特許第6037297号(P6037297)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6037297
(24)【登録日】2016年11月11日
(45)【発行日】2016年12月7日
(54)【発明の名称】通信装置、通信方法及び集積回路
(51)【国際特許分類】
   H04W 52/34 20090101AFI20161128BHJP
   H04W 72/04 20090101ALI20161128BHJP
   H04W 24/10 20090101ALI20161128BHJP
【FI】
   H04W52/34
   H04W72/04 111
   H04W24/10
【請求項の数】17
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2016-22741(P2016-22741)
(22)【出願日】2016年2月9日
(62)【分割の表示】特願2012-528587(P2012-528587)の分割
【原出願日】2011年7月12日
(65)【公開番号】特開2016-106491(P2016-106491A)
(43)【公開日】2016年6月16日
【審査請求日】2016年2月9日
(31)【優先権主張番号】特願2010-178671(P2010-178671)
(32)【優先日】2010年8月9日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】316002062
【氏名又は名称】サン パテント トラスト
(74)【代理人】
【識別番号】100105050
【弁理士】
【氏名又は名称】鷲田 公一
(72)【発明者】
【氏名】高岡 辰輔
(72)【発明者】
【氏名】岩井 敬
【審査官】 齋藤 浩兵
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2010/065759(WO,A2)
【文献】 Panasonic,Details of cross-carrier power headroom reports[online],3GPP TSG-RAN WG2♯70bis R2-103600,2010年 6月22日,Pages 1-3,URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_70bis/Docs/R2-103600.zip
【文献】 ZTE,Discussion on CC specific PHR reporting[online],3GPP TSG-RAN WG2♯70bis R2-103724,2010年 6月22日,pages 1-3,URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_70bis/Docs/R2-103724.zip
【文献】 Ericsson, ST Ericsson,Details of PHR Handling for CA[online],3GPP TSG-RAN WG2♯70bis R2-103570,2010年 6月21日,Pages 1-3,URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_70bis/Docs/R2-103570.zip
【文献】 Samsung,PUSCH/PUCCH power headroom reporting[online],3GPP TSG-RAN WG1#61 R1-103007,2010年 5月14日,URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_61/Docs/R1-103007.zip
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24−7/26
H04W 4/00−99/00
3GPP TSG RAN WG1−4
SA WG1−2
CT WG1
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
2つの単位キャリアを用いる無線通信帯域において、下り制御チャネル(PDCCH)又は上位層を用いて制御情報を送信する送信部と、
前記制御情報を受信した端末装置において、前記制御情報を含むパラメータ情報に基づいて、前記制御情報を受信した単位キャリアにおける上り回線チャネルの送信電力余力が算出され、前記上り回線チャネルの前記送信電力余力を算出するのに用いられた前記パラメータ情報を用いて、前記制御情報を受信した単位キャリアと同じサブフレームにおける、制御情報が送信されない上り回線チャネルの送信電力が算出された後に、上り回線チャネルの送信電力余力情報を前記端末装置から上り共有チャネル(PUSCH)上で受信する受信部と、
を具備する通信装置。
【請求項2】
前記端末装置における前記送信電力余力の算出と、前記送信電力の算出は、単位キャリア毎に行われる、
請求項1に記載の通信装置。
【請求項3】
2つの単位キャリアを用いる無線通信帯域において、下り制御チャネル(PDCCH)又は上位層を用いて制御情報を送信する送信部と、
前記制御情報を受信した端末装置において、上り回線チャネルの送信電力余力の算出に用いられたパラメータ情報を用いて、前記パラメータ情報に含まれる制御情報を受信した単位キャリアの前記上り回線チャネルと同じサブフレームにおける、制御情報が送信されない上り回線チャネルの送信電力が算出され、下り制御チャネル(PDCCH)又は上位層を用いて通知される制御情報を含む前記パラメータ情報を用いて、前記送信電力余力が算出され、上り回線チャネルの送信電力余力情報を前記端末装置から上り共有チャネル(PUSCH)上で受信する受信部と、
を具備する通信装置。
【請求項4】
前記上り回線チャネルの送信電力余力は、TPCコマンドの累積値が0dB(デシベル)の場合に相当する送信電力余力である、
請求項3に記載の通信装置。
【請求項5】
前記TPCコマンドの累積値が0dB(デシベル)の場合に相当する送信電力余力は、単位キャリア毎の最大送信電力から、前記PDCCHで通知されるTPCコマンドを用いて算出する電力累積値以外の前記パラメータ情報の少なくとも一部を用いて算出された値を減算することにより得られる、
請求項4に記載の通信装置。
【請求項6】
前記送信電力余力の算出と前記送信電力の算出は、単位キャリア毎に行われる、
請求項3から5のいずれか一項に記載の通信装置。
【請求項7】
前記制御情報は、前記上り回線チャネルの割当帯域幅と、変調符号化スキーム(MCS)に関連するオフセット値ΔTF(j)と、TPCコマンドと、基地局から前記上位層を用いて通知される情報P0_PUSCH(j)、α(j)の少なくとも1つを含み、
前記パラメータ情報は、パスロス推定値PLと、最大送信電力Pcmaxと、前記制御情報の少なくとも一部を用いて算出されたパラメータとをさらに含む、
請求項1から6のいずれか一項に記載の通信装置。
【請求項8】
前記パラメータ情報は、プライマリセルに設定された上り回線チャネルの送信電力、及び、送信電力余力の算出に用いられる、
請求項1から7のいずれか一項に記載の通信装置。
【請求項9】
2つの単位キャリアを用いる無線通信帯域において、下り制御チャネル(PDCCH)又は上位層を用いて制御情報を送信し、
前記制御情報を受信した端末装置において、前記制御情報を含むパラメータ情報に基づいて、前記制御情報を受信した単位キャリアにおける上り回線チャネルの送信電力余力が算出され、前記上り回線チャネルの前記送信電力余力を算出するのに用いられた前記パラメータ情報を用いて、前記制御情報を受信した単位キャリアと同じサブフレームにおける、制御情報が送信されない上り回線チャネルの送信電力が算出された後に、上り回線チャネルの送信電力余力情報を前記端末装置から上り共有チャネル(PUSCH)上で受信する、
通信方法。
【請求項10】
前記端末装置における前記送信電力余力の算出と、前記送信電力の算出は、単位キャリア毎に行われる、
請求項9に記載の通信方法。
【請求項11】
2つの単位キャリアを用いる無線通信帯域において、下り制御チャネル(PDCCH)又は上位層を用いて制御情報を送信し、
前記制御情報を受信した端末装置において、上り回線チャネルの送信電力余力の算出に用いられたパラメータ情報を用いて、前記パラメータ情報に含まれる制御情報を受信した単位キャリアの前記上り回線チャネルと同じサブフレームにおける、制御情報が送信されない上り回線チャネルの送信電力が算出され、下り制御チャネル(PDCCH)又は上位層を用いて通知される制御情報を含む前記パラメータ情報を用いて、前記送信電力余力が算出され、上り回線チャネルの送信電力余力情報を前記端末装置から上り共有チャネル(PUSCH)上で受信する、
通信方法。
【請求項12】
前記上り回線チャネルの送信電力余力は、TPCコマンドの累積値が0dB(デシベル)の場合に相当する送信電力余力である、
請求項11に記載の通信方法。
【請求項13】
前記TPCコマンドの累積値が0dB(デシベル)の場合に相当する送信電力余力は、単位キャリア毎の最大送信電力から、前記PDCCHで通知されるTPCコマンドを用いて算出する電力累積値以外の前記パラメータ情報の少なくとも一部を用いて算出された値を減算することにより得られる、
請求項12に記載の通信方法。
【請求項14】
前記送信電力余力の算出と前記送信電力の算出は、単位キャリア毎に行われる、
請求項11から13のいずれか一項に記載の通信方法。
【請求項15】
前記制御情報は、前記上り回線チャネルの割当帯域幅と、変調符号化スキーム(MCS)に関連するオフセット値ΔTF(j)と、TPCコマンドと、基地局から前記上位層を用いて通知される情報P0_PUSCH(j)、α(j)の少なくとも1つを含み、
前記パラメータ情報は、パスロス推定値PLと、最大送信電力Pcmaxと、前記制御情報の少なくとも一部を用いて算出されたパラメータとをさらに含む、
請求項9から14のいずれか一項に記載の通信方法。
【請求項16】
前記パラメータ情報は、プライマリセルに設定された上り回線チャネルの送信電力、及び、送信電力余力の算出に用いられる、
請求項9から15のいずれか一項に記載の通信方法。
【請求項17】
2つの単位キャリアを用いる無線通信帯域において、下り制御チャネル(PDCCH)又は上位層を用いて制御情報を送信する処理と、
前記制御情報を受信した端末装置において、前記制御情報を含むパラメータ情報に基づいて、前記制御情報を受信した単位キャリアにおける上り回線チャネルの送信電力余力が算出され、前記上り回線チャネルの前記送信電力余力を算出するのに用いられた前記パラメータ情報を用いて、前記制御情報を受信した単位キャリアと同じサブフレームにおける、制御情報が送信されない上り回線チャネルの送信電力が算出された後に、上り回線チャネルの送信電力余力情報を前記端末装置から上り共有チャネル(PUSCH)上で受信する処理と、
を制御する集積回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信装置、通信方法及び集積回路に関する。
【背景技術】
【0002】
3GPP(3rd Generation Partnership Project)において、LTE−advancedの検討が進められている。LTE−advancedでは、キャリアアグリゲーション(Carrier Aggregation)という帯域拡張技術の導入が検討されている。
【0003】
キャリアアグリゲーションでは、20MHzから構成される1つの単位キャリア(CC:component carrier)を複数束ねることにより複数のキャリアをアグリゲーションし、高速伝送の実現を図るアプローチがダウンリンンク(DL:Downlink)及びアップリンク(UL:Uplink)チャネルで取られる。LTE−advancedでは、5個のCCの導入、つまり、100MHzまでの帯域拡張を視野に検討されている。
【0004】
それに合わせて、ULキャリアアグリゲーションを対象とした送信電力制御方法も同時に検討されている。ULの送信電力制御の設計には、以下に示すような複数の事項を考慮する必要がある。
【0005】
第一に、端末の送信電力には制限値があり、各国において規定される法的な基準を満たす値など(最大送信電力値など)が設定されている。
【0006】
第二に、3GPP LTE Rel.8のULチャネル(PUSCH:Physical Uplink Shared CHannel)の送信電力制御は、閉ループ制御と開ループ制御とを併用する制御方法であるため、ULの送信電力の設定に使用されるパスロス(Pathloss)値は、端末がDLで受信した参照信号から推定して求められる。従って、基地局は、ULの送信電力の設定に使用される正確なパスロス値は一般には分からない。
【0007】
第三に、基地局の分からない、端末の実装に依存した値(例えば、端末のRFの実装に依存した値であるMPR(Maximum power reduction)等)も実際の端末の送信電力値に影響を与える。
【0008】
このような事項を考慮すると、基地局での、UL伝送における柔軟なスケジューリング、時間−周波数リソース割当、及び、リンクアダプテーション(適応変調、チャネル符号化、閉ループ送信電力制御など)を行うためには、基地局は端末の実際の送信電力を知るための情報が必要となる。
【0009】
そこで、従来(3GPP LTE Rel.8)、端末から基地局へのULチャネル(具体的には、PUSCHなど)を用いて、PHRという端末での送信電力余力の情報が通知されている。3GPP LTE Rel.8のPHR(次式(2))は、端末の最大送信電力と、PUSCHの送信電力値(次式(1))の差で定義されている。
【数1】
【数2】
【0010】
式(1)及び(2)において、PcmaxはCC毎の最大送信電力、MPUSCH(i)はPUSCHの割当帯域幅、P0_PUSCH(j)及びα(j)は基地局から上位層で通知されるパラメータ、PLは端末が推定するパスロス推定値、ΔTF(j)はMCS(Modulation and channel Coding Set)に関連するオフセット値、f(i)はTPCコマンド(TPC (Transmit Power Control) command)の累積値をそれぞれ示す。
【0011】
端末はPHRを基地局に通知し、基地局は各端末から通知されたPHRを利用して、リンクアダプテーションや時間−周波数スケジューリングを適切に行う。
【0012】
3GPP LTE Rel.8では、このようなPHRの通知は、20MHzの1つのCCのみを対象としているため、ULの複数CCから構成されるキャリアアグリゲーションを対象としたPHRの通知方法が検討されている。以下に、これまでの3GPPにおけるULキャリアアグリゲーションのPHR通知に関する合意事項を示す。
【0013】
ULキャリアアグリゲーションのPHR通知方法として、CC毎にPHRを通知することが合意されており、CC毎のPHRとして以下の2種類のタイプが定義されている。
【0014】
タイプ1:Pcmax−PUSCH送信電力(P_cmax minus PUSCH power)
タイプ2:Pcmax−PUCCH送信電力−PUSCH送信電力(P_cmax minus PUCCH power minus PUSCH power)
【0015】
なお、PUCCH(Physical Uplink Control CHannel)送信なしの場合は、Format 1Aを参照フォーマット(reference format)としてPHR算出に利用する。また、PUCCH送信ありの場合は、基地局から端末に通知された実際のフォーマットを送信電力及びPHR算出に利用する。
【0016】
ここで、PcmaxはCC毎の端末の最大送信電力を示す。タイプ1は、PUCCHとPUSCHの同時送信がないCCを主対象にしており、3GPP LTE Rel.8の定義と同様に、CC毎の最大送信電力とPUSCHの送信電力の差分値で定義されている。
【0017】
一方、タイプ2は、PUCCHとPUSCHの同時送信の可能性のあるCCを主対象にしており、CC毎の最大送信電力からPUCCHとPUSCHの送信電力の合計値を引いた値で定義されている。
【0018】
しかし、CC内でPUCCHとPUSCHの同時送信がある場合とない場合の2つの場合が想定される。このため、PUCCHの送信がない場合には、ACK(Acknowledgment)、または、NACK(Non-acknowledgment)などの送信の際に用いられるFormat 1Aを参照フォーマットとしてPUCCHの送信電力の算出に用いる。PUCCHの送信がある場合には、基地局より通知された実際の送信フォーマットをPUCCHの送信電力の算出に用いる。式(1)及び式(2)において、物理層のDL制御チャネル(PDCCH:Physical Downlink Control CHannel)で通知される、ULグラント(UL grant(送信フォーマット))に関連する情報としては、PUSCHの割当帯域幅情報(MPUSCH(i))、MCSに関連するオフセット値(ΔTF(j))、TPCコマンドの累積値(f(i))などがある。
【0019】
また、複数CCのPHR通知方法として、PHR通知がトリガされたら、構成されている全てのCCのPHR(Per CC PHR)をULチャネルで基地局にフィードバックすることが合意されている(なお、フィードバックするPHRを選択するアプローチの検討もなされている)。しかし、複数CCのPUSCH全て(または、PHRを通知するCCの複数PUSCH)に対して、基地局から端末へ通知されるULグラント(送信フォーマット;ULの送信帯域幅、MCS情報など)がない場合、ULグラントのないPUSCHの送信電力及びPHRを算出することができない(図1参照)。
【0020】
図1では、PHR通知タイミングにおいて、点線で囲まれたCCのPUSCHは、ULグラントがない(送信なしの)PUSCHを、網掛けはULグラントのある(送信ありの)PUSCHを、斜線はPUCCHをそれぞれ示している。従って、点線で囲まれたCCのPUSCHは、該当CCのPHR算出のために参照フォーマットを用いるPUSCH、網掛けのPUSCHは、該当CCのPHR算出のためにULグラントを用いるPUSCHに相当する。3GPP LTE Rel.8に基づけば、PUSCHの送信電力及びPHRの算出は、式(1)及び(2)に従って行う。式(1)及び式(2)の帯域幅情報MPUSCH(i)、ΔTF(j)等の情報がULグラントの(参照)フォーマットに基づいて算出される。
【0021】
そこで、複数CCのPHR通知において、ULグラントがない(送信なしの)PUSCHの参照フォーマットの定義が現在検討されており、非特許文献1に記載されている。非特許文献1には、図2に示すように、基地局から端末に通知された過去のTTI(Transmission Time Interval)におけるULグラントを、現在のTTIのPUSCHの送信電力の参照フォーマットとして用いて、現在のTTIの送信電力及びPHRを算出するアプローチが記載されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0022】
【非特許文献1】R2-103724, Discussion on CC specific PHR reporting, 3GPP TSG RAN WG2 #70bis, Stockholm, Sweden, 28 June- 2 July 2010
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0023】
しかしながら、上記非特許文献1に開示の技術には、次のような問題がある。
【0024】
過去の複数CCに対するULグラントを含むPDCCHを端末が正しく受信できない場合、例えば、端末が該当CCに対するULグラントを含むPDCCHの受信そのものに失敗してしまう場合、基地局は端末が失敗したことを一定時間認識できない。このため、端末と基地局間でPHR算出に用いるULグラントの参照フォーマットの認識にずれが生じる。
【0025】
具体的には、図2に示した例を挙げると、CC#0において、サブフレーム番号=#5のULグラントを含むPDCCHの受信に端末が失敗した場合、端末はそれより前に受信したサブフレーム番号=#3のULグラントをPHR算出に用いるが、基地局では、サブフレーム番号=#5で送信したULグラントが端末でPHR算出に用いられていると認識してしまう。
【0026】
この結果、認識のずれが生じたCCでは、基地局は端末の実際の送信電力情報(送信電力余力情報であるPHR)を誤って認識してしまい、基地局は誤ったPHR情報に基づいて、CC毎、または、CC間のスケジューリング、リンクアダプテーション、または、リソース割当を行ってしまう。
【0027】
本発明の目的は、無線通信端末装置と無線通信基地局装置との間で異なるULグラントの参照フォーマットを認識するという認識ずれを防止する通信装置、通信方法及び集積回路を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0028】
本発明の通信装置は、2つの単位キャリアを用いる無線通信帯域において、下り制御チャネル(PDCCH)又は上位層を用いて制御情報を送信する送信部と、前記制御情報を受信した端末装置において、前記制御情報を含むパラメータ情報に基づいて、前記制御情報を受信した単位キャリアにおける上り回線チャネルの送信電力余力が算出され、前記上り回線チャネルの前記送信電力余力を算出するのに用いられた前記パラメータ情報を用いて、前記制御情報を受信した単位キャリアと同じサブフレームにおける、制御情報が送信されない上り回線チャネルの送信電力が算出された後に、上り回線チャネルの送信電力余力情報を前記端末装置から上り共有チャネル(PUSCH)上で受信する受信部と、を具備する構成を採る。
【0029】
本発明の通信方法は、2つの単位キャリアを用いる無線通信帯域において、下り制御チャネル(PDCCH)又は上位層を用いて制御情報を送信し、前記制御情報を受信した端末装置において、前記制御情報を含むパラメータ情報に基づいて、前記制御情報を受信した単位キャリアにおける上り回線チャネルの送信電力余力が算出され、前記上り回線チャネルの前記送信電力余力を算出するのに用いられた前記パラメータ情報を用いて、前記制御情報を受信した単位キャリアと同じサブフレームにおける、制御情報が送信されない上り回線チャネルの送信電力が算出された後に、上り回線チャネルの送信電力余力情報を前記端末装置から上り共有チャネル(PUSCH)上で受信する、ようにした。本発明の集積回路は、2つの単位キャリアを用いる無線通信帯域において、下り制御チャネル(PDCCH)又は上位層を用いて制御情報を送信する処理と、前記制御情報を受信した端末装置において、前記制御情報を含むパラメータ情報に基づいて、前記制御情報を受信した単位キャリアにおける上り回線チャネルの送信電力余力が算出され、前記上り回線チャネルの前記送信電力余力を算出するのに用いられた前記パラメータ情報を用いて、前記制御情報を受信した単位キャリアと同じサブフレームにおける、制御情報が送信されない上り回線チャネルの送信電力が算出された後に、上り回線チャネルの送信電力余力情報を前記端末装置から上り共有チャネル(PUSCH)上で受信する処理と、を制御する。
【発明の効果】
【0030】
本発明によれば、無線通信端末装置と無線通信基地局装置との間で異なるULグラントの参照フォーマットを認識するという認識ずれを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】複数CCにおけるPUSCH及びPUCCHのリソース割当の様子を示す図
図2】非特許文献1に記載の過去のULグラントを現在のPUSCHの送信電力の参照フォーマットとして用いる様子を示す概念図
図3】本発明の実施の形態1に係る無線通信端末装置の構成を示すブロック図
図4】多重後のフォーマット構成例を示す図
図5】本発明の実施の形態1に係る無線通信基地局装置の構成を示すブロック図
図6図3に示した端末のPHR算出部の動作の説明に供する図
図7図3に示した端末のPHR算出部の他の動作の説明に供する図
図8図3に示した端末のPHR算出部の他の動作の説明に供する図
図9図3に示した端末のPHR算出部の他の動作の説明に供する図
図10図3に示した端末のPHR算出部の他の動作の説明に供する図
図11】本発明の実施の形態2に係る端末のPHR算出部の動作の説明に供する図
図12】本発明の実施の形態2に係る端末のPHR算出部の動作の説明に供する図
図13】複数のULグラントから1つのULグラントを選択する様子を示す図
図14】複数のULグラントから1つのULグラントを選択する様子を示す図
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0033】
(実施の形態1)
図3は、本発明の実施の形態1に係る無線通信端末装置(以下、単に「端末」という)100の構成を示すブロック図である。以下、図3を参照しながら端末100の構成について説明する。
【0034】
無線受信処理部102は、基地局から送信されたOFDM信号をアンテナ101を介して受信し、受信したOFDM信号にダウンコンバート、A/D変換等の所定の無線受信処理を施して、OFDM復調部103に出力する。
【0035】
OFDM復調部103は、無線受信処理部102から出力された受信OFDM信号からガードインターバルを除去し、離散フーリエ変換(DFT:Discrete Fourier Transform)を施し、周波数領域信号に変換する。OFDM復調部103は、周波数領域の各成分に対して、周波数領域等化(FDE:Frequency-Domain Equalization)を施し、信号の歪を取り除いて、データ信号を図示せぬデータ復調・復号部に出力し、制御信号(例えば、ULグラントを含むPDCCH)を復調部104に出力する。
【0036】
復調部104は、OFDM復調部103から出力された制御信号に対して、QPSK、16QAM等の変調方式に対する所定の復調処理を施して、チャネル復号部105に出力する。
【0037】
チャネル復号部105は、復調部104から出力された制御信号に、基地局で施したターボ符号化、畳み込み符号化等の誤り訂正符号化に対する復号処理(繰り返しMAP復号、ビタビ復号)を施し、抽出部106に出力する。
【0038】
抽出部106は、チャネル復号部105から出力された制御情報から、上り割当信号であるULグラント(割当帯域幅、MCSセット、TPCコマンド等)、UCI(Uplink Control Information)情報(ACK/NACK、RI(Rank Indicator)、CQI(Channel Quality Indicator)、CSI(Channel State Information)、PMI(Precoding Matrix Indicator))等の情報を抽出し、抽出したこれらの情報をPHR制御部107のTB(CC)選択部108及びPHR算出部109に出力する。
【0039】
PHR制御部107は、TB(CC)選択部108及びPHR算出部109を備え、TB(CC)選択部108は、入力される、CC毎(又は、複数CC共通、又は、全CC共通)のPHRトリガ情報、CC毎のCQI、CC毎のパスロス情報、CCのセル情報(Pcell:Primary cell(PCC: Primary component carrier)、Scell:Secondary Cell(SCC: Secondary component carrier))、ULグラント、UCIのACK/NACK、RI、CQI、CSI、PMI、CC毎の周波数(CCの搬送波周波数の高低の情報)等の情報に基づいて、PHRを多重するTB(Transport Block)を選択する(ただし、PHRがトリガされる場合としては、タイマベースの方法や、パスロスベースの方法などがある)。TBはCC及びコードワードによって特定される。例えば、TB(CC)選択部108は、パスロス情報(または、入力されたCC毎の周波数)等に基づいて、最も品質の良い(基地局での受信品質(SINR)の良い)CCで送信されるTBを、重要な制御情報であるPHRを多重するTBとして選択する。そして、選択したTBが送信されるCC(PUSCH)の参照フォーマット(ULグラント)を特定する。参照フォーマット情報としては、上記したように(式(1)又は式(2))、帯域幅情報、MCS情報、パスロス情報、TPCコマンド情報、上位層で通知されるパラメータ情報等がある。TB(CC)選択部108は、PHRを多重するTB(CC、コードワード)情報と、そのCC、TB、コードワードの参照フォーマット(ULグラント)をPHR算出部109に出力する。
【0040】
PHR算出部109は、入力されたCC毎の最大送信電力情報(パワクラス、MPR等)、PUSCH割当のあるULグラント、UCI情報と、TB(CC)選択部108から入力された情報に基づいて、CC毎のPHRを算出する。ULグラントのないCC(PUSCH)では、まず、PHR算出部109は、TB(CC)選択部108から出力された参照フォーマット(ULグラント)に基づいて、式(1)等を用いてPUSCH送信電力を算出する(同一CC内でPUCCHの送信がある場合は、PUCCHの送信電力も算出する)。PHR算出部109は、PUSCHの送信電力(とPUCCHの送信電力)をCC毎の最大送信電力から減算することにより、CC毎のPHRを算出する。ULグラントのあるCC(PUSCH)では、該当するPUSCHに対するULグラントに基づいて、送信電力及びCC毎のPHRを算出する。算出されたCC毎のPHRはTB(CC)選択部108に出力される。
【0041】
TB(CC)選択部108は、上記したように、事前に選択したCC毎の複数のPHRを多重するTB(CC、コードワード、MAC PDU)に、入力されたCC毎のPHRが多重されるように、各TBに対応する多重部110−1〜110−NにCC毎のPHRを出力する。なお、入力された複数のCC毎のPHRを、1つのTBに全て多重してもよいし、複数のTBに分けて多重してもよい。
【0042】
多重部110−1〜110−Nは、入力されるMAC SDU(RLC(Radio Link Control) PDU)に対して、CC毎のPHRを多重して、チャネル符号化部111−1〜111−Nに出力する。
【0043】
図4に、多重後のフォーマット構成例を示す。図4Aは、第3番目のMAC controlにN個のCCのPHRが多重されている例を示している。なお、CC毎のPHRを複数MAC controlに多重する構成でもよい。例えば、図4Bに示すように、CC毎のアンテナ(レイヤ、コードワード)毎の複数PHRを多重する場合には、アンテナ毎のPHRをCC毎にまとめて、1つのMAC controlに多重することが考えられる。つまり、CC毎かつアンテナ(レイヤ、コードワード)毎の複数PHRを、1トランスポートブロック(TB)内の複数MAC controlを利用して通知する構成である。さらに、上記PHRに加えて、端末全体のPHRを同時に多重する構成でもよい。端末全体のPHR(Per UE PHR)は、一般に、端末全体での最大送信電力から全CC(チャネル)の合計送信電力値を減算した値で定義される。そして、多重部110−1〜110−Nは、TB(MAC PDU)に多重したPHRを物理層のチャネル符号化部111−1〜111−Nに出力する。
【0044】
なお、MAC層の多重部110−1〜110−Nと物理層のチャネル符号化部111−1〜111−Nの間には、複数の処理部、制御部等が存在するが、ここでは簡単のため省略する。
【0045】
チャネル符号化部111−1〜111−Nは、多重部110−1〜110−Nから出力されたTBに対して、ターボ符号化等の誤り訂正符号化を施して、変調部112−1〜112−Nに出力する。
【0046】
変調部112−1〜112−Nは、チャネル符号化部111−1〜111−Nから出力された信号にQPSK、16QAM等の所定の変調処理を施して、SC−FDMA変調部113−1〜113−Nに出力する。
【0047】
SC−FDMA変調部113−1〜113−Nは、変調部112−1〜112−Nから出力されたシンボル系列に対して、DFTを施すことによりプリコーディングを行う。そして、基地局から指示された所定の周波数リソースにDFTプリコーディング信号をマッピングし、IDFT(Inverse Discrete Fourier Transform)を施して時間領域信号(SC−FDMA信号)に変換する。さらに、SC−FDMA変調部113−1〜113−Nは、SC−FDMA信号にガードインターバルを付加して、合成部114に出力する。
【0048】
合成部114は、SC−FDMA変調部113−1〜113−Nから出力されたCC毎のSC−FDMA信号を合成して、無線送信処理部115に出力する。
【0049】
無線送信処理部115は、合成部114から出力されたSC−FDMA信号にD/A変換、増幅処理、アップコンバート等の所定の無線送信処理を施して、アンテナ101を介して送信する。
【0050】
図5は、本発明の実施の形態1に係る無線通信基地局装置(以下、単に「基地局」という)200の構成を示すブロック図である。以下、図5を用いて基地局200の構成について説明する。
【0051】
無線受信処理部202は、端末から送信されたSC−FDMA信号をアンテナ201を介して受信し、ダウンコンバート、A/D変換等の所定の無線受信処理を施して、分離部203に出力する。
【0052】
分離部203は、無線受信処理部202から出力されたSC−FDMA信号をCC毎に分離して、CC毎のSC−FDMA復調部204−1〜204−Nに出力する。
【0053】
SC−FDMA復調部204−1〜204−Nは、分離部203から出力されたSC−FDMA信号からガードインターバルを除去し、DFTを施して、周波数領域信号に変換する。次に、SC−FDMA復調部204−1〜204−Nは、周波数領域の各成分に対して、周波数領域等化を施して信号の歪を取り除き、IDFTを施して時間領域の信号に変換し、復調部205−1〜205−Nに出力する。
【0054】
復調部205−1〜205−Nは、SC−FDMA復調部204−1〜204−Nから出力された信号に対して、QPSK、16QAM等の変調方式に対する所定の復調処理を施し、チャネル復号部206−1〜206−Nに出力する。
【0055】
チャネル復号部206−1〜206−Nは、復調部205−1〜205−Nから出力された信号に、端末で施したターボ符号化、畳み込み符号化等の誤り訂正符号化に対する復号処理(繰り返しMAP復号、ビタビ復号)を施し、分離部207−1〜207−Nに出力する。
【0056】
なお、MAC層の分離部207−1〜207−Nと物理層のチャネル復号部206−1〜206−Nの間には、複数の処理部、制御部等が存在するが、ここでは簡単のため省略する。
【0057】
分離部207−1〜207−Nは、チャネル復号部206−1〜206−Nから出力されたTB(MAC PDU)に多重されているPHR情報を含むMAC controlを分離し、分離したMAC controlをPHR制御部208のTB(CC)判断部209に出力する。また、MAC SDUを図示せぬ制御部等に出力する。
【0058】
TB(CC)判断部209は、分離部207−1〜207−Nから出力された複数TBのMAC controlの中から、PHR情報(CC毎、アンテナ毎、端末全体(Per UE))が多重されているTB(CC、コードワード)を検出する。TB(CC)判断部209は、検出したPHRが多重されているTB(CC、コードワード)と、事前に基地局が端末に通知していたそのTB(CC、コードワード)の参照フォーマット(ULグラント)とをPHR抽出部210に出力する。
【0059】
PHR抽出部210は、TB(CC)判断部209から出力されたPHRが多重されているTB(CC、コードワード)から、PHR情報を抽出する。PHR抽出部209は、PHRの算出に用いたそのTB(CC、コードワード)の参照フォーマット(ULグラント)、最大送信電力情報、抽出したCC毎のPHRから、端末の該当CCの送信電力余力情報、パスロス情報、TPCコマンド誤り情報を検出(または、推定)し、それらの情報をスケジューリング部211に出力する。
【0060】
スケジューリング部211は、PHR抽出部210から出力されたCC毎の送信電力余力情報、パスロス情報、TPCコマンド誤り情報、CQI、干渉等の情報に基づいて、スケジューリング及びリンクアダプテーションのためのパラメータを決定し、決定したパラメータを制御情報生成部212に出力する。ここで決定するパラメータとしては、ULグラント(割当帯域幅、MCSセット、TPCコマンド等)、RI(Rank Indicator)、PMI(Precoding Matrix Indicator)情報等がある。
【0061】
制御情報生成部212は、スケジューリング部211から出力されたパラメータを2値の制御情報ビットに変換し、チャネル符号化部213−1に出力する。
【0062】
チャネル符号化部213−1は、制御情報生成部212から出力された制御ビット情報にターボ符号化等の誤り訂正符号化を施して、変調部214−1に出力する。
【0063】
変調部214−1は、チャネル符号化部213−1から出力された信号にQPSK、16QAM等の所定の変調処理を施して、OFDM変調部215に出力する。なお、送信データ信号に対してもチャネル符号化部213−2、変調部214−2において、上記同様の処理を施す。
【0064】
OFDM変調部215は、変調部214−1から出力された制御信号及び変調部214−2から出力されたデータ信号を所定の周波数リソースにマッピングし、IDFTを施して時間領域信号(OFDM信号)に変換する。OFDM変調部215は、OFDM信号にガードインターバルを付加して、無線送信処理部216に出力する。
【0065】
無線送信処理部216は、OFDM変調部215から出力されたOFDM信号にD/A変換、増幅処理、アップコンバート等の所定の無線送信処理を施して、アンテナ201を介して送信する。
【0066】
次に、図3に示した端末のPHR算出部109の動作について図6を用いて説明する。図6では、3個のCCによってキャリアアグリゲーションが構成された場合を想定しており、CC#0がプライマリセル(Pcell、プライマリ単位バンド(PCC:Primary Component Carrier))、CC#1及びCC#2がセカンダリセル(Scell、セカンダリ単位バンド(SCC:Secondary Component Carrier))の場合を示している。また、点線で囲まれたCCのPUSCHは、ULグラントがない(送信なしの)PUSCHを、網掛けはULグラントのある(送信ありの)PUSCHを、斜線はPUCCHをそれぞれ示している。また、サブフレーム番号が#1、#4、#7の各タイミングで3CCのPHRを同時にフィードバックしている。さらに、PHR通知に用いるCCは、サブフレーム番号=#1ではCC#0を、サブフレーム番号=#4ではCC#2を、サブフレーム番号=#7ではCC#1を用いている。すなわち、あるCCのPHRを、異なるCCでも通知できる場合を示している(なお、あるCCのPHRを、同一CCのPUSCHで通知する場合にも適用してもよい)。
【0067】
図から分かる通り、ULグラントのないCCにおけるPUSCHのPHRの算出に、PHRを送信するCCのPUSCHのULグラントを用いている。サブフレーム番号=#1では、ULグラントのないCC#2のPHRの算出にCC#0のULグラントを用いている。また、サブフレーム番号=#4では、ULグラントのないCC#1のPHRの算出にCC#2のULグラントを用いている。また、サブフレーム番号=#7では、ULグラントのないCC#0のPHRの算出にCC#1のULグラントを用いている。
【0068】
なお、PHRを通知するそれぞれのタイミングにおいて、ULグラントのあるCCのPUSCHは、その情報に基づいて、CC毎のPHRを算出している。例えば、サブフレーム番号=#1においては、CC#0のPHRはCC#0のULグラントを、CC#1のPHRはCC#1のULグラントをそれぞれ用いて、該当CCのPHRを算出している。
【0069】
このように、本実施の形態では、ULグラントのないCCにおけるPUSCHのPHR算出に、当該PUSCHと同一送信タイミング(サブフレーム番号)の他のCCにおけるPHRの算出に用いたULグラントを流用するというように、異なるCC間(周波数間)で同一のULグラントを共用している。これは、ULグラントのあるPUSCHのPHRが算出できているということは、そのPUSCHのULグラントを失敗することなく受信できていることに他ならず、このようなULグラントを共用することにより、端末と基地局との間で異なるULグラントを認識するという認識ずれを防止することができる。
【0070】
更に、端末は、複数CCのPUSCHからPHRを多重するCC(PUSCH)を選択できるという特徴を利用して、PHRを送信するCC(上り回線チャネル)のPHRの算出に用いたULグラントを、異なるCC間(周波数間)でのPHRの算出のための参照フォーマットとして用いている。これにより、2以上の複数CCにPUSCHのULグラントがある場合には、端末は品質の良いCCを優先的に用いて、重要な制御情報であるPHRを送信するため、品質の良いCCのPUSCHを参照フォーマットとして用いることにより、参照フォーマットを利用して算出したPHRを含む、複数CCのPHRを上り回線で誤りが生じる確率を小さく基地局に通知することができる。
【0071】
仮に、PHR通知タイミングにおいて、全てのCCでULグラントの受信に失敗した場合には、PHRが基地局に通知されないだけであり、端末と基地局との間で異なるULグラントを認識するという認識ずれが生じるものではない。
【0072】
また、このように、端末が複数CCのULグラントを1つでも正しく受信できれば、すなわち、複数CCのULグラントの受信に全て失敗しなければ、基地局は、ULグラントのないPUSCHについても、ULグラントのあるPUSCHと同様、端末からPHRを遅延なく取得することができる。
【0073】
このように、実施の形態1によれば、ULグラントのないCCにおけるPUSCHのPHR算出に、当該PUSCHと同一送信タイミング(サブフレーム番号)の、(PHRを送信する)他のCCにおけるPHRの算出に用いたULグラントを流用することにより、端末と基地局との間で異なるULグラントを認識するという認識ずれを防止することができるので、基地局は、端末との認識ずれが生じていないPHRに基づいて、スケジューリング、リンクアダプテーション、または、リソース割当を行うことができる。また、基地局は過去のULグラントを保持しなくてよい。更に、PHRを送信する、上り回線チャネルの送信電力余力の算出に用いたパラメータ情報を用いて、上り割当信号が送信されていない他の上り回線チャネルの送信電力又は送信電力余力を単位キャリア毎に算出することで、参照フォーマットを利用して算出したPHRを含む複数CCのPHRを、正確に基地局に通知できる確率を高めることができる。
【0074】
なお、本実施の形態では、図6に示すように、異なる周波数(CC、コードワード、TB)間で同一のULグラントを共用する場合について説明したが、本発明はこれに限らず、図7図9に示すような場合であってもよい。以下では、PHRを送信する、上り回線チャネルの送信電力余力の算出に用いたパラメータ情報を用いて、ULグラントが送信されていない他の上り回線チャネルの送信電力又は送信電力余力を計算する場合を前提に述べる。
【0075】
図7では、ULグラントのないCCにおけるPUSCHのPHR算出に、当該CCと同一のCCにおける(最も近い)過去のPHRの送信に用いたPUSCHのULグラントを流用する場合を示している。すなわち、異なるサブフレーム間(時間)で、PHRの送信に用いるPUSCHのULグラントと、同一のULグラントを共用する場合である。具体的には、CC#0では、ULグラントのないサブフレーム番号#7のPHRの算出に、サブフレーム番号#4のPHRの送信に用いるPUSCHのULグラントを用いている。また、CC#1では、ULグラントのないサブフレーム番号#4のPHRの算出に、サブフレーム番号#1のPHRの送信に用いたPUSCHのULグラントを用いている。これにより、ULグラントのないCCのPHR算出のために、異なるCCのULグラントを参照する必要がなくなる。すなわち、CC内に閉じたPHR算出制御だけでよくなる(CC間に跨る制御が不要になる)ため、上記実施の形態の効果に加えて、端末および基地局の実装を簡素化することができる。
【0076】
図8では、ULグラントのないCCにおけるPUSCHのPHR算出に、当該CCと異なるCCにおける(最も近い)過去の、PHRの送信に用いるPUSCHのULグラントを流用する場合を示している。すなわち、異なるCC(周波数)かつ異なるサブフレーム間(時間)で同一のULグラントを共用する場合である。具体的には、ULグラントのないCC#0、サブフレーム番号#7のPHRの算出にCC#2、サブフレーム番号#4のPHRの送信に用いるPUSCHのULグラントを用いている。また、ULグラントのないCC#1、サブフレーム番号#4のPHRの算出にCC#0、サブフレーム番号#1のPHRの送信に用いるPUSCHのULグラントを用いている。
【0077】
なお、図8では、CC#0のPHR算出にCC#2のULグラントを用い、CC#1のPHR算出にCC#0のULグラントを用いているが、例えば、隣接するCCのULグラントを優先的に用いるようにしてもよい。例えば、CC#0のPHR算出にCC#1のULグラントを用い、CC#1のPHR算出にCC#2のULグラントを用いるようにしてもよい。すなわち、(CC#iのPUSCHがULグラントを用いるCC番号)=(i+オフセット値)mod M、または、(CC#iのPUSCHがULグラントを用いるCC番号)=(i+オフセット値)mod Mという構成でもよい(ここで、MはCC数を示す)。これにより、PHRを算出する端末は、現在のTTI(Transmission Time Interval)以前に参照先のCCのULグラントを知ることができるため、PHRの算出に要する時間の増加を抑制することができる。
【0078】
図9では、ULグラントのないCCにおけるPUSCHのPHR算出に、プライマリセルのULグラントを優先的に用いる場合を示している。これは、次のような理由による。再送のない制御情報を伝送することだけに用いられるPUCCHが使用できるCCはプライマリセルに限定されているため、プライマリセルが設定されるCCは品質の良いチャネルに設定される可能性が高い。従って、MAC層を用いて通知する重要な制御情報であるPHRの通知に用いるCCとして、プライマリセルが選択される可能性が高い。すなわち、共用するプライマリセルの過去のULグラントは古い情報となる確率が低い。これらのことから、端末は、基地局から指示された、できるだけ最新のULグラントに基づいて、PHRを算出できるようになるため、最新のPHRを基地局に通知できる。また、基地局は、過去の古いULグラントを複数保持する必要もなくなる。
【0079】
なお、図9において、共用するULグラントは、同一のサブフレーム番号のCC#0におけるULグラントを用いてもよい。例えば、図10に示すように、CC#2、サブフレーム番号#4のPHR算出に用いるULグラントとして、CC#0、サブフレーム番号#4のULグラントを用いてもよい。また、CC#1、サブフレーム番号#7のPHR算出に用いるULグラントとして、CC#0、サブフレーム番号#7のULグラントを用いてもよい。
【0080】
なお、本実施の形態において、ULグラントのないCCのPHR算出のために参照するULグラントの情報としては、帯域幅、MCS、TPCコマンド等がある。これらの情報の全てをPHR算出に用いてもよいし、少なくともいずれか一つの情報を参照してPHRを算出してもよい。少なくともいずれか一つの情報を参照する場合には、参照しない情報をある特定の(固定の)値に設定しておけばよい。例えば、式(1)及び(2)において、帯域幅に該当する送信電力値=10log10(MPUSCH(i))=0[dB]、MCSに関連する送信電力値=ΔTF=0[dB]、TPCコマンドに関連する送信電力値=f(i)=0[dB]となるように設定してもよい。
【0081】
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2では、PHRを送信するCCでMIMO(Multiple Input Multiple Output)送信を行う場合について説明する。ただし、本発明の実施の形態2に係る端末及び基地局の構成は、実施の形態1の図3及び図5に示した構成と同様であり、その一部の機能が異なるのみであるので、異なる機能について図3及び図5を援用して説明する。なお、以下の説明においては、PHRを送信する、上り回線チャネルの送信電力余力の算出に用いたパラメータ情報を用いて、ULグラントが送信されていない他の上り回線チャネルの送信電力又は送信電力余力を計算する場合を前提に述べる。
【0082】
本発明の実施の形態2に係る端末のPHR算出部の動作について図11を用いて説明する。図11では、3個のCCによってキャリアアグリゲーションが構成された場合を想定しており、CC#0がプライマリセル(Pcell、または、PCC(Primary component carrier))、CC#1及びCC#2がセカンダリセル(Scell、または、SCC(Secondary component carrier))の場合を示している。また、点線で囲まれたCCのPUSCHは、ULグラントがない(送信なしの)PUSCHを、網掛けはULグラントのある(送信ありの)PUSCHを示している。また、コードワード番号が#0、#1が2つの空間リソース(レイヤ)で送信される場合を示している。さらに、PHRの通知には、CC#0、コードワード番号=#0を用いている。
【0083】
図から分かる通り、ULグラントのないCCにおけるPUSCHのPHRの算出に、PHRを送信するCCのコードワードのULグラントを用いている。コードワード番号=#0において、ULグラントのないCC#1のPHRの算出にCC#0のULグラントを用いている。また、コードワード番号=#0において、ULグラントのないCC#2のPHRの算出にCC#0のULグラントを用いている。
【0084】
なお、PHRを通知するそれぞれのタイミングにおいて、ULグラントのあるCCのコードワードのPUSCHは、その情報に基づいて、CC毎のPHRを算出している。例えば、CC#0、コードワード番号#0のPHRはCC#0、コードワード番号#0のULグラントを用いて、該当CCのPHRを算出している。
【0085】
このように、本実施の形態では、ULグラントのないCCのコードワードにおけるPUSCHのPHR算出に、当該コードワードと同一のコードワード番号の他のCCにおけるPHRの送信に用いるPUSCHのULグラントを流用するというように、異なるCC間(周波数間)で同一のULグラントを共用している。これは、ULグラントのあるPUSCHのPHRが算出できているということは、そのPUSCHのULグラントを失敗することなく受信できていることに他ならず、このようなULグラントを共用することにより、端末と基地局との間で異なるULグラントを認識するという認識ずれを防止することができる。
【0086】
また、このようにPHRを送信するCCでMIMO送信を行う場合においても、端末が複数CCのULグラントを1つでも正しく受信できれば、すなわち、複数CCのULグラントの受信に全て失敗しなければ、基地局は、ULグラントのないPUSCHについても、ULグラントのあるPUSCHと同様、端末からPHRを遅延なく取得することができる。また、基地局は過去のULグラントを保持しなくてよい。更に、上記と同様に、PHRを送信する、上り回線チャネルの送信電力余力の算出に用いたパラメータ情報を用いて、上り割当信号が送信されていない他の上り回線チャネルの送信電力又は送信電力余力を単位キャリア毎に算出することで、参照フォーマットを利用して算出したPHRを含む複数CCのPHRを、正確に基地局に通知できる確率を高めることができる。
【0087】
なお、図11では、PHRの送信に用いるPUSCHのULグラントを、異なるCC(周波数)間で共有する場合を示したが、図12に示すように、PHRの送信に用いるPUSCHのULグラントを、異なる空間リソース間(コードワード間、レイヤ間)で共有してもよい。図12では、CC#0及びコードワード番号=#0のULグラントを、CC#0及びコードワード番号=#1の送信電力算出のための参照フォーマットとして用いる場合を示している。そして、2つのコードワード(レイヤ、アンテナ)毎の送信電力から、CC毎又は、アンテナ毎のPHRを算出すればよい。
【0088】
ここで、2つ以上のコードワードにわたってPHRをMIMO送信する場合について説明する。このような場合、図13に示すように、複数のULグラント割当情報の中で、ΔTF値が最小の(MCSが低い)コードワードのULグラントを参照フォーマットとして用いる。
【0089】
3GPP LTE Rel.8のPHRは、−23〜40[dB]の範囲を1[dB]の分解能を64レベル(6ビット)で表現されている。また、上記以外のPHR値となる場合は、上記範囲に最も近い整数のPHRに近似される。MIMOを用いる場合は、送信電力が増加し、さらに、他CCのPUSCHのULグラントを参照フォーマットとして用いることにより、上記上限値を超える場合も想定される。従って、複数のULグラント割当情報の中で、ΔTF値が最小の(MCSが低い)コードワードのULグラントを用いることにより、CC毎のPHRの上限値を超えることを抑制し、不正確なPHRを通知する確率を低減することができる。
【0090】
なお、コードワードにACK/NACK、SR、CQI、CSI、PMI、または、RI等のUCI情報を多重する場合と多重しない場合とにおいて、ΔTF値を決定するパラメータに基づいて、以下に示すように、ULグラントを参照するコードワード(TB、レイヤ)を選択してもよい。
【0091】
UCIを多重しない場合において、ペイロード(Payload)サイズ、ペイロードサイズ/リソース数が小さいコードワードのULグラントを参照フォーマットとして用いてもよい。また、コードブロックサイズが小さい、または、MCSが低いコードワードのULグラントを参照フォーマットとして用いてもよい。
【0092】
このように、ペイロードサイズ、ペイロードサイズ/リソース数が小さいコードワードを選択することにより、ΔTFが小さいコードワードが選択できるようになるため、CC毎のPHRの上限値を超えることを抑制し、不正確なPHRを通知する確率を低減することができる。
【0093】
UCIを多重する場合において、ペイロード(Payload)サイズ、ペイロードサイズ/リソース数が小さいコードワードのULグラントを参照フォーマットとして用いてもよい。また、コードワードに多重するUCI(CQI、PMI(ACK/NACK、RI)のビット数が少ないコードワードのULグラントを参照フォーマットとして用いてもよい。
【0094】
このように、ペイロードサイズ、ペイロードサイズ/リソース数が小さいコードワードを選択することにより、ΔTFが小さいコードワードが選択できるようになるため、CC毎のPHRの上限値を超えることを抑制し、不正確なPHRを通知する確率を低減することができる。
【0095】
なお、2つ以上のコードワードにわたってPHRをMIMO送信する場合では、ΔTFに基づいて、参照フォーマットを参照するコードワードを選択したが、それ以外にも、帯域幅(MPUSCH)が最小のコードワード、または、10log(MPUSCH)+ΔTFが最小のコードワードを参照フォーマットの参照先として選択してもよい。
【0096】
このように、実施の形態2によれば、ULグラントのないCCのコードワードにおけるPUSCHのPHR算出に、当該PUSCHと異なる空間リソースにおけるPHRの算出に用いたULグラントを流用することにより、端末と基地局との間で異なるULグラントを認識するという認識ずれを防止することができるので、基地局は、端末との認識ずれが生じていないPHRに基づいて、スケジューリング、リンクアダプテーション、または、リソース割当を行うことができる。また、基地局は過去のULグラントを保持しなくてよい。更に、上記と同様に、PHRを送信する、上り回線チャネルの送信電力余力の算出に用いたパラメータ情報を用いて、上り割当信号が送信されていない他の上り回線チャネルの送信電力又は送信電力余力を単位キャリア毎に算出することで、参照フォーマットを利用して算出したPHRを含む複数CCのPHRを、正確に基地局に通知できる確率を高めることができる。
【0097】
なお、上記の実施の形態において、MIMOのプレコーディングベクトルの要素値を送信電力値に加味する場合、複数コードワード(レイヤ)間で最小の値を持つ要素値(その絶対値に2乗(電力値))を、複数アンテナ間で共有し、PHRを計算してもよい。これにより、PHRの上限値を超えることを抑制し、不正確なPHRを通知する確率を低減することができる。
【0098】
また、上記した、2つ以上のコードワードにわたってPHRをMIMO送信する場合と同様の考え方を、コードワード(レイヤ)という文言を、CC(PUSCH、TB、周波数)等と読み替えることにより、CC間(周波数領域)にも適用することができる。図14は、サブフレーム番号=#4(#7)において、CC#0(#0)及びCC#1(#2)でPHRを通知する場合を示しており、サブフレーム番号=#4(#7)では、CC#1(#2)のPUSCHのΔTFが小さく、CC#0(#0)のPUSCHのΔTFが大きい。従って、サブフレーム番号=#4(#7)では、CC#2(#1)のPHR算出のために、CC#1(#2)のULグラントを用いている。
【0099】
以上、各実施の形態について説明した。
【0100】
なお、実施の形態1において、PHRを複数CCにわたって送信する場合は、実施の形態2と同様に、ΔTF、MPUSCH、または、10log(MPUSCH)+ΔTFが最小のCCのPUSCHのULグラントを参照フォーマットとして選択してもよい。これにより、実施の形態2と同様の効果が得られる。
【0101】
また、CC毎のPHRに加えて、端末全体のPHRを通知し、その算出に参照フォーマットを用いる場合は、実施の形態1又は実施の形態2記載のいずれかの方法に従って、端末全体のPHRを算出してもよい。
【0102】
また、上記各実施の形態において、PHR通知タイミングの単位として、サブフレームを例に説明したが、本発明はこれに限らず、TTI、スロット、シンボル等の単位であってもよい。
【0103】
また、上記各実施の形態において、ULグラントの帯域幅、ΔTFの少なくとも1つを参照してPHRの算出に用い、TPCコマンドの累積値(f(i))、パスロス推定値(PL)は共有しなくてもよい。すなわち、TPCコマンドの累積値、パスロス推定値は、ULグラントのCC(PUSCH)の情報をそのまま用いる構成でもよい。これにより、CC毎に、過去のPHR通知情報、または、通知されたPHRとその時点の(参照)ULグラント情報から算出したパスロス推定値と、現在の情報(値)とを比較することにより、ULグラントのない場合においても、基地局は、該当CCでのパスロス変化量、TPCコマンドの誤り情報を検出しやすくすることができ、その情報をスケジューリング、リンクアダプテーションに利用することができる。
【0104】
また、上記各実施の形態では、本発明をハードウェアで構成する場合を例にとって説明したが、本発明はハードウェアとの連携においてソフトウェアによって実現することも可能である。
【0105】
また、上記各実施の形態の説明に用いた各機能ブロックは、典型的には集積回路であるLSIとして実現される。これらは個別に1チップ化されてもよいし、一部又は全てを含むように1チップ化されてもよい。ここでは、LSIとしたが、集積度の違いにより、IC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。
【0106】
また、集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路又は汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用してもよい。
【0107】
さらには、半導体技術の進歩又は派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。バイオ技術の適用等が可能性としてありえる。
【0108】
なお、上記実施の形態ではアンテナとして説明したが、本発明はアンテナポート(antenna port)でも同様に適用できる。
【0109】
アンテナポートとは、1本または複数の物理アンテナから構成される、論理的なアンテナを指す。すなわち、アンテナポートは必ずしも1本の物理アンテナを指すとは限らず、複数のアンテナから構成されるアレイアンテナ等を指すことがある。
【0110】
例えば3GPP LTEにおいては、アンテナポートが何本の物理アンテナから構成されるかは規定されず、基地局が異なる参照信号(Reference signal)を送信できる最小単位として規定されている。
【0111】
また、アンテナポートはプリコーディングベクトル(Precoding vector)の重み付けを乗算する最小単位として規定されることもある。
【0112】
2010年8月9日出願の特願2010−178671の日本出願に含まれる明細書、図面及び要約書の開示内容は、すべて本願に援用される。
【産業上の利用可能性】
【0113】
本発明にかかる通信装置、通信方法及び集積回路は、移動通信システム等に適用できる。
【符号の説明】
【0114】
101、201 アンテナ
102、202 無線受信処理部
103 OFDM復調部
104、205−1〜205−N 復調部
105、206−1〜206−N チャネル復号部
106 抽出部
107、208 PHR制御部
108 TB(CC)選択部
109 PHR算出部
110−1〜110−N 多重部
111−1〜111−N、213−1、213−2 チャネル符号化部
112−1〜112−N、214−1、214−2 変調部
113−1〜113−N SC−FDMA変調部
114 合成部
115、216 無線送信処理部
203、207−1〜207−N 分離部
204−1〜204−N SC−FDMA復調部
209 TB(CC)判断部
210 PHR抽出部
211 スケジューリング部
212 制御情報生成部
215 OFDM変調部
図1
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