(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
第1の表示部および当該第1の表示部とは別に設けられた第2の表示部の表示を制御し、当該第2の表示部に表示させる画像に機密情報が含まれていれば、当該画像の代わりに代替画像を当該第2の表示部に表示させて、当該画像を当該第1の表示部に表示させる表示制御部と、
前記表示制御部により前記第1の表示部に表示された前記画像に含まれる機密情報に対する処理を行う機密情報処理部とを備え、
前記表示制御部は、前記第2の表示部に表示させる画像に機密情報が含まれていれば、当該画像における当該機密情報の位置を示す情報と当該機密情報に対して実施可能な処理内容とを前記第1の表示部に表示させること
を特徴とする装置。
前記表示制御部は、一定の条件のもとで、前記代替画像に代えて、前記機密情報処理部により前記機密情報に対する処理が行われた後の前記画像を前記第2の表示部に表示させること
を特徴とする請求項1に記載の装置。
前記表示制御部が前記第2の表示部に表示させる画像に機密情報が含まれる場合、当該機密情報に対する処理内容を指定する入力を受け付ける入力受付部をさらに備えること
を特徴とする請求項1に記載の装置。
前記表示制御部は、前記第1の表示部の表示と前記第2の表示部の表示とが同一になるように制御し、当該第2の表示部に表示させる画像に機密情報が含まれていれば、当該第2の表示部との接続を切断するようにユーザに通知すること
を特徴とする請求項1に記載の装置。
前記検出するステップは、前記第1の表示部に表示された画像の位置を変更して当該画像を前記第2の表示部に表示させる入力が行われた際に、当該第2の表示部において当該画像が表示されることを検出すること
を特徴とする請求項9に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0021】
[実施の形態1]
<システム全体の概略構成>
まず、表示システム1の全体構成について説明する。
図1は、本実施の形態に係る表示システム1の概略構成の一例を示した図である。図示するように、本実施の形態に係る表示システム1は、相互に接続された端末装置10および表示装置20を備えている。
【0022】
端末装置10は、ユーザが操作する端末であり、例えば、PC(Personal Computer)が該当する。端末装置10は、各種画像を表示するディスプレイ(以下、内部ディスプレイ11と称する)を有しており、ユーザの操作に応じて内部ディスプレイ11に画像を表示するとともに、表示装置20が有するディスプレイ(以下、外部ディスプレイ21と称する)の表示を制御する。ここで、端末装置10は、外部ディスプレイ21に表示する表示内容に機密情報が含まれている場合には、機密情報の編集をユーザに促し、ユーザの編集を反映させた後に外部ディスプレイ21への表示を行う。機密情報とは、外部への漏洩を防止すべき情報であり、例えば、業務で関わる顧客の情報や、他社に公開していない自社の情報、ユーザの個人情報等である。ここで、外部ディスプレイ21に表示する表示内容に機密情報が含まれる場合には、1つの機密情報のみ含まれることもあれば、2つ以上の機密情報が含まれることもある。本実施の形態では、第1の表示部の一例として、内部ディスプレイ11を用いている。また、第2の表示部の一例として、外部ディスプレイ21を用いている。
【0023】
表示装置20は、各種画像を表示する外部ディスプレイ21を有する装置であり、例えばD−Sub(D-subminiature)やHDMI(登録商標)(High-Definition Multimedia Interface)等の接続規格によりケーブルを介して端末装置10と接続される。そして、表示装置20は、端末装置10の制御のもと、外部ディスプレイ21に画像を表示する。ここで、表示装置20としては、例えば、PC用やテレビ用の液晶ディスプレイ装置、プラズマディスプレイ装置等が該当する。また、表示装置20にはプロジェクタも含まれる。表示装置20がプロジェクタの場合、外部ディスプレイ21の画面は、表示装置20(プロジェクタ)がスクリーンに投影することにより表示されるスクリーン上の画面である。
【0024】
また、内部ディスプレイ11及び外部ディスプレイ21への表示手法として、一般に、「複製表示」や「拡張表示」が存在する。複製表示とは、内部ディスプレイ11及び外部ディスプレイ21の表示内容を同一にする手法である。一方、拡張表示とは、内部ディスプレイ11及び外部ディスプレイ21を仮想的な1つの画面として、内部ディスプレイ11と外部ディスプレイ21とに異なる画像を表示可能とする表示手法である。拡張表示では、内部ディスプレイ11と外部ディスプレイ21とは仮想的に1つの画面として扱われる。
【0025】
即ち、端末装置10は、内部ディスプレイ11の画面と外部ディスプレイ21の画面とを同一の座標軸により構成される一つの平面として捉えて、画像の表示位置を決定する。例えば、ユーザが内部ディスプレイ11に表示された画像に対してマウス等を用いてドラッグの操作を行うと、画像が表示される位置の座標がドラッグ操作に合わせて変更される。そして、例えば、ドラッグ操作により、画像が表示される位置の座標が、内部ディスプレイ11の画面内の座標から外部ディスプレイ21の画面内の座標へ変更されると、画像が内部ディスプレイ11の画面から外部ディスプレイ21の画面上に移動することとなる。本実施の形態では、端末装置10において拡張表示の設定が行われているものとして、説明する。
【0026】
<表示システムの機能構成>
次に、表示システム1の機能構成について説明する。
図2は、本実施の形態に係る表示システム1の機能構成例を示したブロック図である。
【0027】
端末装置10は、ユーザに対して各種画像を表示する内部ディスプレイ11と、ユーザからの操作入力を受け付ける入力受付部12と、内部ディスプレイ11及び外部ディスプレイ21の表示に関する情報を取得する表示情報取得部13とを備える。また、端末装置10は、機密情報に応じて機密度合を定めたデータベース(以下、機密情報DBと称する)を格納する機密情報DB格納部14と、外部ディスプレイ21に表示される表示内容の機密度合を計算する機密度合計算部15と、内部ディスプレイ11及び外部ディスプレイ21の表示を制御する表示制御部16と、機密情報に対する編集処理を行う機密情報処理部17とを備える。
【0028】
内部ディスプレイ11は、表示制御部16の制御のもと、ユーザに対して各種画像を表示する。
【0029】
入力受付部の一例としての入力受付部12は、ユーザからの操作入力を受け付ける。ここで、入力受付部12は、例えば、新たに文書表示用のウィンドウを作成するためのアプリケーションを実行する操作入力や、内部ディスプレイ11に表示されたウィンドウを移動させて外部ディスプレイ21に表示する操作入力を受け付ける。また、入力受付部12は、例えば、表示された画像のページを次のページに遷移させる操作入力や、機密情報を編集する操作入力を受け付ける。このようなユーザによる操作入力は、例えば、ユーザがマウスやキーボードを操作することにより行われる。
【0030】
表示情報取得部13は、内部ディスプレイ11及び外部ディスプレイ21の表示に関する情報を取得する。ここで、表示情報取得部13は、例えば、アプリケーションの実行により新たに作成された文書表示用のウィンドウの情報やページ遷移後の画像の情報等、内部ディスプレイ11や外部ディスプレイ21に表示される表示内容の情報を取得する。また、表示情報取得部13は、入力受付部12が受け付けた操作入力をもとに、内部ディスプレイ11の画面から外部ディスプレイ21の画面へウィンドウを移動させるためにウィンドウが表示される位置の座標を変更するという情報や、外部ディスプレイ21に表示されたページを遷移させるという情報等、表示内容の配置に関する情報を取得する。そして、表示情報取得部13は、取得したこれらの情報を表示制御部16に出力する。付言すると、表示情報取得部13は、表示内容の情報と配置に関する情報とを表示制御部16に出力するため、このような情報をもとに、表示制御部16により、内部ディスプレイ11及び外部ディスプレイ21の表示が制御される。
【0031】
格納部の一例としての機密情報DB格納部14は、機密情報の内容に応じて機密情報ごとに予め機密度合を定めた機密情報DBを格納する。機密度合とは、機密の度合を表す指標であり、例えば、機密にすべき度合が高いほど数が大きくなるようにパーセンテージで表される。具体的には、例えば、「A社様」、「株式会社B」のような会社名を示す情報は機密度合:90パーセント、「5千万円」、「10億円」のような金額を示す情報は機密度合:30パーセント、のように機密情報DBに登録されている。
【0032】
他に、例えば、個人名等の個人情報は機密度合:10パーセントとして登録したり、「Confidential」の文字は機密度合:100パーセントのように個々の単語ごとに機密度合を登録したりしても良い。さらに、例えば、あらゆる資料に対して共通の機密情報およびそれに対応する機密度合を定めるのではなく、個々の資料ごとに、機密情報および機密度合を定めることとしても良い。この場合、後述する機密度合計算部15による処理では、資料が外部ディスプレイ21に表示される際、その資料用に登録しておいた機密情報DBの情報を用いて、各機密情報に対する機密度合が計算される。
【0033】
機密度合計算部の一例としての機密度合計算部15は、表示制御部16の表示制御により外部ディスプレイ21に表示される表示内容の機密度合を計算する。ここで、機密度合計算部15は、機密情報DB格納部14に格納されている機密情報DBをもとに、例えば、従来技術であるDLP(Data Loss Prevention)により、表示内容の機密度合を計算する。
【0034】
例えば、表示情報取得部13が取得した表示内容のデータに文字情報が含まれている場合には、機密度合計算部15は、その文字情報と、機密情報DBに登録されている機密情報の文字とを照合する。また、例えば、表示情報取得部13が取得した表示内容のデータに画像の情報が含まれている場合には、機密度合計算部15は、画像解析を行うことで画像が表している文字を抽出し、抽出した文字と機密情報DBに登録されている機密情報の文字とを照合する。さらに、例えば、表示情報取得部13が取得した表示内容のデータに図形や記号を表す画像が含まれている場合には、機密度合計算部15は、画像解析を行うことで、表示内容に含まれる画像と機密情報DBに登録されている機密情報の画像とを照合する。照合の結果、機密情報DBに登録されている機密情報が表示内容に含まれていれば、機密度合計算部15は、機密情報DBをもとに機密情報の機密度合を決定する。そして、機密度合計算部15は、表示内容に含まれる全ての機密情報の機密度合をもとに、表示内容全体の機密度合を計算する。
【0035】
ここで、機密度合計算部15は、表示内容に機密情報が1つしか含まれていなければ、その機密情報の機密度合を表示内容全体の機密度合とする。一方、表示内容に複数の機密情報が含まれる場合、機密度合計算部15は、例えば、機密情報の機密度合のうち最も値の大きいものを、表示内容全体の機密度合とする。ただし、表示内容全体の機密度合の決定手順はこのような構成に限られるものではなく、例えば、個々の機密情報の機密度合の合計値を表示内容全体の機密度合としても良い。
【0036】
表示制御部の一例としての表示制御部16は、表示情報取得部13から取得した表示に関する情報をもとに、内部ディスプレイ11及び外部ディスプレイ21の表示を制御する。また、表示制御部16は、外部ディスプレイ21に表示させる画像について、機密度合を計算するように機密度合計算部15に対して指示を行う。そして、表示制御部16は、機密度合計算部15により計算された機密度合が予め定められた閾値以上であるか否かを判定する。
【0037】
機密度合が予め定められた閾値以上であれば、画像をそのまま外部ディスプレイ21に表示すると機密情報が漏洩するとして、表示制御部16は、この画像の代わりに代替コンテンツを外部ディスプレイ21に表示させる。代替コンテンツとは、外部ディスプレイ21に表示するように操作された対象となる画像の代わりに外部ディスプレイ21に表示される画像であり、例えば、表示対象の画像が表示される領域を示す枠の画像であり、表示対象の画像を囲む枠のみの画像等である。そして、外部ディスプレイ21に代替コンテンツを表示する一方で、表示制御部16は、内部ディスプレイ11に、画像内における機密情報の位置を示す情報と、機密情報に対する修正案とを表示させてユーザに提示する。本実施の形態では、代替画像の一例として、代替コンテンツを用いている。
【0038】
ユーザにより機密情報を編集する操作入力が行われ、機密情報が編集されると、表示制御部16は、編集処理後の画像を外部ディスプレイ21に表示させる。また、機密度合計算部15に計算された機密度合が予め定められた閾値以上でなければ、機密情報の編集は行われず、表示制御部16は、画像をそのまま外部ディスプレイ21に表示させる。
【0039】
機密情報処理部の一例としての機密情報処理部17は、外部ディスプレイ21に表示される機密情報に対する編集処理を行う。ここで、機密情報処理部17は、ユーザによる機密情報を編集する操作入力をもとに、ユーザの修正内容を反映させて編集処理を行う。機密情報に対する編集処理としては、例えば、機密情報を黒塗りしたり、機密情報を網掛けしたり、機密情報を別の文字へ置き換えたりするなどの処理が考えられる。
【0040】
また、表示装置20は外部ディスプレイ21を有しており、外部ディスプレイ21は、端末装置10の表示制御部16の制御のもと各種画像を表示する。ここで、外部ディスプレイ21は、機密情報に対する編集処理が行われた場合には、編集処理後の画像を表示する。また、外部ディスプレイ21は、表示制御部16により代替コンテンツを表示する制御が行われた場合には、代替コンテンツを表示する。
【0041】
<各ディスプレイに表示される画面>
次に、内部ディスプレイ11及び外部ディスプレイ21に表示される画面について説明する。
図3及び
図4は、内部ディスプレイ11に表示されたウィンドウを外部ディスプレイ21に移動させる際の画面の一例を説明するための図である。
【0042】
図3に示す例において、内部ディスプレイ11には、アプリケーションの実行により作成された文書表示用のウィンドウ31が表示されている。ここで、ウィンドウ31には、機密情報として、「A社様」という他社の社名を含む情報と、「5千万円」という金額を含む情報とが含まれている。一方、外部ディスプレイ21は、まだ何も表示していない状態である。
【0043】
そして、ウィンドウ31が外部ディスプレイ21に表示されるように、ユーザが、例えばウィンドウ31に対してドラッグ操作を行うと、表示制御部16からの指示をもとに機密度合計算部15がウィンドウ31に対して機密度合の計算を行う。ここで、表示制御部16は、例えば、ドラッグ操作が行われた時点で機密度合計算部15に指示を行うこととしても良いし、ドラッグ操作によりウィンドウ31が移動してウィンドウ31の端が最初に外部ディスプレイ21に表示される時点で、機密度合計算部15に指示を行うこととしても良い。
【0044】
ウィンドウ31の機密度合が計算されると、表示制御部16は、計算されたウィンドウ31の機密度合が予め定められた閾値以上であるか否かを判定する。
図3に示す例では、機密度合計算部15は、機密情報DBをもとに、「A社様」の機密度合を90パーセント、「5千万円」の機密度合を30パーセントと決定し、最も大きい90パーセントをウィンドウ31全体の機密度合として計算するものとする。
【0045】
90パーセントが予め定められた閾値以上でなければ、ウィンドウ31がそのまま外部ディスプレイ21に表示される。一方、90パーセントが予め定められた閾値以上であれば、外部ディスプレイ21には代替コンテンツが表示される。ここでは、例えば、ドラッグ操作により、ウィンドウ31の一部分でも、内部ディスプレイ11の画面内の座標と外部ディスプレイ21の画面内の座標との境界を越えると、ウィンドウ31の代わりに代替コンテンツが表示されるものとする。即ち、ウィンドウ31の一部分が外部ディスプレイ21の画面内に移動し、ウィンドウ31の残りの部分がまだ内部ディスプレイ11の画面内に存在していても、ウィンドウ31の代わりに代替コンテンツが表示される。
【0046】
また、
図4に示す例では、代替コンテンツとして、斜線を付した枠32のみが外部ディスプレイ21に表示されている。枠32は、例えば、ウィンドウ31と同じ大きさであるものとする。ここで、例えば、ユーザがドラッグの操作によりウィンドウ31を外部ディスプレイ21に移動させた場合に、機密情報を含むウィンドウ31が表示されず、さらに代替コンテンツも表示されなければ、ユーザは、ドラッグ操作に対応する処理が端末装置10にて実行されているか判別しづらい。そこで、代替コンテンツが表示されることにより、ドラッグ操作に対応する処理が実行されていることをユーザが判別し易くなり、また、外部ディスプレイ21への機密情報の表示が抑制される。さらに、代替コンテンツが表示されることにより、外部ディスプレイ21を見ている他のユーザに、何らかの表示をする準備中であることを認知させることができる。
【0047】
また、外部ディスプレイ21に枠32が表示される一方で、内部ディスプレイ11には、移動させたウィンドウ31が移動前の位置に再度表示される。ただし、ウィンドウ31を外部ディスプレイ21に移動させる操作が行われたことにより、
図4に示すように、ウィンドウ31内の機密情報の位置を示す情報が表示される。
図4に示す例では、各機密情報は線で囲まれるとともに、機密情報ごとに番号が付与されている。即ち、同一の内容を示す2つの「A社様」には「1番」の番号が付与され、「5千万円」には「2番」の番号が付与されている。このように、機密情報が線で囲まれたり、機密情報に番号が付与されたりすることにより、機密情報の位置が明示される。また、
図4に示すウィンドウ31には機密情報の位置を示す情報が表示されているだけであるが、実際には、機密情報に対する修正案も表示される。機密情報に対する修正案を示す画面については、
図7で説明する。
【0048】
また、機密情報の位置を示す情報として、機密情報に色を塗ることとしても良い。その際、機密情報の機密度合に応じて色を変えることとしても良い。例えば、機密情報ではあるが機密度合が小さく重要ではない機密情報については薄い色を塗り、機密度合が大きい機密情報には濃い色を塗って表示することが考えられる。
【0049】
さらに、ユーザが、ウィンドウ31の内容を機密にする必要はないと判断した場合に、例えば、ドラッグ操作によりウィンドウ31を特定の位置に移動させることにより、枠32の表示を解除して、移動させたウィンドウ31をそのまま外部ディスプレイ21に表示させることとしても良い。ウィンドウ31を特定の位置に移動させる場合とは、例えば、
図3や
図4で内部ディスプレイ11と接している外部ディスプレイ21の右端とは反対側の端(外部ディスプレイ21の左端)にマウスのポインター(ウィンドウ31を移動させるためにユーザがウィンドウ31上で選択した箇所)が接するように、ウィンドウ31を移動させる場合等である。
【0050】
次に、
図5及び
図6は、外部ディスプレイ21に表示された画像のページが遷移する際の画面の一例を説明するための図である。
【0051】
図5に示す例において、内部ディスプレイ11には、アプリケーションを実行して作成された文書表示用のウィンドウ33が表示されている。ウィンドウ33では、複数のページのうち選択されたページの画像であるページ画像34が表示されている。一方、外部ディスプレイ21には、プレゼンテーションモードによる表示が行われている。プレゼンテーションモードとは、ユーザがプレゼンテーションをする際に用いられる表示モードであり、例えば、プレゼンテーションにより説明が行われるページ部分の画像のみが表示される。そして、
図5に示す外部ディスプレイ21には、端末装置10にて選択されたページ画像34が表示されている。ここで、ページ画像34には機密情報が含まれておらず、機密情報に対する編集処理は行われていない。
【0052】
次に、入力受付部12がページを遷移させる操作入力を受け付けると、内部ディスプレイ11及び外部ディスプレイ21のページ画像34のページが遷移先のページに遷移することになる。ここで、表示制御部16は内部ディスプレイ11に遷移先のページを表示させる。また、外部ディスプレイ21に新たな画像、即ち、遷移先のページの画像が表示されることになるため、表示制御部16は、機密度合計算部15に対して機密度合の計算を行うように指示をする。そして、機密度合計算部15は、表示制御部16からの指示をもとに、遷移先のページの表示内容について機密度合の計算を行う。遷移先のページの機密度合が計算されると、表示制御部16は、計算された機密度合が予め定められた閾値以上であるか否かを判定する。
図6に示す例では、ページ画像34のページからページ画像35のページに遷移する操作入力が行われており、表示制御部16は、機密度合計算部15により計算されたページ画像35の機密度合が、予め定められた閾値以上であるか否かを判定する。
【0053】
ページ画像35の機密度合が、
図4に示すウィンドウ31と同様に90パーセントであるとすると、90パーセントが予め定められた閾値以上でなければ、ページ画像34に代わってページ画像35がそのまま外部ディスプレイ21に表示される。一方、90パーセントが予め定められた閾値以上であれば、外部ディスプレイ21には代替コンテンツが表示される。
図6に示す例では、代替コンテンツとして、斜線を付した枠36のみが表示されている。枠36は、例えば、プレゼンテーションモードにおけるページ画像35と同じ大きさであるものとする。このように代替コンテンツが表示されることにより、ページ遷移の操作に対応する処理が端末装置10にて実行されていることをユーザが判別し易くなり、また、外部ディスプレイ21への機密情報の表示が抑制される。さらに、代替コンテンツが表示されることにより、外部ディスプレイ21を見ている他のユーザに、何らかの表示をする準備中であることを認知させることができる。
【0054】
また、外部ディスプレイ21に枠36が表示されている一方で、内部ディスプレイ11には、遷移先のページのページ画像35が表示される。ただし、ページを遷移させる操作が行われたことにより、
図6に示すように、ページ画像35内の機密情報の位置を示す情報が表示される。ここで、
図6に示すページ画像35には、
図4に示すウィンドウ31と同様に、機密情報の位置を示す情報が表示されているだけであるが、実際には、機密情報に対する修正案も表示される。
【0055】
<機密情報に対する対処>
次に、機密情報に対する処理について説明する。
図7は、機密情報に対して処理が行われる際の画面の一例を説明するための図である。
【0056】
図7に示す内部ディスプレイ11には、機密情報を含むウィンドウ37が表示されている。また、ウィンドウ37を外部ディスプレイ21に移動させる処理や、プレゼンテーションモードで機密情報を含むページに遷移させる処理等が行われたことにより、外部ディスプレイ21には斜線を付した枠38のみが表示されている。そして、内部ディスプレイ11のウィンドウ37には、機密情報に対する処理として、機密情報の位置を示す情報とともに機密情報に対する修正案が表示される。さらに、機密情報に対して、機密情報を黒く塗る等の処理が行われる。
【0057】
図7に示すウィンドウ37には、
図4に示すウィンドウ31と同様に、2つの機密情報に対して「1番」の番号が振られ、また、「5千万円」という機密情報に対して「2番」の番号が振られている。
図7における各番号が振られた機密情報の内容は、
図4に示したものと同様とする。さらに、機密情報の隣には、機密情報に対する編集処理の内容を指定するためのコンボボックスが設けられている。コンボボックスとは、文字入力のためのテキストボックスと項目選択のリストとを組み合わせたものである。
【0058】
そして、
図7に示す例では、ウィンドウ37の上から一つ目の「1番」の機密情報の隣にコンボボックス39Aが設けられ、「2番」の機密情報である「5千万円」の隣にコンボボックス39Bが設けられている。また、コンボボックス39Aでは機密情報に対する編集処理として「黒塗り」が選択されており、2つの機密情報を黒く塗る処理が行われている。また、コンボボックス39Bでは機密情報に対する編集処理として「解除」が選択されており、「5千万円」の機密情報は編集されていない。このように、機密情報に対する編集処理の内容がユーザにより指定され、指定された内容に基づき編集処理が行われる。
【0059】
また、機密情報に対する編集処理が行われると、表示内容の機密度合が小さくなるため、再度、表示制御部16により、機密度合が予め定められた閾値以上であるか否かの判定が行われる。そして、機密度合が予め定められた閾値以上でなければ、編集処理後の表示内容が外部ディスプレイ21に表示される。ここで、例えば、機密度合が予め定められた閾値以上でなければ、ユーザによる操作入力を契機に、編集処理後の表示内容が外部ディスプレイ21に表示される。また、例えば、機密度合が予め定められた閾値以上でなくなれば、ユーザによる操作入力なしで自動的に、編集処理後の表示内容が外部ディスプレイ21に表示されることとしても良い。
【0060】
図7に示すウィンドウ37は、機密情報に対する編集処理前には、
図4に示すウィンドウ31と同様に機密度合は90パーセントであったが、「1番」の機密情報を黒塗りすることにより、表示される機密情報は「5千万円」のみとなるため、ウィンドウ37の機密度合は30パーセントに低下する。そのため、30パーセントが予め定められた閾値以上でなければ、枠38に代わり、編集処理後のウィンドウ37が外部ディスプレイ21に表示されることとなる。
【0061】
<代替コンテンツの他の例>
図3〜
図7に示す例では、代替コンテンツとして表示対象の画像を囲む枠を用いることとしたが、代替コンテンツはこのようなものに限られない。例えば、表示制御部16は、アプリケーションが作成した文書表示用のウィンドウやプレゼンテーションモードで表示されるページにおいて、中身の文字等を取り除いたテンプレートを代替コンテンツとして表示することとしても良い。
図8(a)(b)は、テンプレートを代替コンテンツとした画面の一例を説明するための図である。
【0062】
ここで、
図8(a)は、
図6に示すウィンドウ33をドラッグ操作により外部ディスプレイ21に移動させた場合に表示される代替コンテンツの一例を示す図である。
図8(a)に示す代替コンテンツ40は、ウィンドウ33にて選択されたページのページ画像35内の文字等が取り除かれたものである。また、
図8(b)は、プレゼンテーションモードにおいて、
図6で示すページ画像35に遷移する操作が行われた場合に表示される代替コンテンツの一例を示す図である。
図8(b)に示す代替コンテンツ41は、ページ画像35内の文字等が取り除かれたものである。ただし、代替コンテンツには機密情報が含まれないのが望ましく、テンプレートに機密情報が含まれる場合にはテンプレートは代替コンテンツとして使用されない。また、代替コンテンツとしては、例えば、
図6に示すウィンドウ33からページ画像35を取り除いたもの、即ち、ウィンドウ33を作成したアプリケーションによる枠のみを用いることとしても良い。
【0063】
このように、代替コンテンツとして枠の画像を用いれば、枠の構成に応じて、外部ディスプレイ21を見ている他のユーザは、表示の準備中である画像の大きさや雛形、アプリケーションの種類等の情報を得ることができる。
【0064】
さらに、代替コンテンツは、枠の画像に限られるものではなく、例えば、何らかの表示をする準備中であることを報知するためのメッセージを含む画像を用いることとしても良い。このような場合、例えば、「しばらくお待ちください」というメッセージを表示すれば、外部ディスプレイ21を見ている他のユーザは、より確実に、何らかの表示をする準備中であることを認知することができる。
【0065】
<外部ディスプレイに対する表示処理>
次に、
図9及び
図10を用いて、外部ディスプレイ21に画像を表示する際の処理について説明する。
図9は、内部ディスプレイ11に表示されたウィンドウを移動させる際の処理手順の一例を示したフローチャートである。
図9に示す手順では、初めに、ユーザにより、内部ディスプレイ11に表示されたウィンドウに対するドラッグ操作が行われ、ドラッグ操作が行われた時点で機密度合の計算が行われることとする。
【0066】
まず、表示情報取得部13は、ユーザからの操作入力をもとに、内部ディスプレイ11に表示されたウィンドウの移動を検出する(ステップ101)。そして、表示情報取得部13は、ウィンドウの移動に関する情報を表示制御部16に出力する。次に、機密度合計算部15は、表示制御部16からの指示をもとに、移動したウィンドウの表示内容について機密度合を計算する(ステップ102)。次に、表示制御部16は、計算された機密度合が予め定められた閾値以上であるか否かを判定する(ステップ103)。
【0067】
機密度合が予め定められた閾値以上であれば(ステップ103でYes)、表示制御部16は、表示情報取得部13からの情報をもとに、ウィンドウが移動したことにより、外部ディスプレイ21に新たに表示される画像があるか否か、即ち、移動後のウィンドウが外部ディスプレイ21の画面に含まれるか否かを判定する(ステップ104)。移動後のウィンドウが外部ディスプレイ21の画面に含まれる場合(ステップ104でYes)、表示制御部16は、外部ディスプレイ21に代替コンテンツを表示させる(ステップ105)。
【0068】
ここで、表示制御部16は、例えば、外部ディスプレイ21内で移動後のウィンドウが表示される領域に、ウィンドウの大きさの枠のみを表示させる。また、ウィンドウが外部ディスプレイ21の画面内を移動するようにドラッグ操作が行われれば、表示制御部16は、その操作に合わせて代替コンテンツを移動させる。そして、ドラッグ操作が終了すると、表示制御部16は、内部ディスプレイ11内で移動前のウィンドウが表示されていた領域に、ウィンドウを再度戻して表示させる(ステップ106)。
【0069】
次に、ウィンドウ内の機密情報を編集する処理(以下、機密情報を編集する一連の処理を、コンテンツ編集処理と称する)が実行され、機密情報の編集が行われる(ステップ107)。コンテンツ編集処理の詳細な手順は、
図10で説明する。次に、コンテンツ編集処理により機密情報が編集された後、表示制御部16は、代替コンテンツに代えて、外部ディスプレイ21内で移動後のウィンドウが表示される領域に、編集処理後のウィンドウを表示させる(ステップ108)。
【0070】
また、ステップ104にて移動後のウィンドウが外部ディスプレイ21の画面に含まれないと判定された場合(ステップ104でNo)、表示制御部16は、ウィンドウを移動させる操作が終了したか否かを判定する(ステップ109)。ウィンドウを移動させる操作が終了していなければ(ステップ109でNo)、ステップ104に移行する。また、ステップ103にて機密度合が予め定められた閾値以上でない場合(ステップ103でNo)、ステップ109にてウィンドウを移動させる操作が終了した場合(ステップ109でYes)、またはステップ108で外部ディスプレイ21に表示された後には、ウィンドウを作成したアプリケーションが終了したか否かに応じて処理が行われる(ステップ110)。即ち、アプリケーションが終了するまでステップ101〜ステップ109の処理が繰り返し実行される(ステップ110でNo)。一方、アプリケーションが終了すると(ステップ110でYes)、本処理フローは終了する。
【0071】
このように、内部ディスプレイ11の画面から外部ディスプレイ21の画面にウィンドウが移動して表示される場合、ウィンドウに含まれる機密情報が一定の条件を満たしており外部ディスプレイ21にそのまま表示できなければ、外部ディスプレイ21には代替コンテンツが表示される。そして、機密情報に対する編集処理が行われた後、編集処理後の表示内容にて外部ディスプレイ21への表示が行われる。
【0072】
また、
図9に示す手順では、ウィンドウが移動する場合について説明したが、例えば、ウィンドウの移動ではなく、ウィンドウのサイズ変更が行われた場合も
図9と同様の手順にて処理が行われる。この場合、例えば、ユーザは、内部ディスプレイ11に表示されたウィンドウの端をマウスでクリックしてサイズ変更可能な状態にして、ウィンドウの端を外部ディスプレイ21に移動させると、ウィンドウが大きくなり外部ディスプレイ21に新たな画像が表示されることとなる。また、例えば、すでに外部ディスプレイ21に表示されているウィンドウをサイズ変更により大きくすることで、以前は表示されていなかった画像が外部ディスプレイ21に表示される場合もある。
【0073】
次に、
図10は、プレゼンテーションモードにて外部ディスプレイ21に新たに画像が表示される際の処理手順の一例を示したフローチャートである。
図10に示す手順では、初めに、ユーザにより、外部ディスプレイ21に新たに画像を表示させる操作が行われるものとする。ここで、プレゼンテーションモードにて外部ディスプレイ21に新たに画像が表示される場合とは、例えば、プレゼンテーションのページが遷移する場合や、最初のページが表示される場合、アニメーションにより新たな画像が挿入される場合、ページ内に新たに文字列が追加される場合等である。
【0074】
まず、表示情報取得部13は、ユーザからの操作入力をもとに、例えばページが遷移することで外部ディスプレイ21に新たに画像が表示されることを検出し、表示される画像の情報を取得する(ステップ201)。そして、表示情報取得部13は、ページの遷移に関する情報、新たに表示される画像の情報を表示制御部16に出力する。次に、機密度合計算部15は、表示制御部16からの指示をもとに、新たに表示される画像の表示内容について機密度合を計算する(ステップ202)。そして、表示制御部16は、計算された機密度合が予め定められた閾値以上であるか否かを判定する(ステップ203)。
【0075】
機密度合が予め定められた閾値以上であれば(ステップ203でYes)、表示制御部16は、外部ディスプレイ21に代替コンテンツを表示させる(ステップ204)。ここで、表示制御部16は、例えば、外部ディスプレイ21内で新たな画像が表示される領域に枠のみを表示させる。そして、画像内の機密情報に対するコンテンツ編集処理が実行され、機密情報の編集が行われる(ステップ205)。コンテンツ編集処理により機密情報が編集された後、表示制御部16は、外部ディスプレイ21に表示された代替コンテンツを消去し、編集処理後の画像を外部ディスプレイ21に表示させる(ステップ206)。
【0076】
また、ステップ203にて機密度合が予め定められた閾値以上ではないと判定された場合(ステップ203でNo)、またはステップ206で外部ディスプレイ21に表示された後、プレゼンテーションモードにて画像を表示したアプリケーションが終了したか否かに応じて処理が行われる(ステップ207)。即ち、アプリケーションが終了するまでステップ201〜ステップ206の処理が繰り返し実行される(ステップ207でNo)。一方、アプリケーションが終了すると(ステップ207でYes)、本処理フローは終了する。
【0077】
このように、プレゼンテーションモードにて外部ディスプレイ21に新たに画像が表示される場合、新たに表示される画像に含まれる機密情報が一定の条件を満たしており外部ディスプレイ21にそのまま表示できなければ、外部ディスプレイ21には代替コンテンツが表示される。そして、機密情報に対する編集処理が行われた後、編集処理後の表示内容にて外部ディスプレイ21への表示が行われる。
【0078】
<コンテンツ編集処理>
次に、コンテンツ編集処理について説明する。
図11は、コンテンツ編集処理の手順の一例を示したフローチャートである。
【0079】
まず、表示制御部16は、機密情報が含まれる画像について、画像内における機密情報の位置を示す情報と、機密情報に対する修正案とを内部ディスプレイ11に表示させてユーザに提示する(ステップ301)。次に、ユーザにより機密情報に対する修正内容を指定する操作入力が行われると、機密情報処理部17は、操作入力をもとにユーザの修正内容を反映させて機密情報を編集する(ステップ302)。
【0080】
次に、機密度合計算部15は、機密情報の編集処理後の画像の表示内容について、機密度合を計算する(ステップ303)。そして、表示制御部16は、計算された機密度合が予め定められた閾値以上であるか否かを判定する(ステップ304)。機密度合が予め定められた閾値以上であれば(ステップ304でYes)、ステップ301へ移行し、表示制御部16は、再度、機密情報の位置を示す情報と機密情報に対する修正案とを提示して、ユーザの操作入力を要求する。
【0081】
一方、機密度合が予め定められた閾値以上でなければ(ステップ304でNo)、次に、表示制御部16は、画像内に未編集の機密情報がまだ他に存在するか否かを判定する(ステップ305)。未編集の機密情報が存在しなければ(ステップ305でNo)、本処理フローは終了する。本処理フローの終了後には、機密情報の編集処理後の画像が外部ディスプレイ21に表示される。
【0082】
一方、未編集の機密情報が存在すれば(ステップ305でYes)、表示制御部16は、機密情報が未編集のままで良いかをユーザに確認する(ステップ306)。ここで、表示制御部16は、例えば、機密情報が未編集のままで良いか否かを選択させるメッセージを内部ディスプレイ11に表示させて、ユーザに選択させる処理を行う。次に、表示制御部16は、ユーザからの操作入力をもとに、機密情報の編集継続を選択する操作が行われたか否かを判定する(ステップ307)。編集継続を選択する操作が行われた場合(ステップ307でYes)、ステップ301へ移行する。一方、編集継続を選択する操作が行われなければ(ステップ307でNo)、機密情報は未編集のままで良いこととなり、本処理フローは終了する。
【0083】
このように、端末装置10は、コンテンツ編集処理として、外部ディスプレイ21に表示される画像に含まれる機密情報に対するユーザの修正内容を受け付け、機密情報に対する編集処理を行う。そして、未編集の機密情報が存在しなくなるか、またはユーザが機密情報の編集継続を希望しなければ、コンテンツ編集処理は終了する。
【0084】
以上説明したように、本実施の形態に係る端末装置10は、外部ディスプレイ21の表示内容に機密情報が含まれているか否かを判定し、表示内容の機密度合が予め定められた閾値以上であれば、外部ディスプレイ21に代替コンテンツを表示させる。また、内部ディスプレイ11には、機密情報の位置を示す情報と機密情報に対する修正案とが表示される。そして、ユーザが機密情報に対する修正内容を入力すると、機密情報に対する編集処理が行われ、編集処理後の表示内容が外部ディスプレイ21に表示される。
【0085】
そのため、ユーザが、例えば、画像に機密情報が含まれていることに気付かずに、その画像を外部ディスプレイ21に表示させる操作を行ったとしても、外部ディスプレイ21には代替コンテンツが表示されることとなり、機密情報の漏洩が抑制される。また、代替コンテンツが表示されることにより、ドラッグ操作やページ遷移の操作等のユーザによる操作に対応する処理が実行されていることをユーザが判別し易くなり、また、外部ディスプレイ21を見ている他のユーザは何らかの表示をする準備中であることを認知することができる。さらに、代替コンテンツが表示されることで機密情報に対処を施す猶予が与えられ、ユーザは、操作している端末装置10にて機密情報に対する黒塗り等の編集処理を行うことができるため、機密情報を漏洩させずに可能な範囲での情報の公開が行われる。
【0086】
また、プレゼンテーションモードでは、内部ディスプレイ11及び外部ディスプレイ21に現在のページが表示されるが、さらに、ユーザがプレゼンテーションし易いように、次のページが内部ディスプレイ11の隅等に表示される場合がある。本実施の形態では、このような場合、次のページに遷移する操作が行われる前に、端末装置10が次のページに対して機密情報が含まれているか否かを判定し、機密度合が予め定められた閾値以上であればユーザに機密情報の編集処理を促すこととしても良い。ユーザが次のページに対して事前に編集処理を施しておくことで、ページ遷移時、外部ディスプレイ21に代替コンテンツが表示されることなく、編集処理後の表示内容にて表示されることとなる。そのため、代替コンテンツが表示されることで聴衆を待たせることがなくなり、プレゼンテーションが円滑に進行される。
【0087】
[実施の形態2]
次に、実施の形態2について説明する。実施の形態1では、表示手法として拡張表示の設定が行われていることとしたが、本実施の形態では、表示手法として複製表示の設定が行われている。本実施の形態に係る表示システム1は、実施の形態1に係る表示システム1と同様の構成を有しており、実施の形態1と同様のものについては、同じ符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0088】
図12は、複製表示により外部ディスプレイ21に画像を表示する際の処理手順の一例を示したフローチャートである。
図12に示す手順では、初めに、端末装置10にてアプリケーションが実行されることで文書表示用のウィンドウが作成され、アプリケーションによりウィンドウを描画する処理が行われるものとする。
【0089】
まず、アプリケーションの実行により文書表示用のウィンドウが作成され、ウィンドウを描画する処理が行われると、表示情報取得部13は、アプリケーションによる描画処理を検出して作成されたウィンドウの情報を取得する(ステップ401)。次に、表示制御部16は、外部ディスプレイ21を有する表示装置20が端末装置10に接続されているか否かを判定する(ステップ402)。表示装置20が接続されていなければ(ステップ402でNo)、表示制御部16は、表示情報取得部13から取得した情報をもとに、内部ディスプレイ11にウィンドウを表示させる(ステップ403)。
【0090】
一方、外部ディスプレイ21が接続されていれば(ステップ402でYes)、次に、機密度合計算部15は、作成されたウィンドウの表示内容について機密度合を計算する(ステップ404)。次に、表示制御部16は、計算された機密度合が予め定められた閾値以上であるか否かを判定する(ステップ405)。複製表示の場合、内部ディスプレイ11の表示内容と外部ディスプレイ21の表示内容とは同一であるため、機密度合が予め定められた閾値以上であれば(ステップ405でYes)、表示制御部16は、ウィンドウを内部ディスプレイ11に表示させることなく、一時的に表示装置20との接続を切断するようにユーザに通知する(ステップ406)。
【0091】
ここで、表示制御部16は、例えば、表示装置20との接続を切断する旨のメッセージを内部ディスプレイ11に表示することにより、ユーザへの通知を行う。さらに、表示制御部16は、表示装置20との接続が切断されるまで、枠等の代替コンテンツを内部ディスプレイ11及び外部ディスプレイ21に表示させる。また、本実施の形態では、表示装置20との接続を切断する旨のメッセージを代替コンテンツの一例として捉えることもできる。
【0092】
そして、表示装置20との接続が切断されると、次に、コンテンツ編集処理が実行され、機密情報の編集が行われる(ステップ407)。コンテンツ編集処理により機密情報が編集された後、表示制御部16は、表示装置20を再接続するようにユーザに通知する(ステップ408)。そして、表示装置20が再接続されると、表示制御部16は、編集処理後のウィンドウを外部ディスプレイ21に表示させる(ステップ409)。
【0093】
一方、ステップ405で否定の判断(No)がされた場合、即ち、計算された機密度合が予め定められた閾値以上でなければ(ステップ405でNo)、ステップ409へ移行する。ここで、表示制御部16は、ステップ403にて内部ディスプレイ11に表示させたウィンドウ、つまり、コンテンツ編集処理により編集されていないウィンドウを外部ディスプレイ21に表示させる。
【0094】
そして、ステップ403にて内部ディスプレイ11に表示された後、またはステップ409にて外部ディスプレイ21に表示された後、ウィンドウを作成したアプリケーションが終了したか否かに応じて処理が行われる(ステップ410)。即ち、アプリケーションが終了するまでステップ401〜ステップ409の処理が繰り返し実行される(ステップ410でNo)。一方、アプリケーションが終了すると(ステップ410でYes)、本処理フローは終了する。
【0095】
このように、複製表示の場合、内部ディスプレイ11の表示内容がそのまま外部ディスプレイ21にも表示されるため、表示内容に含まれる機密情報が一定の条件を満たしており外部ディスプレイ21にそのまま表示できなければ、表示制御部16は、表示装置20との接続を切断するようにユーザに通知する。そして、機密情報に対する編集処理が行われた後、外部ディスプレイ21との接続が再び行われると、編集処理後の表示内容にて外部ディスプレイ21への表示が行われる。
【0096】
また、実施の形態1及び実施の形態2において、外部ディスプレイ21に画像が表示される際、機密度合が予め定められた閾値以上であるか否かを表示制御部16が判定することとしたが、このような構成に限られるものではない。例えば、計算された機密度合をもとに、ユーザが次に実行する処理を選択することとしても良い。この場合、ユーザは、例えば、機密度合をもとに、編集処理が施されていない画像をそのまま外部ディスプレイ21に表示するか、または機密情報に対する編集処理を行うかの選択等を行う。
【0097】
さらに、実施の形態1及び実施の形態2において、ユーザが機密情報に対する修正内容を指定することとしたが、このような構成に限られるものではない。例えば、各機密情報に対する修正内容を予め定めておき、表示内容に機密情報が含まれていれば、表示制御部16は、ユーザの操作入力なしで編集処理後の表示内容にて外部ディスプレイ21への表示を行うこととしても良い。この場合には、外部ディスプレイ21には代替コンテンツは表示されず、機密情報を隠した画像が表示されることとなる。
【0098】
また、実施の形態1及び実施の形態2に係る表示システム1の適用例として、ネットワークを介して複数の端末で画面を共有するWebの会議システムに適用することとしても良い。Web会議システムにおいて、あるユーザが操作する端末装置10の内部ディスプレイ11に表示された画面を他のユーザの端末装置10にも共有する場合、あるユーザの端末装置10から他のユーザの端末装置10に対して、画面を構成する情報が送信される。
【0099】
そして、機密情報を含む画面の情報が、あるユーザの端末装置10から他のユーザの端末装置10へ送信される場合には、例えば、あるユーザの端末装置10が、送信する情報に機密情報が含まれていることを検出し、代替コンテンツの情報を他のユーザの端末装置10に送信する。この場合、他のユーザの端末装置10は、受信した情報をもとに代替コンテンツを表示する。また、例えば、あるユーザの端末装置10が、送信する情報に機密情報が含まれていることを検出すると、代替コンテンツの表示命令を他のユーザの端末装置10に送信することとしても良い。この場合、他のユーザの端末装置10は、表示命令をもとに、自装置内に記憶している代替コンテンツを表示する。このようにして、他のユーザの端末装置10に代替コンテンツが表示された後、例えば、あるユーザの端末装置10にて機密情報に対する編集処理が行われ、編集処理後の画面の情報が他のユーザの端末装置10に送信される。
【0100】
さらに、あるユーザの端末装置10から他のユーザの端末装置10へ画面の情報が送信される場合に、あるユーザの端末装置10ではなく、他のユーザの端末装置10にて、受信した情報に機密情報が含まれているか否かを判定することとしても良い。他のユーザの端末装置10は、画面の情報を受信すると、受信した情報に機密情報が含まれているか否かを判定し、機密情報が含まれている場合には代替コンテンツを表示する。このような場合には、会議システムで用いられる各端末において、画面の情報を受信すると機密情報の有無を判定する設定がなされていることとなる。
【0101】
また、実施の形態1及び実施の形態2に係る表示システム1の他の適用例として、表示内容が動的に変わる動画やプレゼンテーションに対して適用することとしても良い。この場合、例えば、動画のもとになる静止画像のフレームごとに画像解析が行われ、数フレーム先の表示内容に機密情報が含まれていれば、機密情報に対して黒塗り等の処理が行われた上で動画として表示される。
【0102】
<ハードウェア構成例>
最後に、実施の形態1及び実施の形態2に係る端末装置10を構成するのに好適なハードウェア構成について説明する。
図13は、端末装置10のハードウェア構成の一例を示した図である。ここでは、コンピュータに適用する場合について説明する。
図13に示すコンピュータは、演算手段であるCPU(Central Processing Unit)51と、主記憶手段であるメモリ53を備える。また、外部デバイスとして、磁気ディスク装置(HDD)57、ネットワーク・インターフェイス56、ディスプレイ装置を含む表示機構54、音声機構58、キーボードやマウス等の入力デバイス59等を備える。
【0103】
図13に示す構成例では、メモリ53および表示機構54は、システム・コントローラ52を介してCPU51に接続されている。また、ネットワーク・インターフェイス56、磁気ディスク装置57、音声機構58および入力デバイス59は、I/Oコントローラ55を介してシステム・コントローラ52と接続されている。各構成要素は、システム・バスや入出力バス等の各種のバスによって接続される。
【0104】
図13において、磁気ディスク装置57にはOSのプログラムやアプリケーション・プログラムが格納されている。そして、これらのプログラムがメモリ53に読み込まれてCPU51に実行されることにより、本実施の形態における端末装置10の入力受付部12、表示情報取得部13、機密度合計算部15、表示制御部16、機密情報処理部17等の各機能が実現される。また、内部ディスプレイ11は、例えば、表示機構54により実現される。さらに、機密情報DB格納部14は、例えば、磁気ディスク装置57により実現される。
【0105】
また、CPU51が実行するプログラムは、予め磁気ディスク装置57に記憶させておく形態のほか、例えば、CD−ROM等の記憶媒体に格納してCPU51に提供したり、あるいは、ネットワーク・インターフェイス56を介してCPU51に提供したりすることも可能である。
【0106】
なお、
図13は、実施の形態1及び実施の形態2が適用されるのに好適なコンピュータのハードウェア構成を例示するに過ぎず、図示の構成においてのみ実施の形態1及び実施の形態2が実現されるのではない。
【0107】
また、本実施の形態では、端末装置10が内部ディスプレイ11を備え、表示装置20が外部ディスプレイ21を備える構成としたが、例えば、端末装置10が2つのディスプレイ(内部ディスプレイ11、外部ディスプレイ21)を備えることとしても良い。
【0108】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態には限定されない。本発明の精神及び範囲から逸脱することなく様々に変更したり代替態様を採用したりすることが可能なことは、当業者に明らかである。