(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6038315
(24)【登録日】2016年11月11日
(45)【発行日】2016年12月7日
(54)【発明の名称】エレベータ用巻上機
(51)【国際特許分類】
H02K 5/10 20060101AFI20161128BHJP
H02K 5/20 20060101ALI20161128BHJP
H02K 9/04 20060101ALI20161128BHJP
【FI】
H02K5/10 Z
H02K5/20
H02K9/04 A
【請求項の数】9
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2015-523752(P2015-523752)
(86)(22)【出願日】2013年6月27日
(86)【国際出願番号】JP2013067667
(87)【国際公開番号】WO2014207865
(87)【国際公開日】20141231
【審査請求日】2015年6月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【弁理士】
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100122437
【弁理士】
【氏名又は名称】大宅 一宏
(74)【代理人】
【識別番号】100147566
【弁理士】
【氏名又は名称】上田 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100161171
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 潤一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100161115
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 智史
(72)【発明者】
【氏名】前田 徹
【審査官】
服部 俊樹
(56)【参考文献】
【文献】
特開2013−009461(JP,A)
【文献】
特開2013−090446(JP,A)
【文献】
国際公開第2010/029623(WO,A1)
【文献】
特開平06−105492(JP,A)
【文献】
特開平11−023020(JP,A)
【文献】
特開2011−167005(JP,A)
【文献】
特開2012−213321(JP,A)
【文献】
国際公開第2008/026263(WO,A1)
【文献】
特開2005−104620(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 5/10
H02K 5/20
H02K 9/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1及び第2の軸方向端部を有するハウジング筒状部と、前記第1の軸方向端部に設けられた壁部とを有しており、前記壁部に通気口が設けられているハウジング、
前記壁部から前記第2の軸方向端部側へ突出している軸、
前記ハウジング筒状部の内周面に対向する回転子取付部と、前記ハウジング外に配置されている駆動シーブとを有しており、前記軸を中心として回転する回転体、及び
前記ハウジング筒状部の内周面に設けられている固定子と、前記回転子取付部の外周面に設けられており、かつ前記固定子に対向している回転子とを有している巻上機モータ
を備え、
前記通気口から前記ハウジング内に取り込まれた空気が、前記固定子と前記回転子との間の隙間を通り、前記ハウジング外へ排出されるエレベータ用巻上機であって、
前記ハウジングには、前記ハウジング外へ排出された空気を、前記駆動シーブよりも前記回転子側で前記回転体の径方向外側へ導き、さらに前記ハウジング筒状部の外周面に沿って前記第1の軸方向端部側へ導くカバーが設けられているエレベータ用巻上機。
【請求項2】
前記カバーは、
前記ハウジングに対して固定されており、かつ前記ハウジング筒状部の少なくとも一部を囲繞しているカバー筒状部と、
前記回転体の前記駆動シーブと前記回転子との間の部分を囲むように前記カバー筒状部から径方向内側へ突出しており、かつ前記第2の軸方向端部の端面、前記固定子及び前記隙間に対向しているカバー対向部と
を有している請求項1記載のエレベータ用巻上機。
【請求項3】
前記ハウジング筒状部の外周面及び前記カバー筒状部の内周面の少なくともいずれか一方には、前記ハウジング筒状部と前記カバー筒状部との間の空気流路内に突出した突起部が設けられている請求項2記載のエレベータ用巻上機。
【請求項4】
前記突起部の位置における前記ハウジング筒状部と前記カバー筒状部との間の距離は、1.2mm〜12mmである請求項3記載のエレベータ用巻上機。
【請求項5】
前記ハウジング筒状部の外周面の少なくとも前記カバー筒状部に対向する部分には、前記第2の軸方向端部側へ向けて前記カバー筒状部に徐々に近付くように傾斜した傾斜面が設けられている請求項2記載のエレベータ用巻上機。
【請求項6】
前記回転体の外周面には、カバー挿入溝が設けられており、
前記カバー挿入溝には、前記カバー対向部の径方向内側の端部が挿入されている請求項2記載のエレベータ用巻上機。
【請求項7】
前記通気口から前記ハウジング内に空気を取り込む送風装置をさらに備えている請求項1記載のエレベータ用巻上機。
【請求項8】
前記送風装置は、前記通気口に設けられた冷却ファンである請求項7記載のエレベータ用巻上機。
【請求項9】
前記通気口に設けられているフィルタをさらに備えている請求項1記載のエレベータ用巻上機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ハウジング内に冷却風を通して冷却を行うエレベータ用巻上機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のエレベータ用巻上機では、回転体の回転とともに放熱フィンが回転することで冷却風が発生し、ハウジング内に取り込まれる。ハウジング内に取り込まれた冷却風は、固定子と界磁磁石との間の隙間を通り、ハウジングの開口側端部に取り付けられた中空円板状のカバーと回転体との間の隙間からハウジング外へ排出される(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2010/029623号(
図8、
図9)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような従来のエレベータ用巻上機では、冷却風の排出先に駆動シーブが配置されているため、冷却風により、駆動シーブに巻き掛けられたロープに塵埃等が付着し、不具合を招く恐れがあった。また、ロープに含浸させた油が飛散して、冷却風の排出口(カバーと回転体との間の隙間)からハウジング内に浸入し、固定子巻線に付着して絶縁劣化を招く恐れがあった。これに対して、冷却風の排出口を狭めると、冷却風の風速が小さくなり、冷却効率が低下してしまう。
【0005】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、駆動シーブに巻き掛けられた懸架体への塵埃の付着、及び固定子への油の付着を防止しつつ、ハウジング内を効率良く冷却することができるエレベータ用巻上機を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係るエレベータ用巻上機は、第1及び第2の軸方向端部を有するハウジング筒状部と、第1の軸方向端部に設けられた壁部とを有しており、壁部に通気口が設けられているハウジング、壁部から第2の軸方向端部側へ突出している軸、ハウジング筒状部の内周面に対向する回転子取付部と、ハウジング外に配置されている駆動シーブとを有しており、軸を中心として回転する回転体、及びハウジング筒状部の内周面に設けられている固定子と、回転子取付部の外周面に設けられており、かつ固定子に対向している回転子とを有している巻上機モータを備え、通気口からハウジング内に取り込まれた空気が、固定子と回転子との間の隙間を通り、ハウジング外へ排出されるものであって、ハウジングには、ハウジング外へ排出された空気を、駆動シーブよりも回転子側で回転体の径方向外側へ導き、さらにハウジング筒状部の外周面に沿って第1の軸方向端部側へ導くカバーが設けられている。
【発明の効果】
【0007】
この発明のエレベータ用巻上機は、ハウジング外へ排出された空気を、駆動シーブよりも回転子側で回転体の径方向外側へ導き、さらにハウジング筒状部の外周面に沿って第1の軸方向端部側へ導くカバーがハウジングに設けられているので、カバーと回転体との間隔を小さくしても、十分な大きさの冷却風排出口を確保することができ、駆動シーブに巻き掛けられた懸架体への塵埃の付着、及び固定子への油の付着を防止しつつ、ハウジング内を効率良く冷却することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】この発明の実施の形態1によるエレベータ装置を示す側面図である。
【
図2】
図1のエレベータ用巻上機の軸線に沿う断面図である。
【
図3】この発明の実施の形態2によるエレベータ用巻上機の軸線に沿う断面図である。
【
図4】この発明の実施の形態3によるエレベータ用巻上機の軸線に沿う断面図である。
【
図5】この発明の実施の形態4によるエレベータ用巻上機の軸線に沿う断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、この発明を実施するための形態について、図面を参照して説明する。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1によるエレベータ装置を示す側面図である。図において、昇降路1の上部には、機械室2が設けられている。機械室2内には、機械台3が設置されている。機械台3上には、エレベータ用巻上機4が支持されている。エレベータ用巻上機4は、駆動シーブ5を有している。
【0010】
機械台3には、そらせ車7が取り付けられている。駆動シーブ5及びそらせ車7には、懸架体8が巻き掛けられている。懸架体8としては、例えば、複数本のロープ又は複数本のベルトが用いられている。
【0011】
懸架体8の第1の端部には、かご9が接続されている。懸架体8の第2の端部には、釣合おもり10が接続されている。かご9及び釣合おもり10は、懸架体8により昇降路1内に吊り下げられており、エレベータ用巻上機4により昇降される。
【0012】
昇降路1内には、かご9の昇降を案内する一対のかごガイドレール11と、釣合おもり10の昇降を案内する一対の釣合おもりガイドレール12とが設置されている。
【0013】
かご9は、懸架体8が接続されたかご枠13と、かご枠13に支持されているかご室14とを有している。
【0014】
図2は
図1のエレベータ用巻上機4の要部の軸線に沿う断面図である。ハウジング21は、機械台3に対して固定されている。また、ハウジング21は、一側が開口した椀状であり、円筒状のハウジング筒状部21aと円板状の壁部21bとが一体に形成されている。
【0015】
ハウジング筒状部21aは、軸方向の一端部である第1の軸方向端部21cと、第1の軸方向端部21cとは反対側の軸方向端部である第2の軸方向端部21dとを有している。
【0016】
壁部21bは、第1の軸方向端部21c側の開口を塞ぐように第1の軸方向端部21cに設けられている。ハウジング筒状部21aは、壁部21bの外周部から一側(駆動シーブ5側)へ直角に突出している。
【0017】
壁部21bには、複数の通気口21eが設けられている。各通気口21eには、ハウジング21内に空気を取り込む送風装置としての冷却ファン22と、フィルタ23とが設けられている。
【0018】
壁部21bの中央部には、軸24が固定されている。軸24は、壁部21bから第2の軸方向端部21d側へ直角に突出している。また、軸24は、ハウジング筒状部21aの中心に水平に配置されている。さらに、軸24の壁部21bとは反対側の端部は、ハウジング21外に突出している。
【0019】
軸24には、軸受15を介して駆動シーブ5が支持されている。駆動シーブ5は、ハウジング21外に配置されている。駆動シーブ5の外周面には、懸架体8が挿入される複数の懸架体溝5aが形成されている。
【0020】
駆動シーブ5のハウジング21側には、円筒状の回転子取付部25が一体に形成されている。回転子取付部25は、ハウジング筒状部21a内に挿入されている。これにより、回転子取付部25の外周面は、ハウジング筒状部21aの内周面に対向している。また、回転子取付部25の外径は、駆動シーブ5の外径よりも大きい。
【0021】
回転体26は、駆動シーブ5と回転子取付部25とを有しており、軸24を中心として回転可能となっている。回転体26のハウジング21とは反対側には、回転体26の回転を制動するブレーキ装置(図示せず)が設けられている。
【0022】
ブレーキ装置としては、例えばディスクブレーキが用いられる。ディスクブレーキは、駆動シーブ5に対して固定されたブレーキディスクと、ブレーキディスクの制動面に接離される制動片と、制動片を制動面に押し付けるブレーキばねと、ブレーキばねに抗してブレーキシューを制動面から引き離す電磁マグネットとを有している。
【0023】
ハウジング筒状部21aの内周面には、固定子27が円環状に配置されている。回転子取付部25の外周面には、複数の界磁磁石からなる回転子28が設けられている。回転子28は、固定子27に隙間30を介して対向している。巻上機モータ(インナーロータ形モータ)29は、固定子27と回転子28とを有しており、回転体26を回転させる。
【0024】
回転子取付部25の駆動シーブ5とは反対側の端面は、間隔をおいて壁部21bに対向している。冷却ファン22により通気口21eから取り込まれた空気は、冷却風として、回転子取付部25の端面と壁部21bとの間を通り、さらに隙間30を通り、ハウジング21外へ排出される。
【0025】
ハウジング21には、板状材料からなるカバー31が固定されている。カバー31は、ハウジング21外へ排出された空気を、駆動シーブ5よりも回転子28側で回転体26の径方向外側へ導き、さらにハウジング筒状部21aの外周面に沿って第1の軸方向端部21c側へ導く。
【0026】
また、カバー31は、円筒状のカバー筒状部31aと、中空円板状のカバー対向部31bとを有している。
【0027】
カバー筒状部31aは、複数の連結部材(図示せず)を介してハウジング筒状部21aに連結され固定されている。また、カバー筒状部31aは、ハウジング筒状部21aの少なくとも一部を囲繞している。この例では、カバー筒状部31aは、ハウジング筒状部21aの第2の軸方向端部21dから軸方向中間部までを囲繞している。
【0028】
カバー対向部31bは、回転体26の駆動シーブ5と回転子28との間の部分を囲むように、カバー筒状部31aの駆動シーブ5側の端部から径方向内側へ直角に突出している。また、カバー対向部31bは、第2の軸方向端部21dの端面、固定子27及び隙間30に対向している。カバー対向部31bの中央には、回転体26を通す孔31cが設けられている。
【0029】
カバー筒状部31aは、カバー対向部31bの外周部からハウジング21側へ直角に突出している。
【0030】
ハウジング21外へ排出された空気は、カバー対向部31bに当たり、回転体26の径方向外側へ導かれる。そして、カバー対向部31bにより導かれた空気は、カバー筒状部31aの内周面に当たり、ハウジング筒状部21aの外周面及びカバー筒状部31aの内周面に沿って第1の軸方向端部21c側へ導かれる。
【0031】
このようなエレベータ用巻上機4では、カバー31により、ハウジング21外へ排出された空気が、駆動シーブ5よりも回転子28側で回転体26の径方向外側へ導かれ、さらにハウジング筒状部21aの外周面に沿って第1の軸方向端部21c側へ導かれるので、カバー31と回転体26との間隔を回転体26の回転の妨げとならない最小限にしても、十分な大きさの冷却風排出口を確保することができ、ハウジング21内を効率良く冷却することができる。
【0032】
また、カバー31と回転体26との間隔を小さくすることにより、駆動シーブ5には冷却風が殆ど当たらず、駆動シーブ5に巻き掛けられた懸架体8に塵埃が付着するのを防止することができる。また、懸架体8に含浸された油が飛散して固定子27に付着するのを防止することができ、固定子巻線の絶縁劣化を防止することができる。
【0033】
なお、カバー31を周方向に複数に分割してもよく、これによりハウジング21への取付を容易にすることができる。
【0034】
実施の形態2.
次に、
図3はこの発明の実施の形態2によるエレベータ用巻上機4の軸線に沿う断面図である。実施の形態2では、ハウジング筒状部21aの外周面のカバー筒状部31aに対向する部分に、周方向に連続した土手状の突起部21fが設けられている。突起部21fは、ハウジング筒状部21aとカバー筒状部31aとの間の空気流路内に突出している。突起部21fの位置におけるハウジング筒状部21aとカバー筒状部31aとの間の距離(突起部21fとカバー筒状部31aの内周面との間の距離)は、1.2mm〜12mmに設定されている。他の構成及び作用は、実施の形態1と同様である。
【0035】
このようなエレベータ用巻上機4では、ハウジング筒状部21aに突起部21fを設けたので、ハウジング筒状部21aとカバー筒状部31aとの間の空気流路からハウジング21内に塵埃が入るのを防ぐことができ、塵埃の付着による固定子巻線の絶縁劣化をより確実に防止することができる。
【0036】
また、突起部21fとカバー筒状部31aの内周面との間の距離を1.2mm以上とすることにより、十分な空気流路を確保することができる。さらに、突起部21fとカバー筒状部31aの内周面との間の距離を12mm以下とすることにより、カバー31内に指等が入るのを防止し、保護等級を満足することができる。
【0037】
なお、実施の形態2ではハウジング筒状部21aの外周面に突起部21fを設けたが、カバー筒状部31aの内周面に突起部を設けてもよい。この場合も、突起部の位置におけるハウジング筒状部21aとカバー筒状部31aとの間の距離は、1.2mm〜12mmとするのが好ましい。
また、周方向の位置によって、ハウジング筒状部21aの外周面に突起部を設けたり、カバー筒状部31aの内周面に突起部を設けたりしてもよい。
【0038】
実施の形態3.
次に、
図4はこの発明の実施の形態2によるエレベータ用巻上機4の軸線に沿う断面図である。実施の形態3では、ハウジング筒状部21aの外周面が、第1の軸方向端部21cから第2の軸方向端部21d側へ向けてカバー筒状部31aに徐々に近付くようにテーパ状に傾斜した傾斜面21gとなっている。これにより、ハウジング筒状部21aの外径は、第1の軸方向端部21cから第2の軸方向端部21dへ向けて徐々に大きくなっている。他の構成及び作用は、実施の形態1と同様である。
【0039】
このような構成によっても、ハウジング筒状部21aとカバー筒状部31aとの間の空気流路を塵埃が逆流してハウジング21内に入るのを防ぐことができ、塵埃の付着による固定子巻線の絶縁劣化を防止することができる。
【0040】
また、ハウジング筒状部21aとカバー筒状部31aとの間の距離を、最も狭い位置で1.2mm〜12mmとすることにより、十分な空気流路を確保しつつ、保護等級を満足することができる。
【0041】
なお、実施の形態3では、ハウジング筒状部21aの外周面の全体を傾斜面21gとしたが、外周面の一部(少なくともカバー筒状部31aに対向する部分)に傾斜面21gを設けてもよい。
【0042】
実施の形態4.
次に、
図5はこの発明の実施の形態4によるエレベータ用巻上機4の軸線に沿う断面図である。実施の形態4では、回転体26の外周面に、カバー挿入溝26aが設けられている。カバー挿入溝26aには、カバー対向部31bの径方向内側の端部が挿入されている。カバー31は、周方向に複数に分割されており、分割されたカバー31をハウジング21に取り付ける際に、カバー対向部31bの端部がカバー挿入溝26aに挿入される。他の構成及び作用は、実施の形態2と同様である。
【0043】
このような構成によれば、駆動シーブ5に当たる冷却風をさらに低減することができ、駆動シーブ5に巻き掛けられた懸架体8に塵埃が付着するのをより確実に防止することができる。また、懸架体8に含浸された油が飛散して固定子27に付着するのをより確実に防止することができる。
【0044】
なお、実施の形態1又は3のエレベータ用巻上機4に実施の形態3のカバー挿入溝26aを設け、そのカバー挿入溝26aにカバー対向部31bの径方向内側の端部を挿入してもよい。
また、カバー挿入溝は、駆動シーブ5と回転子取付部25との間の軸線に直交する面に形成してもよい。
さらに、この発明は、ブレーキ装置が回転子取付部25の内側に配置されているタイプのエレベータ用巻上機にも適用できる。
さらにまた、この発明は、軸24が回転体26とともに回転するタイプのエレベータ用巻上機にも適用できる。
また、エレベータ装置全体の機器のレイアウト及びローピング方式等は、
図1の例に限定されるものではない。
さらに、この発明は、例えば機械室レスエレベータ、ダブルデッキエレベータ、又はワンシャフトマルチカー方式のエレベータなど、種々のタイプのエレベータ装置の巻上機に適用できる。