特許第6038675号(P6038675)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6038675低温充填が可能な、容器入りコラーゲン含有ゲル状飲食品
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6038675
(24)【登録日】2016年11月11日
(45)【発行日】2016年12月7日
(54)【発明の名称】低温充填が可能な、容器入りコラーゲン含有ゲル状飲食品
(51)【国際特許分類】
   A23L 21/10 20160101AFI20161128BHJP
【FI】
   A23L21/10
【請求項の数】7
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2013-23153(P2013-23153)
(22)【出願日】2013年2月8日
(65)【公開番号】特開2014-150762(P2014-150762A)
(43)【公開日】2014年8月25日
【審査請求日】2016年2月1日
(73)【特許権者】
【識別番号】000175283
【氏名又は名称】三栄源エフ・エフ・アイ株式会社
(72)【発明者】
【氏名】冨田 千尋
【審査官】 飯室 里美
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−252027(JP,A)
【文献】 特開平11−187827(JP,A)
【文献】 特開2000−41594(JP,A)
【文献】 特開昭56−117784(JP,A)
【文献】 特開平7−236434(JP,A)
【文献】 特開2000−157212(JP,A)
【文献】 特開平5−111366(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23L 21/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器入りゲル状飲食品の製造時において、コラーゲン及びκカラギナンを併用することにより生じるゲル化温度の上昇を、リン酸ナトリウム塩を添加して抑制する方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法を用いて製造された、コラーゲン、κカラギナン及びリン酸ナトリウム塩を含有する容器入りコラーゲン含有ゲル状飲食品。
【請求項3】
容器が紙製容器である、請求項2に記載の容器入りコラーゲン含有ゲル状飲食品
【請求項4】
リン酸ナトリウム塩がピロリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム及びリン酸三ナトリウムからなる群から選択される一種以上である、請求項2又は3に記載の容器入りコラーゲン含有ゲル状飲食品。
【請求項5】
κカラギナンの含量が0.05〜1.5質量%、かつリン酸ナトリウム塩の含量が0.03〜0.6質量%である、請求項2〜4のいずれかに記載の容器入りコラーゲン含有ゲル状飲食品。
【請求項6】
容器への充填温度が40℃以下である、請求項2〜5のいずれかに記載の容器入りコラーゲン含有ゲル状飲食品。
【請求項7】
コラーゲン、κカラギナン及びリン酸ナトリウム塩を含有する溶液を、40℃以下で容器に充填後、冷却することを特徴とする、コラーゲン含有ゲル状飲食品の製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器入りゲル状飲食品の製造時において、コラーゲン及びκカラギナンを併用することにより生じるゲル化温度の上昇を、リン酸ナトリウム塩を添加して抑制する方法に関する。例えば、コラーゲン及びκカラギナンを併用しつつも、40℃以下の低温において容器への充填が可能となる、ゲル化温度の上昇を抑制する方法に関する。本発明はまた、本方法を用いて製造されるコラーゲン及びκカラギナンを含有するゲル状飲食品、及びコラーゲン含有ゲル状飲食品の製造方法にも関する。
【背景技術】
【0002】
コラーゲン(コラーゲンペプチドを含む)は真皮、靭帯、腱、骨、軟骨などを構成するタンパク質のひとつで、多細胞動物の細胞外基質(細胞外マトリクス)の主成分である。コラーゲンは、皮膚や筋肉、骨、関節などあらゆる生体組織に含まれており、生体内タンパク質のうち約30%を占めることから、コラーゲンのもつ美容や健康効果が注目されており、コラーゲンを含有する商品が各種開発されている。
【0003】
コラーゲンを含有するコラーゲン入りゲル状飲食品に関する技術として、特許文献1には、平均分子量2000〜10000のコラーゲンペプチドを1〜5質量%含有し、前記ゲル化剤が、寒天、グルコマンナン、カードラン、ジェランガム、ペクチンから選ばれた1種又は2種以上からなることを特徴とするゼリー様飲食品がある。同様にして、特許文献2には、低分子化処理したコラーゲンペプチド及びカラギーナン等のゲル化剤を含有する飲食品が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3659775号公報
【特許文献2】特許第3574612号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ゲル状飲食品において、κカラギナンは単独では比較的脆い食感を有するゲルを形成するが、ローカストビーンガム、グルコマンナン等の各種多糖類との併用により弾力のある食感を有するゲルを形成できるため、様々な食感を有するゲル状飲食品を提供できるという利点を有する。しかしながら、コラーゲンを含有する容器入りゲル状飲食品においてκカラギナンを用いると、ゲル化温度の上昇を招き、低温で容器に充填することが困難となる。例えば、充填対象である容器がプラスチック容器、缶、チアーパック等の耐熱性を有する容器であれば、コラーゲン及びκカラギナンを加熱溶解した溶液に対して冷却工程をとることなく、当該溶液を容器に直接充填することが可能である。一方、紙パック等の低温での充填が必要な容器の場合、コラーゲン及びκカラギナンを加熱溶解した溶液を冷却し液温を低下させた後に容器に充填する必要があるが、前記のゲル化温度上昇によって、低温での充填が困難となるといった問題を抱えていた。
【0006】
上記従来技術に鑑み、本発明では容器入りゲル状飲食品の製造時においてコラーゲン及びκカラギナンを併用することにより生じるゲル化温度の上昇を抑制する方法を提供することを目的とする。ひいては、例えば40℃以下といった低温充填により製造可能なコラーゲン含有ゲル状飲食品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は、上記のごとき課題を解決すべく鋭意研究した結果、コラーゲン及びκカラギナンを含有する容器入りゲル状飲食品の製造において、リン酸ナトリウム塩を添加することにより、ゲル化温度の上昇を抑制し、低温での容器充填が可能となることを見出して本発明に至った。
【0008】
本発明の具体的な態様は以下のとおりである;
項1.容器入りゲル状飲食品の製造時において、コラーゲン及びκカラギナンを併用することにより生じるゲル化温度の上昇を、リン酸ナトリウム塩を添加して抑制する方法。
項1−1.容器が紙製容器である、項1に記載のゲル化温度の上昇を抑制する方法。
項1−2.リン酸ナトリウムがピロリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム及びリン酸三ナトリウムからなる群から選択される一種以上である、項1又は項1−1に記載のゲル化温度の上昇を抑制する方法。
項1−3.容器入りゲル状飲食品におけるκカラギナンの含量が0.05〜1.5質量%、かつリン酸ナトリウム塩の含量が0.03〜0.6質量%となるようにリン酸ナトリウムを添加する、項1、項1−1又は項1−2に記載のゲル化温度の上昇を抑制する方法。
項1−4.コラーゲン、κカラギナン及びリン酸ナトリウム塩を含有する溶液を、40℃以下で容器に充填後、冷却することを特徴とする、項1乃至項1−1〜1−3のいずれかに記載のゲル化温度の上昇を抑制する方法。
【0009】
項2.項1に記載の方法を用いて製造された、コラーゲン、κカラギナン及びリン酸ナトリウム塩を含有する容器入りコラーゲン含有ゲル状飲食品。
項3.容器が紙製容器である、項2に記載の容器入りコラーゲン含有ゲル状飲食品。
項4.リン酸ナトリウム塩がピロリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム及びリン酸三ナトリウムからなる群から選択される一種以上である、項2又は3に記載の容器入りコラーゲン含有ゲル状飲食品。
項5.κカラギナンの含量が0.05〜1.5質量%、かつリン酸ナトリウム塩の含量が0.03〜0.6質量%である、項2〜4のいずれかに記載の容器入りコラーゲン含有ゲル状飲食品。
項6.容器への充填温度が40℃以下である、項2〜5のいずれかに記載の容器入りコラーゲン含有ゲル状飲食品。
項7.コラーゲン、κカラギナン及びリン酸ナトリウム塩を含有する溶液を、40℃以下で容器に充填後、冷却することを特徴とする、コラーゲン含有ゲル状飲食品の製造方法。
【発明の効果】
【0010】
κカラギナンにコラーゲンを併用した場合であっても、ゲル化温度の上昇を抑制することができる。これにより、例えば40℃以下といった低温での容器充填が可能となり、充填容器の種類に制限を受けることなく、コラーゲン及びκカラギナンを含有するゲル状飲食品を提供できる。別の側面では、本発明によれば制約を受けることなくコラーゲン含有飲食品にκカラギナンを使用することができる。κカラギナンは単独では比較的脆い食感を有するゲルを形成するが、ローカストビーンガム、グルコマンナン等の各種多糖類との併用により弾力のある食感を有するゲルを形成できるため、様々な食感を有するコラーゲン含有ゲル状飲食品を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】実験例1において、ブランク(コラーゲン無添加)の動的粘弾性の温度依存性を示す。図中、Aで示されるG’は貯蔵弾性率、Bで示されるG”は損失弾性率であり、一般的にG’は固体的な性質を示す。急激にG’が上昇し始める点を線1と線2の交点から読み取り、ゲル化開始温度とした。
図2】実験例1において、比較例1−1の動的粘弾性の温度依存性を示す。
図3】実験例1において、実施例1−1の動的粘弾性の温度依存性を示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
1.コラーゲン及びκカラギナンを併用することにより生じるゲル化温度上昇の抑制方法
本発明は容器入りゲル状飲食品の製造時において、コラーゲン及びκカラギナンを併用することにより生じるゲル化温度の上昇を、リン酸ナトリウム塩を添加して抑制する方法に関する。本発明で用いるコラーゲン(コラーゲンペプチドを含む)は、真皮、靭帯、腱、骨、軟骨などを構成するタンパク質のひとつで、多細胞動物の細胞外基質(細胞外マトリクス)の主成分である。本発明では用いるコラーゲンの原料(牛、豚、鶏、魚など)、分子量等に特に制限されず、利用することが可能である。容器入りゲル状飲食品におけるコラーゲン含量は、目的とする商品形態によっても適宜調整することが可能であるが、通常、0.05〜20質量%、好ましくは0.1〜10質量%、更に好ましくは0.2〜5質量%である。
【0013】
カラギナンは、紅藻類海藻から抽出、精製される天然高分子で、平均分子量は100,000〜500,000であり、D−ガラクトースと、3,6アンヒドロ−D−ガラクトースから構成される多糖類である。本発明ではカラギナンの中でも、κカラギナンとコラーゲンを併用することにより生じるゲル化温度の上昇を抑制する方法に関する。容器入りゲル状飲食品中におけるκカラギナンの含量は特に制限されないが、通常、0.05〜1.5質量%、好ましくは0.1〜1質量%、更に好ましくは0.2〜0.6質量%である。しかし、かかる含量のκカラギナンを上記コラーゲンと併用すると、ゲル化温度が上昇するという問題が生じる。
【0014】
本発明では、上記ゲル化温度の上昇を抑制するためにリン酸ナトリウム塩を用いる。
リン酸ナトリウム塩としては、各種リン酸ナトリウム塩を用いることができる。例えば、ピロリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム、リン酸三ナトリウム等である。リン酸ナトリウム塩の添加量は、用いるコラーゲン及びκカラギナン含量によっても適宜調整することが可能であるが、容器入りゲル状飲食品中における含量が通常、0.03〜0.6質量%、好ましくは0.04〜0.5質量%、更に好ましくは0.05〜0.4質量%の範囲となるように添加することが望ましい。かかる範囲内でリン酸ナトリウム塩を用いることで、容器入りゲル状飲食品の製造時に生じるゲル化温度の上昇を抑制することができる。なお、リン酸塩としてカリウム塩やカルシウム塩を用いた場合は本願発明の効果を得ることができない。
【0015】
2.容器入りコラーゲン含有ゲル状飲食品及びその製造方法
本発明はまた、上記方法を用いて製造される容器入りコラーゲン含有ゲル状飲食品にも関する。具体的には、コラーゲン、κカラギナン及びリン酸ナトリウム塩を含有する容器入りゲル状飲食品に関する。
【0016】
本発明の容器入りゲル状飲食品に使用される容器は特に制限されず、プラスチック容器、チアパック(アルミパウチ)、缶、瓶、樹脂製容器、紙製容器等、各種容器を用いることができる。中でも、本発明では紙製容器入りコラーゲン含有ゲル状飲食品を提供する場合に特に有意な利点を奏する。例えば、紙製容器は特にシール部の耐熱性の低さから溶液温度を40℃以下、好ましくは30℃以下といった低温で充填する必要がある。
一方、容器入りコラーゲン含有ゲル状飲食品に充填する前の原料溶液のゲル化温度は、用いられるコラーゲンやκカラギナンの含量によって変動するが、一般的には40℃以上であることが多く、低温での充填が困難となる場合が多い。かかるところ、本発明の方法を用いることで、40℃以下、更には30℃以下までゲル化温度を下げることができ、用いる容器の種類に制約を受けることなく、各種容器のコラーゲン含有ゲル状飲食品を提供することが可能となった。
【0017】
特に、ゲル化剤としてκカラギナンを制約なく使用できることは極めて重要性が高い。κカラギナンは単独使用した場合、脆い食感を有するゲルを形成するが、例えばローカストビーンガム、グルコマンナン等の各種多糖類と併用することで弾力のある食感を有するゲルを形成する。充填温度が制限されることで使用できる多糖類も制限されるが、κカラギナンを使用することが可能となれば、食感の多様化を実現することができる。
【0018】
本発明において容器入りコラーゲン含有ゲル状飲食品とは、密封容器に充填されたコラーゲンを含有するゲル状の飲食品をいう。例えば、ゼリー、プリン、ドリンクゼリー等を例示できる。
【0019】
本発明のコラーゲン含有ゲル状飲食品は、コラーゲン、κカラギナン及びリン酸ナトリウム塩を含有する溶液を40℃以下で容器に充填後、冷却することで製造できる。
例えば、コラーゲン、κカラギナン及びリン酸ナトリウム塩を70〜135℃で加熱溶解した溶液を40℃以下に冷却し、容器に充填、冷却固化することで製造できる。
【実施例】
【0020】
以下に、実施例を用いて本発明を更に詳しく説明する。ただし、これらの例は本発明を制限するものではない。なお、実施例中の「部」「%」は、それぞれ「質量部」「質量%」、文中「*」印は、三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製、文中「※」印は三栄源エフ・エフ・アイ株式会社の登録商標であることを意味する。
【0021】
実験例1 ゲル化温度試験
表1及び表2の処方に基づき、容器入りコラーゲン含有ゲル状飲食品を想定したゲル化温度試験を行なった。
具体的には、水にコラーゲン、ゲル化剤、リン酸ナトリウム塩、安定剤及び砂糖を添加し、80℃で10分間撹拌溶解した。果汁、酸を添加し、全量が100質量%となるようにイオン交換水にて全量を補正後、ゲル化温度の測定を行なった。
(ゲル化温度の測定)
動的粘弾性装置(ARES−LS1(TAインスツルメント(株)製))を用いてゲル化温度を測定した。具体的には、重量補正後の溶液を40℃まで降温し、ペルチェの測定部に設置した。パラレルプレート(直径50mm)をギャップ1mmにセットし、40℃で5分間静置後、1℃/分で20℃まで降温した際の弾性率の変化を測定した。(周波数6.28Hz、最大歪み100%でトルクが0.08g・cmを超える毎に20%ずつ歪みを低下させた。歪みは線形領域(歪みと応力が直線性を示す領域)内であることを確認した。)
G’は貯蔵弾性率、G”は損失弾性率であり、一般的にG’は固体的な性質を示す。急激にG’が上昇し始める点を線1と線2の交点から読み取り、ゲル化開始温度とした。結果を表2に示す。
【0022】
【表1】
【0023】
注1)κカラギナン24%、マンナン22%、ローカストビーンガム6.5%、及びクエン酸三ナトリウム15%配合製剤。
【0024】
【表2】
【0025】
コラーゲン不使用のブランクのゲル状飲食品のゲル化温度は24℃であったのに対し、コラーゲンを2質量%添加することで、そのゲル化温度は約10℃も上昇した(比較例1−1)。かかるところ、メタリン酸ナトリウム、ピロリン酸ナトリウム及びポリリン酸ナトリウムといったリン酸ナトリウム塩を用いることで、ゲル化温度は25〜28℃まで下がり、30℃以下での容器充填が可能なゲル状飲食品を提供できることが示された。
ブランク、比較例1−1及び実施例1−1の動的粘弾性の温度依存性を図1図3に示す。
ブランク(図1)及び比較例1−1(図2)を対比すると、コラーゲンの添加によりゲル化温度が大きく変化していることが分かる。しかしながら、リン酸ナトリウム塩(メタリン酸ナトリウム)を添加すること(実施例1−1)でブランクと大差ないほどまでにゲル化温度の上昇が抑制されていることが見て取れる(図3)。
また、実施例1−1〜1−3のゲル状飲食品については、30℃以下で紙製容器に充填して容器入りコラーゲン含有ゲル状飲食品を製造した。得られた容器入りコラーゲン含有ゲル状飲食品は、弾力のある食感を有するゲル状飲食品(ドリンクゼリー)であった。
【0026】
実験例2 ゲル化温度試験
表3及び表4の処方に基づき、容器入りコラーゲン含有ゲル状飲食品を想定したゲル化温度試験を行なった。
具体的には、水にコラーゲン、ゲル化剤、リン酸ナトリウム塩、安定剤及び砂糖を添加し、80℃で10分間撹拌溶解した。酸を添加し、イオン交換水にて重量を補正後、ゲル化温度を測定した。
ゲル化温度の測定方法は実験例1と同様だが、測定開始温度を50℃、測定終了温度を30℃とした。
【0027】
【表3】
【0028】
注2)ローカストビーンガム25%、キサンタンガム9%、及び寒天28.8%配合製剤。
【0029】
【表4】
【0030】
ゲル化剤にκカラギナンを使用せず、寒天、キサンタンガム、及びローカストビーンガムの系で実験例1と同様に試験を行い、実験例1と同様に動的粘弾性の温度依存性からのゲル化開始温度を求めた。結果、ゲル化剤が寒天、キサンタンガムの系ではメタリン酸ナトリウム添加によるゲル化温度の上昇抑制効果は認められなかった。

図1
図2
図3