特許第6037439号(P6037439)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特許6037439基板保持回転装置およびそれを備えた基板処理装置、ならびに基板処理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6037439
(24)【登録日】2016年11月11日
(45)【発行日】2016年12月7日
(54)【発明の名称】基板保持回転装置およびそれを備えた基板処理装置、ならびに基板処理方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/683 20060101AFI20161128BHJP
   H01L 21/027 20060101ALI20161128BHJP
【FI】
   H01L21/68 N
   H01L21/30 564C
   H01L21/30 569C
【請求項の数】18
【全頁数】33
(21)【出願番号】特願2012-255548(P2012-255548)
(22)【出願日】2012年11月21日
(65)【公開番号】特開2013-229552(P2013-229552A)
(43)【公開日】2013年11月7日
【審査請求日】2015年6月19日
(31)【優先権主張番号】特願2011-277402(P2011-277402)
(32)【優先日】2011年12月19日
(33)【優先権主張国】JP
(31)【優先権主張番号】特願2012-74620(P2012-74620)
(32)【優先日】2012年3月28日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000207551
【氏名又は名称】株式会社SCREENホールディングス
(74)【代理人】
【識別番号】100087701
【弁理士】
【氏名又は名称】稲岡 耕作
(74)【代理人】
【識別番号】100101328
【弁理士】
【氏名又は名称】川崎 実夫
(74)【代理人】
【識別番号】100170324
【弁理士】
【氏名又は名称】安田 昌秀
(72)【発明者】
【氏名】加藤 洋
【審査官】 鈴木 和樹
(56)【参考文献】
【文献】 特開平09−232269(JP,A)
【文献】 特開2001−332486(JP,A)
【文献】 特開平08−323274(JP,A)
【文献】 特開2004−128295(JP,A)
【文献】 特開平09−167751(JP,A)
【文献】 特開2005−142585(JP,A)
【文献】 特開2010−12591(JP,A)
【文献】 特開平7−130695(JP,A)
【文献】 特開2008−108790(JP,A)
【文献】 特開2010−130020(JP,A)
【文献】 特開平9−213772(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/683
H01L 21/027
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
鉛直方向に沿う回転軸線まわりに回転可能な回転台と、
前記回転台を回転させる回転駆動手段と、
基板を保持する保持位置と、前記保持位置から退避した退避位置との間で変位する可動保持部材を含み、前記回転台に設けられ、前記回転台から上方に間隔を開けて基板を水平に保持する保持部材と、
前記回転台と前記保持部材による基板保持位置との間に配置され、下位置と、下位置よりも上方において前記保持部材に保持された基板の下面に接近した接近位置との間で前記回転台に対して相対的に上下動可能であるように前記回転台に取り付けられ、前記保持部材によって保持される基板と同程度の大きさを有する保護ディスクと、
前記保護ディスクに取り付けられた第1磁石と、前記回転軸線と同軸の環状に形成され前記第1磁石に対して反発力を与える第2磁石と、前記第2磁石を非回転状態で支持する第1支持部材と、前記第1磁石と前記第2磁石との間の距離が変化するように前記第1支持部材と前記回転台とを相対移動させる第1相対移動機構とを含み、前記第1磁石と前記第2磁石との間の反発力によって前記保護ディスクを前記回転台から浮上させる磁気浮上機構と
前記可動保持部材に取り付けられた第1磁性体と、前記第2磁石とは異なる磁性体であって前記回転軸線と同軸の環状に形成され前記第1磁性体との間に磁力を生じる第2磁性体と、前記第1支持部材とは異なる支持部材であって前記第2磁性体を非回転状態で支持する第2支持部材と、前記第1相対移動機構とは異なる相対移動機構であって前記第1磁性体と前記第2磁性体との間の距離が変化するように前記第2支持部材と前記回転台とを相対移動させる第2相対移動機構とを含み、前記第1磁性体と前記第2磁性体との間の磁力によって前記可動保持部材を前記保持位置に保持する磁気駆動機構とを含む、基板保持回転装置。
【請求項2】
前記保護ディスクの前記回転台に対する上方への相対移動を前記接近位置において規制する規制部材をさらに含む、請求項に記載の基板保持回転装置。
【請求項3】
前記回転台に設けられ、前記保護ディスクの相対上下動を案内する案内機構をさらに含む、請求項1または2に記載の基板保持回転装置。
【請求項4】
前記回転台に取り付けられ、前記保持部材によって保持された基板と前記回転台との間の空間を側方から覆う側方覆い部材をさらに含む、請求項1〜のいずれか一項に記載の基板保持回転装置。
【請求項5】
請求項1〜のいずれか一項に記載の基板保持回転装置と、
前記基板保持回転装置に保持された基板の上面に処理液を供給する処理液供給手段とを含む、基板処理装置。
【請求項6】
基板を水平に保持しながら回転させる基板保持回転装置と、
前記基板保持回転装置に保持された基板の上面に処理液を供給する処理液供給手段と、
前記基板保持回転装置によって保持された基板に前記処理液供給手段から供給され、前記基板から当該基板の外方へと排出される処理液を受ける受け部材とを含み、
前記基板保持回転装置は、
鉛直方向に沿う回転軸線まわりに回転可能な回転台と、
前記回転台を回転させる回転駆動手段と、
基板を保持する保持位置と、前記保持位置から退避した退避位置との間で変位する可動保持部材を含み、前記回転台に設けられ、前記回転台から上方に間隔を開けて基板を水平に保持する保持部材と、
前記回転台と前記保持部材による基板保持位置との間に配置され、下位置と、下位置よりも上方において前記保持部材に保持された基板の下面に接近した接近位置との間で前記回転台に対して相対的に上下動可能であるように前記回転台に取り付けられ、前記保持部材によって保持される基板と同程度の大きさを有する保護ディスクと、
前記保護ディスクに取り付けられた第1磁石と、前記回転軸線と同軸の環状に形成され前記第1磁石に対して反発力を与える第2磁石と、前記第2磁石を非回転状態で支持する、前記受け部材に固定された第1支持部材と、前記第1磁石と前記第2磁石との間の距離が変化するように、前記第1支持部材が固定された前記受け部材と前記回転台とを相対移動させる第1相対移動機構とを含み、前記第1磁石と前記第2磁石との間の反発力によって前記保護ディスクを前記回転台から浮上させる磁気浮上機構と、
前記可動保持部材に取り付けられた第1磁性体と、前記回転軸線と同軸の環状に形成され前記第1磁性体との間に磁力を生じる第2磁性体としての前記第2磁石と、前記第2磁石を非回転状態で支持する第2支持部材としての前記第1支持部材と、前記第1磁性体と前記第2磁石との間の距離が変化するように、前記第1支持部材が固定された前記受け部材と前記回転台とを相対移動させる第2相対移動機構としての前記第1相対移動機構とを含み、前記第1磁性体と前記第2磁石との間の磁力によって前記可動保持部材を前記保持位置に保持する磁気駆動機構と、
前記第2磁石とは異なる磁石であって、前記受け部材の上端部に配置されており、前記第1磁性体に対して前記可動保持部材を前記退避位置へと変位させる磁力を発生する解除用磁石とを含む、基板処理装置。
【請求項7】
前記基板保持回転装置によって保持されて回転される基板と前記接近位置に配置された前記保護ディスクとの間に不活性ガスを供給する不活性ガス供給手段をさらに含む、請求項5または6に記載の基板処理装置。
【請求項8】
前記保護ディスクが、前記保持部材によって保持された基板の縁部において前記不活性ガスの流路を絞る絞り部を上面に有している、請求項に記載の基板処理装置。
【請求項9】
前記不活性ガス供給手段が、前記回転台の回転中心から前記保持部材によって保持された基板の周縁部に向けて放射状に不活性ガスを吹き出す不活性ガスノズルを含む、請求項7または8に記載の基板処理装置。
【請求項10】
前記保護ディスクは、前記保持部材を縁取るように形成された切り欠きを有する、請求項5〜9のいずれか一項に記載の基板処理装置。
【請求項11】
前記保持部材は、平面視で前記保護ディスクに重なるように前記保護ディスクよりも上方に配置された大径部と、前記大径部の外径よりも小さい外径を有しており、前記保護ディスクのまわりに配置された小径部とを含む、請求項5〜10のいずれか一項に記載の基板処理装置。
【請求項12】
鉛直方向に沿う回転軸線まわりに回転可能な回転台に設けられ、基板を保持する保持位置と前記保持位置から退避した退避位置との間で変位する可動保持部材によって基板を水平に保持する保持工程であって、前記可動保持部材に取り付けられた第1磁性体と前記第1磁性体との間に磁力を生じる第2磁性体とを第2相対移動機構の駆動力で相対移動させることにより、前記第1磁性体と前記第2磁性体との間の磁力によって前記可動保持部材を前記保持位置に保持する工程を含む保持工程と、
前記回転台を回転させることによって、前記可動保持部材によって保持された前記基板を回転させる回転工程と、
前記回転台に対して相対的に上下動可能に取り付けられ前記基板と同程度の大きさを有する保護ディスクを、当該保護ディスクに取り付けられた第1磁石と前記第2磁性体とは異なる磁石であって前記回転軸線と同軸に非回転状態で設けられた環状の第2磁石とを前記第2相対移動機構とは異なる第1相対移動機構の駆動力で接近させることによって、前記第1磁石および第2磁石間の反発力により、前記基板の下面に接近した接近位置まで前記回転台に対して相対的に浮上させて前記基板の下面を覆う下面被覆工程と、
前記保持工程および前記回転工程と並行して、前記保護ディスクによって下面が覆われた前記基板の上面に処理液を供給する処理液供給工程と
を含む、基板処理方法。
【請求項13】
前記保護ディスクの前記回転台に対する上方への相対移動を、規制部材によって前記接近位置に規制する工程をさらに含む、請求項12に記載の基板処理方法。
【請求項14】
前記処理液供給工程と並行して、前記回転されている基板と前記接近位置に配置された前記保護ディスクとの間に不活性ガスを供給する不活性ガス供給工程をさらに含む、請求項12または13に記載の基板処理方法。
【請求項15】
前記保護ディスクが、前記可動保持部材によって保持された基板の縁部に対向する位置の上面に絞り部を有しており、前記不活性ガス供給工程と並行して、前記絞り部によって前記不活性ガスの流路を絞る工程をさらに含む、請求項14に記載の基板処理方法。
【請求項16】
前記不活性ガス供給工程が、前記回転台の回転中心から前記可動保持部材によって保持された基板の周縁部に向けて放射状に不活性ガスを吹き出す工程を含む、請求項14または15に記載の基板処理方法。
【請求項17】
前記下面被覆工程と並行して実行され、前記回転台に取り付けられた側方覆い部材によって、前記保持部材によって保持された基板と前記回転台との間の空間を側方から覆う工程をさらに含む、請求項12〜16のいずれか一項に記載の基板処理方法。
【請求項18】
鉛直方向に沿う回転軸線まわりに回転可能な回転台に設けられ、基板を保持する保持位置と前記保持位置から退避した退避位置との間で変位する可動保持部材によって基板を水平に保持する保持工程であって、前記回転軸線と同軸に非回転状態で設けられた環状の第2磁石を所定位置に配置することにより、前記第2磁石と前記可動保持部材に取り付けられた第1磁性体との間に働く磁力によって前記可動保持部材を前記保持位置に保持する工程を含む保持工程と、
前記回転台を回転させることによって、前記可動保持部材によって保持された前記基板を回転させる回転工程と、
前記第2磁石を前記所定位置に配置することにより、前記回転台に対して相対的に上下動可能に取り付けられ前記基板と同程度の大きさを有する保護ディスクを、前記第2磁石と前記保護ディスクに取り付けられた第1磁石との間の反発力によって、前記基板の下面に接近した接近位置まで前記回転台に対して相対的に浮上させて前記基板の下面を覆う下面被覆工程と、
前記保持工程および前記回転工程と並行して、前記保護ディスクによって下面が覆われた前記基板の上面に処理液を供給する処理液供給工程と、
前記処理液供給工程と並行して、前記回転されている前記基板の外方へと排出される処理液を受け部材で受ける工程と、
前記処理液供給工程が行われた後、前記可動保持部材に取り付けられた前記第1磁性体と前記第2磁石とは異なる磁石であって前記受け部材の上端部に配置された解除用磁石との間の磁力によって、前記可動保持部材を前記退避位置へと変位させる解除工程と
を含む、基板処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、基板保持回転装置およびそれを備えた基板処理装置、ならびに基板処理方法に関する。保持対象または処理対象の基板には、たとえば、半導体ウエハ、液晶表示装置用基板、プラズマディスプレイ用基板、FED(Field Emission Display)用基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、光磁気ディスク用基板、フォトマスク用基板、セラミック基板、太陽電池用基板などが含まれる。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、回転手段によって回転される回転台と、回転台に配設されて基板を回転台表面から所定間隔を隔てて水平に位置決めする支持手段とを備えた、回転式基板処理装置の基板回転保持具を開示している。回転台上には、基板と同程度の大きさを有する上下移動部材が設けられており、回転台が回転している処理の間は上下移動部材が基板に近い上昇位置に配置される。これにより、基板の下面と上下移動部材の上面との間隔が狭くなり、基板処理中に発生したミストが基板の下面に回り込むことを防止できると説明されている。
【0003】
特許文献1の図1図3に示された構成は、回転台の回転に伴う遠心力を受けて作動する押し上げ機構によって、上下移動部材を回転台に対して上下動するように構成されている。また、特許文献1の図4および図5には、上下移動部材の外周部にフィンを設け、回転台の回転に伴って上下移動部材が回転するときに、フィンが周囲の気体を下方へ押し下げることによって生じる揚力を利用して上下移動部材を持ち上げる構成が開示されている。
【0004】
しかし、これらの構成では、基板の回転速度が低いときには、十分な遠心力または揚力を得ることができないから、上下移動部材を基板の下面に十分に接近させることができず、その結果、基板処理の際に生じるミストが基板の下面に付着する恐れがある。たとえば、基板を回転させながらブラシで基板の表面をスクラブ洗浄する場合には、基板の回転速度は100rpm程度であり、十分な遠心力または揚力は到底得ることができない。よって、基板の上面をスクラブ洗浄する際に、処理液のミストが基板の下面と上下移動部材との間に進入して、基板の下面を汚染する恐れがある。
【0005】
一方、特許文献1の図6および図7には、エアシリンダを利用した押し上げ機構を用いて上下移動部材を上下動させる構成が開示されている。また、特許文献1の図8および図9には、上下移動部材に一端が固着されたベローズを設け、ベローズ内を加圧/吸引することによってベローズを伸縮させ、それによって上下移動部材を上下動させる構成が示されている。
【0006】
ところが、これらの構成は、いずれも回転台および上下移動部材を含む回転系に上下駆動のための駆動手段が組み込まれており、その駆動手段に対して駆動力を供給する必要があるから、構造が複雑になる。そのうえ、非回転系から駆動用のエアを供給したり吸引したりする必要があるので、非回転系と回転系との間には、エア供給/吸引経路に摩擦接触する摺動部が存在することになり、そこから生じるパーティクルが基板処理に悪影響を及ぼす恐れがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特許第2845738号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
この発明の目的は、基板の回転速度に依らずに基板の下面を保護することができ、構成が簡単であり、しかも摩擦接触に起因するパーティクルの発生を抑制することができる基板保持回転装置、およびこのような基板保持回転装置を備えた基板処理装置を提供することである。また、この発明の他の目的は、基板の回転速度が低いときでも基板の下面を確実に保護することができ、複雑な構成を要することもなく、かつ摩擦接触に起因するパーティクルを抑制しつつ高品質な処理を実現できる基板処理方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1記載の発明は、鉛直方向に沿う回転軸線まわりに回転可能な回転台と、前記回転台を回転させる回転駆動手段と、基板を保持する保持位置と、前記保持位置から退避した退避位置との間で変位する可動保持部材を含み、前記回転台に設けられ、前記回転台から上方に間隔を開けて基板を水平に保持する保持部材と、前記保持部材によって保持される基板と同程度の大きさを有する保護ディスクと、前記保護ディスクを前記回転台から浮上させる磁気浮上機構と、磁気駆動機構とを含む、基板保持回転装置を提供する。前記保護ディスクは、前記回転台と前記保持部材による基板保持位置との間に配置され、下位置と、下位置よりも上方において前記保持部材に保持された基板の下面に接近した接近位置との間で前記回転台に対して相対的に上下動可能であるように前記回転台に取り付けられている。前記磁気浮上機構は、前記保護ディスクに取り付けられた第1磁石と、前記回転軸線と同軸の環状に形成され前記第1磁石に対して反発力を与える第2磁石と、前記第2磁石を非回転状態で支持する第1支持部材と、前記第1磁石と前記第2磁石との間の距離が変化するように前記第1支持部材と前記回転台とを相対移動させる第1相対移動機構とを含み、前記第1磁石と前記第2磁石との間の反発力によって、前記保護ディスクを前記回転台から浮上させるように構成されている。前記磁気駆動機構は、前記可動保持部材に取り付けられた第1磁性体と、前記第2磁石とは異なる磁性体であって前記回転軸線と同軸の環状に形成され前記第1磁性体との間に磁力を生じる第2磁性体と、前記第1支持部材とは異なる支持部材であって前記第2磁性体を非回転状態で支持する第2支持部材と、前記第1相対移動機構とは異なる相対移動機構であって前記第1磁性体と前記第2磁性体との間の距離が変化するように前記第2支持部材と前記回転台とを相対移動させる第2相対移動機構とを含み、前記第1磁性体と前記第2磁性体との間の磁力によって前記可動保持部材を前記保持位置に保持するように構成されている。
【0010】
この発明によれば、回転駆動手段によって回転される回転台には、保持部材が設けられており、この保持部材によって回転台から上方に間隔を開けた状態で基板を水平に保持することができる。回転台には、基板と同程度の大きさを有する保護ディスクが取り付けられており、この保護ディスクは、回転台に対して相対的に上下動可能である。すなわち、保護ディスクは、下位置と、下位置よりも上方において保持部材に保持された基板の下面に接近した接近位置との間で回転台に対して相対的に上下動することができる。保護ディスクを駆動するために、磁気浮上機構が備えられている。すなわち、磁気浮上機構は、保護ディスクに取り付けられた第1磁石と、第1支持部材によって非回転状態で支持される第2磁石と、第1支持部材と回転台とを相対移動させる第1相対移動機構とを含む。
【0011】
この構成により、第1支持部材と回転台とを相対移動させ、第1磁石の下方の十分に接近した位置に第2磁石を配置することにより、それらの間に働く反発力によって、保護ディスクを回転台から浮上させて接近位置へと導き、その接近位置で保持することができる。
非回転系から回転系への駆動力の伝達は、非回転系に設けられた第2磁石と回転系に設けられた第1磁石との間に働く反発磁力を利用することによって、非接触で達成される。したがって、構成が簡単であるうえに、回転台が回転していて、それに応じて保護ディスクに取り付けられた第1磁石が回転しているときでも、非接触の状態で伝達される駆動力によって、保護ディスクを接近位置に保持することができる。
【0012】
また、回転台の回転速度が低速の場合やその回転が停止しているときでも、第1支持部材と回転台とを接近させれば、第2磁石からの反発力を受けた第1磁石が保護ディスクを回転台の表面から浮上させるから、保護ディスクを基板の下面に十分に接近させることができる。
このように、この発明の構成により、基板の回転速度に依らずに基板の下面を確実に保護でき、構成も簡単であり、かつ回転時に生じる摩擦接触に起因するパーティクルを抑制した基板保持回転装置を提供することができる。
【0013】
保護ディスクが下位置にあるときは、保護ディスクと基板の下面との間に空間が形成されるので、この空間を利用して、基板搬送ロボットから保持部材に基板を渡したり、基板搬送ロボットが保持部材から基板を受け取ったりすることができる。
前記第2磁石は、前記回転軸線と同軸の環状に形成された磁極を有することが好ましい。より具体的には、第2磁石は、前記第1磁石が描く回転軌跡に対応したリング状の磁極を有していることが好ましい。これにより、回転台とともに第1磁石が回転するときも、第1磁石と第2磁石との間の反発力が継続的にかつ安定的に作用するので、保護ディスクを確実に接近位置に保持できる。
【0014】
前記第1相対移動機構は、前記第1支持部材を上下動する機構であってもよいし、前記回転台を上下動する機構であってもよいし、前記第1支持部材および前記回転台の両方を上下動する機構であってもよい。
また、第1相対移動機構は、必ずしも第1支持部材と回転台とを相対的に上下動させる機構である必要はなく、回転軸線と交差する方向から第2磁石を第1磁石に接近させることによって、それらの間に反発力を作用させるように構成されていてもよい。
【0016】
請求項1の構成によれば、可動保持部材に取り付けられた第1磁性体と、第2支持部材によって非回転状態で支持された第2磁性体との間の磁力を利用して、非接触状態で可動保持部材を保持位置に保持することができる。したがって、可動保持部材を保持位置に保持するための構成も簡単である。しかも、可動保持部材を保持位置に保持するための駆動力の伝達も磁力による非接触状態で行うことができるので、回転時の摩擦接触に起因するパーティクルの発生を一層抑制することができる。
【0017】
第2磁性体は、回転軸線と同軸の環状に形成されているので、回転台とともに第1磁性体が回転するときでも、いずれの回転位置においても、第1磁性体および第2磁性体の間に安定した磁力を作用させることができるから、可動保持部材を保持位置に確実に保持でき、それによって基板の保持を確実にすることができる。
前記第1磁性体および第2磁性体は、いずれか一方または両方が磁石であることが好ましい。
【0018】
前記第2相対移動機構は、前記第2支持部材を上下動する機構であってもよいし、前記回転台を上下動する機構であってもよいし、前記第2支持部材および前記回転台の両方を上下動する機構であってもよい。また、前記第2相対移動機構は第2支持部材および/または回転台を上下動する機構に限らず、たとえば、第2支持部材を前記回転軸線と交差する方向に移動させ、それによって前記第2磁性体を前記第1磁性体に対して接近/離隔させる機構であってもよい。
【0020】
請求項2記載の発明は、前記保護ディスクの前記回転台に対する上方への相対移動を前記接近位置において規制する規制部材をさらに含む、請求項に記載の基板保持回転装置である。この構成によれば、磁力によって浮上させられる保護ディスクの上方への相対移動を規制部材によって規制することができるので、保護ディスクを確実に基板の下面に接近した接近位置に配置することができる。とくに、前記接近位置が、保護ディスクが基板の下面に接触しない位置であって、基板の下面から微小間隔を開けた位置である場合に、当該微小な間隔を保持することができる。
【0021】
請求項記載の発明は、前記回転台に設けられ、前記保護ディスクの相対上下動を案内する案内機構をさらに含む、請求項1または2に記載の基板保持回転装置である。この構成により、保護ディスクの回転台に対する相対上下動を安定化させることができる。
請求項記載の発明は、前記回転台に取り付けられ、前記保持部材によって保持された基板と前記回転台との間の空間を側方から覆う側方覆い部材をさらに含む、請求項1〜のいずれか一項に記載の基板保持回転装置である。この構成によれば、回転台と基板との間の空間が側方から覆われるから、この空間内に側方の雰囲気を巻き込むことを抑制できる。それによって、回転中の基板の周囲の気流を安定にすることができる。
【0022】
前記側方覆い部材は、前記保護ディスクに固定されることが好ましい。この場合、前記保護ディスクが前記接近位置に配置されている状態で、保護ディスクと回転台との間の空間が前記側方覆い部材によって覆われるように構成されていることが好ましい。そして、保護ディスクが下位置にあるときは、保護ディスクと基板の下面との間の空間の側方が開放され、この空間が、基板の搬入/搬出のために利用できるようになっていることが好ましい。
【0023】
請求項記載の発明は、請求項1〜のいずれか一項に記載の基板保持回転装置と、
前記基板保持回転装置に保持された基板の上面に処理液を供給する処理液供給手段とを含む、基板処理装置を提供する。
この構成によれば、基板の下面を保護ディスクで覆った状態で、基板の上面に処理液を供給し、その処理液によって基板の上面を処理できる。したがって、処理液のミストが発生しても、そのミストが基板の下面に到達することを抑制できる。その結果、基板の下面に対して処理液を供給したりすることなく、かつ基板の下面を清浄な状態に保持して、基板の上面に対する処理を選択的に行うことができる。より具体的には、基板の下面を乾燥状態に保持し、かつその基板下面の汚染を招くことなく、基板の上面に対して処理液による処理を施すことができる。
【0024】
基板保持回転装置は、前述の通り、基板の回転停止時または低速回転時においても保護ディスクを接近位置に保持して基板の下面を確実に保護することができ、構成も簡単であり、回転時の摺動に起因するパーティクルの発生も少ない。それにより、複雑な構成を要することなく、基板の下面に対するミストの付着を抑制し、かつパーティクルの発生の少ない清浄な環境の中で、基板上面を処理液を用いて選択的に処理できる。
【0025】
前記基板処理装置は、前記基板保持回転装置によって保持された基板に前記処理液供給手段から供給され、前記基板の表面から当該基板の外方へと排出される処理液を受ける受け部材をさらに含み、前記受け部材に前記第1支持部材が固定されており、前記第1相対移動機構が、前記受け部材と前記回転台とを相対移動させるように構成されていてもよい。この構成によれば、基板の表面から基板の外方へ排出される処理液を受ける受け部材と回転台とを相対移動させるための機構を、第2磁石を支持する第1支持部材を移動するための機構として兼用することができる。これによって、構成を一層簡単にすることができる。
【0026】
具体的には、前記受け部材と前記回転台との相対位置を基板の表面から排出される処理液が受け部材によって受けられる処理位置とするときに、前記第1および第2磁石の間の反発力によって前記保護ディスクが前記接近位置に保持されるように構成されていることが好ましい。さらにまた、当該処理位置において、前記第2磁石からの磁力を前記第1磁性体が受けて、前記可動保持部材が前記保持位置に保持されるように構成されていることが好ましい。
【0027】
請求項6記載の発明は、基板を水平に保持しながら回転させる基板保持回転装置と、前記基板保持回転装置に保持された基板の上面に処理液を供給する処理液供給手段と、前記基板保持回転装置によって保持された基板に前記処理液供給手段から供給され、前記基板から当該基板の外方へと排出される処理液を受ける受け部材とを含む、基板処理装置を提供する。
前記基板保持回転装置は、鉛直方向に沿う回転軸線まわりに回転可能な回転台と、前記回転台を回転させる回転駆動手段と、基板を保持する保持位置と、前記保持位置から退避した退避位置との間で変位する可動保持部材を含み、前記回転台に設けられ、前記回転台から上方に間隔を開けて基板を水平に保持する保持部材と、前記回転台と前記保持部材による基板保持位置との間に配置され、下位置と、下位置よりも上方において前記保持部材に保持された基板の下面に接近した接近位置との間で前記回転台に対して相対的に上下動可能であるように前記回転台に取り付けられ、前記保持部材によって保持される基板と同程度の大きさを有する保護ディスクと、前記保護ディスクに取り付けられた第1磁石と、前記回転軸線と同軸の環状に形成され前記第1磁石に対して反発力を与える第2磁石と、前記第2磁石を非回転状態で支持する、前記受け部材に固定された第1支持部材と、前記第1磁石と前記第2磁石との間の距離が変化するように、前記第1支持部材が固定された前記受け部材と前記回転台とを相対移動させる第1相対移動機構とを含み、前記第1磁石と前記第2磁石との間の反発力によって前記保護ディスクを前記回転台から浮上させる磁気浮上機構と、前記可動保持部材に取り付けられた第1磁性体と、前記回転軸線と同軸の環状に形成され前記第1磁性体との間に磁力を生じる第2磁性体としての前記第2磁石と、前記第2磁石を非回転状態で支持する第2支持部材としての前記第1支持部材と、前記第1磁性体と前記第2磁石との間の距離が変化するように、前記第1支持部材が固定された前記受け部材と前記回転台とを相対移動させる第2相対移動機構としての前記第1相対移動機構とを含み、前記第1磁性体と前記第2磁石との間の磁力によって前記可動保持部材を前記保持位置に保持する磁気駆動機構と、前記第2磁石とは異なる磁石であって、前記受け部材の上端部に配置されており、前記第1磁性体に対して前記可動保持部材を前記退避位置へと変位させる磁力を発生する解除用磁石とを含む。
請求項記載の発明は、前記基板保持回転装置によって保持されて回転される基板と前記接近位置に配置された前記保護ディスクとの間に不活性ガスを供給する不活性ガス供給手段をさらに含む、請求項5または6に記載の基板処理装置である。この構成によれば、保護ディスクと基板との間に不活性ガスが供給されるので、基板の下面に対する処理液ミストの付着を一層効果的に抑制することができる。
【0028】
請求項記載の発明は、前記保護ディスクが、前記保持部材によって保持された基板の縁部において前記不活性ガスの流路を絞る絞り部を上面に有している、請求項に記載の基板処理装置である。この構成によれば、基板の縁部において不活性ガスの流路が絞られるので、基板の周辺における不活性ガスの流速が大きくなる。これによって、保護ディスクと基板の下面との間の空間に処理液ミストが進入することを一層効果的に抑制することができる。
【0029】
請求項記載の発明は、前記不活性ガス供給手段が、前記回転台の回転中心から前記保持部材によって保持された基板の周縁部に向けて放射状に不活性ガスを吹き出す不活性ガスノズルを含む、請求項7または8に記載の基板処理装置である。この構成によれば、不活性ガスノズルから不活性ガスが放射状に吹き出されることによって、保護ディスクと基板の下面との間の空間において、回転台の回転中心から基板の周縁部に向かう不活性ガスの安定した流れを形成することができる。これにより、当該空間への処理液ミストの進入をさらに効果的に抑制できる。
請求項10記載の発明は、前記保護ディスクは、前記保持部材を縁取るように形成された切り欠きを有する、請求項5〜9のいずれか一項に記載の基板処理装置である。
請求項11記載の発明は、前記保持部材は、平面視で前記保護ディスクに重なるように前記保護ディスクよりも上方に配置された大径部と、前記大径部の外径よりも小さい外径を有しており、前記保護ディスクのまわりに配置された小径部とを含む、請求項5〜10のいずれか一項に記載の基板処理装置である。
【0030】
請求項12記載の発明は、鉛直方向に沿う回転軸線まわりに回転可能な回転台に設けられ、基板を保持する保持位置と前記保持位置から退避した退避位置との間で変位する可動保持部材によって基板を水平に保持する保持工程であって、前記可動保持部材に取り付けられた第1磁性体と前記第1磁性体との間に磁力を生じる第2磁性体とを第2相対移動機構の駆動力で相対移動させることにより、前記第1磁性体と前記第2磁性体との間の磁力によって前記可動保持部材を前記保持位置に保持する工程を含む保持工程と、前記回転台を回転させることによって、前記可動保持部材によって保持された前記基板を回転させる回転工程と、前記回転台に対して相対的に上下動可能に取り付けられ前記基板と同程度の大きさを有する保護ディスクを、当該保護ディスクに取り付けられた第1磁石と前記第2磁性体とは異なる磁石であって前記回転軸線と同軸に非回転状態で設けられた環状の第2磁石とを前記第2相対移動機構とは異なる第1相対移動機構の駆動力で接近させることによって、前記第1磁石および第2磁石間の反発力により、前記基板の下面に接近した接近位置まで前記回転台に対して相対的に浮上させて前記基板の下面を覆う下面被覆工程と、前記保持工程および前記回転工程と並行して、前記保護ディスクによって下面が覆われた前記基板の上面に処理液を供給する処理液供給工程とを含む、基板処理方法である。
【0031】
この方法によれば、回転台に取り付けられた保護ディスクで基板の下面を覆いながら、基板を回転させつつ、基板の上面に処理液を供給し、基板の上面を当該処理液によって処理できる。保護ディスクは、当該保護ディスクに取り付けられた第1磁石と非回転状態で設けられた環状の第2磁石との間に作用する反発力によって、基板の下面に接近した接近位置に浮上した状態で保持される。したがって、基板停止時や、基板の回転が低速であるときでも、保護ディスクを基板の下面に確実に接近させて、その基板の下面への処理液ミストの付着を確実に抑制できる。しかも、第1磁石および第2磁石の間の反発力を利用して保護ディスクを浮上させて保持する構成であるので、回転系に保護ディスクを上下動させる駆動手段を備える必要がない。よって、構成を複雑化することなく、必要時に保護ディスクを基板の下面に接近させることができる。また、第1磁石および第2磁石は非接触状態で反発力を伝達できるので、回転時の摩擦接触に起因するパーティクルの発生も抑制できる。
【0032】
さらに、この方法によれば、回転台に備えられる可動保持部材の保持位置への保持が磁力を利用して行われるので、可動保持部材に対する保持力の伝達も非接触状態で行うことができる。よって、一層簡単な構成で基板の上面を選択的に処理でき、かつ回転時の摩擦接触に起因するパーティクルの発生を一層抑制できる。
【0035】
請求項13記載の発明は、前記保護ディスクの前記回転台に対する上方への相対移動を、規制部材によって前記接近位置に規制する工程をさらに含む、請求項12に記載の基板処理方法である。これにより、保護ディスクを接近位置に確実に配置できるので、保護ディスクと基板の下面との相対位置関係(とくにそれらの間の間隔)を正確に規定することができる。
【0037】
請求項14記載の発明は、前記処理液供給工程と並行して、前記回転されている基板と前記接近位置に配置された前記保護ディスクとの間に不活性ガスを供給する不活性ガス供給工程をさらに含む、請求項12または13に記載の基板処理方法である。この方法により、保護ディスクと基板の下面との間の空間に不活性ガスを供給できるので、基板の下面に対する処理液ミストの付着を一層抑制できる。
【0038】
請求項15記載の発明は、前記保護ディスクが、前記可動保持部材によって保持された基板の縁部に対向する位置の上面に絞り部を有しており、前記不活性ガス供給工程と並行して、前記絞り部によって前記不活性ガスの流路を絞る工程をさらに含む、請求項14に記載の基板処理方法である。この方法によれば、基板の周縁部において不活性ガスの流路が絞られるので、保護ディスクと基板の縁部からとの間から、不活性ガスの高速な気流が外方に吹き出されることになる。それによって、保護ディスクと基板の下面との間の空間に処理液ミストが進入することを一層確実に抑制することができる。
【0039】
請求項16記載の発明は、前記不活性ガス供給工程が、前記回転台の回転中心から前記可動保持部材によって保持された基板の周縁部に向けて放射状に不活性ガスを吹き出す工程を含む、請求項14または15に記載の基板処理方法である。この方法によれば、回転台の回転中心から基板の周縁部に向かう不活性ガスの安定な気流を形成できるので、保護ディスクと基板の下面との間への処理液ミストの進入をさらに確実に抑制できる。
【0040】
請求項17記載の発明は、前記下面被覆工程と並行して実行され、前記回転台に取り付けられた側方覆い部材によって、前記保持部材によって保持された基板と前記回転台との間の空間を側方から覆う工程をさらに含む、請求項12〜16のいずれか一項に記載の基板処理方法である。この方法により、回転台と基板の下面との間に周囲の雰囲気が巻き込まれにくくなるので、回転台の周囲の気流を安定にすることができるから、処理液ミストの発生を抑制して、一層高品質な基板処理を実現することができる。
請求項18記載の発明は、鉛直方向に沿う回転軸線まわりに回転可能な回転台に設けられ、基板を保持する保持位置と前記保持位置から退避した退避位置との間で変位する可動保持部材によって基板を水平に保持する保持工程であって、前記回転軸線と同軸に非回転状態で設けられた環状の第2磁石を所定位置に配置することにより、前記第2磁石と前記可動保持部材に取り付けられた第1磁性体との間に働く磁力によって前記可動保持部材を前記保持位置に保持する工程を含む保持工程と、前記回転台を回転させることによって、前記可動保持部材によって保持された前記基板を回転させる回転工程と、前記第2磁石を前記所定位置に配置することにより、前記回転台に対して相対的に上下動可能に取り付けられ前記基板と同程度の大きさを有する保護ディスクを、前記第2磁石と前記保護ディスクに取り付けられた第1磁石との間の反発力によって、前記基板の下面に接近した接近位置まで前記回転台に対して相対的に浮上させて前記基板の下面を覆う下面被覆工程と、前記保持工程および前記回転工程と並行して、前記保護ディスクによって下面が覆われた前記基板の上面に処理液を供給する処理液供給工程と、前記処理液供給工程と並行して、前記回転されている前記基板の外方へと排出される処理液を受け部材で受ける工程と、前記処理液供給工程が行われた後、前記可動保持部材に取り付けられた前記第1磁性体と前記第2磁石とは異なる磁石であって前記受け部材の上端部に配置された解除用磁石との間の磁力によって、前記可動保持部材を前記退避位置へと変位させる解除工程とを含む、基板処理方法である。
【図面の簡単な説明】
【0041】
図1図1は、この発明の第1の実施形態に係る基板処理装置の構成を説明するための図解的な断面図である。
図2図2は、前記基板処理装置に備えられたスピンチャックのより具体的な構成を説明するための平面図である。
図3図3は、図2の構成の底面図である。
図4図4は、図2の切断面線IV−IVから見た断面図である。
図4A図4Aは、図4の構成の一部を拡大して示す拡大断面図である。
図5図5は、スピンチャックに備えられた可動ピンの近傍の構成を拡大して示す断面図である。
図6図6は、前記基板処理装置の動作例を説明するためのフローチャートである。
図7図7は、この発明の第2の実施形態に係る基板処理装置の構成を説明するための図解的な断面図である。
図8図8は、この発明の第3の実施形態に係る基板処理装置の構成を説明するための図解的な断面図である。
図9図9は、この発明の第4の実施形態に係る基板処理装置の構成を説明するための図解的な断面図である。
図10図10は、この発明の第5の実施形態に係る基板処理装置の構成を説明するための図解的な断面図である。
図11図11は、保護ディスクの位置を検出するための構成例を示す図である。
図12図12は、保護ディスクの位置を検出するための他の構成例を示す図である。
図13図13は、保護ディスクの位置を検出するためのさらに他の構成例を示す図である。
図14図14は、保護ディスクの位置を検出するためのさらに他の構成例を示す図である。
図15図15は、保持ピンおよび保護ディスクの他の構成例を示す断面図である。
図16図16は、保持ピンおよび保護ディスクの他の構成例を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0042】
以下では、この発明の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、この発明の第1の実施形態に係る基板処理装置の構成を説明するための図解的な断面図である。基板処理装置1は、半導体ウエハ等の基板Wを1枚ずつ処理する枚葉型の装置である。基板処理装置1は、スピンチャック2と、回転駆動機構3と、スプラッシュガード4と、ガード駆動機構5とを備えている。
【0043】
スピンチャック2は、鉛直方向に沿う回転軸線6のまわりに回転可能な回転台7を備えている。回転台7の回転中心の下面にボス9を介して回転軸8が結合されている。回転軸8は鉛直方向に沿って延びており、回転駆動機構3からの駆動力を受けて、回転軸線6まわりに回転するように構成されている。回転駆動機構3は、たとえば、回転軸8を駆動軸とする電動モータであってもよい。スピンチャック2は、さらに、回転台7の上面の周縁部に周方向に沿って間隔を開けて設けられた複数本(この実施形態では6本)の保持ピン10を備えている。保持ピン10は、ほぼ水平な上面を有する回転台7から一定の間隔を開けた上方の基板保持高さにおいて、基板Wを水平に保持するように構成されている。
【0044】
スピンチャック2は、さらに、回転台7の上面と保持ピン10による基板保持高さとの間に配置された保護ディスク15を備えている。保護ディスク15は、回転台7に対して上下動可能に結合されており、回転台7の上面に近い下位置と、当該下位置よりも上方において保持ピン10に保持された基板Wの下面に微小間隔を開けて接近した接近位置との間で移動可能である。保護ディスク15は、基板Wと同程度の大きさを有する円盤状の部材であって、保持ピン10に対応する位置には当該保持ピン10を回避するための切り欠きが形成されている。
【0045】
スプラッシュガード4は、スピンチャック2の周囲を側方から取り囲む筒状の部材であり、スピンチャック2に保持された基板Wから外方へと排出される処理液を受ける受け部材である。より詳細には、スプラッシュガード4は、回転軸線6と同軸の円筒部21と、円筒部21の内壁面から回転軸線6に接近する内方に向かって斜め上方に突出した上ガイド部22および下ガイド部23とを備えている。上ガイド部22は、部分円錐面に沿う形状に形成されていて、その内側縁がスピンチャック2の外方に所定の間隔を開けて配置されている。下ガイド部23は、上ガイド部22から一定の間隔を開けて下方に設けられており、やはり、部分円錐面に沿う形状を有している。下ガイド部23の内側縁は、平面視において、スピンチャック2の外周縁よりも内方にまで達している。上ガイド部22および下ガイド部23の間に、スピンチャック2に保持された基板Wから排出される処理液を受け入れるための処理液ポート24が区画されている。
【0046】
スプラッシュガード4を回転軸線6に沿って上下動させるために、ガード駆動機構5が設けられている。ガード駆動機構5は、たとえばエアシリンダやボールねじ機構のような直線駆動機構を含んでいてもよい。
基板処理装置1は、さらに、処理液供給ユニット30と、ブラシ洗浄機構35とを備えている。処理液供給ユニット30は、基板Wの表面に向けて処理液を吐出する処理液ノズル31を含み、処理液供給源32からの処理液を処理液供給管33を介して処理液ノズル31に供給するように構成されている。処理液供給管33の途中には、処理液バルブ34が介装されている。したがって、処理液バルブ34を開閉することにより、処理液ノズル31からの処理液の吐出/停止を切り換えることができる。
【0047】
ブラシ洗浄機構35は、基板Wの上面に接触して基板Wをスクラブ洗浄するための洗浄ブラシ36と、洗浄ブラシ36を先端部に保持する揺動アーム37と、揺動アーム37を駆動するためのアーム駆動機構38とを備えている。アーム駆動機構38は、揺動アーム37を水平面に沿って揺動させたり、揺動アーム37を上下動させたりすることができるように構成されている。この構成により、基板Wがスピンチャック2に保持されて回転しているときに、洗浄ブラシ36を基板Wの上面に押し付け、かつその押し付け位置を基板Wの半径方向に移動させることにより、基板Wの上面の全域をスクラブ洗浄することができる。
【0048】
このスクラブ洗浄の際に、処理液ノズル31から処理液(たとえば純水(deionized water:脱イオン水))が供給されることによって、基板Wの表面の異物が取れやすくなり、また、洗浄ブラシ36によって擦り落とされた異物を基板外へと排出することができる。
回転軸8は、中空軸であって、その内部に、不活性ガス供給管70が挿通されている。不活性ガス供給管70の下端には不活性ガス供給源71からの不活性ガスを導く不活性ガス供給路72が結合されている。不活性ガス供給路72の途中には不活性ガスバルブ73が介装されている。不活性ガスバルブ73は、不活性ガス供給路72を開閉する。不活性ガスバルブ73を開くことによって、不活性ガス供給管70へと不活性ガスが送り込まれる。この不活性ガスは、後述する構成によって、保護ディスク15と基板Wの下面との間の空間に供給される。このように、不活性ガス供給管70、不活性ガス供給源71、不活性ガス供給路72および不活性ガスバルブ73などによって、不活性ガス供給ユニット74が構成されている。
【0049】
基板処理装置1は、その各部の制御のために制御装置40を備えている。制御装置40は、回転駆動機構3、ガード駆動機構5、処理液バルブ34、アーム駆動機構38、不活性ガスバルブ73などを制御するように構成されている。
図2はスピンチャック2のより具体的な構成を説明するための平面図であり、図3はその底面図であり、図4図2の切断面線IV−IVから見た断面図である。
【0050】
回転台7は、水平面に沿った円盤状に形成されていて、回転軸8に結合されたボス9に結合されている。複数本の保持ピン10は、回転台7の上面の周縁部に周方向に沿って等間隔に配置されている。保持ピン10は、回転台7に対して不動の固定ピン11と、回転台7に対して可動の可動ピン12とを含む。この実施形態では、隣り合って配置された2本の保持ピン10が可動ピン12とされている。保持ピン10は、それぞれ、回転台7に結合された下軸部51と、下軸部51の上端に一体的に形成された上軸部52とを含み、下軸部51および上軸部52がそれぞれ円柱形状に形成されている。上軸部52は、下軸部51の中心軸線から偏心して設けられている。下軸部51の上端と上軸部52の下端との間をつなぐ表面は、上軸部52から下軸部51の周面に向かって下降するテーパ面53を形成している。
【0051】
可動ピン12は、図5に図解されている通り、下軸部51がその中心軸線と同軸の回転軸線12aまわりに回転可能であるように回転台7に結合されている。より詳細には、下軸部51の下端部には、回転台7に対して軸受け54を介して支持された支持軸55が設けられている。支持軸55の下端には、ピン駆動用永久磁石56を保持した磁石保持部材57が結合されている。ピン駆動用永久磁石56は、たとえば、磁極方向を可動ピン12の回転軸線12aに対して直交する方向に向けて配置されている。
【0052】
保護ディスク15は、基板Wと同程度の大きさを有するほぼ円盤状の部材である。保護ディスク15の外周部には、保持ピン10に対応する位置に、保持ピン10の外周面から一定の間隔を確保して当該保持ピン10を縁取るように切り欠き16が形成されている。保護ディスク15の中央領域には、ボス9に対応した円形の開口が形成されている。
ボス9よりも回転軸線6から遠い位置には、保護ディスク15の下面に、回転軸線6と平行に鉛直方向に延びたガイド軸17が結合されている。ガイド軸17は、この実施形態では、保護ディスク15の周方向に等間隔を開けた3箇所に配置されている。より具体的には、回転軸線6から見て、1本おきの保持ピン10に対応する角度位置に3本のガイド軸17がそれぞれ配置されている。ガイド軸17は、回転台7の対応箇所に設けられたリニア軸受け18と結合されており、このリニア軸受け18によって案内されながら、鉛直方向、すなわち回転軸線6に平行な方向へ移動可能である。したがって、ガイド軸17およびリニア軸受け18は、保護ディスク15を回転軸線6に平行な上下方向に沿って案内する案内機構19を構成している。
【0053】
ガイド軸17は、リニア軸受け18を貫通しており、その下端に、外向きに突出したフランジ20を備えている。フランジ20がリニア軸受け18の下端に当接することにより、ガイド軸17の上方への移動、すなわち保護ディスク15の上方への移動が規制される。すなわち、フランジ20は、保護ディスクの上方への移動を規制する規制部材である。
ガイド軸17よりも回転軸線6から遠い外方であって、かつ保持ピン10よりも回転軸線6に近い内方の位置には、保護ディスク側永久磁石60を保持した磁石保持部材61が、保護ディスク15の下面に固定されている。保護ディスク側永久磁石60は、この実施形態では、磁極方向を上下方向に向けて磁石保持部材61に保持されている。たとえば、保護ディスク側永久磁石60は、下側にS極を有し、上側にN極を有するように磁石保持部材61に固定されていてもよい。磁石保持部材61は、この実施形態では、周方向に等間隔を開けて6箇所に設けられている。より具体的には、回転軸線6から見て、隣り合う保持ピン10の間(この実施形態では中間)に対応する角度位置に、各磁石保持部材61が配置されている。さらに、回転軸線6からみて6個の磁石保持部材61によって分割(この実施形態では等分)される6個の角度領域のうち、一つおきの角度領域内(この実施形態では当該角度領域の中央位置)に、3本のガイド軸17がそれぞれ配置されている。
【0054】
回転台7には、6個の磁石保持部材61に対応する6箇所に、貫通孔62が形成されている。各貫通孔62は、対応する磁石保持部材61をそれぞれ回転軸線6と平行な鉛直方向に挿通させることができるように形成されている。保護ディスク15が下位置にあるとき、図1に示すように、磁石保持部材61は貫通孔62を挿通して回転台7の下面よりも下方に突出しており、保護ディスク側永久磁石60は、回転台7の下面よりも下方に位置している。
【0055】
スプラッシュガード4の下ガイド部23は、その上端縁(内側縁)に、ガード側永久磁石25を保持した磁石保持部26を有している。ガード側永久磁石25は、回転軸線6と同軸の円環状に形成されていて、回転軸線6に直交する平面(水平面)に沿って配置されている。ガード側永久磁石25は、より具体的には、回転軸線6に対して、保護ディスク側永久磁石60よりも遠く、かつピン駆動用永久磁石56よりも近い位置に配置されている。つまり、平面視において、円環状のガード側永久磁石25は、保護ディスク側永久磁石60とピン駆動用永久磁石56との間に位置している。また、ガード側永久磁石25は、保護ディスク側永久磁石60よりも低い位置に配置されている。ガード側永久磁石25の磁極方向は、この実施形態では、水平方向、すなわち回転台7の回転半径方向に沿っている。保護ディスク側永久磁石60が下面にS極を有する場合には、ガード側永久磁石25は、回転半径方向内方に同じ磁極、すなわちS極をリング状に有するように構成される。
【0056】
スプラッシュガード4が基板Wから外方に排出される処理液を受ける処理位置(図4参照)に配置されているとき、上ガイド部22および下ガイド部23の間に区画された処理液ポート24は、基板Wに対して水平方向に対向している。この処理位置にスプラッシュガード4があるとき、ガード側永久磁石25は、その半径方向外方に配置されたリング状の磁極をピン駆動用永久磁石56に対して水平方向に対向させる。これによって、ガード側永久磁石25とピン駆動用永久磁石56との間に働く磁力によって、可動ピン12が保持位置へと駆動されて、その保持位置に保持されることになる。
【0057】
前述のとおり、可動ピン12は、回転軸線12aから偏心した位置に上軸部52を有している(図5参照)。したがって、下軸部51の回転により、上軸部52は、回転軸線6から離れた遠い開放位置と、回転軸線6に近づいた保持位置との間で変位することになる。ピン駆動用永久磁石56は、ガード側永久磁石25からの吸引磁力を受けたときに、上軸部52が回転軸線6に近づいた保持位置へと移動するように配置されている。ガード側永久磁石25は回転軸線6と同軸の円環状に形成されているので、可動ピン12の回転軸線6まわりの回転位置によらずに、すなわち回転台7が回転中であっても、ガード側永久磁石25とピン駆動用永久磁石56との間の吸引磁力が保持され、それによって、可動ピン12は基板Wを保持する保持位置に保持される。
【0058】
一方、スプラッシュガード4が処理位置(図4参照)にあるとき、ガード側永久磁石25と保護ディスク側永久磁石60との間に反発磁力が働き、保護ディスク側永久磁石60は、上向きの外力を受ける。それによって、保護ディスク15は、保護ディスク側永久磁石60を保持している磁石保持部材61から上向きの力を受けて、基板Wの下面に接近した処理位置に保持される。
【0059】
スプラッシュガード4がスピンチャック2の側方から退避した退避位置まで下降されているとき、ガード側永久磁石25と保護ディスク側永久磁石60との間の反発磁力は小さく、そのため、保護ディスク15は、自重によって回転台7の上面に近い下位置に保持される。また、ガード側永久磁石25がピン駆動用永久磁石56に対向しないので、可動ピン12には、当該可動ピン12をその保持位置へと付勢する外力が働かない。
【0060】
この実施形態では、スプラッシュガード4には、上ガイド部22よりもさらに上方に、解除用永久磁石27を保持した磁石保持部28が設けられている。スプラッシュガード4が下位置にあるとき、解除用永久磁石27が、ピン駆動用永久磁石56に対向する。解除用永久磁石27は、回転軸線6と同軸の円環状に形成されていて、回転台7の回転半径内方にリング状の磁極を有している。この回転半径内方の磁極は、ガード側永久磁石25の回転半径外方の磁極と同極性である。解除用永久磁石27は、ピン駆動用永久磁石56に対して、可動ピン12を開放位置へと回転変位させる磁力を発生する。より具体的には、ガード側永久磁石25が外側にリング状のN極を有しているとすれば、解除用永久磁石27は内側にリング状のN極を有するように構成しておけばよい。
【0061】
このようにして、スプラッシュガード4が下位置にあるとき、保護ディスク15は回転台7の上面に近い下位置にあり、可動ピン12はその開放位置に保持されることになる。この状態では、スピンチャック2に対して基板Wを搬入および搬出する基板搬送ロボットは、その基板保持ハンド45を保護ディスク15と基板Wの下面との間の空間に進入させることができる。
【0062】
保護ディスク側永久磁石60と、ガード側永久磁石25と、スプラッシュガード4を昇降させるガード駆動機構5とは、永久磁石25,60の間の反発力によって保護ディスク15を回転台7の表面から上方へと浮上させて処理位置へと導く磁気浮上機構41を構成している。また、ピン駆動用永久磁石56と、ガード側永久磁石25と、ガード駆動機構5とは、永久磁石25,56の間の磁力によって可動ピン12をその保持位置に保持する磁気駆動機構42を構成している。
【0063】
すなわち、磁気浮上機構41および磁気駆動機構42は、ガード側永久磁石25と、ガード側永久磁石25を支持する支持部材としてのスプラッシュガード4と、スプラッシュガード4を昇降させるガード駆動機構5とを共有している。そして、スプラッシュガード4が処理位置にあるときに、ガード側永久磁石25と保護ディスク側永久磁石60との間の磁気反発力によって保護ディスク15が接近位置に保持され、かつガード側永久磁石25とピン駆動用永久磁石56との間の磁気吸引力によって可動ピン12がその保持位置に保持される。
【0064】
図4Aに拡大して示すように、回転軸8の上端に結合されたボス9は、不活性ガス供給管70の上端部を支持するための軸受け機構75を保持している。軸受け機構75は、ボス9に形成された凹所76に嵌め込まれて固定されたスペーサ77と、スペーサ77と不活性ガス供給管70との間に配置された軸受け78と、同じくスペーサ77と不活性ガス供給管70との間において軸受け78よりも上方に設けられた磁性流体軸受け79とを備えている。
【0065】
ボス9は、水平面に沿って外方に突出したフランジ81を一体的に有しており、このフランジ81に回転台7が結合されている。さらに、フランジ81には、回転台7の内周縁部を挟み込むように前述のスペーサ77が固定されていて、このスペーサ77に、カバー84が結合されている。カバー84は、ほぼ円盤状に形成されており、不活性ガス供給管70の上端を露出させるための開口を中央に有し、この開口を底面とした凹所85がその上面に形成されている。凹所85は、水平な底面と、その底面の周縁から外方に向かって斜め上方に立ち上がった倒立円錐面状の傾斜面83とを有している。凹所85の底面には、整流部材86が結合されている。整流部材86は、回転軸線6のまわりに周方向に沿って間隔を開けて離散的に配置された複数個(たとえば4個)の脚部87を有し、この脚部87によって凹所85の底面から間隔をあけて配置された底面88を有している。底面88の周縁部から、外方に向かって斜め上方へと延びた倒立円錐面からなる傾斜面89が形成されている。
【0066】
カバー84の上面外周縁には外向きにフランジ84aが形成されている。このフランジ84aは、保護ディスク15の内周縁に形成された段差部15aと整合するようになっている。すなわち、保護ディスク15が基板Wの下面に接近した接近位置にあるとき、フランジ84aと段差部15aとが合わさり、カバー84の上面と保護ディスク15の上面とが同一平面内に位置して、平坦な不活性ガス流路を形成する。
【0067】
このような構成により、不活性ガス供給管70の上端から流出する不活性ガスは、カバー84の凹所85内において整流部材86の底面88によって区画された空間に出る。この不活性ガスは、さらに、凹所85の傾斜面83および整流部材86の傾斜面89によって区画された放射状の流路82を介して、回転軸線6から離れる放射方向に向かって吹き出されることになる。この不活性ガスは、保護ディスク15と保持ピン10によって保持された基板Wの下面との間の空間に不活性ガスの気流を形成し、当該空間から基板Wの回転半径方向外方へ向かって吹き出す。
【0068】
保護ディスク15は、保持ピン10によって保持された基板Wの周縁部において不活性ガスの流路を絞る絞り部90を上面に有している。絞り部90は、この実施形態では、保護ディスク15の周縁から上方に立ち上がった突条からなる。この構成によって、保護ディスク15と基板Wの下面との間の空間から外方に吹き出される不活性ガス流の流速が高速になるので、基板Wの下面の空間への雰囲気(とくに処理液のミスト)が進入することを確実に回避または抑制することができる。
【0069】
図6は、基板処理装置1の動作例を説明するためのフローチャートである。処理対象の基板Wは、基板搬送ロボットの基板保持ハンド45によって当該基板処理装置1内に搬入され、スピンチャック2に渡される(ステップS1)。このとき、スプラッシュガード4はスピンチャック2の側方から下方に退避した退避位置(下位置)に配置されている。よって、ピン駆動用永久磁石56には解除用永久磁石27が対向していて、可動ピン12は開放位置に保持されている。また、スプラッシュガード4の下ガイド部23に保持されたガード側永久磁石25は回転台7から下方に遠く離れているので、ガード側永久磁石25と保護ディスク側永久磁石60との間に働く反発磁力は小さい。そのため、保護ディスク15は回転台7の上面に近接した下位置に位置している。よって、保持ピン10による基板保持高さと保護ディスク15の上面との間には、基板保持ハンド45が入り込むことができる十分な空間が確保されている。
【0070】
基板保持ハンド45は、保持ピン10の上端よりも高い位置で基板Wを保持した状態で当該基板Wをスピンチャック2の上方まで搬送する。その後、基板保持ハンド45は、回転台7の上面に向かって下降する。その過程において、基板Wが、基板保持ハンド45から保持ピン10に渡される。基板保持ハンド45は、基板Wの下面と保護ディスク15との間の空間まで下降し、その後、保持ピン10の間を通ってスピンチャック2の側方へと退避していく。
【0071】
次に、制御装置40は、ガード駆動機構5を制御して、スプラッシュガード4を処理位置まで上昇させる(ステップS2)。これによって、上ガイド部22および下ガイド部23によって区画される処理液ポート24が、スピンチャック2の側方、より具体的には基板Wの側方に対向する。また、下ガイド部23の内方縁に保持された円環状のガード側永久磁石25がピン駆動用永久磁石56に対向する。それによって、可動ピン12が開放位置から保持位置へと駆動されて、その保持位置に保持される。こうして、固定ピン11および可動ピン12によって基板Wが握持される。さらにまた、スプラッシュガード4が処理位置へと上昇する過程で、ガード側永久磁石25が保護ディスク側永久磁石60に下方から接近して、それらの永久磁石25,60の間の距離が縮まり、それに応じて、それらの間に働く反発磁力が大きくなる。この反発磁力によって、保護ディスク15が回転台7の上面から基板Wに向かって浮上する。そして、スプラッシュガード4が処理位置に達するときまでに、保護ディスク15が基板Wの下面に微小間隔を開けて接近した接近位置に達し、ガイド軸17の下端に形成されたフランジ20がリニア軸受け18に当接する。これにより、保護ディスク15は、前記接近位置に保持されることになる。
【0072】
この状態で、制御装置40は不活性ガスバルブ73を開き、不活性ガスの供給を開始する(ステップS3)。供給された不活性ガスは、不活性ガス供給管70の上端から吐出され、整流部材86等の働きによって、接近位置にある保護ディスク15と基板Wの下面との間の狭空間に向かって、回転軸線6を中心とした放射状に吹き出される。この不活性ガスは、さらに、保護ディスク15の周縁部に形成された絞り部90と基板Wの下面の周縁部との間に形成されるオリフィスによって加速され、基板Wの側方に高速な吹き出し気流を形成する。
【0073】
制御装置40は、さらに、回転駆動機構3を制御して、回転台7の回転を開始し、これによって基板Wを回転軸線6まわりに回転させる(ステップS4)。回転速度は、たとえば、100rpm程度とされてもよい。その状態で、制御装置40は、処理液バルブ34を開く。これによって、処理液ノズル31から基板Wの上面に向けて処理液が供給される(ステップS5)。供給された処理液は、基板Wの上面において遠心力を受け、その外方へと広がり、基板Wの表面の全域に至る。基板Wから遠心力によって外方へと排出される処理液は、スプラッシュガード4によって受けられて、排液されることになる。一方、制御装置40は、アーム駆動機構38を制御することにより、ブラシ洗浄機構35による基板Wの上面のスクラブ洗浄を実行する(ステップS6)。したがって、基板Wの上面に対して、処理液を供給しながら洗浄ブラシ36によるスクラブ洗浄が行われることになる。
【0074】
このような基板処理の間、基板Wの下面は、保護ディスク15によって覆われた状態となっている。しかも、保護ディスク15と基板Wの下面との間の空間には、外向きの不活性ガス気流が形成されており、この不活性ガスが外方へと高速に吹き出している。そのため、スピンチャック2の周辺に処理液のミストが分散したとしても、このようなミストが基板Wの下面に付着することを回避または抑制することができる。よって、基板Wの下面に対してバックリンス等の処理を施すことなく、その乾燥状態を保持したままで、当該基板Wの下面への処理液ミストの付着を回避または抑制しながら、基板Wの上面に対する選択的なスクラブ洗浄処理を実行することができる。
【0075】
このようなスクラブ洗浄の後、制御装置40は、アーム駆動機構38を制御して洗浄ブラシ36をスピンチャック2の上方からその側方へと退避させ、処理液バルブ34を閉じて、処理液ノズル31からの処理液の吐出を停止させる(ステップS7)。さらに、制御装置40は、回転駆動機構3を制御することによって、回転台7の回転速度を加速する。これにより、基板Wの上面および周端面の液滴を遠心力によって振り切ることにより基板Wを乾燥させるスピンドライ処理が実行される(ステップS8)。このスピンドライ処理のときの基板Wの回転速度は、たとえば1500〜3000rpmである。
【0076】
予め定める時間だけスピンドライ処理を行った後、制御装置40は、回転駆動機構3を制御して基板Wの回転を停止させる(ステップS9)。さらに、制御装置40は、不活性ガスバルブ73を閉じて、不活性ガスの供給を停止する(ステップS10)。そして、制御装置40は、ガード駆動機構5を制御することにより、スプラッシュガード4を下方の退避位置へと下降させる(ステップS11)。スプラッシュガード4が下降する過程で、ガード側永久磁石25と保護ディスク側永久磁石60との間の距離が広がり、それらの間の磁気反発力が減少していく。それに伴い、保護ディスク15は、その自重によって、案内機構19によって案内されながら、回転台7の上面に向かって降下していく。これにより、保護ディスク15の上面と基板Wの下面との間には、基板搬送ロボットの基板保持ハンド45を進入させることができるだけの空間が確保される。一方、ガード側永久磁石25はピン駆動用永久磁石56に対向しなくなるので、可動ピン12を保持位置へと付勢する外力が失われる。代わって、解除用永久磁石27がピン駆動用永久磁石56に対向することにより、可動ピン12は開放位置へと付勢されることになる。これによって、基板Wの握持が解除される。
【0077】
次いで、制御装置40は、基板搬送ロボットを制御し、基板保持ハンド45を保護ディスク15と基板Wの下面との間に確保された空間に進入させる。そして、基板保持ハンド45は、保持ピン10に保持されている基板Wをすくい取り、その後に、スピンチャック2の側方へと退避する。こうして、処理済みの基板Wが搬出される(ステップS12)。
以上のようにこの実施形態によれば、スプラッシュガード4に保持されたガード側永久磁石25は、回転軸線6と同軸の円環状に形成されているので、回転台7の回転中において、終始、ピン駆動用永久磁石56に対向し、かつ保護ディスク側永久磁石60に対して十分な磁気反発力を与え続ける。これにより、回転台7の回転中において、可動ピン12を保持位置へと付勢する外力と、保護ディスク15を基板Wの下面に接近した接近位置に保持するための外力とを、非回転系に配置されたガード側永久磁石25から非接触状態で与えることができる。しかも、回転台7の回転を利用して駆動力を得る構成ではないので、スクラブ洗浄処理工程のように基板Wが低速回転しているときであっても、また、たとえ基板Wの回転が停止しているときであっても、可動ピン12は十分な基板保持力を発揮でき、かつ保護ディスク15は確実に接近位置に保たれる。よって、基板Wの下面に処理液ミストが付着することを確実に回避または抑制しながら、基板Wの上面に対する処理を行うことができる。
【0078】
また、この実施形態においては、保護ディスク15を回転台7の上方で浮上させる磁気浮上機構41と、可動ピン12を駆動するための磁気駆動機構42とが、スプラッシュガード4に保持されたガード側永久磁石25を共通に利用する構成となっている。そのため、スプラッシュガード4を昇降するためのガード駆動機構5を、磁気浮上機構41および磁気駆動機構42の駆動源として共用することができ、それによって構成を著しく簡単にすることができる。さらにまた、磁気浮上機構41および磁気駆動機構42は、回転台7とともに回転する回転系に駆動手段を組み込んだ構成ではないため、それらの構成も簡単であって、それによって基板処理装置1の構成を一層簡単にすることができる。さらにまた、磁気浮上機構41および磁気駆動機構42は、磁力を用いて、非接触で非回転系から回転系へと駆動力を伝達する構成であるので、回転台7の回転時に駆動力伝達経路で摩擦接触が生じない。それによって、パーティクルの発生を低減して、清浄度の高い基板処理を実現することができる。
【0079】
さらにまた、この実施形態では、接近位置にある保護ディスク15と基板Wの下面との間の空間に不活性ガスが供給されるため、基板Wの下面への処理液ミストの付着を一層効果的に回避または抑制することができる。そして、整流部材86等の働きによって、回転軸線6から基板Wの外周縁に向かって放射状に不活性ガスが吹き出されるので、基板Wの下面と保護ディスク15との間に不活性ガスの安定な外向き気流を形成することができる。これによっても、基板Wの下面への処理液ミストの付着をより一層効果的に回避または抑制できる。そしてまた、保護ディスク15の外周縁には絞り部90が設けられていて、基板Wの外周縁近傍において、不活性ガスの高速な外向き気流を形成できるようになっている。これによって、処理液ミストが保護ディスク15と基板Wの下面との間の空間に進入することをさらに効果的に回避または抑制できる。
【0080】
図7は、この発明の第2の実施形態に係る基板処理装置102の構成を説明するための図解的な断面図である。図7において、図1の各部の対応部分には同一参照符号を付す。第1の実施形態では、スプラッシュガード4を昇降するためのガード駆動機構5を磁気浮上機構41および磁気駆動機構42のための駆動源として兼用しているが、この第2の実施形態においては、磁気浮上機構41のための専用の駆動源が設けられている。
【0081】
すなわち、この第2の実施形態においては、磁気浮上機構41は、保護ディスク側永久磁石60と、ディスク昇降用永久磁石64と、昇降アクチュエータ65とを含む。ディスク昇降用永久磁石64は、回転軸線6を中心として水平面に沿って配置された円環状の永久磁石片であり、保護ディスク側永久磁石60に対して下方から対向する円環状の磁極を有している。その磁極の極性は、保護ディスク側永久磁石60の下側の磁極と同じ極性である。したがって、ディスク昇降用永久磁石64は、保護ディスク側永久磁石60に対して、上向きの反発磁力を作用させる。ディスク昇降用永久磁石64は、円環状の磁石保持部材66に内蔵されて保持されている。磁石保持部材66に、昇降アクチュエータ65の作動軸65aが結合されている。
【0082】
昇降アクチュエータ65は、たとえば、エアシリンダからなり、作動軸65aを回転軸線6に平行な方向に上下動させるように構成されている。昇降アクチュエータ65の動作は、制御装置40によって制御される。これにより、昇降アクチュエータ65は、ディスク昇降用永久磁石64を上位置と下位置とに配置できる。下位置は、ディスク昇降用永久磁石64が回転台7から充分に下方に位置し、ディスク昇降用永久磁石64と保護ディスク側永久磁石60との間に、それらの間の磁気反発力が保護ディスク15に作用する重力をよりも小さくなるような充分な距離が確保されるように設定されている。上位置は、下位置よりも上方の位置であり、ディスク昇降用永久磁石64と保護ディスク側永久磁石60との間の磁気反発力によって、磁石保持部材61に結合された保護ディスク15が基板Wの下面に接近した接近位置(処理高さ)まで上昇させられる位置に設定されている。
【0083】
したがって、昇降アクチュエータ65を作動させてディスク昇降用永久磁石64を下位置から上位置まで上昇させると、その過程で、ディスク昇降用永久磁石64と保護ディスク側永久磁石60との間の磁気反発力が保護ディスク15に作用する重力およびその他の上昇抵抗力(摩擦力等)を上回る。それにより、保護ディスク15が回転台7の上面から浮上し、基板Wの下面に接近した接近位置(処理高さ)まで上昇する。保護ディスク15の上昇は、ガイド軸17の下端に設けられたフランジ20がリニア軸受け18の下端に当接することによって規制される。一方、昇降アクチュエータ65を作動させてディスク昇降用永久磁石64を上位置から下位置まで下降させると、その過程で、保護ディスク15に作用する重力が、ディスク昇降用永久磁石64と保護ディスク側永久磁石60との間の磁気反発力およびその他の下降抵抗力(摩擦力等)を上回る。それにより、保護ディスク15が接近位置から下降して、回転台7に到達する。
【0084】
このように、第2の実施形態では、磁気浮上機構41は、専用のディスク昇降用永久磁石64と、それを上下動させる専用の昇降アクチュエータ65とを有している。これにより、保護ディスク15の上下動を、スプラッシュガード4の昇降動作および可動ピン12の駆動から独立させることができる。したがって、たとえば、スプラッシュガード4に上下方向に積層された複数の処理液ポートを設け、処理液の種類に応じて処理液ポートを切り換えて用いる場合に、処理液ポートの切り換えと関係なく、保護ディスク15を接近位置に保持することが可能になる。
【0085】
図8は、この発明の第3の実施形態に係る基板処理装置103の構成を説明するための図解的な断面図である。図8において、図7の各部の対応部分には同一参照符号を付す。この第3の実施形態においても、第2の実施形態と同様に、磁気浮上機構41のための専用の駆動源が設けられている。
すなわち、この第3の実施形態においては、磁気浮上機構41は、保護ディスク側永久磁石60と、ディスク昇降用永久磁石64と、昇降アクチュエータ111とを含む。ディスク昇降用永久磁石64は、回転軸線6を中心として水平面に沿って配置された円環状の永久磁石片であり、保護ディスク側永久磁石60に対して下方から対向する円環状の磁極を有している。その磁極の極性は、保護ディスク側永久磁石60の下側の磁極と同じ極性である。したがって、ディスク昇降用永久磁石64は、保護ディスク側永久磁石60に対して、上向きの反発磁力を作用させる。ディスク昇降用永久磁石64は、円環状の磁石保持部材66に内蔵されて保持されている。磁石保持部材66に、昇降アクチュエータ111の作動部材111aが結合されている。
【0086】
昇降アクチュエータ111は、ボールねじ機構112および電動モータ113を含み、作動部材111aを回転軸線6に平行な方向に上下動させるように構成されている。ボールねじ機構112は、回転軸線6に平行な上下方向に沿って配置されたねじ軸114と、ねじ軸114に螺合したボールナット115とを含み、ボールナット115に作動部材111aが結合されている。ねじ軸114の上端は軸受け116に支持されており、ねじ軸114の下端はカップリング117を介して電動モータ113の駆動軸113aに結合されている。電動モータ113には、その駆動軸113aの回転位置を検出する回転位置検出ユニット118が付設されている。回転位置検出ユニット118は、たとえば、ロータリエンコーダを含み、その出力信号は制御装置40に入力されている。
【0087】
昇降アクチュエータ111の動作、より具体的には電動モータ113の動作は、制御装置40によって制御される。これにより、昇降アクチュエータ111は、ディスク昇降用永久磁石64を上位置と下位置との間の任意の高さに配置できる。下位置は、ディスク昇降用永久磁石64が回転台7から充分に下方に位置し、ディスク昇降用永久磁石64と保護ディスク側永久磁石60との間に、それらの間の磁気反発力が保護ディスク15に作用する重力をよりも小さくなるような充分な距離が確保されるように設定されている。上位置は、下位置よりも上方の位置であり、ディスク昇降用永久磁石64と保護ディスク側永久磁石60との間の磁気反発力によって、磁石保持部材61に結合された保護ディスク15が基板Wの下面に接近した接近位置(処理高さ)まで上昇させられる位置に設定されている。
【0088】
したがって、昇降アクチュエータ111を作動させてディスク昇降用永久磁石64を下位置から上位置まで上昇させると、その過程で、ディスク昇降用永久磁石64と保護ディスク側永久磁石60との間の磁気反発力が保護ディスク15に作用する重力およびその他の上昇抵抗力(摩擦力等)を上回る。それにより、保護ディスク15が回転台7の上面から浮上し、基板Wの下面に接近した接近位置(処理高さ)まで上昇する。保護ディスク15の上昇は、ガイド軸17の下端に設けられたフランジ20がリニア軸受け18の下端に当接することによって規制される。一方、昇降アクチュエータ111を作動させてディスク昇降用永久磁石64を上位置から下位置まで下降させると、その過程で、保護ディスク15に作用する重力が、ディスク昇降用永久磁石64と保護ディスク側永久磁石60との間の磁気反発力およびその他の下降抵抗力(摩擦力等)を上回る。それにより、保護ディスク15が接近位置から下降して、回転台7に到達する。
【0089】
昇降アクチュエータ111は、ボールねじ機構112等で構成されているので、ディスク昇降用永久磁石64の位置を、前述のような上位置と下位置との間の任意の中間位置に制御することもできる。より具体的には、制御装置40は、回転位置検出ユニット118の出力信号を参照することによって電動モータ113の駆動軸113aの回転位置を検出し、その回転位置に基づいて、ディスク昇降用永久磁石64の高さを間接的に検出する。これにより、制御装置40は、ディスク昇降用永久磁石64の高さを、上位置と下位置との間の任意の高さに制御できる。これにより、保護ディスク15の位置を、上下2つの位置だけでなく、回転台7とスピンチャック2上における基板保持高さとの間の任意の高さ位置に制御できる。
【0090】
制御装置40は、基板Wに対する処理内容に応じて保護ディスク15の高さを変更するようにプログラムされていてもよい。たとえば、洗浄ブラシ36によって基板Wの上面をスクラブ洗浄するときには、基板Wが下方に撓む。そこで、制御装置40は、保護ディスク15を回転台7から浮上させ、基板Wが下方に撓んだときにも保護ディスク15に接触しないように設定したスクラブ洗浄高さに配置してもよい。すなわち、制御装置40は、保護ディスク15がこのような高さとなるように、昇降アクチュエータ111を制御してもよい。一方、基板Wに対して薬液やリンス液を供給するだけでスクラブ洗浄を行わない液処理や、基板Wを回転させて液成分を振り切るスピンドライ処理のときは、基板Wが大きく下方に撓むことはない。そこで、制御装置は、スクラブ洗浄高さよりも上方に保護ディスク15を配置し、保護ディスク15と基板Wの下面との距離を狭めるように昇降アクチュエータ111を制御してもよい。これにより、基板Wの下面への処理液ミストの侵入をより確実に防ぐことができる。
【0091】
このように、第3の実施形態においても、磁気浮上機構41は、専用のディスク昇降用永久磁石64と、それを上下動させる専用の昇降アクチュエータ111とを有している。これにより、保護ディスク15の上下動を、スプラッシュガード4の昇降動作および可動ピン12の駆動から独立させることができる。それに加えて、昇降アクチュエータ111は、保護ディスク15を回転台7と基板保持高さとの間の任意の高さに制御できるように構成されているので、処理内容等に応じて保護ディスク15と基板Wの下面との間を適切に調整することができる。
【0092】
図9は、この発明の第4の実施形態に係る基板処理装置104の構成を説明するための図解的な断面図である。図9において、図8の各部の対応部分には同一参照符号を付す。
この実施形態では、ディスク昇降用永久磁石64(以下「第1のディスク昇降用永久磁石64」などという。)に加えて、保護ディスク側永久磁石60に上方から対向する第2のディスク昇降用永久磁石67が設けられている。すなわち、保護ディスク側永久磁石60は、第1および第2のディスク昇降用永久磁石64,67によって、上下から挟まれている。第2のディスク昇降用永久磁石67は、回転軸線6を中心として水平面に沿って配置された円環状の永久磁石片であり、保護ディスク側永久磁石60に対して上方から対向する円環状の磁極を有している。その磁極の極性は、保護ディスク側永久磁石60の上側の磁極と同じ極性である。したがって、第2のディスク昇降用永久磁石67は、保護ディスク側永久磁石60に対して、下向きの反発磁力を作用させる。したがって、保護ディスク側永久磁石60は、下方からは第1のディスク昇降用永久磁石64からの上向き反発磁力を受け、上方からは第2のディスク昇降用永久磁石67からの下向き反発磁力を受ける。そして、保護ディスク側永久磁石60は、それらの反発磁力および保護ディスク15等に作用する重力等が均衡する位置において、第1および第2のディスク昇降用永久磁石64,67の間に非接触で保持される。
【0093】
第1および第2のディスク昇降用永久磁石64,67は、円環状の磁石保持部材68に内蔵されて保持されている。磁石保持部材68に、昇降アクチュエータ111の作動部材111aが結合されている。磁石保持部材68は、周方向に直交する断面が横向きU字状(この実施形態では外向きのU字状)となるように構成されており、第1のディスク昇降用永久磁石64を保持する円環状の下保持部68aと、第2のディスク昇降用永久磁石67を保持する円環状の上保持部68bと、これらの内側縁同士を結合する円筒状の連結筒部68cとを含む。下保持部68aおよび上保持部68bの間には、連結筒部68cの外側に、保護ディスク側永久磁石60を収容するための空間が形成されている。この空間内に磁石保持部材61の先端部61aが回転半径方向外方側から挿入されている。
【0094】
磁石保持部材61は、この実施形態では、保護ディスク15から垂れ下がった垂れ下がり部61bと、その下端から回転軸線6に接近するように内方に延びた先端部61aとを有し、略L字状に形成されている。その先端部61aに、保護ディスク側永久磁石60が埋設されている。
第1および第2のディスク昇降用永久磁石64,67は、いずれも円環状の磁極を有しているので、スピンチャック2がいずれの回転位置にあるときでも、保護ディスク側永久磁石60は、第1および第2のディスク昇降用永久磁石64,67からの磁力を受けて、それらの間に非接触状態で保持される。
【0095】
このような構成により、第3の実施形態と同様の作用効果を実現できる。加えて、保護ディスク側永久磁石60が上下から磁気反発力を受けるので、その上下位置を正確に制御できる。これにより、保護ディスク15の位置制御精度を高めることができ、基板Wの下面への処理液ミスト等の付着を一層抑制できる。
図10は、この発明の第5の実施形態に係る基板処理装置105の構成を説明するための図解的な断面図である。図10において、図7の各部の対応部分には同一参照符号を付す。この第5の実施形態においても、第2の実施形態と同様に、磁気浮上機構41のための専用の駆動源が設けられている。
【0096】
すなわち、この第5の実施形態においては、磁気浮上機構41は、保護ディスク側永久磁石60と、ディスク昇降用電磁石装置97と、高さ制御用電磁石装置98とを含む。
ディスク昇降用電磁石装置97は、回転軸線6を中心として水平面に沿って配置された円環状の磁極97aを有し、この円環状の磁極97aが、保護ディスク側永久磁石60に対して下方から対向している。ディスク昇降用電磁石装置97に第1方向の電流を通電して励磁すると、磁極97aには、保護ディスク側永久磁石60の下側の磁極と同じ極性の磁極が現れる。また、ディスク昇降用電磁石装置97に第1方向とは反対の第2方向の電流を通電して励磁すると、磁極97aには、保護ディスク側永久磁石60の下側の磁極とは異なる極性の磁極が現れる。したがって、ディスク昇降用電磁石装置97は、第1方向の電流を通電したときに、保護ディスク側永久磁石60に対して、上向きの反発磁力を作用させる。また、ディスク昇降用電磁石装置97は、第2方向の電流を通電したときに、保護ディスク側永久磁石60に対して、下向きの吸引磁力を作用させる。通電を停止すればそれらの磁力は消滅する。
【0097】
したがって、ディスク昇降用電磁石装置97に第2方向の電流を通電している状態、またはディスク昇降用電磁石装置97に通電していない状態では、保護ディスク15は回転台7に近い下位置に制御される。一方、ディスク昇降用電磁石装置97に第1方向の電流を通電すると、磁極97aと保護ディスク側永久磁石60との間の反発磁力によって、保護ディスク15を回転台7の上方へと浮上させることができる。ディスク昇降用電磁石装置97への通電は、制御装置40によって制御される。
【0098】
高さ制御用電磁石装置98は、回転軸線6を中心として水平面に沿って配置された円環状の磁極m1,m2,m3,…をそれぞれ有する複数の電磁石ユニットU1,U2,U3,…を有している。磁極m1,m2,m3,…は、互いに等しい半径を有する円筒状の磁極面を外方(回転軸線6とは反対方向)に向けた状態で、等間隔で回転軸線6と平行な上下方向に沿って配列されている。より具体的には、磁極m1,m2,m3,…は、保護ディスク側永久磁石60が上下動および回転運動によって通過する円筒状の通過域に沿って、磁石保持部材61と干渉せず、かつ保護ディスク側永久磁石60に対して磁力を及ぼし得るように配置されている。図10の構成例では、保護ディスク側永久磁石60の通過域の内側に磁極m1,m2,m3,…が配置されているが、当該通過域の外側に磁極m1,m2,m3,…を配置しても差し支え無い。また、磁極m1,m2,m3,…は、保護ディスク側永久磁石60の通過域の内側および外側に振り分けて配置することもできる。
【0099】
電磁石ユニットU1,U2,U3,…は、それぞれ、一方向への電流の通電によって磁極m1,m2,m3,…に一方の極性の磁力が現れ、他方向への電流の通電によって磁極m1,m2,m3,…に他方の極性の磁力が現れるように構成されている。よって、各磁極m1,m2,m3,…と保護ディスク側永久磁石60との間には、各電磁石ユニットU1,U2,U3,…への通電方向および保護ディスク側永久磁石60の高さ位置に応じて、吸引磁力(引力)または反発磁力(斥力)が働く。それらの磁力の大きさは、通電される電流の大きさに依存する。
【0100】
そこで、電磁石ユニットU1,U2,U3,…への通電方向および電流の大きさを制御位相制御)することによって、保護ディスク側永久磁石60の高さ位置を制御することができる。すなわち、制御装置40は、電磁石ユニットU1,U2,U3,…への通電を制御することにより、保護ディスク側永久磁石60の高さ、すなわち保護ディスク15の高さを制御できる。
【0101】
制御装置40は、保護ディスク15を回転台7から浮上させ、その高さを制御するときに、ディスク昇降用電磁石装置97に第1方向の電流を通電し、かつ制御目標高さに応じて電磁石ユニットU1,U2,U3,…への通電を制御する。これにより、保護ディスク15を回転台7と基板保持高さとの間の制御目標高さに配置することができる。したがって、第3の実施形態の場合と同様に、たとえば、処理内容に応じた適切な高さに保護ディスク15を配置できる。
【0102】
なお、ディスク昇降用電磁石装置97に通電する電流の大きさを制御すれば、その磁極97aと保護ディスク側永久磁石60との間の磁気反発力の大きさを制御できる。これを利用して、保護ディスク側永久磁石60の高さ、すなわち保護ディスク15の高さを制御することができる。そこで、高さ制御用電磁石装置98を省き、ディスク昇降用電磁石装置97への通電制御によって、保護ディスク15の高さを制御してもよい。
【0103】
図11は、保護ディスク15の位置を検出するための構成例を示す図である。この構成例では、保護ディスク15が回転台7上の下位置にあるか否かを検出するためのフォトセンサ121が設けられている。フォトセンサ121の出力信号は、制御装置40に入力される。フォトセンサ121は、回転台7の側方に配置され、その検出光軸121aが、保護ディスク15の下位置に整合する水平面に沿うように調整されている。保護ディスク15が下位置にあるとき、フォトセンサ121の検出光軸121aと保護ディスク15とが重なる。したがって、保護ディスク15による光の遮断または光の反射を検出することによって、保護ディスク15が下位置にあることを検出できる。これにより、制御装置40は、保護ディスク15が下位置にあるかどうかを確認でき、それによって、磁気浮上機構41の動作確認を行える。
【0104】
図12は、保護ディスク15の位置を検出するための他の構成例を示す図である。この構成例では、保護ディスク15の回転台7上における高さを検出するためのラインセンサ122が設けられている。ラインセンサ122の出力信号は、制御装置40に入力される。ラインセンサ122は、複数の光軸a1,a2,a3,…を有する多光軸型のラインセンサであり、それらの複数の光軸a1,a2,a3,…が異なる高さに位置するように設定されている。すなわち、複数の光軸a1,a2,a3,…は、互いに平行であり、いずれも水平面に沿っており、回転台7の上面と基板保持高さとの間において、保護ディスク15の異なる高さ位置に整合するように配置されている。したがって、保護ディスク15の高さに応じて、いずれかの光軸a1,a2,a3,…と保護ディスク15とが重なる。したがって、各光軸を通る光の保護ディスク15による遮断、または当該光軸を通る光の保護ディスク15による反射を検出することによって、保護ディスク15の高さを検出できる。これにより、制御装置40は、保護ディスク15の高さに関する情報を得て、磁気浮上機構41の動作確認またはその制御を行える。
【0105】
図13は、保護ディスク15の位置を検出するためのさらに他の構成例を示す図である。この構成例では、保護ディスク15の回転台7上における高さを検出するためのカメラ123が設けられている。カメラ123が出力する映像信号は、制御装置40に入力される。カメラ123は、スピンチャック2の側方から回転台7と基板保持高さとの間の領域を撮影するように配置されている。したがって、その撮影領域には保護ディスク15が含まれている。制御装置40は、カメラ123が出力する映像信号を処理することによって、保護ディスク15の高さを演算する。これにより、制御装置40は、保護ディスク15の高さに関する情報を得て、磁気浮上機構41の動作確認またはその制御を行える。
【0106】
図14は、保護ディスク15の位置を検出するためのさらに他の構成例を示す図である。この構成例では、保護ディスク15の回転台7上における高さを検出するための距離センサ124が設けられている。距離センサ124の出力信号は、制御装置40に入力される。距離センサ124は、図14の構成例では、磁石保持部材61の下方に配置され、この磁石保持部材61までの距離を検出するように構成されている。磁石保持部材61は保護ディスク15に結合されているので、距離センサ124によって検出される距離は、保護ディスク15の回転台7上における高さに対応している。距離センサ124は、探査超音波や探査光のような探査信号を発生し、磁石保持部材61によって反射された当該探査信号を検出することによって距離を計測するように構成されていてもよい。制御装置40は、距離センサ124の出力信号に基づいて保護ディスク15の高さに関する情報を得ることができ、それに基づいて磁気浮上機構41の動作確認またはその制御を行える。
【0107】
以上、この発明の実施形態について説明してきたが、この発明はさらに他の形態で実施することもできる。たとえば、図4に二点鎖線で示す通り、保護ディスク15の周縁部には、基板Wの下面と回転台7との間の空間を側方から覆う側方覆い部材としてのスカート部93が固定されていてもよい。スカート部93は、保護ディスク15の周縁部に沿った円環状に形成されており、その周方向に直交する切断面がほぼ横向きL字状に形成されている。より具体的には、スカート部93は、スカート部93の下面に沿って水平に延びた水平部94と、水平部94から回転台7の外方において垂直に垂れ下がった垂れ下がり部95とを有している。スカート部93は、保護ディスク15が接近位置に位置しているときは、保護ディスク15の下面と回転台7との間の空間を側方から覆い、この空間に周囲の雰囲気が巻き込まれることを抑制する。これにより、スピンチャック2の周辺の気流が安定化されるので、より一層高品質な基板処理が可能になる。保護ディスク15が下位置にあるときは、保護ディスク15とともにスカート部93が下方に退避しており、保護ディスク15の上面と保持ピン10による基板保持高さとの間の空間は、側方に開放している。したがって、当該空間に基板保持ハンド45を進入させて、基板Wの搬入/搬出を行うことができる。
【0108】
また、前述の実施形態では、スプラッシュガード4を昇降するためのガード駆動機構5を磁気駆動機構42のための駆動源として兼用しているが、磁気駆動機構42のための駆動源を別途設けてもよい。
また、前述の実施形態では、可動ピン12を磁力によって駆動する磁気駆動機構42が設けられているが、回転台7に可動ピン12を駆動するための駆動機構を組み込むこととしてもよい。また、前述の実施形態では、保護ディスク15と基板Wの下面との間の空間に不活性ガスを供給しているが、このような不活性ガスの供給を省いてもよい。
【0109】
また、前述の動作例では、基板の回転を停止した後に不活性ガスの供給を停止しているが、スピンドライ処理の開始とともに不活性ガスの供給を停止しても差し支えない。
また、前述の実施形態では、洗浄ブラシによって基板Wの上面をスクラブ洗浄する例を説明したけれども、洗浄ブラシを用いる代わりに、二流体ノズルによって基板Wの表面に液滴の噴流を供給して基板Wの上面を洗浄する構成に対しても、この発明を適用できる。その他にも、超音波を付与した処理液を基板の表面に供給する超音波洗浄や、加圧された処理液の高速流を基板の表面に供給して基板の洗浄を行う高圧ジェット洗浄などの基板処理に対しても、この発明の適用が可能である。洗浄処理の他にも、基板の表面にレジストを塗布する塗布処理や、露光後のレジスト膜に現像液を供給する現像処理に対しても、この発明を適用することができる。
【0110】
さらにまた、前述の実施形態では、永久磁石同士の吸引力を利用して可動ピン12を駆動する構成について説明したが、たとえば、ピン駆動用永久磁石56の代わりに、可動ピン12の回転軸線12aに対して偏心した位置に磁化されていない磁性体を配置しても、同様の動作が可能である。また、可動ピン12の回転軸線12aに対して偏心した位置に永久磁石を配置するとともに、ガード側永久磁石25および解除用永久磁石27に対応する位置に磁化されていない磁性体をそれぞれ配置することによっても、同様の動作を実現することができる。
【0111】
さらに、前述の実施形態では、ガード側永久磁石25の磁極方向を水平方向としたが、これは一例であり、ガード側永久磁石25の磁極方向を鉛直方向としてもよく、磁極方向が水平面に対して斜めになっていてもよい。
また、前述の実施形態では、スピンチャック2の回転台7が一定の高さに配置されている一方で、スプラッシュガード4が回転軸線6に沿って上下動する構成を説明している。しかし、スプラッシュガード4を固定しておき、スピンチャック2を上下動させることによっても、同様の動作が可能である。さらにまた、スピンチャック2およびスプラッシュガード4の両方を上下動させることによっても同様の動作が可能である。
【0112】
また、前述の実施形態では、保持ピン10および保護ディスク15が平面視で重なっていない場合について説明したが、図15および図16に示すように、保持ピン10および保護ディスク15が平面視で重なっていてもよい。
【0113】
図15は、保持ピン10および保護ディスク15の他の構成例を示す断面図である。図16は、保持ピン10および保護ディスク15の他の構成例を示す平面図である。図15は、図16に示す矢印XVの方向に見た図である。図15に示すように、保持ピン10(固定ピン11および可動ピン12のそれぞれ)は、回転台7の上方に配置された円柱状の下軸部51と、下軸部51の上端に一体的に形成された円柱状の上軸部52とを含み、上軸部52が、下軸部51の中心軸線から偏心して設けられている。下軸部51の上端と上軸部52の下端との間をつなぐ表面は、上軸部52から下軸部51の外周面に向かって下降するテーパ面53を形成している。
【0114】
図15に示すように、この構成例では、保持ピン10が、さらに、保持ピン10の外周面から保持ピン10の中心軸線の方に凹む筒状の凹部10aを備えている。凹部10aは、下軸部51の外周部に設けられている。したがって、保持ピン10は、基板Wの周端面に接触する接触部としての上軸部52よりも外径が大きい円柱状または円板状の大径部51aと、大径部51aよりも外径が小さい小径部51bとを含む。小径部51bは、大径部51aから下方に延びており、大径部51aと同軸である。したがって、上軸部52は、大径部51aおよび小径部51bに対して偏心している。
【0115】
図15に示すように、保護ディスク15の外周部は、凹部10a内に配置されている。具体的には、保護ディスク15は、少なくとも一部が凹部10a内に配置された先端部15aをさらに含む。保護ディスク15の先端部15aは、絞り部90よりも下方の高さで絞り部90よりも外方に配置されている。したがって、保護ディスク15の外周部は、上向きおよび外向きに開いた環状の段部を形成している。
【0116】
図15に示すように、保護ディスク15の先端部15aは、保持ピン10の小径部51bよりも内方に配置されている。さらに、先端部15aは、大径部51aの下方に配置されている。外向き対向面としての先端部15aの外周面は、内向き対向面としての小径部51bの外周面に径方向に対向しており、上向き対向面としての先端部15aの上面は、下向き対向面としての大径部51aの下面に上下方向に対向している。
【0117】
図16に示すように、保護ディスク15の外周縁には、環状の絞り部90が設けられていて、保持ピン10に対応する位置で絞り部90が内方に凹んでいる。すなわち、保護ディスク15の外周部には、保持ピン10に対応する位置に切り欠き16が形成されている。保護ディスク15の先端部15aは、切り欠き16から外方に突出している。先端部15aは、各保持ピン10に対応する位置(切り欠き16の位置)で内方に凹んでいる。平面視で円弧状に内方に凹んだ先端部15aの外周面の曲率半径は、大径部51aの外径よりも小さい。前述のように、先端部15aは、大径部51aの下方に配置されている。したがって、保持ピン10および保護ディスク15が平面視で重なっており、保護ディスク15の最外周面(先端部15aの外周面)と保持ピン10の外周面(小径部51bの外周面)との間の径方向の隙間X1が、保持ピン10によって上から覆われている。
【0118】
図15に示すように、保護ディスク15の先端部15aは、保持ピン10の大径部51aの下方で上下方向に移動する。したがって、先端部15aの上面は、大径部51aの下面に近接または離反する。図15は、保護ディスク15が上位置に位置している状態を実線で示している。保護ディスク15の上位置は、直角に複数回折れ曲がったラビリンス流路P1が保持ピン10および保護ディスク15の間に形成されるように、先端部15aの上面が大径部51aの下面に近接する位置であってもよい。すなわち、保護ディスク15の上位置は、先端部15aの上面が非接触の状態で大径部51aの下面に対向する位置であってもよい。また、保持ピン10および保護ディスク15は、回転軸線6まわりに共に回転するので、保護ディスク15の上位置は、先端部15aの上面が保持ピン10に接する位置であってもよい。
【0119】
スピンチャック2が回転軸8を中心に回転することにより、保持ピン10の周囲に気流が発生する。この気流は保持ピン10の周囲を迂回するが、保持ピン10に沿って上方に流れる場合がある。すなわち、基板Wおよびスピンチャック2の回転に伴って上方に吹き出す気流が保持ピン10の周囲に形成される場合がある。上方に吹き出した気流は基板Wと保持ピン10との接触部の周囲を通過することになり、この気流により基板Wと保持ピン10との接触部のパーティクルが増加するおそれがある。
【0120】
図15に示すように、保護ディスク15が上位置に位置している状態では、保護ディスク15の外周面と保持ピン10の外周面との間の径方向の隙間X1が、保持ピン10によって上から覆われている。したがって、保護ディスク15の外周面と保持ピン10の外周面との間から上方に吹き出す気流は、保持ピン10の大径部51aによって妨げられる。そのため、この気流が、複数の保持ピン10に保持されている基板Wの下面に吹き付けられることを抑制できる。これにより、パーティクルを含む気流が基板Wの下面に吹き付けられることを抑制できるので、基板Wの清浄度を高めることができる。さらに、保護ディスク15の外周面と保持ピン10の外周面との間の隙間X1を保持ピン10の一部によって覆うことにより、基板Wの回転に伴う保持ピン10周辺での気流の発生を抑えることができる。したがって、基板Wの周囲を漂う処理液のミストが、保持ピン10やその周辺の部材に付着することを抑制できる。これにより、保持ピン10やその周辺の部材へのパーティクルの付着を防止できる。
【0121】
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
【符号の説明】
【0122】
W 基板
1 基板処理装置(第1の実施形態)
2 スピンチャック
3 回転駆動機構
4 スプラッシュガード(受け部材)
5 ガード駆動機構
6 回転軸線
7 回転台
8 回転軸
10 保持ピン(保持部材)
10a 凹部
11 固定ピン
12 可動ピン
15 保護ディスク
15a 保護ディスクの先端部
17 ガイド軸
18 リニア軸受け
19 案内機構
20 フランジ(規制部材)
21 円筒部
22 上ガイド部
23 下ガイド部
24 処理液ポート
25 ガード側永久磁石
26 磁石保持部
27 解除用永久磁石
28 磁石保持部
30 処理液供給ユニット
35 ブラシ洗浄機構
40 制御装置
41 磁気浮上機構
42 磁気駆動機構
45 基板保持ハンド
51a 大径部
51b 小径部
56 ピン駆動用永久磁石
57 磁石保持部材
60 保護ディスク側永久磁石
61 磁石保持部材
64 ディスク昇降用永久磁石
65 昇降アクチュエータ
66 磁石保持部材
67 ディスク昇降用永久磁石
68 磁石保持部材
74 不活性ガス供給ユニット
86 整流部材
90 絞り部
93 スカート部
97 ディスク昇降用電磁石装置
97a 磁極
98 高さ制御用電磁石装置
U1,U2,U3,……電磁石ユニット
m1,m2,m3,……磁極
P1 ラビリンス流路
102 基板処理装置(第2の実施形態)
103 基板処理装置(第3の実施形態)
104 基板処理装置(第4の実施形態)
105 基板処理装置(第5の実施形態)
111 昇降アクチュエータ
112 ボールねじ機構
113 電動モータ
118 回転位置検出ユニット
121 フォトセンサ
122 ラインセンサ
123 カメラ
124 距離センサ
図1
図2
図3
図4
図4A
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16