(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記セル領域は、前記保護コンタクト領域を中心とし、前記セル領域の幅の1倍以上3倍以下の半径を有する円より外側に、前記円内のチャネル抵抗に比べてチャネル抵抗が大きい不活性化チャネルを備えること
を特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の半導体装置。
【発明を実施するための形態】
【0012】
実施の形態1.
まず、この発明の実施の形態1に係る半導体装置について説明する。
図1は、この発明の実施の形態1に係る半導体装置を説明するための平面図である。ここでは半導体装置の一例として、SiC(Silicon Carbide)を用いた炭化珪素半導体装置であるトレンチゲート型MOSFETを示す。
【0013】
なお、本実施の形態は以下の記述に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。また、以下に示す図面においては、理解の容易のため、各部材の縮尺が実際とは異なる場合がある。各図面間においても同様である。
【0014】
図1では、トレンチゲート型MOSFETの活性領域の一部であるMOSFET領域を示す。MOSFET領域は、点線で囲まれるセル領域14と一点鎖線で囲まれる保護コンタクト領域15とからなる。セル領域14は単一のMOSFETセルである。MOSFET領域は、層間絶縁膜9とソース電極10とで覆われており、セル領域14ではソース領域4が、層間絶縁膜9に空けられたコンタクトホール14aを介してソース電極10に接続されているが、
図1では層間絶縁膜9とソース電極10は省略している。
【0015】
図1では、第1導電型のソース領域4を四角形に形成し、その周囲を、ゲート電極8が埋め込まれるトレンチ5で取り囲んだセル型のセル領域14が格子状に配置されている。すなわち、トレンチ5は、平面視においてMOSFET領域を複数のセル領域14に区分けしている。ソース領域4の内部の四角形は第2導電型のベース領域3である。尚、トレンチ5の底部には、トレンチ5に沿って第2導電型の保護拡散層7が形成される(
図2で示す)。
【0016】
図1で示すように、本実施の形態では、9個分のセル領域14である区画31の中心を保護コンタクト領域15で置き換えている。つまり、保護コンタクト領域15は、トレンチ5によって区分けされた複数のセル領域14のうち、いくつかのセル領域14の位置に配置される。
図1において、区画31の例を2点鎖線で取り囲む。すなわち、本実施の形態においては、区画31は8個のセル領域14と1個の保護コンタクト領域15からなる。この区画31を順に並べることによってMOSFET領域、すなわち活性領域が形成される。
【0017】
本実施の形態では、
図1の紙面上、上下方向に隣接する区画31内の保護コンタクト領域15が左右方向にずらされて配置されている。
図1では、上下方向に隣り合う区画31の保護コンタクト領域15は、保護コンタクト領域15が格子状となる配置から、1個のセル領域14分を左右方向にずらして配置されている。尚、保護コンタクト領域15には溝部30が形成され、溝部30の底部にも保護拡散層7が形成される(
図2で示す)。
【0018】
図2は、本実施の形態に係る半導体装置を説明するための断面図である。
図2は、
図1のAA断面図に相当し、MOSFET領域内のセル領域14及び保護コンタクト領域15からなる。
【0019】
図2に示されるように、本実施の形態のMOSFETは、第1導電型であるn型のSiC基板1と、その上に成長させたn型SiCのエピタキシャル層2(半導体層)と、からなるエピタキシャル基板を用いて形成されている。エピタキシャル層2の表層部には第2導電型であるp型のベース領域3が形成され、ベース領域3が形成されていないエピタキシャル層2内のn型の領域がドリフト層2aとなる。ベース領域3はエピタキシャル層2とは逆の伝導型を有し、ドリフト層2aの表面上に形成されており、また、エピタキシャル層2の表層部に形成されている。
【0020】
本実施の形態では第1導電型をn型、第2導電型をp型としたが、逆にしても良いことは言うまでもない。
【0021】
エピタキシャル層2には、ベース領域3を貫通するように、ゲート電極8が埋め込まれるトレンチ5が形成される。つまり、トレンチ5の底部は、ベース領域3より下部のドリフト層2aに達している。ゲート電極8の底面および側面(トレンチ5の内壁面)には、ゲート絶縁膜6が設けられている。ベース領域3の内部には、ゲート絶縁膜6を介してゲート電極8に隣接するように、n型のソース領域4が配設される。
【0022】
また、ドリフト層2a内で、かつゲート電極8(トレンチ5)の下部には、MOSFETのオフ時にドリフト層2aの空乏化を促進すると共に、トレンチ5の底部への電界集中を緩和してゲート絶縁膜6の破壊を防止するための、p型の保護拡散層7が形成される。この保護拡散層7は、MOSFET領域の全領域にわたって、トレンチ5底部に設けられていることが望ましいが、設けられていなくても良い。
【0023】
保護コンタクト領域15には、トレンチ5と同じ深さの溝部30が形成され、当該溝部30の底部にも保護拡散層7が形成されている。すなわち、溝部30の底部の保護拡散層7とトレンチ5の底部の保護拡散層7とは電気的に接続されている。
【0024】
エピタキシャル層2の表面上と、溝部30の内部には層間絶縁膜9が形成される。層間絶縁膜9には、層間絶縁膜9を貫通するコンタクトホールが形成される。エピタキシャル層2の表面上と、溝部30の底面上において、コンタクトホールが設けられた領域に低抵抗なオーミック電極11が形成される。さらに、オーミック電極11はコンタクトホールを介してソース電極10へ接続される。つまり、層間絶縁膜9上に配設されたソース電極10は、当該オーミック電極11によってソース領域4およびベース領域3に電気的に接続される。
【0025】
さらに、ソース電極10は、溝部30の底面に形成されたオーミック電極11を介して、溝部30の底部の保護拡散層7に電気的に接続される。従って、溝部30の底部の保護拡散層7とトレンチ5の底部の保護拡散層7とはソース電極10に電気的に接続される。すなわち、保護コンタクト領域15は、ソース電極10と保護拡散層7とを接続するために設けられた領域である。つまり、トレンチ5の底部の保護拡散層7をソース電極10に電気的に接続するために、保護コンタクト領域15内において、ソース電極10と保護拡散層7とが接続される。
図2においては、保護コンタクト領域15においてソース電極10と保護拡散層7とは、オーミック電極11を介して接続されているが、直接接続されていても良い。
【0026】
尚、SiC基板1の裏面には、ドレイン電極12が形成されている。
【0027】
次に、
図1及び
図2に示した本実施の形態に係るMOSFETの製造方法を説明する。
図3〜
図8は、その工程図である。
【0028】
図3は、本実施の形態に係るMOSFETの製造方法において、ソース領域4形成までを説明するための断面図である。まず、SiC基板1上にエピタキシャル層2(半導体層)を形成する。ここでは、4Hのポリタイプを有する、n型で低抵抗のSiC基板1を用意し、その上に化学気相堆積(CVD:Chemical Vapor Deposition)法によりn型のエピタキシャル層2をエピタキシャル成長させてエピタキシャル基板を形成した。エピタキシャル層2は、例えば、1×10
14cm
−3〜1×10
17cm
−3の不純物濃度、5〜200μmの厚さであれば良い。
【0029】
次に、エピタキシャル層2の表層部に所定のドーパントをイオン注入することにより、ベース領域3、及び、ソース領域4を形成する。ベース領域3は、p型不純物であるアルミニウム(Al)のイオン注入により形成する。Alのイオン注入の深さは、エピタキシャル層2の厚さを超えない範囲で、0.5〜3μm程度とする。注入するAlの不純物濃度は、エピタキシャル層2のn型不純物濃度より高くする。このとき、Alの注入深さよりも深いエピタキシャル層2の領域がn型のドリフト層2aとして残る。
【0030】
尚、ベース領域3は、エピタキシャル層2上に、p型層をエピタキシャル成長することによって形成してもよい。その場合も、ベース領域3の不純物濃度及び厚さは、イオン注入によって形成する場合と同等の範囲とする。
【0031】
ソース領域4は、n型不純物である窒素(N)をベース領域3の表層部にイオン注入することにより形成する。ソース領域4は、この後形成されるゲート電極8(トレンチ5)のレイアウトに対応する格子状のパターンで形成される(
図1参照)。これにより、トレンチ5が形成されたとき、ゲート電極8の両側にソース領域4が配設される。Nのイオン注入深さは、ベース領域3の厚さより浅くする。注入するNの不純物濃度は、ベース領域3のp型不純物濃度よりも高くし、1×10
18cm
−3〜1×10
21cm
−3の範囲とする。尚、上記の不純物領域を形成するイオン注入の順番は、最終的に
図1に記載の構造になれば、上記の通りでなくても良い。
【0032】
また、ベース領域3の下部にn型の空乏化抑制層を設けてもよい。
図2の構造においては、ベース領域3と保護拡散層7の両方から伸びる空乏層によってオン時に電流経路が狭窄する、いわゆるJFET(Junction Field Effect Transistor)抵抗が、ベース領域3と保護拡散層7の間に発生する。空乏化抑制層により、オン時にベース領域3から空乏層が延びることが抑制されるため、JFET抵抗を低減することができる。空乏化抑制層はn型不純物である窒素(N)またはリン(P)をイオン注入することにより形成する。
【0033】
空乏化抑制層の深さは、ベース領域3より深く、エピタキシャル層2の厚さを超えない範囲で、厚みは0.05〜3μm程度とすることが望ましい。注入するNの不純物濃度は、エピタキシャル層2のn型不純物濃度より高く、かつ1×10
17cm
−3以上1×10
19cm
−3以下であることが望ましい。尚、空乏化抑制層はn型のエピタキシャル成長によって形成してもよい。その場合の空乏化抑制層の不純物濃度及び厚さは、イオン注入によって形成する場合と同等の範囲とする。
【0034】
図4に、本実施の形態に係る半導体装置の製造方法において、トレンチ5を形成するためのエッチングマスク22形成までを説明するための断面図を示す。
図3で示すエピタキシャル層2の表面上にシリコン酸化膜マスク21を1〜2μm程度堆積し、さらにその上に、レジスト材からなるエッチングマスク22を形成する。エッチングマスク22は、フォトリソグラフィ技術により、トレンチ5の形成領域を開口したパターンに形成される。ここでは、トレンチ5が格子状なので、エッチングマスク22はそれを反転したマトリクス状のパターンとなる。
【0035】
次に、エッチングマスク22をマスクとする反応性イオンエッチング(RIE:Reactive Ion Etching)処理により、シリコン酸化膜マスク21をパターニングする。つまり、エッチングマスク22のパターンがシリコン酸化膜マスク21に転写される。パターニングされたシリコン酸化膜マスク21は、
図5で説明する工程のエッチング用のマスクとなる。
【0036】
図5に、本実施の形態に係る半導体装置の製造方法において、トレンチ5を形成するまでを説明するための断面図を示す。
図4でパターニングされたシリコン酸化膜マスク21をマスクとするRIEにより、エピタキシャル層2に、ソース領域4及びベース領域3を貫通するトレンチ5を形成する。トレンチ5の深さは、ベース領域3の深さ以上であり、0.6〜6.0μm程度とする。このとき、保護コンタクト領域15も同様にエッチング処理することによって溝部30を形成する。
【0037】
図6に、本実施の形態に係る半導体装置の製造方法において、保護拡散層7を形成するまでを説明するための断面図を示す。シリコン酸化膜マスク21上に、トレンチ5の部分を開口したパターンであるエッチングマスク22と同様のパターンを有する注入マスク23を形成し、それをマスクとするイオン注入を実施して、トレンチ5の底部にp型の保護拡散層7を形成する。このとき、同時に保護コンタクト領域15の溝部30の底部にもイオン注入することによって、保護拡散層7を形成する。
【0038】
保護拡散層7を形成するために、p型不純物としてAlを用いる。注入するAlの不純物濃度は、1×10
17cm
−3〜1×10
19cm
−3の範囲であることが望ましい。さらにより好ましくは、3×10
17cm
−3〜1×10
18cm
−3の範囲であることが望ましい。保護拡散層7の不純物濃度が低いと、トレンチ5内部のゲート絶縁膜6の電界を緩和する効果が十分に得られない。また、保護拡散層7の不純物濃度が高いと、オン時に保護拡散層7から伸びる空乏層が大きくなり、オン電流の経路が狭くなってオン抵抗が増大してしまうからである。
【0039】
また、保護コンタクト領域15内の保護拡散層7に、濃度分布を設けても良い。保護コンタクト領域15内でオーミック電極11と接触する領域に、例えば5×10
18cm
−3〜1×10
21cm
−3の高濃度領域を設ければ、オーミック抵抗を小さくできるので、スイッチング特性の向上につながる。
【0040】
尚、注入マスク23の代わりに、トレンチ5形成の際のエッチングマスクとしてパターニングされた、シリコン酸化膜マスク21を使用してもよい。これにより、製造工程の簡略化および製造コスト削減を図ることができる。注入マスク23の代わりにシリコン酸化膜マスク21を使用する場合は、トレンチ5を形成した後、ある程度の厚さのシリコン酸化膜マスク21が残存するように、シリコン酸化膜マスク21の厚さやエッチング条件を調整する必要がある。
【0041】
保護拡散層7を形成するためのイオン注入後、注入マスク23を除去し、熱処理装置を用いて、イオン注入した不純物を活性化させるアニールを行う。このアニールは、アルゴン(Ar)ガスなどの不活性ガス雰囲気中や真空中で、1300〜1900℃、30秒〜1時間の条件で行う。
【0042】
図7に、本実施の形態に係る半導体装置の製造方法において、ゲート電極8を形成するまでを説明するための断面図を示す。トレンチ5の内壁を含むエピタキシャル層2の全面に、ゲート絶縁膜6となるシリコン酸化膜を形成する。ゲート絶縁膜6となるシリコン酸化膜は、エピタキシャル層2の表面を熱酸化して形成してもよいし、エピタキシャル層2上に堆積させて形成してもよい。ゲート絶縁膜6の材料としては、シリコン酸化膜以外にも、Al
2O
3(Aluminum Oxide)やSiN(Silicon Nitride)などを用いても良い・
【0043】
その後、ゲート電極8となるポリシリコンを減圧CVD法により堆積する。さらに、シリコン酸化膜とポリシリコンをパターニングまたはエッチバックすることにより、トレンチ5内にゲート絶縁膜6及びゲート電極8を形成する。このとき、溝部30の側面にもゲート電極8を形成する。ただし、保護コンタクト領域15においては、溝部30の内部のポリシリコンはエッチバックする。
【0044】
図8は、本実施の形態に係る半導体装置の製造方法において、オーミック電極11を形成するまでを説明するための断面図を示す。減圧CVD法により、エピタキシャル層2の全面に層間絶縁膜9となる絶縁膜を形成し、ゲート電極8を覆う。層間絶縁膜9の材料としては、SiO
2(Silicon dioxide)やSiN(Silicon Nitride)、PSG(Phospho Silicate Glass)などを用いても良い。
【0045】
次に、層間絶縁膜9をパターニングすることで、セル領域14ではソース領域4およびベース領域3の表面上に、保護コンタクト領域15では保護拡散層7の表面上に達するように、コンタクトホールをそれぞれ形成する。
【0046】
続いて、コンタクトホールの底に露出した領域にオーミック電極11を形成する。オーミック電極11の形成方法としては、例えば、コンタクトホール内を含むエピタキシャル層2の全面に、Niを主成分とする金属膜を成膜し、600〜1100℃の熱処理によりエピタキシャル層2である炭化珪素と反応させて、オーミック電極11となるシリサイド膜を形成する。その後、層間絶縁膜9上に残留した未反応の金属膜を、硝酸、硫酸または塩酸あるいはそれらの過酸化水素水との混合液などを用いたウェットエッチングにより除去する。層間絶縁膜9上に残留した金属膜を除去した後に、再度熱処理を行っても良い。この場合は、先の熱処理よりも高温で行うことで、さらに低コンタクト抵抗値を有するオーミック接触が形成される。
【0047】
そして、エピタキシャル層2上にAl合金等の電極材を堆積することで、層間絶縁膜9上並びにコンタクトホール内に、ソース電極10を形成する。最後に、SiC基板1の裏面にAl合金等の電極材を堆積してドレイン電極12を形成することにより、
図1及び
図2に示した構成を有する、本実施の形態に係るMOSFETが得られる。
【0048】
本実施の形態に係るMOSFETでは、セル領域14、すなわちゲート電極8で区切られたセルのそれぞれがMOSチャネルの機能を有し、MOSFETとして機能する。より具体的には、セル領域14のベース領域3のうち、ゲート絶縁膜6と接する領域がMOSチャネルを形成するので、MOSFETセルとして機能する。
【0049】
これに対し、溝部30が形成された保護コンタクト領域15は、MOS界面を有しないためMOSチャネルが形成されないので、MOSFETセルとしての機能は失われる。しかしながら、保護コンタクト領域15は、保護拡散層7をソース接地し、保護拡散層7の電位が浮遊することによって、スイッチング速度が遅くなる、スイッチング動作が不安定になるなど、電気的特性が低下することを防ぐ。後で詳述するが、保護拡散層7が保護コンタクト領域15に近いほど、短絡発生時に空乏層が保護拡散層7からドリフト層2aへ伸びやすい。
【0050】
本実施の形態に係る半導体装置の効果を説明するために、
図9に、本実施の形態を用いない場合の、保護コンタクト領域15を格子状に設けた平面図の比較例を示す。
図9でも
図1と同様に、格子状に配置されたセル領域14のうち、2点鎖線で囲まれる9個分のセル領域14の区画31の中心が保護コンタクト領域15に置換されている。しかしながら、
図9では、この9個の区画31が格子状に配置されることによって、MOSFET領域全体において、保護コンタクト領域15が格子状に配設されることになる。すなわち、上下方向に隣接する区画31の保護コンタクト領域15は、左右方向にずれることなく格子状に配置される。つまり、上下に隣接する区画31の保護コンタクト領域15は、同列内のセル領域14の位置に形成される。
【0051】
ちなみに、
図9において、トレンチ5のパターンに沿って、トレンチ5の底部に保護拡散層7が配設されているとする。
【0052】
ここで、
図9では、最も近い距離内に存在する3つの保護コンタクト領域15の中心を頂点とした三角形18は、点線で示すように直角三角形となる。尚、三角形18は、保護コンタクト領域15の中心を頂点とし、面積が最小となる三角形である。
【0053】
この、三角形18の外心が点Xに相当する。すなわち、保護コンタクト領域15から最も遠い距離にある点Xは、三角形18の外心の位置に一致する。
図9において、点Xを外心とする円の半径は距離dである。セル領域14の幅をW
ch、保護コンタクト領域15のセル領域14に対する割合をA、
図9のように三角形18の外接円の半径と、三角形18の一辺と、のなす角度をθとすると、距離dは(式1)で表される。
【0055】
図9では、三角形18は直角二等辺三角形であるので、θはπ/4であり、(式1)は(式2)のようになる。
【0057】
また、
図9では、Aは1/9であるから、距離dは約2.12*W
chと求められる。
【0058】
図10に、実験で得られた本実施の形態を用いない場合の短絡耐量(SCSOA)と、保護コンタクト領域15のセル領域14に対する割合であるAと、の関係を示す。半導体装置の断面は
図2に示す通りであるが、保護コンタクト領域15の配置が、本実施の形態を用いない
図9の配置としている。
【0059】
図10より、短絡耐量であるSCSOAは、保護コンタクト領域15のセル領域14に対する割合Aに比例することが分かる。このように、発明者らは、SCSOAが保護コンタクト領域15のセル領域14に対する割合Aに依存することを見出した。
【0060】
さらに、短絡電流によって破壊した箇所を観察した結果、
図9の点Xに相当する位置にて破壊していることを見出した。すなわち、負荷短絡などの際に短絡電流のような高電流が流れたとき、
図9では、保護コンタクト領域15から最も遠い距離にある点Xにおいて、MOSFETが破壊することが分かった。
【0061】
図11に、短絡時のMOSFET破壊メカニズムを説明するための図を示す。ドレイン電極12からソース電極10へ向かって高電流が流れるとき、ソース電極10と電気的に接続されたp型のベース領域3と保護拡散層7とから、n型のドリフト層2aへ向けて空乏層が伸びる。空乏層が伸び切った状態では、ドリフト層2a全体が空乏層で占められ、ドレイン電極12からソース電極10へ向かって短絡電流は空乏層内を通って流れる。ドリフト層2a全体が空乏層で占められているので、短絡電流は比較的全体に分散して流れる。
【0062】
ここで、短絡発生時から空乏層が伸び切る途中である過渡的な状態における空乏層を、
図11中、一点鎖線で示す。短絡発生時、すなわちドレイン電極に高電圧が印加された瞬間から、p型のベース領域3と保護拡散層7とからドリフト層2aへ向かって空乏層が伸び始める。ここで、空乏層は、ドリフト層2a中、ベース領域3あるいは保護拡散層7とソース電極10とが接続する領域に近いほど速く伸びる。空乏層の伸びに伴って、pn界面の空乏容量を介して、ベース領域3及び保護拡散層7から変位電流がソース電極10へ向けて流れるが、ベース領域3あるいは保護拡散層7内における変位電流の流れる経路は、ソース電極10との接続箇所に近いほど短くなるからである。
【0063】
p型のベース領域3は、各セル領域14においてオーミック電極11を介してソース電極10と接続されているため、ベース領域3からの空乏層の伸びは、全体にほぼ均一である。一方、保護拡散層7は、セル領域14内ではソース電極10と接続されておらず、保護コンタクト領域15においてオーミック電極11を介してソース電極10と接続されている。
【0064】
そのため、保護拡散層7からの空乏層の伸びる速さは、保護コンタクト領域15からの距離に応じて分布が生じる。つまり、保護コンタクト領域15に近いセル領域14では、保護拡散層7から比較的速く空乏層が伸びるが、保護コンタクト領域15から遠いセル領域14では、保護拡散層5からの空乏層伸びは遅い。尚、保護コンタクト領域15に隣接するセル領域14は空乏層の伸びが最も速く、保護コンタクト領域15から遠くなる程空乏層の伸びが遅くなる。
【0065】
従って、
図11のように、保護コンタクト領域15近傍の空乏層の伸びは大きく、保護コンタクト領域15から遠い空乏層の伸びは小さい状態が生じる。尚、最も空乏層の伸びが小さい領域は、保護コンタクト領域15から最も遠いセル領域14となる。
【0066】
ドリフト層2aに空乏層が伸びたとき、空乏層内は高抵抗となるので、空乏層が伸びた領域では抵抗が高くなる。つまり、空乏層が大きく伸びている領域では電流が流れにくい。
【0067】
図11中、短絡電流を矢印で示す。
図11のように空乏層の伸びに分布が生じている場合、空乏層の伸びが小さい領域に短絡電流が集中する。すなわち、保護コンタクト領域15から最も遠い領域に短絡電流が局所的に集中し、高電流によって当該箇所の温度が局所的に上昇し、絶縁膜や半導体が熱的な損傷を受けて破壊に至る。局所的に集中した高電流による電気的な損傷も破壊の要因として挙げられる。
【0068】
このように、短絡電流が流れたとき、保護コンタクト領域15から最も遠い距離にある点XにおいてMOSFETが破壊しやすい。従って、(式1)で表される距離dが小さいほどMOSFETが破壊しにくく、半導体装置の信頼性を向上できる。つまり、距離dが小さいほど活性領域内の空乏層の伸びる早さの分布を低減することができるので、短絡電流の局所的な集中を緩和することができ、短絡耐量の向上につながる。
【0069】
図9では、セル領域14の9個分の区画の1つが保護コンタクト領域15に置換されているが、
図10から分かるように、セル領域14の25個分の区画の1つが保護コンタクト領域15に置換されているよりも、9個分の区画の1つが保護コンタクト領域15に置換されている方が距離dを小さく、さらに4個分の区画の1つが保護コンタクト領域14に置換されている方が距離dを小さくできる。これは、(式1)におけるA、すなわち保護コンタクト領域15のセル領域14に対する割合を大きくしたためである。
【0070】
このように、セル領域14の個数に対する保護コンタクト領域15の個数の割合を大きくするほど距離dを小さくできるので、点Xにおける破壊を抑制でき、短絡耐量が向上されるので、半導体装置の信頼性を向上できる。
【0071】
しかしながら、保護コンタクト領域15はMOSチャネルの機能を有しないため、セル領域14に対する保護コンタクト領域15の割合を増加すると、MOSFETセルが減少、すなわちチャネル密度が減少することとなり、チャネル抵抗が増加するので、オン抵抗が増大してしまう。すなわち、オン抵抗の増大と短絡耐量の向上とは、トレードオフの関係にある。
【0072】
図12に、本実施の形態に係る半導体装置の効果を説明するための平面図を示す。
図12は、本実施の形態に係る半導体装置を示す
図1の配置において、距離dを求めるための平面図である。
【0073】
図12で示すように、本実施の形態では9個分のセル領域14の中心位置を保護コンタクト領域15に置き換えた区画31を順に配設しているが、上下に隣接する区画31内の保護コンタクト領域15が左右方向にずれているため、最も近い距離に配設される3つの保護コンタクト領域18の中心を頂点とする三角形18は鋭角三角形となる。従って、点Xと保護コンタクト領域15の中心とを結ぶ、三角形18の外接円の半径と、当該保護コンタクト領域15の中心からのびる三角形18の一辺と、がなす角度θは、π/4より小さくなる。
【0074】
そのため、本実施の形態では、(式1)におけるcosθが
図9の場合よりも大きくなるので、距離dが
図9の場合より小さくなる。
図11の場合の距離dを(式1)から求めたところ、約1.90*W
chと、
図9に比べて11%縮小することが可能となる。
【0075】
従って、区画31が、同じ8個のセル領域14と1個の保護コンタクト領域15からなる場合であっても、比較例の
図9に比べると、本実施の形態を用いた
図11では、保護コンタクト領域15から最も遠い距離にある点Xから保護コンタクト領域15までの距離を小さくすることが可能となる。そのため、保護コンタクト領域15の個数を増加させずに、短絡電流の局所的な集中を緩和することができる。
【0076】
図13に、チャネル抵抗(R
ch)と短絡耐量(SCSOA)との関係を示す。
図9で示した、本実施の形態を用いない場合の短絡耐量とR
chとの関係を、
図13中、黒三角で示す。尚、R
chは、保護コンタクト領域15を形成しない場合のR
chを1.0とし、保護コンタクト領域15を設けた場合のチャネル密度の減少分からR
chの増加分を計算することによって算出した。短絡耐量(SCSOA)は実験で得られた値である。
【0077】
図13のように、R
chを増加させるとSCSOAが増加することが分かる。R
chとSCSOAは
図13の点線の関係で示され、トレードオフの関係にある。そのため、
図13の点線より上の領域の特性が得られた場合、R
chの増加を抑制しながらSCSOAを向上したことを示すので、トレードオフ関係が改善できたことを示す。
【0078】
図13中、本実施の形態を用いた場合を白丸の特性で示す。本実施の形態を用いた場合、
図13の点線に比べて、R
chの増加を抑制しながら、高いSCSOAが得られていることが分かる。すなわち、本実施の形態によれば、オン抵抗の増大を抑制しながら、短絡耐量を向上できる。
【0079】
このように、本実施の形態にかかわる半導体装置によれば、最も近い距離内に配設される3つの保護コンタクト領域18の中心を頂点とする三角形18が鋭角三角形となるので、チャネル密度を増加することなく、最も遠く離れた保護拡散層7と保護コンタクト領域15との距離を縮めることができるので、オン抵抗の増加と、短絡電流による破壊と、を同時に抑制する効果が得られる。すなわち、本実施の形態を用いれば、複雑な製造工程を要することなく、オン抵抗と短絡耐量のトレードオフ関係を改善することが可能となる。
【0080】
本実施の形態では、保護コンタクト領域15の溝部30はトレンチ5と同じ深さとしたが、同じ深さでなくても良い。また、溝部30は設けなくても良い。保護コンタクト領域15内におけるオーミック電極は、セル領域14と同様にエピタキシャル層の表面に形成し、保護コンタクト領域内でベース領域3と保護拡散層7とを接続するように、保護コンタクト領域15内のみ保護拡散層7の深さ方向の厚みを厚くすれば良い。
【0081】
本実施の形態では、半導体基板としてSiC基板1を用いたが、Siやワイドバンドギャップ半導体など、その他の半導体材料を用いても良い。
【0082】
ワイドバンドギャップ半導体は、SiCの他、窒化ガリウム系材料、ダイヤモンドなどがあり、1kV程度或いはそれ以上の高電圧を扱う技術分野への適用が有望視されている次世代の半導体材料である。
【0083】
SiCを用いたMOSFETでは、MOS界面の電子トラップがSiに比べて1桁以上多いことが知られている。このため、オン抵抗におけるチャネル抵抗の割合が大きい。チャネル密度の低下によってチャネル抵抗が増加するので、保護コンタクト領域15の個数を増やした場合、SiCではオン抵抗の増加率が大きい。
【0084】
また、SiCを用いたMOSFETは、同程度の耐圧を有するSiデバイスに比べてオン抵抗が低く、生じる短絡電流も大きいことから発生する熱が大きくなり、ゲート酸化膜破壊に至りやすいことが知られている。つまり、SiCはSiに比べて短絡耐量が小さいという問題が知られている。
【0085】
このため、SiCはオン抵抗と短絡耐量のトレードオフ関係が顕著である。そのため、本実施の形態を、SiCを用いた半導体装置に適用した場合に、オン抵抗と短絡耐量のトレードオフを改善する効果が特に顕著に得られる。
【0086】
本実施の形態では、区画31を8個のセル領域14と1個の保護コンタクト領域15としたが、セル領域14の数は任意であっても良いことは言うまでもない。すなわち、区画31を48個のセル領域14と1個の保護コンタクト領域15としてもよいし、24個のセル領域14と1個の保護コンタクト領域15としてもよいし、3個のセル領域と1個の保護コンタクト領域15としてもよいし、如何様であっても良い。
【0087】
本実施の形態では、セル領域14は四角形であったが、六角形など、その他の多角形であってもよい。また、円形などその他の形状であっても、本実施の形態の効果を得ることができる。
【0088】
また、セル型でなくても櫛型であっても良い。
図14に、櫛型のMOSFET領域に、本実施の形態を用いて保護コンタクト領域15を形成した場合の上面図を示す。櫛型のMOSFETセルを分断するように保護コンタクト領域15を形成すれば良い。すなわち、セル領域14の一部を保護コンタクト領域15とすれば良い。櫛型の場合でも、最も近い距離にある3つの保護コンタクト領域の中心を結ぶ三角形18は、鋭角三角形となるように保護コンタクト領域15を配置する。
【0089】
図14の配置の場合、櫛型のストライプの幅をW
chとした場合、距離dは1.93*W
chとなる。
【0090】
図14のように、櫛型の場合には、各ストライプに少なくとも一つの保護コンタクト領域15を設けることが望ましい。浮遊電位と成る保護拡散層7ができてスイッチング動作が不安定になるのを防ぐためである。
【0091】
また、セル領域14の配置を千鳥配置としてもよい。
図15に、千鳥配置のMOSFET領域に、本実施の形態を用いて保護コンタクト領域15を形成した場合の上面図を示す。この場合、最も近い距離にある3つの保護コンタクト領域の中心を結ぶ三角形18は、正三角形となり、距離dを1.88*W
chと最も小さくすることができる。
【0092】
このように、本実施の形態に記載のない配置であったとしても、最も近い距離にある3つの保護コンタクト領域の中心を結ぶ三角形18が鋭角三角形であれば、本実施の形態の効果が得られる。
【0093】
また、本実施の形態はIGBTにも適用可能である。
図2に示した構造において、SiC基板1をp型にすれば、IGBTとなる。その場合、MOSFETのソース領域4及びソース電極10は、それぞれIGBTのエミッタ領域及びエミッタ電極に対応し、MOSFETのドレイン電極12はコレクタ電極に対応することになる。
【0094】
実施の形態2.
図16及び17は、本実施の形態2に係る半導体装置を示す上面図である。本実施の形態における半導体装置においては、保護コンタクト領域15から離れた領域にあるチャネル領域を不活性化したことを特徴としている。それ以外については、実施の形態1と同様である。本実施の形態によれば、短絡耐量を向上する効果が得られる。
【0095】
図16及び17において、MOSチャネルとして機能できないようにした不活性チャネル25は、保護拡散層接地領域15を中心とした円24を描いた場合に、円24の外側にあるチャネルとすればよい。
【0096】
このとき、円24の半径は、セル領域14の幅W
chの1倍以上3倍以下、望ましくは2倍以下とする。これは、W
chの1倍より小さい場合には、不活性化されたチャネルの割合が増えるためにオン抵抗が増大し、3倍より大きい場合には、十分な短絡耐量向上効果が得られないためである。
【0097】
例えば、
図16に示す円24の半径は、W
chの2倍、
図17の円26の半径は、W
chの2.5倍である。また、円24の半径を小さくする場合には、不活性化されるチャネルの割合を減らすため、保護コンタクト領域25の設置割合1/Aを大きくすることが望ましい。
【0098】
尚、MOSFET領域をストライプ型に配置する場合には円24の半径を、ストライプの幅W
chである短辺間距離を基準として決めればよい。
【0099】
図18に、本実施の形態に係る半導体装置の断面図を示す。尚、
図18は、
図17におけるBB断面図である。
【0100】
図18では、不活性化チャネル25の領域において、ソース領域4を形成していない。すなわち、不活性化チャネル25においては、トレンチ5の側面は、ゲート絶縁膜6を介して全面が
ベース領域3と対向する。不活性化チャネル25にソース領域4を形成しないことによって、オン時に不活性化チャネル25にはMOSチャネルが形成されず、MOSチャネルとして機能しない。
【0101】
短絡時には、保護コンタクト領域15から離れた領域に短絡電流が集中する。これは、実施の形態1の
図11にて説明したとおりである。集中した短絡電流は、当該領域のセル領域14内を通ってソース電極10へと流れる。
【0102】
短絡時にMOSチャネルが形成されていると、チャネル領域の抵抗が小さいため高電流が流れ、ゲート絶縁膜6の破壊につながる。ここで、チャネル領域にMOSチャネルが形成されていないと、チャネル領域の抵抗が高いため、電流集中を緩和する効果が得られる。すなわち、不活性化チャネル25の領域では、ドレイン・ソース間のチャネル抵抗が他の領域よりも高くなるため、電流が流れにくくなる。
【0103】
つまり、本実施の形態を用いれば、保護コンタクト領域15から遠く空乏層の伸びが小さいために抵抗が低い分、チャネルの抵抗を高くできるので、短絡電流の集中を緩和する効果が得られる。
【0104】
このように、本実施の形態を用いれば、空乏層の伸びが遅いために短絡電流が集中しやすい領域のチャネル抵抗を増加させ、短絡電流の集中を緩和させて、短絡耐量を向上できるという効果が得られる。不活性化チャネル25はMOSチャネルとしては機能しないため、チャネル抵抗の増加につながるが、短絡電流が集中する領域のチャネルのみを不活性化するので、不用な領域のチャネルを不活性化することがない。そのため、チャネル抵抗の増加を極力抑制しながら、短絡耐量を向上することができる。
【0105】
図16に示すように、15個のセル領域14に対して1個の保護コンタクト領域を設ける配置の場合、保護コンタクト領域15からセル間距離W
chの2倍に含まれない領域のチャネルを不活性化とすると、
図16の場合、不活性化チャネル25の割合は約21%、
図17の場合、約3%となる。このように、オン抵抗の増加を抑制しながら短絡耐量を大きく向上することができる。
【0106】
図16のように、本実施の形態を実施の形態1と組み合わせた場合には、短絡耐量向上の効果がより大きく得られるが、
図17のような配置であっても本実施の形態の効果が得られる。
【0107】
図19は、本実施の形態の半導体装置の別の配置例を示す上面図である。
図19に示す円24の半径は、W
chの2倍である。
図16ではセル配置が千鳥配置であったのに対し、
図19は、セル配置が格子状である。また、
図19では保護コンタクト領域15の配置も格子状になっている。
図19では、不活性化チャネル25の割合は23%である。
【0108】
不活性化チャネル25を形成するためには、ソース領域4を形成しない以外の方法を用いても良いことは言うまでもない。例えば、不活性化チャネル25の領域に高濃度のp型不純物を導入する。すなわち、不活性化チャネル25におけるベース領域3の不純物濃度が、不活性化されていないセル領域14におけるベース領域3の不純物濃度より高い。この場合、不活性化チャネル25はオン時にn型に反転しにくく、MOSチャネルとして機能しにくい。つまり、当該箇所のチャネル抵抗が高抵抗化する。
【0109】
このように、不活性化チャネル25は完全にMOSチャネルとして機能しない場合でなくても、不活性化チャネル25のチャネル抵抗が、他のチャネル領域よりも高抵抗であれば、本実施の形態の効果が得られる。
【0110】
その他の形態として、例えば、不活性化チャネル25のチャネル長が他の領域よりも大きくなっていても良い。チャネル長が長い分、不活性化チャネル25におけるチャネル抵抗が増加するので、本実施の形態の効果が得られる。
【0111】
本実施の形態では、セル領域14のうち、短絡電流が集中する領域を不活性化チャネル25とする。実施の形態1では、保護コンタクト領域15に隣接するセル領域14では、保護コンタクト領域15との接続面においてゲート電極8が狭窄化する。そのため、保護コンタクト領域15の設置割合の増加とともに、ゲート断線やゲート抵抗の増加による遅延が生じる懸念がある。
【0112】
本実施の形態によれば、ゲート電極8を狭窄化しないので、ゲート不具合による製造歩留まりを保ちつつ短絡耐量を向上させることが可能となる。
【0113】
尚、本発明の実施の形態2では本発明の実施の形態1と相違する部分について説明し、同一または対応する部分についての説明は省略した。