特許第6037243号(P6037243)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6037243
(24)【登録日】2016年11月11日
(45)【発行日】2016年12月7日
(54)【発明の名称】ベーパ回収装置及び給油所システム
(51)【国際特許分類】
   B67D 7/76 20100101AFI20161128BHJP
【FI】
   B67D7/76 B
【請求項の数】4
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2014-212264(P2014-212264)
(22)【出願日】2014年10月17日
(65)【公開番号】特開2016-78893(P2016-78893A)
(43)【公開日】2016年5月16日
【審査請求日】2015年6月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】000151346
【氏名又は名称】株式会社タツノ
(74)【代理人】
【識別番号】100106563
【弁理士】
【氏名又は名称】中井 潤
(72)【発明者】
【氏名】狩野 一幸
(72)【発明者】
【氏名】小池 毅
【審査官】 関 義彦
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−46225(JP,A)
【文献】 特開平7−172498(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B67D 7
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
地下タンクに一端が接続された通気管から分岐する分岐部に設けられ、前記地下タンクの内部の燃料油ベーパを吸引回収する吸引手段と、該吸引手段の下流側に接続され、前記燃料油ベーパを凝縮する凝縮手段とを備えるベーパ回収装置であって、
前記吸引手段は、前記分岐部が開状態となった場合に起動することを特徴とするベーパ回収装置。
【請求項2】
前記吸引手段は、燃料油の荷卸しが終了してから所定時間経過後に停止することを特徴とする請求項1に記載のベーパ回収装置。
【請求項3】
複数種類の燃料油を各々に貯留する複数の地下タンクと、
前記複数の地下タンクの各々に一端が接続された複数の通気管から分岐する分岐部に設けられ、前記地下タンクの内部の燃料油ベーパを吸引回収する吸引手段と、該吸引手段の下流側に接続され、前記燃料油ベーパを凝縮する凝縮手段とを備え、前記地下タンクの内部の燃料油ベーパを回収するベーパ回収装置とからなり、
前記ベーパ回収装置の前記吸引手段は、燃料油を荷卸しする地下タンクに接続された通気管から前記ベーパ回収装置に分岐する分岐部が開状態となった場合に起動することを特徴とする給油所システム。
【請求項4】
前記複数の地下タンクには、前記燃料油の荷卸しの際に接続される荷卸しホースの接続状態を検知する検知手段が各々設けられ、
開状態となった前記分岐部が設けられた通気管が接続される地下タンクと、前記荷卸しホースが接続されたことを検知した検知手段が設けられた地下タンクとが一致するか否かを判断することを特徴とする請求項3に記載の給油所システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タンクローリから地下タンクに燃料油を荷卸しする際等に地下タンク内に滞留する燃料油ベーパ(気化した燃料油)を自動的に回収するベーパ回収装置及び給油所システムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般にガソリン等の燃料油は揮発性が高いため、従来、給油所に埋設された地下タンクにタンクローリから燃料油を荷卸しする際に、地下タンク内の上部空間に滞留する炭化水素の燃料油ベーパは、地下タンクに接続された通気管を介して大気に放出されていた。このため、資源が無駄になるだけでなく、大気中に放出された燃料油ベーパにより環境汚染を引き起こし、また、大気中に放出された燃料油ベーパの引火により火災の虞があるという問題があった。
【0003】
このような問題を解決するため、最近では、燃料油ベーパを液化して再利用するベーパ回収装置が提案され、実用化されている。このベーパ回収装置は、タンクローリに積載された燃料油を地下タンクに荷卸しする際に使用され、地下タンク内に溜まった燃料油ベーパを吸引回収して液化ガソリンとエア(空気)とに分離して回収するものであり、例えば、燃料油ベーパを吸引回収するための圧縮ポンプの起動停止を、燃料油の荷卸し開始/終了時にタンクローリの運転手が手動で行う。
【0004】
また、本出願人は、特許文献1において、燃料油ベーパの吸引回収をより確実かつ効率的に行うため、圧縮ポンプの起動停止を自動的に行うベーパ回収装置を提案した。
【0005】
図7に示すように、特許文献1に記載のベーパ回収装置100は、大別して、装置本体110と、燃料油ベーパとしてのガソリンベーパVを吸引回収する吸引手段120と、ガソリンベーパVを凝縮かつ吸脱着する凝縮手段130とを備える。
【0006】
吸引手段120は、回収管124から分流して流量検知管125に流れ込むガソリンベーパVの流量を検知する回転センサ121と、回転センサ121へのガソリンベーパVの流れを一方向に規制する逆止弁122と、回転センサ121の回転数に応じて制御装置140によって制御される圧縮ポンプ123とを備える。
【0007】
凝縮手段130は、圧縮ポンプ123で吸引回収されたガソリンベーパVの一部分を凝縮して液化する凝縮器131と、凝縮器131で液化されずにガソリン蒸気の状態のままの残余ベーパRからガソリン成分を吸着する複数の吸着塔132、133とを備える。
【0008】
このベーパ回収装置100において、回転センサ121が回転を開始すると、制御装置140は、タンクローリ200からガソリンGが地下タンク300に注入されたと判断し、圧縮ポンプ123を起動する。
【0009】
圧縮ポンプ123によって吸引回収されたガソリンベーパVは、凝縮器131によって凝縮・液化され、液化された液化ガソリンLは、地下タンク300に戻される。また、凝縮器131からの残余ベーパRは、吸着塔132、133によってガソリン成分のみが吸着され、残りのエア成分が外部に放出される。
【0010】
そして、回転センサ121の回転が停止すると、制御装置140は、ガソリンベーパVの吸引回収量がゼロであると判断し、圧縮ポンプ123を停止する。
【0011】
このように、ベーパ回収装置100では、回転センサ121でガソリンベーパVの流量を検知して圧縮ポンプ123の動作を制御するため、ベーパ回収装置100の起動停止を自動的に行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開2014−76829号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
しかし、特許文献1に記載のベーパ回収装置では、ガソリンベーパVの流量を検知して圧縮ポンプを自動的に起動停止する際に用いられる回転センサを設ける必要があり、設備投資にかかるコストが増加するという問題があった。
【0014】
そこで、本発明は、上記従来の技術における問題点に鑑みてなされたものであって、タンクローリから地下タンクに燃料油を荷卸しする際等に地下タンク内に滞留する燃料油ベーパを回収するベーパ回収装置において、設備投資にかかるコストを抑制しながら燃料油ベーパを自動的に回収することが可能なベーパ回収装置及び給油所システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記目的を達成するため、本発明は、地下タンクに一端が接続された通気管から分岐する分岐部に設けられ、前記地下タンクの内部の燃料油ベーパを吸引回収する吸引手段と、該吸引手段の下流側に接続され、前記燃料油ベーパを凝縮する凝縮手段とを備えるベーパ回収装置であって、前記吸引手段は、前記分岐部が開状態となった場合に起動することを特徴とする。
【0016】
本発明によれば、分岐部が開状態となった場合に、圧縮ポンプを起動するため、従来のような回転センサを設ける必要がなく、設備投資にかかるコストを抑制しながら燃料油ベーパを自動的に回収することができる。
【0017】
上記ベーパ回収装置において、前記吸引手段を、燃料油の荷卸しが終了してから所定時間経過後に停止させることができる。これにより、燃料油の荷卸しが終了して地下タンク内の燃料油の液面が安定した後に発生する燃料油ベーパについても回収することができ、燃料油ベーパを効率的に回収することができる。
【0018】
また、本発明は、複数種類の燃料油を各々に貯留する複数の地下タンクと、前記複数の地下タンクの各々に一端が接続された複数の通気管から分岐する分岐部に設けられ、前記地下タンクの内部の燃料油ベーパを吸引回収する吸引手段と、該吸引手段の下流側に接続され、前記燃料油ベーパを凝縮する凝縮手段とを備え、前記地下タンクの内部の燃料油ベーパを回収するベーパ回収装置とからなり、前記ベーパ回収装置の前記吸引手段は、燃料油を荷卸しする地下タンクに接続された通気管から前記ベーパ回収装置に分岐する分岐部が開状態となった場合に起動することを特徴とする。本発明によれば、前記発明と同様に、設備投資にかかるコストを抑制しながら燃料油ベーパを自動的に回収することができる。
【0019】
上記給油所システムにおいて、前記複数の地下タンクに、前記燃料油の荷卸しの際に接続される荷卸しホースの接続状態を検知する検知手段を各々設け、開状態となった前記分岐部が設けられた通気管が接続される地下タンクと、前記荷卸しホースが接続されたことを検知した検知手段が設けられた地下タンクとが一致するか否かを判断することができる。これにより、燃料油ベーパを回収すべき地下タンクから確実に燃料油ベーパを回収することができる。
【発明の効果】
【0020】
以上のように、本発明によれば、設備投資にかかるコストを抑制しながら燃料油ベーパを自動的に回収することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明に係る給油所システムの第1の実施形態を示す全体図である。
図2】本発明に係るベーパ回収装置の第1の実施形態を示し、ベーパ回収装置の要部拡大部分を含む全体図である。
図3】第1の実施形態による圧縮ポンプの制御について説明するためのフローチャートである。
図4】本発明に係る給油所システムの第2の実施形態を示す全体図である。
図5】第2の実施形態による圧縮ポンプの制御について説明するためのフローチャートである。
図6】第3の実施形態による圧縮ポンプの制御について説明するためのフローチャートである。
図7】従来のベーパ回収装置の要部拡大部分を含む全体図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
次に、本発明を実施するための形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0023】
図1は、本発明に係る給油所システムの第1の実施形態を示し、この給油所システム1は、大別して、ベーパ回収装置2と、給油所に設置される1つ又は複数の計量機4(4A、4B、4C)と、洗車機5と、液量管理装置6とからなる各給油所機器と、POS(Point Of Sale system)等から構成される給油所用販売装置(POS端末)7と、1つ又は複数の地下タンク3(3A、3B、3C)とを集中監視するために備えられ、各給油所機器と給油所用販売装置7との間に配置され、両者とデータ送受信可能に接続される遠隔監視装置8と、遠隔監視装置8とインターネット等のネットワークを介して接続される遠隔監視サーバ(以下「サーバ」と略称する。)9と、サーバ9とネットワークを介して接続されるサポートセンター10及び携帯端末11とで構成される。
【0024】
ベーパ回収装置2は、タンクローリに積載された燃料油としてのガソリンを地下タンク3に荷卸する際に使用され、地下タンク3内に溜まった燃料油ベーパとしてのガソリンベーパ(気化したガソリン)を吸引回収して液化ガソリンとエア(空気)とに分離して回収し、液化ガソリンを地下タンク3に戻すものである。ベーパ回収装置2は、後述する遠隔監視装置8からポンプ起動信号及びポンプ停止信号が入力された際に起動及び停止する。
【0025】
地下タンク3A〜3Cには、液面計12(12A、12B、12C)が各々設けられる。液面計12は、地下タンク3内の燃料油の液面の変動を検知し、検知結果を液量管理装置6に対して出力する。また、液面計12は、液面の変動が所定時間で所定量以内である場合に、タンクローリからの燃料油の荷卸しが終了したと判断し、燃料油の荷卸し終了を示す荷卸し終了信号を液量管理装置6に対して出力する。具体的には、例えば、液面の変動が1分間で2mm以内である場合に、荷卸しが終了したと判断する。
【0026】
また、地下タンク3A〜3Cには、ベーパ回収装置2との間に通気管17(17A、17B、17C)が各々接続され、通気管17A〜17Cからベーパ回収装置に分岐する分岐部には、ボール弁19(19A、19B、19C)が各々設けられる。ボール弁19は、タンクローリの運転手等の操作者によって操作されることによって開閉する。ボール弁19が「開」状態の場合には、地下タンク3及びベーパ回収装置2の間が通気可能に接続され、「閉」状態の場合には、地下タンク3及びベーパ回収装置2の間が遮断される。また、ボール弁19は、弁の開閉状態を示す開閉信号を後述する遠隔監視装置8に対して出力する。尚、通気管17及びボール弁19の詳細については、後述する。
【0027】
液量管理装置6は、給油所システム1に設けられた各給油所機器を管理し、地下タンク3の仕様、液量、変化量等の記憶や、漏れ状況を検知する制御を行う。また、本実施の形態による液量管理装置6においては、例えば、地下タンク3に設けられた液面計12からの荷卸し終了信号が入力された場合には、この信号を遠隔監視装置8に対して出力する。
【0028】
給油所用販売装置7は、売上げデータや地下タンク3内の燃料油の残量、給油所用販売装置7に設けられた各機器の保守に必要な機器状況等に関する情報を記憶したり、各部を制御するためのPOS制御プログラムを有する。
【0029】
遠隔監視装置8は、後述するベーパ回収装置2における圧縮ポンプ30の動作を制御すると共に、給油所システム1に設けられた各機器を集中監視し、各給油所機器及び給油所用販売装置7の保守等に関する各種情報を記憶する。また、遠隔監視装置8は、給油所用販売装置7及びサーバ9とデータ通信可能に接続され、例えば、各種給油所機器に関する情報を定期的にサーバ9に対して出力する。
【0030】
さらに、遠隔監視装置8は、ボール弁19から開閉信号が入力され、この開閉信号が弁の「開」状態を示す場合に、後述するベーパ回収装置2に設けられた圧縮ポンプ30を起動するためのポンプ起動信号を生成すると共に、液量管理装置6から荷卸し終了信号が入力された場合に、圧縮ポンプ30を停止するためのポンプ停止信号を生成する。
そして、遠隔監視装置8は、生成したポンプ起動信号及び/又はポンプ停止信号をベーパ回収装置2に対して出力する。
【0031】
サーバ9は、遠隔監視装置8、サポートセンター10及び携帯端末11とデータ送受信可能に接続され、遠隔監視装置8から受信する給油所番号に対応する給油所の名称、住所、元売等からなる給油所基本情報を記憶したり、計量機4による油種毎の販売量の集計等を行う。
【0032】
次に、ベーパ回収装置2の構成について、図2を参照して説明する。ベーパ回収装置2は、装置本体20と、ガソリンベーパVを吸引回収する吸引手段としての圧縮ポンプ30と、圧縮ポンプ30の下流側に設けられ、ガソリンベーパVを凝縮かつ吸脱着する凝縮手段40とを備える。
【0033】
タンクローリ13は、少なくとも1本の荷卸しホース13aを備え、注油口ボックス14には地下タンク3に接続された少なくとも1本の遠方注入管15が設けられる。荷卸しホース13aの遠方注油口13bと遠方注入管15の注油口15aとを連結することにより、タンクローリ13に積載されたガソリンGは、荷卸しホース13a及び遠方注入管15を介して地下タンク3内に注ぎ込まれ貯留される。
【0034】
地下タンク3には一対の継手16が設けられ、右側継手16には注油口ボックス14から地下タンク3へ延びる遠方注入管15が配され、左側継手16には地下タンク3に連結されて地上に延びる通気管17が配設される。
【0035】
通気管17の分岐点17aとエア放出管54の合流点17bとの間には、通気弁18が設けられ、通気管17の上端には通気口17cが設けられる。通気弁18は、所定圧力(異常圧力)以上にならないと弁開しないため、通常地下タンク3からのガソリンベーパVは分岐点17aより回収管22へ流れる。
【0036】
また、通気管17の分岐点17aと後述する圧力センサ23との間(分岐部)には、ボール弁19が設けられる。ボール弁19は、通常時には「閉」状態とされ、地下タンク3からベーパ回収装置2(装置本体20)へのガソリンベーパVの流入を遮断する。ボール弁19は、操作者による操作によって開閉可能とされ、「開」状態の場合には、地下タンク3からベーパ回収装置2(装置本体20)へのガソリンベーパVの流入が可能となる。また、ボール弁19は、弁の開閉状態を示す開閉信号を遠隔監視装置8に対して出力する。
【0037】
圧力センサ23は、ガソリンベーパVを吸引回収する回収管22の圧力状態を検知し、回収管22の内部が異常な圧力になった場合に圧縮ポンプ30を停止させる。
【0038】
圧縮ポンプ30は、回収管22の下流側に位置し、後述するように、ガソリンGの荷卸開始時に自動的に起動し、荷卸終了時に自動的に停止するように構成される。圧縮ポンプ30は、回収管22を介してガソリンベーパVを吸引回収すると共に、吸引回収されたガソリンベーパVを後述する凝縮器41に吐出する。
【0039】
凝縮手段40は、圧縮ポンプ30の下流側に接続された案内管33に設けられた凝縮器41と、凝縮器41の下流側に配設され、ガソリンベーパVを吸引脱着する第1及び第2の吸脱着塔51、52とを有する。
【0040】
凝縮器41は、ガソリンベーパVを、一部分を凝縮して液化した液化ガソリンLと、液化されずにガソリン蒸気の状態のままとなる残余ベーパRとに分離する。ガソリンベーパVを液化する際には、例えば、外部からの冷却手段を使用することにより、又は、ガソリン自体を内部に循環させることにより行うことができる。
【0041】
凝縮器41には、液化ガソリンLを地下タンク3に戻すための液戻し管42と、残余ベーパRを第1及び第2の吸脱着塔51、52に導入するためのベーパ導入管43とが接続される。
【0042】
液戻し管42の一端は凝縮器41に接続され、他端は液化ガソリンLを地下タンク3内に戻すために注油口ボックス14内の遠方注入管15に接続される。また、凝縮器41の下流側の液戻し管42には液戻し弁44が設けられる。この液戻し弁44を開くことにより凝縮器41による液化ガソリンLを地下タンク3へと案内し、一方、液戻し弁44を閉じることにより凝縮器41からの分離による残余ベーパRを第1及び第2の吸脱着塔51、52に案内する。
【0043】
ベーパ導入管43の一端は凝縮器41に接続され、他端は第1及び第2の分岐管51a、52aの一端に連結される。第1及び第2の分岐管51a、52aの他端には、第1及び第2の吸脱着塔51、52が各々接続される。第1及び第2の吸脱着塔51、52には、第1及び第2の導出管51b、52bの一端が各々接続される。第1及び第2の導出管51b、52bの他端は、合流してベーパ戻し管53に連結される。第1の導出管51bにはエア放出管54の一端が接続され、エア放出管54の他端は通気管17に連結される。エア放出管54には、圧力調整弁55が設けられ、エア成分が圧力調整弁55を通過する際にエア成分の圧力を外気圧に調整する。
【0044】
凝縮器41からの残余ベーパRは、ガソリン成分とエア成分とからなるため、第1及び第2の吸脱着塔51、52の各々は、残余ベーパRからガソリン成分のみを吸着し、残りのエア成分をガソリン成分から分離する吸着機能を備える。エア成分は、第1及び第2の導出管51b、52bから圧力調整弁55を介してエア放出管54に案内され、通気管17の通気口17cを介して外部へ放出される。
【0045】
第1及び第2の吸脱着塔51、52からのエア成分を放出した後に、圧縮ポンプ30を回転駆動することにより、第1及び第2の吸脱着塔51、52は、第1及び第2の吸脱着塔51、52の各々に吸着されたガソリン成分を脱着する脱着機能を有する。脱着されたガソリン成分は、ベーパ戻し管53を介して圧縮ポンプ30に吸引されるので、地下タンク3からの吸引回収されたガソリンベーパVと、脱着されたガソリン成分とは、連結管32で混合される(以下「混合ガソリンベーパ」という)。その後、混合ガソリンベーパMは、圧縮ポンプ30から凝縮器41や第1及び第2の吸脱着塔51、52に案内される。
【0046】
圧力センサ23、圧縮ポンプ30及び液戻し弁44は、制御装置60により監視制御される。本実施の形態において、制御装置60は、以下に説明するように、遠隔監視装置8から入力されたポンプ起動信号及びポンプ停止信号に基づき、圧縮ポンプ30の起動停止を制御する。
【0047】
次に、第1の実施形態における圧縮ポンプ30の制御について、図3に示すフローチャートを参照して説明する。
【0048】
タンクローリからガソリンの荷卸しが開始されると、ステップS1において、遠隔監視装置8は、荷卸し対象となる地下タンク3に接続された通気管17に設けられたボール弁19から入力された開閉信号に基づき、ボール弁19が「開」状態であるか否かを判断する。開閉信号が弁開状態を示し、ボール弁19が「開」状態であると判断した場合(ステップS1;Yes)には、処理がステップS2に移行する。一方、開閉信号が弁閉状態を示し、ボール弁19が「閉」状態であると判断した場合(ステップS1;No)には、処理がステップS1に戻り、ボール弁19が「開」状態となるまでステップS1の処理を繰り返す。
【0049】
ステップS2において、遠隔監視装置8は、ガソリンの荷卸し対象となる地下タンク3以外の地下タンク3に接続された通気管17に設けられた他のボール弁19から入力された開閉信号に基づき、他のボール弁19が「閉」状態であるか否かを判断する。
【0050】
開閉信号が弁閉状態を示し、他のボール弁19が「閉」状態であると判断した場合(ステップS2;Yes)、遠隔監視装置8は、ベーパ回収装置2に設けられた圧縮ポンプ30を起動するためのポンプ起動信号を生成し、ベーパ回収装置2に対して出力する。そして、ベーパ回収装置2の制御装置60は、入力されたポンプ起動信号に基づき、圧縮ポンプ30を起動する(ステップS3)。
【0051】
次に、ステップS4において、液面計12は、所定時間内での液面の変動量に基づき、地下タンク3内のガソリンの液面が安定したか否かを判断する。具体的には、例えば、液面の変動が1分間で2mm以内であるか否かにより、液面が安定したか否かを判断する。
【0052】
ガソリンの液面が安定したと判断した場合(ステップS4;Yes)、液面計12は、荷卸し終了信号を、液量管理装置6を介して遠隔監視装置8に対して出力する。遠隔監視装置8は、液量管理装置6から荷卸し終了信号が入力されると、圧縮ポンプ30を停止するためのポンプ停止信号を生成し、ベーパ回収装置2に対して出力する。
【0053】
一方、ガソリンの液面が安定していないと判断した場合(ステップS4;No)には、処理がステップS4に戻り、液面が安定するまでステップS4の処理を繰り返す。
【0054】
次に、ステップS5において、制御装置60は、ポンプ停止信号が入力されてから予め設定された所定時間t1が経過したか否かを判断する。ポンプ停止信号が入力されてから所定時間t1が経過したと判断した場合(ステップS5;Yes)、制御装置60は、圧縮ポンプ30を停止する(ステップS6)。一方、ポンプ停止信号が入力されてから所定時間t1が経過していないと判断した場合(ステップS5;No)には、所定時間t1が経過するまでステップS5の処理を繰り返す。
【0055】
ここで、「所定時間t1」は、地下タンク3内でのガソリンベーパの発生が収束すると考えられる時間であり、例えば10分程度とする。ガソリンベーパは、荷卸しが終了してガソリンの液面が安定した後も発生するため、このようにポンプ停止信号が入力されてから所定時間t1が経過した後に圧縮ポンプ30を停止することにより、地下タンク3内のガソリンの液面が安定した後に発生するガソリンベーパについても、ベーパ回収装置2によって回収することができ、ガソリンベーパを効率的に回収することができる。
【0056】
一方、ステップS2において、開閉信号が弁開状態を示し、他のボール弁19が「開」状態であると判断した場合(ステップS2;No)、遠隔監視装置8は、操作者に対して他のボール弁19が「開」状態であることを報知する(ステップS7)。操作者に対する報知は、例えば、遠隔監視装置8に対してLED(Light Emitting Diode)等の表示部やスピーカ等を設け、光や音声を用いて行う。
【0057】
以上のように、第1の実施形態によれば、通気管17に設けられたボール弁19が「開」状態となった場合に生成される圧縮ポンプ30を起動するためのポンプ起動信号と、地下タンク3内のガソリンの液面が安定した場合に生成される圧縮ポンプ30を停止するためのポンプ停止信号とに基づいて圧縮ポンプ30の起動停止を制御するため、ボール弁19の開閉状態に応じて圧縮ポンプ30の起動を制御することができる。そのため、従来のような回転センサをベーパ回収装置に設ける必要がなく、設備投資にかかるコストを抑制しながら燃料油ベーパを自動的に回収することができる。
【0058】
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。この第2の実施形態では、荷卸しホースが接続された地下タンクと、「開」状態としたボール弁が設けられた通気管が接続された地下タンクとが一致する場合にのみ、ベーパ回収装置に設けられた圧縮ポンプの起動停止を制御する。
【0059】
尚、以下の説明において、上述した第1の実施形態と共通する部分には同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。
【0060】
図4は、本発明に係る給油所システムの第2の実施形態を示し、この給油所システム70は、大別して、ベーパ回収装置2と、1つ又は複数の計量機4(4A、4B、4C)と、洗車機5と、液量管理装置6とからなる各給油所機器、給油所用販売装置(POS端末)7、遠隔監視装置78、サーバ9、サポートセンター10及び携帯端末11で構成される。
【0061】
この第2の実施形態において、地下タンク3に設けられた注油口15aには、リミットスイッチ80(80Aのみ図示)が設けられる。リミットスイッチ80は、注油口15aに対する荷卸しホース13aの接続状態を検知し、接続状態に応じてON/OFFが切り替わるように設けられる。リミットスイッチ80は、スイッチのON/OFF状態、すなわち荷卸しホース13aの接続状態を示す接続信号を後述する遠隔監視装置78に対して出力する。
【0062】
遠隔監視装置78は、上述した第1の実施形態における遠隔監視装置8と同様に、ポンプ起動信号及び/又はポンプ停止信号を生成してベーパ回収装置2に対して出力することにより、ベーパ回収装置2おける圧縮ポンプ30の動作を制御する。
【0063】
ここで、遠隔監視装置78は、リミットスイッチ80から入力された接続信号と、ボール弁19から入力された開閉信号とに基づき、リミットスイッチ80が設けられた地下タンク3と、ボール弁19が設けられた通気管17が接続された地下タンク3とが一致するか否かを判断し、一致した場合にのみ、圧縮ポンプ30を起動するためのポンプ起動信号を生成する。
【0064】
このような判断の方法としては、例えば、遠隔監視装置78は、各々のリミットスイッチ80から入力される接続信号に対応づけられた、各リミットスイッチ80が設けられた地下タンク3のタンク番号である第1のタンク番号と、各々のボール弁19から入力される開閉信号に対応づけられた、各ボール弁19が設けられた通気管17に接続された地下タンク3のタンク番号である第2のタンク番号とからなるタンク番号テーブルを記憶する。
【0065】
遠隔監視装置78は、リミットスイッチ80から入力された接続信号と、ボール弁19から入力された開閉信号とに基づき、タンク番号テーブルを参照して各々の信号に対応付けられた第1及び第2のタンク番号を読み出して比較し、第1及び第2のタンク番号が同一であるか否かを判断する。
【0066】
一方、遠隔監視装置78は、液量管理装置6から荷卸し終了信号が入力された場合に、圧縮ポンプ30を停止するためのポンプ停止信号を生成する。そして、遠隔監視装置78は、生成したポンプ起動信号及び/又はポンプ停止信号をベーパ回収装置2に対して出力する。
【0067】
次に、第2の実施形態における圧縮ポンプ30の制御について、図5に示すフローチャートを参照して説明する。
【0068】
まず、ステップS11において、遠隔監視装置78は、リミットスイッチ80から入力された接続信号に基づき、荷卸しホース13aが地下タンク3の注油口15aに接続されたか否かを判断する。リミットスイッチ80から入力された接続信号が「ON」状態、すなわち注油口15aに対して荷卸しホース13aが接続されたと判断した場合(ステップS11;Yes)、遠隔監視装置78は、タンク番号テーブルから、入力された接続信号に対応付けられた第1のタンク番号を読み出して記憶する(ステップS12)。
【0069】
一方、リミットスイッチ80から入力された接続信号が「OFF」状態、すなわち注油口15aに対して荷卸しホース13aが接続されていないと判断した場合(ステップS11;No)には、処理がステップS11に戻り、荷卸しホース13aが接続されるまでステップS11の処理を繰り返す。
【0070】
次に、ステップS13において、遠隔監視装置78は、ボール弁19から入力された開閉信号に基づき、ボール弁19が「開」状態であるか否かを判断する。開閉信号が弁開状態を示し、ボール弁19が「開」状態であると判断した場合(ステップS13;Yes)、遠隔監視装置78は、タンク番号テーブルから、入力された開閉信号に対応付けられた第2のタンク番号を読み出して記憶する(ステップS14)。
【0071】
一方、開閉信号が弁閉状態を示し、ボール弁19が「閉」状態であると判断した場合(ステップS13;No)には、処理がステップS13に戻り、ボール弁19が「開」状態となるまでステップS13の処理を繰り返す。
【0072】
次に、ステップS15において、遠隔監視装置78は、記憶した第1及び第2のタンク番号が同一であるか否かを判断する。第1及び第2のタンク番号が同一であると判断した場合(ステップS15;Yes)には、処理がステップS16に移行する。
【0073】
ステップS16において、遠隔監視装置78は、他のボール弁19から入力された開閉信号に基づき、他のボール弁19が「閉」状態であるか否かを判断する。開閉信号が弁閉状態を示し、他のボール弁19が「閉」状態であると判断した場合(ステップS16;Yes)、遠隔監視装置78は、ポンプ起動信号を生成してベーパ回収装置2に対して出力する。そして、ベーパ回収装置2の制御装置60は、入力されたポンプ起動信号に基づき、圧縮ポンプ30を起動する(ステップS17)。
【0074】
次に、ステップS18において、液面計12は、第1の実施形態と同様に、所定時間内での液面の変動量に基づき、地下タンク3内のガソリンの液面が安定したか否かを判断する。
【0075】
ガソリンの液面が安定したと判断した場合(ステップS18;Yes)、液面計12は、荷卸し終了信号を、液量管理装置6を介して遠隔監視装置78に対して出力する。遠隔監視装置78は、液量管理装置6から荷卸し終了信号が入力されると、ポンプ停止信号を生成してベーパ回収装置2に対して出力する。一方、ガソリンの液面が安定していないと判断した場合(ステップS18;No)には、処理がステップS18に戻り、液面が安定するまでステップS18の処理を繰り返す。
【0076】
次に、ステップS19において、制御装置60は、第1の実施形態と同様に、ポンプ停止信号が入力されてから予め設定された所定時間t1が経過したか否かを判断する。ポンプ停止信号が入力されてから所定時間t1が経過したと判断した場合(ステップS19;Yes)、制御装置60は、圧縮ポンプ30を停止する(ステップS20)。ポンプ停止信号が入力されてから所定時間t1が経過していないと判断した場合(ステップS19;No)には、所定時間t1が経過するまでステップS19の処理を繰り返す。
【0077】
一方、ステップS15において第1及び第2のタンク番号が同一でないと判断した場合(ステップS15;No)や、ステップS16において開閉信号が弁開状態を示し、他のボール弁19が「開」状態であると判断した場合(ステップS16;No)には、処理がステップS21に移行する。
【0078】
ステップS21において、遠隔監視装置78は、操作者に対して「開」状態としたボール弁19に接続された地下タンク3と、荷卸しホース13aが接続された地下タンク3とが異なること、又は他のボール弁19が「開」状態であることを報知する。操作者に対する報知は、第1の実施形態と同様に、例えば、遠隔監視装置78に対してLED(Light Emitting Diode)等の表示部やスピーカ等を設け、光や音声を用いて行う。
【0079】
以上のように、第2の実施形態によれば、第1の実施形態と同様に、ボール弁19の開閉状態に応じて圧縮ポンプ30の起動を制御するため、設備投資にかかるコストを抑制しながら燃料油ベーパを自動的に回収することができる。
【0080】
また、ボール弁19が設けられた通気管17に接続された地下タンク3と、荷卸しホース13aが接続された地下タンク3とが同一である場合にのみ圧縮ポンプ30を起動するように制御するため、燃料油ベーパを回収すべき地下タンク3から確実に燃料油ベーパを回収することができる。
【0081】
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。この第3の実施形態では、荷卸しホースの接続が解除された場合に、ベーパ回収装置に設けられた圧縮ポンプを停止する。
【0082】
第3の実施形態による給油所システムの構成については、上述した第2の実施形態による給油所システム70と同様であるため、説明を省略する。
【0083】
次に、第3の実施形態における圧縮ポンプ30の制御について、図6に示すフローチャートを参照して説明する。
【0084】
ステップS31〜ステップS37、及びステップS40の処理は、図5に示す第2の実施形態におけるステップS11〜ステップS17、及びステップS21の処理と同様である。
【0085】
ステップS38において、遠隔監視装置78は、リミットスイッチ80から入力された接続信号に基づき、地下タンク3の注油口15aに対する荷卸しホース13aの接続が解除されたか否かを判断する。
【0086】
リミットスイッチ80から入力された接続信号が「OFF」状態、すなわち注油口15aに対する荷卸しホース13aの接続が解除されたと判断した場合(ステップS38;Yes)、遠隔監視装置78は、ポンプ停止信号を生成してベーパ回収装置2に対して出力する。そして、ベーパ回収装置2の制御装置60は、入力されたポンプ停止信号に基づき、圧縮ポンプ30を停止する(ステップS39)。
【0087】
一方、接続信号が「ON」状態、すなわち注油口15aに対する荷卸しホース13aの接続が解除されていないと判断した場合(ステップS38;No)には、処理がステップS38に戻り、荷卸しホース13aの接続が解除されるまでステップS38の処理を繰り返す。
【0088】
尚、注油口15aに対する荷卸しホース13aの接続の解除は、タンクローリからの燃料油の荷卸しが終了した場合に行われるが、これは、操作者の判断により行われる。このとき、操作者は、例えば、荷卸しホース13aに予め設けられたサイトグラスを目視することにより、燃料油の荷卸しが終了したか否かを判断することができる。
【0089】
また、燃料油の荷卸しが終了し、荷卸しホース13a内にエアが入った場合には、荷卸しホース13aが振動するため、操作者は、この振動を認識することによっても、燃料油の荷卸しが終了したか否かを判断することができる。
【0090】
以上のように、第3の実施形態によれば、第1及び第2の実施形態と同様に、ボール弁19の開閉状態に応じて圧縮ポンプ30の起動を制御するため、設備投資にかかるコストを抑制しながら燃料油ベーパを自動的に回収することができる。
【0091】
また、第2の実施形態と同様に、ボール弁19が設けられた通気管17に接続された地下タンク3と、荷卸しホース13aが接続された地下タンク3とが同一である場合にのみ、圧縮ポンプ30を起動するように制御するため、地下タンク3内の燃料油ベーパを確実に回収できるか否かを確認することができる。
【0092】
さらに、注油口15aに対する荷卸しホース13aの接続が解除された場合にベーパ回収装置2の圧縮ポンプ30を停止するため、燃料油の荷卸しが終了したことを自動的に検知してベーパ回収装置2を停止することができる。
【0093】
以上、本発明の第1、第2及び第3の実施形態について説明したが、本発明は、上述した各実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で様々な変形や応用が可能である。
【0094】
例えば、上述の各実施形態では、遠隔監視装置8、78を経由して圧縮ポンプ30の起動停止を制御するようにしたが、これに限られず、例えば、ボール弁19からの開閉信号及びリミットスイッチ80からの接続信号を直接ベーパ回収装置2に入力してもよい。この場合、ベーパ回収装置2の制御装置60は、遠隔監視装置78が記憶するタンク番号テーブルを記憶し、遠隔監視装置78と同様の処理を行うことにより、圧縮ポンプ30の起動停止を制御することができる。これにより、遠隔監視装置8が設置されていない給油所等に対しても、本実施の形態によるシステムを容易に適用することができる。
【0095】
また、各実施形態では、タンク番号テーブルを用いて第1及び第2のタンク番号が同一であるか否かを判断したが、これに限られず、例えば、リミットスイッチ80から接続信号を出力する際に、このリミットスイッチ80が設けられた地下タンク3に対応する第1のタンク番号を併せて出力すると共に、ボール弁19から開閉信号を出力する際に、通気管17を介して接続された地下タンク3に対応する第2のタンク番号を併せて出力してもよい。これにより、タンク番号テーブルが不要となる。
【0096】
さらに、上述の例では、ボール弁19を用いた場合について説明したが、これに限られず、他の弁等を用いてもよい。また、リミットスイッチ80に代えて、他の検知手段を用いることもできる。
【符号の説明】
【0097】
1、70 給油所システム
2 ベーパ回収装置
3(3A、3B、3C) 地下タンク
4(4A、4B、4C) 計量機
5 洗車機
6 液量管理装置
7 給油所用販売装置
8、78 遠隔監視装置
9 遠隔監視サーバ
10 サポートセンター
11 携帯端末
12(12A、12B、12C) 液面計
13 タンクローリ
13a 荷卸しホース
14 注油口ボックス
15a 注油口
16 継手
17(17A、17B、17C) 通気管
17a 分岐点
18 通気弁
19(19A、19B、19C) ボール弁
20 装置本体
22 回収管
30 圧縮ポンプ
40 凝縮手段
41 凝縮器
42 液戻し管
43 ベーパ導入管
44 液戻し弁
51 第1の吸脱着塔
52 第2の吸脱着塔
53 ベーパ戻し管
54 エア放出管
55 圧力調整弁
60 制御装置
80(80A) リミットスイッチ
G 燃料油(ガソリン)
L 液化ガソリン
M 混合ガソリンベーパ
R 残余ベーパ
V 燃料油ベーパ(ガソリンベーパ)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7