特許第6037980号(P6037980)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6037980
(24)【登録日】2016年11月11日
(45)【発行日】2016年12月7日
(54)【発明の名称】空気調和機
(51)【国際特許分類】
   F24F 11/02 20060101AFI20161128BHJP
【FI】
   F24F11/02 105Z
   F24F11/02 105A
   F24F11/02 103C
   F24F11/02 104A
   F24F11/02 K
【請求項の数】7
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2013-183271(P2013-183271)
(22)【出願日】2013年9月4日
(65)【公開番号】特開2015-49026(P2015-49026A)
(43)【公開日】2015年3月16日
【審査請求日】2015年8月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001461
【氏名又は名称】特許業務法人きさ特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】杉山 大輔
(72)【発明者】
【氏名】飯島 宏一
【審査官】 横溝 顕範
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−120984(JP,A)
【文献】 特開2007−240067(JP,A)
【文献】 特開2007−040644(JP,A)
【文献】 特開昭57−067740(JP,A)
【文献】 特開2004−191037(JP,A)
【文献】 米国特許第05326027(US,A)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0140057(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 11/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
リモートコントローラから送信されたリモコン情報を受信する受信部と、
外部ネットワークを介して伝達された運転内容を備える遠隔情報を受信するアダプタと、
前記アダプタで前記遠隔情報が受信されたとき、又は前記受信部で前記リモコン情報が受信されたときに情報を出力する情報出力部と、
前記情報出力部の動作を制御する制御部と、を有し、
前記制御部は、
前記アダプタで前記遠隔情報が受信されたときと前記受信部で前記リモコン情報が受信されたときとで、前記情報出力部に異なる情報を出力させる情報調整手段を有し、
前記情報出力部は、音を発する音発生部を有し、
前記情報調整手段は、
前記アダプタで携帯端末装置からの前記遠隔情報が受信されたときと前記受信部で前記リモコン情報が受信されたときとで、前記音発生部に異なる音を発生させる音調整手段を有する
ことを特徴とする空気調和機。
【請求項2】
前記制御部は、遠隔情報を受信した場合、リモコン情報を受信した場合よりも、風向制御板及び送風ファンの動作開始のタイミングを遅らせることを特徴とする請求項1記載の空気調和機。
【請求項3】
前記情報出力部は、表示部を有し、
前記情報調整手段は、
前記アダプタで前記遠隔情報が受信されたときと前記受信部で前記リモコン情報が受信されたときとで、前記表示部に異なる表示をさせる表示調整手段を有する
ことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の空気調和機。
【請求項4】
前記制御部は、
前記遠隔情報における運転内容に基づいて、前記情報出力部に前記情報を出力させるか否かを判定する運転内容判定手段を更に有する
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の空気調和機。
【請求項5】
前記運転内容判定手段は、
前記遠隔情報における運転内容が、集中コントローラによって自動制御された自動運転である場合、前記情報調整手段に前記情報を出力させない
ことを特徴とする請求項4記載の空気調和機。
【請求項6】
前記制御部は、
前記アダプタで前記遠隔情報が受信された時刻に基づいて、前記情報出力部に前記情報を出力させるか否かを判定する時間判定手段を更に有する
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の空気調和機。
【請求項7】
前記時間判定手段は、
前記アダプタで前記遠隔情報が受信された時刻が、予め決められた時間帯である場合、前記情報調整手段に前記情報を出力させない
ことを特徴とする請求項6記載の空気調和機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御部を備える空気調和機に関する。
【背景技術】
【0002】
リモートコントローラによる操作指示に加え、宅外からの遠隔操作指示によって、運転内容が変更される空気調和機が、従来から提案されている。しかし、宅外からの遠隔操作指示を全て許容すると、例えば空気調和機が設置された部屋に既に人がいる場合、その人にとって意図しない運転が行われる虞がある。この問題に対処することを目的とした技術として、特許文献1には、宅外から遠隔操作によって運転内容の変更が指示された場合、その指示された運転内容に応じて、指示を許可するか否かが決定される空気調和機が開示されている。このように、特許文献1は、遠隔操作指示の受容を制限することにより、在室するユーザにとって影響が大きく且つ意図しない運転に移行することを抑制しようとするものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−24420号公報(第3頁〜第5頁)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示された空気調和機は、遠隔操作指示において、その指示内容が許可されれば、在室するユーザに何ら報知されることなく、その指示に基づいた運転が実行される。例えば、在室するユーザが気づかないうちに、宅外から遠隔操作指示を受けた場合、ユーザにとって影響を及ぼす運転が実施される虞がある。また、ユーザが、停止している空気調和機の可動部に触れている場合、宅外から遠隔操作指示を受けると、突然可動部が動き出し、ユーザに影響を及ぼす虞がある。このように、特許文献1に開示された空気調和機では、受信距離が制限され、主に室内で使用されるリモートコントローラからの指示よりも、宅外からの遠隔操作指示の方が、ユーザにとって不意を突かれ易いという問題がある。
【0005】
本発明は、上記のような課題を背景としてなされたもので、宅外からの運転開始又は運転内容変更等の遠隔操作指示を受けても、その指示が遠隔操作に依るものであることをユーザが認識することができる空気調和機を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る空気調和機は、リモートコントローラから送信されたリモコン情報を受信する受信部と、外部ネットワークを介して伝達された運転内容を備える遠隔情報を受信するアダプタと、アダプタで遠隔情報が受信されたとき、又は受信部でリモコン情報が受信されたときに情報を出力する情報出力部と、情報出力部の動作を制御する制御部と、を有し、制御部は、アダプタで遠隔情報が受信されたときと受信部でリモコン情報が受信されたときとで、情報出力部に異なる情報を出力させる情報調整手段を有し、情報出力部は、音を発する音発生部を有し、情報調整手段は、アダプタで携帯端末装置からの遠隔情報が受信されたときと受信部でリモコン情報が受信されたときとで、音発生部に異なる音を発生させる音調整手段を有するものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、遠隔情報が受信されたときとリモコン情報が受信されたときとで、情報出力部に異なる情報を出力させるため、遠隔情報が受信されたとき、ユーザは、それを直ちに認識することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施の形態1に係る空気調和機1を示す模式図である。
図2】実施の形態1に係る空気調和機1を示すブロック図である。
図3】実施の形態1に係る空気調和機1の動作を示すフローチャートである。
図4】実施の形態2に係る空気調和機1の動作を示すフローチャートである。
図5】実施の形態3に係る空気調和機1を示すブロック図である。
図6】実施の形態3における鳴動可否テーブル27を示す図である。
図7】実施の形態3に係る空気調和機1の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明に係る空気調和機の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下に説明する実施の形態によって本発明が限定されるものではない。また、図1を含め、以下の図面では各構成部材の大きさの関係が実際のものとは異なる場合がある。
【0010】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る空気調和機1を示す模式図である。この図1に基づいて、空気調和機1について説明する。図1に示すように、空気調和機1は、例えば居宅10に設置されており、空気調和機1に付属されたリモートコントローラ7からのリモコン情報を受信する受信部3と、情報出力部4とを備えている。この情報出力部4は、情報を出力するものであり、例えば、音を発する音発生部5及び予め決められた表示を行う表示部6を備えている。そして、受信したリモコン情報に含まれる運転内容に応じて、音発生部5が音を発生したり、表示部6がその運転内容を表示したりする。
【0011】
また、この空気調和機1には、リモコン情報とは異なる遠隔情報を受信するアダプタ2が取り付けられている。そして、この居宅10内には、空気調和機1のほかに、ルータ8が設置されており、このルータ8は、外部ネットワーク11から受信した情報をアダプタ2に送信するものである。
【0012】
次に、外部ネットワーク11について説明する。外部ネットワーク11は、例えば、外部ネットワーク11上に接続されているインターネット網12であり、このインターネット網12に、サーバ等の遠隔制御集中管理装置13が接続されている。宅外において、例えば携帯操作端末9を用いて、空気調和機1に対する操作指示がなされると、インターネット網12を介して、この操作指示に関する運転内容が、一旦遠隔制御集中管理装置13に保存される。この遠隔制御集中管理装置13と空気調和機1とは、随時、情報のやりとりを行っており、例えば、空気調和機1は、空気調和機1に関する情報を、アダプタ2からルータ8及びインターネット網12を介して、遠隔制御集中管理装置13に送信する。そして、遠隔制御集中管理装置13は、この送信に対する返信を行う際、遠隔制御集中管理装置13に保存された情報を、インターネット網12及びルータ8を介して、空気調和機1に送信する。
【0013】
携帯操作端末9からの操作指示が遠隔制御集中管理装置13に保存されている場合、この操作指示に関する遠隔情報は、遠隔制御集中管理装置13から空気調和機1に送信される。そして、この遠隔情報に含まれる運転内容に応じて、運転の開始又は停止、冷房又は暖房といった運転モードの変更を行い、更に、音発生部5が音を発生したり、表示部6がその運転内容を表示したりする。
【0014】
次に、制御部21について説明する。図2は、実施の形態1に係る空気調和機1を示すブロック図である。空気調和機1には、制御部21が設けられており、図2に示すように、制御部21は、リモコン情報入力手段22、遠隔情報入出力手段23、記憶手段25、情報調整手段26及び動作指示出力手段24を備えている。リモコン情報入力手段22は、リモートコントローラ7からのリモコン情報を受信した受信部3から、このリモコン情報を受け取って処理するものである。また、遠隔情報入出力手段23は、遠隔制御集中管理装置13からの遠隔情報を受信したアダプタ2から、この遠隔情報を受け取って処理するものであり、それに加え、空気調和機1自体の情報を、アダプタ2に出力するものである。
【0015】
記憶手段25は、各種の制御設定値及びプログラム等が記憶されているものであり、制御部21において、この記憶手段25から、リモコン情報又は遠隔情報に基づいた制御設定値又はプログラム等が読み出され、これらが情報調整手段26又は動作指示出力手段24に送信される。また、制御部21において、リモコン情報を処理するリモコン情報入力手段22からの信号及び遠隔情報を処理する遠隔情報入出力手段23からの信号を受け取り、これらの信号に対して演算処理又は判断処理が行われる。
【0016】
情報調整手段26は、遠隔情報が受信されたときとリモコン情報が受信されたときとで、情報出力部4に異なる情報を出力させるものである。この情報調整手段26は、音調整手段26a及び表示調整手段26bを備えている。このうち、音調整手段26aは、遠隔情報が受信されたときとリモコン情報が受信されたときとで、音発生部5に異なる音を発生させるものであり、表示調整手段26bは、遠隔情報が受信されたときとリモコン情報が受信されたときとで、表示部6に異なる表示をさせるものである。
【0017】
動作指示出力手段24は、音調整手段26a又は表示調整手段26bからの情報を受け取り、音発生部5、表示部6又は空気調和機1に設けられたアクチュエータ31に対し、動作指示を出力するものである。なお、このアクチュエータ31は、空気調和機1における可動部等を動作させるものである。
【0018】
次に、本実施の形態1に係る空気調和機1の動作について説明する。本実施の形態1は、音調整手段26aによって、リモコン情報と遠隔情報とを区別する動作について説明する。図3は、実施の形態1に係る空気調和機1の動作を示すフローチャートである。図3に示すように、先ず、空気調和機1は、リモコン情報又は遠隔情報を受信する(ステップS11)。そして、音調整手段26aは、受信した情報が、リモコン情報であるか又は遠隔情報であるかを判定する(ステップS12)。音調整手段26aによって、受信した情報がリモコン情報であると判定されたとき、音調整手段26aは、リモコンを使用して操作指示された際の受信音であるリモコン用受信音を、音発生部5に鳴動させる(ステップS13)。そして、リモコン情報に含まれる運転内容に基づいて、空気調和機1が動作する(ステップS14)。
【0019】
一方、ステップS12において、音調整手段26aによって、受信した情報が遠隔情報であると判定されたとき、音調整手段26aは、遠隔操作指示された際の受信音である遠隔用受信音を、音発生部5に鳴動させる(ステップS15)。そして、ステップS14に進み、遠隔情報に含まれる運転内容に基づいて、空気調和機1が動作する。
【0020】
このように、本実施の形態1は、リモートコントローラ7によって操作された場合と宅外から遠隔操作された場合とで、異なる受信音を鳴動させている。このため、遠隔情報が受信されたとき、ユーザは、それを直ちに認識することができ、ユーザが気づかないうちに運転状態が変更されることが抑制される。なお、各受信音は、メロディ又は音声等としてもよい。
【0021】
実施の形態2.
次に、実施の形態2に係る空気調和機1について説明する。図4は、実施の形態2に係る空気調和機1の動作を示すフローチャートである。本実施の形態2は、音調整手段26aではなく、表示調整手段26bによって、リモコン情報と遠隔情報とを区別する点で、実施の形態1と相違し、空気調和機1自体の構成は、実施の形態1と同様である。本実施の形態2では、実施の形態1と共通する部分は同一の符号を付して説明を省略し、実施の形態1との相違点を中心に説明する。
【0022】
本実施の形態2では、図4に示すように、先ず、空気調和機1は、リモコン情報又は遠隔情報を受信する(ステップS21)。そして、表示調整手段26bは、受信した情報が、リモコン情報であるか又は遠隔情報であるかを判定する(ステップS22)。表示調整手段26bによって、受信した情報がリモコン情報であると判定されたとき、表示調整手段26bは、リモコンを使用して操作指示された際の受信表示であるリモコン用受信表示を、表示部6に表示させる(ステップS23)。そして、リモコン情報に含まれる運転内容に基づいて、空気調和機1が動作する(ステップS24)。
【0023】
一方、ステップS22において、表示調整手段26bによって、受信した情報が遠隔情報であると判定されたとき、表示調整手段26bは、遠隔操作指示された際の受信表示である遠隔用受信表示を、表示部6に表示させる(ステップS25)。そして、ステップS24に進み、遠隔情報に含まれる運転内容に基づいて、空気調和機1が動作する。
【0024】
このように、本実施の形態2は、リモートコントローラ7によって操作された場合と宅外から遠隔操作された場合とで、表示部6に異なる表示をさせている。このため、実施の形態1と同様に、遠隔情報が受信されたとき、ユーザは、それを直ちに認識することができ、ユーザが気づかないうちに運転状態が変更されることが抑制される。なお、各受信表示は、LEDランプを使用した表示又はフルセグメントを使用した文字表示等としてもよい。また、音発生部5及び表示部6のいずれも使用して、ユーザに報知するように構成することもできる。
【0025】
実施の形態3.
次に、実施の形態3に係る空気調和機1について説明する。図5は、実施の形態3に係る空気調和機1を示すブロック図である。本実施の形態3は、制御部21が、運転内容判定手段28及び時間判定手段29を備えている点で、実施の形態1と相違する。本実施の形態3では、実施の形態1と共通する部分は同一の符号を付して説明を省略し、実施の形態1との相違点を中心に説明する。
【0026】
図5に示すように、制御部21は、運転内容判定手段28、時間判定手段29及び鳴動可否テーブル27を備えている。このうち、運転内容判定手段28は、遠隔情報における運転内容に基づいて、情報出力部4に情報を出力させるか否かを判定するものである。ここで、運転内容としては、タイマー運転、自動運転及び通常運転等が挙げられ、このうちタイマー運転とは、運転開始時刻又は運転終了時刻を指定するものである。また、自動運転とは、例えば、居宅10に設置された空気調和機1と空気調和機1以外の電気機器とが集中コントローラを介して接続され、居宅10内の消費電力量が集中コントローラによって自動制御された際における空気調和機1の運転等を行うものである。そして、通常運転とは、通常に運転している際に行われる変更指示等である。
【0027】
また、時間判定手段29は、アダプタ2で遠隔情報が受信された時刻に基づいて、情報出力部4に情報を出力させるか否かを判定するものである。時刻は、例えば4個の期間に分けられており、夫々0:00〜5:59(深夜)、6:00〜11:59(朝)、12:00〜17:59(昼)、18:00〜23:59(夜)等である。
【0028】
次に、鳴動可否テーブル27について説明する。図6は、実施の形態3における鳴動可否テーブル27を示す図である。鳴動可否テーブル27は、運転内容及び時間と、情報出力の有無との関係の一例を示すものであり、情報出力として音発生部5が用いられている。図6に示すように、例えば、3:00に、タイマー運転の遠隔操作指示がなされた場合、受信音が鳴動すると、ユーザが寝ている可能性が高く不快であるため、運転内容判定手段28及び時間判定手段29は鳴動を許可しない。一方、3:00を含む深夜時間帯(0:00〜5:59)以外の時間帯においては、受信音が鳴動しても、ユーザが起きている可能性が高く不快と感じることは想定され難いため、運転内容判定手段28及び時間判定手段29は鳴動を許可する。
【0029】
これに対し、自動運転においては、集中コントローラによって自動制御されているため、逐次的に動作が変更される場合がある。このとき、逐一受信音が鳴動していては、ユーザにとって煩わしい虞があるため、いずれの時間帯においても、運転内容判定手段28及び時間判定手段29は鳴動を許可しない。なお、通常運転については、いずれの時間帯においても、運転内容判定手段28及び時間判定手段29は鳴動を許可する。
【0030】
次に、本実施の形態3に係る空気調和機1の動作について説明する。本実施の形態3は、音調整手段26aによって、リモコン情報と遠隔情報とを区別する動作について説明する。図7は、実施の形態3に係る空気調和機1の動作を示すフローチャートである。図7に示すように、先ず、空気調和機1は、リモコン情報又は遠隔情報を受信する(ステップS31)。そして、音調整手段26aは、受信した情報が、リモコン情報であるか又は遠隔情報であるかを判定する(ステップS32)。音調整手段26aによって、受信した情報がリモコン情報であると判定されたとき、音調整手段26aは、リモコンを使用して操作指示された際の受信音であるリモコン用受信音を、音発生部5に鳴動させる(ステップS33)。そして、リモコン情報に含まれる運転内容に基づいて、空気調和機1が動作する(ステップS34)。ここまでは、実施の形態1と同様である。
【0031】
一方、ステップS32において、音調整手段26aによって、受信した情報が遠隔情報であると判定されたとき、運転内容判定手段28及び時間判定手段29が、鳴動可否テーブル27に基づいて、夫々運転内容及び時間が鳴動許可されているものであるか否かを判定する(ステップS35)。運転内容及び時間が、運転内容判定手段28及び時間判定手段29によって鳴動許可されているものであると判定されれば(ステップS35のYes)、音調整手段26aは、遠隔操作指示された際の受信音である遠隔用受信音を、音発生部5に鳴動させる(ステップS36)。そして、ステップS34に進み、遠隔情報に含まれる運転内容に基づいて、空気調和機1が動作する。これに対し、ステップS35において、運転内容及び時間が、運転内容判定手段28及び時間判定手段29によって鳴動が許可されていないものであると判定されれば(ステップS35のNo)、そのままステップS34に進み、遠隔情報に含まれる運転内容に基づいて、空気調和機1が動作する。
【0032】
このように、本実施の形態3は、実施の形態1と同様に、リモートコントローラ7によって操作された場合と宅外から遠隔操作された場合とで、異なる受信音を鳴動させている。このため、遠隔情報が受信されたとき、ユーザは、それを直ちに認識することができ、ユーザが気づかないうちに運転状態が変更されることが抑制される。その上、深夜時間帯等の就寝している可能性がある時間帯において、受信音の鳴動を制限しているため、ユーザに不快感を与えることを抑制することができる。
【0033】
また、集中コントローラによって空気調和機1とそれ以外の機器とが接続され、居宅10全体の消費電力量を自動制御している場合、間欠的に運転内容が変更される可能性があるが、この場合においても、受信音の鳴動を制限している。このため、頻繁に受信音を鳴動させることを抑制することができる。なお、各受信音は、メロディ又は音声等としてもよい。また、受信音ではなく、実施の形態2のように、表示部6に表示させてもよい。
【0034】
なお、本発明の実施の形態は、上記の実施の形態に限定されない。例えば、遠隔情報を受信した場合とリモコン情報を受信した場合とで、受信音の鳴動及び表示部6による表示の代わりに、空気調和機1に備わる風向制御板及び送風ファンの動作開始のタイミングを変更してもよい。具体的には、遠隔情報を受信した場合、リモコン情報を受信した場合よりも、風向制御板及び送風ファンの動作開始のタイミングを遅らせる。これにより、ユーザ等が空気調和機1の風向制御板及び送風ファンに触れている場合でも、不意に風向制御板及び送風ファンが動き出すことが抑制される。
【符号の説明】
【0035】
1 空気調和機、2 アダプタ、3 受信部、4 情報出力部、5 音発生部、6 表示部、7 リモートコントローラ、8 ルータ、9 携帯操作端末、10 居宅、11 外部ネットワーク、12 インターネット網、13 遠隔制御集中管理装置、21 制御部、22 リモコン情報入力手段、23 遠隔情報入出力手段、24 動作指示出力手段、25 記憶手段、26 情報調整手段、26a 音調整手段、26b 表示調整手段、27 鳴動可否テーブル、28 運転内容判定手段、29 時間判定手段、31 アクチュエータ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7