(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6038811
(24)【登録日】2016年11月11日
(45)【発行日】2016年12月7日
(54)【発明の名称】無線通信システムでセル間の干渉電力量を効率的に制御する方法及び装置
(51)【国際特許分類】
H04W 24/10 20090101AFI20161128BHJP
【FI】
H04W24/10
【請求項の数】14
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2013-550396(P2013-550396)
(86)(22)【出願日】2012年1月18日
(65)【公表番号】特表2014-503161(P2014-503161A)
(43)【公表日】2014年2月6日
(86)【国際出願番号】KR2012000423
(87)【国際公開番号】WO2012099389
(87)【国際公開日】20120726
【審査請求日】2015年1月15日
(31)【優先権主張番号】61/433,651
(32)【優先日】2011年1月18日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】503447036
【氏名又は名称】サムスン エレクトロニクス カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】ソン・フン・キム
(72)【発明者】
【氏名】サン・ブン・キム
(72)【発明者】
【氏名】ゲルト・ヤン・ファン・リースハウト
(72)【発明者】
【氏名】キョン・イン・ジョン
【審査官】
桑原 聡一
(56)【参考文献】
【文献】
特開2010−226716(JP,A)
【文献】
国際公開第2012/061030(WO,A1)
【文献】
特表2013−545399(JP,A)
【文献】
国際公開第2012/060655(WO,A2)
【文献】
特表2013−545396(JP,A)
【文献】
Alcatel-Lucent Shanghai Bell, Alcatel-Lucent,Specification Considerations on Restricted CSI Measurement[online], 3GPP TSG-RAN WG1#63 R1-106000,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_63/Docs/R1-106000.zip>,2010年11月15日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24−7/26
H04W 4/00−99/00
3GPP TSG RAN WG1−4
SA WG1−4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信システムで端末の測定方法において、
サービングセルまたは隣接セル測定のための所定サイズのビットマップのパターン情報を含むRRC連結再設定メッセージを基地局から受信する段階と;
前記パターン情報の前記ビットマップに一対一でマッピングし、サブフレームで前記サービングセルまたは隣接セルを測定する段階と;を含み、
前記サービングセルまたは隣接セルを測定する段階は、
前記ビットマップのビットの少なくとも一部が、最後のシステムフレームナンバー(System Frame Number、SFN)を持つサブフレームと一対一でマッピングされた以後、SFNが0にリセットされた場合、前記ビットマップの一番目のビットを、前記SFNが0であるフレームの一番目のサブフレームにマッピングさせることを特徴とする端末の測定方法。
【請求項2】
基地局に測定結果を報告する段階をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の端末の測定方法。
【請求項3】
前記ビットマップの一番目のビットの次のビットは、前記SFNが0であるフレームの一番目のサブフレームの次のサブフレームと一対一でマッピングされることを特徴とする請求項1に記載の端末の測定方法。
【請求項4】
前記ビットマップは、前記サブフレームに繰り返してマッピングされることを特徴とする請求項1に記載の端末の測定方法。
【請求項5】
前記RRC連結再設定メッセージを受信する以前に、
基地局から能力報告要請メッセージを受信する段階と;
干渉調整能力情報を含む能力報告メッセージを伝送する段階と;をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の端末の測定方法。
【請求項6】
前記無線通信システムは、前記ビットマップのサイズが異なる周波数分割二重化方式または時間分割二重化方式のうち一つを使用し、
前記ビットマップのサイズは、前記無線通信システムが前記時間分割二重化方式を使用する場合、時間分割二重化設定によって決定されることを特徴とする請求項1に記載の端末の測定方法。
【請求項7】
前記測定する段階は、
システムフレームナンバーの終了時点近接時に、前記システムフレームナンバーの繰り返し周期が前記ビットマップのサイズの整数倍であるかを判断する段階と;
整数倍ではない場合、前記システムフレームナンバーの値が0になる時点に現在適用されている前記パターン情報の適用を終了する段階と;
前記ビットマップの一番目のビットを前記システムフレームナンバーの値が0であるフレームの一番目のサブフレームにマッピングさせて前記測定を行う段階と;を含むことを特徴とする請求項1に記載の端末の測定方法。
【請求項8】
無線通信システムでサービングセルまたは隣接セルを測定する端末において、
基地局と信号を送受信する送受信機と;
サービングセルまたは隣接セル測定のための所定サイズのビットマップのパターン情報を含むRRC連結再設定メッセージを基地局から受信し、前記パターン情報の前記ビットマップに一対一でマッピングし、サブフレームで前記サービングセルまたは隣接セルを測定するように制御する制御部と;を含み、
前記ビットマップのビットの少なくとも一部が、最後のシステムフレームナンバー(System Frame Number、SFN)を持つサブフレームと一対一でマッピングされた以後、SFNが0にリセットされた場合、前記ビットマップの一番目のビットを、前記SFNが0であるフレームの一番目のサブフレームにマッピングさせることを特徴とする端末。
【請求項9】
前記制御部は、
前記基地局に測定結果を報告するように制御することを特徴とする請求項8に記載の端末。
【請求項10】
前記ビットマップの一番目のビットの次のビットは、前記SFNが0であるフレームの一番目のサブフレームの次のサブフレームと一対一でマッピングされることを特徴とする請求項8に記載の端末。
【請求項11】
前記ビットマップは、前記サブフレームに繰り返してマッピングされることを特徴とする請求項8に記載の端末。
【請求項12】
前記制御部は、
前記RRC連結再設定メッセージを受信する以前に、基地局から能力報告要請メッセージを受信し、干渉調整能力情報を含む能力報告メッセージを伝送するように制御することを特徴とする請求項8に記載の端末。
【請求項13】
前記無線通信システムは、前記ビットマップのサイズが異なる周波数分割二重化方式または時間分割二重化方式のうち一つを使用し、
前記ビットマップのサイズは、前記無線通信システムが前記時間分割二重化方式を使用する場合、時間分割二重化設定によって決定されることを特徴とする請求項8に記載の端末。
【請求項14】
前記制御部は、
システムフレームナンバーの終了時点近接時に前記システムフレームナンバーの繰り返し周期が前記ビットマップのサイズの整数倍であるかを判断し、整数倍ではない場合、前記システムフレームナンバーの値が0になる時点に現在適用されている前記パターン情報の適用を終了し、前記ビットマップの一番目のビットを前記システムフレームナンバーの値が0であるフレームの一番目のサブフレームにマッピングさせて前記測定を行うことを特徴とする請求項8に記載の端末。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信システムに関し、より具体的には、セル間の干渉電力量を効率的に制御する方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、移動通信システムは、ユーザの移動性を確保しながら通信を提供するための目的で開発された。このような移動通信システムは、技術の飛躍的な発展に伴い、音声通信はもちろん、高速のデータ通信サービスを提供することができる段階に至った。
【0003】
近年、次世代移動通信システムのうち1つとして、3GPPでLTE(Long Term Evolution)に対する規格作業が進行中にある。LTEは、2010年程度を商用化の目標にして、現在提供されているデータ伝送率よりも高い最大100Mbps程度の伝送速度を有する高速パケット基盤通信を具現する技術である。このために、さまざまな方案が論議されているが、例えば、ネットワークの構造を簡単にして、通信路上に位置するノードの数を減らす方案や、無線プロトコルを最大限無線チャネルに近接させる方案などが論議中にある。
【0004】
一方、データサービスは、音声サービスとは異なって、伝送しようとするデータの量とチャネル状況によって割り当てることができる資源などが決定される。したがって、移動通信システムのような無線通信システムでは、スケージュラで伝送しようとする資源の量とチャネルの状況及びデータの量などを考慮して伝送資源を割り当てるなどの管理が行われる。これは、次世代移動通信システムのうち1つであるLTEでも同一に行われ、基地局に位置するスケージュラが無線伝送資源を管理し、割り当てる。
【0005】
最近、LTE通信システムにさまざまな新技術を結合し、伝送速度を向上させる進化したLTE通信システム(LTE−Advanced、LTE−A)に対する論議が本格化されている。前記新しく導入される技術のうち、eICIC(enhanced Inter−cell Interference Coordination)がある。eICICは、セル間の干渉を低減する技術であって、サブフレーム(subframe)単位で、干渉を与えるセルが送信出力を低減するか、または初めからデータを伝送しないので、隣接セルに当該サブフレームに対する干渉を低減する。隣接セル内の端末は、当該サブフレームに限って、チャネル測定を行い、隣接セルと無線リンクを維持し、データを伝送することができる機会を得ることができる。このようなサブフレームをほぼ空きのサブフレーム(Almost Blank Subframe、ABS)と言い、一定のパターンを持って適用される。ABSパターンは、サービングセルでの無線資源管理(RRM/RLM)測定、隣接セルでのRRM測定、サービングセルでのチャネル状態情報(Channel Status Information、CSI)測定などの目的によって様々な種類が提供され、FDD/TDDによってパターンサイズが変わる。したがって、場合によって多様なパターンを適切に運用する方法が要求される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、このような要求に応ずるためになされたものであって、その目的は、ABSパターンを利用してセル間の干渉電力量を効率的に制御する方法及び装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記のような問題点を解決するために、本発明の無線通信システムにおいて端末の測定方法は、サービングセルまたは隣接セル測定のためのパターン情報を含むRRC連結再設定メッセージを基地局から受信する段階と、前記RRC連結再設定メッセージで指示する測定対象に対して、前記パターン情報を利用して前記サービングセルまたは隣接セルを測定する段階と、前記測定結果を前記基地局に報告する段階とを含むことを特徴とする。
また、本発明の無線通信システムにおいてサービングセルまたは隣接セルを測定する端末は、基地局と信号を送受信し、前記サービングセルまたは隣接セルに対する測定を行う送受信機と、前記サービングセルまたは隣接セル測定のためのパターン情報を含むRRC連結再設定メッセージを基地局から受信し、前記RRC連結再設定メッセージで指示する測定対象に対して前記パターン情報を利用して前記サービングセルまたは隣接セルを測定し、前記測定結果を前記基地局に報告するように制御する制御部とを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、セル間の干渉電力量を効率的に制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】マクロセルとCSGセル間の干渉シナリオを説明するための図である。
【
図2】マクロセルとピコセル間の干渉シナリオを説明するための図である。
【
図3】eICIC技術で適用されるパターンを説明するための図である。
【
図4】パターン1に対するRRCシグナリングを説明するための図である。
【
図5】パターン2に対するRRCシグナリングを説明するための図である。
【
図6】パターン3に対するRRCシグナリングを説明するための図である。
【
図7】ビットマップ情報とサブフレームマッピング関係を説明するための図である。
【
図8】本発明での追加的な動作定義を説明するための図である。
【
図11】従来のチャネル状態情報基準信号のスケジューリング情報を利用して、特定サブフレームで伝達されるCSI報告がどんなパターンを適用するかを指示する過程を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付の図面を参照して本発明の好ましい実施例を詳しく説明する。この際、添付の図面で同一の構成要素は、できるだけ、同一の符号で示していることに留意しなければならない。また、本発明の要旨を不明にすることができる公知機能及び構成に関する詳細な説明を省略する。
【0011】
LTEシステムでは、多様な種類のセルを有している。例えば、CSG(Closed Subscriber Group)セルは、あらかじめ選択された端末機だけに対してサービスを提供する。このようなCSGセルは、主に家の内部など主要サービス対象が定められており、サービス半径が短い。ピコ(Pico)セルは、500メートル内の短いサービス半径を有しており、主にトラフィック要求が頻繁なホットスポット(hotspot)地域に設置される。以下では、このようなCSGセルまたはピコセルのように、マクロセルに比べて短いサービス半径を有するセルを超小型基地局と称することもできる。
【0012】
このようなセルは、サービス半径がマクロセルに比べて相対的に短く、1つのマクロセルのサービス半径内に複数個のCSGセル、ピコセルが存在することができる。ところが、このようなセルは、相互間に干渉を起こすことができるので、以下では、これについて具体的に説明する。
【0013】
図1は、マクロセルとCSGセル間の干渉シナリオを説明するための図である。
【0014】
端末105は、マクロセル100と連結され、サービスを提供される。この際、前記端末105がCSGセル110のサービス領域に移動するものと仮定する。もし、端末105がCSGセルのメンバーではない場合、前記端末105は、CSGセル110から大きい強度の干渉信号を受信するようになる。したがって、CSGセル110は、攻撃(Aggressor)セルになり、マクロセルは、前記攻撃セルから干渉を受ける犠牲(Victim)セルになる。
【0015】
図2は、マクロセルとピコセル間の干渉シナリオを説明するための図である。
【0016】
端末205は、ピコセル210と連結され、サービスを提供される。この際、前記端末205がマクロセル200のサービス領域に移動することを仮定する。この場合、端末205は、マクロセル200から大きい強度の干渉信号を受信するようになる。
【0017】
もし、端末205がマクロセル200へハンドオーバーを行うようになれば、このようなマクロセル200からの干渉を抑制することができる。しかし、セル運営上、ピコセル210がさらに多いユーザをサービスすることを希望することができ、このために、セル境界に位置するユーザは、ピコセル210からサービスされることができなければならない。したがって、この場合、マクロセルは、攻撃(Aggressor)セルになり、ピコセルは、前記攻撃セルから干渉を受ける犠牲(Victim)セルになる。
【0018】
eICICは、このようなセル間の干渉シナリオにおいて攻撃セルから犠牲セルへの干渉を低減する技術である。Rel−10でeICICは、PCellだけで適用されるものに制限している。eICICで、攻撃セルは、サブフレーム(subframe)単位で一定パターンによって、送信出力を低減するか、または初めからデータを伝送しないので、当該サブフレームに対して犠牲セルが経験する干渉を低減する。一方、犠牲セル内の端末は、当該サブフレームに限って、チャネル測定を行い、隣接セル(すなわち、前記犠牲セル)と無線リンクを維持し、データを伝送することができる機会を得ることができる。このようなサブフレームをABS(Almost Blank Subframe)と言い、一定のパターンを持って適用される。以下では、このようなパターンをABSパターンと称することができ、状況によってこれを混用して使用する。
【0019】
図3はeICIC技術で適用されるパターンを説明するための図である。
【0020】
図3では、犠牲セルの連続したサブフレーム構造300と攻撃セルの連続したサブフレーム構造305が示されている。攻撃セルで送信出力を低減するか、初めからデータを伝送しないサブフレームをABSと称し、図面で310に該当する。その他のサブフレームは、従来の電力制御に基盤して、データを伝送することができる。ABSサブフレームでは、同一時間に伝送される犠牲セルのサブフレームに小さい干渉を起こすか、または初めから干渉を起こさない。一方、ABSサブフレームを除いた残りのサブフレーム315では、犠牲セルに大きい干渉を起こすようになる。
【0021】
犠牲セルは、ABSサブフレームの位置によってRRM測定またはCSI測定を制限する。前記測定が制限されるサブフレーム325とそうではないサブフレーム320は、それぞれ0、1で表現される1つのパターン情報を基地局から端末にRRCシグナリングされる。1で表現されるサブフレームは、ABSであり、これに属しているサブフレームでは、犠牲セルでのチャネル測定またはCSI測定が制限されない。パターンは、次のように様々な種類が存在する。
【0022】
−パターン1:サービングセルに対するRRM/RLM測定時に、ABS位置指示
−パターン2:carrierFreqに指示された周波数で隣接セルに対するRRM測定時に、ABS位置指示
−パターン3:サービングセルに対してCSI測定が制限されないサブフレーム位置指示。パターン1、2とは異なって、2つのパターンが提供される。
【0023】
パターン3において2つのパターンは、それぞれcsi−MeasSubframeSet1−r10とcsi−MeasSubframeSet2−r10 IEとして端末に知られる。2つのパターンを有する理由は、効率的なスケジューリングを行うためである。犠牲セルでABSサブフレームではないサブフレームであると言って、全然データ伝送に使用することができないものではない。したがって、ABSサブフレームでもデータを伝送し、これに対するCSI報告を受けて、チャネル状態を確認する必要がある。もしABSサブフレームではないサブフレームに対して、基地局が比較的良好なCSIを報告されれば、当該サブフレームにスケジューリングを行うこともできる。端末は、2つのパターンに対するABS設定情報を格納し、csi−MeasSubframeSet1−r10とcsi−MeasSubframeSet2−r10が示すパターンによってCSI情報を測定する。
【0024】
図11は、従来のチャネル状態情報基準信号(Channel Status Information Reference Signal、CSI−RS)のスケジューリング情報を利用して、特定サブフレームで伝達されるCSI報告がどんなパターンを適用すべきかを指示する過程を示している。CSI測定のためのパターンの種類は、2つであり、1100と1105である。各パターンは、CSI測定のために使用されるサブフレームを指示する。もしサブフレーム1115でCSI報告を行う場合、CSI−RSを考慮するサブフレーム1110がいずれか1つのパターンが指示するサブフレームと一致するかを判断する。一番目のパターン1100は、参考するCSI−RSを伝送するサブフレームと一致するサブフレームを指示しない。一方、二番目のパターン1105は、CSI−RSを伝送するサブフレームと一致する1つのサブフレーム1120を指示する。したがって、1115でのCSI報告は、二番目のパターンを適用する。問題は、1125のように、2つのパターンが共にCSI−RSを参考するサブフレームであることを指示するか、またはいずれのパターンも当該サブフレームであることを指示しない場合である。これを解決するために、明示(Explicit)されたシグナリングを通じて、特定サブフレームで伝達されるCSI報告がどんなパターンを適用すべきかを1ビットで指示する。一番目のABSパターンが適用されれば、‘0’、二番目のABSパターンが適用されれば、‘1’で表示される。他の方法としては、暗示的(implicit)に指示することもできる。例えば、2つのパターンが共にCSI−RSを参考するサブフレームであることを指示する場合、無条件に一番目または二番目のABSパターンを適用するCSI情報を報告する。
【0025】
本発明の提案によれば、周波数分割二重化(Frequency Division Duplex、FDD)/時間分割二重化(Time Division Duplex、TDD)によってパターンサイズが変わる。FDDの場合には、40ビットのビットマップが使用され、1ビット当たり1つのサブフレーム(subframe)に対応する。したがって、全体40サブフレームで構成された4フレームを1つのビットマップで指示し、時間としては、全体40msに該当する。TDDの場合には、TDD設定によって、ビットマップのサイズが異なる。TDD設定0は、70ビットのビットマップ(70msに該当)、TDD設定1〜5は、20ビットのビットマップ(20msに該当)、TDD設定6は、60ビットのビットマップ(60msに該当)を使用する。このようにビットマップのサイズが異なる理由は、HARQ周期サイズを考慮してパターン情報を提供するからである。
図3は、FDDの場合であり、40ビットを使用して、4フレーム(40ms)、すなわち40サブフレームに対するABS情報を通知している。また、パターン情報は、40サブフレームごとに繰り返されて適用される。
【0026】
図4は、本発明の実施例によってパターン1による測定を指示するためのRRC(Radio Resource Control)シグナリングを示す流れ図である。
【0027】
まず、410段階で、基地局405は、端末400に端末能力(UE capability)を報告することを指示するために端末能力報告要請メッセージ(UE Capability Enquiry)を端末400に伝送する。それでは、端末400は、基地局405にセル間の干渉制御(eICIC)動作が可能であることを報告するために、415段階で、端末能力報告メッセージ(UECapabilityInformation)を基地局405に伝送する。
【0028】
それでは、端末400は、基地局405からサービングセルのRRM/RLM測定のためのABSパターン情報をRRC連結再設定(RRC connection reconfiguration)メッセージを通じて420段階で伝達される。もし、前記受信したRRC connection reconfigurationメッセージのmeasSubframePatternPCell IEが測定設定(setup)指示とともにパターン情報measSubframePatternを含む場合、端末400は、ABSに限ってサービングセルの無線資源管理(RRM/RLM)測定を行うようになる。
【0029】
言い換えれば、RRC連結再設定メッセージのmeasSubframePatternPCell IEが設定である場合は、パターン1によって、前記RRC連結再設定メッセージに含まれたパターン情報を利用してサービングセルを測定するように指示するものと解釈されることができる。
【0030】
もし、425段階で、端末がRRC連結再設定(RRC connection reconfiguration)メッセージのmeasSubframePatternPCell IEで解除(release)指示を受けるようになれば、端末は、実行中のeICICを中止するようになる。
【0031】
図5は、本発明の実施例によってパターン2による測定を指示するためのRRCシグナリングを示す流れ図である。
【0032】
まず、510段階で、基地局505は、端末500に端末能力(UE capability)を報告することを指示するために端末能力報告要請メッセージ(UECapabilityEnquiry)を端末500に伝送する。それでは、端末500は、基地局505にセル間の干渉制御(eICIC)動作が可能であることを報告するために、515段階で、端末能力報告メッセージ(UECapabilityInformation)を基地局505に伝送する。
【0033】
それでは、端末500は、基地局505から隣接セルのRRM測定のためのABSパターン情報をRRC連結再設定(RRC connection reconfiguration)メッセージを通じて520段階で伝達される。もし、受信したRRC connection reconfigurationメッセージのmeasSubframePatternConfigNeigh IEが測定設定(setup)指示とともにパターン情報measSubframePatternを含む場合、端末500は、ABSに限って隣接セルの無線資源管理(RRM)測定を行うようになる。
言い換えれば、RRC連結再設定メッセージのmeasSubframePatternConfigNeighl IEが設定である場合は、パターン2によって、前記RRC連結再設定メッセージに含まれたパターン情報を利用して隣接セルを測定するように指示したものと解釈されることができる。
【0034】
もし、端末500が525段階でRRC連結再設定(RRC connection reconfiguration)メッセージのmeasSubframePatternConfigNeigh IEで解除(release)指示を受けるようになれば、端末は、実行中のeICICを中止するようになる。
【0035】
図6は、本発明の実施例によってパターン3による測定を指示するためのRRCシグナリングを示す流れ図である。
【0036】
まず、610段階で、基地局605は、端末600に端末能力(UE capability)を報告することを指示するために端末能力報告要請メッセージ(UECapabilityEnquiry)を端末600に伝送する。それでは、端末600は、基地局605にセル間の干渉制御(eICIC)動作が可能であることを報告するために、615段階で、端末能力報告メッセージ(UECapabilityInformation)を基地局605に報告する。
【0037】
それでは、端末600は、基地局605からサービングセルのCSI測定のためのABSパターン情報をRRC連結再設定(RRC connectionre configuration)メッセージを通じて620段階で伝達される。もし、受信したRRC連結再設定(RRC connection reconfiguration)メッセージのcsi−SubframePatternConfig IEが測定設定(setup)指示とともに2つのパターン情報measSubframePatternを含めば、端末600は、当該パターン情報とともに、ABSに限ってサービングセルのCSI測定を行うようになる。
【0038】
もし、端末600が625段階でRRC連結再設定(RRC connection reconfiguration)メッセージのcsi−SubframePatternConfig IEで解除(release)指示を受けるようになれば、端末は、実行中のeICICを中止するようになる。
【0039】
一方、RRCシグナリングで端末に提供されたパターン情報をRRM/RLMまたはCSI測定を制限するのに利用するためには、各ビットマップのビットがどんなサブフレームにマッピング(mapping)されるかを定義しなければならない。ビットマップ形態で提供されたパターン情報において最初のビットは、SFN(System Frame Number)=0であるフレームの一番目のサブフレームにマッピングされる。その後、ビットは、次のサブフレームと一対一でマッピングされる。1つのSFNサイクル内のサブフレーム数は、ビットマップのビット数よりも大きいので、ビットマップのビットは、パターン周期をもって繰り返して適用される。すなわち、パターンが始まるサブフレームは、下記の数式で定義される。
【0041】
図7は、ビットマップ情報とサブフレームマッピング関係を説明するための図である。各フレーム(またはラジオフレーム)ごとにSFN値が付与され、フレームが増加するほどSFNは1ずつ増加する。SFN値は、一定周期で繰り返される。本発明の好ましい実施例によれば、前記SFN値は、1024周期とともに、0から1023までの範囲を持って繰り返されることができる。1023値をフレーム700が終われば、次のフレーム710は、さらにSFN=0である値を付与され、新しいSFNサイクル705が始まる。基地局からeICICのために提供されたビットマップ情報720は、サブフレームにマッピングされ、RRM/RLMまたはCSI測定を行うサブフレームであることを指示する。
【0042】
サブフレーム番号715は、毎フレームごとにリセットされ、0から9までの範囲を有する。すなわち、1つのフレームは、10個のサブフレームを含むことができる。ビットマップ720が示す一番目のビット730は、SFN=0であるフレームの一番目のサブフレーム725とマッピングされる。すなわち、ビットマップ720の一番目のビット730は、SFN=0である一番目のサブフレーム725でのeICIC動作実行可否を指示する。そして、その後、ビットは、次のサブフレームと一対一でマッピングされる。前述したように、1つのSFNサイクル内のサブフレーム数は、ビットマップのビット数よりも大きいので、ビットマップのビットパターン周期ごとに繰り返して適用される。
【0043】
ところが、前記マッピング方式では、追加的な定義が必要である。すなわちTDD設定0、6の場合は、それぞれ70ms、60msの周期を有するパターン情報を利用する。SFNサイクルのサイズは、1024なので、70msまたは60ms周期を繰り返してマッピングしては、次のSFN=0でパターンがさらに始まらない。したがって、SFNサイクルサイズ(周期)がパターン情報長さの整数倍ではない場合、eICICをどんな方式で行うかに対して追加的な定義が必要である。
【0044】
図8は、本発明での追加的な動作定義を説明するための図である。一番目のSFN=0である位置800でTDD設定6 805のパターンが提供され、このパターン810を構成するそれぞれのビットは、SFN=0であるフレームの一番目のサブフレームから一対一でマッピングされ、それぞれのサブフレームでのeICIC実行可否を指示する。前記パターンは、繰り返してSFN=1020であるフレーム815まで適用される。
【0045】
しかし、SFN=1020であるフレーム815と次のSFN=0であるフレーム820までのサブフレームの数は、1つのパターンをマッピングするには十分ではない。したがって、本発明では、SFN=1020であるフレームから続いてパターン情報を適用し、且つ、次のSFN=0であるフレーム820が渡来すれば、当該パターン情報がすべてマッピングされないとしても、これを中止し、さらに新しくパターン830を適用する。
【0046】
図9は、eICICを行う端末の動作手順を示す流れ図である。
【0047】
まず、端末は、基地局から900段階で端末能力(UE capability)を報告することを指示される。それでは、端末は、基地局にeICIC動作が可能であることを905段階で報告する。
【0048】
基地局は、端末に910段階でRRC連結再設定(RRC Connection Reconfiguration)メッセージを通じて、eICIC実行を指示し、これに必要なABSパターン情報及び測定対象(すなわち、パターン1〜3のいずれか1つ)など設定情報を提供する。端末は、915段階で、パターン情報が始まるサブフレームを決定し、現在サブフレームにビットマップのどんなビット情報が適用されなければならないかを判断する。本発明の一実施例によれば、ビットマップの一番目のビットは、システムフレームナンバー(System Frame Number)の値が0であるフレームの一番目のサブフレームに対応して前記測定可否を指示する。また、前記ビットマップの前記一番目のビット以後のビットは、前記一番目のサブフレームの次のサブフレームに対応して前記測定可否を指示する。
【0049】
端末は、920段階で、ビット情報に基づいて現在サブフレームでRRM/RLMまたはCSI測定を行う。925段階で、サブフレーム番号を増加させる。端末は、930段階で、SFNサイクルの終了時点が近接してくるかを判断する。SFNサイクルの終了時点が近接するというのは、あらかじめ決定されたSFNの繰り返し周期の終了時点からあらかじめ決定された個数のフレーム以前であるかを判断することを意味することができる。例えば、SFNが1024周期であり、あらかじめ決定された個数が40なら、SFNが1024−40=984の値を有する時点で前記判断を行うことを意味する。
【0050】
もし終わらなかったら、端末は、950段階で、パターンが終わって行くかを判断する。パターンが終われば、955段階で、ビットマップの最初のビットを適用し、920段階に戻って、次のサブフレームでRRM/RLMまたはCSI測定を行う。
【0051】
もし、930段階で、SFNサイクルが終わって行くと判断されれば、パターンサイズが60または70msであるかを935段階で確認する。60または70msなら、SFNサイクルが終わってSFN=0にリセットされれば、今まで実行中のパターンを940段階で中止し、945段階で、ビットマップの最初のビットを適用し、920段階に戻ってSFN=0である次のサブフレームでRRM/RLMまたはCSI測定を行う。
【0052】
図10は、本発明を適用した端末の内部構造を示すブロック図である。
【0053】
端末は、上位階層1010とデータなどを送受信し、制御メッセージ処理部1015を通じて制御メッセージを送受信する。そして、前記端末は、基地局に制御信号またはデータ送信時に、制御部1020の制御によって多重化装置1005を通じて多重化後、送信機1000を通じてデータを伝送する。一方、受信時に、端末は、制御部1020の制御によって受信機1000で物理信号を受信した後、逆多重化装置1005で受信信号を逆多重化し、それぞれメッセージ情報によって上位階層1010あるいは制御メッシュだ処理部1015に伝達する。
【0054】
本発明の実施例によれば、前記制御部1020は、前記サービングセルまたは隣接セル測定のためのパターン情報を含むRRC連結再設定メッセージを基地局から受信する。そして、前記制御部1020は、前記RRC連結再設定メッセージで指示する測定対象に対して前記パターン情報を利用して前記サービングセルまたは隣接セルを測定し、前記測定結果を前記基地局に報告するように制御する。
【0055】
本発明の一実施例によれば、前記制御部1020は、一定周期で繰り返されるシステムフレームナンバーの終了時点近接時に前記システムフレームナンバーの繰り返し周期が前記パターン情報サイズの整数倍であるかを判断することができる。整数倍ではない場合、制御部1020は、前記システムフレームナンバーの値が0になる時点に現在適用されている前記パターン情報の適用を終了し、これと同時に、前記パターン情報の一番目のビットを前記システムフレームナンバーの値が0であるフレームの一番目のサブフレームに対応させて前記測定を行う。
【符号の説明】
【0056】
100… マクロセル
105… 端末
110… CSGセル
200… マクロセル
205… 端末
210… ピコセル
300… 犠牲セルの連続したサブフレーム構造
305… 攻撃セルの連続したサブフレーム構造
400… 端末
405… 基地局
500… 端末
505… 基地局
600… 端末
605… 基地局
1000… 送受信機
1005… 多重化及び逆多重化装置
1010… 上位階層装置
1015… 制御メッセージ処理部
1020… 制御部