(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記(C)成分の疎水化処理がシリコーン、シリコーン樹脂及びメチルハイドロジェンポリシロキサンを用いた表面処理からなる群から選択される1種以上の表面処理である請求項1〜3のいずれか1項に記載の水中油型乳化化粧料。
前記(D)成分が、パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル、パラメトキシケイ皮酸2−エトキシエチル、パラメトキシケイ皮酸イソプロピル・ジイソプロピルケイ皮酸エステル混合物、トリメトキシケイ皮酸メチルビス(トリメチルシロキシ)シリルイソペンチル、パラジメチルアミノ安息香酸アミル、パラジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル、サリチル酸エチレングリコール、サリチル酸2−エチルヘキシル、サリチル酸ベンジル、サリチル酸ホモメンチル、オクトクリレン、ジメチコジエチルベンザルマロネート、ジメトキシベンジリデンジオキソイミダゾリジンプロピオン酸2−エチルヘキシル、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシルエステル、2,4−ビス{[4−(2−エチルヘキシルオキシ)−2−ヒドロキシ]−フェニル}−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス[4−(2−エチルヘキシルオキシカルボニル)アニリノ]−1,3,5−トリアジン、及び4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタンからなる群から選択される1種以上である請求項1〜6のいずれか1項に記載の水中油型乳化化粧料。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明に用いられる(A)無水ヘキシトールのジ脂肪酸エステルは、下記一般式(1)で表される化合物である。
【0016】
(式中、R
1及びR
2は、同一又は異なって、炭素数7〜9の飽和又は不飽和の直鎖又は分岐の炭化水素基を示す。)
【0017】
一般式(1)中のR
1及びR
2は、同一又は異なって、炭素数7〜9の飽和又は不飽和の直鎖又は分岐の炭化水素基である。R
1及びR
2は、同一の炭化水素基であることが好ましい。また、炭素数7〜9の飽和又は不飽和の直鎖又は分岐の炭化水素基のうち、経時安定性、使用感の点で炭素数7〜9の直鎖又は分岐のアルキル基が好ましく、さらに炭素数7〜9の直鎖アルキル基がより好ましい。具体的には、R
1及びR
2はヘプチル基、オクチル基又はノニル基が好ましい。これらのうち、油溶性紫外線吸収剤との相溶性の良さ(経時安定性)、油溶性紫外線吸収剤のべたつき感を低減させる点から、ヘプチル基であることがより好ましい。一般式(1)中の無水ヘキシトール部分はイソソルビド(isosobide)、イソマンニド(isomannide)及びイソイジド(isoidide)から選択される1種であるが、好ましくはイソソルビド又はイソマンニドであり、より好ましくはイソソルビドである。
【0018】
無水ヘキシトールのジ脂肪酸エステルは、本願実施例記載の合成方法など、公知のエステル合成方法によって合成することができる。
【0019】
(A)無水ヘキシトールのジ脂肪酸エステルの本発明の化粧料総量に対する含有量は、経時安定性の点、使用感の点、成分(C)との併用による紫外線防御効果向上作用の点から、0.3質量%以上が好ましく、0.5質量%以上がより好ましく、0.8質量%以上がさらに好ましく、2質量%以上がさらに好ましい。また、15質量%以下が好ましく、10質量%以下がより好ましく、6.5質量%以下がさらに好ましい。具体的な範囲としては、0.3〜15質量%が好ましく、0.5〜10質量%が好ましく、0.8〜8質量%がより好ましく、2〜6.5質量%がさらに好ましい。
【0020】
本発明で用いられる(B)水溶性高分子としては、化粧品原料として一般的に用いられるものであれば特に限定されないが、ポリアクリルアミド、アクリルアミドコポリマーが好適に用いられる。ここで、アクリルアミドコポリマーとしては、アクリルアミド及び/又はアクリロイルジメチルタウリンを構成単位として含むコポリマーが挙げられる。
【0021】
アクリルアミド及び/又はアクリロイルジメチルタウリンを構成単位として含むコポリマーとしては、アクリル酸ヒドロキシエチルとアクロイルジメチルタウリン塩との共重合体、アクリル酸塩とアクリロイルジメチルタウリン塩との共重合体、アクリルアミドとアクリル酸塩との共重合体、アクリル酸とアクリル酸アミドとアクリル酸塩とアクリロイルジメチルタウリン塩の共重合体等を挙げることができる。
【0022】
これらの成分は市販されており、ポリアクリルアミドとしては、SEPIGEL 305(ポリアクリルアミド、水添ポリイソブテン(または(C13,14)イソパラフィン)、ラウレス-7、水);アクリル酸ヒドロキシエチルとアクロイルジメチルタウリン塩との共重合体としては、SEPINOV EMT 10((アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー)、SIMULGEL NS((アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー、スクワラン、ポリソルベート 60、水)、SIMULGEL FL((アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー、イソヘキサデカン、ポリソルベート60、水)、SEPIPLUS S((アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー、ポリイソブテン、PEG-7トリメチロールプロパンヤシ油アルキルエーテル、水);アクリル酸塩とアクリロイルジメチルタウリン塩との共重合体としては、SIMULGEL EG((アクリル酸Na/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー、イソヘキサデカン、ポリソルベート 80、水);アクリルアミドとアクリル酸塩との共重合体としては、SEPIPLUS 265((アクリルアミド/アクリル酸アンモニウム)コポリマー、ポリイソブテン、ポリソルベート20、水);アクリル酸とアクリル酸アミドとアクリル酸塩とアクリロイルジメチルタウリン塩の共重合体としては、SEPIPLUS 400(ポリアクリレート−13、ポリイソブテン、ポリソルベート20、水)が挙げられる。
【0023】
これらのうち好ましくは、アクリル酸塩とアクリロイルジメチルタウリン塩との共重合体が挙げられ、特に好ましくは、(アクリル酸Na/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマーが挙げられる。これらの(B)成分は、1種又は2種以上を用いることができる。
【0024】
(B)成分の含有量は、本発明の化粧料総量に対して、塗布時の伸ばしやすさの点で、0.1質量%以上が好ましく、0.2質量%以上がより好ましく、また2質量%以下が好ましく、1.4質量%以下がより好ましい。具体的な範囲としては、0.1〜2質量%であるのが好ましく、0.2〜1.4質量%であるのがより好ましい。(B)成分の含有量は、有効成分の含有量である。
【0025】
本発明で用いられる(C)疎水化処理紫外線散乱剤の紫外線散乱剤としては、紫外線を散乱する効果が高い点から、酸化亜鉛、酸化チタン及び酸化セリウムから選択される1種又は2種以上が好ましい。また、これらの紫外線散乱剤は+2価以上の微量元素を含有させることができ、鉄、ジルコニウム、カルシウム、マンガン、マグネシウム、イットリウム等の金属を、単独又は2種以上を適宜組み合わせて、前記紫外線散乱剤に含有させることができる。
【0026】
本発明に用いられる紫外線散乱剤の平均粒子径は、凝集防止の点から0.01μm以上が好ましく、0.012μm以上がより好ましく、0.015μm以上がさらに好ましい。また、組成物の透明性を確保する点から、1μm以下が好ましく、0.2μm以下がより好ましく、0.1μm以下がさらに好ましい。具体的な平均粒子径としては、0.01〜1μmの範囲が好ましく、より好適には0.012〜0.2μm、さらに好適には0.015〜0.1μmである。なお、平均粒子径は、レーザー回折/散乱法により測定される。
【0027】
本発明で用いる紫外線散乱剤の形状としては、球状、棒状、紡錘状、針状、板状、不定形状等が挙げられるが、平均粒子径が前記範囲にあれば任意の形状のものを使用することができる。
【0028】
微粒子酸化亜鉛粉末としては、例えばFINEX−25、FINEX−50、FINEX−75(堺化学社製)、MZ500シリーズ、MZ700シリーズ(テイカ社製)、ZnO−350(住友大阪セメント社製)などが市販されている。微粒子酸化チタン粉末としては、TTO−55シリーズ、TTO−51シリーズ(石原産業社製)、JRシリーズ、JAシリーズ(テイカ社製)などが市販されている。また、微粒子酸化セリウムとしては、ニッキ社又はセイミケミカル社から販売される高純度セリウムが含まれる。このうち、微粒子酸化亜鉛粉末又は微粒子酸化チタン粉末を用いることが好ましい。
【0029】
前記紫外線散乱剤への疎水化処理としては、特に限定されず、種々の表面処理、例えば、フッ素化合物処理、シリコーン処理、シリコーン樹脂処理、ペンダント型シリコーン処理、シランカップリング剤処理、チタンカップリング剤処理、油剤処理、N−アシル化リジン処理、ポリアクリル酸処理、金属石鹸処理、アミノ酸処理、無機化合物処理、プラズマ処理、メカノケミカル処理、シラン化合物又はシラザン化合物等が挙げられる。
【0030】
これらの疎水化処理のうち、シリコーン処理、シリコーン樹脂処理、ペンダント型シリコーン処理、シランカップリング処理、シラン化合物処理、シラザン化合物処理等のケイ素化合物処理が好ましく、例えば、シリコーン又はシリコーン樹脂を用いた表面処理、メチルハイドロジェンポリシロキサン又は下記式(2)のメチルハイドロジェンポリシロキサン・ジメチルポリシロキサン共重合体の表面処理剤を用いた処理、シラン化合物又はシラザン化合物の表面処理剤を用いた処理がより好ましい。特に好ましくはシリコーン又はシリコーン樹脂を用いた表面処理、メチルハイドロジェンポリシロキサンを用いた表面処理である。
【0033】
前記シリコーン又はシリコーン樹脂を用いた表面処理としては、特許第3187440号公報に記載されるように、酸化亜鉛粉末等の金属酸化物をオルガノポリシロキサン類及びシリコーン樹脂よりなるシリコーン化合物(但し、シラン化合物を除く)の少なくとも1種で非気相状態で被覆した後、酸素含有雰囲気中で600〜950℃の温度で焼成することにより、酸化珪素で金属酸化物表面を被覆する方法が挙げられる。
【0034】
前記シラン化合物又はシラザン化合物としては、炭素数1〜20のアルキル基若しくはフルオロアルキル基を有し、無機酸化物と反応性を有するシラン化合物又はシラザン化合物が好ましく、具体的には下記一般式(3)で示されるシラン化合物又は一般式(4)で示されるシラザン化合物であり、これらを1種又は2種以上用いることができる。
【0036】
(pは0又は1の整数であり、R
3は炭素数1〜20のアルキル基又はフルオロアルキル基(直鎖であっても分岐鎖であっても構わない)を示し、R
4は炭素数1〜6のアルキル基を示し、Xはハロゲン原子又はアルコキシ基を示す。)
【0038】
(R
5〜R
10は炭素数1〜20のアルキル基又はフルオロアルキル基(直鎖であっても分岐鎖であっても構わない)を示し、同一又は異なっていても良い。)
【0039】
具体的なシラン化合物としては、ヘキシルトリメトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、オクタデシルトリメトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、ヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシラン等が挙げられる。これらのうち好ましくはオクチルトリエトキシシラン、オクチルトリメトキシシランである。シラザン化合物の好ましい例としては、ヘキサメチルジシラザン、オクチルジシラザンが挙げられる。これらのうちより好ましくは、オクチルトリエトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン及びヘキサメチルジシラザンから選択される1種又は2種以上であり、さらに好ましくはオクチルトリエトキシシラン及び/又はオクチルトリメトキシシランである。当該シラン化合物又はシラザン化合物は処理が均一にできやすく、かつ供給が容易でコスト的に安価である特徴があり、さらにこれらの化合物で表面処理した(C)微粒子紫外線散乱剤を配合した化粧料は分散性等の特性が優れているので好ましい。
【0040】
前記シラン化合物又はシラザン化合物での処理方法としては、n−ヘキサン、シクロヘキサン、低級アルコール等の有機溶媒中でシラン化合物又はシラザン化合物と酸化亜鉛粉末等の金属酸化物(紫外線散乱剤)とを混合し、場合により微粉砕した後、有機溶媒を加熱や減圧により除去し、好ましくは80〜250℃で加熱処理する方法等で、シラン化合物又はシラザン化合物を酸化亜鉛等の金属酸化物(紫外線散乱剤)の表面で反応性基にて化学反応させる方法が挙げられる。
【0041】
また、特開2007−326902号公報に記載されるように、紫外線散乱剤を特定のポリシロキサン化合物を被覆処理した後に、アルキルアルコキシシランを水中にて表面処理する方法も挙げられる。
【0042】
紫外線散乱剤への表面処理剤の被覆量は、用いられる紫外線散乱剤の総量に対して、3質量%以上が好ましく、5質量%以上がより好ましく、また15質量%以下が好ましく、10質量%以下がより好ましい。具体的な範囲としては、3〜15質量%であるのが好ましく、より好ましくは5〜10質量%である。当該範囲内であれば、これら粉末表面に表面処理剤が均一に被覆され、酸化亜鉛等粉末表面で表面処理剤が凝集や、析出することがない。(C)成分は、1種又は2種以上を用いることができる。
【0043】
本発明で用いる(C)疎水化処理紫外線散乱剤は、本発明の化粧料の総量に対して、1質量%以上含有するのが好ましく、3質量%以上含有するのがより好ましく、5質量%以上含有するのがさらに好ましく、また20質量%以下含有するのが好ましく、18質量%以下含有するのがより好ましく、15質量%以下含有するのがより好ましい。具体的な範囲としては、1〜20質量%含有することが好ましく、さらに3〜18質量%が好ましく、さらに好適には5〜15質量%である。当該範囲内であれば、紫外線防御効果、粉末の分散性が良好で、経日安定性という問題も生じない。
【0044】
(C)疎水化処理紫外線散乱剤中には、疎水化処理微粒子酸化亜鉛粉末を60質量%以上含有することが、UVA防御能の向上、高温安定性の改善に繋がるため好ましい。
【0045】
本発明の水中油型乳化化粧料においては、優れた紫外線防御効果を得るためには、(C)成分と(A)成分の含有質量比((C)/(A))が0.5〜15であることが必要である。また良好な使用感触を得る点から、((C)/(A))は、0.5以上が好ましく、0.6以上がより好ましく、また10以下が好ましく、7.5以下がより好ましく、5以下がさらに好ましく、4以下がさらに好ましい。((C)/(A))の具体的な範囲としては、0.5〜10が好ましく、0.5〜7.5がより好ましく、0.5〜5がさらに好ましく、0.6〜4がさらに好ましい。
【0046】
本発明ではさらに、(D)成分として油溶性の有機紫外線吸収剤を含有することが好ましい。(D)成分は一般的に感触が重く、ベタツキ感が強い油剤であるが、(A)成分と併用することで、感触の低下を抑えつつ、紫外線防御効果を高めることが可能である。
【0047】
油溶性の有機紫外線吸収剤としては、パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル、パラメトキシケイ皮酸2−エトキシエチル、パラメトキシケイ皮酸イソプロピル・ジイソプロピルケイ皮酸エステル混合物、トリメトキシケイ皮酸メチルビス(トリメチルシロキシ)シリルイソペンチル、パラジメチルアミノ安息香酸アミル、パラジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル、サリチル酸エチレングリコール、サリチル酸2−エチルヘキシル、サリチル酸ベンジル、サリチル酸ホモメンチル、オクトクリレン、ジメチコジエチルベンザルマロネート、ジメトキシベンジリデンジオキソイミダゾリジンプロピオン酸2−エチルヘキシル、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシルエステル、2,4−ビス{[4−(2−エチルヘキシルオキシ)−2−ヒドロキシ]−フェニル}−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス[4−(2−エチルヘキシルオキシカルボニル)アニリノ]−1,3,5−トリアジン、4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン等が挙げられる。これらのうち、パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル、サリチル酸2−エチルヘキシル、サリチル酸ホモメンチル、オクトクリレン、ジメチコジエチルベンザルマロネート、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシルエステル、2,4−ビス{[4−(2−エチルヘキシルオキシ)−2−ヒドロキシ]−フェニル}−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス[4−(2−エチルヘキシルオキシカルボニル)アニリノ]−1,3,5−トリアジン、4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタンが好ましく、紫外線防御効果を高める点から、より好ましくはパラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル、オクトクリレン、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシルエステル、2,4−ビス{[4−(2−エチルヘキシルオキシ)−2−ヒドロキシ]−フェニル}−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス[4−(2−エチルヘキシルオキシカルボニル)アニリノ]−1,3,5−トリアジン、4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタンであり、さらに好ましくはパラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシルエステル、2,4−ビス{[4−(2−エチルヘキシルオキシ)−2−ヒドロキシ]−フェニル}−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス[4−(2−エチルヘキシルオキシカルボニル)アニリノ]−1,3,5−トリアジンである。(D)成分は1種又は2種以上を用いることができる。
【0048】
紫外線防御効果と良好な感触を維持する点から、(D)成分の本発明化粧料総量に対する含有量は、0.1質量%以上が好ましく、1質量%以上がより好ましく、3質量%以上がさらに好ましい。また、20質量%以下が好ましく、15質量%以下がより好ましい。具体的な範囲としては、0.1〜20質量%が好ましく、1〜15質量%がより好ましく、3〜15質量%がより好ましい。
【0049】
本発明の水中油型乳化化粧料には、使用感、経時安定性を調整する目的で、界面活性剤を含有させることができる。界面活性剤としては、特に制限されず、非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、天然系界面活性剤、ポリエーテル変性シリコーン、シロキサン誘導体等のシリコーン含有界面活性剤、パーフルオロアルキル基を含有する界面活性剤等のいずれでも用いることができ、これらを1種又は2種以上用いることができる。
【0050】
これらの界面活性剤のうち、非イオン性界面活性剤、ポリエーテル変性シリコーン、シリコーン含有界面活性剤が好ましく、具体的には、モノイソソテアリン酸ソルビタン、ジメチコンコポリオール、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(40EO)、ポリオキシエチレンヒマシ油(40EO)、モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20EO)、モノステアリン酸ポリオキシエチレン(20EO)、オレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20EO)、ポリオキシエチレン(7)ラウリルエーテル、PEG-7トリメチロールプロパンヤシ油アルキルエーテル等が挙げられる。
【0051】
本発明の水中油型乳化化粧料では、上記界面活性剤を併用しなくとも使用感、経時安定性が良好であり、多量に界面活性剤を配合すると、界面活性剤に由来するべたつき感が生じてしまうことがあるため、界面活性剤の好ましい含有量は化粧料総量に対して、0〜3質量%であり、さらに好ましくは0〜1.5質量%である。
【0052】
本発明の水中油型乳化化粧料において、水の含有量は経時安定性に優れた水中油型乳化組成物を形成する点から、本発明化粧料総量に対して、好ましくは40〜75質量%であり、より好ましくは45〜70質量%である。
【0053】
また、本発明の水中油型乳化化粧料には、上記成分の他に、目的に応じて本発明の効果を損なわない範囲内で、高級アルコール類、脂肪酸類、エステル類、ステロール類、ステロール脂肪酸エステル類、炭化水素類、油脂類、シリコーンオイル、保湿剤、本発明の(A)成分以外の水溶性高分子、植物エキス、ビタミン類、酸化防止剤、防菌防腐剤、消炎剤、昆虫忌避剤、生理活性成分、塩類、キレート剤、中和剤、pH調整剤、香料等を配合することができる。
【0054】
本発明の水中油型乳化化粧料は、シャンプー、リンス、コンディショナーなどの毛髪化粧料、洗顔料、クレンジング化粧料、日焼け止め化粧料、パック、マッサージ化粧料などの皮膚化粧料として好適に利用できる。これらのうち、特に日焼け止め化粧料(化粧水、クリーム、乳液、美容液等)、サンタン、化粧下地化粧料、紫外線防御能を有するファンデーション等に適用するのが好ましい。
【0055】
上述の実施形態に関し、本発明はさらに以下の実施態様の組成物を開示する。
【0056】
<1>下記の(A)〜(C)成分を含有し、(C)成分と(A)成分の含有質量比((C)/(A))が0.5〜15である水中油型乳化化粧料。
(A)下記一般式(1)で表される無水ヘキシトールのジ脂肪酸エステル、
(B)水溶性高分子、
(C)疎水化処理紫外線散乱剤
【0058】
(式中、R
1及びR
2は、同一又は異なって、炭素数7〜9の飽和又は不飽和の直鎖又は分岐の炭化水素基示す。)
【0059】
<2>一般式(1)中、R
1及びR
2が炭素数7〜9の直鎖又は分岐のアルキル基であり、好ましくは炭素数7〜9の直鎖アルキル基である<1>の水中油型乳化化粧料。
<3>(A)成分の含有量が、化粧料総量に対し、好ましくは0.3質量%以上、より好ましくは0.5質量%以上、さらに好ましくは0.8質量%以上、さらに好ましくは2質量%以上であり、また好ましくは15質量%以下、より好ましくは10質量%以下、さらに好ましくは6.5質量%以下である<1>又は<2>の水中油型乳化化粧料。
<4>(A)成分の含有量が、化粧料総量に対し、好ましくは0.3〜15質量%、より好ましくは0.5〜10質量%、さらに好ましくは0.8〜8質量%、さらに好ましくは2〜6.5質量%である<1>〜<3>のいずれかの水中油型乳化化粧料。
<5>(B)成分が、ポリアクリルアミド及びアクリルアミドコポリマーから選ばれる1種又は2種以上であり、好ましくはアクリルアミドコポリマーが、アクリルアミド及び/又はアクリロイルジメチルタウリンを構成単位として含むコポリマーである<1>〜<4>のいずれかの水中油型乳化化粧料。
<6>アクリルアミド及び/又はアクリロイルジメチルタウリンを構成単位として含むコポリマーが、アクリル酸ヒドロキシエチルとアクロイルジメチルタウリン塩との共重合体、アクリル酸塩とアクリロイルジメチルタウリン塩との共重合体、アクリルアミドとアクリル酸塩との共重合体、及びアクリル酸とアクリル酸アミドとアクリル酸塩とアクリロイルジメチルタウリン塩の共重合体から選ばれる1種又は2種以上である<5>の水中油型乳化化粧料。
<7>(B)成分の含有量が、化粧料総量に対して、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.2質量%以上であり、また好ましくは2質量%以下、より好ましくは1.4質量%以下である<1>〜<6>のいずれかの水中油型乳化化粧料。
<8>(B)成分の含有量が、化粧料総量に対して、好ましくは0.1〜2質量%、より好ましくは0.2〜1.4質量%である<1>〜<7>のいずれかの水中油型乳化化粧料。
<9>(C)成分の紫外線散乱剤が、酸化亜鉛、酸化チタン及び酸化セリウムから選ばれる1種又は2種以上の金属酸化物である<1>〜<8>のいずれかの水中油型乳化化粧料。
<10>(C)成分の紫外線散乱剤の平均粒子径が、好ましくは0.01μm以上、より好ましくは0.012μm以上、さらに好ましくは0.015μm以上であり、また好ましくは1μm以下、より好ましくは0.2μm以下、さらに好ましくは0.1μm以下である<1>〜<9>のいずれかの水中油型乳化化粧料。
<11>(C)成分の紫外線散乱剤の平均粒子径が、好ましくは0.01〜1μm、より好ましくは0.012〜0.2μm、さらに好ましくは0.015〜0.1μmである<1>〜<10>のいずれかの水中油型乳化化粧料。
<12>(C)成分の紫外線散乱剤の疎水化処理が、好ましくはフッ素化合物処理、シリコーン処理、シリコーン樹脂処理、ペンダント型シリコーン処理、シランカップリング剤処理、チタンカップリング剤処理、油剤処理、N−アシル化リジン処理、ポリアクリル酸処理、金属石鹸処理、アミノ酸処理、無機化合物処理、プラズマ処理、メカノケミカル処理、シラン化合物又はシラザン化合物処理であり;より好ましくはケイ素化合物処理であり、より好ましくはシリコーン処理、シリコーン樹脂処理、ペンダント型シリコーン処理、シランカップリング処理、シラン化合物処理、シラザン化合物処理である<1>〜<11>のいずれかの水中油型乳化化粧料。
<13>(C)成分の紫外線散乱剤の表面処理が、好ましくはシリコーン又はシリコーン樹脂を用いた表面処理、メチルハイドロジェンポリシロキサン又は下記式(2)のメチルハイドロジェンポリシロキサン・ジメチルポリシロキサン共重合体の表面処理剤を用いた処理、シラン化合物又はシラザン化合物の表面処理剤を用いた処理であり、より好ましくはシリコーン又はシリコーン樹脂を用いた表面処理、メチルハイドロジェンポリシロキサンを用いた表面処理である<1>〜<12>のいずれかの水中油型乳化化粧料。
【0061】
(m、nは整数、1≦m+n≦60)
<14>(C)成分における紫外線散乱剤への表面処理剤の被覆量が、好ましくは3質量%以上、より好ましくは5質量%以上であり、また好ましくは15質量%以下、より好ましくは10質量%以下である<1>〜<13>のいずれかの水中油型乳化化粧料。
<15>(C)成分における紫外線散乱剤への表面処理剤の被覆量が、好ましくは3〜15質量%、より好ましくは5〜10質量%である<1>〜<14>のいずれかの水中油型乳化化粧料。
<16>(C)成分の含有量が、化粧料総量に対して、1質量%以上、より好ましくは3質量%以上、より好ましくは5質量%以上であり、また好ましくは20質量%以下、より好ましくは18質量%以下、さらに好ましくは15質量%以下である<1>〜<15>のいずれかの水中油型乳化化粧料。
<17>(C)成分の含有量が、化粧料総量に対して、好ましくは1〜20質量%、より好ましくは3〜18質量%、より好ましくは5〜15質量%である<1>〜<16>のいずれかの水中油型乳化化粧料。
<18>(C)成分と(A)成分の含有質量比((C)/(A))が、0.5〜15であり、0.5以上が好ましく、0.6以上がより好ましく、また10以下が好ましく、7.5以下がより好ましく、5以下がさらに好ましく、4以下がさらに好ましい<1>〜<17>のいずれかの水中油型乳化化粧料。
<19>((C)/(A))が、好ましくは0.5〜10、より好ましくは0.5〜7.5、さらに好ましくは0.5〜5、さらに好ましくは0.6〜4である<1>〜<18>のいずれかの水中油型乳化化粧料。
<20>さらに(D)油溶性の有機紫外線吸収剤を含有する<1>〜<19>のいずれかの水中油型乳化化粧料。
<21>(D)成分が、パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル、パラメトキシケイ皮酸2−エトキシエチル、パラメトキシケイ皮酸イソプロピル・ジイソプロピルケイ皮酸エステル混合物、トリメトキシケイ皮酸メチルビス(トリメチルシロキシ)シリルイソペンチル、パラジメチルアミノ安息香酸アミル、パラジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル、サリチル酸エチレングリコール、サリチル酸2−エチルヘキシル、サリチル酸ベンジル、サリチル酸ホモメンチル、オクトクリレン、ジメチコジエチルベンザルマロネート、ジメトキシベンジリデンジオキソイミダゾリジンプロピオン酸2−エチルヘキシル、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシルエステル、2,4−ビス{[4−(2−エチルヘキシルオキシ)−2−ヒドロキシ]−フェニル}−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス[4−(2−エチルヘキシルオキシカルボニル)アニリノ]−1,3,5−トリアジン、及び4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタンから選ばれる1種又は2種以上であり;より好ましくはパラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル、サリチル酸2−エチルヘキシル、サリチル酸ホモメンチル、オクトクリレン、ジメチコジエチルベンザルマロネート、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシルエステル、2,4−ビス{[4−(2−エチルヘキシルオキシ)−2−ヒドロキシ]−フェニル}−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス[4−(2−エチルヘキシルオキシカルボニル)アニリノ]−1,3,5−トリアジン、及び4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタンから選ばれる1種又は2種以上であり;さらに好ましくはパラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル、オクトクリレン、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシルエステル、2,4−ビス{[4−(2−エチルヘキシルオキシ)−2−ヒドロキシ]−フェニル}−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス[4−(2−エチルヘキシルオキシカルボニル)アニリノ]−1,3,5−トリアジン、4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタンから選ばれる1種又は2種以上である<20>の水中油型乳化化粧料。
<22>(D)成分の含有量が、化粧料総量に対して、好ましくは0.1質量%以上、好ましくは1質量%以上、より好ましくは3質量%以上であり、また、好ましくは20質量%以下、より好ましくは15質量%以下である<20>又は<21>の水中油型乳化化粧料。
<23>(D)成分の含有量が、化粧料総量に対して、好ましくは0.1〜20質量%、より好ましくは1〜15質量%、さらに好ましくは3〜15質量%である<20>〜<22>のいずれかの水中油型乳化化粧料。
<24>さらに界面活性剤を0〜3質量%、好ましくは0〜1.5質量%含有する<1>〜<23>のいずれかの水中油型乳化化粧料。
<25>水の含有量が、化粧料総量に対して、好ましくは40〜75質量%、より好ましくは45〜70質量%である<1>〜<24>のいずれかの水中油型乳化化粧料。
<26>日焼け止め化粧料である<1>〜<25>のいずれかの水中油型乳化化粧料。
<27>一般式(1)中の無水ヘキシトール部分がイソソルビド(isosobide)、イソマンニド(isomannide)及びイソイジド(isoidide)から選択される1種であり、好ましくはイソソルビド又はイソマンニドであり、より好ましくはイソソルビドである<1>〜<26>のいずれかの水中油型乳化化粧料。
【実施例】
【0062】
以下、実施例及び比較例にて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、無水ヘキシトールのジ脂肪酸エステルとして以下の実施例では、下記のジカプリル酸イソソルビドを使用した。
【0063】
ジカプリル酸イソソルビドの合成
300mlフラスコに、イソソルビド(東京化成工業社製)14.6gを入れ、無水テトラヒドロフラン100mlに溶解させた。さらにピリジン(関東化学社製)を16g加えて、均一な溶液とした。反応溶液を氷浴において冷却しながら、カプロン酸クロライド(東京化成工業社製)27gをゆっくりと滴下した。滴下終了後、室温にもどし24時間撹拌を行った。反応終了をTLCにて確認した後、1N塩酸を用いて中和し、酢酸エチルを添加して有機層を得た。無水硫酸マグネシウムで脱水した後、減圧下にて溶媒を留去して、粗生成物を約25g得た。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(移動相:酢酸エチル/ヘキサン=1:9)を用いて精製し、無色油状物質20gを得た。NMRを測定し、既知の報告と同等であることを確認した。
【0064】
実施例1〜14、比較例1〜
11
表1〜3に示した処方に従い水中油型乳化化粧料を常法により調製した。これらを用いて、下記に示した(1)UV防御能評価試験、(2)乳化状態確認試験、(3)経時安定性試験、(4)使用感試験を実施した。結果を表1〜3に併せて示す。
【0065】
(1)UV防御能評価試験
石英ガラス板上に表1〜3に示した各試料を2mg/cm
2になるように均一に塗布し、15分間自然乾燥させた。その後、試料塗布した石英ガラス板に一定の距離(10mm)から紫外線を照射した。その際の透過紫外線をSPFアナライザー(Optometices社)で290〜400nmの範囲で石英ガラス板上の10箇所以上において検出し、平均化したスペクトルを得て、SPF値を算出した。
【0066】
〔UV防御効果の向上評価〕
UV防御能向上率(%)=(試料を測定したSPF値)/(比較例1の試料を測定したSPF値)×100
【0067】
〔UV防御能向上率の評価基準〕
◎:160%以上
○:135%以上160%未満
△:110%以上135%未満
×:110%未満
【0068】
(2)乳化状態
製造直後の水中油型乳化化粧料の顕微鏡観察を行い、下記の基準により評価を行った。
〔乳化状態判定基準〕
○:内相(油相)に粉体が入り込み、略球形のきれいな乳化粒子が形成されている
△:内相に粉体が入り込んでいるが、乳化粒子形状・大きさが不均一となっている
×:粉体が外相(水相)に漏れ出している又は乳化粒子を形成していない
【0069】
(3)経時安定性試験
表1〜3に示した水中油型乳化化粧料を45℃の恒温槽で3月間保存、及び−10℃で1月間保存し、その後、外観を目視により評価した。
〔粘度変化判定基準〕
○:変化なし又は若干の粘度変化が見られる
△:明らかな粘度変化又は外観の変化が見られる
×:明らかな形状の変化(ゲル化している、分離している又は結晶の析出が見られる)
【0070】
(4)使用感試験
上記(3)経時安定性試験(45℃、3月間)後の表1〜3に示した水中油型乳化化粧料を専門パネラー15名に使用してもらった。塗布時の使用感として、「塗布時のきしみ感のなさ」、「塗布後のべたつき感のなさ」、「塗布時の伸びの良さ」に関して、以下の評価基準及び判定基準に基づき、評価と判定を行った。なお、経時安定性試験において、分離しているものは評価していない。
(評価基準:塗布時のきしみ感のなさ)
5:専門パネラー13名以上が塗布時にきしみ感がないと認めた。
4:専門パネラー10名以上13名未満が塗布時にきしみ感がないと認めた。
3:専門パネラー7名以上10名未満が塗布時にきしみ感がないと認めた。
2:専門パネラー4名以上7名未満が塗布時にきしみ感がないと認めた。
1:専門パネラー4名未満が塗布時にきしみ感がないと認めた。
【0071】
(評価基準:塗布後のべたつき感のなさ)
5:専門パネラー13名以上が塗布後にべたつき感がないと認めた。
4:専門パネラー10名以上13名未満が塗布後にべたつき感がないと認めた。
3:専門パネラー7名以上10名未満が塗布後にべたつき感がないと認めた。
2:専門パネラー4名以上10名未満が塗布後にべたつき感がないと認めた。
1:専門パネラー4名未満が塗布後にべたつき感がないと認めた。
【0072】
(評価基準:塗布時の伸びの良さ)
5:専門パネラー13名以上が塗布時に伸びが良いと認めた。
4:専門パネラー10名以上13名未満が塗布時に伸びが良いと認めた。
3:専門パネラー7名以上10名未満が塗布時に伸びが良いと認めた。
2:専門パネラー4名以上7名未満が塗布時に伸びが良いと認めた。
1:専門パネラー4名未満が塗布時に伸びが良いと認めた。
【0073】
【表1】
【0074】
【表2】
【0075】
【表3】
【0076】
本実施例、比較例及び処方例で用いた疎水化処理粉末は下記のものを用いた。
【0077】
(製造例1 シリコーン表面処理微粒子酸化亜鉛粉末の製造)
平均一次粒子径が16nmの微粒子酸化亜鉛88重量部とジメチルポリシロキサン(20cSt、信越化学工業社製)12重量部をトルエン中に投入しよく撹拌した後、トルエンを減圧下に加熱して除去した。得られた粉体をアトマイザーを用いて粉砕した。次いで高温加熱炉を用いて空気中で、800℃で2時間焼成処理を行い、シリコーン表面処理微粒子酸化亜鉛粉末を得た。
【0078】
(製造例2 シリコーン処理酸化亜鉛粉末の製造)
微粒子酸化亜鉛粉末(略球状、平均粒子径0.02μm)93質量部とメチルハイドロジェンポリシロキサン(KF−99P、信越化学工業社製)7質量部とイソプロピルアルコールからなるスラリーを作成し、よく攪拌・粉砕した後、溶媒を減圧下に加熱留去し、空気中150℃で4時間加熱処理を行い、メチルハイドロジェンポリシロキサン表面処理微粒子酸化亜鉛粉末を得た。
【0079】
(製造例3 シリコーン処理酸化チタン粉末の製造)
微粒子酸化チタン粉末(略球状、平均粒子径0.017μm)95質量部とメチルハイドロジェンポリシロキサン(KF−99P、信越化学工業社製)5質量部とイソプロピルアルコールからなるスラリーを作成し、よく攪拌・粉砕した後、溶媒を減圧下に加熱留去し、空気中160℃で4時間加熱処理を行い、メチルハイドロジェンポリシロキサン表面処理微粒子酸化チタン粉末を得た。
【0080】
(製造例4 アルキルシラン表面処理微粒子酸化亜鉛粉末の製造)
微粒子酸化亜鉛粉末(略球状、平均粒子径0.02μm)93質量部とオクチルトリエトキシシラン7質量部と、トルエンからなるスラリーを作成し、ビーズミル(シンマルエンタープライゼス社製ダイノミル)を用いて粉砕・解砕を行った。次いで、トルエンを減圧下に加熱留去した後、送風気流型乾燥機を用いて150℃にて4時間加熱処理し、オクチルトリエトキシシラン処理微粒子酸化亜鉛粉末を得た。
【0081】
表1〜3の結果から、本発明の化粧料は、比較例と比べて、UV防御能、経時安定性に優れ、更に使用感にも優れるものであることは明らかである。なお、試験結果において「−」となっている試料は、安定性が悪く、評価していないものを表している。
(A)成分を含有しない比較例1、2及び9は、安定な水中油型乳化物を得ることができなかった。一方、(A)成分単独では紫外線吸収能をほとんど示さないにもかかわらず、(B)成分及び(C)成分に加えて(A)成分を配合することにより、(C)成分の紫外線防御効果が顕著に向上したことは予想外であった。また、((C)/(A))を0.5〜15の範囲に調整することにより、紫外線防御能が向上し、経時安定性だけでなく、使用感も良好となった。
【0082】
以下に本発明の乳化化粧料の処方例を挙げる。
【0083】
処方例1〜3 (化粧下地)
下記組成の水中油型乳化化粧料(化粧下地)を作製し評価したところ、紫外線防御効果、使用感、保存安定性の全ての点において優れていた。
【0084】
【表4】
【0085】
尚、上記の処方例において使用した香料の組成は表5に示す。
【0086】
【表5】