【実施例】
【0023】
以下に説明する開閉装置1は、住宅やビル、倉庫、工場、地下街、トンネル、車両の荷台等の躯体の開口部分や内部に配設され、前記開口部分を開閉したり、躯体内部の空間を仕切ったり開放したりするシャッター装置として適用可能であり、特に好ましい態様として、火災等の非常時に自動閉鎖されて火炎や煙の蔓延を防ぐ防火シャッター装置に適用した一例である。
【0024】
この開閉装置1は、閉鎖方向端部をスライドさせて自重閉鎖可能な開閉体10と、該開閉体10の幅方向(
図1の左右方向)の端部を囲み開閉方向へ案内するガイドレール20と、開閉体10を巻き取ったり繰出したりする巻取装置30とを備え、閉鎖動作中の開閉体10が障害物Xに接触した場合に、機械的な機構により、開閉体10の閉鎖動作を停止するように構成される。
【0025】
開閉体10は、開閉体本体11と、該開閉体本体11の下端側に接続され開閉体本体11に相対して上下方向へ移動可能な可動座板12とを備え、該開閉体10の下端側に、開閉体本体11に相対する可動座板12の上昇により、可撓性長尺部材aの張力を変化させる張力可変手段を構成している。
【0026】
開閉体本体11は、横長略矩形状の金属板を曲げ加工してなる所謂スラット11aを、上下に隣接する該スラット11a,11a間で回動するように複数連接してなり、この開閉体本体11の下端側には、開閉体幅方向へ連続して下方を開口した枠状の凹部11bが設けられる(
図5及び6参照)。そして、この凹部11b内には、揺動部材13(
図6参照)が、その揺動支点部を開閉体厚さ方向の一端側に支持した状態で設けられ、凹部11b内における揺動部材13よりも下側には、開閉体幅方向へわたる長尺状の可動座板12が、上下方向へスライドするように係合している。
【0027】
揺動部材13は、可動座板12に押圧されて開閉体開放方向へ揺動し、また自重によって開閉体閉鎖方向へ揺動するように、開閉体本体11の内壁に回転自在に支持されている(
図6参照)。
この揺動部材13は、開閉体幅方向の何れの位置であっても可動座板12に対し当接するように、開閉体幅方向の略全長にわたって設けられる。
【0028】
揺動部材13における先端側の上面には、後述する巻取体15に係合して該巻取体15を制動する押圧部材18が固定される。この押圧部材18は、図示例によれば、縦断面略V字状の部材であり、係合回動部材63の揺動端側を下方から押圧するように、開閉体幅方向へわたる長尺状に形成されている。この押圧部材18は、可動座板12の上昇に伴う揺動部材13の揺動により係合回動部材63を押動し、可動座板12の下降に伴う揺動部材13の逆方向の揺動により係合回動部材63から離脱する。
なお、他例としては、押圧部材18を省いて、揺動部材13先端側によって直接的に係合回動部材63を押動する構造とすることも可能である。
【0029】
係合回動部材63は、開閉体本体11下端側の凹部11b内に回動自在に支持される回動中心部63aを有し、この回動中心部63a周りの一端側に、被係合回転体17の外周部と係合し合う係合部63bを有する(
図7参照)。
係合部63bは、被係合回転体17外周の凹部に噛み合うように形成された複数(図示例によれば2つ)の上向きの第1及び第2の突起63b1,63b2からなる。第1の突起63b1は、被係合回転体17外周部に対し最初に係合する突起であり、第2の突起63b2よりも若干大きく突出し幅も大きい。
この係合回動部材63は、巻取体15の繰出し回転に伴い回転する被係合回転体17の回転方向(
図10によれば時計方向)に対し同方向に回転して、前記第1の突起63b1及び第2の突起63b2を被係合回転体17に嵌め合うように配置され、より具体的には、
図10に示すように、被係合回転体17の下半部側であって、第1の可撓性長尺部材a1の繰出し部分寄りに配置される。
【0030】
また、この係合回動部材63における回動中心部63aを挟んだ前記係合部63bの逆側には、可動座板12の上昇力を、揺動部材13及び押圧部材18を介して受ける第1及び第2の受圧部63c,63d(
図7参照)が設けられる。これら第1及び第2の受圧部63c,63dは、可動座板12の上昇による当該係合回動部材63の回動に伴い、その受圧位置を前記回動支点部63aに近づけるように形成されている。
より具体的に説明すれば、第1の受圧部63cは、回動中心部63aを挟んだ前記係合部63bの最逆端側に、下方へ突出する突起状に形成され、上昇した際の押圧部材18によって最初に当接される。
第2の受圧部63dは、回動中心部63aを挟んだ前記係合部63bの逆端側であって、前記第1の受圧部63cよりも回動中心部63aに近い位置に配置され、下方向きに若干隆起しており、上昇した際の押圧部材18によって、第1の受圧部63cよりも後に当接される。
【0031】
また、上記構成の開閉体本体11の下端側には、第1の可撓性長尺部材a1を巻き付けた巻取体15が設けられる。
より詳細に説明すれば、凹部11bの上部側であって開閉体厚さ方向の一端寄りの部分には、
図5に示すように、外部に連通する切欠部11b1が設けられる。巻取体15は、その下側部分を前記切欠部11b1に挿入するようにして配置され、その周囲を覆うカバー部材16に回転自在に支持されている。
【0032】
この巻取体15は、第1の可撓性長尺部材a1を巻き取ったり繰り出したりする略円筒状の巻取筒部15aと、これら巻取筒部15aを巻取り方向へ付勢するゼンマイ(図示せず)とを具備している。
【0033】
カバー部材16は、巻取体15を覆う略箱状の部材であり、開閉体本体11の下端側に着脱可能に止着され、巻取体15から繰り出される第1の可撓性長尺部材a1を上方へ挿通している。
【0034】
上記構成の巻取体15には、被係合回転体17が一体に固定されている。この被係合回転体17は、巻取体15における巻取筒部15aの軸方向の一端側に配置され、巻取筒部15aと同軸且つ一体的に設けられた円盤状の部材であり、その外周部が、係合回動部材63の係合部63bに対し凹凸状に嵌り合う略歯車状に形成されている。
【0035】
可撓性長尺部材aは、可動座板12の上方への移動によって張力を上昇するとともにその張力によってブレーキ機構42を制動操作するためのものである。
この可撓性長尺部材aは、開閉体10の下端側からまぐさ部31へわたる第1の可撓性長尺部材a1と、この第1の可撓性長尺部材a1に接続されて開閉機40のブレーキ機構42へ張力変化を伝達する第2の可撓性長尺部材a2とからなる。
【0036】
第1の可撓性長尺部材a1は、多数の金属線を寄り合わせてなる金属製ワイヤーである。この第1の可撓性長尺部材a1の上端部には、丸型端子状の接続部a11が止着されている。
【0037】
第2の可撓性長尺部材a2は、可撓性チューブ状の外側部材a21と、該外側部材a21の内部に長手方向へ移動するように挿入されるとともに両端部を前記外側部材a21から突出させた内側部材a22とを具備してなる。
【0038】
外側部材a21は、内側部材a22を軸方向へ摺動自在に挿通している。この外側部材a21の開閉体側の端部は、接続部材a23を介して、支持ブラケット70に止着固定されている。
【0039】
接続部材a23は、外周面に雄ネジ部を有する略筒状の部材であり、外側部材a21の下端側に接続されている。この接続部材a23は、後述する支持ブラケット70の支持部74に挿通され、両側からナットが締め付けられることで、支持部74に固定される。
【0040】
また、内側部材a22は、第1の可撓性長尺部材a1と同様の金属製ワイヤーである。この内側部材a22の先端部には、丸型端子状の接続部a24が止着されている。
【0041】
第1の可撓性長尺部材a1と第2の可撓性長尺部材a2との接続箇所は、まぐさ部31外側(挿通部31aから開閉体厚さ方向へ離れた位置)の支持ブラケット70内の接続用空間部70aに位置する。
より詳細に説明すれば、第1の可撓性長尺部材a1上端側の接続部a11と、第2の可撓性長尺部材a2下端側における内側部材a22の接続部a24とが重ね合わせられ、これらにボルトが挿通され、該ボルトの先端にナットが螺合され締め付けられることで、接続部a11と接続部a24が接続される。
前記接続部a11,a24は、第1の可撓性長尺部材a1側の貫通部82d、および第2の可撓性長尺部材a2側の接続部材a23を挿通不能なように、貫通部82dおよび接続部材a23の内径よりも大きく形成されている。
【0042】
第1の可撓性長尺部材a1の下端側は、巻取体15の巻取筒部15aの外周部に止着される。また、第2の可撓性長尺部材a2における内側部材a22の上端側は、自動閉鎖装置50の進退部材52に止着される。
【0043】
ガイドレール20は、開閉体10の幅方向の端部を囲む断面略コ字状の部材であり、開閉体10によって着座される着座対象部位P(例えば、床面や地面、枠部材等)と巻取装置30との間にわたって配設されている(
図1参照)。
【0044】
巻取装置30は、開閉体10の厚さ方向の両側に配置されて開閉体10を開閉方向へ通過させるまぐさ部31と、開閉体10を巻き取ったり繰出したりする巻取軸32と、該巻取軸32をチェーン及びスプロケット等の動力伝達手段33を介して駆動回転させたり制動したりする開閉機40と、該開閉機40を制動解除操作して開閉体10を自重によって閉鎖動作させる自動閉鎖装置50と、まぐさ部31内に設けられて可撓性長尺部材aのわたる方向を上下方向から略水平な方向へ変換するガイドローラユニット80と、該ガイドローラユニット80によって略水平方向へ導かれた可撓性長尺部材aをまぐさ部31の外で支持する支持ブラケット70とを具備している(
図1参照)。
【0045】
まぐさ部31は、巻取軸32の下方側に、開閉体10の幅方向の略全長にわたるように連続して設けられ、不動部位に固定されている。このまぐさ部31は、開閉体10及びガイドレール20の開閉体厚さ方向の両側に近接して設けられた挿通部31aと、該挿通部31aの上側に接続されたユニット設置部31bとを有し、前記挿通部31a内に開閉体10及びガイドレール20を挿通するとともに、ユニット設置空間部31b内にガイドローラユニット80を配設している。
挿通部31aの下端には、開閉体厚さ方向の両側へ突出するように鍔部31a1,31a1が設けられ、これら鍔部31a1,31a1には、天井板Qの端部が載置固定される。天井板Qには、必要に応じて、支持ブラケット70に対応する位置に、開閉可能な点検口qが設けられる。
ユニット設置部31bは、挿通部31aの上側で開閉体厚さ方向へ広がる段状に形成され、内部下面にガイドローラユニット80を載置している。また、ユニット設置部31bを囲む壁部には、該壁部を開閉体厚さ方向へ貫通するように、略筒状の貫通部82dが設けられ、該貫通孔82dには、第1の可撓性長尺部材a1が遊挿されている。第1の可撓性長尺部材a1は、貫通部82dを通ってまぐさ部31外へ導かれ、その先端側が第2の可撓性長尺部材a2の内側部材a22に接続される。
【0046】
なお、
図2中、符号31cは、開閉体幅方向へわたって連続する長尺状の支持杆である。この支持杆31cは、後述する基枠32aの下端に固定され、まぐさ部31の上端側を開閉体幅方向へわたって固定している。また、
図2中の符号39は、巻取軸32の外周に巻かれた開閉体10の片半部側に近接して該片半部側を覆うシャッターケースである。
【0047】
巻取軸32は、不動部位(例えば、当該開閉装置1の設置対象物である躯体等)に対し、基枠32aを介して回転自在に支持された軸状もしくは筒状の部材である。
【0048】
開閉機40は、ブラケット40aを介して基枠32aに支持される。この開閉機40は、例えば実開平01−118084号公報に示される周知構造の開閉機に、露出した操作体44を設けてなる。
図8は、開閉機40の要部断面図および自動閉鎖装置50の内部構造図である。
この開閉機40は、より詳細に説明すれば、巻取軸32の動力源となるモータ部41と、該モータ部41の一端側(図示例によれば右端側)でモータ部41による回転を制動するブレーキ機構42とを、ケーシング43内に備えている。
【0049】
モータ部41は、直流モータまたは交流モータであり、その回転子41aと一体の駆動軸41bの回転力を、動力伝達手段33(
図2参照)を介して巻取軸32へ伝達する。
なお、他例として、自重または手動の開閉でしか用いられない場合等には、開閉機40からモータ部41を省いて、駆動軸41bの回転を制動するブレーキ機構42(および手動駆動機構等)を主体とした構成としてもよい。
【0050】
ブレーキ機構42は、内在する付勢部材42c(図示例によればコイルスプリング)の付勢力に抗して操作体44が一方向(
図8によれば右方向)へ押動されることにより、駆動軸41bを回転不能に拘束した制動状態から、駆動軸41bを回転自在に解放した解除状態になるように構成されている。なお、
図8は、制動状態を示している。
【0051】
自動閉鎖装置50は、開閉機40に固定されたケーシング51内に、操作体44を押動した前進位置(
図9(b)に示す位置)と元の初期状態まで後退した復帰位置(
図9(a)に示す位置)との間で進退可能な進退部材52と、該進退部材52を前進方向へ付勢する付勢部材53(図示例によれば引張バネ)と、後退した際の前記進退部材52を前記復帰位置で係止するとともにその係止状態を閉鎖指令に応じて解放する係脱装置54と、前進した際の進退部材52を手動で復帰位置まで戻す手動復帰部材55(例えば紐状体や棒状体など)とを具備している。
【0052】
図9(a)中の隙間sは、前進した進退部材52が操作体44に押されて復帰位置に戻り係止されてしまうのを阻むために設けられる。
進退部材52の後端側には、手動復帰部材55と第2の可撓性長尺部材a2の内側部材a22が接続されている。
【0053】
係脱装置54は、内在する付勢部材(図示せず)の付勢力によって付勢されたプランジャ54aを進退部材52に係止させ、電磁ソレノイドの電磁力によって前記プランジャ54aを後退させて、進退部材52に対する係止を解除する装置である。
【0054】
上記構成の自動閉鎖装置50によれば、
図9(a)に示す初期位置(復帰位置)において電気的な閉鎖指令(防災信号等)を受けると、係脱装置54の電磁ソレノイドが通電され、
図9(b)に示すように、係脱装置54による係止状態が解除されて、進退部材52が、付勢部材53の付勢力によって前進して操作部44を押圧操作した前進位置となる。
また、前記前進位置において手動復帰部材55が手動操作で後方(
図9によれば左方向)へ引かれた場合には、進退部材52が、係脱装置54によって係止された復帰位置(
図9(a)参照)に戻る。
【0055】
なお、係脱装置54は、閉鎖指令により進退部材52を前進させて操作体44を操作し、進退部材52が後方から引っ張られて後退することで、操作体44を元の状態に戻すようにした機構であれば、図示例以外の他の構成としてもよい。
【0056】
そして、自動閉鎖装置50における進退部材52の後端側には、張力が生じた際に進退部材52を後方へ牽引するように、第2の可撓性長尺部材a2の内側部材a22が接続される。第2の可撓性長尺部材a2は、後述する支持ブラケット70及びガイドローラユニット80を介して、開閉体10の下方へ導かれる。
【0057】
支持ブラケット70は、ブレーキ機構42よりも下方側(詳細には、巻取軸32を支持する基枠32aよりも下方側)であって且つまぐさ部31の下端よりも上方側において、まぐさ部31の露出面に固定される(
図2参照)。
この支持ブラケット70は、
図3に示すように、略水平な矩形平板状の天板部71と、該天板部71の両側部を折り曲げてなる曲げ部72,72と、各曲げ部72の開閉体側の端部を側方へ折り曲げてなる止着部73と、天板部71の反開閉体側の端部を下方へ折り曲げてなる支持部74とを、下方を開放した略矩形箱状に加工してなり、その内部が、第1の可撓性長尺部材a1と第2の可撓性長尺部材a2との接続箇所を下方へ露出する接続用空間部70aになっている。
【0058】
二箇所の止着部73,73は、それぞれ、挿通される止着具(例えば、ボルト又はネジ等)によって、まぐさ部31に止着固定される。
【0059】
また、支持部74は、平板状部分に、貫通孔74aを形成するとともに、貫通孔74aの下側に該貫通孔74aを下方側の空間に連通する切欠部74bを形成しており、第2の可撓性長尺部材a2の外側部材a21における開閉体側の端部を、接続部材a23を介して支持している(
図2参照)。
貫通孔74aは、接続部材a23を遊挿可能であって、且つ該接続部材a23に螺合されるナットを挿通不能な大きさに形成される。
切欠部74bは、接続部材a23を挿通不能であって、且つ、第2の可撓性長尺部材a2の内側部材a22を挿通可能な大きさに形成される。
したがって、第2の可撓性長尺部材a2の開閉体側の端部を支持ブラケット70の支持部74に止着する際には、切欠部74bに対し、その下方側から内側部材a22を挿通し、第2の可撓性長尺部材a2を開閉体側へ寄せることで、接続部材a23を支持ブラケット70の支持部74に挿通し、接続部材a23における支持部74の両側にナットを装着して締め付ければよい。
【0060】
接続用空間部70aは、前記支持ブラケット70における天板部71と、曲げ部72,72と、支持部74と、まぐさ部31面とによって囲まれ、且つ下方を開放した空間であり、第1の可撓性長尺部材a1と、第2の可撓性長尺部材a2の内側部材a22との接続作業を容易に行える広さに形成される。
【0061】
また、ガイドローラユニット80は、まぐさ部31内のユニット設置部31b設けられ、上方へ導かれた第1の可撓性長尺部材a1を上半部側に掛けて上下方向に対する交差方向(図示例によれば略水平方向)へ導く(
図2参照)。
このガイドローラユニット80は、
図2及び
図4に示すように、ガイドローラ81と、軸受ブラケット82と、スペーサ83とから構成される。
【0062】
ガイドローラ81は、中心軸を略水平かつ開閉体10に対し略平行に配置した筒状の部材であり、その両端側が軸受ブラケット82よって回転自在に支持されている。このガイドローラ81の軸方向の長さは、第1の可撓性長尺部材a1が開閉体幅方向へ若干ずれた場合でも、該第1の可撓性長尺部材a1を脱落させないように十分な大きさに設定される。
【0063】
軸受ブラケット82は、下端側に略水平状に設けられる基部82aと、該基部82aの両側端から上方へ突出する左右の軸受片82b,82bと、基部82aの反開閉体側の端部から上方へ突出する止着片部82cとから一体に構成される(
図4参照)。
【0064】
基部82aは、略矩形平板状に形成され、後述する係合回動部材63の上面に載置固定される。
【0065】
各軸受片82bは、基部82aの側端部から上方へ延設され、ガイドローラ81端部の回転軸を、双方向へ回転するように支持している。この軸受片82bの上端部は、第1の可撓性長尺部材a1の脱落を阻むように、ガイドローラ81の外周面よりも上側に位置する。
【0066】
止着片部82cは、基部82aの反開閉体側の端部から上方へ延設され、その上端側に、第1の可撓性長尺部材a1をガイドするための切欠部82c1と、該切欠部82c1を間にして両端部側に位置する止着部82c2,82c2とから一体に形成される(
図4参照)。
切欠部82c1は、上方を開放した略U字状に形成され、貫通部82d(
図2参照)が装着される。該貫通部82dには、第1の可撓性長尺部材a1が遊挿される。貫通部82dは、外周に雄ネジ部を形成した円筒状の部材であり、切欠部82c1に嵌め合せられるとともにまぐさ部31の壁面に挿通され、該切欠部82c1およびまぐさ部31壁面を挟む両側からナットが螺合され締め付けられることで、固定される。
止着部82c2は、切欠部82c1を中央にして、両軸受片82b,82bよりも横幅方向へ突出する突片状に形成され、その突出した部分に、止着具(例えば、ボルトやネジ等)を挿通螺合する雌ネジ孔を有する。この止着片部82cは、まぐさ部31に対し外側から挿通された前記止着具を前記雌ネジ孔に螺合することで、まぐさ部31に対し一体的に固定される。
【0067】
スペーサ83は、開閉装置1のサイズ等に応じてガイドローラ81の高さ位置調整を可能にするものである。このスペーサ83は、図示例によれば、板金材料を断面凹状に曲げた形状を呈する。このスペーサ83は、ガイドローラ81の高さ位置を適宜に調整するために、必要に応じて、異なる高さのものが用いられる。
【0068】
そして、上記実施例によれば、開閉体厚さ方向において、ガイドローラユニット80と支持ブラケット70は、繰り出された開閉体10(換言すればガイドレール20)を境にして同方向側(
図2によれば右側)に位置する。更に、可撓性長尺部材a、巻取体15、被係合回転体17、押圧部材18及び係合回動部材63も、繰り出された開閉体10を境にして同一方向側(
図2によれば右側)に位置する。
また、開閉体厚さ方向において、ガイドローラユニット80及び支持ブラケット70は、繰り出された開閉体10を境にして、巻取軸32及び自動閉鎖装置50と同方向側(
図2によれば右側)に位置している。
【0069】
また、上記実施例によれば、可撓性長尺部材aは、基枠32aの下端よりも下方側を通過し、かつ、開閉体厚さ方向において、ガイドレール20に対して、巻取軸32、開閉機40及び動力伝達手段33よりも離れた位置を通過する(
図2参照)。
【0070】
次に、上記構成の開閉装置1の特徴的な動作を詳細に説明する。
先ず、防災信号のない通常状態では、ブレーキ機構42がコイルスプリング42c(
図8参照)の付勢力によって制動状態に維持され、開閉体10は全開状態で静止している。
【0071】
そして、全開状態にある開閉装置1が防災信号を受けると、図示しない制御部からの電気信号により、自動閉鎖装置50の係脱装置54が励磁して、進退部材52の係止状態が解除される(
図9(a)(b)参照)。
すると、自動閉鎖装置50の進退部材52は、付勢部材53の付勢力によって前進し、操作体44を揺動させて、開閉機40のブレーキ機構42を制動状態(
図9(a)参照)から解除状態(
図9(b)参照)にする。
【0072】
したがって、開閉機40内部では、駆動軸41bが自由回転可能な状態になる。
そのため、動力伝達手段33を介して駆動軸41bと連動する巻取軸32も自由回転可能な状態となる。
よって、巻取軸32に巻かれて全開状態にあった開閉体10は、自重により巻取軸32から繰り出されて閉鎖動作をし、この閉鎖動作中、第1の可撓性長尺部材a1が開閉体本体11下端側の巻取体15から繰り出される(
図10参照)。
【0073】
開閉体10の自重降下中(
図6(a)及び
図10参照)、可動座板12が障害物Xに当接した場合には、可動座板12が、開閉体本体11に相対して上昇する(
図11参照)。そして、揺動部材13の揺動端側が可動座板12に押圧されて上方へ揺動し、該揺動端側の押圧部材18が係合回動部材63を押して回動させる。
【0074】
先ず、係合回動部材63は、回動中心部63aから遠い第1の受圧部63cが作用点となって押されることで、比較的高トルクでゆっくりと回転を始め、被係合回転体17に近い方の第1の突起63b1が、被係合回転体17外周の凹部に噛み合う(
図11参照)。
【0075】
次に、係合回動部材63は、第2の受圧部63dが押圧部材18から押圧されることで、比較的低トルクで高速に回転して、第2の突起63b2を被係合回転体17外周の凹部に噛み合わせ、被係合回転体17及び巻取体15を若干巻取り方向(図示の反時計方向)へ回転させる(
図12参照)。
この状態では、巻取体15及び被係合回転体17の回転か略拘束された状態となる。したがって、第1の可撓性長尺部材a1及び第2の可撓性長尺部材a2内の内側部材a22には、被係合回転体17の若干の巻取り方向の回転と、開閉体本体11の重量とによって、張力が生じ、この張力によって、ブレーキ機構42が制動状態となり、開閉体10の閉鎖動作が停止する。
【0076】
このように、前記構成によれば、係合回動部材63と被係合回転体17とを、段階的に深く噛み合わせることができる上、その噛み合わせの際に、被係合回転体17及び巻取体15を若干巻取り方向へ回転させるため、可撓性長尺部材aの張力を比較的大きく確保し易い。
【0077】
また、開閉体10の下方から障害物Xが除去された場合には、自重により可動座板12が開閉体本体11に相対して下方へ移動するため、揺動部材13及び押圧部材18が下方へ揺動し、それに伴って係合回動部材63の係合部63bが被係合回転体17から離脱するように逆方向へ回動し、巻取体15に対する拘束状態が解除され、巻取体15から第1の可撓性長尺部材a1が繰り出される。つまり、
図6(b)及び
図12に示す状態から、
図6(a)及び
図10に示す状態に戻る。
よって、ブレーキ機構42が再び制動状態から解除状態になり、開閉体10の閉鎖動作が自動的に再開することになる。
【0078】
上記構成の開閉装置1によれば、可撓性長尺部材aを構成する第1の可撓性長尺部材a1と第2の可撓性長尺部材a2の接続箇所を、まぐさ部31の外部に露出しているため、当該開閉装置1の設置作業の際に、第1の可撓性長尺部材a1と第2の可撓性長尺部材a2の接続作業を容易に行うことができる。
また、メンテナンス等のために、第1の可撓性長尺部材a1と第2の可撓性長尺部材a2の接続を外したり再度接続したりする場合も、天井板Qの点検口qを開放すれば、前記接続箇所を容易に視認することができ、ひいては、第1の可撓性長尺部材a1と第2の可撓性長尺部材a2の内側部材a22との着脱作業を容易に行うことができる。
また、前記接続箇所を構成する接続部a11,a24が貫通部82dおよび接続部材a23に対し挿通不能に形成されるため、前記接続箇所を外した際に、その端部(接続部a11と接続部a24)が、貫通部82d内または接続部材a23内に引き込まれるようなことがなく、作業性が良好である。
【0079】
なお、上記構成の開閉装置1は、その一部の構成を、適宜、他の態様のものに置換することが可能である。次に、これらについて詳細に説明する。
【0080】
開閉装置1において、支持ブラケット70は、
図13及び
図14に示す支持ブラケット70’に置換することが可能である。
支持ブラケット70’は、上記支持ブラケット70(
図13参照)に対し、係止片75を加えた構成になっている。
係止片75は、接続部材a23よりも開閉体側に配置されて天板部71の下面に溶接等の固定手段によって固定される。この係止片75には、第2の可撓性長尺部材a2の内側部材a22を遊挿するように、下方へ開口部を向けた切欠部75aが設けられる。この切欠部75aは、内側部材a22を挿通し、且つ接続部a24を挿通不能な幅に形成される。
【0081】
支持ブラケット70’を具備した開閉装置2は、
図14に示すように、第2の可撓性長尺部材a2の外側部材a21下端側が接続部材a23を介して支持部74に固定される。そして、第2の可撓性長尺部材a2の内側部材a22を係止片75の切欠部75aに挿通させるとともに、接続部a24を、係止片75よりも開閉体側の接続用空間部70aに配置している。接続部a24には、第1の可撓性長尺部材a1側の接続部a11が重ね合わせられて、ボルトとナットにより連結される。
【0082】
この開閉装置2においては、接続部材a23の軸方向の位置が調整可能になっている。詳細に説明すれば、接続部材a23の外周面には、該接続部材a23の軸方向にわたって雄ネジ部が形成される。接続部材a23は、支持部74を挟むようにして、その一方側の単一のナットと、他方側のダブルナットにより固定されている。したがって、これらナットを回す調整によって接続部材a23の軸方向位置を調整することができる。
【0083】
上記構成の開閉装置2では、例えば、可撓性長尺部材aの伸びや弛み等に起因して障害物感知性能が低下した場合等に、例えば、前記ナットの調整により接続部材a23を反開閉体側(
図14によれば右側)へ移動すれば、第2の可撓性長尺部材a2の接続部a24が係止片75に係止されるため、第2の可撓性長尺部材a2の内側部材a22は移動せず、外側部材a21の下端側のみが反開閉体側へ移動する(外側部材a21の上端側は自動閉鎖装置50のケースに止着されており移動しない)。この結果、内側部材a22の張力を高めることができ、ひいては、障害物感知性能の低下を防ぐことができる。
【0084】
また、他例として、開閉装置1又は2において、ガイドローラユニット80は、
図15に示す支持ブラケット80’に置換することが可能である。
【0085】
支持ブラケット80’は、上記ガイドローラユニット80(
図3参照)に対し、棒状ガイド部材84と、唾部82b1とを追加したものである。
【0086】
棒状ガイド部材84は、ガイドローラ81の外周面から上方に所定間隔を置くように配置され、ガイドローラ81との間に第1の可撓性長尺部材a1を挿通させる。
この棒状ガイド部材84は、図示例によれば、ボルトであり、軸受ブラケット82における一方の軸受片82bの上端側に挿通され、その先端側の雄ネジ部を他方の軸受片82bの上端側に螺合している。
【0087】
また、唾部82b1は、軸受片82bの開閉体面側の端部をガイドローラ81の逆側へ曲げることで形成され、該唾部82b1と軸受片82bとの交差部分をr面取り状の凸曲面に形成している。
【0088】
よって、支持ブラケット80’を備えた開閉装置(図示せず)によれば、第1の可撓性長尺部材a1が弛んでガイドローラ81から脱落するのを、棒状ガイド部材84によって防ぐことができる。
また、第1の可撓性長尺部材a1がガイドローラ81に対し幅方向へ滑った場合でも、該第1の可撓性長尺部材a1が軸受片82bの縁で擦れて損傷するのを、唾部82b1及び該唾部82b1付け根の凸曲面によって防ぐことができる。
【0089】
また、他例として、開閉装置1又は2において、ガイドローラユニット80は、
図16に示す支持ブラケット80”に置換することが可能である。
【0090】
支持ブラケット80”は、上記ガイドローラユニット80’(
図15参照)に対し、補助ローラ85を追加したものである。
補助ローラ85は、ガイドローラ81の中心軸よりも下側で、ガイドローラ81よりも開閉体面側へ突出し、且つガイドローラ81と略平行に設けられ、両側の軸受片82b,82bによって回転自在に支持される。
図示例によれば、この補助ローラ85は、ガイドローラ81よりも外形の小さいローラであり、その外周面が、唾部82b1表面よりも若干ガイドローラ81中心側に位置している。
【0091】
支持ブラケット80”の特徴的な作用効果について説明すれば、例えば、第1の可撓性長尺部材a1を金属製ワイヤー等のある程度の剛性を有する長尺部材から形成した場合、該第1の可撓性長尺部材a1がガイドローラ81周囲で膨らむようにして弛むおそれがあるが、このようにして弛もうとする第1の可撓性長尺部材a1に対し補助ローラ85の外周面を接触させることができる。
このため、障害物感知時に第1の可撓性長尺部材a1に張力が作用した際に、前記弛みによって張力が自動閉鎖装置50に伝達されず作動不良を起こすようなことを防ぐことができる。
【0092】
次に、
図17に示す開閉装置3について説明する。
この開閉装置3は、上記開閉装置1に対し、開閉体側補助ローラ86を追加した構成とされる。
【0093】
開閉体側補助ローラ86は、開閉体本体11の閉鎖方向端部側に回転自在に支持され、外周面を第1の可撓性長尺部材a1に接触させて第1の可撓性長尺部材a1を上方へ導く。
より詳細に説明すれば、開閉体側補助ローラ86は、開閉体本体11下端側で巻取体15を覆うカバー部材16の上側に設けられ、軸受け部材を介して回転自在に支持される。この開閉体側補助ローラ86と開閉体本体11との間には第1の可撓性長尺部材a1が挿通され、該第1の可撓性長尺部材a1は、開閉体側補助ローラ86の外周面に接触して上方へ導かれる。
また、この開閉体側補助ローラ86は、開閉体10が全開した際に、ガイドローラ81よりも上側に位置する。
【0094】
よって、上記構成の開閉装置3によれば、開閉体10の下端がまぐさ部31から下方へ繰り出された状態(
図17(a)(b)参照)では、第1の可撓性長尺部材a1が、ガイドローラ81の外周面と開閉体側補助ローラ86に接触した状態となり、障害物感知時には速やかに張力を発生する。
開閉体10の下端がまぐさ部31内に収納した状態(
図17(c))では、開閉体側補助ローラ86がガイドローラ81よりも上側に位置するため、第1の可撓性長尺部材a1がガイドローラ81から離間するとともに、開閉体側補助ローラ86が第1の可撓性長尺部材a1を上下方向に対する交差方向(図示例によれば支持ブラケット70の方向)へ導く。
このため、可撓性長尺部材aの曲げ部分が回転不能部位に擦れて、可撓性長尺部材aの張力が生じにくくなるようなことを防ぐことができる。すなわち、例えば、開閉体側補助ローラ86がない場合には、第1の可撓性長尺部材a1がカバー部材16やまぐさ部31等に擦れて可撓性長尺部材aの張力が生じにくくなり、障害物感知性能が低下するおそれがあるが、開閉体側補助ローラ86を備えた開閉装置3によれば、前記のようなことを解消し、障害物感知性能を向上することができる。
【0095】
なお、上記実施例では、好ましい一例として、第1の可撓性長尺部材a1と第2の可撓性長尺部材a2の接続箇所を、巻取軸32を支持する基枠32aよりも下方側であって且つまぐさ部31の下端よりも上方側に配置したが、他例としては、前記接続箇所を、開閉機40よりも下方側であって基枠32aの下端よりも上方側に配置することも可能である。
【0096】
また、上記実施例によれば、第1の可撓性長尺部材a1と第2の可撓性長尺部材a2とのうち、第2の可撓性長尺部材a2のみを外側部材a21と内側部材a22とからなる二重構造としたが、他例としては、第1の可撓性長尺部材a1も同様の二重構造とすることが可能である。さらに、他例としては、第1の可撓性長尺部材a1及び第2の可撓性長尺部材a2とも、外側部材a21を有さない紐状部材(例えば、金属製ワイヤー等)とすることも可能である。
【0097】
また、上記実施例では、可撓性長尺部材aの張力によって自動閉鎖装置50の進退部材52を引っ張って、ブレーキ機構42を制動状態にするようにしたが、他例としては、可撓性長尺部材aの張力によって直接的に前記操作体44を引っ張ってブレーキ機構42を制動状態にする構成とすることも可能である。さらに、可撓性長尺部材aが緩んだ際の張力変化によってブレーキ機構42を解放状態から制動状態にする構成とすることも可能である。
【0098】
また、
図6に示すガイドローラユニット80では、補助ローラ85を単数設けるようにしているが、他例としては、補助ローラ85を複数設けることも可能である。
【0099】
また、
図7に示す開閉装置3では、開閉体側補助ローラ86を単数設けるようにしたが、他例としては、開閉体側補助ローラ86の上方に、さらに単数もしくは複数の開閉体側補助ローラを設けることも可能である。
【0100】
また、上記実施例では、第1の可撓性長尺部材a1及び第2の可撓性長尺部材a2の内側部材a22を金属製ワイヤーとしたが、これら長尺部材は、可撓性を有する長尺状の部材であればよく、他例としては、帯状物や、鎖状物、紐等とすることも可能である。更に、他例としては、導電性の材料とし、電線としての作用を兼ね備えた構成とすることも可能である。
【0101】
また、上記実施例によれば、開閉体10の一例として複数のスラットを連設してなるシャッターカーテンを示したが、この開閉体10の他例としては、単数もしくは複数のパネルや、シート状物、ネット状物を開閉方向へ配設してなる態様、あるいはスラット、パネル、パイプ、シート状物、ネット状物等を適宜に組み合わせてなる態様等としてもよい。
【0102】
また、ブレーキ機構42は、可撓性長尺部材aの張力変化により開閉体10の閉鎖動作を制動する機構であればよく、他例としては、可撓性長尺部材aの張力により操作されることで、摩擦部材(ブレーキパッド等)や係止爪を開閉体本体11や巻取軸32等に係合して制動する機構等とすることも可能である。
【0103】
また、上記実施例によれば、開閉体10を上方側の巻取軸32によって巻き取ったり繰り出したりする態様としたが、他例としては、開閉体10を巻き取ることなく上方へ収納したり上方から繰り出したりする態様(例えば、オーバヘッドドア等)とすることも可能である。
【0104】
また、上記実施例によれば、被係合回転体17を巻取体15と一体的に構成したが、この被係合回転体17は、巻取体15と一体的に回転する構成であればよく、例えば、巻取体15の回転軸に一体に設けられた構成や、歯車等を解して巻取体15と一体的に回転する構成とすることも可能である。
【0105】
また、上記実施例によれば、係合回動部材63を被係合回転体17の外周部に噛み合わせて巻取体15を制動する構造としたが、他例としては、係合回動部材を巻取体15又は被係合回転体17に摺接して、巻取体15を制動する構造とすることも可能である。
【0106】
また、上記実施例によれば、係合回動部材63に第1の受圧部63cと第2の受圧部63dの二つの受圧部を設けたが、この受圧部は、可動座板12の上昇による前記係合回動部材の回動に伴い、その受圧位置を回動支点部に近づけるように形成されていればよく、受圧部の他例としては、受圧位置を回動支点部側へ移動するように形成された3以上の突起からなる態様や、受圧位置を回動支点部側へ連続的に移動するように湾曲形成された単数の突起からなる態様等とすることも可能である。
【0107】
また、上記実施例によれば、まぐさ部31が開閉体10を内在する略閉鎖された空間を形成するようにしたが、他例としては、まぐさ部31が鍔部31a1と挿通部31aのみからなり、ユニット設置部31bの部分を外部に開放した態様や、
図2の態様からまぐさ部31を省き、天井板Qにおける開閉体10を挿通させる開口部を、まぐさ部とした態様等とすることも可能である。
【0108】
また、図示例以外の他例としては、開閉体厚さ方向において、ガイドローラユニット80及び支持ブラケット70を、繰り出された開閉体10(換言すればガイドレール20)を境にして、巻取軸32及び自動閉鎖装置50とは反対側(
図2によれば左側)に位置させることも可能である。この場合には、可撓性長尺部材aも、開閉体厚さ方向において、ガイドローラユニット80及び支持ブラケット70と同方向側(
図2によれば左側)に位置させる。可撓性長尺部材aを自動閉鎖装置50に接続するためには、可撓性長尺部材aを巻取軸32(および該巻取軸32に巻かれた開閉体10)の上方を通過させて自動閉鎖装置50に達するようにすればよい。要するに、可撓性長尺部材aは、開閉体10、巻取軸32及び開閉機40等と干渉しないように、自動閉鎖装置50に接続すればよい。
【0109】
また、上記実施例によれば、前記張力可変手段の一例として、開閉体10の下端側に可撓性長尺部材aの下端側を巻き取る巻取体15を設け、この巻取体15を可動座板12の上昇によって拘束して、可撓性長尺部材aに張力を発生するようにしたが、前記張力可変手段の他例としては、開閉体10の下端側に、ブレーキ機構42(詳細には自動閉鎖装置50)から下方へ導かれた可撓性長尺部材aを下半部に掛けて上方へ導く滑車部材を設けるとともに、開閉体10上方の不動部位に、前記滑車部材によって上方へ導かれた可撓性長尺部材aを巻き取るように巻取体を設け、可動座板12の上昇によって前記滑車部材を拘束して、可撓性長尺部材aに張力を発生させる構造とすることも可能である。この他例の場合も、前記巻取体は、開閉体厚さ方向において、繰り出された開閉体10(換言すればガイドレール20)を境にし、ガイドローラユニット80と同方向側(
図2によれば開閉体10の右方向側)に位置させ、より好ましくは、ガイドローラユニット80の近傍に位置させる。
【0110】
また、張力可変手段は、図示例以外の態様とすることも可能であり、例えば、可撓性長尺部材a(詳細には第1の可撓性長尺部材a1)をその両側から挟んで(あるいは、挟みながら押圧して)拘束する機構等を採用することも可能である。