(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、各実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。
【0025】
なお、以下で説明する各実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0026】
(第1の実施形態)
以下、図面を参照しながら、本実施形態に係る固体撮像装置の構成及び動作について説明する。
【0027】
本実施形態に係る固体撮像装置は、各列の画素の増幅トランジスタに電流を供給する負荷トランジスタのゲート端子に、当該負荷トランジスタのゲート端子の電圧を一定にするための電圧保持手段を備える。上記電圧保持手段は、スイッチ素子及び保持容量で構成された、いわゆるサンプルホールド回路(S/H回路)が2段に接続された構成である。このような構成により、低ノイズ化及び低面積化を実現できる。
【0028】
図1は、本発明の第1の実施形態に係る固体撮像装置の機能ブロック図である。同図に示されるように、本実施形態に係る固体撮像装置は、画素110が行列状に配置された画素部である画素ブロック100と、画素ブロック100を駆動する周辺回路が形成された周辺回路ブロック101とを備えている。
【0029】
周辺回路ブロック101は、列定電流源102と、列読み出し部103と、水平走査部104と、ディジタルシグナルプロセッサ(DSP)105と、垂直走査部106と、タイミングジェネレータ107とを備える。
図1においては、周辺回路ブロック101を画素ブロック100の一方の側にのみ配置しているが、どのように配置してもかまわない。
【0030】
図2は、第1の実施の形態に係る画素の第一の例を示す回路図である。同図に示されるように、画素110は、フォトダイオード111、転送トランジスタ112、リセットトランジスタ113、増幅トランジスタ114及び行選択トランジスタ115を有しており、いわゆる4トランジスタ型1画素1セル型の画素である。
【0031】
なお、
図2では、1画素1セル型の画素を示しているが、フォトダイオードからの信号電圧を垂直共通信号線134に出力できる構成であれば、画素をどのような構成としてもよい。例えば、1つの増幅トランジスタに対して複数のフォトダイオードが設けられたn画素1セル型の画素であってもよい。
図3に、2画素1セル型の画素を示す。
【0032】
図3は、第1の実施の形態に係る画素の第二の例を示す回路図である。具体的には、1つの増幅トランジスタ114に2つのフォトダイオード111A及び111Bが接続された2画素1セル型の構成である。なお、上記nの値は任意に選ぶことができる。また、4トランジスタ型の画素に代えて、行選択トランジスタを省略した3トランジスタ型の画素としてもよい。また、画素を構成する各トランジスタは、NMOSトランジスタ及びPMOSトランジスタのいずれであってもよい。また、垂直共通信号線は1つの列に対して複数本存在してもよい。
【0033】
各画素110において、増幅トランジスタ114は、行選択トランジスタ115を介して、各列に設けられた垂直共通信号線134と接続されている。垂直共通信号線134を介して各列の増幅トランジスタ114に電流を供給する列定電流源102と、行選択トランジスタ115が導通した行の増幅トランジスタ114とによって、ソースフォロア回路(以降、画素ソースフォロアと呼ぶ)が形成される。転送トランジスタ112、リセットトランジスタ113及び行選択トランジスタ115には、それぞれ、転送制御線130、リセット制御線131及び行選択制御線132を介して垂直走査部106からタイミング信号が供給される。
【0034】
垂直走査部106は、タイミングジェネレータ107からの信号に基づいて、転送制御線130と、リセット制御線131と、行選択制御線132とを順次アクティブにして、画素110を行毎に順次選択する垂直走査を行う。選択された行に属する画素110の信号電圧は、列毎に画素ソースフォロアを介して、列読み出し部103へ伝達される。
【0035】
図4は、第1の実施の形態に係る列定電流源の一例を示す回路図である。4トランジスタ型の画素110の場合、垂直共通信号線134には、行選択トランジスタ115を介して同じ列に配置された画素110中の増幅トランジスタ114が接続されている。垂直共通信号線134は、複数の画素110の列毎に設けられ、対応する画素の信号を読み出す機能を有する。
【0036】
また、
図4に示されるように、垂直共通信号線134は、負荷トランジスタ222のソース端子及びドレイン端子の一方と接続されている。負荷トランジスタ222の他方の端子は接地されている。ここで、接地とは、グラウンド電圧(以降、GND電圧と称す)供給回路に接続されていることを示す。さらに、垂直共通信号線134は、後段の列読み出し部103とも接続されている。
【0037】
各列の負荷トランジスタ222のゲート端子は、各列に配置された電圧保持回路230を介して、各列共通のバイアス電圧線bias1と接続されている。また、バイアス電圧線bias1は、定電圧部229と接続されている。
【0038】
定電圧部229は、負荷トランジスタ222のゲート端子に一定の電圧を供給するバイアス回路であり、負荷トランジスタ駆動用トランジスタ221と参照電流源Iref1とを有している。
【0039】
電圧保持回路230は、スイッチ素子SW1及びSW2と保持容量C1及びC2とを有し、電圧をサンプルホールドするサンプルホールド回路が複数段接続され、複数の負荷トランジスタ222のゲート端子に供給される電圧を安定させる第1の複数段サンプルホールド回路である。保持容量C1は、一方の電極が電圧保持線SHV1を介してスイッチ素子SW1の一方の端子と負荷トランジスタ222のゲート端子とに接続され、他方の電極が接地されている。保持容量C2は、一方の電極が電圧保持線SHV2を介してスイッチ素子SW1の他方の端子とスイッチ素子SW2の一方の端子と接続され、他方の電極が接地されている。スイッチ素子SW2の他方の端子は、バイアス電圧線bias1と接続されている。また、スイッチ素子SW1は、スイッチ素子制御線108を介して、及び、スイッチ素子SW2はスイッチ素子制御線109を介してタイミングジェネレータ107から導通(オン)状態または非導通(オフ)状態を制御される。
【0040】
スイッチ素子SW1及びSW2は、例えば、タイミングジェネレータ107から接続電圧がスイッチ素子SW1及びSW2の両方へ供給された場合には、スイッチ素子SW1及びSW2の両方がオン状態となって、バイアス電圧線bias1と電圧保持線SHV1及び電圧保持線SHV2との電位を互いに等しくする。
【0041】
また、スイッチ素子SW1及びSW2は、例えば、タイミングジェネレータ107から接続電圧がスイッチ素子SW1に供給され、非接続電圧がスイッチ素子SW2に供給される場合には、スイッチ素子SW1はオン状態となって、電圧保持線SHV1とSHV2との電位を互いに等しくする。一方、スイッチ素子SW2はオフ状態となって、バイアス電圧線bias1と電圧保持線SHV2との間を絶縁する。
【0042】
また、スイッチ素子SW1及びSW2は、例えば、タイミングジェネレータ107から非接続電圧がスイッチ素子SW1に供給され、接続電圧がスイッチ素子SW2に供給される場合には、スイッチ素子SW1はオフ状態となって、電圧保持線SHV1とSHV2との間を絶縁する。一方、スイッチ素子SW2はオン状態となって、バイアス電圧線bias1と電圧保持線SHV2との電位を互いに等しくする。
【0043】
また、スイッチ素子SW1及びSW2は、例えば、タイミングジェネレータ107から非接続電圧がスイッチ素子SW1とSW2の両方へ供給された場合には、スイッチ素子SW1及びSW2はオフ状態となって、バイアス電圧線bias1と電圧保持線SHV1とSHV2との間を絶縁する。
【0044】
以上のように、スイッチ素子SW1及びSW2は、タイミングジェネレータ107からの制御信号に基づいて、負荷トランジスタ222のゲート端子の電圧を一定にする。すなわち、スイッチ素子SW1及びSW2は、制御信号に基づいて、保持容量C1及びC2に一定の電圧を保持する。つまり、スイッチ素子SW1及び保持容量C1は、第1のサンプルホールド回路(以降、S/H回路と呼ぶ)を構成する。また、スイッチ素子SW2及び保持容量C2は、第2のS/H回路を構成する。
【0045】
電圧保持回路230を2段のS/H回路で構成することにより、1段では遮断できなかったバイアス電圧線bias1のノイズを遮断することができ、負荷トランジスタ222のゲート端子の電圧を一定に保持することができるため、低ノイズ化を実現できる。さらに、電圧保持回路230を2段のS/H回路で構成することにより、従来回路に比べて電圧保持回路230の保持容量面積を低減することができる。例えば、スイッチ素子SW1及びSW2がオフ状態となっている期間中のスイッチ素子SW1及びSW2の両端の寄生容量をCpとすると、従来回路の、S/H回路を1段だけ備える構成(ここでは、保持容量C2およびスイッチ素子SW2を備えない構成)において、バイアス電圧線bias1から電圧保持線SHV1までの伝達関数は下記式1のようになる。
【0047】
一方、本実施形態の伝達関数は下記式2のようになる。
【0049】
まず、従来の構成で保持容量C1=100Cpとしたとき、バイアス電圧線bias1のノイズは1/100倍に低減される。このときの電圧保持回路230の保持容量の面積を100とする。一方、本実施形態において、従来と同じ効果を得るように保持容量C1及びC2を考えると、C1=C2=10Cpとなる。すなわち、電圧保持回路230の保持容量の面積が20となり、従来の構成と比べて1/5倍の低面積化を実現できる。
【0050】
なお、保持容量C1及び保持容量C2の容量値は、どちらが大きくても良いが、C1>C2であるのが好ましい。なぜなら、ホールド期間中、保持容量C1に充電された電荷は、トランジスタのゲートリーク等により徐々に減少し、保持容量C1間の電圧、すなわち負荷トランジスタ222のゲート端子の電圧が変動する。その結果、増幅トランジスタ114に供給される電流が変動し、ノイズとなってしまう。そのため、限られた面積の中で、保持容量C1の容量をできる限り大きくし、リークに対する負荷トランジスタ222のゲート端子の電圧変化量を小さくする必要がある。一方で、保持容量C1及びC2の面積には制限があるため、保持容量C1及びC2の両方を大きくすることは困難である。保持容量C2の容量については、ノイズ低減の効果が損なわれない程度に小さくすればよく、保持容量C2を小さくした分、保持容量C1を大きくすることにより、保持容量C1に充電された電荷のリークに対する負荷トランジスタ222のゲート端子の電圧変化量を小さくするという効果を有するからである。
【0051】
図5は、第1の実施形態に係る固体撮像装置の第一の駆動例を示すタイミングチャートである。同図には、垂直走査の具体例が示されている。
【0052】
まず、スイッチ素子SW1及びSW2はオン状態で、定電圧部229から保持容量C1及びC2へ一定の電圧が供給されている状態とする。
【0053】
続いて、スイッチ素子制御線108を非接続電圧(以降、非接続電圧は図中のLowレベルとし、接続電圧はHighレベルとする)にする。これにより、スイッチ素子SW1がオフ状態となり、電圧保持線SHV1とSHV2との間が絶縁する。
【0054】
続いて、スイッチ素子制御線109を非接続電圧にする。これにより、スイッチ素子SW2がオフ状態となり、電圧保持線SHV2とバイアス電圧線bias1との間が絶縁する。読み出し期間中、スイッチ素子SW1及びSW2がオフ状態となることにより、バイアス電圧線bias1からのノイズを低減することができ、負荷トランジスタ222のゲート端子の電圧保持線SHV1を一定に保持することができる。
【0055】
続いて、行選択制御線132をオン状態とする。これにより、行選択トランジスタ115が導通する。
【0056】
続いて、リセット制御線131をオン状態とする。これにより、リセットトランジスタ113が導通し、FD部116のリセット後の電圧が、画素110のリセット電圧Vrstとして、増幅トランジスタ114を介して、垂直共通信号線134へ出力され、さらに後段の列読み出し部103へ伝達される。
【0057】
続いて、フォトダイオード111は、露光時間中に受光した光を光電変換して得られる電荷を蓄積する。
【0058】
所定の露光時間終了後に、転送制御線130をオン状態とする。これにより、転送トランジスタ112が導通し、フォトダイオード111の蓄積電荷がFD部116へ転送される。転送された電荷は、画素110のリセット電圧Vrstに、受光光量に応じた信号電圧Vsigを重畳した重畳電圧(Vrst+Vsig)として、増幅トランジスタ114を介して、垂直共通信号線134へ出力され、さらに後段の列読み出し部103へ伝達される。
【0059】
このように、2度の出力結果により生じる信号の差分を抽出する、いわゆる2重サンプリング動作を行うことによって、受光光量に応じた画素110の信号電圧を得ることができる。
【0060】
信号電圧を得た後、先に、スイッチ素子制御線109を接続電圧にする。これにより、スイッチ素子SW2がオン状態となり、電圧保持線SHV2とバイアス電圧線bias1との電位が互いに等しくなる。
【0061】
続いて、スイッチ素子制御線108を接続電圧にする。これにより、スイッチ素子SW1がオン状態となり、電圧保持線SHV1と電圧保持線SHV2との電位が互いに等しくなる。
【0062】
つまり、上述した第1の実施形態に係る固体撮像装置の駆動方法は、1行の画素110の信号電圧が読み出される毎に、スイッチ素子制御線108が非接続電圧である、負荷トランジスタ222のゲート端子の電圧のホールド期間と、スイッチ素子制御線108が接続電圧であるバイアス電圧サンプル期間とを含む。
【0063】
図3に示された2画素1セルの画素110の場合には、フォトダイオード111A及び111Bのそれぞれに転送トランジスタ112を接続し、2本の転送制御線130A及び130Bにより制御すればよい。この場合には、
図6に示すようなタイミングの駆動を行えばよい。
【0064】
図6は、第1の実施形態に係る固体撮像装置の第二の駆動例を示すタイミングチャートである。同図においても、1行の画素110の信号電圧が読み出されるたびに、負荷トランジスタ222のゲート端子の電圧のホールド期間と、バイアス電圧サンプル期間とが繰り返される。なお、リセット電圧Vrstを読み出してから信号電圧Vsigを読み出す期間までの読み出し期間において、負荷トランジスタ222のゲート端子の電圧保持線SHV1を一定に保持すればよいため、リセットトランジスタ113をオフ状態にした後に、スイッチ素子SW1及びSW2を導通(オフ)状態にしてもよい。
【0065】
図7は、第1の実施形態に係る固体撮像装置の第三の駆動例を示すタイミングチャートである。同図に示されるように、スイッチ素子SW1及びSW2をオン状態にする間隔は、複数行毎でもよく、複数フレーム毎でもよい。すなわち、複数行を読み出している期間はホールド期間とし、複数行を読み出した後、少なくとも1度バイアス電圧サンプル期間を有する駆動方法でもよく、複数行が1フレームでも、複数フレームでもよい。
【0066】
なお、画素信号の読み出し後、スイッチ素子SW1及びSW2を再びオン状態にするタイミングについては、スイッチ素子SW1あるいはSW2のどちらを先にオン状態にしてもよく、同時に行ってもよい。但し、保持容量C1及びC2を充電するために流れる電流によるノイズを抑制するために、バイアス電圧線bias1側に近いスイッチ素子から、負荷トランジスタ222のゲート端子に接続されたスイッチ素子へ順にオン状態にしていく方が好ましい。例えば、本実施形態の場合には、スイッチ素子SW2を先にオン状態にし、続いて、スイッチ素子SW1をオン状態にする方が好ましい。
【0067】
また、画素110のリセット電圧Vrstと受光光量に応じた信号電圧Vsigとを列読み出し部103へ伝達できる駆動方法であれば、
図5〜
図7に示すような駆動方法に限らず、どのような駆動方法を用いてもよい。
【0068】
また、電源投入時やスタンバイ復帰時等の機能を使用する場合は、読み出しを開始するまでに、保持容量C1及びC2は十分に充電されている必要がある。本実施形態では、読み出しを開始するまでに、保持容量C1及びC2は十分に充電されているものとして、
図5〜
図7の駆動方法を一例として示している。
【0069】
以下に、本実施形態の固体撮像装置における列定電流源102以外の機能ブロックの構成例を示す。
【0070】
図8は、第1の実施形態に係る列読み出し部の第一の構成例を示すブロック図である。同図に示されるように、列読み出し部103は、列アンプ141と、列CDS(Correlated Double Sampling)部142と、出力列選択スイッチ部143と、出力部144と、アナログディジタル(AD)変換部145とを有している。画素ソースフォロアからの出力信号は、垂直共通信号線134を介して、列アンプ141へ入力される。列アンプ141において増幅されたリセット電圧Vrst及び重畳電圧(Vrst+Vsig)は、列CDS部142において、2重サンプリング動作によって差分信号が抽出される。この受光光量に応じた画素110のアナログ信号である差分信号が、後段の出力列選択スイッチ部143に伝達される。
【0071】
図9は、第1の実施形態に係る出力列選択スイッチ部の構成例を示す回路図である。同図に示された出力列選択スイッチ部143は、列選択トランジスタ331で構成されている。列CDS部142において抽出された信号電圧は、出力列選択スイッチ部143を介して、各列共通の出力部144に入力された後、AD変換部145においてAD変換されDSP105へ伝達される。
【0072】
水平走査部104は、タイミングジェネレータ107からの信号に基づいて、列選択制御線135を順次アクティブにする。これにより、列選択トランジスタ331が順次選択され水平走査が行われる。水平走査によって選択された列の信号電圧は、出力部144へ伝達される。
【0073】
なお、列読み出し部103は、
図8に示されるように、列選択によりアナログ信号を順次、単一のAD変換部145へ供給してAD変換を行い、外部へディジタル信号値として出力する構成及び駆動方法であれば、どのような構成としてもよい。また、アナログ信号を列毎に設けられたAD変換部において同時にAD変換した後、順次、列選択することにより外部へディジタル信号値を出力する構成としてもよい。
【0074】
図10は、第1の実施形態に係る列読み出し部の第二の構成例を示すブロック図である。同図に示されるように、例えば、列アンプ141と列AD変換部146とを有する構成としてもよい。列AD変換部146は垂直共通信号線134に対応して設けられており、列アンプ141を介して対応する垂直共通信号線134から伝達された電圧をディジタル信号に変換する。
【0075】
図11は、列読み出し部が備える列AD変換部の構成例を示すブロック図である。以下において、列AD変換部146が、いわゆるシングルスロープ型AD変換部である例を説明するが、逐次比較等、他のAD変換方式のAD変換部としてもよい。
図11に示されるように、列AD変換部146は、参照信号生成部361と、コンパレータ部362と、カウント部(カウンタ)363と、メモリ部364とを有している。
【0076】
参照信号生成部361は、時間経過と共に徐々に変化する参照信号電圧(ランプ波形信号電圧)Vrampを生成する。参照信号電圧Vrampは、滑らかなスロープ状の波形であっても階段状の波形であってもよく、ある傾きで推移する波形であれば、その波形は特に限定されない。参照信号電圧Vrampの傾きも、同様に正負のいずれであってもよい。参照信号生成部361は、ある傾きで推移する波形を生成できれば他の構成としてもよい。例えば、ディジタルアナログコンバータ(DAC)に増加又は減少するコード値を与えDAC出力をフィルタリングする構成としてもよい。また、容量素子を用いて積分動作させる構成としてもよい。
【0077】
コンパレータ部362は、垂直共通信号線134から列アンプ回路を介して増幅された信号電圧と、参照信号生成部361で生成される参照信号電圧Vrampとの大小を比較する。コンパレータ部362は、既知のオフセットキャンセル機能を備えた差動比較器とすればよい。但し、垂直共通信号線134から列アンプ回路を介して増幅された信号電圧と、参照信号生成部361で生成される参照信号電圧Vrampとを比較できるコンパレータ部362であればどのような構成としてもよい。例えば、いわゆるチョッパコンパレータ等としてもよい。
【0078】
カウンタ363は、コンパレータ部362が比較を開始してからコンパレータ部362の比較結果が変化するまでの時間、つまり、垂直共通信号線134から列アンプ回路を介して増幅された信号電圧と、参照信号生成部361で生成される参照信号電圧Vrampとの大小関係が変化するまで(コンパレータ部362の出力が反転するまで)の時間をカウントしてAD変換を行う。具体的には、カウンタ363は、比較を開始してから信号電圧と参照信号電圧Vrampとの大小関係が変化するまで入力されるクロックをカウントすることによりAD変換を行う。AD変換後、カウンタ363は、ディジタル信号値(カウント値)をメモリ部364に伝送し、メモリ部364は伝送されたディジタル信号値を記憶する。AD変換は、リセット電圧Vrst及び重畳電圧(Vrst+Vsig)に対してそれぞれ行われ、両者の差分を取ることにより画素110の信号電圧が得られる。なお、列AD変換部146を用いて2重サンプリング動作を行う例について説明したが、信号電圧VsigについてのみAD変換を行う構成としてもよい。
【0079】
列毎にメモリ部364に記憶されたディジタル信号値は順次、出力部147へ伝達される。メモリ部364から出力部147へのディジタル信号値の伝達は、タイミングジェネレータ107からの信号に基づいて、水平走査部104が、複数の列選択制御線135を順次アクティブにすることにより行われる。
【0080】
出力部147は、伝達されたディジタル信号値を外部に出力する。出力部147は、LVDS(Low Voltage Differential Signaling)等を用いた高速伝送回路とすればよい。但し、ディジタル信号値を出力することが可能であればよく、出力部147の回路及び構成はどのようにしてもよい。また、出力部147の出力形式もどのようなものであってもよく、出力の種別はシリアル出力であってもパラレル出力であってもよく、出力ポート数等も特に限定されない。
【0081】
なお、
図8に示された列読み出し部103においては、列アンプ141と列CDS部142とが設けられているが、列アンプ141及び列CDS部142の一方又は両方が存在しない構成としてもよい。また、
図10に示された列読み出し部103においては、列アンプ141が設けられているが、列アンプ141はなくてもよい。但し、列アンプ141を設けることにより後段へ伝送する信号電圧を大きくすることができる。このため、AD変換における入力換算S/Nを向上させ、固体撮像装置の画質を向上させることが可能となる。
【0082】
また、列アンプ141は、定電流性の負荷をソース接地増幅回路で駆動する、いわゆるシングルエンドのインバータアンプとすればよい。但し、信号増幅手段であればどのような構成としてもよく、例えば、差動増幅回路等としてもよい。
【0083】
また、AD変換部に入力される信号をサンプルホールドするためのサンプルホールド手段が設けられてもよい。AD変換部へ入力される信号のサンプルホールド手段を設けることにより、AD変換動作と、画素110から垂直共通信号線134への信号読み出しとを並列動作させる、いわゆるパイプライン化が可能となる。これにより、固体撮像装置のフレームレートを向上させることができる。
【0084】
なお、本実施形態に係る電圧保持回路230は、スイッチ素子と保持容量で構成するS/H回路を2段接続S/H回路で構成しているが、2段以上の複数段接続したS/H回路で構成されてもよい。
【0085】
(第1の実施形態の変形例)
図12は、第1の実施の形態の第1の変形例に係る列定電流源を示す回路図である。同図に示された列定電流源102は、垂直共通信号線134の電圧が変動しても、画素110の増幅トランジスタ114に供給する電流を精度よく保持することができ、かつバイアス回路のノイズを低減する機能を有している。この構成により、さらなる高画質化を実現できる。
【0086】
図12に示された列定電流源と、
図4に示された列定電流源との相違点は、垂直共通信号線134と負荷トランジスタ222のソース端子及びドレイン端子の一方との間に、列定電流源トランジスタ223が追加され、各列の列定電流源トランジスタ223のゲート端子に電圧保持回路231が追加配置されている点である。
【0087】
電圧保持回路231は、電圧保持回路230と同様の構成であり、スイッチ素子SW3及びSW4と、保持容量C3及びC4とを有し、列定電流源トランジスタ223のゲート端子に接続され、電圧をサンプルホールドするサンプルホールド回路が複数段接続された第2の複数段サンプルホールド回路である。保持容量C3は、一方の電極がスイッチ素子SW3の一方の端子と列定電流源トランジスタ223のゲート端子とに接続され、他方の電極が接地されている。保持容量C4は、一方の電極がスイッチ素子SW3の他方の端子とスイッチ素子SW4の一方の端子とに接続され、他方の電極が接地されている。スイッチ素子SW4の他方の端子は、電圧入力端子Tbと接続されている。また、スイッチ素子SW3はスイッチ素子制御線108を介して、スイッチ素子SW4はスイッチ素子制御線109を介してタイミングジェネレータ107から導通(オン)状態または非導通(オフ)状態を制御される。
【0088】
各列の列定電流源トランジスタ223のゲート端子は、各列の電圧保持回路231を介して、少なくとも1つの共通の電圧入力端子Tbと接続されている。電圧入力端子Tbには、バイアス回路等によって一定の電圧が供給される。電圧保持回路231の動作やタイミングについては、
図4で説明した電圧保持回路230と同様のものであるため、ここでの詳細の説明を省略する。
【0089】
スイッチ素子SW3及び保持容量C3は、第3のサンプルホールド回路を構成し、また、スイッチ素子SW4及び保持容量C4は、第2のサンプルホールド回路を構成する。
【0090】
なお、保持容量C3及び保持容量C4の容量値はどちらが大きくても良いが、C3>C4であるのが好ましい。なぜなら、ホールド期間中、保持容量C3に充電された電荷は、トランジスタのゲートリーク等により徐々に減少し、保持容量C3間の電圧、すなわち負荷トランジスタ222のゲート端子の電圧が変動する。その結果、増幅トランジスタ114に供給される電流が変動し、ノイズとなってしまう。そのため、限られた面積の中で、保持容量C3の容量をできる限り大きくし、リークに対する負荷トランジスタ222のゲート端子の電圧変化量を小さくする必要がある。一方で、保持容量C3及びC4の面積には制限があるため、保持容量C3及びC4の両方を大きくすることは困難である。保持容量C4の容量については、ノイズ低減の効果が損なわれない程度に小さくすればよく、保持容量C4を小さくした分、保持容量C3を大きくすることによって、保持容量C3に充電された電荷のリークに対する負荷トランジスタ222のゲート端子の電圧変化量を小さくするという効果を有するからである。
【0091】
図12に示されるように、列定電流源トランジスタ223と、列定電流源トランジスタ223のゲート端子に接続された電圧保持回路231とを備えることにより、垂直共通信号線134の電圧が変動しても、画素110の増幅トランジスタ114に供給する電流を精度よく保持することができ、かつ、バイアス回路等が接続される電圧入力端子Tbから列定電流源トランジスタ223のゲート端子へのノイズを低減することができるため、さらなる、高画質化を実現できる。
【0092】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態に係る固体撮像装置の構成及び動作について図面を参照しながら説明する。なお、以下では、第1の実施形態に係る固体撮像装置との相違点についてのみ説明する。本実施形態に係る固体撮像装置の有する構成要素のうち、
図1に示された第1の実施形態に係る固体撮像装置と同様の構成については説明を省略する。
【0093】
図13は、第2の実施形態に係る列定電流源の一例を示す回路図である。
図13において、第1の実施形態の列定電流源102の構成要素と同一の構成要素には、同一の符号を付して示す。また、第1の実施形態の説明と重複する事項については、その詳細な説明を省略する。
【0094】
本実施形態に係る列定電流源と、第1の実施形態に係る列定電流源との相違点は、各列の負荷トランジスタ222のゲート端子が、他の複数の列の負荷トランジスタ222のゲート端子と互いに接続され、複数の列の負荷トランジスタ222のゲート端子が、共通の電圧保持回路232を介して、共通のバイアス電圧線bias1に接続されている点である。このような構成にすることによって、さらなる低面積化を実現できる。
【0095】
電圧保持回路232は、第1の実施形態に示された電圧保持回路230と同様の構成であるため、ここでの詳細の説明を省略する。
【0096】
各列の負荷トランジスタ222のゲート端子は、他の複数の列の負荷トランジスタ222のゲート端子と互いに接続され、1つの共通の電圧保持回路232を介して定電圧部229のバイアス電圧線bias1と接続されている。定電圧部229は第1の実施形態に示されたものと同様の構成であるため、ここでの詳細の説明を省略する。
【0097】
また、電圧保持回路232の動作やタイミングについては、第1の実施形態に係る電圧保持回路230と同様のものであるため、ここでの詳細の説明を省略する。
【0098】
図13に示されるように、複数の列の負荷トランジスタ222のゲート端子に1つの共通の電圧保持回路232を備えることにより、さらなる低面積化を実現できる。
【0099】
(第2の実施形態の変形例)
図14は、第2の実施の形態の第1の変形例に係る列定電流源を示す回路図である。同図に示された列定電流源102は、垂直共通信号線134の電圧が変動しても、画素110の増幅トランジスタ114に供給する電流を精度よく保持することができ、かつバイアス回路のノイズを低減する機能を有している。この構成により、さらなる高画質化を実現できる。
【0100】
図14に示された列定電流源と、
図13に示された列定電流源との相違点は、垂直共通信号線134と負荷トランジスタ222のソース端子及びドレイン端子の一方との間に、列定電流源トランジスタ223が追加され、複数の列の列定電流源トランジスタ223のゲート端子が互いに接続され、列定電流源トランジスタ223のゲート端子に電圧保持回路233が追加配置されている点である。
【0101】
電圧保持回路233は、第1の実施形態に示された電圧保持回路231と同様の構成であるため、ここでの詳細の説明を省略する。
【0102】
各列の列定電流源トランジスタ223のゲート端子は、他の複数の列の列定電流源トランジスタ223のゲート端子と互いに接続され、1つの共通の電圧保持回路233を介して少なくとも1つの共通の電圧入力端子Tbと接続されている。電圧入力端子Tbにはバイアス回路等によって一定の電圧が供給される。
【0103】
また、電圧保持回路232と同様に、スイッチ素子SW3はスイッチ素子制御線108を介して、スイッチ素子SW4はスイッチ素子制御線109を介してタイミングジェネレータ107からオン状態またはオフ状態を制御される。電圧保持回路233の動作やタイミングについては、第1の実施形態に記載の電圧保持回路231と同様のものであるため、ここでの詳細の説明を省略する。
【0104】
図14に示されるように、列定電流源トランジスタ223を備え、各列の列定電流源トランジスタ223のゲート端子が、他の複数の列の列定電流源トランジスタ223のゲート端子と互いに接続され、1つの共通の電圧保持回路233を備えることにより、垂直共通信号線134の電圧が変動しても、画素110の増幅トランジスタ114に供給する電流を精度よく保持することができ、かつ、バイアス回路等が接続される電圧入力端子Tbから列定電流源トランジスタ223のゲート端子へのノイズを低減することができるため、高画質化を実現できる。さらには、低面積化を実現できる。
【0105】
なお、第1の実施形態に係る固体撮像装置は、列毎に電圧保持回路230及び231を備える構成であるのに対し、第2の実施形態に係る固体撮像装置は、複数の列に対して、1つの共通の電圧保持回路232及び233を備える構成を示しているが、複数列毎に1つの電圧保持回路を備える構成にしてもよい。
【0106】
図15は、第1及び第2の実施形態の第2の変形例に係る列定電流源を示す回路図である。また、
図16は、第1及び第2の実施形態の第3の変形例に係る列定電流源を示す回路図である。
図15及び
図16に示されるように、例えば、2列毎に1つの共通の電圧保持回路を備えている構成が例示される。
【0107】
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態に係る固体撮像装置の構成及び動作について図面を参照しながら説明する。なお、以下では、第1の実施形態に係る固体撮像装置との相違点についてのみ説明する。本実施形態に係る固体撮像装置の有する構成要素のうち、
図1に示された第1の実施形態に係る固体撮像装置と同様の構成についての説明は省略する。
【0108】
図17は、第3の実施形態に係る列定電流源の一例を示す回路図である。
図17において、第1の実施形態の列定電流源102の構成要素と同一の構成要素には、同一の符号を付して示す。また、第1の実施形態の説明と重複する事項については、その詳細な説明を省略する。
【0109】
第1及び第2の実施形態では、負荷トランジスタ222のゲート端子に接続された電圧保持回路を備えることにより、ノイズを低減する方法について説明した。しかしながら、ノイズの発生源は、負荷トランジスタ222のゲート端子に一定の電圧を供給している定電圧部229だけではなく、定電圧部229を構成している電流源トランジスタ224のゲート端子に一定の電圧を供給している参照電圧源239においても発生する。参照電圧源239は例えば、バンドギャップリファレンス回路(以降、BGR回路と呼ぶ)と呼ばれる回路等で構成されるが、BGR回路の場合、回路を構成する素子の数が比較的多いためノイズが問題となる。また、参照電圧源239及び定電圧部229は、チップ内での配置によっては、参照電圧源239と定電圧部229との間の配線(
図17中の参照電圧線Vref1等に相当)が長くなることもある。このような場合、配線自身に起因するノイズや、周辺回路からのノイズの影響によって、定電圧部229へ一定の電圧を供給することが困難となる。そのため、参照電圧線Vref1のノイズについても、抑制する必要がある。
【0110】
本実施形態に係る固体撮像装置は、参照電圧線Vref1のノイズを低減することにより、定電圧部229の電流源トランジスタ224のゲート端子の電圧を一定にする構成を有している。本実施形態と第1の実施形態との相違点は、各列の負荷トランジスタ222のゲート端子に一定の電圧を供給する定電圧部229、いわゆるバイアス回路、を構成している電流源トランジスタ224のゲート端子が、電圧保持回路234を介して参照電圧線Vref1と接続されている点である。
【0111】
このような構成にすることにより、参照電圧源239によるノイズや、参照電圧源239と定電圧部229との間の配線が長くなる場合に問題となる参照電圧線Vref1のノイズを低減することができ、定電圧部229の電流源トランジスタ224のゲート端子の電圧を一定にすることができるため、定電圧部229の参照電流が一定となり、結果的に負荷トランジスタ222のゲート端子に一定の電圧を供給することが可能となる。よって、低ノイズ化と低面積化とを実現できる。
【0112】
電圧保持回路234の構成は、第1の実施形態に示す電圧保持回路230と比較して、保持容量C1及びC2の一方の電極が、PMOSで形成された電流源トランジスタ224のゲート端子と接続される点で異なり、また他方の電極が、電源電圧供給回路に接続される点で異なる。しかしながら、保持容量C1及びC2は、電流源トランジスタのゲート端子に接続された電極と基準電位供給回路(電源電圧供給回路またはGND電圧供給回路)と接続された電極との間の電圧を一定に保持するためのものである。一方、NMOSで形成された電流源トランジスタ(例えば、負荷トランジスタ222)の場合には、第1の実施形態の電圧保持回路230と同様、一方の電極を電流源トランジスタのゲート端子に接続し、他方の電極をGND電圧供給回路に接続すればよい。このようなPMOSとNMOSとの間の構成の差異のため、ここでの詳細の説明を省略する。つまり、基準電位供給回路とは、電流源トランジスタがPMOSの場合は電源電圧供給回路を指し、NMOSの場合はGND電圧供給回路を指す。
【0113】
各列の負荷トランジスタ222のゲート端子に一定の電圧を供給する定電圧部229を構成している電流源トランジスタ224のゲート端子が、電圧保持回路234を介して参照電圧線Vref1と接続されている。定電圧部229は、負荷トランジスタ駆動用トランジスタ221と電流源トランジスタ224とを有している。電流源トランジスタ224のゲート端子は、電圧保持回路234を介して参照電圧線Vref1と接続されている。電流源トランジスタ224のソース端子及びドレイン端子の一方は、負荷トランジスタ駆動用トランジスタ221のゲート端子及びソース端子及びドレイン端子の一方及び各列の負荷トランジスタ225のゲート端子と接続され、他方は電源と接続されている。
【0114】
参照電圧源239で生成される一定の電圧は、参照電圧線Vref1及び電圧保持回路を介して電流源トランジスタ224のゲート端子に供給される。電圧保持回路234の動作やタイミングについては、第1の実施形態に係る電圧保持回路230と同様のものであるため、ここでの詳細の説明を省略する。
【0115】
図18は、第3の実施の形態の第1の変形例に係る列定電流源を示す回路図である。同図に示されるように、列定電流源102が、電流源トランジスタ224と直列接続された定電流源トランジスタ226と、定電流源トランジスタ226のゲート端子に接続された電圧保持回路235とをさらに備えることにより、垂直共通信号線134の電位が変動しても、負荷トランジスタ駆動用トランジスタ221に供給する電流を精度よく保持することができ、かつ、バイアス回路等が接続される電圧入力端子Tbから定電流源トランジスタ226のゲート端子へのノイズを低減することができるため、さらなる高画質化を実現できる。
【0116】
なお、負荷トランジスタ222のバイアス回路として定電圧部229を例示したが、電圧を生成する電圧源回路であれば、例えば、BGR回路や抵抗分圧による電圧生成回路等であっても、本発明の目的と範囲を逸脱しない。また、定電圧部229の前段として、参照電圧源239を例示したが、電圧を生成する電圧源回路であれば、例えば、BGR回路や抵抗分圧による電圧生成回路等であっても、本発明の目的と範囲を逸脱しない。
【0117】
図19は、第3の実施の形態の第2の変形例に係る列定電流源を示す回路図である。同図に示されるように、負荷トランジスタ222のゲート端子及び定電圧部229の電流源トランジスタ224のゲート端子の両方に電圧保持回路を備えてもよい。さらに、
図19において、
図12、
図14、
図16及び
図18に示されるように、列定電流源トランジスタ223及び定電流源トランジスタ226の少なくともどちらか一方を備える場合についても、列定電流源トランジスタ223のゲート端子及び定電流源トランジスタ226のゲート端子に電圧保持回路を備えてもよい。さらに、チップ内で電流源として動作するトランジスタのゲート端子に対して、電圧保持回路を備える構成にしてもよい。
【0118】
なお、本実施形態に記載の電圧保持回路は、スイッチ素子と保持容量とで構成されたS/H回路を2段接続S/H回路で構成しているが、複数段接続されたS/H回路で構成されてもよい。
【0119】
(第4の実施形態)
上記した第1〜第3の実施形態及びその変形例に係る固体撮像装置は、
図20Aに示されるビデオカメラや
図20Bに示されるデジタルスチルカメラ、さらには携帯電話等のモバイル機器向けカメラモジュール等の撮像装置において、その撮像デバイス(画像入力装置)として用いて好適なものである。
【0120】
図21は、撮像装置の構成の一例を示すブロック図である。
図21に示されるように、本実施形態に係る撮像装置は、レンズ61を含む光学系、撮像デバイス62、カメラ信号処理回路63およびシステムコントローラ64等によって構成されている。レンズ61は、被写体からの像光を撮像デバイス62の撮像面に結像する。撮像デバイス62は、レンズ61によって撮像面に結像された像光を画素単位で電気信号に変換して得られる画像信号を出力する。この撮像デバイス62として、上述の第1〜第3の実施形態のいずれか又はその変形例に係る固体撮像装置が用いられる。
【0121】
カメラ信号処理回路63は、撮像デバイス62から出力される画像信号に対して種々の信号処理を行う。システムコントローラ64は、撮像デバイス62やカメラ信号処理回路63に対する制御を行う。
【0122】
このように、本実施形態に係る撮像装置は、画素の増幅トランジスタに一定の電流を供給する負荷トランジスタのゲート端子の電圧を一定にすることができ、結果として、低ノイズ化及び低面積化を実現した撮像デバイス62を備える。
【0123】
以上、本発明の固体撮像装置及びそれを備えた撮像装置について、実施形態に基づいて説明してきたが、本発明に係る固体撮像装置及び撮像装置は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態における任意の構成要素を組み合わせて実現される別の実施形態や、上記実施形態に対して本発明の主旨を逸脱しない範囲で当業者が思いつく各種変形を施して得られる変形例や、本発明に係る固体撮像装置を内蔵した各種機器も本発明に含まれる。