(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の点火装置は、大きなエネルギーの火花放電を発生可能にするために、容量が100[μF]の第1のコンデンサと、容量が5[μF]の第2のコンデンサとが設けられている。また、第1のコンデンサの電圧が150[V]の高電圧となり、第2のコンデンサの電圧が300[V]の高電圧となるように構成されている。
【0006】
ここで、可燃混合気の着火を停止する必要がある場合、可燃混合気の着火を停止するとともに、コンデンサに充電されているエネルギーを放電することでコンデンサの電圧を下げておかないと、コンデンサに起因した不具合が生じる。例えば上記の点火装置が搭載されている車両と他車両等の物体との衝突が発生した場合、可燃混合気の着火を停止するだけでは不十分であり、コンデンサの電圧が高電圧のままであると、コンデンサに起因した不具合として例えば端子ショートによって火花が発生する可能性がある。
【0007】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、可燃混合気の着火を停止する必要がある際に起こり得る充電部に起因した不具合の発生を抑制することのできる点火装置および点火制御方法を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明における点火装置は、プラズマを発生させることで内燃機関の燃焼室内の可燃混合気を着火させる点火プラグと、直流電源から供給される直流電圧を昇圧するDC/DC昇圧部と、DC/DC昇圧部によって昇圧された直流電圧が印加されることで直流エネルギーを充電する充電部と、充電部に充電されている直流エネルギーを放電する放電部と、を有するエネルギー供給部と、可燃混合気の着火を停止する停止条件が成立しているか否かを判断し、判断結果に従って、エネルギー供給部を制御する制御部と、を備え、エネルギー供給部は、充電部に充電された直流エネルギーから、点火プラグがプラズマを発生させるためのプラズマ発生エネルギーを生成し、プラズマ発生エネルギーを点火プラグに供給し、制御部は、停止条件が成立していると判断した場合、点火プラグへのプラズマ発生エネルギーの供給を停止するとともに、充電部に充電されている直流エネルギーが放電部によって放電されるように、エネルギー供給部を制御
し、エネルギー供給部は、直流エネルギーを交流エネルギーに変換するDC/AC変換部をさらに有し、直流エネルギーをDC/AC変換部によって変換することで得られる交流エネルギーを、プラズマ発生エネルギーとし、DC/DC昇圧部によって昇圧された直流電圧の値は、48[V]以上200[V]以下であるものである。
【0009】
また、本発明における点火制御方法は、
48[V]以上200[V]以下に昇圧された直流電圧が印加されることで直流エネルギーを充電する充電部に充電された直流エネルギー
を交流エネルギーに変換し、交流エネルギーを、内燃機関の燃焼室内の可燃混合気を着火させる点火プラグがプラズマを発生させるためのプラズマ発生エネルギー
とし、プラズマ発生エネルギーを点火プラグに供給するエネルギー供給部を制御する点火制御方法であって、可燃混合気の着火を停止する停止条件が成立しているか否かを判断し、判断結果に従って、エネルギー供給部を制御する制御ステップを備え、制御ステップでは、停止条件が成立していると判断した場合、点火プラグへのプラズマ発生エネルギーの供給を停止するとともに、充電部に充電されている直流エネルギーが放電されるように、エネルギー供給部を制御するものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、可燃混合気の着火を停止する停止条件が成立している場合、点火プラグへのプラズマ発生エネルギーの供給を停止するとともに、充電部に充電されている直流エネルギーが放電されるように構成される。これにより、可燃混合気の着火を停止する必要がある際に起こり得る充電部に起因した不具合の発生を抑制することのできる点火装置および点火制御方法を得ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明による点火装置および点火制御方法を、好適な実施の形態にしたがって図面を用いて説明する。なお、図面の説明においては、同一部分または相当部分には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
【0013】
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1における点火装置を含む内燃機関システムを示す構成図である。なお、本実施の形態1では、車両の一例である自動車に内燃機関システムが搭載されている場合を例示する。
【0014】
図1における内燃機関システムは、燃焼室2を有する内燃機関1と、直流電源の一例であるバッテリ5と、点火プラグ3、エネルギー供給部4、点火コイル6、混合部7、制御部8および衝突検出部9を有する点火装置と、センサ類10と、アクチュエータ類11とを備える。
【0015】
点火プラグ3は、間隙33を介して対向する第1の電極31および第2の電極32を有する。点火プラグ3は、間隙33にプラズマを発生させることで、内燃機関1の燃焼室2内の可燃混合気を着火させる。
【0016】
エネルギー供給部4は、DC/DC昇圧部41、充電部42、放電部43およびDC/AC変換部44を有する。DC/DC昇圧部41は、バッテリ5から供給される直流電圧を昇圧する。充電部42は、DC/DC昇圧部41によって昇圧された直流電圧が印加されることで直流エネルギーを充電する。
【0017】
放電部43は、充電部42に充電されている直流エネルギーを放電する。DC/AC変換部44は、供給された直流エネルギーを交流エネルギーに変換する。
【0018】
エネルギー供給部4は、充電部42に充電された直流エネルギーから、点火プラグ3がプラズマを発生させるためのプラズマ発生エネルギーを生成する。具体的には、エネルギー供給部4は、直流エネルギーをDC/AC変換部44によって変換することで得られる交流エネルギーを、プラズマ発生エネルギーとする。また、エネルギー供給部4は、生成したプラズマ発生エネルギーを点火プラグ3に供給する。
【0019】
点火コイル6は、点火プラグ3が火花放電を発生させるための直流エネルギーを供給する。すなわち、点火コイル6は、混合部7を介して、直流電流を点火プラグ3の第1の電極31に供給することで、可燃混合気の絶縁破壊電圧を上回る高電圧を間隙33に発生させる。このように、点火プラグ3の間隙33に高電圧が発生することで、間隙33にプラズマ、すなわち、火花放電が発生する。
【0020】
混合部7は、点火コイル6から点火プラグ3へ供給される直流エネルギーのエネルギー供給部4への流入を抑制する。
【0021】
制御部8は、例えば、メモリに記憶されたプログラムを実行するCPUと、システムLSI等の処理回路によって実現される。制御部8は、内燃機関1の動作を制御する。制御部8による内燃機関1の制御方法としては、周知のとおり、さまざまな制御方法が考えられる。例えば、制御部8は、車両の走行状態を検出するセンサ類10から入力された検出結果から、アクチュエータ類11を駆使して内燃機関1を制御する。
【0022】
制御部8は、内燃機関1に加えてエネルギー供給部4および点火コイル6の動作も制御する。制御部8は、センサ類10による検出結果と、アクチュエータ類11の動作状況とから、点火プラグ3の間隙33にプラズマを発生させる適切なタイミングと、プラズマを発生させる適切な期間とを算出する。制御部8は、その算出結果に従ったプラズマの発生を実現するために、エネルギー供給部4および点火コイル6を制御する。
【0023】
具体的には、制御部8は、エネルギーの蓄積を開始し、プラズマを発生させるタイミングで直流エネルギーを点火プラグ3に供給するように、点火コイル6を制御する。点火コイル6は、制御部8による制御に従って、直流エネルギーを点火プラグ3に供給することで、間隙33にプラズマを発生させる。
【0024】
ここで、燃焼室2内の可燃混合気にEGRガスを多く含まれる場合、点火コイル6から点火プラグ3へ供給される直流エネルギーによって発生するプラズマだけでは、可燃混合気が着火しない。
【0025】
そこで、制御部8は、点火コイル6から点火プラグ3へ直流エネルギーが供給されるように点火コイル6を制御するとともに、エネルギー供給部4から点火プラグ3へプラズマ発生エネルギーが供給されるようにエネルギー供給部4を制御する。このようにプラズマ発生エネルギーも併せて点火プラグ3へ供給されるようにすることで、可燃混合気の着火が可能となる。
【0026】
また、制御部8は、可燃混合気の着火を停止する停止条件が成立しているか否かを判断し、判断結果に従って、エネルギー供給部4の動作を制御する。
【0027】
制御部8は、停止条件が成立していないと判断した場合には、上記のとおり、可燃混合気の着火が可能となるようにエネルギー供給部4の駆動を継続する。一方、制御部8は、停止条件が成立していると判断した場合には、点火プラグ3へのプラズマ発生エネルギーの供給を停止するようにエネルギー供給部4を制御することで、可燃混合気の着火が不可能となるようにする。
【0028】
衝突検出部9は、内燃機関が搭載される車両と例えば他車両等の物体との衝突が発生した場合に、その衝突を検出し、衝突検出結果を制御部8に出力する。具体的には、衝突検出部9は、加速度センサ91およびエアバック制御部92によって構成される。
【0029】
加速度センサ91は、車両の衝突が発生した場合に起こる車両の急減速を検出し、車両の急減速を検出すると、その検出結果をエアバック制御部92に出力する。
【0030】
エアバック制御部92は、車両に搭載されているエアバック機構(図示せず)を制御する。エアバック制御部92は、加速度センサ91から車両の急減速を示す検出結果が入力された場合、エアバック動作信号をエアバック機構に出力する。エアバック機構は、エアバック制御部92からエアバック動作信号が入力された場合、動作する。
【0031】
また、エアバック制御部92は、エアバック機構に加えて制御部8にもエアバック動作信号を出力する。エアバック制御部92は、エアバック動作信号を衝突検出結果として制御部8に出力する。制御部8は、エアバック制御部92からエアバック動作信号が入力された場合、停止条件が成立していると判断する。一方、制御部8は、エアバック制御部92からエアバック動作信号が入力されない場合、停止条件が成立していないと判断する。
【0032】
なお、エアバック制御部92の機能を制御部8に組み込んでもよい。この場合、加速度センサ91の検出結果は、制御部8に直接入力され、制御部8は、エアバック制御部92と同様の動作を行う。
【0033】
また、加速度センサ91およびエアバック制御部92によって衝突検出部9を構成する場合を例示しているが、これに限定されず、車両の衝突が検出可能であれば、衝突検出部9をどのように構成してもよい。
【0034】
また、制御部8は、衝突検出部9からの衝突検出結果の入力の有無によって、停止条件が成立しているか否かを判断するように構成される場合を例示しているが、これに限定されない。すなわち、停止条件を成立しているか否かを制御部8が判断する条件は、衝突検出部9からの衝突検出結果の入力の有無に限らず、任意に決めることができる。
【0035】
例えば、制御部8は、エネルギー供給部4が破損する可能性があるとき、停止条件が成立していると判断するように構成されてもよい。また、制御部8は、車両のボンネットが開いたとき、停止条件が成立していると判断するように構成されてもよい。
【0036】
次に、エネルギー供給部4の回路構成の一例について、
図2を参照しながら説明する。
図2は、本発明の実施の形態1におけるエネルギー供給部4を示す回路構成図である。なお、
図2では、前述したバッテリ5と、後述する端子Aおよび端子Bとを併せて図示している。
【0037】
図2において、DC/DC昇圧部41は、インダクタ411、例えばMOSFET等のスイッチング素子412およびダイオード413を有する一般的なDC/DC昇圧回路で構成されている。なお、DC/DC昇圧部41は、バッテリ5から供給される直流電圧を例えば100[V]以上200[V]以下の値に昇圧するように設計される。
【0038】
制御部8は、停止条件が成立していない間では、端子Bからスイッチング素子412へ制御信号を入力してスイッチング素子412をオンおよびオフに切り替え制御することで、バッテリ5から供給される直流電圧を昇圧する。一方、制御部8は、停止条件が成立すれば、DC/DC昇圧部41の駆動を停止する。すなわち、制御部8は、スイッチング素子412の切り替えを停止することで、直流電圧の昇圧を停止する。このように、エネルギー供給部4の駆動が停止されれば、可燃混合気の着火が不可能となる。
【0039】
充電部42は、DC/DC昇圧部41によって昇圧された直流電圧が印加されることで直流エネルギーを充電するコンデンサ421で構成されている。DC/AC変換部44は、一般的なDC/AC変換回路で構成され、コンデンサ421に充電されている直流エネルギーを交流エネルギーへ変換する。
【0040】
放電部43は、互いに直列に接続された、例えばMOSFET等のスイッチング素子431と抵抗器432とで構成されている。
【0041】
制御部8は、停止条件が成立していない間では、スイッチング素子431をOFFに制御している。この場合、コンデンサ421に充電されている直流エネルギーは、DC/AC変換部44に入力される。
【0042】
一方、制御部8は、停止条件が成立すれば、端子Aからスイッチング素子431へ制御信号を入力することで、スイッチング素子431をOFFからONへ切り替える。また、スイッチング素子431がOFFからONへ切り替えられた場合、コンデンサ421に充電されている直流エネルギーは、抵抗器432を介して放電されるので、DC/AC変換部44へ入力されなくなる。このように、制御部8は、停止条件が成立していると判断した場合、スイッチング素子431をOFFからONへ切り替え制御することで、充電部43から抵抗器432を介して直流エネルギーが放電されるようにする。
【0043】
次に、エネルギー供給部4の回路構成として
図2の構成を採用した場合についてさらに説明する。
【0044】
ここで、状況にもよるが、一般的に、60[V]以上の電圧で感電する可能性があるとされている。そこで、安全率を考慮し、充電部の充電電圧が48[V]以上であれば、感電を抑制する対策が必要となる。つまり、DC/DC昇圧部41によって昇圧された直流電圧の値が48[V]以上であれば、このような対策が必要となる。これに対して、本実施の形態1では、エネルギー供給部4に放電部43を設けることで、その対策を実現している。
【0045】
例えば、DC/DC昇圧部41によって昇圧された直流電圧が100[V]となるように設計されていれば、コンデンサ421の充電電圧も100[V]となる。
【0046】
また、放電部43の抵抗器432の抵抗値をR[Ω]、充電部42のコンデンサ421の容量値をC[F]、時定数をτ[s]としたとき、抵抗値Rおよび容量値Cが以下の式(1)を満たすように設計することが好ましい。なお、複数のコンデンサ421で充電部42を構成する場合、複数のコンデンサの合成容量値が容量値Cとなる。
τ≦60、ただし、τ=R×C ・・・(1)
【0047】
例えば、式(1)において、容量値Cが100[μF]のとき、以下の式(2)を満たすように、抵抗値Rが決定される。
R[Ω]×100×10
−6[F]≦60[s]
R≦600[kΩ] ・・・(2)
【0048】
なお、抵抗器432の抵抗値Rの決め方は、上記の手法に限らず、以下の手法で決めてもよい。ここで、コンデンサ421に充電された直流エネルギーを放電部43によって放電するのにかかる放電時間は、可能な限り、短い方が好ましい。一方、放電時間が短くなり過ぎると、スイッチング素子431および抵抗器432に過剰な電流が流れ、これらの素子が破損し、その結果、ショート、回路内火花発生、または異常過熱等を引き起こす可能性がある。したがって、スイッチング素子431および抵抗器432が破損しないように放電時間を設計することが好ましい。
【0049】
例えば、スイッチング素子431がMOSFETであり、そのMOSFETのパルス電流定格を50[A]、ドレインソース導通抵抗を100[mΩ]とする。また、コンデンサ421の充電電圧を100[V]とする。この場合、以下の式(3)を満たすように、抵抗値Rが決定される。式(3)を満たす抵抗値Rとすることで、MOSFETに流れる電流がパルス電流定格を上回らず、その結果、MOSFETの破損を防止することができる。
R[Ω]+100×10
−3[Ω]≧100[V]÷50[A]
R≧1.9[Ω] ・・・(3)
【0050】
また、抵抗値Rを1.9[Ω]とする場合、4.75[kW]の大電力が瞬間的に抵抗器432に発生する。ここで、スイッチング素子431がONとなるのは停止条件が成立している場合だけであり、スイッチング素子431が周期的にONおよびOFFを繰り返すわけではないことを考慮すると、定格電力をそれほど大きい抵抗器432を使用する必要はないと考えられる。しかしながら、スイッチング素子431がONとなれば瞬間的であっても抵抗器432に大電力が発生するので、やはり、定格電力が少なくとも0.5[W]以上の抵抗器432を使用することが好ましい。
【0051】
次に、本実施の形態1における点火装置の一連の動作について、
図3を参照しながら説明する。
図3は、本発明の実施の形態1における点火装置の一連の動作を示すフローチャートである。なお、
図3のフローチャートの処理は、例えば予め設定されたタイミングで実行される。
【0052】
ステップS101において、制御部8は、停止条件が成立しているか否かを判断する。制御部8は、停止条件が成立していると判断した場合には、ステップS102へと進み、停止条件が成立していないと判断した場合には、ステップS104へと進む。
【0053】
ステップS102において、制御部8は、点火プラグ3へのプラズマ発生エネルギーの供給を停止するように、エネルギー供給部4を制御し、ステップS103へと進む。
【0054】
ステップS103において、制御部8は、充電部42に充電されている直流エネルギーが放電部43によって放電されるように、エネルギー供給部4を制御し、一連の処理を終了する。
【0055】
ステップS104において、制御部8は、エネルギー供給部4の駆動を継続し、一連の処理を終了する。
【0056】
なお、
図3では、ステップS102が実行された後に、ステップS103が実行される場合を例示しているが、ステップS102およびステップS103が同時に実行されるようにしてもよい。また、ステップS103が実行された後に、ステップS102が実行されるようにしてもよい。さらに、点火プラグ3へのプラズマ発生エネルギーの供給が行われている際中に、制御部8によって停止条件が成立していると判断された場合には、優先的にステップS102が実行されるようにしてもよい。
【0057】
なお、エネルギー供給部4から点火プラグ3へ供給されるプラズマ発生エネルギーのみで点火プラグ3がプラズマを発生させて可燃混合気を着火させるように構成してもよい。この場合、点火コイル6および混合部7を点火装置に設ける必要はない。
【0058】
また、充電部42に充電されている直流エネルギーをDC/AC変換部44によって交流エネルギーに変換することなく、その直流エネルギーをそのままプラズマ発生エネルギーとして点火プラグ3に供給するように構成してもよい。この場合、DC/AC変換部44を点火装置に設ける必要はない。
【0059】
以上、本実施の形態1によれば、可燃混合気の着火を停止する停止条件が成立している場合、点火プラグへのプラズマ発生エネルギーの供給を停止するとともに、充電部に充電されている直流エネルギーが放電されるように構成される。これにより、内燃機関の燃焼室内の可燃混合気の着火を停止する必要がある際に起こり得る充電部に起因した不具合の発生を抑制することができる。
【0060】
また、上記の構成において、内燃機関が搭載された車両の衝突が検出された場合、可燃混合気の着火を停止する停止条件が成立しているとするように構成される。これにより、高電圧の電気エネルギーを蓄えているコンデンサといった充電部を搭載した車両が衝突事故等を引き起こした結果、充電部が破損した場合であっても、充電部に起因した不具合の発生を抑制することができる。
【課題】内燃機関の燃焼室内の可燃混合気の着火を停止する必要がある際に起こり得る充電部に起因した不具合の発生を抑制することのできる点火装置および点火制御方法を得る。
【解決手段】内燃機関(1)の燃焼室(2)内の可燃混合気の着火を停止する停止条件が成立している場合、点火プラグ(3)へのプラズマ発生エネルギーの供給を停止するとともに、充電部(42)に充電されている直流エネルギーが放電されるように構成される。