(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、この発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。また、この実施の形態の構成要素には、発明の同一性を維持しつつ置換可能かつ置換自明なものが含まれる。また、この実施の形態に記載された複数の変形例は、当業者自明の範囲内にて任意に組み合わせが可能である。
【0011】
[原子力プラント]
図1は、この発明の実施の形態にかかる原子力プラントを示す構成図である。同図は、一例として、加圧水型原子炉(PWR:Pressurized Water Reactor)を備える原子力発電プラントを示している。なお、この原子力プラントは、沸騰水型原子炉(BWR:Boiling Water Reactor)を備える原子力プラントに適用されても良い(図示省略)。
【0012】
図1の原子力プラント1は、原子炉格納容器11内に、原子炉12、蒸気発生器13、加圧器14および冷却水ポンプ15を備える。また、原子炉12の出口側と蒸気発生器13の入口側とが第一冷却水配管161を介して相互に接続され、この第一冷却水配管161上に加圧器14が配置される。また、蒸気発生器13の出口側と原子炉12の入口側とが第二冷却水配管162を介して相互に接続され、この第二冷却水配管162上に冷却水ポンプ15が配置される。
【0013】
また、原子力プラント1は、蒸気タービン21と、復水器22と、発電機23とを備える。また、蒸気タービン21が、タービンロータを介して発電機23に連結される。また、蒸気タービン21の入口部が第三冷却水配管251を介して蒸気発生器13の出口部に接続され、また、蒸気タービン21の出口部が復水器22に接続される。また、復水器22が、第四冷却水配管252を介して蒸気発生器13の入口部に接続される。また、第四冷却水配管252上に、復水ポンプ24が配置される。
【0014】
この原子力プラント1では、原子炉12が、燃料として低濃縮ウランまたはMOX(Mixed OXide)を使用し、また、一次冷却水および中性子減速材として軽水を使用する。また、原子炉12が、一次冷却水を燃料により加熱して高温高圧水を生成する。このとき、原子炉12の炉心における一次冷却水の沸騰を抑制するために、加圧器14が一次冷却水を150〜160気圧の高圧状態に維持する。これにより、炉心全体にわたって沸騰しない高温高圧の一次冷却水が生成される。そして、この高温高圧の一次冷却水が、第一冷却水配管161を介して蒸気発生器13に供給される。
【0015】
また、蒸気発生器13が、原子炉12からの一次冷却水と二次冷却水とを熱交換させて、二次冷却水の蒸気を発生させる。そして、この蒸気(二次冷却水)が、第三冷却水配管251を介して蒸気タービン21に供給される。また、冷却水ポンプ15が、熱交換後の一次冷却水を第二冷却水配管162を介して原子炉12に還流させる。そして、一次冷却水が原子炉12と蒸気発生器13との間を循環することにより、蒸気発生器13が二次冷却水の蒸気を連続的に発生する。
【0016】
また、蒸気タービン21が、蒸気発生器13からの二次冷却水の熱エネルギーにより駆動トルクを発生して、ロータを介して発電機23を駆動する。これにより、発電機23が稼動して発電する。また、復水器22が、蒸気タービン21を通過した二次冷却水と冷媒とを熱交換させて蒸気を凝縮させる。また、復水器22が、冷媒として海水を汲み上げて取水管から取り込み、また、熱交換後の冷媒を排水管から排出する。また、復水ポンプ24が、熱交換後の二次冷却水を第四冷却水配管252を介して蒸気発生器13に還流させる。そして、二次冷却水が蒸気発生器13と蒸気タービン21と復水器22との間を循環することにより、発電機23が連続的に駆動される。
【0017】
また、原子力プラント1は、制御保護系設備30と、中央制御装置40とを備える。
【0018】
制御保護系設備30は、汎用コンピュータあるいは専用コンピュータであり、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などを有する原子炉制御系計器ラック(図示省略)を備える。この制御保護系設備30は、原子力プラント1の状態量を取得する各種センサ(図示省略)からの信号に基づいて、原子力プラント1を運転するためのポンプやバルブなどの各種機器の作動を制御する。また、制御保護系設備30は、原子力プラント1の各種センサからの信号を処理して所定の信号(例えば、原子炉12の水位、圧力、流量等のプロセスパラメータを示すデジタル信号、各系統の状態や各機器の状態を示す信号、異常発生時における警報信号など)を中央制御装置40に出力する。また、制御保護系設備30は、中央制御装置40からの信号に基づいて原子力プラント1の各種機器を制御する。これにより、原子力プラント1が制御されて、原子炉12の核反応を停止させる、原子力プラント1を冷却する、原子力プラント1からの放射性物質の漏洩を防ぐ等の機能が実現される。
【0019】
中央制御装置40は、原子力プラント1を監視および制御するための中央制御盤から構成され、原子力プラント1の中央制御室に配置される。この中央制御装置40は、制御保護系設備30からの信号に基づいて、原子力プラント1の運転状況や安全状況などに関する所定の情報(例えば、原子炉12の水位、圧力、流量等のプロセスパラメータ、各系統の状態や各機器の状態など)を表示部に表示する。また、運転員による入力操作に基づいて、原子力プラント1の各系統や各機器を制御するための信号を制御保護系設備30に出力する。
【0020】
[中央制御装置の具体的構成]
図2は、
図1に記載した中央制御装置の一例を示す外観構成図である。同図は、中央制御盤を有する中央制御装置を示している。
【0021】
中央制御装置40は、運転コンソール41と、大型表示盤42とを備えた中央制御装置である(
図2参照)。
【0022】
運転コンソール41は、原子力プラント1を監視操作するための装置であり、警報VDU(Visual Display Unit)411と、常用系VDU412と、安全系VDU413と、運転手順書VDU414と、ハードウェア操作器415とを備える。警報VDU411は、異常発生時にて原子力プラント1に関する各種の警報を表示する表示部としての機能と、原子力プラント1を操作するための操作部としての機能との双方を有する監視操作用機器である。常用系VDU412は、原子力プラント1の情報を表示する表示部としての機能と、原子力プラント1を操作するための操作部としての機能との双方を有する監視操作用機器である。安全系VDU413は、原子力プラント1の安全系の情報を表示する表示部としての機能と、原子力プラント1の安全系を操作するための操作部としての機能との双方を有する監視操作用機器である。運転手順書VDU414は、運転手順書を表示する機能と原子力プラント1の情報を表示する表示部としての機能と原子力プラント1を操作するための操作部としての機能を有する監視操作用機器である。これらの警報VDU411、常用系VDU412、安全系VDU413および運転手順書VDU414は、例えば、タッチパネル操作器から構成される。ハードウェア操作器415は、原子力プラント1を操作するための各種の物理スイッチから構成される。
【0023】
大型表示盤42は、固定表示部421と、可変表示部422とを備える。固定表示部421は、主要パラメータや代表的な警報などを常時表示する。この固定表示部421は、例えば、原子力プラント1の運転状況や安全状況などの所定の情報を表示するOKモニタ、原子力プラント1を運転するためのポンプやバルブなどの各種機器が操作可能か否かを表示するBISI(Bypassed and Inoperable State Indication)モニタなどから構成される。可変表示部422は、運転コンソール41の各VDU411〜413における表示画面を選択的に表示できる。
【0024】
[運転手順書を用いた運転支援]
図3は、
図1に記載した中央制御装置を示す機能ブロック図である。この中央制御装置40は、運転員の対応操作を総合的かつ的確に支援して、原子力プラント1の安全性および信頼性を一層向上するために、以下の構成を採用している。
【0025】
中央制御装置40は、制御部43および記憶部44を備える(
図3参照)。
【0026】
制御部43は、例えば、CPU(Central Processing Unit)であり、記憶部44に記憶されている各種のプログラムおよびデータを読み込んで実行することにより、中央制御装置40の動作を統括的に制御して各種機能を実現する。具体的には、制御部43が、制御保護系設備30および運転コンソール41からの入力信号に基づいて、運転コンソール41の表示制御および大型表示盤42の表示制御を行う。また、制御部43が、運転コンソール41からの入力信号に基づいて、原子力プラント1の各種機器を制御するための信号を生成して制御保護系設備30に出力する。
【0027】
記憶部44は、例えば、不揮発性メモリや磁気記憶装置であり、制御部43での処理に用いられる各種のプログラムおよびデータを格納する。具体的には、記憶部44が、運転手順書選択表示プログラム441、警報表示プログラム442、診断プログラム443、プラント情報表示プログラム444、経年変化診断プログラム445、操作履歴記録プログラム446および誤操作検知プログラム447を格納している。運転手順書選択表示プログラム441は、運転コンソール41の監視操作用機器(警報VDU411、常用系VDU412および安全系VDU413)への入力操作に対応する運転手順書を選択して、その監視操作用機器に表示させるプログラムである。警報表示プログラム442は、所定の警報信号に基づいて対応する警報を監視操作用機器および大型表示盤42に表示させるプログラムである。診断プログラム443は、原子力プラント1の状況を診断して診断結果を監視操作用機器に表示させるプログラムである。プラント情報表示プログラム444は、運転手順書と、運転手順書に規定された原子力プラント1の情報とを関連付けて監視操作用機器に表示させるプログラムである。経年変化診断プログラム445は、定常運転時における原子力プラント1の状態量の変動を診断して、診断結果を監視操作用機器に表示させるプログラムである。操作履歴記録プログラム446は、監視操作用機器に表示された運転手順書に規定された対応操作と、監視操作用機器への入力操作とを関連付けて記録するプログラムである。誤操作検知プログラム447は、監視操作用機器に表示された運転手順書に規定された対応操作と、監視操作用機器への入力操作との不一致を検出するプログラムである。
【0028】
図4〜
図7は、
図1に記載した中央制御装置の作用を示す説明図である。これらの図は、運転手順書を用いた運転支援の様子を示している。
【0029】
この中央制御装置40では、上記のように、運転コンソール41の警報VDU411、常用系VDU412および安全系VDU413が、タッチパネル操作器から成り、表示部としての機能と操作部としての機能の双方を有する(
図2および
図3参照)。原子力プラント1の運転時には、警報VDU411が異常発生時における各種の警報を表示し、常用系VDU412が原子力プラント1の各種の情報を表示し、安全系VDU413が原子力プラント1の安全系に関する各種の情報を表示する。そして、運転員が、これらの表示を用いて原子力プラント1を監視し、必要に応じて監視操作用機器(警報VDU411、常用系VDU412および安全系VDU413)に対して入力操作を行う。
【0030】
ここで、運転コンソール41の監視操作用機器に対して何らかの入力操作があった場合には、制御部43が、この入力操作に対応する運転手順書を選択して、入力操作があった監視操作用機器にポップアップ表示させる。これにより、膨大な運転手順書から必要な運転手順書を選択する運転員の負担を軽減できる。
【0031】
なお、運転手順書には、原子力プラント1の運転手順(例えば、起動手順、停止手順など)、異常発生時における対応操作、OKモニタの判定ロジックや後述する診断システムにおける診断ロジックなどに関する記載が含まれる。
【0032】
(1)例えば、原子力プラント1に異常が発生すると、警報システムが作動する。この警報システムでは、制御保護系設備30が、原子力プラント1の各種センサ(図示省略)からの信号に基づき異常発生を検知して、警報信号を中央制御装置40に出力する。すると、中央制御装置40の制御部43が、警報信号に対応する警報を警報VDU411の表示画面に表示させる(
図4(a)参照)。警報VDU411に表示される警報は、例えば、大型表示盤42の固定表示部421のOKモニタに対応する表示項目を有し、また、監視操作用機器に表示する画面上のOKモニタ診断結果である「OK」ボタンおよび「NG」ボタンにより、診断結果の詳細情報が表示される。運転員は、警報表示画面内のボタンをタッチ操作することにより、警報への対応操作を開始できる。そして、制御部43が、この入力操作に応じて、警報への対応操作にかかる運転手順書(対応操作が記載された頁)を選択して警報VDU411の表示画面および運転手順書VDU414に表示させる(
図4(b)参照)。これにより、運転員が、運転手順書を参照しつつ警報への対応操作を行い得る。
【0033】
(2)また、例えば、制御保護系設備30が多数の警報信号を出力するような異常事態には、中央制御装置40の診断システムが作動する。この診断システムでは、制御部43が、制御保護系設備30からの警報信号および原子力プラントの情報に基づいて原子力プラント1の状況を診断して、診断結果を常用系VDU412に表示させる(
図5(a)参照)。例えば、原子炉12の水位センサ(図示省略)からの出力信号が低下すると、制御部43が制御保護系設備30からの信号に基づいて異常発生箇所を診断して、診断結果を常用系VDU412に表示させる。この診断結果は、例えば、系統図を用いた異常発生箇所の表示などから構成される。運転員は、診断結果表示画面内のボタン(例えば、系統図の補機シンボル)をタッチ操作することにより、診断結果への対応操作を開始できる。そして、制御部43が、この入力操作に応じて、診断結果への対応操作にかかる運転手順書を選択して常用系VDU412の表示画面および運転手順書VDU414に表示させる(
図5(b)参照)。これにより、運転員が、運転手順書を参照しつつ診断結果への対応操作を行い得る。
【0034】
なお、上記した(1)が、制御保護系設備30からの警報信号に対する個別対応であるのに対して、上記した(2)は、多数の警報信号が発生したときの事象対応としての位置付けを有する。
【0035】
(3)また、制御部43は、上記(1)、(2)で選択した運転手順書と、この運転手順書に規定された原子力プラント1の情報とを関連付けて監視操作用機器に表示させる(
図6参照)。運転手順書に規定された原子力プラント1の情報には、原子力プラント1の運転状況や安全状況などに関する所定の情報(例えば、原子炉12の水位、圧力、流量等のプロセスパラメータ、各系統の状態や各機器の状態など)が含まれる。例えば、選択された運転手順書の記載が「水位が15[%]以上であることを確認」である場合には、制御部43が、現在の水位を制御保護系設備30からのデジタル信号から選択して運転手順書と共に監視操作用機器に表示させる。これにより、運転員が、運転手順書を参照しつつ必要な情報を確認できる。また、所定の操作機に対して所定の操作を行うべきことが運転手順書に記載されている場合には、制御部43が、運転手順書と、操作対象である操作機とを表示できる。さらに、制御部43が、現在の原子力プラント1の状態に対して所定の対応が必要なときに、その対応に必要な情報を監視操作用機器に集約して表示できる。これらにより、運転員の操作を効率的に支援できる。
【0036】
(4)また、原子力プラント1では、その状態量が徐々に変動する場合がある。例えば、原子炉12のプロセスパラメータが、経年変化や季節変化により徐々に推移する場合が挙げられる。そこで、この中央制御装置40では、制御部43が、定常運転時における原子力プラント1の状態量の変動を診断して、診断結果を常用系VDU412に表示させる(図示省略)。運転員は、診断結果表示画面のボタンをタッチ操作することにより、診断結果への対応操作を開始できる。そして、制御部43が、この入力操作に応じて、診断結果への対応操作にかかる運転手順書を選択して常用系VDU412の表示画面に表示させる。これにより、運転員が、運転手順書を参照しつつ診断結果への対応操作を行い得る。
【0037】
(5)また、上記の構成では、制御部が、監視操作用機器に表示された運転手順書に規定された対応操作と、監視操作用機器への入力操作とを関連付けて記録することが好ましい(
図7参照)。例えば、制御部43が、常用系VDU412への入力操作に対応して、「○○ポンプをONにする」、「制御棒位置を炉底にする」および「トリップ遮断機をOFFにする」ことを規定した運転手順書を選択して常用系VDU412に表示したとする。そして、運転員が、この運転手順書を参照しつつ常用系VDU412を順次タッチ操作して対応操作を行ったとする。このとき、制御部が、運転手順書に規定された対応操作と、常用系VDU412への入力操作の内容とを相互に関連付けて記録する。これにより、運転員による対応操作の実行履歴を記録できる。
【0038】
(6)さらに、制御部43は、運転手順書に規定された対応操作と常用系VDU412への入力操作の内容とが不一致の場合(誤操作)や、運転手順書に規定された対応操作が行われていない場合(対応操作の不履行)に、これを記録し、また、常用系VDU412にアラートを表示しても良い。これにより、運転員による対応操作が運転手順書に沿って行われたか否かを容易に判定できる。
【0039】
なお、上記した対応操作の実行履歴は、外部端末50(
図1参照)にて管理される。
【0040】
[効果]
以上説明したように、この原子力プラント1の中央制御装置40は、原子力プラント1を監視および制御する(
図1参照)。また、中央制御装置40は、原子力プラント1の情報(例えば、運転情報、安全情報など)を表示する表示部としての機能と原子力プラント1を操作するための操作部としての機能との双方を有する監視操作用機器(例えば、運転コンソール41の警報VDU411、常用系VDU412および安全系VDU413)と、これらの監視操作用機器を制御する制御部43とを備える(
図3参照)。また、制御部43が、監視操作用機器への入力操作に対応する運転手順書を選択して監視操作用機器に表示させる(
図4および
図5参照)。
【0041】
かかる構成では、監視操作用機器への入力操作に対応する運転手順書が監視操作用機器に表示されるので、大量の運転手順書から必要な運転手順書を選択する運転員の負担を軽減できる利点がある。また、指示計、操作器、警報器などからの情報は、そのときの運転に即した内容で組み合わせて監視操作用機器に提示されるので、運転員は、この情報と運転手順書を参照しつつ対応操作を行い得る。これにより、運転員の経験が浅い場合にも運転品質が向上して、原子力プラント1の安全性および信頼性が向上する利点がある。
【0042】
また、この原子力プラント1の中央制御装置40では、制御部43が、原子力プラント1の異常発生時にて警報を監視操作用機器に表示させる(
図4参照)。そして、この警報に対して監視操作用機器への入力操作が行われると、制御部43が、対応する運転手順書を選択して監視操作用機器に表示させる。これより、大量の運転手順書から必要な運転手順書を選択する運転員の負担を軽減でき、また、運転品質が向上して原子力プラント1の安全性および信頼性が向上する利点がある。
【0043】
また、この原子力プラント1の中央制御装置40では、制御部43が、原子力プラント1の状況を診断して診断結果を監視操作用機器に表示させる(
図5参照)。そして、この診断結果に対して監視操作用機器への入力操作が行われると、制御部43が、対応する運転手順書を選択して監視操作用機器に表示させる。これより、大量の運転手順書から必要な運転手順書を選択する運転員の負担を軽減でき、また、運転品質が向上して原子力プラント1の安全性および信頼性が向上する利点がある。
【0044】
また、この原子力プラント1の中央制御装置40では、制御部43が、運転手順書と、運転手順書に規定された原子力プラント1の情報とを関連付けて監視操作用機器に表示させる(
図6参照)。かかる構成では、運転員が運転手順書を参照しつつ必要な情報を確認できるので、運転品質が向上して原子力プラント1の安全性および信頼性が向上する利点がある。また、所定の操作機に対して所定の操作を行うべきことが運転手順書に記載されている場合には、制御部43が、運転手順書と、操作対象である操作機とを表示することにより、運転員の操作を効率的に支援できる利点がある。さらに、制御部43が、現在の原子力プラント1の状態に対して所定の対応が必要なときに、その対応に必要な情報を監視操作用機器に集約して表示することにより、運転員の操作を効率的に支援できる利点がある。
【0045】
また、この原子力プラント1の中央制御装置40では、制御部43が、原子力プラント1の状態量の推移を診断して診断結果を監視操作用機器に表示させる(図示省略)。そして、この診断結果に対して監視操作用機器への入力操作が行われると、制御部43が、対応する運転手順書を選択して監視操作用機器に表示させる。これより、大量の運転手順書から必要な運転手順書を選択する運転員の負担を軽減でき、また、運転品質が向上して原子力プラント1の安全性および信頼性が向上する利点がある。
【0046】
また、この原子力プラント1の中央制御装置40では、制御部43が、監視操作用機器に表示された運転手順書に規定された対応操作と、監視操作用機器への入力操作とを関連付けて記録する(
図7参照)。かかる構成では、運転員による対応操作の実行履歴を記録できるので、対応操作が運転手順書に沿って適正に行われたか否かを判定できる利点がある。
【0047】
また、この原子力プラント1の中央制御装置40では、制御部43が、監視操作用機器に表示された運転手順書に規定された対応操作と、監視操作用機器への入力操作との不一致を検出する(
図7参照)。これにより、対応操作にかかる誤操作や不履行を判定できる利点がある。