特許第6038402号(P6038402)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6038402
(24)【登録日】2016年11月11日
(45)【発行日】2016年12月7日
(54)【発明の名称】蒸気圧縮式冷凍サイクル
(51)【国際特許分類】
   F25B 1/00 20060101AFI20161128BHJP
【FI】
   F25B1/00 304R
   F25B1/00 101E
   F25B1/00 311C
   F25B1/00 396Z
   F25B1/00 321B
   F25B1/00 311B
【請求項の数】5
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2016-518654(P2016-518654)
(86)(22)【出願日】2014年5月15日
(86)【国際出願番号】JP2014002558
(87)【国際公開番号】WO2015173848
(87)【国際公開日】20151119
【審査請求日】2016年6月2日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001461
【氏名又は名称】特許業務法人きさ特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】門脇 仁隆
(72)【発明者】
【氏名】七種 哲二
【審査官】 鈴木 充
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−156636(JP,A)
【文献】 特開平7−120076(JP,A)
【文献】 特開2006−23002(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/104893(WO,A1)
【文献】 特開平8−313072(JP,A)
【文献】 特開昭55−85853(JP,A)
【文献】 特開2009−270822(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25B 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷媒としてHFOを使用する蒸気圧縮式冷凍サイクルであって、
上記蒸気圧縮式冷凍サイクルは、
上記蒸気圧縮式冷凍サイクル内を循環する冷媒を注入するためのインジェクションポートが設けられた圧縮機と、
このインジェクションポートに近接された圧力及び温度を計測する圧力センサ及び温度センサと、
上記冷媒を圧縮膨張させるように開閉する動作を行う膨張装置と、
上記圧力センサ及び温度センサで得られた圧力及び温度に基づいて、前記膨張装置の開度を制御する制御装置と、を備え、
前記制御装置は、上記蒸気圧縮式冷凍サイクルに関するP―H線図のうち、圧縮工程に相当する部分が、飽和液線と飽和蒸気線とからなる飽和曲線の外側に位置するとともに、臨界圧力よりも下側に位置し、かつ、飽和蒸気線よりも高エンタルピー領域側に位置し、主冷媒配管経由で供給された冷媒と、上記インジェクションポートへ接続される副冷媒配管経由で供給された冷媒と、の2系統の冷媒が上記圧縮機内部で混合されて熱平均された状態が、上記圧縮機が上記圧縮機内部において冷媒を中間圧力にまで圧縮する状態よりも高エンタルピー領域側に位置するように、前記膨張装置を制御することを特徴とする蒸気圧縮式冷凍サイクル。
【請求項2】
上記インジェクションポートへ導入される冷媒配管の近傍に送風式熱交換器を備え、
この送風式熱交換器を用いて上記インジェクションポートから注入される冷媒を加熱することを特徴とする請求項1に記載の蒸気圧縮式冷凍サイクル。
【請求項3】
上記インジェクションポートへ導入される冷媒配管の近傍に循環式熱交換器を備え、
この循環式熱交換器を用いて上記インジェクションポートから注入される冷媒を加熱することを特徴とする請求項1に記載の蒸気圧縮式冷凍サイクル。
【請求項4】
前記膨張装置の入力側と接続する受液器を備え、
前記受液器に溜められた気液2相流状態の冷媒のうち、加熱蒸気となった気相状態のガス部分が前記膨張装置の入力側へ流れこむように、気体冷媒用の出力経路を追加したことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の蒸気圧縮式冷凍サイクル。
【請求項5】
前記制御装置は、
上記インジェクションポートから注入される冷媒が、過熱度20℃以上の加熱蒸気で、かつ、上記圧縮機内部での高低圧比の0.35以上となるように、前記膨張装置の開度を制御することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の蒸気圧縮式冷凍サイクル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、低GWP冷媒であるHFO―1234yF,HFO―1234zeなどのHFO冷媒を用いた中間インジェクション方式の冷凍サイクルに関し、特にその運転効率の向上に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、給湯機や空調機に用いられてきた特定フロンの使用は、オゾン層の破壊や地球温暖化を進展させる懸念があり規制の対象となっている。欧州では、F―gas規制などから低GWP冷媒への転換が進められている。このような背景から、今後は、既存のHFC等の冷媒からHFO冷媒へ転換されることが予想される。
しかし、このHFO冷媒は従来のHFC冷媒と比較して、圧縮機出口での冷媒が低密度、低潜熱量、低吐出温度になってしまうという難点がある。このため、この冷媒を給湯・加熱用途に用いる場合にCOPが低下する、すなわち、運転効率の低下が生じていた。
【0003】
ところで、この冷凍サイクル運転効率の効率化については、その一手法として中間インジェクション方式による冷媒効率の向上が行われているが、それによる本冷凍サイクルにおける中間インジェクション回路による成績係数COP(Coefficient of Performance)の改善は、圧縮機の効率の改善とサイクル効率の改善とにより実現される。一般的に、このサイクル効率を改善するには、冷媒温度を上昇させる。冷媒温度を上昇させると、ガスクーラ側での冷媒循環量が増加して暖房能力とCOPとが向上する。これを実現する具体的な手法の1つとして、例えば、圧縮機の側面に予め中間インジェクションポート入口を設けておき、この部分から加熱ガス状態となった冷媒を注入することが考えられる。
【0004】
この中間インジェクション方式に関し、圧縮機の中間インジェクションポートにおける冷媒の吸入SH(ス―パ―ヒ―ト:過熱度)と、圧縮機出口での冷媒の吐出温度との関係は図12に示されるようであり、これを見ると、圧縮機の中間インジェクションポートにおける吸入SHが増加するに従い、圧縮機出口での冷媒の吐出温度、ひいては冷凍サイクルの成績係数COPが向上していることが確認できる。
【0005】
この種の従来例としては特許文献1に示されるものがあり、
その従来の蒸気圧縮式冷凍サイクルの概要については、吸入した冷媒を圧縮して吐出する圧縮行程の中間部分に冷媒通過口となるインジェクションポートを有する圧縮機、四方弁、熱源側絞り装置、熱源側熱交換器、負荷側絞り装置及び負荷側熱交換器とから構成され、冷媒が循環するようにそれらを環状に接続されている。
(特許文献1参照)
【0006】
上記の特許文献1の蒸気圧縮式冷凍サイクルの構成を以下実施の形態1の図1を用いて説明する。この構成は基本的には、上記特許文献1と特定構成部品(受液器4)を除き、実質的に同様で、この第1図を従来技術の構成の説明にも適宜用いることとする。
【0007】
この上記の蒸気圧縮式冷凍サイクルは、新冷媒としてHFOを圧縮機1内部に加熱冷媒を注入する中間インジェクションポート16を有する蒸気圧縮式冷凍サイクル100であって、圧縮機1と、高温側の熱交換器である凝縮器3と、第2の膨張装置である膨張弁8と、低温側の熱交換器である蒸発器7とを冷媒配管で接続して構成される冷凍サイクルと、この冷凍サイクルを制御する制御装置18とで構成される蒸気圧縮式冷凍サイクルであり、上記圧縮機1、凝縮器3、膨張弁8、蒸発器7は、冷媒を循環させる冷媒配管で相互に接続されている。
【0008】
また、第11図のP―H線図(圧力−比エンタルピー線図)を用いて、上記特許文献1による蒸気圧縮式冷凍サイクルの動作を説明する。このP―H線図では、縦軸が冷媒の圧力P、横軸が冷媒の比エンタルピーHを示しており、図11には、飽和液線と飽和蒸気線とからなる飽和曲線(C)と、P―H線(L)とが描かれている。
【0009】
まず、上記特許文献1に対応したP―H線(L)の概形を述べると、その概要は、上辺が下辺よりも長い略不等脚台形の部分(前者)と、その不等脚台形の部分に内包されるように右肩上がりの部分に接した平行四辺形部分(後者)との2つの図形が合成されたものである。
以下、前者は、直線p―dは上辺、直線d―eは短脚辺、直線e―fは下辺(下辺<上辺)、直線f―pは長脚辺から構成されている。後者は、直線a―pは上辺、直線p―iは右辺、直線i―jは下辺、直線j―aは左辺から構成されている。なお、bとcとは、重なっており同じ点であるので、b,cと表示してある。
【0010】
また、上記略不等脚台形の内側に記載された一点鎖線の部分は、中間インジェクションに相当する。この一点鎖線の部分は、直線d―eに平行な直線b―gと、直線e―fに平行な直線g―hとから構成されている。また、i,jは、この直線g―hの延長線上に位置している。
【0011】
ここで、図11中に位置しているaからjまでのそれぞれは、図1中の冷凍サイクルのaからjまでのそれぞれに対応している。図1において、aからjのそれぞれは冷凍サイクルの構成上の位置を示しているが、図11において、aからjはそれら位置に相当する冷媒の状態を示す。
【0012】
第11図中、aは圧縮機1の出口に対応する冷媒の状態を示し、圧力がPa,比エンタルピーがHaである。
【0013】
aからbに至るまでの期間中においては、状態aが実線に沿って横軸に平行な左方向に位置する状態bに移行する。これは冷媒が凝縮器3を通過する際に、ガス状態から液体状態に凝縮することにより、この冷媒は熱を放出し、エンタルピーを減少することに対応している。状態b(c)では、状態aと比較して、圧力Pbが不変で圧力がPb(Pc)=Pa,比エンタルピーがHb(Hc)へと減少している。
cは、第2の膨張装置8の入口を流れる冷媒の状態を示し、cは、bと同じ位置にプロットされている。ここで、図11のP―H線図において、bとcとが同じ位置にプロットされているのは、図1に示す構成で冷媒配管中を流れる冷媒の位置は異なるが、図11に示すP―H線図上での冷媒の状態(圧力、比エントロピー)は同じためである。
【0014】
cからdに至るまでの期間中においては、状態cが実線に沿って横軸に平行な左方向に位置する状態dに移行する。これは冷媒が内部熱交換器5を通過する際に、蒸発器7へ接続される主冷媒配管と、インジェクションポート16へ接続される副冷媒配管(後述する)とが相互に熱交換する。すなわち、主冷媒配管が熱を放出し、副冷媒配管が熱を吸収する。この主冷媒配管を流れる冷媒はそのエンタルピーを減少することに対応している。状態dでは、状態cと比較して、圧力Pdが不変でPd=Pc,比エンタルピーがHdへと減少している。
【0015】
dからeに至るまでの期間中においては、状態dが実線に沿って縦軸に平行な下方向に位置する状態eに移行する。これは冷媒が第1の膨張装置6を通過する際に、冷媒が膨張することにより、圧力が低下することに対応している。状態eでは、状態dと比較して、比エンタルピーが不変でHe=Hd,圧力がPeへと減少している。
【0016】
eからfに至るまでの期間中においては、状態eが実線に沿って横軸に平行な右方向に位置する状態fに移行する。これは冷媒が蒸発器7を通過する際に、液体状態からガス状態に凝縮することにより熱を吸収し、この冷媒はエンタルピーを増加することに対応している。状態fでは、状態eと比較して、圧力Pfが不変でPf=Pe,比エンタルピーがHfへと増加している。
【0017】
fからiに至るまでの期間中においては、状態fが右肩上がりの直線状の実線に沿って右上方向に位置する状態iに移行する。これは圧縮機1が圧縮機1の内部において冷媒を中間圧力にまで凝縮することにより、この冷媒は圧力及びエンタルピーを増加することに対応している。状態iでは、圧力PfがPiへ増加するとともに、比エンタルピーHfがHiへと増加している。
【0018】
同様に、中間インジェクションに対応するb(c)からgに至るまでの期間中においては、状態b(c)が一点鎖線に沿って縦軸に平行な下方向に位置する状態gに移行する。これは冷媒が第2の膨張装置8を通過する際に、冷媒が膨張することにより、圧力が低下することに対応している。状態gでは、状態cと比較して、比エンタルピーが不変でHg=Hc,圧力がPgへと減少している。
【0019】
gからhに至るまでの期間中においては、状態gが一点鎖線に沿って横軸に平行な右方向に位置する状態hに移行する。これは冷媒が内部熱交換器5を通過する際に、冷媒が熱交換により熱を吸収し、この冷媒はそのエンタルピーを増加することに対応している。状態hでは、状態gと比較して、圧力Phが不変でPh=Pg,比エンタルピーがHhへと増加している。ここで、hは飽和曲線(C)線上、あるいはC線の内側にある。
【0020】
h,iからjに至るまでの期間中においては、h,i、jは同一直線上にあって、状態hが状態jに向かって一点鎖線に沿って横軸に平行な右方向に動き、これとは逆に、iがjに向かって一点鎖線に沿って横軸に平行な左方向に位置する状態jに移行する。これは、主冷媒配管経由で供給された冷媒と、副冷媒配管経由で供給された冷媒と、の2系統の冷媒が圧縮機1の内部で混合されて熱平均された結果、トータルとしての冷媒のエンタルピーが平均化されることに対応している。状態jでは、状態iと比較して、圧力Pjが不変でPj=Ph=Piであり、比エンタルピーHjはHhとHiとの平均値である。
【0021】
jからaに至るまでの期間中においては、状態jが右肩上がりの直線状の実線に沿って右上方向に位置する状態aに移行する。圧縮機1がその内部において冷媒を中圧力から高圧力にまで圧縮することにより、この冷媒は圧力及びエンタルピーを増加する。状態aでは、圧力PjがPaへ増加するとともに、比エンタルピーHjがHaへと増加する。
【0022】
これで、圧力がPa,比エンタルピーがHaの状態となり、冷媒が、圧縮機1の出口を流れる元の冷媒の状態aにまで戻って、1サイクルが終了する。
なお、以上の説明から明らかなように、上記P―H線(L)図中にはfからiに至るまでの期間の第1の圧縮工程と、jからaに至るまでの期間の第2の圧縮工程の二つの圧縮工程が存在し、それら二つの圧縮工程にともに共通して該当する部分は、単に圧縮工程という。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0023】
【特許文献1】特開2013―15264号公報(0014段落、第1図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0024】
しかし、図11に示した従来の中間インジェクション方式では、インジェクションポート16から注入される冷媒に吸入SHを充分に与えられていない。すなわち、図11において、hは飽和蒸気線の曲線上にあり、jは飽和蒸気線の少し右側にあり、上記蒸気圧縮式冷凍サイクルに関するP―H線図の圧縮以工程の左側にある。このため、P―H線図のうち、圧縮工程に相当する部分が、P―H線図上で適正な位置に存在していない。すなわち、これは、制御装置18が、圧縮機1の内部で冷媒に吸入SHを充分に与えておらず、jが飽和蒸気線よりも右側に位置するように膨張弁8を制御できていない。
【0025】
このため、高温側の熱交換器である凝縮器3から発生する熱を利用して2次側での循環水温度を所定の温度(例えば60℃)にまで加熱上昇させる必要がある等、給湯用に熱を得るためには、この従来のインジェクション方式による運転では、自ずから限界があった。
【0026】
このように、従来のHFCに代替して、新冷媒としてHFO冷媒を用いた冷凍サイクルにおいては、圧縮機の出口における吐出温度が大きく低下してしまうため、その給湯能力に自ずから限界があり、従来の提案に従ってインジェクション量を決定しても、中間インジェクションによる性能改善効果と信頼性向上効果とが十分には得られない。
【0027】
本発明は上述の課題を解決するためになされたもので、圧縮機出口側での吐出温度が低くなる傾向があるHFO冷媒を用いた場合にも、冷媒の吐出温度の低下を防止して、高効率な給湯・加温用冷凍サイクルを得るものである。
【課題を解決するための手段】
【0028】
本発明の蒸気圧縮式冷凍サイクルは、
冷媒としてHFOを使用する蒸気圧縮式冷凍サイクルであって、
上記蒸気圧縮式冷凍サイクルは、
上記蒸気圧縮式冷凍サイクル内を循環する冷媒を注入するためのインジェクションポートが設けられた圧縮機と、
このインジェクションポートに近接された圧力及び温度を計測する圧力センサ及び温度センサと、
上記冷媒を圧縮膨張させるように開閉する動作を行う膨張装置と、
上記圧力センサ及び温度センサで得られた圧力及び温度に基づいて、前記膨張装置の開度を制御する制御装置と、を備え、
前記制御装置は、上記蒸気圧縮式冷凍サイクルに関するP―H線図のうち、圧縮工程に相当する部分が、飽和液線と飽和蒸気線とからなる飽和曲線の外側に位置するとともに、臨界圧力よりも下側に位置し、かつ、飽和蒸気線よりも高エンタルピー領域側に位置し、主冷媒配管経由で供給された冷媒と、上記インジェクションポートへ接続される副冷媒配管経由で供給された冷媒と、の2系統の冷媒が上記圧縮機内部で混合されて熱平均された状態が、上記圧縮機が上記圧縮機内部において冷媒を中間圧力にまで圧縮する状態よりも高エンタルピー領域側に位置するように、前記膨張装置を制御するものである。
【発明の効果】
【0029】
発明に係る蒸気圧縮式冷凍サイクルは、中間インジェクション方式の圧縮機内にインジェクションされた冷媒の温度を圧縮機内部で適正な過熱状態に保ち、HFO冷媒を用いた場合であっても圧縮機の内部に注入することにより引き起こされる圧縮機の出口における吐出温度の低下の防止、ひいては冷凍サイクルの運転効率(COP)を改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】本発明の実施の形態1を示す蒸気圧縮式冷凍サイクル100の回路図である。
図2】実施の形態1に係る、冷媒の状態を示すP―H線図である。
図3】中間インジェクションポート16に加熱冷媒を供給した場合の、吐出温度上昇のイメージを表したP―H線図である。
図4】実施の形態1に係る、第2の膨張装置8の開度制御フロー図である。
図5】実施の形態2に係る、送風式熱交換器10を用いた場合の蒸気圧縮式冷凍サイクル200の回路図である。
図6】実施の形態2に係る、信号の流れの概要を示すブロック図である。
図7】実施の形態2の変形例に係る、制御盤の排熱を用いた場合の蒸気圧縮式冷凍サイクル300の回路図である。
図8】実施の形態3に係る、圧縮機1の排熱を利用した場合の蒸気圧縮式冷凍サイクル400の回路図である。
図9】実施の形態3に係る、信号の流れの概要を示すブロック図である。
図10】実施の形態4に係る、受液器4内のガス冷媒インジェクションを利用する場合の蒸気圧縮式冷凍サイクル500の回路図である。
図11】従来のインジェクション回路9に係る、冷媒の状態を示すP―H線図である。
図12】中間インジェクションポート16における吸入SHと成績係数COPの関係を示したものである。
【発明を実施するための形態】
【0031】
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1に係る、蒸気圧縮式冷凍サイクル100の全体を示している。以下、一例として、家庭用の給湯機や、ビル用の給湯機として設置される給湯用冷凍サイクルとして説明する。
【0032】
具体的詳細な構成を説明するに先立ち、まず、蒸気圧縮式冷凍サイクル100とそれを構成する主要回路について述べる。
【0033】
以下、実施の形態1について第1図に基づいて、具体的に述べる。
蒸気圧縮式冷凍サイクル100は、冷媒を圧縮する圧縮機1と、冷媒の流れ方向を変更する四方弁2と、凝縮器3と、高圧液冷媒を溜める高圧容器である受液器4と、熱交換する内部熱交換器5と、蒸発器7と、冷媒を膨張する第1の膨張装置6及び第2の膨張装置8と、インジェクションポート16から注入する冷媒を加熱するインジェクション回路9と、から構成されている。
また、インジェクションポート16の入口近傍には、冷媒の圧力及び温度を計測する圧力センサ13及び温度センサ14が設けられており、更に上記第2の膨張装置8の開度を制御する制御装置18が設けられている。そして、この制御装置18は上記圧力センサ13及び、温度センサ14で得られた冷媒の情報をもとに、第2の膨張装置8の開度を制御する機能を有する。
【0034】
受液器4は、凝縮器3の出力側と第2の膨張装置8の入力側とを接続する配管の途中経路に設置されており、この受液器4に溜められた気液2相流状態の冷媒が、後述する主冷媒配管の途中から分岐されている。そして、この受液器4に溜められた気液2相流状態の冷媒のうち、一方が第2の膨張装置8を介して内部熱交換器5の上側の入口、他方が内部熱交換器5の下側の入口に流入する。
【0035】
内部熱交換器5は、内部において、受液器4と膨張装置6とを結ぶ主冷媒配管と、第2の膨張装置8を介して受液器4と膨張装置6とを結ぶ副冷媒配管と、の2系統の冷媒配管が近接するように並べられており、この主冷媒配管を流れる冷媒とこの副冷媒配管を流れる冷媒との間で互いに熱交換が行われる。この結果、主冷媒配管から副冷媒配管へは熱が放出され、副冷媒配管から主冷媒配管へは熱が吸収されて、主冷媒配管を流れる冷媒の温度は低下し、副冷媒配管を流れる冷媒の温度は上昇する。
【0036】
第1の膨張装置6及び、第2の膨張装置8は、それぞれ主冷媒配管及び、副冷媒配管において冷媒を圧縮膨張させるよう膨張弁が使用される。インジェクション回路9は、この副冷媒配管を含みインジェクションポート16から圧縮機1内部へ注入される冷媒を加熱する。
【0037】
インジェクションポート16は、加熱ガス状態となった冷媒を圧縮機1内部へ注入するために圧縮機1の側面に形成されている。また、圧力センサ13及び、温度センサ14は、インジェクションポート16に近接して設置され、冷媒の圧力及び、温度を計測している。また、内部熱交換器5の入口にも温度センサ17が設置されている。さらに、外気温度センサ15は凝縮器3の近傍に配置されており、この凝縮器3近傍での空気温度を計測している。
【0038】
そして、制御装置18は、通信線等を介して第2の膨張装置8に接続されており、圧力センサ13及び、温度センサ14で得られた冷媒の情報をもとに、第2の膨張装置8の開閉動作を制御する。例えば、制御装置18は、上記圧縮機インジェクションポートから注入される冷媒が、過熱度20℃以上の加熱蒸気で、かつ、圧縮機内部での高低圧比の0.35以上となるように、上記第2の膨張装置8の開度を制御する。
【0039】
なお、凝縮器3が高温側の熱交換器に対応しており、凝縮器3で得られた高熱は2次側での高温用の熱源として利用される。同様に、蒸発器7が低温側の熱交換器に対応しており、蒸発器7で得られた低熱は2次側での低温用の熱源として利用される。
【0040】
まず、この実施例のP―H線(L)の概形を述べる。
本願発明の蒸気圧縮式冷凍サイクルの動作は後述されるが、その概要は図11に示された状態h,jが右側にシフトする点(高エンタルピー領域側にシフトしている)を除き、従来のP―H線図と同じであるので説明を省略し、従来との相違点を主体に図2で説明する。
【0041】
第2図におけるP―H線(L)の概形は、上辺が下辺よりも長い略不等脚台形の部分(前者)と、その不等脚台形の部分の右肩上がりの部分に接した平行四辺形部分(後者)との2つの図形が合成されたものである点は同じであるが、後者は前者の外側にある点が異なる。
また、図2中に位置しているaからjまでのそれぞれ(冷媒の状態)が、図1中の冷凍サイクルのaからjまでのそれぞれ(冷凍サイクルの構成上の位置)に対応している点は同じであるが、本願発明の蒸気圧縮式冷凍サイクルの動作は図2に対応している点が異なる。
【0042】
本願発明の蒸気圧縮式冷凍サイクルの動作期間を第一の期間(aからgに至るまでの期間)、第二の期間(gからhに至るまでの期間)、第三の期間(hからaに至るまでの期間)の3つの期間に区分けして考える。このうち、第一の期間と第三の期間は従来と同じである。ここでは、従来と異なる第二の期間(gからhに至るまでの期間)について、重点的に述べる。
【0043】
gからhに至るまでの期間中においては、状態gが一点鎖線に沿って横軸に平行な右方向に位置する状態hに移行する。これは冷媒が内部熱交換器5を通過する際に、冷媒が熱交換により熱を吸収し、この冷媒はそのエンタルピーを増加することに対応している。状態hでは、状態gと比較して、圧力Phが不変でPh=Pg,比エンタルピーがHhへと増加していることに対応している。ここで、hは飽和曲線(C)線の外側にある。
すなわち、点gから点hに至るまでの期間中においては、状態gが一点鎖線に沿って横軸に平行な右方向に図11で説明したよりさらに大きく動いている。これは、冷媒が内部熱交換器5を通過する際に、冷媒が熱交換により図11で説明したよりも多くの熱を吸収していることを示しており、この熱を吸収した冷媒がこのインジェクションポート16から供給され、圧縮機1の内部の冷媒のエンタルピーがさらに増加している。
【0044】
さらに、具体的に説明すると、先に第11図を用いて説明した従来のP―H線図よりも状態h,jが高エンタルピー領域側(右側)にシフトしている。即ち、本願発明実施の形態1では圧縮機1の内部で冷媒の比エンタルピーを増大していることがわかる。
【0045】
以上のように、上記蒸気圧縮式冷凍サイクル100に関する第2図のP―H線図のうち、それら二つの圧縮工程に対応する部分が共に、以下の3条件を満足する領域に存在する。
条件1:飽和液線と飽和蒸気線とからなる飽和曲線(C)の外側に位置する。
条件2:臨界圧力よりも下側に位置する。(換言すれば、P―H線(L)上の状態h,jが状態a,pよりも下側にある)
条件3:飽和蒸気線よりも充分に高エンタルピー領域側に位置する。(換言すれば、P―H線(L)上の状態h,jが状態iよりも右側にある)
すなわち、これは、制御装置18が、圧縮機1の内部で冷媒に吸入SHを充分に与えて、点jが飽和蒸気線よりも右側に位置するように膨張弁8の開閉動作を制御していることに他ならない。
【0046】
また、点aから点pに至る直線a―pの部分が、冷媒の吐き出し温度の上昇分ΔHを示している。(図3参照)。
【0047】
蒸気圧縮式冷凍サイクル100における、第2の膨張装置8の開度制御による冷媒温度の調節は、図4に示す処理手順(以下ステップS1〜ステップS5)を実施することで実現される。図4を参照しながら説明する。
【0048】
蒸気圧縮式冷凍サイクル100の運転指令がONになると、外気温度センサ15は、凝縮器3近傍での空気温度を検出する。(ステップS1)。
【0049】
制御装置18は、圧力センサ13から冷媒の圧力値を検出されるとともに、温度センサ15から冷媒の温度を取得する。この後、制御装置18は、圧力センサ13から得られた圧力値に基づき、その圧力における冷媒の飽和温度を算出する。(ステップS2)。
【0050】
上記ステップS2で冷媒の飽和温度の算出が完了すると、制御装置18はこの飽和温度と、内部熱交換器5の入口に設置された温度センサ17で得られた温度とを比較して冷媒の過熱度SHを算出する。(ステップS3)。ここで、過熱度SHは、内部熱交換器5の入口側での温度と、出口側での温度との温度差のことである。
【0051】
次に、過熱度SHとあらかじめ設定された目標値である過熱度目標値SHsとを比較し、その比較結果に基づいて、制御装置18は第2の膨張装置8の開度を決定する。
【0052】
過熱度SHと過熱度目標値SHsとを比較した結果、過熱度目標値SHsが過熱度SHよりも大きい(過熱度目標値SHs>過熱度SH)場合は、第2の膨張装置8の開度を小さくするように制御し、過熱度目標値SHsが過熱度SHよりも小さい(過熱度目標値SHs<過熱度SH)場合は、第2の膨張装置8の開度を大きくするように制御する(ステップS4)。
ここで、ステップS4において、制御装置18が第2の膨張装置8の開度決定及びその決定結果を第2の膨張装置8に指示する。
【0053】
上記ステップS4で、制御装置18は第2の膨張装置8の開度制御を実施した後、さらに、制御が必要かどうかを判断する。すなわち、蒸気圧縮式冷凍サイクル100の継続運転が必要であるかどうかを判断し、さらに継続運転が必要な場合は、YESへ進んでS1に戻り、継続運転が必要でない場合はNOへ進み、制御装置18による第2の膨張装置8の開度制御を終了する。(ステップS5)。
ここで、ステップS5は、第2の膨張装置8の開度を再度計算させるか、させないかを判断するステップである。
【0054】
以降、上記ステップS1〜S5の処理を繰り返し実施する。
【0055】
実施の形態2.
この発明の実施の形態2を示す蒸気圧縮式冷凍サイクル200では、システム構成、P―H線図、及び、制御フローは基本的に実施の形態1と同じであるので省略し、実施の形態1との相違点を主体に図5で説明する。
【0056】
本実施の形態2は、インジェクションポート16へ導入される副冷媒配管の近傍に、第2の加熱手段である送風式熱交換器10を新たに設置して、内部熱交換器5と送風式熱交換器10との2種類の加熱手段を用いてインジェクションポート16から圧縮機1内部へ注入する冷媒の加熱を実施する。
【0057】
このため、インジェクションポート16へ導入される副冷媒配管を流れるHFO冷媒に過熱度SHを付加することが容易となり、実施の形態1と比較して、圧縮機出口側での吐出温度の低下を防止し、さらに高効率な給湯・加温用冷凍サイクルを実現できる。
【0058】
さらに、本実施の形態2では、2種類の加熱手段を使用することに加え、第2の加熱手段である送風式熱交換器10にファンが付属しておりインバータにて回転数制御を行う。このため、熱交換器をコンパクトに設計しながら十分な熱交換量を得ることが可能で、所望の温度の過熱冷媒を圧縮機のインジェクションポート16から安定的に供給できる。本実施の形態2では、実施の形態1のP―H線図よりも状態h,jが高エンタルピー領域側(右側)にシフトする。
【0059】
また、実施の形態2に係わる冷凍サイクルは、送風式熱交換器10の熱交換器面積を増加させることで、上記ファンの設置を省略することも可能である。
【0060】
また、送風式熱交換器10に加えて制御盤の排熱を熱源として利用しても構わない(図7参照)。この場合、更なる過熱度SHを付加する効果が期待される。
なお、第6図に示されているように、制御装置18が、圧力センサ13及び、温度センサ14で検出された冷媒の検出値をもとに、第2の膨張装置8及び送風式熱交換器10を制御する際の制御信号の流れが示されている。
【0061】
実施の形態3.
この発明の実施の形態3を示す蒸気圧縮式冷凍サイクル300では、システム構成、P―H線図、及び、制御フローは基本的に実施の形態1と同じであるので省略し、実施の形態2との相違点を主体に図8で説明する。
【0062】
本実施の形態3では、実施の形態2の送風式熱交換器10と同じ位置に第2の加熱手段である循環式熱交換器11が設けられており、置き換えられている。すなわち、インジェクションポート16へ導入される副冷媒配管の近傍に、圧縮機1の排熱を回収した液体(空気もしくはブライン)との間で熱交換を行う第2の加熱手段である循環式熱交換器11及びポンプ12を新たに設置して、内部熱交換器5と、循環式熱交換器11との2種類の加熱手段を用いてインジェクションポート16から圧縮機1内部へ注入する冷媒の加熱を実施する。
【0063】
ここで、循環式熱交換器11は、副冷媒配管の近傍に圧縮機1の排熱を回収した液体(空気もしくはブライン)を利用して、副冷媒配管を流れる冷媒の加熱をする。ポンプ12は、圧縮機1と循環式熱交換器11との間を接続する配管の途中に配置されており、圧縮機1の排熱を回収した液体(空気もしくはブライン)を循環させている。
【0064】
このため、インジェクションポート16へ導入される副冷媒配管を流れるHFO冷媒に過熱度SHを付加することが容易となり、実施の形態1と比較して、圧縮機出口側での吐出温度の低下を防止し、さらに高効率な給湯・加温用冷凍サイクルを実現できる。本実施の形態3では、実施の形態1のP―H線図よりも状態h,jが高エンタルピー領域側(右側)にシフトする。
【0065】
なお、上記において、実施の形態3の変形例としてインジェクション回路9を圧縮機1に直接巻きつけて熱交換させることで、循環式熱交換器11及びポンプ12と、それに付随する(水もしくはブライン)からなる液体回路を省略することも出来る。ここで、実施の形態3の変形例は、液タイプの巻き付け型であるが、共に熱源が液タイプの加熱型であることに変わりはない。
なお、第9図に示されているように、制御装置18が、圧力センサ13及び、温度センサ14で検出された冷媒の検出値をもとに、第2の膨張装置8及び循環式熱交換器11、ポンプ12を制御する際の制御信号の流れが示されている。
【0066】
実施の形態4.
この発明の実施の形態4を示す蒸気圧縮式冷凍サイクル500では、システム構成、P―H線図、及び、制御フローは基本的に実施の形態1と同じであるので省略し、実施の形態1との相違点を主体に図10で説明する。
【0067】
実施の形態4は、受液器4内に溜められた気液2相流状態の冷媒のうち加熱蒸気となった気相状態のガス部分(気体冷媒)が、受液器4上部から第2の膨張装置8の入力側へ流れこむように、この気体冷媒用の出力経路を追加して、単一の加熱手段である内部熱交換器5内での熱交換効率を向上させる。
【0068】
実施の形態4の構成に関し、構成における実施の形態1乃至実施の形態3との違いは、受液器4上部にこの気体冷媒用の出力経路が新たに追加で設けられている点である。この冷媒配管の一端が受液器4上部の液面の近くに接し、他端が第2の膨張装置8の入力側と接続されている。そして、この受液器4に溜められた気液2相流状態の冷媒のうち、加熱蒸気となった気相状態のガス部分が、第2の膨張装置8の入力側へ流れこみ、第2の膨張装置8を介して内部熱交換器5の上側の入口へ流入し、液体部分が内部熱交換器5の下側の入口へ流入する。この後、内部熱交換器5の内部で、副冷媒配管を流れる冷媒と主冷媒配管を流れる冷媒との間で熱交換される。
【0069】
このため、内部熱交換器5において、インジェクションポート16へ導入される副冷媒配管を流れるHFO冷媒に過熱度SHを付加することが容易となり、実施の形態1と比較して、圧縮機出口側での吐出温度の低下を防止し、さらに高効率な給湯・加温用冷凍サイクルを実現できる。本実施の形態4では、実施の形態1乃至実施の形態3のP―H線図よりも状態h,jが高エンタルピー領域側(右側)にシフトする。
【0070】
以上のように、本願発明では、吐出温度が低くなる傾向があるHFO冷媒を用いた場合にも、圧縮機に中間インジェクションする冷媒の温度を適正な過熱状態に保ち、圧縮機の出口における吐出温度の低下の防止、ひいては冷凍サイクルの運転効率(COP)の改善することができる。
【0071】
ところで、上記説明では1台の凝縮器3と1台の蒸発器7とを接続した例を用いたが、複数台の凝縮器や、蒸発器が接続されても構わない。
【0072】
また、上記説明では、暖房運転を用いた例で説明したが、これを冷房運転に置き換えた場合でも同様の効果が得られるのは言うまでもない。なお、本システムは一例であって、本発明はこのシステム構成に限定するものではない。
【0073】
また、本願発明の蒸気圧縮式冷凍サイクルは、給湯利用分野のみならず、その他の分野に適用されても良い。
【0074】
この発明の主旨を逸脱しない範囲において、各実施例に開示された技術を適宜組み合わせても良いことは言うまでもない。
【符号の説明】
【0075】
1 圧縮機、2 四方弁、3 凝縮器、4 受液器、5 内部熱交換器、6 第1の膨張装置、7 蒸発器、8 第2の膨張装置、9 インジェクション回路、10 送風式熱交換器、11 循環式熱交換器、12 ポンプ、13 圧力センサ、14 温度センサ、15 外気温度センサ、16 インジェクションポート、17 温度センサ、18 制御装置、100,200,300,400,500 蒸気圧縮式冷凍サイクル
図1
図2
図3
図4
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図6
図7
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