特許第6037360号(P6037360)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6037360
(24)【登録日】2016年11月11日
(45)【発行日】2016年12月7日
(54)【発明の名称】ウインドスクリーンワイパー装置
(51)【国際特許分類】
   B60S 1/38 20060101AFI20161128BHJP
【FI】
   B60S1/38 E
【請求項の数】12
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2015-511935(P2015-511935)
(86)(22)【出願日】2012年5月14日
(65)【公表番号】特表2015-520066(P2015-520066A)
(43)【公表日】2015年7月16日
(86)【国際出願番号】EP2012058903
(87)【国際公開番号】WO2013170877
(87)【国際公開日】20131121
【審査請求日】2015年4月16日
(73)【特許権者】
【識別番号】507412128
【氏名又は名称】フェデラル−モグル エス.エー.
【氏名又は名称原語表記】FEDERAL−MOGUL.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【弁理士】
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 雅一
(74)【代理人】
【識別番号】100148596
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 和弘
(72)【発明者】
【氏名】フリスチオーニ, トーマス
【審査官】 谷治 和文
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2010/0154158(US,A1)
【文献】 特表2009−54291(JP,A)
【文献】 国際公開第2007/122568(WO,A2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60S 1/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
弾力性のある長尺なキャリア要素と、拭き取られるべきウインドスクリーンと当接して配置され得る可撓性材料の長尺なワイパーブレード(2)とを備えるウインドスクリーンワイパー装置(1)であって、
前記ワイパーブレード(2)が少なくとも1つの溝(3)を含み、前記溝(3)内に前記キャリア要素の長手方向ストリップ(4)が配置され、前記長手方向ストリップ(4)の端部がそれぞれの接続ピースによって接続され、前記ウインドスクリーンワイパー装置(1)が揺動アーム(7)のための接続装置(6)を備え、前記揺動アーム(7)が一端付近の枢軸線を中心に回動可能に前記接続装置(6)に接続され得るウインドスクリーンワイパー装置(1)において、
前記接続装置(6)が少なくとも2つの部品(8,9)を備え、これらの部品には、スナップ係合作用によって前記部品(8,9)を互いに取り外し可能に接続するようになっている突起/穴手段が設けられ、第1の前記部品(8)が前記ワイパーブレード(2)上に保持され、第2の前記部品(9)は、前記揺動アーム(7)を内部に挿入するようになっているチャネルを備え、前記ウインドスクリーンワイパー装置(1)には、前記接続装置(6)を前記揺動アーム(7)上に保持するようになっている保持手段が設けられ、前記保持手段は、少なくとも1つの下方に延びる突起(13)を前記第2の部品(9)に備え、前記突起(13)は、装着位置で前記突起(13)が前記揺動アーム(7)に設けられる対応する形状の穴(14)内に係合して前記接続装置(6)が前記揺動アーム(7)上に保持される内側位置と、取り外し位置で前記突起(13)が前記揺動アーム(7)に設けられる前記穴(14)から離脱して前記接続装置(6)が前記揺動アーム(7)から解放される外側位置との間で移動でき
前記第2の部品(9)の上端壁の部分(18)は、その底側で前記下方に延びる突起(13)、その上端側で押しボタン(16)を備え、前記部分(18)は、前記押しボタン(16)を作動させる或いは作動解除させる際にヒンジ軸の周りでヒンジ動作を可能にすることを特徴とする、ウインドスクリーンワイパー装置(1)。
【請求項2】
前記突起(13)が前記内側位置と前記外側位置との間でヒンジ動作できる、請求項1に記載のウインドスクリーンワイパー装置(1)。
【請求項3】
前記突起(13)が、前記揺動アーム(7)のその装着位置で両側に配置される、前記第2の部品(9)のヒンジ(15)に沿ってヒンジ動作できる、請求項2に記載のウインドスクリーンワイパー装置(1)。
【請求項4】
前記突起(13)が、前記第2の部品(9)上の押しボタン(16)の作動時に前記内側位置から前記外側位置へとヒンジ動作できる、請求項2または3に記載のウインドスクリーンワイパー装置(1)。
【請求項5】
前記保持手段が第1の保持手段を形成し、前記ウインドスクリーンワイパー装置(1)には、前記接続装置(6)を前記揺動アーム(7)上に保持するようになっている第2の保持手段が更に設けられ、前記第2の保持手段は、前記第1の部品(8)に設けられて前記揺動アーム(7)と係合するようになっている少なくとも1つの突起(20)を備える、請求項1〜4のいずれか一項に記載のウインドスクリーンワイパー装置(1)。
【請求項6】
前記第1の部品(8)の前記突起(20)が、前記揺動アーム(7)の長手方向の側面(23)に設けられる凹部(22)内に係合するようなっている、請求項5に記載のウインドスクリーンワイパー装置(1)。
【請求項7】
前記第1の部品(8)の前記突起(20)が、前記揺動アーム(7)を内部に挿入するようになっている前記チャネルの挿入開口付近に配置される、請求項5または6に記載のウインドスクリーンワイパー装置(1)。
【請求項8】
前記第2の部品(9)が前記第1の部品(8)内に配置され、前記第2の部品(9)が垂直側壁を有し、前記第1の部品(8)には、前記第2の部品(9)の前記垂直側壁と当接するための対向する当接面(21)が設けられ、前記枢軸線の位置にある突起(11)が、前記第2の部品(9)の各側壁からそれぞれの側壁と当接する当接面(21)に設けられる穴(12)内へと側方外側に延びる、請求項1〜7のいずれか一項に記載のウインドスクリーンワイパー装置(1)。
【請求項9】
前記第1の部品(8)の前記当接面(21)のうちの一方が、前記第1の部品(8)の他方の当接面よりも高い高さを有する、請求項8に記載のウインドスクリーンワイパー装置(1)。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか一項に記載のウインドスクリーンワイパー装置(1)と、該ウインドスクリーンワイパー装置に接続される揺動アーム(7)とを有するワイパー機器。
【請求項11】
請求項5,6または7に記載のウインドスクリーンワイパー装置を備え、前記接続装置(6)を前記揺動アーム(7)に装着するためまたは前記接続装置(6)を前記揺動アーム(7)から取り外すために、前記第1の部品(8)の前記突起(20)を前記揺動アーム(7)の前記長手方向の側面(23)上の凹部(22)から離脱させるべく、前記ウインドスクリーンワイパー装置(1)の前記第2の部品(9)とこの第2の部品に接続される前記揺動アーム(7)の自由端とが前記ウインドスクリーンワイパー装置(1)の前記第1の部品(8)に対して回動されるようになっている、請求項10に記載のワイパー機器。
【請求項12】
弾力性のある長尺なキャリア要素と、拭き取られるべきウインドスクリーンと当接して配置され得る可撓性材料の長尺なワイパーブレード(2)とを備えるウインドスクリーンワイパー装置(1)を製造するための方法であって、
前記ワイパーブレード(2)が少なくとも1つの溝(3)を含み、前記溝(3)内に前記キャリア要素の長手方向ストリップ(4)が配置され、前記長手方向ストリップ(4)の端部がそれぞれの接続ピースによって接続され、前記ウインドスクリーンワイパー装置(1)が揺動アーム(7)のための接続装置(6)を備え、前記揺動アーム(7)が一端付近の枢軸線を中心に回動可能に前記接続装置(6)に接続され得る方法において、
前記接続装置(6)が少なくとも2つの部品(8,9)から形成され、これらの部品には、スナップ係合作用によって前記部品(8,9)を互いに取り外し可能に接続するようになっている突起/穴手段が設けられ、第1の前記部品(8)が前記ワイパーブレード(2)上に保持され、第2の前記部品(9)には、前記揺動アーム(7)を内部に挿入するようになっているチャネルが設けられ、前記ウインドスクリーンワイパー装置(1)には、前記接続装置(6)を前記揺動アーム(7)上に保持するようになっている保持手段が設けられ、前記保持手段には、少なくとも1つの下方に延びる突起(13)が前記第2の部品(9)に設けられ、前記突起(13)は、装着位置で前記突起(13)が前記揺動アーム(7)に設けられる対応する形状の穴(14)内に係合して前記接続装置(6)が前記揺動アーム(7)上に保持される内側位置と、取り外し位置で前記揺動アーム(7)に設けられる前記穴(14)から前記突起(13)が離脱して前記接続装置(6)が前記揺動アーム(7)から解放される外側位置との間で移動でき
前記第2の部品(9)の上端壁の部分(18)は、その底側で前記下方に延びる突起(13)、その上端側で押しボタン(16)を備え、前記部分(18)は、前記押しボタン(16)を作動させる或いは作動解除させる際にヒンジ軸の周りでヒンジ動作を可能にすることを特徴とする、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、弾力性のある長尺なキャリア要素と、拭き取られるべきウインドスクリーンと当接して配置され得る可撓性材料の長尺なワイパーブレードとを備えるウインドスクリーンワイパー装置であって、ワイパーブレードが少なくとも1つの溝を含み、該溝内にキャリア要素の長手方向ストリップが配置され、前記長手方向ストリップの端部がそれぞれの接続ピースによって接続され、ウインドスクリーンワイパー装置が揺動アームのための接続装置を備え、前記揺動アームが一端付近の枢軸線を中心に回動可能に前記接続装置に接続され得るウインドスクリーンワイパー装置に関する。
【背景技術】
【0002】
そのようなウインドスクリーンワイパー装置は一般に知られている。この従来技術のウインドスクリーンワイパー装置は、互いに回動可能に接続される幾つかのヨークが使用されずに、キャリア要素によってワイパーブレードが付勢され、その結果、ワイパーブレードが特定の曲率を呈する、“ヨークレス”ワイパー装置または“フラットブレード”として設計される。
【0003】
実際に、既知のウインドスクリーンワイパー装置の使用中、接続装置と揺動アームとの間の接続部に大きな力が及ぼされることが明らかになってきた。その結果として、ワイパーブレードが揺動アームから緩む場合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、最小限の部品を使用して接続装置と揺動アームとが改良された態様で接続されるウインドスクリーンワイパー装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この目的のため、序文で言及されたタイプのウインドスクリーンワイパー装置は、本発明によれば、前記接続装置が少なくとも2つの部品を備え、これらの部品には、スナップ係合作用によって前記部品を互いに取り外し可能に接続するようになっている突起/穴手段が設けられ、第1の部品がワイパーブレード上に保持され、第2の部品は、その内部に前記揺動アームを挿入するようになっているチャネルを備え、前記ウインドスクリーンワイパー装置には、前記接続装置を前記揺動アーム上に保持するようになっている保持手段が設けられ、前記保持手段は、少なくとも1つの下方に延びる突起を第2の部品に備え、前記突起は、装着位置で前記突起が前記揺動アームに設けられる対応する形状の穴内に係合して前記接続装置が前記揺動アーム上に保持される内側位置と、取り外し位置で前記突起が前記揺動アームに設けられる前記穴から離脱して前記接続装置が前記揺動アームから解放される外側位置との間で移動できることを特徴とする。
【0006】
好ましくは、第2の部品がプラスチックから形成され、前記下方に延びる突起を含む前記第2の部品の上端壁の部分は、好ましくは前記上端壁の前記部分上の押しボタンの(特に指を使用する)作動時または作動解除時に、ヒンジ軸線を中心にヒンジ動作することができる。特に、前記上端壁の前記部分は、その下面に、前記下方に延びる突起を備えるとともに、その上面に前記押しボタンを備える。押しボタンを作動させる或いは作動解除することにより、ヒンジ動作または“シーソー動作”が実現される。前記突起および前記押しボタンは、前記第2の部品の前記上端壁の前記部分の両端部に配置されることが好ましい。特に、前記第2の部品の前記上端壁の前記部分は、揺動アームの両側の2つの側部ヒンジに沿ってヒンジ動作することができる。側方に、すなわち、揺動アームの両側に配置される前記ヒンジは、前記第1および第2の部品が互いにスナップ係合されるときに外側から見えないことが好ましい。
【0007】
好ましくは、第2の部品は、前記第1の部品に対するその接続位置で少なくとも略U形状断面を有し、前記U形状断面のそれぞれの脚は、前記第1および第2の部品をスナップ係合作用により互いに接続するために前記第2の部品内への揺動アームの挿入時に外側へ曲がることができる。好ましくは、前記U形状断面のそれぞれの脚は、前記第2の部品内への揺動アームの挿入時に前記第1および第2の部品がスナップ作用により互いに接続される第1の位置と、揺動アームを前記第2の部品から取り外す際に前記第1および第2の部品が互いから解放される第2の位置との間で曲がることができる。言い換えると、揺動アームを接続装置の第2の部品内へスライドさせることにより、U形状断面の脚が外側に曲げられる。結果として、接続装置の第1および第2の部品は、突起/穴手段を使用して、自動的にスナップ係合され、すなわち、互いにクリップ留めされる。両方の部品は、揺動アームを接続装置の第2の部品から抜き出すことにより自動的に互いから解放される。
【0008】
別の方法では、第2の部品が少なくとも長方形状、好ましくは正方形状の断面を有し、前記第1および第2の部品がスナップ係合作用により接続され、また、前記第2の部品の垂直壁は、前記突起/穴手段を使用して前記部品同士をクリップ留めするべく弾性変形または塑性変形することができる。
【0009】
なお、本発明は、特にワイパーブレードの中心のチャネル形成溝内に配置される1つだけの長手方向ストリップの使用に限定されない。代わりに、前記キャリア要素は、弾性の長尺なキャリア要素を形成する2つの離間する長手方向ストリップを備えてもよく、その場合、前記ストリップは、ワイパーブレードの長手方向側面の両側の長手方向溝内に配置される。後者の場合、前記接続装置は、長手方向ストリップに対して溶接され、半田付けされ、蝋付けされ、或いは、接着されてもよい。前者の場合、前記接続装置は、ワイパーブレードのゴムなどのエラストマー材料に対して溶接され、半田付けされ、蝋付けされ、或いは、接着されてもよい。
【0010】
本発明に係るウインドスクリーンワイパー装置の好ましい実施形態では、前記突起が前記内側位置と前記外側位置との間でヒンジ動作できる。特に、前記突起は、揺動アームのその装着位置における両側に配置される、すなわち、前記揺動アームを内部に挿入するようになっているチャネルの両側に配置される前記第2の部品のヒンジに沿ってヒンジ動作できる。前記外縁は、特に、前記第2の部品の外周に沿って配置される。特に、前記突起は、前記第2の部品上の押しボタンの作動時に前記内側位置から前記外側位置へとヒンジ動作できる。このような押しボタンは、手で押し込むことができる。
【0011】
本発明に係るウインドスクリーンワイパー装置の他の好ましい実施形態では、前記保持手段が第1の保持手段を形成し、前記ウインドスクリーンワイパー装置には、前記接続装置を前記揺動アーム上に保持するようになっている第2の保持手段が更に設けられ、前記第2の保持手段は、前記第1の部品に設けられて揺動アームと係合するようになっている少なくとも1つの突起を備える。好ましくは、前記第1の部品の前記突起は、揺動アームの長手方向の側面に設けられる凹部内に係合するようになっている。別の方法では、前記第1の部品の前記突起は、揺動アームに設けられる閉じられた外周を有する穴内に係合するようになっている。
【0012】
本発明に係るウインドスクリーンワイパー装置の他の好ましい実施形態において、前記第1の部品の前記突起は、前記揺動アームをその内部に挿入するようになっている前記チャネルの挿入開口付近に配置される。言い換えると、揺動アームの長手方向の側面に設けられる前記凹部は、第2の部品の突起と協働する揺動アームの穴よりも、揺動アームの自由端から大きな距離を隔てて配置される。したがって、前記揺動アームに対する前記接続装置の装着または前記揺動アームからの前記接続装置の取り外しは、前記第1の部品に対する揺動アームの特定の回動角度で行うことができる。
【0013】
本発明に係るウインドスクリーンワイパー装置の他の好ましい実施形態では、第2の部品が前記第1の部品内に配置され、前記第2の部品が垂直側壁を有し、前記第1の部品には、前記第2の部品の前記垂直側壁と当接するための対向する当接面が設けられ、前記枢軸線の位置にある突起が、前記第2の部品の前記各側壁からそれぞれの側壁と当接する当接面に設けられる穴内へと側方外側に延びる。これに代えて或いは加えて、前記第1の部品には、第2の部品の垂直側壁と当接するための対向する当接面が設けられ、その場合、突起が、それぞれの当接面からそれぞれの当接面と当接する側壁に設けられる穴内へと側方内側に延びる。好ましくは、前記第2の部品は、前記第1の部品に対するその接続位置に、少なくとも略U形状断面、長方形断面、または、正方形断面を有し、垂直側壁が前記断面の脚を形成する。
【0014】
好ましくは、前記第1の部品の前記当接面のうちの一方は、前記第1の部品の他方の当接面よりも高い高さを有する。そのため、いわゆる“後噴射効果(afterspray effect)”が回避され、その場合、接続装置上に配置される雨水は、拭き取り中に拭き取られるべきウインドスクリーン上へ跳ね散ることができない。
【0015】
また、本発明は、本発明に係るウインドスクリーンワイパー装置と、該ワイパー装置に接続される揺動アームとを有するワイパー機器にも関連する。特に、前記接続装置を前記揺動アームに装着するためまたは前記接続装置を前記揺動アームから取り外すために、前記第1の部品の突起を前記揺動アームの長手方向の側面上の凹部に係合させるべくまたは凹部から離脱させるべく、前記ウインドスクリーンワイパー装置の前記第2の部品とこの第2の部品に接続される前記揺動アームの自由端とが前記ウインドスクリーンワイパー装置の前記第1の部品に対して回動されるようになっている。無論、これは、全ての実施形態において第2の部品の突起も揺動アームの穴に係合され或いは穴から離脱されるときにだけ行うことができる。
【0016】
また、本発明は、弾力性のある長尺なキャリア要素と、拭き取られるべきウインドスクリーンと当接して配置され得る可撓性材料の長尺なワイパーブレードとを備えるウインドスクリーンワイパー装置を製造するための方法であって、ワイパーブレードが少なくとも1つの溝を含み、該溝内にキャリア要素の長手方向ストリップが配置され、前記長手方向ストリップの端部がそれぞれの接続ピースによって接続され、ウインドスクリーンワイパー装置が揺動アームのための接続装置を備え、揺動アームが一端付近の枢軸線を中心に回動可能に前記接続装置に接続され得る方法において、前記接続装置が少なくとも2つの部品から形成され、これらの部品には、スナップ係合作用によって前記部品を互いに取り外し可能に接続するようになっている突起/穴手段が設けられ、第1の部品がワイパーブレード上に保持され、第2の部品には、その内部に前記揺動アームを挿入するようになっているチャネルが設けられ、前記ウインドスクリーンワイパー装置には、前記接続装置を前記揺動アーム上に保持するようになっている保持手段が設けられ、前記保持手段には、少なくとも1つの下方に延びる突起が第2の部品に設けられ、前記突起は、装着位置で前記突起が前記揺動アームに設けられる対応する形状の穴内に係合して前記接続装置が前記揺動アーム上に保持される内側位置と、取り外し位置で前記突起が前記揺動アームに設けられる前記穴から離脱して前記接続装置が前記揺動アームから解放される外側位置との間で移動できることを特徴とする方法にも向けられる。
【0017】
ここで、図面に示される図を参照して、本発明を更に詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明に係るウインドスクリーンワイパー装置および揺動アームの主要部の部分的に分解図を成す概略斜視図であり、前記ウインドスクリーンワイパー装置の接続装置の第1の部品および第2の部品が前記揺動アームに接続されるべく配置されて示される。
図2図1の接続装置の前記第2の部品の内側に挿入される前記揺動アームの側面図である。
図3図2に対応するが、ここでは概略的な斜視図を示す。
図4図3の平面図である。
図5図4の線A−Aに沿う断面図である。
図6】前記コネクタの第1の部品(の一部)の概略斜視図、および、前記揺動アームに接続される前記コネクタの下側から見た図である。
図7】本発明にしたがって前記接続装置と前記揺動アームとを互いに嵌合させるための一連のステップを示す。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1は、本発明に係る“フラットブレード”タイプのウインドスクリーンワイパー装置1を示す。前記ウインドスクリーンワイパー装置1は、その長手方向の両側面に長手方向溝3が形成されるエラストマーワイパーブレード2と、前記長手方向溝3内に嵌合されるばね帯鋼から成る長手方向ストリップ4とから形成される。前記ストリップ4は、言わば、ゴムワイパーブレード2のための可撓性キャリア要素を形成し、したがって、ワイパーブレード2が湾曲位置(作用位置における曲率は、拭き取られるべきウインドスクリーンの曲率である)に付勢される。ストリップ4の隣接する端部は、クランプ部材として機能する接続ピース(図示せず)を用いてウインドスクリーンワイパー装置1の両側で相互に接続される。この実施形態において、接続ピースは、ストリップ4の端部に対して形態ロック(form-locked)(“積極的なロック”または“積極的な嵌合を有する”)および押圧ロック(force-locked)されてもよい別個の構造的要素であってもよい。他の好ましい変形において、前記接続ピースは、ばね帯鋼から形成されるストリップ4と一体を成す。後者の場合、前記接続ピースは、言わば、ストリップ4のための短手方向ブリッジを形成する。場合により、スポイラ5が更に設けられる。
【0020】
ウインドスクリーンワイパー装置1は、揺動ワイパーアーム7のためのプラスチック材料の接続装置6から更に形成される。前記ワイパーアーム7は伸展によって仕上げられる(アダプタを伴わない)。接続装置6は、互いに取り外し可能に接続される第1の部品8と第2の部品9とから成る。前記第1の部品8はワイパーブレード2上に保持されるのに対し、前記第2の部品9は、前記第1の部品8内に、すなわち、第1の部品の平行な直立壁間に配置される。また、前記第1の部品8は、この第1の部品と一体のクランプ部材10を備え、これらのクランプ部材10は、互いから離れる方向を向くストリップ4の丸みを帯びた長手方向の側面と係合し、その結果、接続装置6は、ワイパーブレード2とストリップ4とから成るユニットに対して強固に取り付けられる。前記第2の部品9は、前記第1の部品8に対するその接続位置でU形状断面を有する。揺動ワイパーアーム7は、以下の態様で、その自由端付近の枢軸線を中心に回動可能に接続装置6に接続される。
【0021】
図1および図2を参照すると、前記第2の部品9は、前記第2の部品9の両側に、すなわち、そのU形状断面、長方向断面、または、正方形断面のそれぞれの垂直側壁上に、外側へと延びる2つの円柱状の突起11(一方のみが見える)を備える。これらの突起11は、前記第1の部品8の同一形状の円筒状の穴12(図1および図2では、その一方のみが見える)内に回動可能に係合する。前記突起11は、前記アーム7の自由端付近の前記枢軸線を中心に第2の部品9(および、第2の部品に取り付けられる揺動ワイパーアーム7)を回動させるために枢軸線の位置で支持面として作用する。突起11は、前記第2の部品9と一体であることが好ましい。別の方法において、突起11は、接続装置6に対して垂直な単一の枢支ピンの一部である。
【0022】
図1,2,3,5を参照すると、第2の部品9は、前記第2の部品9の上端壁から下方へ延びる突起13を備え、一方、揺動アーム7は、前記第2の部品9に対するその接続位置に、閉じられた外周を有する同一形状の穴14を有する。前記突起は、装着位置で前記接続装置6を前記揺動アーム7上に保持するために前記突起13が前記揺動アーム7に設けられる前記穴14内に係合する内側位置(図2の上側および図5の上側)と、取り外し位置で前記接続装置6を前記揺動アーム7から解放できるように前記突起13が前記揺動アーム7に設けられる前記穴14から離脱する外側位置(図2の下側および図5の下側)との間でヒンジ動作できる。図示のように、前記突起13は、前記第2の部品9上の押しボタン16を矢印17の方向に手で作動させると、前記第2の部品9の外縁付近で前記揺動アーム7の両側に配置される2つの側部ヒンジ15に沿ってヒンジ動作できる。特に、第2の部品9の上端壁の部分18が前記ヒンジ15の周りでヒンジ動作でき、その場合、押しボタン16が前記部分18の上面の一端付近に配置され、また、前記突起13が前記部分18の下面の反対側の端部付近に配置される。押しボタン16を作動させる或いは作動解除させることにより、矢印19の方向のヒンジ動作が得られる。前記動作は、いわゆるシーソー動作である。前記ヒンジ15は、第1および第2の部品8,9が相互に接続されるときに外側から見えない。
【0023】
前記第2の部品9の突起13および揺動アーム7の穴14は、接続装置6を揺動アーム7上に保持するようになっており、したがって、“第1の保持手段”と呼ばれる。しかしながら、第1の保持手段が機能しない場合、例えば突起13が穴14内に適切に嵌合しないときには、第2の部品9およびこれに接続される第1の部品8が揺動アーム7に対してワイパーブレード2の長手方向に移動できる。関連する全てのマイナスの影響によりワイパーブレード2が緩むことを回避するために、第2の保持手段が設けられる。前記第2の保持手段は、前記第1の部品8の前記平行な直立壁21のうちの少なくとも一方にあって揺動アーム7の凹部22(図1)と協働する上方に延びる突起20から成る。言い換えると、前記突起20は、揺動アーム7の長手方向の(外)側面23に設けられる対応する形状の前記凹部22内に係合する。前記突起20はカムと呼ばれてもよい。
【0024】
接続装置6を揺動アーム7に装着する或いは揺動アーム7から取り外すために、第2の部品9、したがって第2の部品に接続される揺動アーム7の自由端は、第1の部品8に対して回動される(図7)。回動動作を行っている間、突起またはカム20は、もはや凹部22と合致しておらず、これ以上互いに協働できず、そのため、第2の部品9およびこれに取り付けられる第1の部品8を揺動アーム7から解放することができる。無論、これは、全ての実施形態において突起13も穴14から解放されるときにだけ行うことができる。
【0025】
なお、前記壁21のうちの一方は他方の壁21よりも高く、それにより、延出部24が得られる。拭き取り中、前記高い方の壁21に起因して、雨水が接続装置6上に保持され、それにより、前記雨水は、拭き取られるべきウインドスクリーン上へと跳ね散ることができない。
【0026】
本発明は、図面に示される変形に限定されず、添付の特許請求の範囲内に入る他の実施形態にまで及ぶ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7