(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6037939
(24)【登録日】2016年11月11日
(45)【発行日】2016年12月7日
(54)【発明の名称】加湿装置
(51)【国際特許分類】
F24F 6/00 20060101AFI20161128BHJP
F24F 6/04 20060101ALI20161128BHJP
【FI】
F24F6/00 H
F24F6/04
F24F6/00 C
【請求項の数】4
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2013-109132(P2013-109132)
(22)【出願日】2013年5月23日
(65)【公開番号】特開2014-228219(P2014-228219A)
(43)【公開日】2014年12月8日
【審査請求日】2015年7月8日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100085198
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 久夫
(74)【代理人】
【識別番号】100098604
【弁理士】
【氏名又は名称】安島 清
(74)【代理人】
【識別番号】100087620
【弁理士】
【氏名又は名称】高梨 範夫
(74)【代理人】
【識別番号】100125494
【弁理士】
【氏名又は名称】山東 元希
(74)【代理人】
【識別番号】100141324
【弁理士】
【氏名又は名称】小河 卓
(74)【代理人】
【識別番号】100153936
【弁理士】
【氏名又は名称】村田 健誠
(74)【代理人】
【識別番号】100160831
【弁理士】
【氏名又は名称】大谷 元
(72)【発明者】
【氏名】亀石 圭司
【審査官】
久保田 信也
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許第04792660(US,A)
【文献】
特開2005−106421(JP,A)
【文献】
実開平07−035926(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 6/00
F24F 6/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
給水電磁弁を有し、該給水電磁弁が開放されると水が供給される給水系と、
排水電磁弁を有し、該排水電磁弁が開放されると水が排出される排水系と、
前記給水系から供給される水で空気を加湿する加湿器と、
前記給水電磁弁及び前記排水電磁弁の開閉を制御する制御手段と、を備え、
前記制御手段は、
前記給水電磁弁及び前記排水電磁弁を開放することで、前記給水系から供給される水とともに前記加湿器に供給されていた水を前記排水系から排出させるものであり、
前記給水系は、
前記給水電磁弁を有する第1配管と、
前記第1配管及び前記加湿器の下部に接続された第2配管と、を備え、
前記排水系は、
前記第2配管と、
前記第2配管に接続され、前記排水電磁弁を有する第3配管と、を備え、
前記給水電磁弁及び前記排水電磁弁が開放されると、前記給水系から供給される水が前記第1配管及び前記第3配管を流れ、前記加湿器に供給されていた水が前記第2配管及び前記第3配管を流れ、これらの水が前記第3配管で合流して前記排水系から排出され、
前記第1配管には、前記給水系の下流側から前記排水系の上流側に向かって流路が狭くなる絞り部を有するエジェクタが設けられ、
前記加湿器に供給されていた水は、
前記絞り部の出口側で、前記給水系から前記絞り部を通過した水と合流する
ことを特徴とする加湿装置。
【請求項2】
前記給水電磁弁、前記排水電磁弁、及び前記エジェクタが一体構造で形成された
ことを特徴とする請求項1に記載の加湿装置。
【請求項3】
前記制御手段は、
前記給水電磁弁及び前記排水電磁弁を開放し、前記加湿器に供給された水の量が予め定めた閾値未満となると、前記給水電磁弁を閉止し且つ前記排水電磁弁を開放する
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の加湿装置。
【請求項4】
前記加湿器は、前記給水系から供給される水を貯留する透湿膜を備えた
ことを特徴とする請求項1〜請求項3の何れか一項に記載の加湿装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加湿装置に関する。
【背景技術】
【0002】
気化式の加湿装置は、透湿膜で構成された多数の袋体による加湿器を送風通路内に設け、加湿器に水を供給し、空気との熱交換によって加湿器の水を気化させ、空気を加湿するものであり、空気中の潜熱を増加させる機能を果たす。このような気化式の加湿装置では、透湿膜に供給される水道水中の不純物が透湿膜で濾過されるため、加湿時間とともに透湿膜内部に不純物が堆積し、透湿膜の水蒸気通気路が閉塞され、加湿量が低下していく。
【0003】
透湿膜内の不純物濃度は積算の加湿量におよそ比例して増加するため、透湿膜内に不純物が堆積することを抑制するため、従来、定期的に透湿膜内の濃縮した残水を排水する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−324999号公報([0012]、[0015]、
図2、
図3)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の加湿装置及び加湿機能付き換気装置は、加湿装置の停止時に、給水系の電磁弁を閉止するとともに排水系の排水弁を開放し、透湿膜内の残水を排水する機構となっている(排水工程)。この場合、透湿膜内の残水はその自重によって排水されることになるが、排水量に応じて透湿膜外から透湿膜内部に水蒸気通気路を通して十分な空気が供給されないと、透湿膜内は負圧状態になる。そして、大気圧と透湿膜内の残水自重とが釣り合った状態になると、それ以上排水されなくなる。積算加湿量が多くなった経時状態にあっては、透湿膜内部に不純物が堆積した状態になっているため、水蒸気通気路を通して十分な空気が供給されず、透湿膜内は負圧状態になっている。このため、大気圧と透湿膜内の残水自重とが釣り合ってしまい、透湿膜内に濃度の高い残水が残留する。排水工程の度にこの状態が繰り返されることになり、ますます不純物が堆積して、加湿量は減量してしまうといった課題があった。
【0006】
本発明は、上述したような課題を背景としてなされたもので、構造を複雑化せずに、製造コストを抑制し、加湿器内部の水を効率良く排水する加湿装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の加湿装置は、給水電磁弁を有し、該給水電磁弁が開放されると水が供給される給水系と、排水電磁弁を有し、該排水電磁弁が開放されると水が排出される排水系と、前記給水系から供給される水で空気を加湿する加湿器と、前記給水電磁弁及び前記排水電磁弁の開閉を制御する制御手段と、を備え、前記制御手段は、前記給水電磁弁及び前記排水電磁弁を開放することで、前記給水系から供給される水とともに前記加湿器に供給されていた水を前記排水系から排出させる
ものであり、前記給水系は、前記給水電磁弁を有する第1配管と、前記第1配管及び前記加湿器の下部に接続された第2配管と、を備え、前記排水系は、前記第2配管と、前記第2配管に接続され、前記排水電磁弁を有する第3配管と、を備え、前記給水電磁弁及び前記排水電磁弁が開放されると、前記給水系から供給される水が前記第1配管及び前記第3配管を流れ、前記加湿器に供給されていた水が前記第2配管及び前記第3配管を流れ、これらの水が前記第3配管で合流して前記排水系から排出され、前記第1配管には、前記給水系の下流側から前記排水系の上流側に向かって流路が狭くなる絞り部を有するエジェクタが設けられ、前記加湿器に供給されていた水は、前記絞り部の出口側で、前記給水系から前記絞り部を通過した水と合流するものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、制御手段は、給水電磁弁及び排水電磁弁を開放することで、給水系から供給される水とともに加湿器に供給されていた水を排水系から排出させる。このため、構造を複雑化せずに、製造コストを抑制し、加湿器内部の水を効率良く排水することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】実施の形態1に係る加湿装置100の模式図である。
【
図2】実施の形態1に係る加湿装置100の加湿工程を示す模式図であり、加湿装置100の詳細を示す。
【
図3】実施の形態1に係る加湿装置100のシステム構成図である。
【
図4】実施の形態1に係る加湿装置100の加湿工程を示す模式図である。
【
図5】実施の形態1に係る加湿装置100の給排水工程を示す模式図である。
【
図6】実施の形態1に係る加湿装置100の排水工程を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
実施の形態1.
図1は実施の形態1に係る加湿装置100の模式図である。
図2は実施の形態1に係る加湿装置100の加湿工程を示す模式図であり、加湿装置100の詳細を示す。
図3は実施の形態1に係る加湿装置100のシステム構成図である。
【0011】
図1に示されるように、加湿装置100は、必要に応じて室内へ供給する給気流を加湿して加湿雰囲気の気流にする装置であり、外郭が箱状の本体箱体1で形成される。加湿装置100は、送風機3、熱交換器4、加湿器5、及びドレンパン9を備える。また、
図3に示されるように、加湿装置100は、制御手段50も備える。
【0012】
本体箱体1内には、通風路2が形成され、通風方向から順に送風機3、熱交換器4、加湿器5が配置されている。このため、送風機3から送出される空気流は、熱交換器4で加熱された後、加湿器5を通過する際に加湿され、加湿雰囲気となって室内に供給される。
【0013】
熱交換器4は、送風機3から送出される空気流を加熱し、相対湿度を下げるために設置されており、冷凍サイクル(図示省略)の一部を構成している。送風機3から送出される空気と熱交換器4の冷媒とが熱交換することで、送風機3から送出される空気の温度が上昇する。熱交換器4には、冷媒配管6が接続される。加湿器5は、例えば、六面体で構成された自然蒸発式のものである。加湿器5には、水道設備等の給水源から配管された水配管7が接続される。加湿器5と水配管7との間には、給排水ユニット8が配置される。熱交換器4及び加湿器5の下部には、ドレンパン9が設置されている。
【0014】
熱交換器4を通って温度が高められて相対湿度の下がった空気流は、加湿器5を通過することで、より多量の蒸気を取り込む。このため、より湿度の高い空気流が室内に供給される。加湿量がそれほど要求されない施設においては、熱交換器4を設けない構成としてもよい。
【0015】
図2に示されるように、加湿器5は、同形同寸法の多数の加湿機能体14が複数枚並列配置されて構成される。加湿器5には、空気を通す通風路となる送気層(図示省略)と、水を蓄える保水層(図示省略)とが一つおきに形成されている。すなわち、各加湿機能体14は、保水層を構成する導水体(図示省略)と、送気層を構成するスペーサ(図示省略)とを備える。導水体は、剛直性と通水性を持つ三次元多孔板で構成される導水部材(図示省略)を、水は透過せず、水蒸気は透過する多孔性の透湿膜18で形成した袋状の膜体内に封入し、両者の結合した複合シート構造の長方形、正方形の扁平部材として構成されている。なお、矢印17は、加湿機能体14の内部から外部に排出される空気の流れを概念的に示したものである。本実施の形態1では、加湿機能体14が複数設けられる例について説明したが、これに限定されず、一つでもよい。
【0016】
図2に示されるように、給排水ユニット8は、給水系110及び排水系120を備える。矢印41は、給水源(図示省略)から供給される水の流れを概念的に示している。
【0017】
給水系110は、加湿器5に加湿用の水を送水する水路である。給水系110には、加湿器5に給水する水の圧力を調整する減圧弁10と、流量を調整する給水電磁弁11と、給水系110への塵の侵入を防ぐストレーナ(図示しない)と、が設けられる。また、給水系110には、給水源側と接続される給水系上流側接続部21と、第2配管(接続チューブ)16bと接続される給水系下流側接続部31と、が設けられる。また、給水系110には、給水電磁弁11を有する第1配管16aと、第1配管16a及び加湿器5の下部に接続された第2配管16b(接続チューブ)と、が設けられる。
【0018】
排水系120は、加湿器5から排出される水を送水する水路であり、加湿器5の下方に配置されている。排水系120には、排水量を調整する排水電磁弁12が設けられる。また、排水系120には、第2配管16bと接続される排水系上流側接続部22と、ドレンパン9に向かう排水系下流側接続部32と、が設けられる。また、排水系120には、第2配管16bと、第2配管16bに接続され、排水電磁弁12を有する第3配管16cと、が設けられる。給水系110の第2配管16b及び排水系120の第2配管16bは同一の部材であり、給水系110及び排水系120で共有している。
【0019】
図1に示されるように、給水系上流側接続部21、排水系上流側接続部22、給水系下流側接続部31、及び排水系下流側接続部32は、全てドレンパン9内に集約されている。すなわち、平面視した状態で、ドレンパン9の内周よりも内側に、給水系上流側接続部21、排水系上流側接続部22、給水系下流側接続部31、及び排水系下流側接続部32が位置している。
【0020】
第1配管16aには、エジェクタ13が配置されている。エジェクタ13は、給水電磁弁11から排出される水の流速を上昇させる機能を有する絞り部13aを有する。絞り部13aは、給水系110の下流側から排水系120の上流側に向かって流路が狭くなっている。絞り部13aは、加湿器5から送出される水が、絞り部13aの出口側で絞り部13aを通過した水と合流するような位置に設けられている。なお、給水電磁弁11、排水電磁弁12、及びエジェクタ13は、一体として構成されていてもよい。
【0021】
図3に示されるように、加湿装置100は、制御手段50を備える。制御手段50は、送風機3から送出される風量を調整するように送風機3を制御する。また、制御手段50は、給水電磁弁11の開閉を切り替えるように給水電磁弁11を制御する。また、制御手段50は、排水電磁弁12の開閉を切り替えるように排水電磁弁12を制御する。
【0022】
図2に示されるような加湿工程においては、制御手段50は、給水電磁弁11を開状態に制御し、排水電磁弁12を閉状態に制御している。このため、給水系110に供給された水は、給水電磁弁11、減圧弁10、エジェクタ13、第1配管16a、第2配管16bを順に通って、加湿機能体14に給水される。このとき、加湿機能体14の内部の空気は、透湿膜18から外部に排出される。矢印17は、この空気の流れを概念的に示したものである。加湿機能体14が満水になると、加湿可能な状態となる。
【0023】
図4は実施の形態1に係る加湿装置100の加湿工程を示す模式図である。
図2と同様に、制御手段50は、給水電磁弁11を開状態に制御し、排水電磁弁12を閉状態に制御している。
図4は、
図2のような、給水電磁弁11が開状態で且つ排水電磁弁12が閉状態で所定時間経過し、加湿機能体14が満水になった状態を示す。
【0024】
図4に示されるように、水が透湿膜18内に満たされると、水蒸気のみが、透湿膜18を通じて室内に放出される。矢印15は、この水蒸気の流れを概念的に示したものである。ここで、制御手段50は、給水電磁弁11を開状態としている。このため、水蒸気が透湿膜18から室内に放出されても、水が、給水系110、エジェクタ13、第1配管16a、第2配管16bを順に通って、透湿膜18内に供給される。したがって、室内は連続的に加湿される。
【0025】
図4に示される加湿工程で、制御手段50が、給水電磁弁11を閉状態に制御し、排水電磁弁12を開状態に制御すると、透湿膜18内の残水がその自重によって排水されることになる(排水工程)。しかしながら、このとき、給排水ユニット8から排出される排水量に応じて、透湿膜18の外部から透湿膜18の内部に水蒸気通気路を通して十分な空気が供給されないと、透湿膜18内は負圧状態になる。そして、大気圧と透湿膜18内の残水自重とが釣り合った状態になると、それ以上は排水されなくなる。積算加湿量が多くなった経時状態においては、透湿膜18に供給された水に含まれる炭酸カルシウム及び炭酸マグネシウム等の硬度成分、並びにシリカなどの不純物が、透湿膜18の内部に堆積している。このため、水蒸気が通過する水蒸気通気路を通って室内から十分な空気が供給されず、透湿膜18内は負圧状態になっている。このため、大気圧と透湿膜18内の残水の自重とが釣り合ってしまい、透湿膜18内に濃度の高い残水が残留する。排水工程の度にこの状態が繰り返されることになり、ますます不純物が堆積して、加湿量は減量してしまう。このため、透湿膜18内の残留物濃度が高まらないように、透湿膜18内の残水を定期的に十分に排水することが望ましい。
【0026】
本実施の形態1では、例えば、透湿膜18内の残水を定期的に十分に排水するために、室内が加湿不要な湿度に達する、ある加湿機能体14内部の水の不純物濃度がある程度の濃度になる、又は、加湿器5の内部に貯留した水が所定の下限値を下回ることで、給排水工程に移行する。
【0027】
図5は実施の形態1に係る加湿装置100の給排水工程を示す模式図である。給排水工程においては、制御手段50は、給水電磁弁11を開状態に制御し、排水電磁弁12も開状態に制御している。矢印42は、排水系120から流出する水の流れを概念的に示している。
【0028】
図5に示されるように、給水電磁弁11は開状態であるため、給水系110に供給された水は、給水電磁弁11、減圧弁10、エジェクタ13の絞り部13aを通過する。ここで、絞り部13aは、給水系110の下流側から排水系120の上流側に向かって流路が狭くなっている。このため、エジェクタ13の絞り部13aを通過した水は、流速が上昇し、エジェクタ13の絞り部13aの周囲には負圧が発生する。また、排水電磁弁12は開状態であるため、加湿機能体14の内部の残水は、自重で流下し、第2配管16bを通り、エジェクタ13の絞り部13aの出口側に達する。このとき、加湿機能体14から排出される水は、エジェクタ13の絞り部13aでの負圧に吸引されるため、加湿機能体14内の水は、自重のみの場合よりも効率良く排水系120から排出される。なお、エジェクタ13を設けずに加湿装置100を構成してもよい。この場合には、エジェクタ13を設けた場合に比べると、加湿器5の内部の水の排出の効率は悪くなるが、加湿器5の内部の水を自重のみで排出する場合に比べると、加湿器5の内部の水の排出の効率は良くなる。
【0029】
給排水工程においては、透湿膜18内が全て水で満たされていないため、室内の空気は透湿膜18に流入する。矢印17は、この空気の流れを概念的に示したものである。加湿機能体14、第2配管16b、及び給排水ユニット8内の水が、排水系120から排出され、所定量以上排水されると、制御手段50は、給水電磁弁11を閉状態にし、
図6に示されるような排水工程に移行する。例えば、制御手段50は、加湿器5の水の量が閾値以上か否かを判定し、加湿器5の水の量が閾値未満のとき、給水電磁弁11を閉止状態にする。
【0030】
図6は実施の形態1に係る加湿装置100の排水工程を示す模式図である。排水工程においては、制御手段50は、給水電磁弁11を閉状態に制御し、排水電磁弁12を開状態に制御している。
【0031】
図6に示されるように、給水電磁弁11が閉状態であるため、透湿膜18内の残水は、その自重によって排水される。加湿機能体14内の水が少なくなり、加湿を再度行う場合には、
図2、
図4に示されるような加湿工程に移行する。なお、連続的に加湿が必要な状況においては、排水中であっても加湿機能体14内の保水層によりある程度の水は貯留されているため、送風機3や熱交換器4は稼働状態にしても差し支えない。
【0032】
以上のように、本実施の形態1に係る加湿装置100は、制御手段50が、給水電磁弁11及び排水電磁弁12を開放することで、給水系110から供給される水とともに加湿器5に供給されていた水を排水系120から排出させる。このため、構造を複雑化せずに、製造コストを抑制し、加湿器5内部の水を効率良く排水することができる。また、経時的にも十分な加湿量を確保することができる。
【0033】
なお、
図2、
図4に示されるような加湿工程においても、加湿機能体14の加湿量を経時的に確保するため、定期的に排水してもよい。また、
図2、
図4の加湿工程から
図5の給排水工程に移行するタイミングは、例えばタイマ(図示省略)を用いて、所定時間が経過したことに応じて決定されるとよい。また、ある加湿機能体14内部の水の不純物濃度を検知する濃度検知センサ(図示省略)を設け、この濃度検知センサの値が所定値を上回ったときに、加湿工程から給排水工程に移行するようにしてもよい。また、所定時間間隔毎に加湿工程から給排水工程に移行するようにしてもよい。また、加湿装置100を使用する使用者が、任意のタイミングで加湿工程から給排水工程に移行するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0034】
1 本体箱体、2 通風路、3 送風機、4 熱交換器、5 加湿器、6 冷媒配管、7 水配管、8 給排水ユニット、9 ドレンパン、10 減圧弁、11 給水電磁弁、12 排水電磁弁、13 エジェクタ、13a 絞り部、14 加湿機能体、15 矢印、16a 第1配管、16b 第2配管(接続チューブ)、16c 第3配管、17 矢印、18 透湿膜、21 給水系上流側接続部、22 排水系上流側接続部、31 給水系下流側接続部、32 排水系下流側接続部、41 矢印、42 矢印、50 制御手段、100 加湿装置、110 給水系、120 排水系。