特許第6037423号(P6037423)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6037423電力制御システム、電源ユニット装置、電力制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6037423
(24)【登録日】2016年11月11日
(45)【発行日】2016年12月7日
(54)【発明の名称】電力制御システム、電源ユニット装置、電力制御方法
(51)【国際特許分類】
   H02J 3/32 20060101AFI20161128BHJP
   H02J 3/38 20060101ALI20161128BHJP
   H02J 3/46 20060101ALI20161128BHJP
   H02J 7/34 20060101ALI20161128BHJP
【FI】
   H02J3/32
   H02J3/38 110
   H02J3/46
   H02J7/34 A
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2011-274739(P2011-274739)
(22)【出願日】2011年12月15日
(65)【公開番号】特開2013-126332(P2013-126332A)
(43)【公開日】2013年6月24日
【審査請求日】2014年11月13日
(73)【特許権者】
【識別番号】000227205
【氏名又は名称】NECプラットフォームズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106909
【弁理士】
【氏名又は名称】棚井 澄雄
(74)【代理人】
【識別番号】100134544
【弁理士】
【氏名又は名称】森 隆一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100150197
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 直樹
(72)【発明者】
【氏名】白井 学
【審査官】 早川 卓哉
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−148505(JP,A)
【文献】 特開2011−120456(JP,A)
【文献】 特開2009−278776(JP,A)
【文献】 特開2001−224176(JP,A)
【文献】 特開2010−239717(JP,A)
【文献】 特開平09−322433(JP,A)
【文献】 特開2011−223786(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J3/00−3/50
H02J7/34−7/36
H02J9/06
G06F1/26−1/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力した電力を用いて電力供給先装置に対して電力供給した電力量を検出する供給電力量検出部と、
前記電力供給先装置に対して電力供給した電力量が所定の閾値を超えた場合にバッテリユニット装置から前記電力供給先装置に対する電力供給の開始を制御する電力制御部と、を備えた電源ユニット装置を有し、
前記電源ユニット装置の前記電力制御部が、前記電力供給先装置に対して電力供給した電力量が所定の閾値を超えないよう、自装置から前記電力供給先装置に対して供給する電力量と、前記バッテリユニット装置から前記電力供給先装置に対して供給する電力量とを制御し、また前記電力供給先装置に対して供給する電力量が所定の閾値を超える度に前記供給する電力量を増加して、自装置から前記電力供給先装置に対して供給する電力量と、前記バッテリユニット装置から前記電力供給先装置に対して供給する電力量とが、それぞれ前記電力供給する電力量を増加した後の電力量の半分の電力量となるよう、自装置から前記電力供給先装置に対して供給する電力量と、前記バッテリユニット装置から前記電力供給先装置に対して供給する電力量とを制御する
ことを特徴とする電力制御システム。
【請求項2】
前記バッテリユニット装置は、
充電量が下限に達した場合に、充電量が下限に達したことを示す充電量下限到達信号を前記電力供給先装置に送信する充電量下限到達通知部と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載の電力制御システム。
【請求項3】
入力した電力を用いて電力供給先装置に対して電力供給した電力量を検出する供給電力量検出部と、
前記電力供給先装置に対して電力供給した電力量が所定の閾値を超えた場合にバッテリユニット装置から前記電力供給先装置に対する電力供給の開始を制御する電力制御部と、を備え、
前記電力制御部は、前記電力供給先装置に対して電力供給した電力量が所定の閾値を超えないよう、自装置から前記電力供給先装置に対して供給する電力量と、前記バッテリユニット装置から前記電力供給先装置に対して供給する電力量とを制御し、また前記電力供給先装置に対して供給する電力量が所定の閾値を超える度に前記供給する電力量を増加して、自装置から前記電力供給先装置に対して供給する電力量と、前記バッテリユニット装置から前記電力供給先装置に対して供給する電力量とが、それぞれ前記電力供給する電力量を増加した後の電力量の半分の電力量となるよう、自装置から前記電力供給先装置に対して供給する電力量と、前記バッテリユニット装置から前記電力供給先装置に対して供給する電力量とを制御する
ことを特徴とする電源ユニット装置。
【請求項4】
電力制御システムの電力制御方法であって、
入力した電力を用いて電力供給先装置に対して電力供給した電力量を検出し、
前記電力供給先装置に対して電力供給した電力量が所定の閾値を超えた場合にバッテリユニット装置から前記電力供給先装置に対する電力供給の開始を制御し、
前記電力供給先装置に対して電力供給した電力量が所定の閾値を超えないよう、自装置から前記電力供給先装置に対して供給する電力量と、前記バッテリユニット装置から前記電力供給先装置に対して供給する電力量とを制御し、また前記電力供給先装置に対して供給する電力量が所定の閾値を超える度に前記供給する電力量を増加して、自装置から前記電力供給先装置に対して供給する電力量と、前記バッテリユニット装置から前記電力供給先装置に対して供給する電力量とが、それぞれ前記電力供給する電力量を増加した後の電力量の半分の電力量となるよう、自装置から前記電力供給先装置に対して供給する電力量と、前記バッテリユニット装置から前記電力供給先装置に対して供給する電力量とを制御する
ことを特徴とする電力制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力供給先装置に対する電力供給を制御する電力制御システム、電源ユニット装置、電力制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
情報処理システムを構成する情報処理装置においては、情報処理システムの処理量が増大すると、内部で使用されているCPUやHDD等のデバイスの消費電力が増大する。これにより、情報システム全体の消費電力も増大する。ところで情報システムを構成する複数の情報処理装置それぞれで消費電力が増大すると、それら情報処理装置へ電力を供給する電源ユニットが外部から入力する電力量および各情報処理装置へ供給する電力量の総和も増大する。従って、このような情報処理量の一時的な増大による電源ユニットの負荷を軽減する必要がある。ここで、バッテリユニット装置を情報処理システム内に設け、一時的な情報処理装置における消費電力の増大に備える仕組みが用いられている。
【0003】
例えば、特許文献1には、主電源部とUPS電源部とを備え、それらの電源部から負荷に供給する電力を所定の比率に制御する技術が記載されている。
また、特許文献2には、電力を蓄電する電池を備え、一時的に電池から電力を供給する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平9−322433号公報
【特許文献2】特開平11−337148号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述の特許文献1や特許文献2の技術では、情報処理システムのような負荷の消費電力が増大するような場合に負荷となる情報処理装置に対して電源ユニットが供給する電力を閾値以下に保つ制御を行うことはできなかった。
【0006】
そこでこの発明は、上述の課題を解決することのできる電力制御システム、電源ユニット装置、電力制御方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明は、入力した電力を用いて電力供給先装置に対して電力供給した電力量を検出する供給電力量検出部と、前記電力供給先装置に対して電力供給した電力量が所定の閾値を超えた場合にバッテリユニット装置から前記電力供給先装置に対する電力供給の開始を制御する電力制御部と、を備えた電源ユニット装置を有し、前記電源ユニット装置の前記電力制御部が、前記電力供給先装置に対して電力供給した電力量が所定の閾値を超えないよう、自装置から前記電力供給先装置に対して供給する電力量と、前記バッテリユニット装置から前記電力供給先装置に対して供給する電力量とを制御し、また前記電力供給先装置に対して供給する電力量が所定の閾値を超える度に前記供給する電力量を増加して、自装置から前記電力供給先装置に対して供給する電力量と、前記バッテリユニット装置から前記電力供給先装置に対して供給する電力量とが、それぞれ前記電力供給する電力量を増加した後の電力量の半分の電力量となるよう、自装置から前記電力供給先装置に対して供給する電力量と、前記バッテリユニット装置から前記電力供給先装置に対して供給する電力量とを制御することを特徴とする電力制御システムである。
【0008】
また本発明は、入力した電力を用いて電力供給先装置に対して電力供給した電力量を検出する供給電力量検出部と、前記電力供給先装置に対して電力供給した電力量が所定の閾値を超えた場合にバッテリユニット装置から前記電力供給先装置に対する電力供給の開始を制御する電力制御部と、を備え、前記電力制御部は、前記電力供給先装置に対して電力供給した電力量が所定の閾値を超えないよう、自装置から前記電力供給先装置に対して供給する電力量と、前記バッテリユニット装置から前記電力供給先装置に対して供給する電力量とを制御し、また前記電力供給先装置に対して供給する電力量が所定の閾値を超える度に前記供給する電力量を増加して、自装置から前記電力供給先装置に対して供給する電力量と、前記バッテリユニット装置から前記電力供給先装置に対して供給する電力量とが、それぞれ前記電力供給する電力量を増加した後の電力量の半分の電力量となるよう、自装置から前記電力供給先装置に対して供給する電力量と、前記バッテリユニット装置から前記電力供給先装置に対して供給する電力量とを制御することを特徴とする電源ユニット装置である。
【0009】
また本発明は、電力制御システムの電力制御方法であって、入力した電力を用いて電力供給先装置に対して電力供給した電力量を検出し、前記電力供給先装置に対して電力供給した電力量が所定の閾値を超えた場合にバッテリユニット装置から前記電力供給先装置に対する電力供給の開始を制御し、前記電力供給先装置に対して電力供給した電力量が所定の閾値を超えないよう、自装置から前記電力供給先装置に対して供給する電力量と、前記バッテリユニット装置から前記電力供給先装置に対して供給する電力量とを制御し、また前記電力供給先装置に対して供給する電力量が所定の閾値を超える度に前記供給する電力量を増加して、自装置から前記電力供給先装置に対して供給する電力量と、前記バッテリユニット装置から前記電力供給先装置に対して供給する電力量とが、それぞれ前記電力供給する電力量を増加した後の電力量の半分の電力量となるよう、自装置から前記電力供給先装置に対して供給する電力量と、前記バッテリユニット装置から前記電力供給先装置に対して供給する電力量とを制御することを特徴とする電力制御方法である。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、電力供給先装置に対して電源ユニット装置から供給する電力を閾値以下に保つ制御を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】電力制御システムの構成を示す第1の図である。
図2】電力制御システムの構成を示す第2の図である。
図3】電力制御システムの処理フローを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の一実施形態による電力制御システムを図面を参照して説明する。
図1は同実施形態による電力制御システムの構成を示す第1の図である。
この図で示すように、電力制御システムは、電源ユニット装置1、電力供給先装置である情報処理装置2、バッテリユニット装置3によって構成される。
また、電源ユニット装置1は、入力した電力を用いて情報処理装置2に対して電力供給した電力量を検出する供給電力量検出部11と、情報処理装置2に対して電力供給した電力量が所定の閾値を超えた場合にバッテリユニット装置3から情報処理装置2に対する電力供給を開始するよう制御する電力制御部12とを備えている。なお電源ユニット装置1は、入力電力を情報処理装置2に必要な出力電力に変換する機能を備えているものとする。
【0013】
このような電力制御システムにおいて、電源ユニット装置1の電力制御部12は、情報処理装置2に対して電力供給した電力量が所定の閾値を超えないよう、自装置から情報処理装置2に対して供給する電力量と、バッテリユニット装置3から電力供給先装置に対して供給する電力量とを制御する。
このような制御によって、本実施形態による電力制御システムは、負荷となる情報処理装置2に対して電源ユニット装置1から供給する電力を閾値以下に保つ制御を行う。
【0014】
図2は同実施形態による電力制御システムの構成を示す第2の図である。
次に、電力制御システムの詳細について説明する。
図2に示すように電力制御システムを構成する電源ユニット装置1は、図1で説明した供給電力量検出部11と電力制御部12に加え、電流検出回路13と電圧検出回路14を備えている。電流検出回路13は、電源ユニット装置1と情報処理装置2とを繋ぐ電力線を流れる電流の値を検出する。また電流検出回路13は、検出した電流の値を供給電力量検出部11に出力する。電圧検出回路14は、電源ユニット装置1と情報処理装置2とを繋ぐ電力線の電圧の値を検出する。また電圧検出回路14は、検出した電圧の値を供給電力量検出部11に出力する。
【0015】
また情報処理装置2は、制御部21と情報処理部22とを備えている。制御部21は情報処理装置2を制御する処理部であり、当該制御部21によって情報処理部22が制御される。情報処理部22は情報処理装置2の主要な処理を行う処理部であって、例えば情報処理装置2が情報システムを構成するルータであれば当該ルータとしての機能を実現するための処理を行う。また情報処理装置2が情報システムを構成するウェブサーバであれば当該ウェブサーバとしての機能を実現するための処理を行う。
【0016】
またバッテリユニット装置3は、バッテリ制御部30、充電量検出部31、充電量下限到達通知部32、バッテリ33を備えている。
バッテリ制御部30はバッテリ33の電力出力を制御する。バッテリ33は商用電源から供給を受けた電力を蓄積する蓄電池によって構成される。また充電量検出部31はバッテリ33の充電量を検出する。充電量下限到達通知部32は、充電量検出部31から検出された充電量の値を入力し、充電量が下限値に到達した場合には、当該充電量が下限に達したことを示す充電量下限到達信号を情報処理装置2へ送信する。
【0017】
なお、図2において実線の矢印は電力の流れを示しており、また、破線の矢印は、制御信号の流れを示している。
【0018】
図3は電力制御システムの処理フローを示す図である。
次に、電力制御システムの処理の詳細について順を追って説明する。
まず電源ユニット装置1は、商用電源から得た電力を情報処理装置2へ供給する。これにより情報処理装置2は所定の情報処理を行っている。このような状況において電源ユニット装置1の電流検出回路13は、電源ユニット装置1と情報処理装置2とを繋ぐ電力線を流れる電流の値を検出し、供給電力量検出部11へ出力する。また電源ユニット装置1の電圧検出回路14は、電源ユニット装置1と情報処理装置2とを繋ぐ電力線の電圧の値を検出し、供給電力量検出部11へ出力する。
【0019】
供給電力量検出部11は、電流の値と電圧の値とを入力し、それらの積により電力値を算出する。そして供給電力量検出部11は、電力値の算出を所定のタイミングで繰り返し行い、単位時間におけるその積分によって、単位時間当たりに情報処理装置2へ供給する電力量を算出する(ステップS101)。そして供給電力量検出部11は、算出した単位時間当たりの電力量を電力制御部12へ出力する。電力制御部12は、情報処理装置2に供給する単位時間当たりの電力量を入力すると、当該電力量が閾値を超えたかどうかを判定する(ステップS102)。そして、供給する単位時間当たりの電力量が閾値を超えたと判定した場合、電力制御部12は、バッテリユニット装置3が出力すべき単位時間あたりの電力量を決定する(ステップS103)。次に電力制御部12は、バッテリユニット装置3に対して電力を出力することを指示する信号であるとともに、バッテリユニット装置3が出力すべき単位時間あたりの電力量を示す電力供給開始信号を、バッテリユニット装置3へ出力する(ステップS104)。なお、ステップS102において単位時間あたりに供給する電力量が閾値を超えていない場合には、ステップS101の処理を繰り返す。
【0020】
ここで、上述のステップS103において電力制御部12は、供給する単位時間当たりの電力量が閾値を超えたことを最初に検出した場合には、例えば、閾値が示す電力量+αの電力量の50%を単位時間当たりに電源ユニット装置1が情報処理装置2へ供給すると決定する。そして、電力制御部12は、閾値の電力量+αの電力量の50%を単位時間当たりに情報処理装置2へ供給するための制御を行う。つまり電力制御部12は、ステップS104において、閾値の電力量+αの電力量の50%を単位時間当たりに情報処理装置2へ供給するよう指示する電力供給開始信号をバッテリユニット装置3へ出力する。
【0021】
なお、上記αの値は、供給電力量検出部11の検出した単位時間当たりの電力量が閾値を超えたと判定する度に、大きな値となるように設定される。これにより、供給電力量検出部11の検出した単位時間当たりの電力量が閾値を超える度に、電源ユニット装置1の供給する電力と、バッテリユニット装置3の供給する単位時間当たりの電力量の合計を増加することができる。ここで、電力制御部12は、αが示す電力量のみを供給するよう指示する電力供給開始信号をバッテリユニット装置3へ出力するようにしてもよい。つまり、電力制御部12は、電源ユニット装置1が情報処理装置2へ供給する単位時間当たりの電力量が閾値を越えないよう、電源ユニット装置1とバッテリユニット装置3のそれぞれの供給する電力を決定する。
【0022】
次にバッテリユニット装置3においてはバッテリ制御部30が電力供給開始信号を入力する。そしてバッテリ制御部30はバッテリ33からの電力供給を制御するスイッチをONして、情報処理装置2への電力供給を開始する(ステップS105)。このときバッテリ制御部30は、電力供給開始信号が示す単位時間あたりの電力量で、情報処理装置2へ電力を供給する。情報処理装置2への電力供給を開始後、バッテリ制御部30は、電力供給停止信号を入力したかを判定し(ステップS106)、入力していなければ次の処理に移行する。
【0023】
そして、バッテリユニット装置3の充電量検出部31は、バッテリ33の充電量を検出し、充電量下限到達通知部32へ出力する。充電量下限到達通知部32は、充電量検出部31より入力する充電量が下限に到達したかを判定する(ステップS107)。そして充電量下限到達通知部32は、バッテリ33の充電量が下限に到達した場合には、充電量下限到達信号を情報処理装置2へ送信する(ステップS108)。またバッテリ制御部30は、バッテリ33からの電力供給を制御するスイッチをOFFして、情報処理装置2への電力供給を停止する(ステップS109)。
【0024】
次に情報処理装置2においては、制御部21が充電量下限到達信号の入力を検出する。すると制御部21は、情報処理装置2の消費電力を下げる処理を行う。または電源ユニット装置1へ閾値の増加を指示する信号を出力するようにしてもよい。なお、情報処理装置2の消費電力を下げる処理とは、例えば、所定の機能を停止させる設定変更処理である。
【0025】
制御部21による情報処理装置2の消費電力を下げる処理や、電源ユニット装置1へ閾値の増加を指示する信号を出力する処理は、情報処理装置2の単位時間当たりの消費電力が落ちず、かつ、バッテリユニット装置3の充電量が下限に到達した場合の最終的な手段である。つまり、バッテリユニット装置3の充電量が下限に到達しない前に、電源ユニット装置1の供給する単位時間当たりの電力量が閾値を下回った場合には、バッテリユニット装置3からの電力供給は停止し、バッテリ33の充電量が増加する。このような処理を行うにあたり、電源ユニット装置1の電力制御部12は、電力供給開始信号を出力した後、情報処理装置2へ供給する単位時間当たりの電力量が閾値を下回ったかを判定する(ステップS110)。そして情報処理装置2へ供給する単位時間当たりの電力量が閾値を下回った場合、電力制御部12は、電力供給停止信号をバッテリユニット装置3へ出力する(ステップS111)。するとバッテリ制御部30はバッテリ33からの電力供給を制御するスイッチをOFFして、情報処理装置2への電力供給を停止する。
【0026】
以上、本発明の実施形態について説明したが、上述の電力制御システムによれば、負荷となる情報処理装置2に対して電源ユニット装置1から供給する電力を閾値以下に保つ制御を行うことができる。
【0027】
なお、上述の電源ユニット装置1、情報処理装置2、バッテリユニット装置3、の各装置は内部に、コンピュータシステムを有してよい。そして、上述した各処理の過程は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータが読み出して実行することによって、上記処理が行われてよい。ここでコンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等をいう。また、このコンピュータプログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータが当該プログラムを実行するようにしても良い。
【0028】
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
【0029】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されるが、以下には限られない。
【0030】
(付記1)入力した電力を用いて電力供給先装置に対して電力供給した電力量を検出する供給電力量検出部と、
前記電力供給先装置に対して電力供給した電力量が所定の閾値を超えた場合にバッテリユニット装置から前記電力供給先装置に対する電力供給の開始を制御する電力制御部と、を備えた電源ユニット装置を有し、
前記電源ユニット装置の前記電力制御部が、前記電力供給先装置に対して電力供給した電力量が所定の閾値を超えないよう、自装置から前記電力供給先装置に対して供給する電力量と、前記バッテリユニット装置から前記電力供給先装置に対して供給する電力量とを制御する
ことを特徴とする電力制御システム。
【0031】
(付記2)前記バッテリユニット装置は、
充電量が下限に達した場合に、充電量が下限に達したことを示す充電量下限到達信号を前記電力供給先装置に送信する充電量下限到達通知部と、
を備えることを特徴とする付記1に記載の電力制御システム。
【0032】
(付記3)前記バッテリユニット装置の電力制御部は、自装置から前記電力供給先装置に対して供給する電力量と、前記バッテリユニット装置から前記電力供給先装置に対して供給する電力量とが同じ電力量となるよう、自装置から前記電力供給先装置に対して供給する電力量と、前記バッテリユニット装置から前記電力供給先装置に対して供給する電力量とを制御する
ことを特徴とする付記1または付記2に記載の電力制御システム。
【0033】
(付記4)入力した電力を用いて電力供給先装置に対して電力供給した電力量を検出する供給電力量検出部と、
前記電力供給先装置に対して電力供給した電力量が所定の閾値を超えた場合にバッテリユニット装置から前記電力供給先装置に対する電力供給の開始を制御する電力制御部と、を備え、
前記電力制御部は、前記電力供給先装置に対して電力供給した電力量が所定の閾値を超えないよう、自装置から前記電力供給先装置に対して供給する電力量と、前記バッテリユニット装置から前記電力供給先装置に対して供給する電力量とを制御する
ことを特徴とする電源ユニット装置。
【0034】
(付記5)前記電力制御部は、自装置から前記電力供給先装置に対して供給する電力量と、前記バッテリユニット装置から前記電力供給先装置に対して供給する電力量とが同じ電力量となるよう、自装置から前記電力供給先装置に対して供給する電力量と、前記バッテリユニット装置から前記電力供給先装置に対して供給する電力量とを制御する
ことを特徴とする付記4に記載の電源ユニット装置。
【0035】
(付記6)電力制御システムの電力制御方法であって、
入力した電力を用いて電力供給先装置に対して電力供給した電力量を検出し、
前記電力供給先装置に対して電力供給した電力量が所定の閾値を超えた場合にバッテリユニット装置から前記電力供給先装置に対する電力供給の開始を制御し、
前記電力供給先装置に対して電力供給した電力量が所定の閾値を超えないよう、自装置から前記電力供給先装置に対して供給する電力量と、前記バッテリユニット装置から前記電力供給先装置に対して供給する電力量とを制御する
ことを特徴とする制御方法。
【0036】
(付記7)自装置から前記電力供給先装置に対して供給する電力量と、前記バッテリユニット装置から前記電力供給先装置に対して供給する電力量とが同じ電力量となるよう、自装置から前記電力供給先装置に対して供給する電力量と、前記バッテリユニット装置から前記電力供給先装置に対して供給する電力量とを制御する
ことを特徴とする付記6に記載の電力制御方法。
【符号の説明】
【0037】
1・・・電源ユニット装置
11・・・供給電力量検出部
12・・・電力制御部
2・・・情報処理装置
21・・・制御部
22・・・情報処理部
3・・・バッテリユニット装置
30・・・バッテリ制御部
31・・・充電量検出部
32・・・充電量下限到達通知部
33・・・バッテリ
図1
図2
図3