も採用され得る。例えば立体的に表示された音指示子50の奥行きを指定音の特性に応じて可変に制御する構成が好適である。以上の例示から理解されるように、音指示子50の態様とは、観察者が視覚的に認識できる画像の状態(典型的には音指示子50の形状,寸法,位置,階調,表示色など)を包括する概念である。
【0061】
(3)変形例3
音指示子50の特性の種類と当該特性に応じて可変に制御される音指示子50の態様の種類との組合せは任意である。例えば、図5の制御情報UCが示す音高の微小変化(プレパレーション,オーバーシュート,ビブラート)に連動して音指示子50の幅Wや階調Gを変化させる構成や、第3実施形態にて音指示子50の位置を変更する構成に代えて(またはこの構成とともに)、音指示子50の他の態様(例えば形状や階調)を変更する構成が採用され得る。
【0062】
(4)変形例4
以上に例示した各形態は適宜に併合され得る。例えば、制御情報DCに応じて音指示子50の幅Wおよび階調Gを可変に制御し(第1実施形態)、かつ、各指定音の制御情報UCに応じて音指示子50の音高軸上の位置を可変に制御する(第2実施形態)構成が好適に採用される。
【0063】
(5)変形例5
以上の各形態では、音響信号SOUTの再生点pを指示する再生指示子46を編集画面40に配置したが、再生指示子46は省略され得る。音響信号SOUTの再生点pに応じて各音指示子50の態様が変化するから、再生指示子46を省略した構成でも、利用者は現在の再生点pを確認することが可能である。
【符号の説明】
【0064】
100……音響処理装置、10……制御装置、12……記憶装置、14……入力装置、16……表示装置、18……放音装置、22……情報生成部、24……音響生成部、26……表示制御部、40……編集画面、42……楽譜領域、44……変数領域、46……再生指示子、50……音指示子、52……端部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8