【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 1.平成24年4月2日に行われた新聞発表1(日本経済新聞) 2.平成24年5月8日に行われた新聞発表2(読売新聞) 3.平成24年4月9日に行われた新聞発表3(全国賃貸住宅新聞) 4.平成24年5月23日に行われた新聞発表4(西日本新聞) 5.平成24年5月22,23日に行われた展示発表1(第7回賃貸住宅フェア2012in福岡) 6.平成24年7月24,25日に行われた展示発表2(第18回賃貸住宅フェア2012in東京) 7.平成24年6月1日に行われた展示発表3(ヤーコン販売用ショップ) 8.平成24年6月1日に行われた展示発表4(販売用見本)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、移動式建屋Aの具体的な構造について
図1〜
図7を参照して説明する。
図1に示すように、本発明に係る移動式建屋Aは、施設の立地が困難な平坦スペース、例えば、極小地、大型スーパ等の駐車場、コインパーキング、広場等に載置可能とするもので、床体、天井体、4つの壁体からなり、4つの壁体の少なくともいずれかに出入口Kを備えると共に直方体形状をなすようにしたものである。
【0020】
ここで、前記平坦スペースの具体例としては、例えば、駐車場又はコインパーキングの場合には、通常は車を駐車するための駐車スペースであり、その駐車スペースに建物を立設することができない場所をいう。また、極小地の場合には建物を立設するスペースが少ない場所をいう。
【0021】
本発明に係る移動式建屋Aは、箱のような直方体を有しており、前記場所に箱を載置するように立設するだけで建築基準法による建築確認を受けることができるものである。そして、前記場所に設置する移動式建屋Aは、店舗として利用したり、住居として利用したりすることができる。また、移動式建屋Aは、移動用のキャスタを床体に備えることで最適な場所に移動可能としたものである。さらに、床体に重錘を取り付けているので、移動式建屋を設置場所で載置固定することでき、建築基準法による建築確認を受けることができる。
【0022】
(移動式建屋の全体構造)
図1(a)は、移動式建屋の全体構造を示す平面図であり、
図1(b)は、その側面図であり、
図1(c)は、その正面図であり、
図1(d)は、その背面図である。
移動式建屋Aは、
図1(a)〜
図1(d)に示すように、建屋本体10と、この建物本体の周囲に固定フレーム11を配設して構成したものである。まず、固定フレーム11の構造について説明する。
【0023】
固定フレーム11は、床フレーム20、柱フレーム21及び天井フレーム22を組み合わせて直方体形状に形成したものである。具体的には、
図1(b)〜
図1(c)に示すように、固定フレーム11は、例えば、平面視矩形枠状に構成した床フレーム20と、平面視矩形枠状に構成した天井フレーム22と、前記床フレーム20及び天井フレーム22の4隅同士を連結する4本の柱フレーム21とからなる。
【0024】
図2(a)は、床フレーム20の構造を示す平面図であり、
図2(b)は、その側面図であり、
図2(c)は、その正面図である。
床フレーム20は、
図2(a)に示すように、左右長辺側に横架させた長辺側梁20aと、その長辺側梁20aの端部から建屋内方の位置であって、左右短辺側に横架させた短辺側梁20bと、左右長辺側梁20a間に横架させた3本の横架梁20cとからなる。床フレーム20は、鉄鋼柱からなる角パイプにより構成している。
【0025】
すなわち、床フレーム20は、前後左右で角パイプを繋ぎ合わせて平面視で略矩形枠状に構成している。その略矩形枠状に構成した床フレーム20内には
図1(a)に示す床パネル17aを配設可能としている。そして、
図1(b)に示すように、床フレーム20と床パネル17aとで床体17を構成している。床フレーム20の底部には、
図2(b)に示すように、以下に説明するキャスタ15やアジャスタ16を有している。
【0026】
図3(a)は、天井フレーム22の構造を示す平面図であり、
図3(b)、その側面図であり、
図3(c)は、その正面図である。
図3(a)〜
図3(c)に示すように、天井フレーム22は、床フレーム20の4隅に立設した4つの柱フレーム21の上端部に配設されるものである。天井フレーム22は、
図3(a)に示すように、左右長辺側に横架させた長辺側梁22aと、その長辺側梁22aの端部から建屋内方の位置であって、左右短辺側に横架させた短辺側梁22bと、長辺側梁22a間の中央に横架させた中央梁22cとからなる。柱フレーム21及び天井フレーム22は、鉄鋼柱からなる丸パイプにより構成している。
【0027】
なお、本実施形態では床フレーム20と柱フレーム21と天井フレーム22とを直方体形状に形成したものであるが、この形態に限られず、例えば、床フレーム20のみで構成し、床フレーム20上に左右前後の壁体18と天井体19とを組み合わせて直方体形状に形成することもできる。
【0028】
次に、建屋本体10について説明する。本実施形態における移動式建屋Aは、固定フレーム11の内方であって、床パネル17a上に建屋本体10を配設可能としている。すなわち建屋本体10は、床体17、壁体18、天井体19等を組み立てて直方体形状に形成して構成したものである。
【0029】
図1(a)に示すように、床体17は、床フレーム20を構成する角パイプ上に複数枚の床パネル17aを貼り合わせて構成したものである。床パネル17aの数や大きさはその床フレーム20全体の大きさによって適宜決定される。
【0030】
そして、
図1(a)に示すように、床パネル17a上には4本の柱12を立設し、柱12間に正面、背面、左右側面を構成する壁体18を配設している。壁体18として、出入口K、鋼製パネル、木製パネル、アルミサッシ、固定金具等を挙げられる。
【0031】
また、
図1(b)〜(d)に示すように、これらの壁体18の上端部に下記に説明する連結部材30を介して天井体19を配設している。天井体19として、天井パネル、幕板29、連結部材30、補強材及び固定金具等が挙げられる。
図6に示すように、連結部材30については後で詳説する。
【0032】
前記床体17、壁体18及び天井体19及び固定フレーム11は、設置現場において組み立てできるノックダウン方式を採用したものである。したがって、これらのパーツをストックする場所を取らず、組み立て場所までの輸送コストを抑えることができる。
【0033】
しかも、移動式建屋Aは、設置場所において短時間で組み立てることができる。また、その解体も短時間で可能である。これにより、短時間で店舗として開業させることができる。このように、移動式建屋Aは、例えば、不定期に開催されるイベント等に出店する店舗として利用することができる。
【0034】
図1に示すように、移動式建屋Aは、例えば、横が略2500mmであり、縦が略4000mmであり、高さが略2500mmの長方体の形状を有している。前記数値はあくまで例示であり、それらの数値に限定されない。
【0035】
また、本実施形態における移動式建屋Aは、そのままの形態で車の荷台に載せて移動可能である。上記数値の大きさを有する移動式建屋Aであれば、トラックの荷台に載せても道路交通法の基準高さ3.8m以内に納めることができる。
【0036】
移動式建屋Aは、
図1に示すように、その内部に出入りする出入口Kを壁体18の前側、後側、右側及び左側の少なくともいずれかに有する。すなわち、店舗の形態によって、出入口Kは、例えば、壁体18の前側、後側又は左右側のいずれかに配設したり、若しくは2以上の壁体18に配設したりすることができる。
【0037】
また、出入口Kは、引き戸、開き戸、回転扉、折戸等のいずれかを配設することができ、手動又は自動ドア等も配置可能としている。また、出入口Kの開く方向、例えば、観音開き、片開き、スライド等するタイプを適宜選択可能である。
【0038】
また、床フレーム20の前部には、出入口Kの下方に位置する箇所に踏板44を配設している。すなわち、
図1(a)に示す移動式建屋Aは、左側面に出入口Kを備えたものであり、その出入口K下方の床部に踏板44を配設している。また、
図1(b)に示すように、出入口Kの上方には庇45を配設している。
【0039】
(移動式建屋の移動構造)
次に、移動式建屋Aの移動構造について説明する。
図2及び
図4は、キャスタ15とアジャスタ16を備えた床フレーム20の構造を示す説明図である。
図4に示すように、床フレーム20には、移動式建屋Aが移動可能とするためのキャスタ15を配設している。
【0040】
キャスタ15は、
図2及び
図4に示すように、床フレーム20の4隅部に設けたキャスタ専用フレーム20dにそれぞれ配設している。また、床フレーム20中央に横架した横架梁20cのキャスタ専用フレーム20dにもキャスタ15を取り付けている。
【0041】
各キャスタ15は、角パイプである床フレーム20の上壁部分に取付支持体26の上端部をそれぞれ取り付けている。取付支持体26は前記床フレーム20の上壁部分に垂直軸回りに回転自在に取り付けている。これにより、床フレーム20に対してキャスタ15を回転自在としている。また、取付支持体26を床フレーム20から下方に突出させ、取付支持体26内に車輪15aを回転自在に取り付けている。これにより、
図4に示すように、移動式建屋Aはキャスタ15により移動可能としている。
【0042】
また、床フレーム20の各長辺側梁20aの両端側の底部及び中央部の底部には、移動式建屋Aをその場所で固定するためのアジャスタ16を取り付けている。アジャスタ16は、縦螺杆14と接地板13と操作用ハンドル24とからなる。
【0043】
すなわち、パイプ状の柱フレーム21の下端にアンカープレート23aを固定し、更に、アンカープレート23aを床フレーム20の上面には縦杆25を介して固定し、更には、アジャスタ受け板23bを床フレーム20の下面には縦杆25を介して固定している。
【0044】
しかも、床フレーム20の下面からパイプ状の柱フレーム21に亘って縦螺杆14を回転不能に挿貫しており、縦螺杆14の下端には接地板13を連設し、縦螺杆14の中途には操作用ハンドル24を螺合し、操作用ハンドル24の上側面は床フレーム20下面のアジャスタ受け板23bと常に当接し、床フレーム20を昇降しながら地上面に支持する。
【0045】
そして、操作用ハンドル24を回転させることで、縦螺杆14に沿って床フレーム20をアジャスタ受け板23bを介して昇降させることができる。すなわち、
図2に示すように、底面視して右回りに回転させることで、縦螺杆14に沿って操作用ハンドル24を上昇させることにより床フレーム20を上昇させ、左回りに回転させることで操作用ハンドル24を降下させることにより床フレーム20を降下させることができる。
【0046】
また、床フレーム20の高さ位置を各アジャスタ16により変更することができるので、キャスタ15を接地面から浮かし、その高さ位置において建屋をその場所に固定することができる。すなわち、アジャスタ16は留め具としても機能する。また、移動式建屋Aは、アジャスタ16の高さを調節してキャスタ15の車輪15aを接地させることで移動可能である。
【0047】
さらに、複数のアジャスタ16は、それぞれの高さ位置を変更可能としている。これにより、移動式建屋Aの屋根が平坦であっても、アジャスタ16の高さ位置を変更すれば、屋根に勾配を設けることができる。例えば、雨が降った場合には、左右のいずれかのアジャスタ16の高さ位置を変更すれば屋根に勾配を設けることができ、屋根に溜まる雨水を一方向に流すことができる。
【0048】
また、勾配を有する接地面に移動式建屋Aを設置すると、移動式建屋Aが勾配に応じて傾いた状態となる。そこで、移動式建屋Aは、アジャスタ16の高さ位置を調節することで移動式建屋Aを略水平にして設置できる。すなわち、接地面が高位置にあるアジャスタ16よりも、接地する設置面が低位置にあるアジャスタ16の操作用ハンドル24の位置を高く設定することで、移動式建屋Aを略水平にすることができる。
【0049】
このように、本実施形態における移動式建屋Aは、アジャスタ16を留め具として利用して一定の高さ位置で支持されると共に、床体17に重錘27を取り付けているので、建屋を固定するアンカーボルト等を埋め込む必要がないし、その埋め込みのための掘削等も必要がない。しかも、重錘27により設置場所において移動式建屋Aを固定させることができるので、建築基準法による建築確認を受けることができる。
【0050】
(移動式建屋の重錘構造)
図5は、移動式建屋Aに重錘27を設置した状態を示す説明図である。
本実施形態における移動式建屋Aは、
図5に示すように、床フレーム20には重錘27を配設することができる。重錘27は、例えば、容器に入れた液体、コンクリート、又は鉄板等が挙げられる。容器に入れた液体による重錘27とは、例えば、所定容量を有するタンクをボルト・ナット28で床フレーム20に取り付け、そのタンク内に水、塩水、比重の重いゲル等の液状体を充填して構成したものである。
【0051】
このように、移動式建屋Aは床フレーム20に重錘27を設けているので、風により移動式店舗が移動したり、転倒したりするのを防止することができる。また、移動の際には床フレーム20から重錘27を取り外し、またはタンクとなる重錘27の場合にはタンク内の内容物を排斥すれば移動が簡単に行える。
【0052】
(移動式建屋の詳細な取付構造)
次に、移動式建屋Aの詳細な取付構造について説明する。
本実施形態における移動式建屋Aは、天井パネル31と壁パネル32との間に特別な連結部材30を有してノックダウン方式で組み立てるようにしている。
【0053】
図6(a)は、連結部材30を用いて天井パネル31と壁パネル32とを連結する前の状態を示す断面図であり、
図6(b)は、連結部材30を用いて天井パネル31と壁パネル32とを連結した状態を示す断面図である。
連結部材30は、
図6(a)及び
図6(b)に示すように、天井パネル31端部と壁パネル32端部とを内外からそれぞれ繋ぐ略L字状の内外隅部繋ぎ金具と、各内外隅部繋ぎ金具の角部に挿通する締付ボルト35と、締付ボルト35の先端に螺合する固定ナット37と、を備えている。
【0054】
すなわち、内外隅部繋ぎ金具は、略L字状の剛性な金属板で構成しており、天井パネル31端部と壁パネル32端部との間の内側に配設してこれらを繋ぐ内側隅部繋ぎ金具33と、天井パネル31端部と壁パネル32端部との間の外側に配設してこれらを繋ぐ外側隅部繋ぎ金具34と、で構成している。
【0055】
締付ボルト35は、前記内側隅部繋ぎ金具33の角部と前記外側隅部繋ぎ金具34の角部とを連結するものである。締付ボルト35は、これらを結ぶように略45°の角度を有して連結される。
【0056】
固定ナット37は、例えば長ナットを使用可能としている。固定ナット37は、外側隅部繋ぎ金具34の内面に溶接等で固設されている。そして、この固定ナット37には締付ボルト35の先端側を螺合可能としている。
【0057】
この連結部材30により連結するにあたっては、まず、天井パネル31端部と壁パネル32端部との間の内側に内側隅部繋ぎ金具33を配設してこれらを繋ぐ。すなわち、内側隅部繋ぎ金具33を逆L字にして、上側片を天井パネル31端部と繋ぎ、下側片を壁パネル32端部と繋ぐ。また、同様に天井パネル31端部と壁パネル32端部との間の外側にも外側隅部繋ぎ金具34を配設してこれらを繋ぐ。
【0058】
次いで、締付ボルト35を、内側隅部繋ぎ金具33内面に設けた孔部33aにその先端側より挿通させると共に、外側隅部繋ぎ金具34内面に固設した固定ナット37に螺合することにより、内側隅部繋ぎ金具33と外側隅部繋ぎ金具34を連結する。
【0059】
そして、固定ナット37に螺合した締付ボルト35を締付けることで内側隅部繋ぎ金具33及び外側隅部繋ぎ金具34を挟持し、これらに挟持した天井パネル31端部と壁パネル32端部とを連結することができる。
【0060】
したがって、連結部材30は、天井パネル31と壁パネル32との間で簡単に取り付けできると共に、しかもこれらを強固に連結することができる。なお、
図6に示すように、外側隅部繋ぎ金具34と天井フレーム22とは補強具38で連結されている。
【0061】
(移動式建屋の拡縮調整機構)
図7(a)は、拡縮調整機構40を有する移動式建屋の全体構造を示す平面図であり、
図7(b)は、その側面図であり、
図7(c)は、その正面図であり、
図7(d)は、その背面図である。
次に、移動式建屋Aは、天井フレーム22及び床フレーム20を構成する部材を分割し、ジョイント部材を介してその分割した部材をスライド可能に嵌合させることで建物の大きさが変更できる拡縮調整機構40を設けている。拡縮調整機構40は、建屋の中央部分に配設されており、例えば、天井フレーム22の長さ変更可能としている。
【0062】
具体的には、
図7(a)〜
図7(d)に示すように、左右の天井フレーム22を構成するサヤ管材41を左右に分割し、その分割したサヤ管材41の内部にそれぞれ芯材42を挿嵌する。分割した左右のサヤ管材41は、ジョイント部分である芯材42に外嵌した状態で、それぞれ左右にスライド自在としている。これにより、天井フレーム22の長さを変更することができ、建屋の大きさを変更することができる。
【0063】
また、天井フレーム22は、芯材42に対してサヤ管材41をスライドさせた所定位置で位置合わせして固定用ボルトにより固定できるようにしている。このため、固定用ボルトを挿通するための挿通孔(図示せず)を芯材42とサヤ管材41とに穿設している。これにより、所定長さに変更した位置で芯材42に対してサヤ管材41がずれたりするのを防止している。
【0064】
拡縮調整機構40は、前記天井フレーム22と同様に、床フレーム20にも配設することができる。したがって、移動式建屋Aの大きさは天井フレーム22及び床フレーム20を構成するジョイント部材(芯材42)の長さ分だけ左右に拡張・縮小することができ、その拡張範囲にて建物の大きさを変更可能としている。
【0065】
そして、前記拡張範囲でその内部に立設した建屋本体10の大きさも変更可能である。すなわち、建屋本体10を構成するアルミサッシの幅や幕板29の長さや床パネルの大きさも変更可能である。
【0066】
しかも、拡縮調整機構40は、建屋の前後又は左右のいずれかに設けることができる。これにより、建屋の短辺側の幅を拡張・縮小したり、又は長辺側の幅を拡張・縮小したりすることができる。移動式建屋Aの大きさは、建屋を設置するスペース、店舗使用目的、又は客の収容スペース等の利用に応じて調整可能である。
【0067】
(移動式建屋内のレイアウト)
次に、上記のような構造を有する移動式建屋Aについて、具体的なレイアウトについて
図8〜
図12を参照して説明する。
【0068】
移動式建屋Aは、店舗として、又は住居として利用することができる。店舗としては、飲食用店舗50、テイクアウト式店舗60、物販用店舗70、ファーストフード、アンテナショップ、事務所、災害事務所、医院、調剤薬局等が挙げられる。
【0069】
飲食用店舗50としては、ラーメン、たこ焼き、お好み焼き屋等が挙げられる。食堂式店舗には厨房スペース及び飲食スペース等を配設している。その厨房には、流し台スペース、食器具洗浄スペース等を配設している。また、飲食スペースには、客が着席する椅子及びテーブルが配設されている。
【0070】
以下、移動式建屋A内の具体的な店舗レイアウトについて説明する。
図8は、うどんやラーメン等の麺を店舗内で飲食する飲食用店舗50のレイアウトを示す平面図である。
【0071】
飲食用店舗50は、
図8に示すように、食堂内の左スペースを店の客を収納する客収納スペース51としている。この客収納スペース51には、客が食するテーブル53、椅子等の飲食スペース54を配設している。これに対して、右スペースは店員スペース52としている。店員スペース52には、シンク55やガスコンロ56等が配設されている。さらに、店員や客が使用するトイレT等も配設されている。客が出入する出入口57は、平面視で左側面に設けて、店員スペース用出入口58やトイレ用出入口59は右側面に設けている。
【0072】
次に、飲食用店舗50とは別にテイクアウト式店舗60としても利用することができ、テイクアウト式店舗60としては、たこ焼き、お好み焼き等を販売できる店舗として利用できる。
【0073】
図9は、たこ焼きやファーストフードのテイクアウト式店舗60のレイアウトを示す平面図である。
図9に示すように、テイクアウト式店舗60では、店舗内の左スペースを店の客を収納する客収納スペース51としている。この客収納スペース51には、カウンター64等を配設している。また、右スペースは上記飲食用店舗50と同様の店員スペース52としている。
【0074】
図10は、物販用店舗70のレイアウトを示す平面図である。
図10に示すように、物販用店舗70内の左スペースを店の客を収納する客収納スペース51としている。この客収納スペース51には、ショーケース61、記帳台62等を配設している。また、右スペースは上記飲食用店舗50と同様の店員スペース52としている。
【0075】
図11は、住居タイプ80のレイアウトを示す平面図である。
すなわち、
図11に示すように、建屋内の左スペースをリビングスペース65としている。このリビングスペース65には、ベッド66やテレビ(図示せず)等を配設している。また、右スペースにはユニットバスUBやガスコンロ67等を配設している。
【0076】
このように、本実施形態における移動式建屋Aは、様々な形態を有する店舗として利用することができる。そして、店舗の業務や顧客の状況に応じた様々なレイアウトとすることができる。
【0077】
上記では、移動式建屋Aに出入りするための出入口Kは、上記実施形態では短辺側の左側面に設けているが、長辺側の左右側面にも設けることができる。
図12は、その出入口を長手方向に配設した飲食用店舗90のレイアウトを示す平面図である。
【0078】
すなわち、飲食用店舗90では、
図12に示すように、客が出入する出入口57は、平面視して下側面に設けて、店舗内の下スペースを店の客を収納する客収納スペース51としている。このように、
図12に示すように、客収納スペース51を左右に幅広く取ることができる。この客収納スペース51には、客が食するテーブル53、椅子等の飲食スペース63を配設している。また、上スペースは店員スペース52としている。さらに、店員スペース用出入口58やトイレ用出入口59は建屋の右側面側に設けている。
【0079】
飲食用店舗50等内の設備として、例えば内部カウンター、家具類、棚等があり、それらのパーツをモジュール化することができ、用途にあった空間を演出する構造を持たせることができる。
【0080】
また、上記建屋内には、給排水、電気、換気設備、インターネット設備を基本として据え付けることができる。排水は圧力ポンプを使用して通常の下水管まで圧送するようにしているため、排水管のために地面を掘削する必要がない。
【0081】
このように、極小な建屋内においても、飲食用店舗50、テイクアウト店舗及び物販用店舗70等の態様とすることができ、また、様々な店舗に応じたレイアウトとすることができる。
【0082】
また、移動式建屋Aを構成する壁体18や天井体19の外壁部分に複数個のLEDを設置したり、表示パネルを設置したりする等して、これらを用いて店舗に関する情報を点灯又は表示させることにより、移動式建屋Aの建屋自体を広告塔として使用することができる。
【0083】
さらに、移動式建屋Aは、前記場所に置くだけで店舗を開設することができるので、初期投資が少なく、若者或いはノウハウを有する人が新しい事業を展開しやすいメリットを備えている。
【0084】
図13は、コインパーキングにテイクアウト式の移動式店舗Aを配置した状態を示す説明図である。
図13に示すように、通常はコインパーキングとして車両を駐車する駐車スペースP上に、車両が駐車していない場合には移動式店舗Aを配置することができる。駐車場は無人である場合が多く車を安心して止めにくいが、駐車スペースPに多くの店舗を配置することで、人の気配を高めることができ、安心して車を駐車することができる。しかも、空き駐車場や稼働率の悪いコインパーキング、遊休地等での配置にも活用できる。
【0085】
以上のように、移動式建屋Aは最小室内空間を有すると共に、この室内空間に施設設備はすべて完備することができ、極小なスペースにおいても店舗空間を提供することができる。
【0086】
以上、本発明の実施の形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。