(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下図示の好適な実施の形態に基づいて本発明を詳述する。
図1は、本発明に係わる画像形成システムの全体構成を示し、シート上に画像形成する画像形成装置Aと、この装置Aで画像形成されたシートを綴じ処理、ジョグ区分け処理など後処理を施して下流側のスタックトレイ15に収納する後処理装置Bで構成されている。シート収納装置Cは後処理装置Bに内蔵されている。
【0022】
画像形成装置Aは、後述する静電印刷機構のほか、インクジェット印刷機構、オフセット印刷機構など種々の画像形成機構が採用可能である。後処理装置Bは、後述するステープル綴じ処理のほか、紙折り装置、マガジン折り装置、パンチ穿孔装置、スタンプ捺印装置などの処理機構が採用可能である。
【0023】
[画像形成装置]
図1に示す画像形成装置Aは、図示しないコンピュータ、ネットワークスキャナなどの画像ハンドリング装置に連結され、これらの装置から転送された画像データに基づいて指定されたシートに画像を形成して所定の排紙口6から搬出する。この排紙口6にはシートを積載収納する排紙トレイが設けられている。この排紙トレイに代えてオプション装置として後処理装置Bを装着するようになっている。また、このようなネットワーク構成以外に画像形成装置Aは、複写機、ファクシミリとして構成され、原稿スキャニングユニットで画像読取したデータに基づいてシート上に画像を複写形成するように構成する。
【0024】
画像形成装置Aにはハウジング1に複数の給紙カセット2が準備され、選択されたサイズのシートをカセットから下流側の給紙経路3に給送する。この給紙経路3には画像形成機構(画像形成部)4が設けられている。この画像形成機構4としては、インクジェット印刷機構、静電印刷機構、オフセット印刷機構、シルクスクリーン印刷機構、リボン転写印刷機構などが知られている。本発明はいずれの印刷機構も採用可能である。
【0025】
画像形成機構4の下流側には排紙経路5が設けられ、ハウジング1に配置した排紙口6(以下本体排紙口という)からシートを搬出する。なお、印刷機構によっては排紙経路5に定着ユニット4aが内蔵されている。このように給紙カセット2から選択されたサイズのシートを画像形成部4に送り、画像を形成した後に排紙経路5から本体排紙口6に搬出する。このほか、ハウジング1内にデュープレックス経路(不図示)を配置し、画像形成部4でシートの表面に画像形成した後、このシートを表裏反転して再び画像形成部4に循環給送することも可能である。
【0026】
前記本体排紙口6には、後述する後処理装置Bが連結されている。また、ハウジング1にはスキャナユニット7と、このスキャナユニット7に原稿シートを給送する原稿給送ユニット8が組み込まれている。この場合のスキャナユニット7は、プラテン上に載置若しくはフィーダ機構から給送した原稿シートを、スキャにングして画像読取し、その読取データを画像形成装置Aに転送する。また、原稿給送ユニット8はスキャナユニット7のプラテンに原稿シートを給送するフィーダ機構を備える。
【0027】
[後処理装置]
図1の後処理装置Bは、画像形成装置Aの排紙エリア9にオプション装置として内蔵されている。本発明はこのようなインナーフィニッシャ構造に限らず、スタンドアロン構造として構成され、画像形成装置Aの排紙口6に連結しても良い。
図2はインナーフィニッシャ構成の後処理装置Bの斜視構成を示している。ユニットを構成するハウジング10は画像形成装置Aの排紙エリア9に内蔵される寸法形状に構成されている。
【0028】
図3にその断面構成を示すが、後処理装置Bは画像形成装置Aからシートを搬入するシート搬入経路11と、経路下流側に配置されたスタックトレイ15を備えている。このシート搬入経路11の経路排紙口13(以下単に「排紙口」という)とスタックトレイ15の紙載面15aとの間には高低差hの段差が形成されている。この段差hは許容最大収納量に設定してある。なお図示のスタックトレイ15は、シートの積載量に応じて積載方向に上下動することなく所定の段差に固定されたスタック構造を採用している。これは装置構成を小型コンパクトに形成し、限られたスペースの排紙エリア9に収容するためである。従って装置コストと収容スペースが許される場合には、スタックトレイをシート積載方向に昇降する昇降トレイ構造を採用しても良い。この場合、バネ等の弾性部材を用いて排出されたシートの重さに応じてトレイを昇降してもよいし、トレイを昇降させる駆動を用いてもよい。
【0029】
シート搬入経路11はハウジング10に略水平方向に配置され、搬入口12から排紙口13にシートを搬送する。このためシート搬入経路11は、シートの搬送ガイドと所定間隔に配列された複数の搬送ローラ14aと、シートの先後端を検出する搬入センサSe1と排紙センサSe2が設けられている。そして搬送ローラ14aは搬送モータM1に連結されている。図示14bは経路出口端に配置された排紙ローラであり、上記搬送ローラ14aと同一の搬送モータM1に連結されている。
【0030】
[スタックトレイ]
図2に従ってスタックトレイ15の構成について説明する。スタックトレイ15は装置フレーム10(ハウジング;以下同様)に固定され、排紙口13から送られたシートを積載収容する紙載面15aを有している。図示の装置は合成樹脂のモールド成形でシートを載置するトレイ形状で装置フレーム10に固定されている(片持支持構造)。排紙口13と紙載面15aとの間には高低差hを有する段差が形成してあり、排紙口13と紙載面15aとの間は後端規制面16と側縁規制面17が壁面構造で設けられている。この各規制面は紙載面上に積載したシートの後端面を後端規制面16が、側端面を側縁規制面17が規制する。
【0031】
なお、スタックトレイ15の紙載面15aは排紙口13との間に高低差hを有する固定トレイ構造で構成されている。このとき高低差hは収容可能な最大積載量に適合する高さに設定されている。この他、スタックトレイ15は装置フレーム10にシート積載方向に上下動可能に構成し、排紙口13から搬出されたシートの積載量に応じて紙載面15aの高さ位置を上下調整する昇降トレイ構造を採用しても良い。
【0032】
[サブトレイ]
図3に示すように、排紙口13と、紙載面15aとの間にはサブトレイ18が配置されている。このサブトレイ18は排紙口13から紙載面15aに落下するシートを、その中間位置で一時的に載置支持して後処理を施した後に紙載面15aに収納する。この後処理の構成については後述する。
図4は排紙口13とスタックトレイ15の平面構成を示し、シート搬入経路11を構成する搬送ガイドを省略した模式図である。同図右側から左側に向けてシート搬入経路(不図示)が配置され、搬送ローラ14aと排紙ローラ14bで搬入口12から進入したシートを排紙口13に移送する。排紙口13に送られたシートはスタックトレイ15の紙載面15aに集積され、端面を後端規制面16に規制されて積載されるようになっている。
【0033】
サブトレイ18は、排紙口13から送られたシートを部分的に支持してその位置にシートを保持する。図示のサブトレイ18は排紙方向にシート後端を支持する後端サポート部材19(第1サポート部材)と、シートの一側端部(図示のものは右側縁部)を支持する側縁サポート部材20(第2サポート部材)とで構成されている。
図5において、後端サポート部材19は、スタックトレイ15の後端規制面16からトレイ内側にDxだけ突出し、側縁サポート部材20は側縁規制面17からトレイ内側にDyだけ突出している。そして突出量Dx(第1サポート突出量)とDy(第2サポート突出量)は、最大サイズから最小サイズ及び最大坪量から最小坪量のシートを、いずれも両サポート部材上に載置して支持可能な面積に形成してある。
【0034】
また、上記第1サポート部材19および第2サポート部材20はトレイ内部に突出した位置Apからトレイ外部に退避した退避位置Wpに移動可能に構成されている。つまり、第1サポート部材19は、トレイ内部に突出した作動位置Apからトレイ外(シート後端規制面16内側;
図4右側)に退避した退避位置Wpとの間で往復動する。同様に上記第2サポート部材20は、トレイ内部に突出した作動位置Ap(図示位置)からトレイ外(シート側縁規制面17内側;
図4手前側)に退避した退避位置Wpとの間で往復動する。このスライド構造は種々の機構が採用可能であるが、図示のものはプレート形状の第1第2サポート部材19、20を装置フレーム10に形成したガイドレール(不図示)にスライドコロなどで摺動可能に嵌合している。
【0035】
[シフト機構]
上述の第1サポート部材19には第1シフト手段21が、第2サポート部材20には、第2シフト手段22がそれぞれ装備され、各サポート部材を作動位置Apと退避位置Wpとの間で往復動可能に駆動している。第1シフト手段21と第2シフト手段22は同一の構成を採用している関係でその1つについて説明する。
図5は第1第2サポート部材19、20とシフト手段21,22との関係を示す説明図であり、同図に従って説明すると、第1サポート部材19には、その背面側にラック21rが一体に形成してあり、装置フレーム10に固定した第1シフトモータSM1と、これに連結したピニオン21pで、サポート部材19が往復動する。
【0036】
つまり、サポート部材19に一体に形成したラック21rを第1シフトモータSM1の正逆転でピニオン21pを介して往復動する。図示21fはサポート部材19に配置したセンサフラグであり、装置フレーム10に配置したポジションセンサPs1でサポート部材19の位置(例えばホームポジション)を検出する。なお、シフトモータSM1は正逆転可能なステッピングモータで構成され、例えばPMW制御でサポート部材19を所定量所定方向に移動する制御が可能となっている。第2サポート部材20についても同一の構成で第2サポート部材20を作動位置Apから退避位置Wpに移動するようになっている。このため第2サポート部材20には第2シフトモータSM2と、第2ピニオン22pと、第2ラック22rと、第2ポジションセンサPs2と、第2センサフラグ22fが設けてある。
【0037】
図4および
図5で説明したように排紙口13にはスタックトレイ15との間にサブトレイ18が配置され、図示のサブトレイ18は第1サポート部材19と第2サポート部材20で構成されている。また各サポート部材19,20はそれぞれシフトモータSM1、SM2で、排紙口13からスタックトレイ15に至るシートの移動経路(落下軌跡)に対し経路(移動軌跡)内の作動位置Apから、経路(移動軌跡)外の待機位置Wpに移動する。図示23は後処理ユニットであって第1第2サポート部材19、20上に部揃い集積されたシート束を綴じ処理するステープルユニットである。
【0038】
このステープルユニット23(後処理手段;以下同様)は、種々の構造が知られているのでその説明を省くが、カートリッジに収納されたブランク針をコの字状に折り曲げてシート束に刺入し、その針先をアンビルで折り曲げる。なお、このステープルユニットに代えて、或いはこのユニット共に、部揃えしたシート束にパンチ穴を穿孔するパンチユニット、スタンプユニットを装備することも可能である。
【0039】
[規制ストッパ]
前述のサブトレイ18(第1第2サポート部材19、20)には、載置支持持したシートの端縁を位置規制するストッパ部材が設けてある。第1サポート部材19には、シート後端を規制する後端規制ストッパ24が、第2サポート部材20には、シート側縁を規制する側縁規制ストッパ25が配置してある。図示の各規制ストッパ24,25は、それぞれ間隔を有する複数の遊動コロ24a、24bおよび遊動コロ25a、25bで構成され、装置フレーム10に回転可能に軸支してある。
【0040】
そして各遊動コロ24(25)はシートの縁辺に係合してシートが移動するとその移動方向に回動する。この場合複数のコロを所定方向に強制的に回転させることによってシートの整合をより正確に、且つ迅速に行わせることが可能となる。例えばコロ24aとコロ24bをベルトで連動させ、このベルトに駆動モータ(不図示)を連結する。このように構成することによってシートには後述するアライニング搬送手段26と協働してシートを整合方向に移動させ、より正確な位置に整合する。この他、規制ストッパ24、25は、段差面で形成しても良く、例えば各サポート部材に一体に段差部、突起などを形成しその端面を規制面とするなど種々の構造が採用可能である。
【0041】
上記各規制ストッパ24、25は、後述する第2排紙モードのときにはシート後端をストッパ24に、シート側縁をストッパ25に突き当て規制してシートを綴じ処理位置に位置決めする。また後述する第3排紙モードのときにはシート側縁をストッパ25に突き当て規制してシートをジョグオフセット位置に位置決めする。なお、この第3排紙モードのとき図示の実施形態では、シート側縁と同時にシート後端縁をストッパ24に突き当て規制しているが必然の構成ではない(つまり第3排紙モードのとき後端規制ストッパ24を第1サポート部材19から退避させても良い)。
【0042】
[アライニング搬送手段の構成]
図4に示すように第1第2サポート部材19、20に載置して支持されたシートを後端規制ストッパ24と側縁規制ストッパ25に向けて移送するアライニング搬送手段26が装置フレーム10に配置されている。排紙口13に排紙ローラ14bで搬出されたシートはシート後端がローラ周面から離れると、第1第2サポート部材19、20の上に落下しフリーな状態で載置される。このシートを後端規制ストッパ24と側縁規制ストッパ25に向けてバック搬送するアライニング搬送手段26が第1第2サポート部材19、20のコーナ部(
図4右端)に配置されている。
【0043】
図示の装置は、アライニング搬送手段26を、第2サポート部材20の上に配置し、第1第2サポート部材19、20に載置されたシートを
図4矢印逆方向(シートコーナ方向)にバック搬送するように配置されている。このアライニング搬送手段26は、第1サポート部材19の上に配置しても良いが、図示の第2サポート部材20上に配置する場合について説明する。
【0044】
アライニング搬送手段26は、第1第2サポート部材19、20に支持されたシートの上面と係合する摩擦搬送体27と、この摩擦搬送体を排紙方向と交差する角度方向で排紙反対方向に走行させる搬送体走行手段28で構成されている。
【0045】
摩擦搬送体27は、サポート部材20に支持されたシート上面と係合して両者間に作用する摩擦力で搬送体の走行方向にシートを移動させる。このため、摩擦搬送体はゴム質材、樹脂素材など高摩擦材料で形成され、その形状は、パッド形状(矩形状)、ロール形状、半裁ロール形状(半月形状)、球体形状などに形成される。
図6の実施形態(以下第1実施形態という)は遊動コロ(ロール形状)に構成する場合を示す。そして、この摩擦搬送体はホルダ部材(下記の搬送体走行手段28;以下同様)にマウント支持される。
【0046】
図6には、摩擦搬送体27をサポート部材20上のシートから退避した待機位置Wuと、シート上面と係合する係合位置Adと、シート上面に係合した状態で所定の移送方向(X方向)に移動してシートを引き摺り搬送する搬送体走行手段28が図示してある。同図の搬送体走行手段28は装置フレーム10に据え付けられたマニピュレータ28で構成されている。
【0047】
マニピュレータ28は第1アーム28aと、この第1アームに揺動可能に軸支された第2アーム28bと、この第2アームの先端部に軸支された第3アーム28cと、第3アームの先端部に軸支された作動アーム28dで構成されている。つまり、4軸構成のアーム連結体(リンク連結)で構成され、第1アーム28aを装置フレーム10に軸支し、第2アームに駆動アーム29を連結し、第3アームの運動を装置フレーム10のガイド溝30で規制し、第3アーム28cに軸支した作動アーム28dの先端に摩擦搬送体27が固定してある。
【0048】
図6において、p1は第1アーム28aを装置フレーム10に揺動可能に軸支する回動ピンであり、p2は第1アーム先端に第2アーム28bの基端部を軸支する回動ピンである。p3は第2アームに駆動アーム29の先端を回動可能に軸連結する回動ピンであり、この駆動アーム29には走行モータM3が連結してある。p4は駆動アーム29を装置フレーム10に回動可能に軸支する駆動軸である。この駆動軸には、走行モータM3が減速機構を介して連結されている。従って駆動軸p4を中心に走行モータM3によって駆動アーム29を反時計方向に回転すると作動アーム28dにマウントした摩擦搬送体27が
図6において右回転で旋回動する。
【0049】
またp5は第2アーム28b先端に、第3アーム28cを回動可能に軸支する回動ピンであり、p6は第3アーム28c先端に作動アーム28d基端を回動可能に軸支する回動ピンである。また、p6は装置フレーム10に設けたガイド溝に嵌合するガイドピンを兼用している。そして装置フレーム10のガイド溝は作動アームにインチワーム(inchworm)運動をさせるようにガイドする形状に構成されている。
【0050】
また、第3アーム28cと作動アーム28dとの間には作動アーム先端にマウントした摩擦搬送体27をサポート部材20側に附勢する付勢スプリング31が架け渡してある。これは摩擦搬送体27をサポート部材20に積載されたシートの厚さ(束厚さ)に関係なく常に一定に近い押圧力でシート面に係合させるためである。摩擦搬送体27は、ロール形状の遊動コロ27rで構成され、作動アーム28dに後述するシート走行方向のロール支持軸28xで走行直交方向に回動可能に軸支持されている。
【0051】
なお、
図6の実施形態にあって摩擦搬送体27を構成する遊動コロ27rは走行方向に対し実質的に直交する方向であれば、その角度を厳密に設定する技術的必然性はない。つまり摩擦搬送体の走行方向に対し略90度であれば良い。そしてこの遊動コロ27rの回転軸角度は摩擦搬送体の走行方向と、その直交方向でシート表面との間に作用する摩擦抗力が、前者が大きく後者が小さく設定される範囲で角度設定する。なおここで摩擦抗力とは、物体が所定速度で運動するとき、この物体に作用する摩擦による抵抗力を云い(流体力学における摩擦抗力と同様)、摩擦抗力が小さいときには、物体はその方向にフリーに移動する。
【0052】
なお、走行モータM3はステッピングモータ、あるいはエンコーダなどの角度制御機構を備えたDCモータなど、角度制御可能なモータで構成されている。そしてモータ回転軸に配置したフラグをセンサ(不図示)で検出することによってホームポジションに角度設定するようになっている。
【0053】
図7から
図9は搬送体走行手段28の動作状態を示す。
図7(a)はホームポジションであり、摩擦搬送体27はサポート部材20の最上シートの上方に退避した状態に位置している。このとき駆動アーム29は図示状態で約120度に位置している。この駆動アームの角度は、搬送体走行手段28の運動に技術的に何ら関係ないがリンク運動の説明のために示す。同図(b)は走行モータM3を反時計方向(図示約90度位)に回転した状態を示し、このとき摩擦搬送体27はサポート部材20上のシートの上方で最も排紙方向(同図右端)に遠い位置に位置している。つまりインチワーム運動の最も伸張したリンク結合状態に位置している。
【0054】
図8(c)は摩擦搬送体27がサポート部材20の最上シートと係合(接触)した状態を示し、このとき駆動アーム29は反時計方向に回転して約15度の角度位置に位置している。この状態で作動アーム28dと第3アームとの間の付勢スプリング31が摩擦搬送体27にシート上面を押圧する力を付与している。そしてサポート部材20の上に積層されたシート厚さにかかわらずほぼ均一の押圧力を摩擦搬送体27に付与している。
【0055】
図8(d)は走行モータM3を更に反時計方向に回転(約0度位)した場合であり、摩擦搬送体27はシートを同図矢印方向に引き摺りながら移動している。このとき第2アームと第3アームは最も緊縮したリンク結合状態となっている。このような動作で、摩擦搬送体は
図8(c)の状態で最上シート面と接触し、同図(d)の位置までサポート面に沿って走行移動してシートを引き摺り搬送してシートを各規制ストッパに突き当てる。つまり摩擦搬送体27の走行方向の摩擦力は、シート相互間の摩擦力より十分大きな摩擦が得られる摩擦係数に設定されている。
【0056】
図9(e)は、シート端を規制ストッパに突き当てた後にシート上面から離間した状態を示しており、
図9(f)を経て
図7(a)のホーム位置へ移動して次のシートの搬入を待つ。なお、アライニング搬送手段26によって整合されるシート束のうち、排出される直前の最終シート(1枚だけ整合して排出される場合はその1枚)を整合したとき、
図8(d)のシート突き当て位置でモータM3をストップし、側縁サポート部材20と摩擦搬送体27とでシート束をニップする。この状態で後述する第2排紙モードにおいてシート束に後処理(ステープル処理)を施し、また第3排紙モードにおいて、側縁サポート部材20と摩擦搬送体27とでシート束をニップした状態で側縁サポート部材20を退避させ、その後後端サポート部材19を退避させてシート束をスタックトレイ15の紙載面15aに排出する。その後アライニング搬送手段26はホーム位置へ移動する。側縁サポート部材20を待機位置に移動させる際は、摩擦搬送体27がシートを押さえているため、側縁サポート部材20によって支持される面積が小さくなっても、シートがシート幅方向(側縁サポート部材20の移動方向)側にバラつくことはない。
【0057】
図10は摩擦搬送体27の作用を示す説明図である。(a)は排紙方向矢印Xと交差する方向(θ=45度)にシートを搬送する場合を示している。そして図示破線状態から実線状態にシートを移動するとき、シート後端縁が、後端規制ストッパ24に先に突き当たった状態を示す。シートには搬送力Fが走行方向に作用し、そのX方向分力(Fcosθ)が後端規制ストッパ24に、Y方向分力(Fsinθ)が側縁規制ストッパ25側に作用する。
【0058】
このときシート後端が図示のように後端規制ストッパ24に先に当たると、X方向分力(Fcosθ)の反力がシートに作用する。この反力でシートを座屈させ歪曲させることとなるが、摩擦搬送体27は、同図時計方向に回転する。この回転で反力によるシートの座屈と歪曲を防止する。なお、摩擦搬送体27が回転することにより、シートに対して、シートが規制ストッパ25側へ移動する方向の力が働くため、シート側縁が規制ストッパ24に突き当てられた後に摩擦搬送体27が回転しながら走行方向に移動することで、シート側縁を規制ストッパ25に突き当てる。
【0059】
次に同図(b)は、先と異なる方向にシートが搬送された場合を示す。図示排紙方向(矢印X)と、交差する方向にシートを引き摺り搬送するとき、シート側縁が側縁規制ストッパ25に先に突き当たった状態を示す。シートには先と同様にX方向分力とY方向分力(Fsinθ)でシート側縁に突き当たり、その反力がシートに伝わる。そこで、摩擦搬送体27は図示のように反時計方向に回転しシートの座屈と歪曲を防止するようにシートの姿勢を矯正する。なお、摩擦搬送体27が回転することにより、シートに対して、シートが規制ストッパ24側へ移動する方向の力が働くため、シート側縁が規制ストッパ25に突き当てられた後に摩擦搬送体27が回転しながら走行方向に移動することで、シート後端を規制ストッパ24に突き当てる。特に、シートサイズが大きくなると、シート側縁が規制ストッパ25に突き当てられた後に摩擦搬送体27が移動する距離が長い。よって、シートサイズが大きいと摩擦搬送体27の回転量も多くなり、シートを規制ストッパ24側へ移動するための力を多く得ることができる。
【0060】
[アライニング搬送手段の異なる実施形態]
以上説明した摩擦搬送体27はシートを移送する方向と直交する方向に回転するロール体(遊動コロ27r)で構成する実施形態(第1実施形態という)を説明した。この他、摩擦搬送体27の摩擦抗力を走行方向は大きく、走行直交方向を小さく設定する
図6と異なる実施形態として
図11(a)に第2実施形態を(b)に第3実施形態を示す。
【0061】
第2実施形態は同図(a)に示すように摩擦搬送体27をシートと面接触するパッド部材32で構成し、この搬送体27を支持するホールド部材28d(図示の装置では作動アーム)を走行直交方向に変位可能(回転可能)に軸支ピン33で軸受け支持している。これによって、シートの1辺が規制ストッパ24、25に突き当たってシートに座屈力が作用すると、摩擦搬送体27はホールド部材28dと一体に座屈力の作用方向(ストッパの抗力方向)に軸受支点を中心に回動する。
【0062】
なお、第2実施形態にあって摩擦搬送体27を支持するホールド部材は、図示のように直接摩擦搬送体を支持する作動アームに限らず、この作動アームを支持(マウント)する第3アーム28c、あるいは其れ以外のアーム部材であっても良い。要するに装置フレーム10に摩擦搬送体27を支持するマウント部材を走行直交方向に自由運動させる機構であれば種々の構成が採用可能である。以上摩擦搬送体を支持するマウント部材を搬送直交方向の摩擦抗力を低減する実施形態について説明したが、
図11(a)におけるその他の構成は
図6に示すものと同一であり同一符号を付してその説明を省略する。
【0063】
このように構成することによって、排紙直交方向に摩擦搬送体を走行移動させると、シートの一辺が側縁規制ストパ25若しくは後端規制ストッパ24に先に突き当たり、シートを湾曲させる座屈変形力が発生すると、その作用力は摩擦搬送体27に走行直交方向の摩擦抗力として作用する。このとき摩擦搬送体27は走行直交方向に回動可能に軸受けピンで支持されているから、これを中心に首振り運動する。結果として摩擦搬送体の摩擦抗力は搬送方向に比べ走行直交方向が低くなる。
【0064】
図11(b)には摩擦搬送体27の第3実施形態を示す。同図のものは、摩擦搬送体27をボール体(球体)で構成している。つまり、作動アーム28dの先端にゴム質材、樹脂材などのボール体27bを転動可能に支持している。そしてこのボール体27bには同図(b)に示すように走行方向には摩擦抵抗が大きく作用するブレーキシュ34が、走行直交方向には摩擦抵抗が小さくなるように制動機構が配置してある。これによってボール体27bは走行方向には転動が制限され、走行直交方向には自由に転動することとなり前述の第1実施形態におけるロール構造と同一の作用を奏する。
【0065】
なお、本発明にあって摩擦搬送体27は、ロール転動(第1実施形態)、ホルダ回転(第2実施形態)、ボール転動(第3実施形態)に限らず、摩擦搬送体27の摩擦係数を走行方向と走行直交方向とで異ならせることも可能である。例えば、摩擦搬送体として、平板形状、或いは、かまぼこ型形状、などの摩擦パッドで構成する。そしてこのパッド表面の摩擦係数を、走行方向は大きく走行直交方向は小さくなるように表面処理する。その加工方法としては例えばゴム質材の表面に方向性を有するシボを形成して異方性の摩擦係数とする方法が知られている。
【0066】
[第1サポート部材におけるシート整合機構]
前述の第1サポート部材(後端サポート部材)19には、排紙口13から送られたシート後端部を載置支持する支持面と、シート後端部を押圧保持するパドル機構と、集積されたシート束をトレイに向けて押し出すプッシュアウト機構が設けられている。各構成について説明する。
【0067】
[パドル機構]
第1サポート部材19は排紙ローラ14bと段差を形成して配置され、ローラから離れたシートはサポート部材上にフリーな状態で支持される。そこで後続するシートが排紙ローラ14bから繰出されると、そのシート先端が先行して載置されているシートを位置ズレさせることがある。このため、第1サポート部材19上に載置されたシートの後端部を押圧して保持する手段が必要となる。図示のものは、
図4(b)に示すように第1サポート部材19の上方にパドル部材35が配置してある。
【0068】
同図に示すように間隔を隔ててシート幅方向左右に複数のパドル部材35が回転軸36に取り付けられている。このパドルは先端がサポート部材20上のシート後端部を押圧保持する長さ形状の弾性部材で構成され、回転軸36を中心に旋回動する。そして回転軸36にはパドルモータM4が連結され、伝動回転軸のいずれかに角度検出用のフラグ(不図示)が設けられ、装置フレーム10側にポジションセンサPs4が配置されている。なお、フラグに代えてエンコーダとエンコードセンサで構成しても良い。
【0069】
そして後述する制御手段50は、排紙口13から搬出されたシート後端部を前述のアライニング搬送手段26で後端規制ストッパ24に突き当てる整合動作の前(実行前)に先行するシート後端部を押圧している状態のパドルを旋回動させてシート後端部から退避させる。そして、アライニング搬送手段26で後端規制ストッパにシートを突き当てた整合動作の終了後にパドル35がシート上面を押圧したタイミングでパドルモータM4を停止する。
【0070】
[プッシュアウト機構]
前述の第1サポート部材19には、シートを所定の処理位置に位置決めする後端規制ストッパ24と、このストッパに向けてシートを移送する前述のアライニング搬送手段26が配置されている。そしてサポート部材20の上に束状に集積されたシートは綴じ処理装置など後で処理された後にスタックトレイ15に向けて搬出される。このため第1サポート部材19には後処理したシート束をスタックトレイ15に向けて押し出すプッシャ手段37が配置されている。
【0071】
図5にそのプッシャ手段37を示す。プッシャ手段37は、第1サポート部材19に摺動可能に支持されたスライド部材38と、このスライド部材38の先端に設けられた折曲げ片39と、この折曲げ片に形成された後端当接面39sで構成されている。
【0072】
図示のスライド部材38は、第1サポート部材19に形成されたガイド溝40に嵌合され後端当接面が排紙方向に所定距離前後動するように構成されている。このスライド部材38の基端部には、ラック38rと、これに係合するピニオン38pが装置フレーム10に取り付けられ、このピニオン38pにプッシャモータM5が連結されている。そして後述する制御手段50は、排紙口13から送られたシートをサポート部材20上に載置支持する際には、後端当接面39sを前記後端規制ストッパ24から退避した位置に待機させ、後処理のジョブ終了信号でプッシャモータM5を起動する。すると、スライド部材38は、排紙方向に待機位置からスタックトレイ15の方向に移動する。このとき後端当接面は、シート束の後端と係合してこれをトレイに向けて押し出す。
【0073】
そして後端当接面が所定位置に移動したとき制御手段は、プッシャモータを停止し、次いでサポート部材20をトレイ上方の作動位置から、トレイ外に退避した待機位置に移動する。この動作でシート束はトレイ上に落下収納される。
【0074】
[制御構成の説明]
上述した画像形成システムの制御構成を
図12のブロック図に従って説明する。
図1に示す画像形成システムは、画像形成装置Aの制御部45(以下「本体制御部」という)とシート後処理装置Bの制御部50(以下「後処理制御部」という)を備えている。本体制御部45は印字制御部46と給紙制御部47と入力部48(コントロールパネル)を備えている。
【0075】
そして入力部48(コントロールパネル)から「画像形成モード」と「後処理モード」の設定を行う。画像形成モードはモノクロ印刷、両面・片面印刷などのモード設定と、シートサイズ、シート紙質、プリントアウト部数、拡大・縮小印刷、などの画像形成条件を設定する。また「後処理モード」は、例えば「プリントアウトモード」「ステープル仕上げモード」「ジョグ仕分けモード」などに設定する。
【0076】
また、本体制御部45は後処理制御部50に後処理モードとシート枚数、部数情報及び画像形成するシートの紙厚情報などをデータ転送する。これと同時に本体制御部45は画像形成の終了毎にジョブ終了信号を後処理制御部50に転送する。
【0077】
上述の後処理モードについて説明すると、上記「プリントアウトモード(第1排紙モード)」は排紙口13からのシートを、後処理することなくスタックトレイ15に収容する。この場合にはシートをサブトレイ18(第1第2サポート部材19、20)に集積することなく、排紙口13から直接スタックトレイ15に搬出する。上記「ステープル仕上げモード(第2排紙モード)」は、排紙口13からのシートをサブトレイ18上に集積して部揃えし、このシート束を綴じ処理した後にスタックトレイ15に収容する。この場合には画像形成されるシートは原則として同一紙厚さで同一サイズのシートにオペレータによって指定される。
【0078】
上記「ジョグ仕分けモード(第3排紙モード)」は、画像形成装置Aで画像形成されたシートを排紙口13からスタックトレイ15に1枚ずつ搬出するグループと、排紙口13からサブトレイ18(第1第2サポート部材19、20)に部揃え集積することによってジョグ仕分けを行う。このときサブトレイ18にシートを整合する際にシート側縁を所定量オフセットさせた位置に前述の側縁規制ストッパ25が配置してある。そしてこのサブトレイ18上に束集積した後に、サポート部材19、20をトレイ外部に退避させてスタックトレイ15上に落下収納する。これによって紙載面15a上には排紙口13から所定の基準(センタ基準かサイド基準)で搬出されたシートグループと、サブトレイ18で所定量オフセットして集積されたシートグループは幅方向に異なった位置に収納され部揃えグループ毎に仕分けされる。
【0079】
[後処理制御部]
後処理制御部は、画像形成制御部で設定された後処理モードに応じて後処理装置Bを動作させる。図示の後処理制御部は制御CPU50(以下単に制御手段という)で構成されている。制御CPU50には、ROM51とRAM52が連結され、ROM51に記憶された制御プログラムとRAM52に記憶された制御データで後述する排紙動作を実行する。
【0080】
このため、制御CPU50には前述した搬送モータM1と、第1シフトモータSM1と、第2シフトモータSM2と、走行モータM3と、パドルモータM4と、プッシャモータM5の各ドライバ回路(
図12にdrで示す)にコマンド信号を伝達するようになっている。また、制御CPUにはシートセンサSeとポジションセンサPsが各検出信号を受信可能に結線されている。シートセンサSeは搬入センサSe1と排紙センサSe2と、図示しないトレイ上の満杯を検出する満杯センサSeであり、それぞれ状態信号を制御手段50に送信する。
【0081】
またポジションセンサPsは、第1サボサポート部材のポジションセンサPs1と第2サポート部材20のポジションセンサPs2と、摩擦搬送体ポジションセンサPs3と、パドル回転体のポジションセンサPs4と、プッシャ手段のポジションセンサPs5であり、各状態信号を制御手段に転送する。なお各駆動モータのドライバ回路は、制御手段からのコマンド信号でモータ起動とモータ停止と速度制をPWM制御、エンコード制御などで制御する。
【0082】
[後処理動作]
図13は、画像形成装置Aにおけるはモード設定で、第1排紙モード(ストレート排紙動作)に設定された場合を示し、
図14は、第2排紙モード(ステープル綴じ動作)および第3排紙モード(ジョグ排紙動作)に設定された場合を示す。
【0083】
排紙制御手段50は装置電源「ON」でイニシャライズ動作を実行する(St01)。このイニシャライズ動作は例えば次の初期位置設定を実行する。第1サポート部材19が待機位置(ホームポジション)に位置しているか、ポジションセンサPs1で検出し「No」のときにはセンサ「ON」位置に移動する。同様に第2サポート部材20を待機位置(ホームポジション)に移動する。
【0084】
次にプッシャ手段37をホームポジションに移動する。図示の装置はホームポジションを待機位置に設定してあり、後端当接面39sはトレイ外部に退避(
図5の状態)している。また、このイニシャライズ動作は後処理手段23(図示のものはステープルユニット)を初期状態にセットする。
【0085】
[第1排紙モード]
そこで、排紙制御手段50は画像形成制御部45からモード設定信号を受信する。このコマンド信号で第1排紙モードが指定されると、後処理制御部50は次の初期動作を実行する(St02)。
【0086】
また排紙制御手段50は初期動作設定として、第1第2サポート部材19、20がホームポジションに位置しているか否かを判断する。ホームポジション以外のときにはホームポジションに位置移動する(St03)。これと共に排紙制御手段50は、スライド部材38の後端当接面39sをトレイ内側に突出した規制ポジションに移動する(
図3の状態)。この動作はプッシャモータM5でスライド部材38をホームポジションから予め設定した移動量移動する。そして後端当接面39sがスタックトレイ15の後端規制面16より若干トレイ内部に約2mm程度突出した位置に設定する(
図4に示すDz参照)。
【0087】
後処理制御部50は画像形成制御部45からジョブスタート信号を受信すると、搬送モータM1を回転し搬送ローラ14aと、排紙ローラ14bを排紙方向に回転する(St05)。これによって、本体排紙口6に搬出されたシートは、シート搬入経路11に搬入され、シート先端を搬入センサSe1で検出する。この検出信号は、例えば、このセンサでシート先端を検出し、その後シート後端を検出するまでのときの時間差と、シートサイズ情報からシートジャムを判別するなど、後続する後処理動作の制御に使用する(St06)。
【0088】
制御手段50は、シート先端を搬入センサSe1が検出するとタイマt1を起動する。このタイマ時間t1は、シート先端が排紙口13から所定位置に到達する見込み時間に設定されている。この時間t1経過したとき制御手段50は第1サポート部材19を待機位置から第1作動位置Ap1に移動する(St07)。従ってタイマ時間t1はシート先端が排紙口から所定の第1作動位置Ap1に移動したのちに、サポート部材19のシート係合面19sがシート下面に係合するタイミングに設定してある。
【0089】
制御手段50は、排紙センサSe2がシート後端を検出したとき、タイマt2を起動する(St08)。このタイマ時間t2は、シート後端が排紙ローラ14bのニップ点から離れるタイミングに設定されている。そして制御手段50はタイマ時間t2経過後に第1サポート部材19を第1作動位置Ap1から第2作動位置Ap2に移動する(St09)。この移動量Δkは排紙ローラの半径より大きく設定してある。従ってシート後端は排紙ローラ14bから離れた後に、第1サポート部材19によって所定量Δkだけ排紙方向に押し出される。その結果シート後端が排紙ローラ周面上に残留した後端残り現象を招くことがない。
【0090】
次に制御手段50は排紙センサSe2がシート後端を検出したとき、タイマt2と同時にタイマt3を起動し。その時間経過後に第1サポート部材19を待機方向に後退移動する。このタイマ時間t3は、第1サポート部材19が第1作動位置Ap1から第2作動位置Ap2に移動するのに要する時間に設定してあり、サポート部材19が第2作動位置Ap2に移動した後に、タイマ時間t3が経過するように設定されている(St09)。
【0091】
そして、制御手段50は、第1サポート部材19が待機位置Wpに復帰した状態をホームポジションセンサSp1で検出する。そして、制御手段50は、後続シートがあるか否かを画像形成装置からの情報で判断する(St10)。後続シートがあるときには、先のステップ05からステップ10を繰り返す。そして、後続シートがないときにはジョブ終了として装置を停止する(St11)。
【0092】
[第2排紙モード]
次に排紙モードとして、第2排紙モードが選択されたときの動作を
図14(a)に従って説明する。制御手段50は、画像形成制御部45から、第2排紙モードのコマンド信号を受信すると、次の初期設定動作を実行する。第1第2サポート部材19、20をホームポジション(待機位置)から、作動位置に移動する。
【0093】
これと共に、制御手段50は、第1シフト手段21のシフトモータSM1と、第2シフト手段22のシフトモータSM2をそれぞれ所定方向に回転し、ホームポジションに位置する第1第2サポート部材を紙載面15a上方の作動位置Apに位置移動する(St12)。これと共に制御手段50は摩擦搬送体27を待機位置に移動する。前述した摩擦搬送体の走行モータM3をホームポジションに位置決め回転する。この回転で摩擦搬送体27は第1第2サポート部材19、20の上方に退避した退避位置に待機する。
【0094】
また、制御手段50は、スライド部材39の折曲げ片38に設けた後端当接面38Sをトレイ外部に退避した待機位置に位置移動する。この動作はプッシャモータM5を作動し、センサフラグをポジションセンサPs5で検出する。
【0095】
以上の初期動作によって、排紙口13の紙載面15aとの間には、第1第2サポート部材19、20がトレイ内部に突出した状態で位置し、排紙口13から送られたシート後端部を第1サポート部材で、シート側端部を第2サポート部材20で載置することが可能な状態に準備される。
【0096】
次に制御手段50は、画像形成制御部45から排紙指示信号受信すると、搬送モータM1を回転し、搬入口12から画像形成されたシートを搬入する。このシートは、シート搬入経路11を通過して、排紙口13に案内され、排紙口から下方の第1第2サポート部材に積載される。
【0097】
制御手段50は、シート後端部を排紙センサSe2が検出した信号を基準に、所定時間経過後に走行モータM3を所定角度回転する。この走行モータによって摩擦搬送体27はシート上面から上方に退避した待機位置からシートを上面と係合する作動位置に移動し、排紙方向と所定角度で傾斜した走行方向にシートを引き摺り搬送する(St15)。このときシート後端は後端規制ストッパ24に、シート側縁は側縁規制ストッパ25に、突き当てられ位置決めされる(St15)。
【0098】
その後の走行モータM3の回転で摩擦搬送体27は、シートから上方に離れた待機位置に復帰し、モータは停止される。以上のステップ14からステップ15の動作を繰り返すことによって第1第2サポート部材19、20上には、排紙口13から連続して送られるシートが集積され、部材揃いされる(St16)。なお、後続シートがない場合は、アライニング搬送手段26(摩擦搬送体27)はホーム位置へは移動せず、
図8(d)のシート突き当て位置で停止する。次に制御手段50は、画像形成制御部45からジョブ終了信号を受信すると、後処理動作指示(コマンド)信号を発信する。後処理ユニット23は、このコマンド信号を受信すると後処理動作を実行し、その動作の終了後に処理エンド信号を制御手段50に送信する。
【0099】
そこで制御手段50は第2サポート部材20の後退動作を開始し(St19)、第2サポート部材20によるシート束の支持が外れる。その後プッシャモータM5を起動して、スライド部材38の折曲げ片39の後端当接面39Sを待機位置からトレイ内部の所定位置に移動する。すると、第1サポート部材19に支持されたシート束の後端は、紙載面15a上方の所定位置に押し出される(St20)。その後第1サポート部材19の後退動作を開始する(St21)。なお、第2サポート部材20の後退、スライド部材38の進出、第1サポート部材19の後退動作のタイミングは、それぞれの動作が完了してから次の動作に移ることに限定されず、少なくとも第2サポート部材20によるシート束の支持が外れた時点で第1サポート部材19がシート束の後端を支持していればよい。そして、第1第2サポート部材がホームポジションに復帰(St22)した後、制御手段50は、後続シートがあるか否かを判断し、後続シートがある時には、ステップ12に戻って、先と同じステップ12からステップ22までの動作を繰り返す。また、後続シートがないときにはジョブ終了として、その動作を停止する。
【0100】
「第3排紙モード」
次に排紙モードとして、第3排紙モードが選択されたときの動作を
図14(b)に従って説明する。第3排紙モードが選択されると制御手段50は、第1排紙モードと同一の動作で、排紙口13に送られたシートをスタックトレイ15に収納(St23)する。そして、ジョブエンド信号を受信する制御手段50は、第2排紙モードの排紙動作を実行する(St24)。
【0101】
次にジョブエンド信号を受信すると制御手段50は、第1排紙モードを実行し、順次これを繰り返す。このような動作によってスタックトレイ15には、第1排紙動作で、排紙口13からの排紙基準(センタ基準かサイド基準)でシートが集積され、次の第2排紙モードでは、所定量排紙位置がオフセットした状態でスタックトレイ15に集積される。このような動作で、スタックトレイにはシートが部毎にジョグ仕分けされて収納される(St25)。