特許第6037842号(P6037842)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6037842
(24)【登録日】2016年11月11日
(45)【発行日】2016年12月7日
(54)【発明の名称】クッション要素の製造方法
(51)【国際特許分類】
   B68G 7/02 20060101AFI20161128BHJP
   A47C 27/12 20060101ALI20161128BHJP
   A47C 27/14 20060101ALI20161128BHJP
   B68G 7/06 20060101ALI20161128BHJP
【FI】
   B68G7/02
   A47C27/12 E
   A47C27/14 A
   B68G7/06 B
   B68G7/06 C
【請求項の数】9
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2012-550324(P2012-550324)
(86)(22)【出願日】2010年12月14日
(65)【公表番号】特表2013-517855(P2013-517855A)
(43)【公表日】2013年5月20日
(86)【国際出願番号】EP2010007603
(87)【国際公開番号】WO2011103902
(87)【国際公開日】20110901
【審査請求日】2012年8月6日
【審判番号】不服2014-17715(P2014-17715/J1)
【審判請求日】2014年9月5日
(31)【優先権主張番号】102010005994.3
(32)【優先日】2010年1月27日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】502156098
【氏名又は名称】ジョンソン・コントロールズ・ゲー・エム・ベー・ハー
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100111235
【弁理士】
【氏名又は名称】原 裕子
(72)【発明者】
【氏名】クルスマイアー、 ヴェルナー
(72)【発明者】
【氏名】ジャンツ、 ミヒャエル
(72)【発明者】
【氏名】ヴァインガルトナー、 アンドレアス
【合議体】
【審判長】 吉村 尚
【審判官】 黒瀬 雅一
【審判官】 畑井 順一
(56)【参考文献】
【文献】 特表2008−534189(JP,A)
【文献】 特開昭62−1621(JP,A)
【文献】 特開2006−225771(JP,A)
【文献】 特開昭49−98885(JP,A)
【文献】 実開昭53−101714(JP,U)
【文献】 特開2005−192(JP,A)
【文献】 特開2006−320516(JP,A)
【文献】 実開平2−86352(JP,U)
【文献】 実開平4−128699(JP,U)
【文献】 特開2007−82701(JP,A)
【文献】 特開2001−303393(JP,A)
【文献】 特開平9−3423(JP,A)
【文献】 特表2002−514668(JP,A)
【文献】 特開平10−279791(JP,A)
【文献】 特開平7−196764(JP,A)
【文献】 特開2008−81741(JP,A)
【文献】 特開2007−211075(JP,A)
【文献】 特公平3−30609(JP,B2)
【文献】 日本接着学会編、「プロをめざす人のための接着技術教本」、初版、日刊工業新聞社、2009年6月30日、p75−82
【文献】 日本接着学会編、「接着ハンドブック(第2版)」、第2版8刷、日刊工業新聞社、1991年8月23日、p474−483
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B68G 7/02
B68G 7/06
A47C 27/12
A47C 27/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
インサート材料(18)を成形ツール(2)に配置するステップと、
120℃未満の温度で硬化するバインダ含有エマルジョン及び繊維を前記インサート材料(18)にスプレイヘッド(12)によって施与して、バインダで濡れたもつれ合った繊維を含む繊維複合材料層(20)を前記インサート材料(18)の表面(19)上に形成するステップと、
前記成形ツール(2)を閉じて前記インサート材料(18)と前記繊維複合材料層(20)を圧縮し、及び乾燥空気を供給して前記エマルジョンから水分を除去して複合成形体を形成するステップと
を含むクッション要素(21)の製造方法であって、
前記バインダは、ポリウレタン系又はクロロプレン系であり、
前記バインダは、水分を除去することにより前記バインダの加硫なしで硬化し、
前記もつれ合った繊維は、前記水分の除去の後に互いに離間されたまま寸法が安定することを特徴とする方法。
【請求項2】
前記バインダは80℃未満の温度で硬化する、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記インサート材料(18)を含む前駆材料を、前記成形ツール(2)において前記クッション要素(21)へと成形するステップをさらに含む、請求項1又は2記載の方法。
【請求項4】
前記インサート材料(18)は、前記繊維複合材料層(20)よりも低い比重を有する、請求項1〜3のいずれか1項記載の方法。
【請求項5】
前記インサート材料(18)は、平坦な形状のポリウレタン材料を含む、請求項1〜4のいずれか1項記載の方法。
【請求項6】
前記インサート材料(18)は、平坦な形状の多孔性ポリウレタン材料を含む、請求項1〜5のいずれか1項記載の方法。
【請求項7】
前記インサート材料(18)は活性炭マットを含む、請求項1〜6のいずれか一項記載の方法。
【請求項8】
前記インサート材料(18)は膨張可能空気クッションを含む、請求項1〜7のいずれか一項記載の方法。
【請求項9】
前記インサート材料(18)は加熱ワイヤを含む、請求項1〜8のいずれか一項記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、実質的にクッション材料好ましくは繊維複合材料から作られたクッション要素又はクッションサポート特に自動車シートのためのクッションサポートを製造する方法に関する。クッション要素は特に、シート部品のためのクッション要素若しくはクッションサポート、又はバックレスト部品のためのクッション要素若しくはクッションサポートを含む。ここで、本クッション要素は、シートの快適性を高めるべく金属又はプラスチック製のシートのキャリア構造をカバーする。さらに、本発明は、クッション要素、及びクッション要素を有する車両シートに関する。
【背景技術】
【0002】
家具及び自動車分野におけるシート及びバックレストのクッションサポートの90%以上がポリウレタン軟質フォーム(PUR軟質フォーム)からなる。クッションサポートにおいてポリウレタン軟質フォームが上述のように平均的に存在する主な理由は、最終製品の価格が比較的安価だからと思われる。PURフォーム製の当該クッションサポートは、シートの温湿度等の状態が比較的貧弱という不利益がある。同じ輪郭かつ同じ構造であれば、スタンピング及びグラインディングのような再加工ゆえに、繊維を使用したクッションサポートはコストがかかる。しかしながら、繊維部材は、シートの温湿度等の状態が良好であるという利点を常に有する。
【0003】
自動車シートのためのかかるクッションサポートを繊維複合材料から、例えばココナッツ繊維とバインダとしてのラテックスとから、製造する様々な方法が業界で周知である。
【0004】
いわゆるゴム処理繊維法では、まず繊維製のパイル及びバインダのラテックスが配置される。当該パイルからブランクが打ち抜かれて再びラテックスでスプレイされ、引き続き手動でツールに配置又は設置される。約120℃まで加熱された熱気が導かれて当該ツールを通る。その結果、ラテックス/繊維混合物が当該ツール内で乾燥される。その後、成形かつ乾燥されたクッション部品が当該ツールから取り除かれる。次に当該クッション部品は切断又はスタンピングされる。引き続き、当該切断又はスタンピングの際に生じたばりが、手動のグラインディングにより取り除かれる。最後の加工ステップは、オートクレーブにおける当該部品の加硫である。当該加硫は、クッションサポートの離型の直後に行われることも多い。かかる加工ステップは、当該部品の輪郭及び形状に応じて入れ替えることができる。クッションサポートはその後さらに、特定領域がフォームにより又はフリースによりラミネートされて完成されるのが典型的である。当該方法には、比較的複雑かつコストがかかるという不利益がある。
【0005】
「FaserTec」という名称で周知のさらなる大量生産法では、配置機械を使用してパイルを製造する必要がなく、むしろ当該繊維は、散乱ヘッドにより直接ツール内にバインダ(例えばラテックス)が散乱される。当該方法の当該進展により配置工程を省くことができるが、切断、スタンピング、又はグラインディングのような下流にあるすべての機械介入は依然として、個別に又は組み合わせにより不可欠である。FaserTec法では、当該ツールが、4つ又は5つのツールを有する丸いテーブル上に配列されるのが典型的である。当該配列の主な工程は、当該ツールにおける繊維及びバインダの散乱、並びに乾燥工程である。当該部品は引き続き、古典的なゴム処理繊維法のように切断及び/又はスタンピングされ、グラインディングされ、並びに加硫される。当該方法には、比較的複雑かつコストがかかるという不利益がある。
【0006】
大量生産において見られる上記ゴム処理繊維法及びFaserTec法に加え、ベース材料としてポリエステル繊維を有する方法に関して、なおもさらなる進展が存在する。これらは、ポリエーテルスルホン又はポリエチレンテレフタレート繊維(略してPESIPET繊維)が、PURのようなバインダを使用して濡らされ、引き続きタンブリングツールにおいてクッション部品が完全に反応する、いわゆるNeocurle法を含む。当該工程は非常に複雑かつ高コストである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】国際公開第2006/105874(A1)号明細書
【特許文献2】英国特許第880554(A)号明細書
【特許文献3】独国特許第19628698(C1)号明細書
【発明の概要】
【0008】
本発明は、上述の方法により製造されるクッション要素に適用され得る不利益を回避するという課題に基づく。
【0009】
本課題は、クッション要素、特に自動車で使用されるシート及びバックレストのクッション要素、による本発明により解決される。本クッション要素は、フリース層及び繊維複合材料を含む。フリース等と繊維複合材料との間にインサート材料が配列される。繊維複合材料は、120℃未満の温度で硬化するバインダを含む。すなわち、当該温度は、天然のラテックスバインダの硬化温度よりも著しく低い。低レベルの乾燥により、当該ツールにおける当該部品の滞留時間が実質的に低減される。個々のインサート材料が長く暖め/加熱を受けることがない。
【0010】
本発明に係るクッション要素は従来技術に対し、付加的なインサート部材として繊維又は繊維マットが使用できるのみならず、例えばPUR成形切断フォーム、工業織物、防臭活性炭マット、ダイナミック駆動モジュール、又はケーブル及び空気ガイド用中空体のような他の材料製のインサートも使用できるという利点を有する。バインダの加硫及び集中的な乾燥が不要となるので、インサート材料が高温及び高レベル湿度に起因するダメージを受けることなく、製造中にインサートを挿入することができる。バインダとしては、ポリウレタン系又はクロロプレン系のバインダが使用されるのが好ましい。
【0011】
さらに、100℃未満の温度でバインダが硬化するのが好ましく、さらには80℃未満の温度でバインダが硬化するのが好ましく、さらには60℃未満の温度でバインダが硬化するのが好ましく、さらには40℃未満の温度でバインダが硬化するのが好ましく、さらには30℃未満の温度でバインダが硬化するのが好ましく、さらには25℃未満の温度でバインダが硬化するのが好ましく、さらには15℃未満の温度でバインダが硬化するのが好ましく、さらには5℃未満の温度でバインダが硬化するのが好ましい。したがって、有利なことに、インサート材料が高温及び高レベル湿度に起因するダメージを受けることなく、製造中にインサートを挿入することができる。特に、高温かつ高圧での加硫をなしで済ませることにより、インサート材料が比較的慎重に取り扱われる。
【0012】
さらに、本発明によれば、インサート材料はフリース又はマットであることが好ましい。ここで、フリース又はマットは天然又は人工の繊維を含む。本発明に係る方法により、異なる快適性要求又は用途をもたらすべく、例えば、PES/PET(ポリエチレンテレフタレート)/PLA(ポリラクチド)繊維のような異なる材料による大きな多様性が利用可能となる。
【0013】
さらに、本発明によれば、インサート材料が繊維複合材料よりも軟質である場合が好ましい。したがって、本発明に係るクッション体の、特に軟質のシーティング挙動を単純な態様で実現することができる。
【0014】
さらに、本発明によれば、繊維複合材料が繊維を含むことが好ましい。当該繊維は特に、ココナッツ繊維である。したがって、本発明に係るクッション部品を、非常に良好な能動的及び受動的通気に対して特に十分適切とすることが、特に有利な態様で可能となる。
【0015】
さらに、本発明によれば、インサート材料を工業的に製造された織物又は紡績フリースとすることが好ましい。したがって、本発明によれば、クッション要素を、有利な態様で特に可変かつコスト効率よく製造することができる。
【0016】
さらに、本発明によれば、インサート材料は、繊維複合材料よりも低い比重量を有するのが好ましい。したがって、特に軽いクッション要素を、特に単純かつコスト効率よく実現することができる。
【0017】
さらに、本発明によれば、インサート材料はポリウレタン材料を含むのが好ましい。有利なことに、PUR軟質フォームブランクを使用することにより、特に軟質のシーティング挙動を達成可能とすることができる。さらに、インサート材料は、多孔性ポリウレタン材料を含むのが好ましい。これにより、有利なことに、比較的に非常に良好な能動的及び受動的通気を達成することができる。
【0018】
さらに、本発明によれば、インサート材料は活性炭マットを含むのが好ましい。有利なことに、活性炭マットの使用により、自動車内部の臭い低減及び汚染物質吸収が可能となる。
【0019】
さらに、本発明によれば、インサート材料は膨張可能な空気クッションを含むのが好ましい。有利なことに、膨張可能な空気クッションの使用により、座っている間にシートユーザの筋肉をマッサージするマッサージモジュールの単純かつコスト効率のよい統合が可能となる。これにより、シートの快適性を著しく増すことができる。
【0020】
さらに、本発明によれば、インサート材料は加熱ワイヤを含むのが好ましい。有利なことに、加熱ワイヤ又は、好ましくは、複数の加熱ワイヤを含む加熱パッドの統合により、シートの快適性を著しく増すことが単純かつコスト効率よく可能とすることができる。
【0021】
さらに、本発明によれば、インサート材料は、クッション要素表面のサブ領域にわたって延びるだけでなく、少なくとも2つの異なるインサート材料を与えることもできるのが好ましい。当該少なくとも2つの異なるインサート材料は、クッション要素の異なる表面領域に配列される。したがって、有利なことに、本発明によれば、すべての表面領域がインサート材料で占められることがないこと、又は、クッション要素に様々な表面領域を実現することが可能となる。これにより、非常に安価な追加費用で、さらに使用の快適性を増すことができる。
【0022】
本発明のさらなる目的は特に、本発明に係るクッション要素を製造する方法に関する。ここで、インサート材料を含む前駆材料が成形ツールにおいて成形される。したがって、有利なことに、本発明によれば、クッション要素を特にコスト効率よく製造することができる。
【0023】
本発明のさらなる目的は、シート部品及びバックレスト部品を含む特に自動車の車両シートに関する。ここで、当該シート部品及び/又はバックレスト部品は、本発明に係るクッション要素を含む。
【図面の簡単な説明】
【0024】
本発明の実施例が図面に示され、以下の記載に詳細に説明される。
【0025】
図1】シート部品及びバックレスト部品を有する本発明に係る車両シートを、側面図で概略的に示す。
図2a】本発明に係る方法の一実施例の4つの製造ステップの1つを示す。
図2b】本発明に係る方法の一実施例の4つの製造ステップの1つを示す。
図2c】本発明に係る方法の一実施例の4つの製造ステップの1つを示す。
図2d】本発明に係る方法の一実施例の4つの製造ステップの1つを示す。
図3】本発明の車両シートに係るクッション要素の一実施例を概略的に示す。特にシート部品又はバックレスト部品のいずれかを、概略的な断面図で示す。
図4】本発明の車両シートに係るクッション要素の一実施例を概略的に示す。特にシート部品又はバックレスト部品のいずれかを、概略的な断面図で示す。
【0026】
図1は、本発明に係る車両シート10を、側面図で概略的に示す。車両シート10は、シート部品5及びバックレスト部品52を有する。それぞれは、クッション又はシートクッション要素21を有する。これは、金属製又はプラスチック製のシート部品又はバックレスト部品のキャリア構造をカバーし、シートの快適性を高めるべく使用される。
【0027】
図2aから図2dは、本発明に係る方法が行われるときに、インサート材料18のブランクがまず下側ツール6上に配置されることを概略的に示す。当該手順は、手動又は自動で行うことができる(図2a)。引き続き、図2bに示すように、バインダ含有エマルジョン及び繊維が、スプレイヘッド12によって、インサート材料18に適用される。これにより、その表面19には、バインダで濡れた相対的に厚く繊維のもつれ合った層20が形成される。スプレイヘッド12のピボット移動が矢印Aによって示される。ツールを閉じることにより(図2b)、インサート材料18及び層20が圧縮されて複合成形体が形成される(図2c)。ツール2の中のスライド(図示せず)が特別な態様で、成形体の領域を整え又は圧縮する。これにより、アンダーカット部材も製造できる。空気ダクト8を介して下側ツール6の中に供給された乾燥空気(矢印B)が、その平坦側面と平行に、インサート材料18に分散され(矢印Bで示す)、下側ツール6と上側ツール7との間の部分エリアにおいて外側に(矢印Dで示す)及び上側ツール7の通気孔(図示せず)を通って逃げることができる。スプレイされるエマルジョンからは、乾燥空気により十分な量の水が引き出される。層20は乾燥して、弾性であるが寸法が安定した成形体となる。層20は、さらなる手段を要することなく、バインダを介してインサート材料18に接着される。もつれ合った繊維が互いに離間される結果、層20は、たとえその流動抵抗(当該平坦側面に平行な流れの場合を考える)が、インサート材料18の内部よりも著しく高い場合であっても、空気透過性となる。そして、図2dに示すように、クッション要素21はツール2を開いた後に取り除くことができる。引き続いての加硫はもはや不要である。
【0028】
図3及び4はそれぞれ、本発明の車両シート10に係るクッション要素21の一実施例を概略的に示す。シート部品5又はバックレスト部品52について、それぞれが断面図で示される。クッション要素21は、繊維複合材料1及びフリース層4を含む。フリース層4は例えば、天然の又は人工の材料に基づく繊維フリースである。インサート材料18、182は、本発明に係るクッション要素21において、フリース層4の、繊維複合材料1に向かう側面に配列される。
【0029】
この場合、繊維複合材料1は特に、輪郭を決定する強度を有する繊維材料、及びバインダを含む。例えば、人工繊維(PES、PET、PLA)及び/又は天然繊維(例えばココナッツ繊維)が本繊維として使用される。120℃未満の温度で硬化するバインダが、本バインダとして使用される。これは例えば、ポリウレタン又はクロロプレン系のバインダである。インサート材料18、182は特に、様々な設定可能特性を有する。これにより、クッション要素21の、大きな多様性のある構成を実現することができる。
【符号の説明】
【0030】
1 繊維複合材料
2 (成形)ツール
4 フリース層
5 シート部品
52 バックレスト部品
6 下側ツール
7 上側ツール
8 空気ダクト
10 車両シート
11 アーム
12 スプレイツール
18 インサート材料
182 さらなるインサート材料
19 インサート材料の表面
20 もつれ合って濡れた繊維で作られた層
21 クッション要素
図1
図2a
図2b
図2c
図2d
図3
図4