(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記複数のプレートのそれぞれの前記流動場の内部に設けられている前記複数の支持構造は、前記入口通路と前記出口通路との間の前記流動場を通って延びる複数のリブを含み、
前記複数のリブは、前記複数の膜それぞれを支持するために十分な距離だけ間隔を空けて設けられており、隣接する複数のプレートの前記複数のリブは、互いに十字のパターンを形成している、請求項1から3のいずれか一項に記載の加湿器。
前記複数のプレートそれぞれの前記流動場の内部に設けられている前記複数の支持構造は、前記入口通路及び前記出口通路の間の前記流動場を通って延びる複数のリブを含み、
前記加湿器は、複数の気体拡散層をさらに備え、
前記複数の気体拡散層それぞれは、前記複数のプレートの1つの前記流動場と前記複数の膜の1つの間に設けられており、
前記複数の気体拡散層の1つは、前記複数のプレートそれぞれの上面または底面に沿って設けられており、前記複数のリブの高さは、前記複数の気体拡散層の1つの厚みに対応する量だけ低減されている、請求項1に記載の加湿器。
前記複数のプレートのそれぞれは、一体形成されたマニフォルド開口を4つ含み、前記4つのマニフォルド開口は、前記第1の気流の入口マニフォルド開口及び出口マニフォルド開口と、前記第2の気流の入口マニフォルド開口及び出口マニフォルド開口とを含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の加湿器。
前記複数のプレートのそれぞれは、一体形成されたマニフォルド開口を6つ含み、前記6つのマニフォルド開口のうち2つは、前記第1の気流の入口開口または出口開口であり、前記6つのマニフォルド開口のうち2つは、前記第2の気流の入口開口または出口開口である、請求項1から5のいずれか一項に記載の加湿器。
前記複数のプレートのそれぞれは、4つの隅部を含み、複数のマニフォルド開口の1つは、前記複数のプレートのそれぞれの前記4つの隅部それぞれに設けられており、前記複数のプレートのそれぞれの前記流動場の内部に設けられている前記複数の支持構造は、前記複数のマニフォルド開口の第1の対または前記複数のマニフォルド開口の第2の対から放射状に延びる端部部分を有する複数のリブを含んでいる、請求項6から8のいずれか一項に記載の加湿器。
前記複数のプレートそれぞれの前記複数のリブからなる上部層及び前記複数のリブからなる底部層は、互いに、前記複数のプレートそれぞれの前記上面及び前記底面の間の略中間地点に位置している平面で接触している、請求項13に記載の加湿器。
前記複数のリブからなる上部層及び前記複数のリブからなる底部層は、実質的にまっすぐであり、前記上部層および底部層それぞれの前記複数のリブは、互いに実質的に並行であり、前記複数のリブからなる上部層及び前記複数のリブからなる底部層は、前記流動場でクロスハッチングされたパターンを形成している、請求項13から15のいずれか一項に記載の加湿器。
前記複数のプレートそれぞれの前記上部層の前記複数のリブ及び前記底部層の前記複数のリブは、前記複数のプレートそれぞれの少なくとも2つの辺に対して斜めである、請求項13から16のいずれか一項に記載の加湿器。
前記複数のリブは、前記複数の膜それぞれを支持するために十分な距離だけ間隔を空けて設けられており、隣接するプレートの前記複数のリブは、互いに十字のパターンを形成している、請求項9から18のいずれか一項に記載の加湿器。
前記複数のプレートそれぞれの前記流動場の内部に設けられている前記複数の支持構造は、前記入口通路及び前記出口通路の間の前記流動場を通って延びる、間隔を空けて設けられた複数のディンプルを含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の加湿器。
1つのプレートの前記封止上面の前記圧縮可能な封止材料は、前記複数の膜それぞれを介して、隣接するプレートの前記封止底面の前記圧縮可能な封止材料に封止される、請求項1から21のいずれか一項に記載の加湿器。
前記複数のプレートは、細長い固定具を受けるための複数の穴を含み、前記複数の穴は、前記封止上面及び前記封止底面を通って延び、前記圧縮可能な封止材料の付近に設けられる、請求項1から22のいずれか一項に記載の加湿器。
【発明を実施するための形態】
【0049】
以下で、第1の気流から第2の気流に水蒸気を移すことのできる加湿器の多くの実施形態を説明する。第1の気流は、比較的高い水蒸気含有量で加湿器に入り、以下では「湿性気流」と示される場合がある。第2の気流は、比較的低い水蒸気含有量で加湿器に入り、以下では「乾性気流」と称される場合がある。
【0050】
添付図面においては、ここで説明する加湿器の部材の多くが、必ずしも実際の縮尺に即して描かれておらず、一部の寸法(厚み等)を強調表示することで、説明しやすくしたり、明瞭にしたりしている場合があることを理解されたい。
【0051】
以下の説明では、加湿器は、第1の気流が、燃料電池カソードの排気を含み、第2の気流が、燃料電池システムの環境からの空気を含んでいる、燃料電池システムの部材として示されている。カソードの排気は、燃料電池で反応した空気を含んでおり、燃料電池では、酸素が消費され、水が生成されるために、この排気は、酸素の含有量が比較的低く、水蒸気の含有量が比較的高い。第2の気流に含まれる空気は、水の含有量が比較的低く、加湿器に入る前に、カソード空気冷却器、または、給気冷却器における圧縮及び冷却処理を受けてもよい。これは、カソードの空気が、燃料電池のエンジンに供給する前に、約1.5から2バールになるまで選択的に加圧される、自動車の燃料電池システムでは特に有用である。
【0052】
乾性気流には、この代わりに、水素を含む燃料の流れが入ってきてもよく、この場合には、湿性気流が、入ってくる水素を含む気流よりも水蒸気の含有量が多いアノードの排気を含んでもよいことを理解されたい。
【0053】
図1から
図8には、第1の実施形態における加湿器10が示されている。加湿器10は、後述するプレート積層を含むコア12と、コア12の外部に位置している2対のマニフォルドとからなる。以下の説明では、「コア」「積層」を入れ替え可能な用語として利用する。
【0054】
コア12は、全部で6面を有し、湿性気流は、これら面のいずれか1つを通ってコア12に入り、対向する面を通ってコア12から出てゆく。同様に、乾性気流も、これら面のいずれか1つを通ってコア12に入り、対向する面を通ってコア12から出てゆく。残りの二面は、水交換には利用されないが、一対の構造端部プレート72、173の間の加湿器の積層の圧縮アセンブリの面を機械的に固定する役割を持つ(
図7を参照して後述する)。
【0055】
加速器10のコア12は、積層全体において交互に積層された複数の湿性プレート14と複数の乾性プレート16とを含む。湿性プレート14及び乾性プレート16は、どちらも平坦で、4つの辺を有している。図示する実施形態では、各プレート14、16の4つの辺全てが、同じ長さを持ち、プレート14、16が正方形となっている。溝71を封止する位置を除いて(その機能については後述する)、湿性プレート14及び乾性プレート16は、同一であることが理解されよう。一部の実施形態では、マニフォルドの構成に応じて、溝71を4つの辺全てに沿って設けることもできるし、あるいは、完全になくしてしまうこともでき、この場合には湿性プレートと乾性プレートとが同一になる。プレート14、16は、2つの長い辺と2つの短い辺とを持つ、長方形の構成を有してもよく、この場合には、2つの異なるプレート構成が必要となるだろう。
【0056】
湿性プレート14は、
図2A及び
図2Bの矢印の方向の、プレート14の2つの辺に対して平行な湿性気流(たとえばカソードの排気)の流れのために構成され、乾性プレート16は、
図3A及び
図3Bの矢印の方向に、プレート16の2つの辺に対して平行な乾性気流(たとえば空気)の流れのために構成される。積層12の湿性プレート14、乾性プレート16は、各湿性気流及び乾性気流が、互いに直角になるように加湿器内を流れるように配向されるので、加湿器は直交流の加湿器である。湿性プレート14及び乾性プレート16は、実質的に互いに同一なので、以下の記載では、湿性プレート14に主に焦点を当てて説明するが、特にそうではないと明記しない限り、湿性プレート14の説明が乾性プレート16にも適用されることを理解されたい。図面及び以下の説明では、湿性プレート14と乾性プレート16とにおける同様の部材には同様の参照番号を付している。
【0057】
湿気にも対応可能なように、プレート14、16は、ポリマー材料で構成される。必要な厚み及び特徴を確実に達成するために、プレートは、成形法で製造される(たとえば、圧縮成形、圧縮/射出成型、射出成型、シート成形、または熱成形)。
【0058】
加湿器10では、湿性気流は、各湿性プレート14の上面及び底面両方を通り、乾性気流は、各乾性プレート16の上面及び両面両方を通る。コア12内では、
図6に示すように、透水性の膜18が、積層の隣接するプレートの間に挟まれて、封止され、湿性気流と乾性気流とを互いに物理的に分離させて、湿性気流から乾性気流へ水蒸気を移動させる。
【0059】
膜18は、非常に薄いプラスチック膜であり、正常に機能するためには支持が必要である。この理由から、積層の各膜18は通常、
図6に示すように、気体拡散層20によって両辺を支持されており、これは本文献で「拡散媒体」と称される場合もある。加湿器10では、各膜18の両辺に対して複数の気体拡散層20が設けられる。各気体拡散層20は、膜18よりも実質的に厚く剛性を有するがプレート14、16より比較的薄く柔軟な、親水性のカーボンファイバマットを含んでよい。気体拡散層20は通常、約0.10mmの厚みを有しており、膜18は、約100ミクロン未満というオーダの厚みを有していてよい。
【0060】
入ってくる乾性気流は圧縮されるので、通常は、湿性気流よりも圧力が高い。発明者は、乾性気流のほうを高い圧力にしておくことで、膜18を、乾性プレート16の表面から離すことができる傾向があるので、気体拡散層120を、膜18と乾性プレート16との間に設ける必要がなくなることを発見した。発明者はさらに、湿性側の気体拡散層20が、ここで記載する適切な流動場の設計を利用して支持されている限りは、乾性側の気体拡散層20を取り除いても、加湿器のパフォーマンスは損なわれないことも確認した。したがって、膜18の乾性側の気体拡散層20は設けなくてもよく、本発明の一部の実施形態では、気体拡散層20を、各膜18の湿性側のみに(つまり、膜18と湿性プレート14との間に)設けてもよい。
【0061】
気流は、プレート14、16の外端を通ってコア12に入ったり出たりして、プレート14、16の中央部分の間を利用して水蒸気が行き来する(ここでは「流動場」と称される場合もある)。湿性気流と乾性気流とが混合しないようにするために、湿性プレート14、及び乾性プレート16を、流動場の周辺の周りで封止する。次に、プレート14の構成について説明する。
【0062】
湿性プレート14は、上面22と、それに対向する底面24とを有し、プレート14の上面22と底面24との間の最大距離として定義される厚みT(
図4−
図5)を有する。製品の設計目的は、厚みTを比較的薄く抑えながら(通常は0.75−3mmの範囲)積層の全体積及び高さを最小限にしつつ、湿性気流と乾性気流の間の膜18の有効表面積を最大化することである。それぞれのチャネル形状及び圧力降下の必要性に応じて、湿性プレート14の厚みTは、乾性プレート16の厚みTとは異なっていてもよい。ここで利用する「上面」「底面」といった用語は、単に説明しやすくする目的で利用されており、ここで記載して請求するプレートまたは加湿器の方向を限定するものとして解釈されるべきではない。
【0063】
次に、
図2A及び
図2Bを参照しながら、湿性プレート14について説明する。
【0064】
流動場32は、プレート14の中央部分に定義される。流動場32は、膜18を通る、湿性気流と乾性気流との間における水蒸気が流れる領域を定義するので、プレート14の全面積に対する流動場32の面積は、最大化されると好適である。加湿器10では、流動場32の形状は実質的に正方形または長方形であり、プレート14の周辺端部近くまで延びる。流動場32はさらに、膜18及び気体拡散層20に支持構造を提供する複数の支持構造を含み、膜18及び気体拡散層20が弛んだり、プレート14における湿性気流の流れを締め付けたり、遮蔽したりしないようにする。加湿器10では、これらの支持構造が、流動場32の長さ全体にわたり横方向に延びる支持リブ28の形状で形成されている。
【0065】
支持リブ28同士は、膜18及び気体拡散層20に対して支持構造を提供することができるよう、十分近い間隔で設けられる。通常のリブ間の間隔は、約1.0から約3.0mmである(たとえば約1.5mmである)。リブ28は、比較的厚みが薄く、膜18及び気体拡散層20を切断しない程度にこれら部材を支持することができる程度の厚みがあるが、リブのランドから膜18及び気体拡散層20の両方または片方にわたる中間領域における水蒸気の交換を助ける程度の薄い経路を作成することができるほどの厚みはなく、流体を流すために利用するチャネルの開口を完全に妨害することがないように十分狭い上面のランド幅を有している。リブ28は、また、互いに平行であり、過度な圧力降下がないようにしている。通常リブ28は、約0.3から約1.0mmである(たとえば約0.5mmである)。気体拡散層(1または複数)20も膜18を支持するので、より厚みのある気体拡散層の利用により、リブ間隔を広げ、リブ28自体の幅も広げることができるようになるが、積層の高さが増すことになる。開示したリブの厚み及び間隔の例は、約0.1mmの厚みの気体拡散層20に基づいている。リブ28が膜18を支持するので(随意で気体拡散層20も支持する)、流動場32は、上部及び底部が開いている。
【0066】
流動場32内に延びる支持リブ28は、プレート14の厚みTと実質的に同じであるが、厚みTよりわずかに小さい高さを持つ(これは、流動場32及び流動場32のすぐ外側にある周囲のプレート14の部分の厚みが減らすことで、気体拡散層20を受け入れる浅いポケットを形成する目的のためである)。肩部23は、湿性プレート14の上面22に提供され、これが、厚みの減った領域を画定して、気体拡散層20の領域を画定している。湿性プレート14の底面24には、対応する肩部25が設けられている。したがって
図8の断面図に示す実施形態では、プレート14の流動場32のリブ28の高さが、プレート14の厚みTから、気体拡散層20の厚みの二倍を減算したものに等しくなる。
【0067】
プレート14、16の厚みT全体、及び、リブ28の高さ、幅、及び間隔は、湿性プレート14と乾性プレート16との間で必ずしも同じではなくてもよい。たとえばこれらの寸法を異ならせることで、湿性気流及び乾性気流の圧力降下を調節することもでき、異ならせることで、湿性気流と乾性気流との間の圧力差を説明(take into account)することもできる。さらに、随意で設けられる気体拡散層20を膜18の乾性側から削除する実施形態では、乾性プレート16から気体拡散層20のポケット23、25を削除することもでき、これにより、乾性プレート16のリブ28の高さに影響がでる。
【0068】
支持リブを利用する代わりに、ディンプル、細長いディンプル、波型または角度を持った不連続のリブ、その他の突起を、支持構造として提供してもよい。
【0069】
湿性プレート14は、プレート14の端部表面に提供された入口開口26を有する(この場合には、プレート14の1つの辺にある、プレート14の外部周辺端部沿いに延びる端部表面である)。入口開口26は、端部表面の長さの殆どをカバーするように延び、プレート14の隅部付近で終端している。入口開口26は、プレート14の上面22で開口しており、底面24で閉じている。
【0070】
入口通路36は、入口開口26を流動場32につなげて、入口開口26から、流動場32の開口した上面及び開口した底面へと、流体連通させる。流動場32の支持リブ28は、入口通路36を通って、入口開口26が提供されている端部表面に延びることで、入口開口26及び入口通路36を分割して、支持することができる。湿性プレート14は、同様に形成された、プレート14の端部表面に設けられた出口開口30を持ち、この端部表面が、プレート14の反対側の外周辺端部沿いに延び、これもプレート14の辺の1つを画定している。出口開口30は、この端部表面の長さの殆どをカバーするように延び、プレート14の隅部付近で終端している。出口開口30も、プレート14の上面22で開口しており、底面24で閉じている。
【0071】
出口通路38は、出口開口30を、流動場32の開口した上面及び開口した底面につなげて、出口開口30から流動場32へと、流体連通させる。流動場32の支持リブ28は、出口通路38を通って、出口開口30が提供されている端部表面に延びることで、出口開口30及び出口通路38を分割して、支持することができる。
【0072】
プレート14の上面22は、平面状の封止上面34を有し、この平面状の封止上面34に沿って、プレート14の上面22が、プレート14と隣接する乾性プレート16との間に位置している膜18に封止され、乾性プレート16は、それぞれの封止底面44に沿って同じ膜18に対して封止される。平面状の封止上面34は、流動場32の外端の周りに連続形成され、完全に流動場32を取り囲み、さらには、気体拡散層20及び肩部23の可能な場所も取り囲む。封止上面34は、入口通路36を通って延びる第1の橋架部40と、出口通路38を通って延びる第2の橋架部42とを含む。これら領域では、入口通路36及び出口通路38が、プレート14の上面22で閉じており、底面24で開口している。これらの橋架部分40、42は、プレート14の上面22に沿って連続した封止を提供することができ、一方では、湿性気流を、プレート14の周辺端部表面と中央流動場32との間に流れさせる。
【0073】
プレート14の底面24は、平面状の封止底面44を有し、この平面状の封止底面44に沿って、プレート14の底面24が、隣接する乾性プレート16に封止される。平面状の封止底面44は、流動場32の外端の周りに連続形成され、完全に流動場32を取り囲み、さらには、気体拡散層20及び肩部25の可能な場所も取り囲む。封止底面44は、入口通路36を通って延びる第1の橋架部46と、出口通路38を通って延びる第2の橋架部48とを含む。これら領域では、入口通路36及び出口通路38が、プレート14の底面24で閉じており、上面22で開口している。これらの橋架部分46、48は、プレート14の底面24に沿って連続した封止を提供することができ、一方では、湿性気流を、プレート14の周辺端部表面と中央流動場32との間に流れさせる。
【0074】
次に、
図3A及び
図3Bを参照しながら、乾性プレート16を説明する。
【0075】
プレート16の中央部分にも、流動場32が画定される。流動場32は、膜18または気体拡散層20に支持構造を提供する複数の支持構造を含み、膜18及び気体拡散層20が弛んだり、プレート16における湿性気流の流れを締め付けたり、遮蔽したりしないようにする。加湿器10では、これら支持構造が、流動場32の長さ全体にわたり横方向に延びる支持リブ28の形状で形成されている。乾性プレート16は、上面22と底面24とを有している。
図3Bに示す乾性プレート16の底面24には、入口開口26が、プレート16の端部表面に設けられている(この場合には、プレート16の1つの辺にある、プレート16の外部周辺端部沿いに延びる端部表面である)。入口開口26は、端部表面の長さの殆どをカバーするように延び、プレート16の隅部付近で終端している。入口開口26は、プレート16の底面24で開口して、上面22で閉じている。プレート16も、入口開口26を流動場32につなげる入口通路36を有する。
【0076】
乾性プレート16も、プレート16の端部表面に設けられた出口開口30を持ち、この端部表面が、プレート16の反対側の外周辺端部沿いに延び、プレート16の辺の1つを画定している。出口開口30は、この端部表面の長さの殆どをカバーするように延び、プレート16の隅部付近で終端している。出口開口30も、プレート16の底面24で開口しており、上面22で閉じている。プレート16も、出口開口30を流動場32につなげる出口通路38を有する。
【0077】
図3Aのプレート16の上面22は、平面状の封止上面34を有し、この平面状の封止上面34に沿って、プレート16の上面22が、プレート16と隣接する湿性プレート14との間に位置している膜18に封止されている。平面状の封止上面34は、流動場32の外端の周りに連続形成され、完全に流動場32を取り囲み、さらには、気体拡散層20及び肩部23の可能な場所も取り囲む。プレート16の封止上面34は、入口通路36を通って延びる第1の橋架部46と、出口通路38を通って延びる第2の橋架部48とを含む。これら領域では、入口通路36及び出口通路38が、プレート16の上面22で閉じており、底面24で開口している。これらの橋架部分46、48は、プレート16の上面22に沿って連続した封止を提供することができ、一方では、湿性気流を、プレート16の周辺端部表面と中央流動場32との間に流れさせる。
【0078】
図3Bに示すように、プレート16の底面24は平面状の封止底面44を有し、この平面状の封止底面44に沿って、プレート16の底面24が、隣接する乾性プレート16の上面22に、膜18経由で封止される。平面状の封止底面44は、流動場32の外端の周りに連続形成され、完全に流動場32を取り囲み、さらには、気体拡散層20及び肩部25の可能な場所も取り囲む。封止底面44は、入口通路36を通って延びる第1の橋架部40と、出口通路38を通って延びる第2の橋架部42とを含む。これら領域では、入口通路36及び出口通路38が、プレート16の底面24で閉じており、上面22で開口している。これらの橋架部分40、42は、プレート16の底面24に沿って連続した封止を提供することができ、一方では、湿性気流を、プレート16の周辺端部表面と中央流動場32との間に流れさせる。
【0079】
次に、プレート14とプレート16と両方に対する説明を行う。
【0080】
封止上面34及び封止底面44は、プレート14、16の厚みが最大値に等しくなる領域を定義している。封止手段は、それに沿って、隣接するプレート14、16、及び膜18が、ともに積層内に封止されるよう、封止上面34及び封止底面44に提供される。たとえば、
図4及び
図5に示すように、封止上面34及び封止底面44はそれぞれが、気体拡散層20のポケット同様の深さを持つ浅い溝68を設けられる。この溝68内には、予め定められた圧縮率を有する封止材料70を設けられる。封止材料70は、スクリーン印刷、インクジェット印刷、またはステンシル印刷等の印刷プロセスによってプレート14、16に塗布されてよい。または、封止材料70は、液噴射成形法によってプレート14、16に塗布されてもよい。さらには、封止材料70は、プレートに、未硬化状態の液体またはペーストの形態で、たとえばロボットを利用して塗布され、後で、塗布された封止材料70を硬化させてもよい。これらの塗布方法は、加湿器の組み立て前に、封止材料70とプレート14、16とを一体的に封止することができる。これら塗布方法は、さらに、封止材料70の厚みを正確に制御することができ、後述するさらなる利点を提供することができる。
【0081】
図4及び
図5に示すように、封止材料70は、最初は、溝68から飛び出た、溝68より短い、または背の高い薄いビーズとして見えてよい。しかし
図8に示すように、コア12の組み立て中に、隣接するプレート14、16同士が互いに、隣接するプレート14、16の封止上面34、封止底面44の圧縮可能封止材料70と接触することで、封止上面34、封止底面44の圧縮可能封止材料70により圧力をかけられて、圧縮される(「接触」とは、隣接するプレート14、16の圧縮可能封止材料70の層が、直接接触する、または膜18により分離されていてもよい状態を示す)。圧縮可能封止材料70は、隣接するプレート14、16における圧縮可能材料70及び膜18の両方または片方に封止するときに溝68内に広がり、溝68のいずれかの辺の封止表面34、44が、互いに接触して、「ハードストップ」を提供して、プレート間の圧縮を制限するように設けられる。この「ハードストップ」封止特徴部は、以下のように、一貫したセル間隔の繰り返しを設ける手助けを行う。プレート14、16が互いに接触しそうになると、圧縮力によって、積層のプレート14、16全てが均等化され、一貫した圧縮距離を達成することで、セル間隔が均等化させる傾向にある。さらに、隅部の圧縮負荷移動点(隅部の穴64)が、橋架部40、42、46、48の領域で特に、周辺の封止68、70に密な間隔で設けられ、それら自身が同じ封止構造で実質的に覆われるようになるので、積層の組み立てを行うために比較的軽い圧縮負荷でよくなり、比較的計量の上部(端)及び底部(端)の固定構造を利用しても、局所的にかかる湾曲偏向力が絶対的に最小化される。ここで、プレート間を封止しつつ、ハードストップを設けるためには、各圧縮材料70層の厚みを正確に制御する必要があることは理解されたい。
【0082】
封止の上述の記載は、プレート14、16の間の接触について言及しているが、本実施形態の各プレート14、16の対の間の膜18は、膜18が、湿性気流と乾性気流とを分離しているプレート14、16の領域であるアクティブな封止領域、及び、これら領域の端部を封止している封止表面34、44の部分を少なくとも完全にカバーしている。たとえば、加湿器10では、膜18が、流動場32全体とともに、流動場32の端部を封止しているプレート14、16の封止上面34、封止底面44の部分をカバーしている。したがってこれらの領域では、プレート14、16、及び、より詳しくは、封止表面34、44のエラストマー製の封止材料70は、膜18の互いに対向する辺に封止される(直接互いに対して封止されるのではなく)。上述した利点に加えて、この配置によって、膜の両辺には適合した封止(compliant seal)を行うことで、膜が損傷を受けないようにしている。
図6に示すように、加湿器10の膜18は、穴64を囲う領域を含む封止表面34、44全体にわたり延びている。他方、気体拡散層20は、膜18より面積が小さく、気体拡散層20は、肩部23、25内の流動場32のみをカバーするように延びており、封止上面34、封止底面44とは重ならない。したがって気体拡散層20は、膜18とともに封止されるプレート14、16の領域には存在しないことになる。
【0083】
橋架部40、42、46、48は、開口26、30、及び流路36、38の流れを妨げないように十分薄く、且つ、厚みの限られた1つのプレート構造内で十分な橋架支持構造を提供することができる必要がある。橋架部の厚みは、プレート14、16の厚みに依存しており、通常は、プレートの厚みに応じて、プレートの厚みの約10から約50パーセントの範囲で、または、約0.07mmから約1.5mmの範囲で、変化する。
【0084】
プレート14、16では、第1の橋架部40が、プレート14、16の反対の辺の第1の橋架部46に対して、流動場32側に内向きにオフセットされており、第1の橋架部40、46の間に重なりはない。入口通路36を介した流れを促すために、オフセットの量をさらに増やして、第1の橋架部40の外端(流動場32から遠いほう)を、第1の橋架部46の内端から離れるようにして、プレートに間隙54を生成するが、この間隙54は、リブ28によって一連の小さな穴に分割したものである。第1の橋架部46は、入口開口26が提供される端部表面に延びているので、プレート14の入口開口26の閉じた底面を、及び、プレート16の入口開口26の閉じた上面を形成する。
【0085】
同様に、プレート14、16の反対側の辺では、第2の橋架部42が、第2の橋架部48に対して、流動場32側に内向きにオフセットされており、第2の橋架部42、48の間に重なりはない。出口通路38を介した流れを促すために、オフセットの量をさらに増やして、第2の橋架部42の外端(流動場32から遠いほう)を、第2の橋架部48の内端から離れるようにして、プレート14に間隙56を生成するが、この間隙56は、リブ28によって一連の小さな穴に分割したものである。
【0086】
橋架部40、46、及び42、48の、重なりをなくすためのオフセットによって、入口開口26、出口開口30、及び、入口通路36、出口通路38を開口した溝として形成することができるようになる。これにより、プレート14、16の製造性が高まる場合もある(必ずではないが)。本発明の一部の実施形態では、第1の橋架部40、46が重なってもよいし、または、互いに直接対向して、入口通路36の長さの少なくとも一部が、プレート14、16の上面22及び底面24によって閉じられてもよい。同様に、第2の橋架部42、48が重なってもよいし、または、互いに直接対向して、出口通路38の長さの少なくとも一部が、プレート14、16の上面22及び底面24によって閉じられてもよい。
【0087】
上述したように、支持リブ28が、流動場32にわたり延び、膜18及び気体拡散層20を支持する。流れと水蒸気の流れを最大化するために、支持リブ28は非常に薄く、横方向に支持されて、その長さ方向に押下(ティッピング)または湾曲されないようにする必要がある。したがって、ウェブ58を隣接するリブ28間に設けて、リブ28を固定する。ウェブ58は、非常に薄く、製造可能な範囲の制約の範囲内で可能な限り薄くするとよい。ウェブは、通常、約0.07から約0.5mmの範囲の厚みを有しており、たとえば約0.11mmの厚みであってよい。加湿器10のウェブ58は、プレート14の上面22及び底面24の間にある平面に位置しており、たとえば、プレート14、16の上面22及び底面24の間の中間に位置する中央平面に位置していてよい。加速器10では、各ウェブ58が、流動場32においてリブ28に平行に延び、第1の橋架部40から短い距離の地点で終端されて、間隙60が形成されるが、この間隙60は、リブ28が、プレート14に延在する一連の小さな穴に分割されたものである。同様に、各ウェブ58も、第2の橋架部42から短い距離の地点で終端されて、間隙62が形成されるが、この間隙62は、リブ28が、プレート14に延在する一連の小さな穴に分割されたものである。間隙60及び62も、プレート14、16に延在するように設けられ、流動場32の開いた上面及び開いた底面と、入口通路36及び出口通路38との間を流体連通させることから、ここでは「ダイブスルー開口(dive-through openings)」と称される。
【0088】
間隙60を設けることで、入口通路36から、流動場32のプレート14、16の両辺にかけて湿性気流が流れるようになり、湿性気流がウェブ58の上及び下(流動場32の開いた上面及び開いた底面)に実質的に均等に分割される。同様に、間隙62を設けることで、流れが実質的にウェブ58の上及び下(流動場32の開いた上面及び開いた底面)に分割され、出口通路38に入る。
【0089】
湿性プレート14及び乾性プレート16のそれぞれの隅部には、穴64が設けられて、ボルト、ロッド、スタッド、またはケーブル等の細長い固定具を受け入れる(
図7にボルト66及びナット67を示す)。
図7にはさらに、湿性プレート14及び乾性プレート16を、膜18と気体拡散層20を、隣接する湿性プレート14及び乾性プレート16の各対の間に配置するように交互に積層することで、コア12が一対の構造端部プレート72、173の間に組み立てにより組み入れられることが示されている。積層が形成されると、コア12を圧縮して、上述したようにプレート14及び16を、共有している膜18の各辺に対して圧縮して、膜18がプレート14及び16の間に挟まれ、固定具(たとえばボルト66及びナット67)によって圧縮され続けるようにする。
【0090】
剛性は、プレート14、16の端部における封止経路沿いにのみ必要なので、比較的厚みのある端部プレート72、173を、より軽量な固定具で置き換えることもできる。たとえば、端部プレート72、173の中央部分を取り除いて、厚みがあり、剛性を有する端部周辺フレームを提供してよく、これには、より小型のリブまたはトラスのような構造(truss like structure)を組み込むこともできる。
【0091】
図7に示すように、積層されているプレート14、16の封止溝71が位置合わせされて、コア12の高さ全体に延在するように連続した溝73が設けられる。溝71は、含まれている封止材料70及び封止溝68と連通して、溝71の端部に連続した封止を提供する。示されているように、上端プレート72は、溝73と位置合わせされた脚部77を含む溝75と、プレート72の端部に沿って延びる細長い部分79とを含む。図示されていないが、溝75は連続しており、細長い部分79が、プレート72の他端にまで延び、別の脚部77(不図示)が、コア12の他端に形成された溝73と連通する。同様に、底面端部プレート173には、溝73と位置合わせされた脚部83を含む溝81と、プレート173の端部に沿って延びる細長い部分85とが設けられる。図示されてはいないが、溝81は連続しており、細長い部分85が、プレート173の他端にまで延び、別の脚部83(不図示)が、コア12の他端に形成された溝73と連通する。したがって、コア12と端部プレート72、173を含むアセンブリの少なくとも一面に沿って、コア12にマニフォルドを封止するためのO−リング等の封止部材を受けるための連続した長方形の溝が設けられている。
【0092】
次に、
図16A及び
図16Bを参照するとわかるように、組み立て、及び、組み立て中にプレート14、16の位置合わせの維持を補助するために、プレート14、16に、雄雌スナップ式の部材(male and female snap fit elements)を提供してもよい。これらスナップ式の部材は、穴64内に提供されると好適であろう。たとえば、
図16A及び
図16Bでは、各プレート14、16の上面22に、穴64を取り囲む環形の突起120を設け、各プレート14、16の底面24に、穴64を取り囲む環形の窪み122を設けてよく、この環形の窪み122は、隣接するプレート14、16に対して環形の突起120をスナップ式に受け取ることができるに足るサイズと深さとを有する。たとえば積層段階を利用することで、プレート14、16の各対がこのようにして予め組み立てられてはいるかもしれないが、スナップ式の部材自身が、十分な積層圧縮負荷をかけることはできない点は理解されたい。したがって積層は通常、スナップ式の部材を提供する場合であっても、積層圧縮及び組み立てを行うためには細長い固定具を必要とする。
【0093】
図面に示されているように、湿性プレート14及び乾性プレート16の入口及び出口は、コア12の4つの面に沿って観察することができる。コア12のこれら4面は、プレート14、16の入口及び出口及び燃料電池システムの他のコンポーネントの間に流れを連通させるマニフォルドによって封止及びカバーされている。
【0094】
特に、
図1に示すように、湿性気流入口マニフォルド74は、湿性プレート14の入口開口26がそれに沿って提供されているコア12の面をカバーする。湿性気流入口マニフォルド74の一端は、コア12に封止され、他端が、マニフォルド74を燃料電池カソードの排出ポート(不図示)に接続するコンジット(不図示)に封止されている。
【0095】
湿性気流出口マニフォルド76は、湿性プレート14の出口開口30がそれに沿って提供されているコア12の面をカバーしており、これは、入口開口26が提供されている面の正反対側にある。湿性気流入口マニフォルド76の一端は、コア12に封止され、他端が、カソード排気を燃料電池システムから排出する、または、カソード排気をリサイクルしたり、システムから排出する前にさらなる処理を施したりするための燃料電池システムの別のコンポーネントにつながるコンジット(不図示)に封止されている。
【0096】
乾性気流入口マニフォルド78は、乾性プレート16の入口開口26がそれに沿って提供されているコア12の面をカバーしている。乾性気流入口マニフォルド78の一端は、コア12に封止され、他端が、マニフォルド74を外気源に接続するコンジット(不図示)に封止されている。上述したように、外気は、加湿器10に投入される前にまず圧縮されて冷却されるので、マニフォルド78は、圧縮器の下流に設けられている給気冷却器(不図示)の出口または空気圧縮器(不図示)の出口に接続されたコンジット(不図示)に接続されてよい。
【0097】
乾性気流出口マニフォルド80は、乾性プレート16の出口開口30がそれに沿って提供されるコア12の面をカバーしており、これは、乾性プレート16の入口開口26が提供されている面の正反対側にある。乾性気流入口マニフォルド80の一端は、コア12に封止され、他端が、湿気を燃料電池システム(不図示)に搬送して、燃料と反応させるためのコンジット(不図示)に封止されている。
【0098】
マニフォルド74、76、78、80は、コア12に直接取り付けられてもよいし、コア12が封止されている筐体(不図示)に取り付けられてもよい。
【0099】
第2の実施形態における加湿器110を
図9及び
図10を参照して後述する。加湿器110は、以下に示す差異を除いて、全ての点で加湿器10と同一であるので、加湿器10の部材に関する説明は、そうではないと明記しない限りにおいて加湿器110に対しても同様にあてはまる。さらに、図面及び以下の説明において、加湿器10及び110における同様の部材は、同様の参照番号を付している。
【0100】
第2の実施形態における加湿器110は、湿性プレート14、乾性プレート16、膜18、及び気体拡散層20から構築されるコア12を含む。加湿器110のコア12に利用される湿性プレート14及び乾性プレート16は、流動場32の構成を除く全ての点において、加湿器10の湿性プレート14及び乾性プレート16と同一である。加湿器110では、プレート14、16の流動場32を、支持リブ28が横切り、隣接するリブ28がウェブ82によって接続されている。加湿器10の流動場32を実質的に全体的に覆っている加湿器10の細長いウェブ58に比べると、ウェブ82は、より短く、リブ28の長さにわたり断続的に間隔を置いて配置されており、隣接するリブ28の間に更なる間隙84が設けられている。これら間隙84は、各プレート14、16の上部領域及び底部領域に沿って流れる気体の間を連通させるさらなる領域を提供している。ウェブ82及び間隙84がカバーする領域はそれぞれ可変であり、ウェブ82が短くなっており、間隙84が、流動場32がメッシュ状の外観を呈するまで拡大されることで、プレート14、16の上部領域及び底部領域に沿って流れる気流の間を実質的に連続して連通させることがわかる。間隙84は、上述した間隙60、62同様に、「ダイブスルー」開口としても機能することがわかるだろう。
【0101】
図示されている加湿器110では、複数の比較的短いウェブ82を、流動場32を横切る各リブ28の長さに沿って提供する。隣接するリブ28の対の間に設けられるウェブ82は、リブ28の方向を横切る方向に互いに位置合わせされてよいが、これは必須ではない。ウェブ58同様に、ウェブ82は、それぞれが、プレート14、16の上面22及び底面24の間にある平面に位置していてよいが、これも必須ではない。むしろ、ウェブ82それぞれが、プレート14、16の上面22または底面24と位置合わせされてよい。
【0102】
第3の実施形態における加湿器110を
図11から
図15を参照して後述する。加湿器210は、直交流の加湿器であり、以下に示す点を除くすべての点において、加湿器10及び110と同一である。したがって、加湿器10、110の部材の説明は、そうではないと明記しない限りにおいて加湿器210にも適用される。さらに、図面及び以下の記載では、加湿器10、110、及び210の同様の部材が、同様の参照番号で示される。
【0103】
加湿器210は、湿性気体及び乾性気体のための入口及び出口マニフォルドがコア12の一部として一体形成される点が加湿器10と異なる。こうすることで、別途、コアに封止させるべき外部マニフォルド74、76、78、80を設ける必要がなくなる。一体形成されたマニフォルドを提供するために、加湿器210を構成する各湿性プレート14及び乾性プレート16が、プレート14、16が積層されると、湿性気流及び乾性気流用の入口マニフォルド及び出口マニフォルドを形成するマニフォルド開口を含んでいる。次に加湿器210のプレート14、16を説明する。
【0104】
まず、図面からわかるように、加湿器210を構成する湿性プレート14、乾性プレート16が、加湿器10の湿性プレート14、乾性プレート16のすべての部材と同じ部材を含む。加えて、各プレート14、16は、4つのマニフォルド開口が向けられる4つの辺に沿った延長部を含む。
【0105】
たとえば
図11及び
図12は、それぞれ、加湿器210の湿性プレート14の上面22及び底面24を示す。プレート14の対向する短い辺からは、一対のマニフォルド延長部が延びている(つまり、湿性入口マニフォルド開口88を画定する湿性入口マニフォルド延長部86と、湿性出口マニフォルド開口92を画定する湿性出口マニフォルド延長部90)。湿性入口マニフォルド開口88は、その全長にわたり湿性プレート14の入口開口26と気体連通しているので、入口開口26が提供されるプレート14の辺の略全長にわたり湿性入口マニフォルド延長部86が延びる。湿性入口マニフォルド延長部86は、プレート14の封止上面34とコプラナーな封止上面94と、プレート14の封止底面44とコプラナーな封止底面96とを含む。封止上面94及び封止底面96は、後述するように、加湿器210の組み立て中に、隣接する乾性プレート16の間の湿性マニフォルド延長部に封止される。
【0106】
同様に、プレート14の湿性出口マニフォルド開口92は、その全長にわたり湿性プレート14の出口開口30と気体連通しており、湿性出口マニフォルド延長部90は、出口開口30が設けられているプレート14の辺の略全長にわたり延びる。湿性出口マニフォルド延長部90は、プレート14の封止上面34とコプラナーな封止上面98と、プレート14の封止底面44とコプラナーな封止底面100とを含む。封止上面98及び封止底面100は、後述するように、加湿器210の組み立て中に、隣接する乾性プレート16の間の湿性マニフォルド延長部に封止される。
【0107】
したがって、加湿器210の湿性プレート14では、入口開口26と出口開口30とが、それぞれ湿性入口マニフォルド開口88及び湿性出口マニフォルド開口92内に開口しているプレート14の端部表面に形成される。これは、入口開口26及び出口開口30がプレート14の外部周辺端部に沿って延びる端部表面に形成されている加湿器10の湿性プレート14とは対照的である。
【0108】
加湿器210の湿性プレート14には、さらに、プレート14の互いに対向する長辺沿いに、一対のマニフォルド延長部が設けられる(つまり、乾性入口マニフォルド開口104を画定する乾性入口マニフォルド延長部102と、乾性出口マニフォルド開口108を画定する乾性出口マニフォルド延長部106)。乾性入口マニフォルド開口104及び乾性出口マニフォルド開口108は、湿性プレート14の流動場32と気体連通していない。乾性マニフォルド延長部102、106は、単に、後述するように乾性入口及び出口マニフォルドの構成における充填部としてのみ機能する。乾性入口マニフォルド延長部102は、プレート14の封止上面34とコプラナーな封止上面112と、プレート14の封止底面44とコプラナーな封止底面114とを含む。封止上面112及び封止底面114は、後述するように、加湿器210の組み立て中に、隣接する乾性プレート16の間の湿性マニフォルド延長部に封止される。
【0109】
乾性出口マニフォルド延長部106も、同様に、プレート14の封止上面34とコプラナーな封止上面116と、プレート14の封止底面44とコプラナーな封止底面118とを含む。封止上面116及び封止底面118は、後述するように、加湿器210の組み立て中に、隣接する乾性プレート16の間の湿性マニフォルド延長部に封止される。
【0110】
マニフォルド延長部86、90、102、及び106にはそれぞれ、1以上の強化リブ99を設けられ、内部的圧力がかかった場合であってもそれぞれの開口88、92、104、108の形状を維持することができる。マニフォルド延長部の封止表面34、44には、プレート14の封止上面34、封止底面44の残りの部分同様に、溝68と封止材料70とが提供される。
【0111】
図13及び
図14は、それぞれが、加湿器210のプレート16の上面22及び底面24を示している。乾性プレート16にも、以下に説明する点を除いて、湿性プレート14と同じ構成のマニフォルド延長部及び開口が設けられている。したがって、図面及び以下の記載では、加湿器210の乾性プレート16の同様の部材(マニフォルド延長部を含む)に、同様の参照番号を付す。
【0112】
乾性プレート16それぞれは、プレート16の互いに対向する長辺に沿って乾性入口及び出口マニフォルド延長部102、106を含み、乾性入口及び出口マニフォルド延長部102、106は、それぞれ、プレート16の入口及び出口マニフォルド開口104、108を画定している。プレート16の入口マニフォルド開口104は、入口開口26と気体連通しており、出口マニフォルド開口108は、出口開口30と気体連通している。
【0113】
湿性及び乾性プレート14,16が加湿器210を形成するために積層されるとき、湿性及び乾性プレートの湿性マニフォルド延長部86、90が、封止表面に沿って互いに封止される。湿性及び乾性プレート14、16の複数の湿性入口マニフォルド開口88は組み合わせられて、加湿器210の全高にわたり延びる湿性入口マニフォルド空間を形成して、湿性プレート14のすべての湿性入口開口26は、湿性入口マニフォルド空間の内部と気体連通している。同様に、湿性及び乾性プレート14、16の複数の湿性出口マニフォルド開口92も組み合わせられて、加湿器210の全高にわたり延びる湿性出口マニフォルド空間を形成して、湿性プレート14のすべての湿性出口開口30は、湿性出口マニフォルド空間の内部と気体連通している。
【0114】
さらに、加湿器210では、湿性及び乾性プレート14、16の乾性入口マニフォルド開口104が組み合わせられて、加湿器210の全高にわたり延びる乾性入口マニフォルド空間を形成して、乾性プレート16のすべての乾性入口開口26は、乾性入口マニフォルド空間の内部と気体連通している。同様に、湿性及び乾性プレート14、16の複数の乾性出口マニフォルド開口108が組み合わせられて、加湿器210の全高にわたり延びる乾性出口マニフォルド空間を形成して、乾性プレート16のすべての乾性出口開口30は、乾性出口マニフォルド空間の内部と気体連通している。上述した加湿器10同様に、加湿器210のコア12も、端部プレートの間で圧縮されるが、端部プレートは、マニフォルド空間と連通する穴が設けられ、これら穴の上に、燃料電池システムの他のコンポーネントとの接続のための係合がなされている点において、上述した端部プレート72、173とは、外観が若干異なっている。各マニフォルド空間の1つまたは両方の端部は、端部プレートにおいて開いている。上述した加湿器10、110におけるのと同様に、膜18(不図示)及び気体拡散層20(不図示)が、加湿器210の隣接する湿性及び乾性プレート14、16の間に提供される。上述したように、膜18は、少なくともアクティブな封止領域(つまり、流動場32、及び、流動場32の縁部の周りに延びる封止上面34、封止底面44の部分)に存在している。膜18は、マニフォルドの領域内に外向きに延びる封止表面の部分間(たとえば封止上面及び底面112、114、116、118)には、存在させなくてよい。これら領域には、封止表面間に、及び、隣接するプレート間の封止表面112、114、116、118の上に提供されるエラストマー封止材料70の間に、直接的な接触がある。
【0115】
上述し、図面に示したすべての実施形態は、直交流加湿器に関していた。本発明の一部の実施形態では、湿性気流及び乾性気流が逆流配置(互いに反対方向に流れる)、または、並行流配置(同じ方向に流れる)であってもよく、これらの構成は、湿性プレート14または乾性プレート16の配向及び流れの方向を変更することで達成可能である。
【0116】
次に、本発明の第4の実施形態における加湿器310を、
図17A、
図17B,
図18A、及び
図18Bを参照して後述するが、この加湿器では、湿性気流と乾性気流とが、互いに対して逆流配置または並行流配置である。
【0117】
後述する点を除き、加湿器310の部材は、上述した加湿器10、110、及び210のうち少なくとも1つの部材と同一である。したがって、したがって、加湿器10、110、及び210の部材の説明は、そうではないと明記しない限りにおいて加湿器310にも適用され、図面及び以下の記載では、310の同様の部材が、同様の参照番号で示される。さらに、
図17A、
図17B,
図18A、及び
図18Bは、本実施形態の特徴部を説明するためには不要な詳細を省いて、簡略化されたものとなっている。たとえば、図面からは、浅い溝68、圧縮可能な封止材70、拡散層20を受けるための肩部23、25、及び、プレート同士を接合するための穴64が省かれている。これら部材が、第4の実施形態における加湿器310を構成するプレートに存在していてもよい点を理解されたい。
【0118】
加湿器310は、湿性プレート314と乾性プレート316とが交互に配列された積層から構成されたコアを含む。加湿器210におけるのと同様に、加湿器310の湿性気体及び乾性気体用の入口及び出口マニフォルドは、コアとともに一体成形されており、各プレート314、316が、湿性入口マニフォルド開口88、湿性出口マニフォルド開口92、乾性入口マニフォルド開口104、及び、乾性出口マニフォルド開口108を含んでいる。気流を逆流または並行流にするために、プレート314、316の各端部には、乾性マニフォルド開口の隣に湿性マニフォルド開口が設けられている。湿性プレート314の上面及び底面の図を
図17A及び
図17Bに示し、乾性プレート316の上面及び底面の図を
図18A及び
図18Bに示す。
【0119】
湿性気流と乾性気流とを逆流させる図示されている実施形態では、湿性入口マニフォルド開口88が、乾性出口マニフォルド開口108のプレート314、316の同じ端部に配置され、湿性出口マニフォルド開口92が、乾性入口マニフォルド開口104に隣接する、対向する端部に配置される。並行流に変更する場合には、湿性気流または乾性気流のいずれかの流れを、図面に示す方向と逆にすればよい。
【0120】
さらに、図面に示す加湿器310のプレート314及び316では、湿性気流用の入口及び出口マニフォルド開口88、92が、プレート314、316の互いに正反対の端部に配置され、乾性気流用の入口及び出口マニフォルド開口104、108が、同様に、プレート314、316の互いに正反対の端部に配置される。この配置の代わりに、開口の位置を変更して、湿性気流の入口及び出口マニフォルド開口88、92が、互いの斜交いの隅に配置され、乾性気流用の入口及び出口マニフォルド開口104、108が、同様に、互いの斜交いの隅に配置されてもよい。入口及び出口マニフォルド開口を斜交いの隅に配置すると、プレートの隅付近のデッドスペースが低減され、プレートにより多い圧力降下が提供されるであろう。
【0121】
図17A及び
図17Bに示すように、湿性気流用の入口開口26は、湿性入口マニフォルド開口88内に向かって開口しているプレート314の端部表面に配置されている。入口開口26は、入口開口26を分割して支持し、入口開口から流動場32に向かって外向きの放射状に設けられ、入口開口26を流動場32に接続する入口通路36を画定している複数の支持リブ28により分割されている。同様に、湿性気流用の出口開口30も、湿性出口マニフォルド開口92内に向かって開口しているプレート314の端部表面に配置されている。出口開口30は、出口開口30を分割して支持し、出口開口から流動場32に向かって外向きの放射状に設けられ、出口開口30を流動場32に接続する出口通路38を画定している複数の支持リブ28により分割されている。これは、入口及び出口開口26、30が開口88、92の湾曲面に沿って配置されており、支持リブ28及び通路36、38が、流動場32に向かってそこから外向きに放射するよう配置されていることを除いて、加湿器の湿性プレート14の構成と同じである。プレート314、316の開口88、92、104、108は、必ずしも円形ではなくてよく、特定の用途の要件により定められる任意の適切な形状であってよいことを理解されたい。
【0122】
加速器10及び210におけるのと同様に、加湿器310の各プレート314、316の流動場32を、膜18(不図示)及び気体拡散層20(不図示)に支持構造を提供する支持リブ28が横切っている。しかし、流動場をまっすぐ横切るリブ28を有する代わりに、リブ28は、流体の流れの方向に対して一定の角度を持って流動場32内を延びてもよく、プレート314、316の端部に隣接したマニフォルド開口88、92から離れる方向に延びる角度を持つ放射部分をもち、プレート314、316の中央部分が起伏のある波形状のパターンとなっていてよい。説明の便宜上、加湿器310のリブ28は実際の縮尺で示していない。リブ28は、上述した加湿器10のリブ28と厚み及び数が類似していてよい。リブ28それぞれは、湿性マニフォルド開口88、92の間に連続して延びる(
図17A、
図17B)、または、乾性マニフォルド開口104、108の間に連続して延びる(
図18A、
図18B)、として示されている。
【0123】
プレート314の上面22には、平面状の封止上面34が設けられて、この封止上面34に沿って、プレート314の上面22が、プレート314と316との間に設けられている膜18に封止され、乾性プレート316が、各封止底面44に沿って同じ膜18に封止される。上述した加湿器210同様に、膜18は、少なくともアクティブな封止領域(つまり、流動場32、及び、流動場32の縁部の周りに延びる封止上面34、封止底面44の部分)に存在している。膜18は、マニフォルド開口88、92、104、108の外端の周りに延びる封止表面34、44の部分の間には存在しなくてよい。平面状の封止上面34は、流動場32の外端の周りに連続して延び、さらに、適宜、気体拡散層20(不図示)を取り囲む。封止上面34は、入口通路36を通って延びる第1の橋架部40と、出口通路38を通って延びる第2の橋架部42とを含む。これら領域では、入口通路36及び出口通路38が、プレート314の上面22で閉じており、底面24で開口している。これらの橋架部分40、42は、プレート314の上面22に沿って連続した封止を提供することができ、一方では、湿性気流を、入口開口及び通路26、36から、流動場32を通り、出口通路及び開口38、30に流すことができる。封止上面34が完全に各マニフォルド開口88、92、104、及び108を取り囲んでいることがわかるだろう。したがって乾性気流マニフォルド開口104、108が、プレート314の流動場32への気体連通に対して封止され、湿性気流マニフォルド開口88、92及び流動場の間の気体連通は、入口開口及び出口開口26、30それぞれによってのみ可能である。
【0124】
図17Bに示す湿性プレート314の底面24は、封止底面44を有し、この封止底面44に沿って、湿性プレート314の底面24が、膜18を通り隣接する乾性プレート316の上面22に封止される。平面状の封止底面44は、流動場32の外端の周りに連続形成され、さらには、マニフォルド開口88、92、104、108も取り囲む。封止底面44は、入口通路36を通って延びる第1の橋架部46と、出口通路38を通って延びる第2の橋架部48とを含む。これら領域では、入口通路36及び出口通路38が、プレート314の底面24で閉じており、上面22で開口している。これらの橋架部分46、48は、プレート314の底面24に沿って連続した封止を提供することができる。
【0125】
湿性プレート314の上面及び底面22、24を説明したので、
図18A及び
図18Bに示す乾性プレート316の上面及び底面の詳細な説明は不要と思われる。
【0126】
プレート314、316では、第1の橋架部46が、第1の橋架部40に対して、流動場32側に内向きにオフセットされており、第1の橋架部40、46の間に重なりはないが、リブ28によって一連の小さな穴に分割された間隙54がプレート314または316に形成される程度のオフセットとしてもよい。同様に、第2の橋架部48が、第2の橋架部42に対して流動場32に対して内向きにオフセットされており、リブ28によって一連の小さな穴に分割した間隙56がプレート314または316に形成される程度のオフセットはあってもよい。
図17Aまたは
図17Bの開口88、92のいずれかにおける端部から延びる放射状の断面、または、
図18Aまたは
図18Bの開口104、108のいずれかにおける端部から流動場32内へと放射状に延びる断面において、これらのプレートは、
図8の断面図に示したプレート14及び16と実質的に同じ外観を呈する。
【0127】
乾性プレート314の流動場32のリブ28に関する以下の説明は、湿性プレート316にも適用される。乾性プレート314の流動場32の波型のリブ28は、プレート314の厚みに実質的に等しい高さを有していてよいが、これは、通常は、気体拡散層20の厚みをカバーするためにプレート314の厚みよりは小さい。説明の都合上、気体拡散層20を受けるポケットは、加湿器310に関する図面には示されていない。リブ28に横方向の支持を与えるために、連続したウェブ58を設けて、互いに対する位置を維持させる。ウェブ58は、加湿器10の説明でも述べたように、非常の薄く、流動場32全体にリブ28の間に延び、橋架部40及び42から短い距離の地点で終端されて、間隙60及び62、または「ダイブスルー開口」が形成されるが、これらは、流動場32の開口した上面及び開口した底面及び、入口通路及び出口通路36、38を提供している。
【0128】
連続したウェブ58を設ける代わりに、プレート314には、
図9及び
図10に示すような、より短く、リブ28の長さ方向に断続的に間を空けて設けられたウェブ82を設けてもよく、隣接するリブ間にさらに間隙84があってもよい。これら間隙84は、プレート314の上部及び底部領域に沿って流れる気体を連通させるさらなる領域を提供しており、「ダイブスルー」開口としても機能する。
【0129】
上述した直交流の実施形態と同様に、湿性プレート314のリブ28は、隣接する乾性プレート316のリブ28との間で十字(criss-cross)のパターンを形成する。湿性及び乾性プレート314、316のリブパターンを比べてみるとわかるように、プレート314、316が整列したマニフォルド開口88、92、104、108と交互に積層されている場合、湿性プレート314のマニフォルド開口88、92に隣接している、放射状の、リブ28の圧倒的に直線の部分は、乾性プレート316のマニフォルド開口104、108に隣接するリブ28の圧倒的の直線の部分との間で、十字の、クロスハッチングを施されたパターンを形成する。さらに、湿性プレート314の流動場32の中央部分の、起伏のある波形状のパターンは、乾性プレート316の流動場32のパターンとは、約90度「位相がずれて」おり、十字の構成を形成している。リブ28を十字の構成とすると、リブ28、膜18、及び拡散層20を支持する目的で好適であり、さらには、膜18及び拡散層20を傷つける可能性のある、隣接するプレート間のリブ28の交互配置を防止する目的でも好適である。
【0130】
さらに、少なくともリブ28が起伏のある波型状のパターンを有している流動場32の部分においてリブ28の間のウェブ54または82を完全に撤廃した、第3の実施形態における加湿器310の変形例も可能である旨を理解されたい。この場合には、
図17Aに示すものに類似した第1の波型パターンをプレート314の上部に設け、
図18Aに示すものに類似した位相のずれた第2の波型パターンをプレート314の底部に設けることで、十字のパターンを各プレート内に形成する。したがって、リブ28の上部は、リブ28の底部に十字に交わり、
図19に示すようなパターンが形成される(
図19は、湿性または乾性の加湿器プレート314または316の流動場32の部分的な平面図である)
図19では、プレートの上部のリブを実線で示し、参照番号28aが付されており、プレートの底部のリブを点線で示し、参照番号28bが付されている。
【0131】
直交流、並行流、または逆流の気体を提供するために、気流の方向を変化させるためには、いくつもの可能性が考えられることを理解されたい。さらに、リブの配置、及び、入口開口及び出口開口の配置には、一体化されたマニフォルド開口を設けようと設けまいと、様々な可能性がある。すでに複数の変形例について上記で詳述したが、いくつか別の例を以下に追加する。
【0132】
図20は、ここで記載する実施形態のいずれかで利用可能な湿性加速器プレートまたは乾性加湿器プレートの流動場32の変形例を示す。上述した実施形態それぞれは、複数の細長い連続した支持リブ28を有している。しかし、本発明のすべての実施形態で、連続した支持リブ28を利用せねばならないというわけではない。例えば、
図20に示すように、リブは、間を隔てられた複数行のディンプル280で部分的または完全に置き換えることができる。ディンプル280は、
図20に示すように、ディンプル280の上面及び底面の間の略中間に位置する平面に位置するものとして、上述したようにウェブ58により接続されてよい。ウェブ58は、連続していてもいいし、または、定期的または不定期的な間隔の穿孔で遮られてもよい(
図20に示す穿孔282)。
図21に示すディンプル280は、定期的な間隔の行とされ、ブロック形状を有するが、ディンプル280の間隔及び形状は、膜18と拡散層20とを支持することができさえすれば、任意のものであって構わないことを理解されたい。
【0133】
図21は、湿性プレートまたは乾性プレートの流動場32に、連続したウェブ58で接続されたディンプルを設けられている別の変形例を示す。
図20のディンプル280と比べると、
図21の流動場32には、ウェブ58の平面から上方に延びた間隔のあいたディンプル284と、ウェブ58の平面から下方に延びた間隔のあいたディンプル286とが設けられている。
図20のウェブの構成とディンプルの間隔及び形状に関する説明は、
図21に適用可能である。
【0134】
図22は、湿性または乾性の加湿器プレートのための流動場の構成におけるまた別の変形例を示す。
図22の変形例は、
図20の変形例と類似しており、流動場32が、複数の間隔をあけたディンプル280の行を含んでいる。
図22のウェブ58は、拡大された金属メッシュの外観を呈しており、複数の定期的な間隔をあけられた開口282を有することで、プレートの上面と底面との間に流体連通を提供する。ウェブ58を含むメッシュは、各ディンプル280の辺に取り付けられることで、ディンプル280の行同士を接続する。メッシュ形状のウェブ58の利用は、本実施形態に限ったことではなく、流動場32に連続したリブが設けられている上述した実施形態で利用することもできる。
【0135】
次に、本発明の第5実施形態における加湿器410を、
図23から
図25を参照して説明する。加湿器410は、湿性気流と乾性気流とが互いに直交流または並行流になるよう配向されている。
【0136】
後述する箇所以外は、加湿器410の部材は、上述した加湿器10、110、210及び310の部材と等しい。従って、上述した加湿器10、110、210及び310の部材の説明は、そうではないと明記しない限り加湿器410にも同様に当てはまり、加湿器410の同様の部材を図面及び以下の記載において同様の参照番号で特定する。さらに、
図23から
図25は、本実施形態の特徴を説明するために不要な詳細を省いて簡略化されたものとしている。たとえば、図面からは、浅い溝68、圧縮封止材70、及び、拡散層20を受けるための肩部23、25が省かれている。これら部材が、第5の実施形態における加湿器を構成するプレートに存在していてもよい点を理解されたい。
【0137】
加湿器410は、湿性プレートと乾性プレートとが交互に配置された積層から構成されたコアを含む。
図23から
図25は、加湿器の湿性プレート415を示し、
図23及び
図24は、湿性プレート415の底面24を示し、
図25は、湿性プレートの上面22を示している。
【0138】
逆流/並行流の加湿器210及び310と同様に、加湿器410の湿性気体及び乾性気体のための入口及び出口マニフォルドは、コアと一体形成され、各湿性プレート415が湿性入口マニフォルド開口88と、湿性出口マニフォルド開口92と、乾性入口マニフォルド開口104と、乾性出口マニフォルド開口108とを含む。逆流または並行流の気流を生成するためには、プレート415の各端部に対して、乾性マニフォルド開口の隣に湿性マニフォルド開口を設ける。プレート415のマニフォルド開口は、一般的には三角形である。湿性プレート415は、逆流する湿性気流及び乾性気流のためのものなので、乾性入口マニフォルド開口104及び湿性入口マニフォルド開口88は、プレートのそれぞれ反対側の端部に位置している(乾性出口マニフォルド開口108及び湿性出口マニフォルド開口92も同様である)。プレート415では、湿性気流用の入口及び出口マニフォルド開口88、92が、プレート415のそれぞれ斜交いの端部に位置しており、乾性入口及び出口マニフォルド開口104、108も同様に斜交いに配置される。プレート415は、
図17Aの湿性プレート314に構造的に類似している。例えば、プレート415は、湿性入口マニフォルド開口88内に向かって開口するプレート415の端部表面に位置している湿性気流の入口開口26を有している。入口開口26は、入口開口から流動場32に向かって外向きに延びるよう設けられている複数の支持リブ28により分割されている。入口開口26がそれに沿って形成されている端部表面は、プレート415の辺に対して斜交いに設けられており、入口開口26を分割している支持リブ28も、開口26の端部から斜交いに延びる。同様に、湿性気流の出口開口30も、湿性出口マニフォルド開口92内に向かって開口している、プレート415の斜交いに延びる端部表面に位置している。出口開口30は、開口92から流動場32に向かって外向きに延びるよう設けられている複数の支持リブ28により分割されている。
【0139】
プレート314と同様に、プレート415の流動場32も、膜18(不図示)及び気体拡散層20(不図示)に支持構造を提供する支持リブ28が横切っている。流動場32では、湿性入口及び出口マニフォルド開口88、92に隣接するリブ28の部分が、まっすぐであり、一般的には互いに並列であり、プレート415に斜交いに延びる。リブ28のプレート415の中央部は、起伏のある波型の外観を呈している。プレート415の複数のリブ28が流動場全体に連続して延びていることが(まっすぐで、斜交いの端部及び起伏のある中央部分を含む)、図面からわかる。これら長いほうのリブは、図面の参照番号28cを付されている。長いほうのリブ28cの各対の間には、まっすぐの端部がなく、真ん中の起伏のある部分しかない短いほうのリブが設けられている。これらの短いほうのリブは、図面で参照番号28dを付されている。短いほうのリブ28dを含めたことで、長いほうのリブ28cのまっすぐの端部の間に形成されている各チャネルが、流動場32の中央部分のリブ28c、28dの波型の部分の間に形成されている隣接している一対のチャネルと流体連通していることがわかるだろう。言い換えると、まっすぐのチャネルと、流動場の波型のチャネルとの比率は約1:2である。この比率が、1:2より小さくても大きくてもよく、たとえば、
図17A、B及び
図18A、Bの実施形態では1:1であってよい。
【0140】
図25に一部が示されているプレート415の上面22には、プレート415の上面22が隣接する乾性プレートに封止されている平面状の封止上面が提供されている。平面状の封止上面34は、流動場32の外端の周りに連続して延び、入口通路36に延びる第1の橋架部40、及び、出口通路38に延びる第2の橋架部42を含む。これら領域では、入口通路36及び出口通路38が、プレート415の上面22で閉じており、底面24で開口している。これらの橋架部分40、42は、プレート415の上面22に沿って連続した封止を提供することができ、一方では、湿性気流が、入口開口26及び入口通路36から、流動場32を通り、出口通路38及び出口開口30に流れるようになっている。前述した実施形態同様に、封止上面34は、各マニフォルド開口88、92、104、及び108を完全に取り囲む。したがって乾性気流マニフォルド開口104、108が、プレート415の流動場32への気体連通に対して封止され、湿性気流マニフォルド開口88、92及び流動場32の間の気体連通は、入口開口及び出口開口26、30それぞれによってのみ可能である。
【0141】
図23及び
図24に示す湿性プレート415の底面24は、封止底面44を有し、この封止底面44に沿って、湿性プレート415の底面24が、隣接する乾性プレート415の上面22に封止される。平面状の封止底面44は、流動場32の外端の周りに連続形成され、さらには、マニフォルド開口88、92、104、108も取り囲む。封止底面44は、入口通路36を通って延びる第1の橋架部46と、出口通路38を通って延びる第2の橋架部48とを含む。これら領域では、入口通路36及び出口通路38が、プレート415の上面22で閉じており、上面22で開口している。これらの橋架部分46、48は、プレート415の底面24に沿って連続した封止を提供することができる。
【0142】
プレート415の底面24の第1の橋架部46が、プレート415の上面22上の第1の橋架部40に対して、流動場32側に内向きにオフセットされており、橋架部40、46の間には重なりがないようになっており、オフセットは、間隙54がプレート415に形成される程度に大きくされてもよく、間隙54は、リブ28によって一連の小さな穴に分割されている。プレート415の底面24の第2の橋架部48が、プレート415の上面22の第2の橋架部42に対して、同様にオフセットされており、リブ28によって一連の小さな穴に分割された間隙56がプレート415に形成される程度のオフセットとしてもよい。間隙54、56は、プレート415の上面22と底面24とを流体連通させることから、ダイブスルー開口である。開口88、92の端部から延びるプレート415の積層の断面は、実質的に
図8に示す外観と同じである。
【0143】
リブ28に横方向の支持を与えるために、連続したウェブ58を設けて、互いに対する位置を維持させる。
図23から
図25の実施形態におけるウェブ58は、流動場32全体に延び、橋架部40、42から短い距離の地点で終端されて、リブ28cによって一連の小さい穴に分割される。間隙60、62は、プレート415の上面22と底面24とを流体連通させることから、ダイブスルー開口である。プレート415のウェブ58は、
図8に示すウェブ58同様に、プレート415の上面及び底面22、24の間に位置する平面に形成される。
【0144】
連続したウェブ58の代わりに、プレート415には、
図9及び
図10に示し上述したような断続的に間隔を置いて配置されたウェブ82が設けられてもよい。また別の代替的な構成では、少なくともリブ28が起伏のある波型状のパターンを有している流動場32の中央部分において、ウェブ54を完全に撤廃することもできる点も理解されたい。
図19を参照して上述したように、流動場32の底部の波型リブ28bとは位相のずれた波型リブ28aを流動場32の上部に設けることで、十字のリブパターンをプレートの流動場32の中央部分に形成することができる。十字パターンは、リブ28に剛性を与え、ウェブ54を流動場の中央部分全体からなくすことができるようになる。
【0145】
第5の実施形態における加湿器410も、
図20から
図22を参照して上述した、別の流動場の構成のいずれかを用いて修正することができる。
【0146】
プレート415は、対称面がないので、加湿器410の乾性プレートは、湿性プレート415とは若干外観が異なっている。この点に関しては、乾性プレートの底面が、湿性プレート415の底面の鏡面画像であるが、マニフォルド開口88及び108の位置が逆になっており、マニフォルド92及び104の位置が逆になっている。湿性プレート及び乾性プレートと同じ関係が、プレートそれぞれの上面に対しても当てはまる。乾性プレートの外観は、湿性プレート415から容易に導出できるので、乾性プレートに関する別の図面は含めないことにする。
【0147】
本発明の第6の実施形態における加湿器を、
図26から
図28を参照して後述する。加湿器510は、直交流または並行流の加湿器である。後述する点を除いては、加湿器510の部材は、上述した加湿器の部材と同一である。したがって、加湿器10、110、210、310、及び410の部材の記述は、そうではないと明記しない限り加湿器510にも当てはまり、図面及び以下の記載では、加湿器510の同様の部材は、同様の参照番号により特定されるさらに、
図26から
図28では、浅い溝68、圧縮可能な封止材70、及び肩部23、25を含む不要な詳細については省かれている。これら部材が、加湿器510を構成するプレートに存在していてもよい点を理解されたい。
【0148】
加湿器510は、湿性プレートと乾性プレートとが交互に配列された積層から構成されたコア512を含む。湿性プレート及び乾性プレートは同一であり、湿性気流及び乾性気流の直交流または並行流いずれかについて構成されている。以下の説明では、湿性プレート及び乾性プレートは、参照番号515で特定され、乾性プレートは参照番号515'で特定される。
【0149】
加湿器510の湿性気流及び乾性気流の入口及び出口マニフォルドは、コア512と一体形成されており、各プレート515または515'が、湿性気流及び乾性気流のための全部で6つのマニフォルド開口を含んでいる。コア512では、乾性気流及び湿性気流それぞれの入口マニフォルドまたは出口マニフォルドが、「分割された」マニフォルドである。より詳しくは、乾性気流には2つの別個の入口または出口マニフォルドがあり、湿性気流には2つの別個の入口または出口マニフォルドがある。コア512は、
図26には、中央に位置している乾性気流出口マニフォルド80(プレート515、515'の乾性出口マニフォルド開口108を含む)の反対の、コア512の一端における反対の隅部に位置している、2つの別個の湿性気流入口マニフォルド74a、74b(プレート515、515'の湿性入口マニフォルド開口88a、88bを含む)を含む、分割された湿性気流入口マニフォルド74を有するとして、任意で示されている。コア512の反対側の端部には、2つの別個の乾性気流出口マニフォルド開口78a、78b(プレート515、515'の乾性出口マニフォルド開口104a、104bを含む)を含む、分割された乾性気流入口マニフォルド78の間に位置する、湿性気流出口マニフォルド76(プレート515、515'の湿性出口マニフォルド開口92を含む)がある。このマニフォルドの配置は、流動場における沈滞点(sluggish points)(プレートの流体の流れが比較的ゆっくりした領域)をなくすことができるために、好適である。
【0150】
湿性気流及び乾性気流の両方または片方のための入口及び出口マニフォルドの位置は、逆とすることで、乾性気流及び湿性気流の両方または片方の出口マニフォルドを分割されたマニフォルドとしてもよい。プレート515、515'を修正して、これらが6つを超える数のマニフォルドを持つようにすることもできる(たとえば、マニフォルド全てが分割されたマニフォルドとして提供されたり、分割されたマニフォルドが、2を超える数の部分から形成されたりするような場合)。
【0151】
湿性気体及び乾性気体のマニフォルドをプレート515で対称な配置とすることにより、同じプレート515を、加湿器510の湿性プレート及び乾性プレート両方として利用することができるようになる。湿性プレート515の上面22は、
図26のコア512の上面に示されており、湿性プレート515の底面24は、
図27では隔離されて示されている。乾性プレート515'も、その長軸周りに180度回転され、次に端部同士を合わせるように回転させた湿性プレート515と同じである。
【0152】
プレート515は、湿性気流の一対の入口開口26を有しており、それぞれの入口開口は、湿性入口マニフォルド開口88a、88bのいずれかに向かって開口しているプレート415の端部表面に位置している。各入口開口26は、開口88から流動場32に向かって外向きに延びる複数の支持リブ28により分割されている。入口開口26がそれに沿って設けられている端部表面は、プレート515の辺に対して斜交いであり、入口開口26を分割している支持リブ28も、開口26の端部から斜交いに延びる。
【0153】
湿性気流用の出口開口30は、湿性出口マニフォルド開口92内に向かって開口しているプレート515の端部表面に位置しており、端部表面は、プレート515の短いほうの辺に平行である。出口開口30は、開口92から流動場32に向かって外向きに延びる複数の支持リブ28により分割されている。
【0154】
プレート515の流動場32は、膜18(不図示)及び気体拡散層20(不図示)に支持構造を提供する支持リブ28が横切っている。リブ28は、
図19の十字リブの構造に類似しており、リブの上部層28aが、流動場32の上の部分に提供され、リブの底部層28bが、流動場32の下の部分に提供されて、リブ28間のウェブがなくなっている。しかし、上部層及び底部層28a及び28bのリブはまっすぐであり、互いに約90度で十字に横切っており、流動場全体においてクロスハッチングのパターンが形成されている。このパターンによって、膜18及び気体拡散層20が支持されるのみならず、湿性気流及び乾性気流の流れに乱流が促されて、膜18の水の動きが増す。
【0155】
上述した差異を除いては、加湿器510は、上述した他の直交流/並行流の加湿器に類似している。
【0156】
プレート515の上面22には、これにそってプレート515の上面22が、プレート515に構造が同一の隣接する乾性プレートに封止される、平面状の封止上面34が設けられている。平面状の封止上面34は、流動場32の外端の周りに連続して延び、各入口通路36に延びる第1の橋架部40、及び、出口通路38に延びる第2の橋架部42を含む。これら領域では、入口通路36及び出口通路38が、プレート515の上面22で閉じており、底面24で開口している。これらの橋架部分40、42は、プレート515の上面に沿って連続した封止を提供することができ、一方では、湿性気流を、入口開口及び通路26、36から、流動場32を通り、出口通路及び開口38、30に流れさせる。封止上面34は、完全に各マニフォルド開口88a, 88b, 92, 104a, 104b及び108を囲っている。したがって乾性気流マニフォルド開口104a, 104b, 108が、プレート515の流動場32への気体連通に対して封止され、湿性気流マニフォルド開口88a、88b、92及び流動場32の間の気体連通は、入口開口及び出口開口26、30それぞれによってのみ可能である。
【0157】
図27に示すプレート515の底面は、封止底面44を有し、この封止底面44に沿って、湿性プレート515の底面24が、隣接する乾性プレート515の上面22に封止される。平面状の封止底面44は、流動場32の外端の周りに連続形成され、さらには、マニフォルド開口88a, 88b, 92, 104a, 104b, 108も取り囲む。封止底面44は、各入口通路36を通って延びる第1の橋架部46と、出口通路38を通って延びる第2の橋架部48とを含む。これら領域では、入口通路36及び出口通路38が、プレート515の底面24で閉じており、上面22で開口している。これらの橋架部分46、48は、プレート515の底面24に沿って連続した封止を提供することができる。
【0158】
プレート515の底面24の第1の橋架部46は、プレート515の上面22の上の第1の橋架部40に対して流動場32側に内向きにオフセットされており、橋架部40、46間に重なりがないようになっており、オフセットは、間隙54がプレート515内に形成されるように増分されて、間隙54が、リブ28によって一連の小さな穴に分割されてもよい。プレート415の底面24の第2の橋架部48も、プレート415の上面22の上の第2の橋架部42に対してオフセットされており、オフセットは、間隙56がプレート415内に形成されるように増分されて、間隙56が、リブ28によって一連の小さな穴に分割されてもよい。間隙54、56は、プレート415の上面22及び底面24の間に気体連通を提供することから、ダイブスルー開口である。
【0159】
本発明を一定の好適な実施形態を参照して記載してきたが、これらに限定はされない。本発明は、以下の請求項の範囲に含まれるすべての実施形態を含む。