【実施例】
【0057】
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明は本実施例に限定されるものではない。なお、実施例中における部や百分率は断りのない限り、すべて質量によるものである。
【0058】
<延伸PET繊維1>
ポリエチレンテレフタレートからなる、繊維径7μm、繊維長3mmの延伸ポリエステル繊維を延伸PET繊維1とした。
【0059】
<延伸PET繊維2>
ポリエチレンテレフタレートからなる、繊維径13μm、繊維長5mmの延伸ポリエステル繊維を延伸PET繊維2とした。
【0060】
<延伸PET繊維3>
ポリエチレンテレフタレートからなる、繊維径18μm、繊維長10mmの延伸ポリエステル繊維を延伸PET繊維3とした。
【0061】
<延伸PET繊維4>
ポリエチレンテレフタレートからなる、繊維径25μm、繊維長10mmの延伸ポリエステル繊維を延伸PET繊維4とした。
【0062】
<延伸PET繊維5>
ポリエチレンテレフタレートからなる、繊維径30μm、繊維長10mmの延伸ポリエステル繊維を延伸PET繊維5とした。
【0063】
<未延伸PET繊維1>
ポリエチレンテレフタレートとイソフタル酸からなる、繊維径11μm、繊維長5mmの未延伸ポリエステル繊維(融点:230℃)を未延伸PET繊維1とした。
【0064】
<未延伸PET繊維2>
ポリエチレンテレフタレートからなる、繊維径11μm、繊維長5mmの未延伸ポリエステル繊維(融点:260℃)を未延伸PET繊維2とした。
【0065】
<芯鞘PET繊維1>
芯部がポリエチレンテレフタレート(融点:260℃)、鞘部がポリエチレンテレフタレートとイソフタル酸からなる非晶性の共重合ポリエステル(ガラス転移点:72℃)であり、繊維径15μm、繊維長5mm、芯部/鞘部の体積比が50/50の芯鞘型ポリエステル複合繊維を、芯鞘PET繊維1とした。
【0066】
<芯鞘PET繊維2>
芯部がポリエチレンテレフタレート、鞘部がポリエチレンテレフタレートと1,4−ブタンジオールとε−カプロラクトンからなる結晶性の共重合ポリエステル(ガラス転移点:45℃、融点:175℃)であり、繊維径15μm、繊維長5mm、芯部/鞘部の体積比が50/50の芯鞘型ポリエステル複合繊維を、芯鞘PET繊維2とした。
【0067】
<芯鞘PET繊維3>
芯部がポリエチレンテレフタレート、鞘部がポリエチレンテレフタレートと1,4−ブタンジオールからなる結晶性の共重合ポリエステル(ガラス転移点:86℃、融点:232℃)であり、繊維径15μm、繊維長5mm、芯部/鞘部の体積比が50/50の芯鞘型ポリエステル複合繊維を、芯鞘PET繊維3とした。
【0068】
<芯鞘PET繊維4>
芯部がポリエチレンテレフタレート、鞘部がポリエチレンテレフタレートと1,4−ブタンジオールとε−カプロラクトンからなる結晶性の共重合ポリエステル(ガラス転移点:32℃、融点:154℃)であり、繊維径15μm、繊維長5mm、芯部/鞘部の体積比が50/50の芯鞘型ポリエステル複合繊維を、芯鞘PET繊維4とした。
【0069】
実施例1
、3、5〜14、16、
参考例2、4、15、比較例1〜5の膜分離活性汚泥処理用半透膜用支持体を、以下の条件で製造した。
【0070】
(原紙の製造)
2m
3の分散タンクに水を投入後、表1に示す原料配合比率(%)で配合し、分散濃度0.2質量%で5分間分散して、円網抄紙機で湿紙を形成し、その後、表面温度130℃のヤンキードライヤーにて熱圧乾燥し、表1に示す坪量を目標にして、幅1000mmの湿式不織布(原紙1〜20)を得た。
【0071】
【表1】
【0072】
(熱カレンダー処理)
得られた原紙に対して、金属ロール−弾性ロールのカレンダーユニットにて、表2に記載する条件で熱カレンダー処理を行い、実施例1
、3、5〜14、16
、参考例2、4、15及び比較例1〜5の膜分離活性汚泥処理用半透膜用支持体を得た。なお、1回目の処理で金属ロールに当たった面が、2回目の処理で弾性ロールに当たるように処理し、1回目の処理で金属ロールに当たった面を塗布面とし、2回目の処理で金属ロールに当たった面を非塗布面とした。
【0073】
【表2】
【0074】
実施例
、参考例及び比較例で得られた膜分離活性汚泥処理用半透膜用支持体に対して、以下の測定及び評価を行い、結果を表3及び4に示した。
【0075】
(膜分離活性汚泥処理用半透膜用支持体のガラス転移点)
前記の方法で半透膜用支持体のガラス転移点を測定した。
【0076】
金属ロール温度が芯鞘型ポリエステル複合繊維の融点に対して+50℃を超えている条件で熱カレンダー処理した
参考例2の半透膜用支持体、芯鞘型ポリエステル複合繊維の含有量が20質量%未満である
参考例4及び15の半透膜用支持体、芯鞘型ポリエステル複合繊維を含有しない比較例1及び2の半透膜用支持体においては、ガラス転移点が求められなかった。
【0077】
(坪量)
JIS P8124に準拠して、坪量を測定した。
【0078】
(膜分離活性汚泥処理用半透膜用支持体の厚みと密度)
半透膜用支持体の厚みは、JIS P8118に準拠して測定した。
【0079】
(半透膜用支持体とフレーム材との接着強度)
幅30mm、長さ50mmに切り揃えた各半透膜用支持体を、同じサイズのABS樹脂板上に置き、超音波式接着機(SENZHEN KEIJIGSTAR TECHNOLOGY LTD社製、製品名:MSK−800)のヘッド(品番:N1、4mm×4mm)を半透膜用支持体に当て、出力50%、元空気圧0.15MPa、接着時間1.0秒で、ABS樹脂板と半透膜用支持体の非塗布面とを、超音波融着点において
図1のように接着させた。さらに、
図1の点線で示した折り返し部分で半透膜用支持体を折り返し、
図2に示したように、半透膜用支持体とABS樹脂板を卓上型材料試験機(装置名:STA−1150、株式会社オリエンテック製)のチャックに、チャック間隔15mmで固定し、100mm/minの一定速度で、半透膜用支持体とABS樹脂板が剥離するまで、上チャックを引き上げて行った時の最大荷重を測定した。この最大荷重によって、「半透膜用支持体とフレーム材との接着強度」を評価した。
【0080】
(半透膜用支持体の塗布面と非塗布面との接着強度)
幅30mm、長さ50mmに切り揃えた2枚の半透膜用支持体を準備し、1枚の半透膜用支持体の先端部10mmと、もう1枚の半透膜用支持体の末端部10mmとを、一方の半透膜用支持体の塗布面と、他方の半透膜用支持体の非塗布面とが接するように重ね合わせ、超音波式接着機(SENZHEN KEIJIGSTAR TECHNOLOGY LTD社製、製品名:MSK−800、ヘッド品番:N1(4mm×4mm))を用いて、出力5%、元空気圧0.1MPa、接着時間1.0秒で、2枚の半透膜用支持体の塗布面と非塗布面とを、超音波融着点において
図3のように接着させた。さらに、
図4に示したように、2枚の半透膜用支持体を卓上型材料試験機(装置名:STA−1150、株式会社オリエンテック製)のチャックに、チャック間隔15mmで固定し、100mm/minの一定速度で、2枚の半透膜用支持体が剥離するまで、上チャックを引き上げて行った時の最大荷重を測定した。この最大荷重によって、「半透膜用支持体の塗布面と非塗布面の接着強度」を評価した。
【0081】
(半透膜用支持体の半透膜接着性評価)
一定のクリアランスを有する定速塗工装置(商品名:TQC全自動フィルムアプリケーター、コーテック社)を用いて、半透膜用支持体の塗布面にマジックインキ(登録商標)で着色したポリフッ化ビニリデン(PVDF)のN−メチルピロリドン溶液(濃度:12%)を塗布し、水洗、乾燥を行い、半透膜用支持体の塗布面上にPVDF膜を形成させ、半透膜を作製した。
【0082】
半透膜作製1日後、幅24mm(塗布方向に対してクロス方向)×長さ50mm(塗布方向)に断裁して試料とする。断裁した半透膜用支持体の非塗布面に幅24mm、長さ30mmに切ったセロハン粘着テープ(ニチバン社製、商品名:エルパック(登録商標)LP24)を長さ10mm部分のみ貼り付け、残りの幅24mm、長さ20mm部分は粘着部分として残す。次に、半透膜面の幅24mm×長さ10mm部分に、粘着メモ(ライオン事務器社製、商品名:スティックオンノートSN−23)の粘着部分を貼り付ける。セロハン粘着テープの粘着部分(24mm×20mm)と粘着メモの非粘着部分を持ち、半透膜と半透膜用支持体とが剥離する方向に手で引っ張って、力をかけた時の状態によって、半透膜接着性を判断した。試料を5枚準備して、5回のテストを行った。
【0083】
セロハン粘着テープを半透膜面及び非塗布面に貼って、両方のセロハン粘着テープを引っ張った場合、ほとんどの場合において、半透膜と半透膜用支持体との間で剥離が起こり、半透膜接着性を評価することが困難であった。セロハン粘着テープと比較して粘着性が低い粘着メモを使用して、どこが剥離したかを確認することによって、半透膜と半透膜用支持体の接着性を判断できる。以下の判断基準にて「半透膜用支持体と半透膜との接着性」を評価した。
【0084】
判断基準
A:5回全てのテストで、半透膜と粘着メモ間で剥離が起こった。非常に良好なレベル。
B:3〜4回のテストで、半透膜と粘着メモ間で剥離が起こった。良好なレベル。
C:1〜2回のテストで、半透膜と粘着メモ間で剥離が起こった。実用上、下限レベル。
D:5回全てのテストで、半透膜と半透膜用支持体間で剥離が起こった。使用不可レベル。
【0085】
(融着部分と半透膜との接着性評価)
幅130mm、長さ180mmに切り揃えた2枚の半透膜用支持体を、塗布面と非塗布面とが接するように重ね合わせ、超音波式接着機(SENZHEN KEIJIGSTAR TECHNOLOGY LTD社製、製品名:MSK−800、ヘッド品番:N1(4mm×4mm))を用いて、出力5%、元空気圧0.1MPa、接着時間1.0秒で、2枚の半透膜用支持体の塗布面と非塗布面とを、超音波融着点において
図5のように接着させた。なお、超音波融着点の幅は12mm、長さは50mmとした。
【0086】
次いで、一定のクリアランスを有する定速塗工装置(商品名:TQC全自動フィルムアプリケーター、コーテック社)を用いて、マジックインキ(登録商標)で着色したPVDFのN−メチルピロリドン溶液(濃度:12%)を塗布し、水洗、乾燥を行い、超音波融着点を含む半透膜用支持体の塗布面上にPVDF膜を形成させ、半透膜を作製した。
【0087】
作製1日後、超音波融着点(融着部分、幅12mm、長さ50mm)を切り出して試料とする。試料の非塗布面に幅12mm、長さ30mmに切ったセロハン粘着テープ(ニチバン社製、商品名:エルパック(登録商標)LP12)を長さ10mm部分のみ貼り付け、残りの幅12mm、長さ20mm部分は粘着部分として残す。次に、半透膜面の幅12mm×長さ10mm部分に、粘着メモ(ライオン事務器社製、商品名:スティックオンノートSN−23)の粘着部分を貼り付ける。セロハン粘着テープの粘着部分(12mm×20mm)と粘着メモの非粘着部分を持ち、半透膜と半透膜用支持体とが剥離する方向に手で引っ張って、力をかけた時の状態によって、半透膜接着性を判断した。試料を5枚準備して、5回のテストを行った。以下の判断基準にて「融着部分と半透膜との接着性」を評価した。
【0088】
判断基準
A:5回全てのテストで、半透膜と粘着メモ間で剥離が起こった。非常に良好なレベル。
B:3〜4回のテストで、半透膜と粘着メモ間で剥離が起こった。良好なレベル。
C:1〜2回のテストで、半透膜と粘着メモ間で剥離が起こった。実用上、下限レベル。
D:5回全てのテストで、半透膜と半透膜用支持体間で剥離が起こった。使用不可レベル。
【0089】
【表3】
【0090】
【表4】
【0091】
表4に示すとおり、実施例1
、3、5〜14、16
、参考例2、4、15の膜分離活性汚泥処理用半透膜用支持体は、延伸ポリエステル繊維と、バインダー繊維として未延伸ポリエステル繊維とガラス転移点が40〜80℃の共重合ポリエステルを鞘部とする芯鞘型ポリエステル複合繊維を含有してなる不織布であることから、半透膜用支持体とフレーム材との接着強度及び半透膜用支持体の塗布面と非塗布面との接着強度に優れ、半透膜用支持体と半透膜との接着性及び融着部分と半透膜との接着性が良好であった。
【0092】
実施例3及び14と
参考例4及び15との比較から、芯鞘型ポリエステル複合繊維の含有量が20質量%以上である実施例3及び14の半透膜用支持体は、芯鞘型ポリエステル複合繊維の含有量が20質量%未満である
参考例4及び15の半透膜用支持体よりも、半透膜用支持体とフレーム材との接着強度に優れ、半透膜用支持体の塗布面と非塗布面との接着強度に優れ、半透膜用支持体と半透膜との接着性及び融着部分と半透膜との接着性も良好であった。
【0093】
また、実施例6と8との比較から、芯鞘型ポリエステル複合繊維の含有量が40質量%以下である実施例6の半透膜用支持体は、芯鞘型ポリエステル複合繊維の含有量が40質量%を超える実施例8の半透膜用支持体よりも、半透膜用支持体とフレーム材との接着強度が良好であった。
【0094】
実施例3及び10と実施例5及び11との比較から、バインダー繊維の含有量が30質量%以上である実施例3及び10の半透膜用支持体は、バインダー繊維の含有量が30質量%未満である実施例5及び11の半透膜用支持体よりも、半透膜用支持体とフレーム材との接着強度に優れ、半透膜用支持体の塗布面と非塗布面との接着強度も良好であった。
【0095】
また、実施例6と7との比較から、バインダー繊維の含有量が60質量%以下である実施例6の半透膜用支持体は、バインダー繊維の含有量が60質量%を超える実施例7の半透膜用支持体よりも、半透膜用支持体とフレーム材との接着強度に優れ、半透膜用支持体と半透膜との接着性及び融着部分と半透膜との接着性も良好であった。
【0096】
実施例1と
参考例2との比較から、示差走査熱分析によって芯鞘型ポリエステル複合繊維由来のガラス転移点が求められた実施例1の半透膜用支持体は、ガラス転移点が求められなかった
参考例2の半透膜用支持体よりも、半透膜用支持体とフレーム材との接着強度に優れ、半透膜用支持体の塗布面と非塗布面との接着強度も良好であった。
【0097】
バインダー繊維として、芯鞘型ポリエステル複合繊維を含有せず、未延伸ポリエステル繊維のみを含有する比較例1及び2の半透膜用支持体は、実施例
及び参考例の半透膜用支持体と比較して、フレーム材との接着強度及び半透膜用支持体の塗布面と非塗布面との接着強度が非常に劣る結果となった。
【0098】
バインダー繊維として、未延伸ポリエステル繊維を含有せず、芯鞘型ポリエステル複合繊維のみを含有する比較例3の半透膜用支持体は、熱カレンダー処理時に加熱した金属ロールに半透膜用支持体が貼り付き、シートが切れるトラブルが発生した。また、半透膜用支持体の収縮が大きく、皺が多く発生し、フィルム状であったため、半透膜塗布時に塗布液が半透膜用支持体に入り込み難くなり、半透膜用支持体と半透膜との接着性及び融着部分と半透膜との接着性が非常に悪く、使用不可レベルであった。
【0099】
ガラス転移点が80℃を超える共重合ポリエステルを鞘部とする芯鞘型ポリエステル複合繊維を含有した比較例4の半透膜用支持体と、ガラス転移点が40℃未満の共重合ポリエステルを鞘部とする芯鞘型ポリエステル複合繊維を含有した比較例5の半透膜用支持体は、半透膜用支持体とフレーム材との接着強度が非常に劣る結果となった。
【0100】
実施例17
、19、21〜23、
参考例18、20、比較例6〜10の膜分離活性汚泥処理用半透膜用支持体を、以下の条件で製造した。
【0101】
(原紙の製造)
2m
3の分散タンクに水を投入後、表5に示す原料配合比率(%)で配合し、分散濃度0.2質量%で5分間分散して、傾斜/円網複合式抄紙機を用い、傾斜ワイヤー上及び円網ワイヤー上で形成した両湿紙を乾燥させる前に積層させた後に、表面温度130℃のヤンキードライヤーにて熱圧乾燥し、表5に示す坪量を目標にして、幅1000mmの湿式不織布(原紙21〜32)を得た。
【0102】
【表5】
【0103】
(熱カレンダー処理)
得られた原紙21〜32に対して、金属ロール−弾性ロールのカレンダーユニットにて、表6に記載する条件で熱カレンダー処理を行い、実施例17
、19、21〜23
、参考例18、20及び比較例6〜10の膜分離活性汚泥処理用半透膜用支持体を得た。なお、1回目の処理で傾斜層表面が金属ロールに当たり、2回目の処理で円網層表面が金属ロールに当たるように処理し、傾斜層表面を塗布面、円網層表面を非塗布面とした。
【0104】
【表6】
【0105】
実施例17
、19、21〜23
、参考例18、20及び比較例6〜10で得られた膜分離活性汚泥処理用半透膜用支持体に対して、以下の測定及び評価を行い、結果を表7及び8に示した。
【0106】
(膜分離活性汚泥処理用半透膜用支持体のガラス転移点)
実施例1
、3、5〜14、16
、参考例2、4、15及び比較例1〜5と同様の方法にて、半透膜用支持体のガラス転移点を測定した。
【0107】
芯鞘型ポリエステル複合繊維の含有量が20質量%未満である
参考例18及び20の半透膜用支持体、芯鞘型ポリエステル複合繊維を含有しない比較例6及び7の半透膜用支持体においては、ガラス転移点が求められなかった。
【0108】
(膜分離活性汚泥処理用半透膜用支持体の坪量)
実施例1
、3、5〜14、16
、参考例2、4、15及び比較例1〜5と同様の方法にて、坪量を測定した。
【0109】
(膜分離活性汚泥処理用半透膜用支持体の厚みと密度)
実施例1
、3、5〜14、16
、参考例2、4、15及び比較例1〜5と同様の方法にて、厚みを測定した。
【0110】
(半透膜用支持体とフレーム材との接着強度)
実施例1
、3、5〜14、16
、参考例2、4、15及び比較例1〜5と同様の方法にて、「半透膜用支持体とフレーム材との接着強度」を評価した。
【0111】
(半透膜用支持体の塗布面と非塗布面との接着強度)
実施例1
、3、5〜14、16
、参考例2、4、15及び比較例1〜5と同様の方法にて、「半透膜用支持体の塗布面と非塗布面との接着強度」を評価した。
【0112】
(半透膜用支持体の半透膜接着性評価)
実施例1
、3、5〜14、16
、参考例2、4、15及び比較例1〜5と同様の方法でテスト行い、同様の判断基準にて「半透膜用支持体と半透膜との接着性」を評価した。
【0113】
(融着部分と半透膜との接着性評価)
実施例1
、3、5〜14、16
、参考例2、4、15及び比較例1〜5と同様の方法でテストを行い、同様の判断基準にて「融着部分と半透膜との接着性」を評価した。
【0114】
【表7】
【0115】
【表8】
【0116】
表8に示すとおり、実施例17
、19、21〜23
、参考例18、20の膜分離活性汚泥処理用半透膜用支持体は、延伸ポリエステル繊維と、バインダー繊維として未延伸ポリエステル繊維とガラス転移点が40〜80℃の共重合ポリエステルを鞘部とする芯鞘型ポリエステル複合繊維を含有してなる不織布であることから、半透膜用支持体とフレーム材との接着強度及び半透膜用支持体の塗布面と非塗布面との接着強度に優れ、半透膜用支持体と半透膜との接着性及び融着部分と半透膜との接着性が良好であった。
【0117】
実施例17及び19と
参考例18及び20との比較から、芯鞘型ポリエステル複合繊維の含有量が20質量%以上である実施例17及び19の半透膜用支持体は、芯鞘型ポリエステル複合繊維の含有量が20質量%未満である
参考例18及び20の半透膜用支持体よりも、半透膜用支持体とフレーム材との接着強度に優れ、半透膜用支持体の塗布面と非塗布面との接着強度に優れ、半透膜用支持体と半透膜との接着性及び融着部分と半透膜との接着性も良好であった。
【0118】
実施例21と実施例22との比較から、バインダー繊維の含有量が30質量%以上である実施例21の半透膜用支持体は、バインダー繊維の含有量が30質量%未満である実施例22の半透膜用支持体よりも、半透膜用支持体とフレーム材との接着強度に優れ、半透膜用支持体の塗布面と非塗布面との接着強度も良好であった。
【0119】
バインダー繊維として、芯鞘型ポリエステル複合繊維を含有せず、未延伸ポリエステル繊維のみを含有する比較例6及び7の半透膜用支持体は、実施例
及び参考例の半透膜用支持体と比較して、フレーム材との接着強度及び半透膜用支持体の塗布面と非塗布面との接着強度が非常に劣る結果となった。
【0120】
バインダー繊維として、未延伸ポリエステル繊維を含有せず、芯鞘型ポリエステル複合繊維のみを含有する比較例8の半透膜用支持体は、熱カレンダー処理時に加熱した金属ロールに半透膜用支持体が貼り付き、シートが切れるトラブルが発生した。また、半透膜用支持体の収縮が大きく、皺が多く発生し、フィルム状であったため、半透膜塗布時に塗布液が半透膜用支持体に入り込み難くなり、半透膜用支持体と半透膜との接着性及び融着部分と半透膜との接着性が非常に悪く、使用不可レベルであった。
【0121】
ガラス転移点が80℃を超える共重合ポリエステルを鞘部とする芯鞘型ポリエステル複合繊維を含有した比較例9の半透膜用支持体と、ガラス転移点が40℃未満の共重合ポリエステルを鞘部とする芯鞘型ポリエステル複合繊維を含有した比較例10の半透膜用支持体は、半透膜用支持体とフレーム材との接着強度が非常に劣る結果となった。