(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
物体側から順に配設された、負の屈折力を有する第1レンズと、正の屈折力を有する第2レンズと、正の屈折力を有する第3レンズと、正の屈折力を有する第4レンズと、負の屈折力を有する第5レンズとからなり、
前記第2レンズと前記第3レンズの間に開口絞りを有し、
前記第1から第5レンズは、プラスチックレンズを含み、
各レンズの焦点距離をfi(mm)、各レンズの線膨張係数をKi(×10−6/℃)、レンズ全系の焦点距離をf(mm)とするとき、次式で表されるA
A=[Σ(Ki/fi)]/f
の数値A´が下記条件式(1)
(1)0<A´<0.5
を満足し、
前記第1レンズの物体側の面の曲率半径をR1及び像面側の面の曲率半径をR2とするとき、下記条件式(5)
(5)1.4<(R1+R2)/(R1−R2)<1.8
を満足する、広角レンズ。
物体側から順に配設された、負の屈折力を有する第1レンズと、正の屈折力を有する第2レンズと、正の屈折力を有する第3レンズと、正の屈折力を有する第4レンズと、負の屈折力を有する第5レンズとからなり、
前記第2レンズと前記第3レンズの間に開口絞りを有し、
前記第1から第5レンズは、プラスチックレンズを含み、
各レンズの焦点距離をfi(mm)、各レンズの線膨張係数をKi(×10−6/℃)、レンズ全系の焦点距離をf(mm)とするとき、次式で表されるA
A=[Σ(Ki/fi)]/f
の数値A´が下記条件式(1)
(1)0<A´<0.5
を満足し、
前記第4レンズ及び第5レンズは、接合レンズである、広角レンズ。
物体側から順に配設された、負の屈折力を有する第1レンズと、正の屈折力を有する第2レンズと、正の屈折力を有する第3レンズと、正の屈折力を有する第4レンズと、負の屈折力を有する第5レンズとからなり、
前記第2レンズと前記第3レンズの間に開口絞りを有し、
前記第1から第5レンズは、プラスチックレンズを含み、
各レンズの焦点距離をfi(mm)、各レンズの線膨張係数をKi(×10−6/℃)、レンズ全系の焦点距離をf(mm)とするとき、次式で表されるA
A=[Σ(Ki/fi)]/f
の数値A´が下記条件式(1)
(1)0<A´<0.5
を満足し、
前記第1レンズは、物体側に凸面を向けかつ像面側に凹面を向けた凹メニスカスレンズであり、
前記第2レンズは、物体側に凸面を向けかつ像面側に凸面又は凹面を向けた両凸レンズ又は凸メニスカスレンズであり、
前記第3レンズは、物体側に凸面又は凹面を向けかつ像面側に凸面を向けた両凸レンズ又は凸メニスカスレンズであり、
前記第4レンズは、物体側に凸面又は凹面を向けかつ像面側に凸面を向けた両凸レンズ又は凸メニスカスレンズであり、
前記第5レンズは、物体側に凹面を向けかつ像面側に凸面を向けた凹メニスカスレンズである、広角レンズ。
物体側から順に配設された、負の屈折力を有する第1レンズと、正の屈折力を有する第2レンズと、正の屈折力を有する第3レンズと、正の屈折力を有する第4レンズと、負の屈折力を有する第5レンズとからなり、
前記第2レンズと前記第3レンズの間に開口絞りを有し、
前記第2から第4レンズは、プラスチックレンズを含み、
各レンズの焦点距離をfi(mm)、各レンズの線膨張係数をKi(×10−6/℃)、レンズ全系の焦点距離をf(mm)とするとき、次式で表されるA
A=[Σ(Ki/fi)]/f
の数値A´が下記条件式(1)
(1)0<A´<0.5
を満足し、
前記第1レンズ及び第5レンズは、ガラスレンズである、広角レンズ。
【背景技術】
【0002】
近年、コンパクトデジタルカメラ、デジタル一眼レフカメラ、ミラーレス一眼レフカメラ等において、様々な撮影シーンに応じて自由にレンズ(レンズ鏡筒)を交換できるレンズ交換式のカメラが主流になってきている。これらの交換式レンズ(レンズ鏡筒)は、小型かつ軽量のものであれば、気軽に携帯できるため利用者の負担も軽減できる。
そこで、交換式レンズ(特に、広角レンズを備えたレンズ鏡筒)においては、外径寸法を抑えつつレンズの樹脂化又は鏡筒の樹脂化による、コンパクト化(小型化)、軽量化、低コスト化等が望まれ、又、レンズや鏡筒を樹脂化した場合において、環境の温度変化による焦点結像位置(バックフォーカス)の変化を抑制することが望まれる。
【0003】
一方、従来の広角レンズとしては、物体側から順に配設された、負の屈折力を有する第1レンズ群と、開口絞りと、正の屈折力を有する第2レンズ群とからなり、第1レンズ群が、物体側から順に配設された、2つの負メニスカスレンズ、2つの凹レンズ、負メニスカスレンズと両凸レンズを接合した接合レンズ、両凹レンズと両凸レンズを接合した接合レンズの8枚構成からなり、第2レンズ群が、物体側から順に配設された、前群と、前群に対して合焦移動する後群からなり、前群が、両凸レンズと両凹レンズを接合した接合レンズ、両凸レンズからなり、後群が、両凹レンズと両凸レンズを接合した接合レンズ、両凸レンズと負メニスカスレンズを接合した接合レンズからなる、2群15枚構成を採用し、画角が114度程度で、F2.8程度の大口径を有するものが知られている(例えば、特許文献1を参照)。
この広角レンズでは、バックフォーカスが十分確保されているため、デジタル一眼レフカメラ等に適用することはできるものの、最前のレンズ(前玉レンズ)が大径化し、レンズの構成枚数が多く、又、全てガラスのレンズを採用し、さらには合焦機構を採用しているが故に、手軽に携帯して交換できるようなコンパクト化(小型化)、軽量化、さらには低コスト化等の要求を満たすことはできない。
【0004】
他の広角レンズとしては、物体側から順に配設された、負の屈折力を有する第1レンズ群と、開口絞りと、正の屈折力を有する第2レンズ群とからなり、第1レンズ群が、物体側から順に配設された、負メニスカスレンズ、両凸レンズからなり、第2レンズ群が、両凸レンズ、両凸レンズと両凹レンズを接合した接合レンズからなる、2群5枚構成を採用し、画角が80〜90度程度で、F2.0程度の大口径を有するものが知られている(例えば、特許文献2を参照)。
この広角レンズでは、レンズの枚数が5枚であり、前述の15枚構成の広角レンズに比べればコンパクト化されているものの、最前のレンズ(前玉レンズ)が大径化し、全てガラスのレンズを採用するものであり、又、画角も80〜90度程度であり、バックフォーカスの確保も十分ではなく、車載カメラや監視カメラとしては適用できる可能性があるものの、デジタル一眼レフカメラ等に適用するのは困難である。
【0005】
さらに、他の広角レンズとしては、物体側から順に配設された、第1レンズ群と、開口絞りと、第2レンズ群とからなり、第1レンズ群が、物体側から順に配設された、負メニスカスレンズ、両凹レンズ、両凸(又は正)レンズからなり、第2レンズ群が、両凹レンズと両凸レンズ(又は両凸レンズと両凹レンズ)を接合した接合レンズ、両凸レンズからなる、2群6枚構成を採用し、二つのレンズ(第2番目のレンズと第6番目又は第3番目のレンズ)をプラスチック(樹脂)により形成したものが知られている(例えば、特許文献3を参照)。
この広角レンズでは、レンズの枚数が6枚であり、前述の5枚構成の広角レンズに比べればレンズの枚数が1枚増え、最前のレンズ(前玉レンズ)も大径化し、又、バックフォーカスの確保も十分ではなく、車載カメラや監視カメラとしては適用できる可能性があるものの、デジタル一眼レフカメラ等に適用するのは困難である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記の事情に鑑みて成されたものであり、その目的とするところは、コンパクト化(小型化)、軽量化、低コスト化等を図りつつ、対角画角が広く(好ましくは140度以上で)、バックフォーカスを十分確保でき、環境の温度変化に対してバックフォーカスの変動量を抑制することができ、諸収差が良好に補正され、高性能かつ小型で安価な広角レンズ、レンズ鏡筒及び光学機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の広角レンズは、物体側から順に配設された、負の屈折力を有する第1レンズ群と、所定の口径をなす開口絞りと、正の屈折力を有する第2レンズ群とからなり、第1レンズ群又は第2レンズ群は、プラスチックレンズを含み、第1レンズ群及び第2レンズ群を構成する各レンズの焦点距離をfi、第1レンズ群及び第2レンズ群を構成する各レンズの線膨張係数をKi、レンズ全系の焦点距離をfとするとき、下記条件式(1)
(1)0<[Σ(Ki/fi)]/f<0.5
を満足する、ことを特徴としている。
この構成によれば、プラスチックレンズを含むレンズ全系において、条件式(1)を満たすことにより、軽量化、小型化、低コスト化等を達成しつつ、所望の光学特性を確保でき、十分なバックフォーカスを確保できると共に環境の温度変化に対してバックフォーカスの変動量を小さく抑えること(具体的には、レンズの曲率、厚み、屈折率等の変動を抑制してバックフォーカスの変動量を小さく抑えること)ができ、特に、デジタル一眼レフカメラ、ミラーレス一眼レフカメラ等において手軽に交換できる交換式のレンズとして適用することができる。
【0009】
なお、本発明の広角レンズで用いられるレンズのレンズ面は、球面、平面、あるいは非球面で形成されてもよい。レンズ面が球面又は平面の場合、レンズ加工及び組立調整が容易になり、加工及び組立調整の誤差による光学性能の劣化を防げるので好ましい。レンズ面が非球面の場合、研削加工による非球面、ガラスを型で非球面形状に形成したガラスモールド非球面、ガラスの表面に樹脂を非球面形状に形成した複合型非球面のいずれの非球面でも構わない。また、必要に応じて、レンズ面は回折面としてもよく、レンズを屈折率分布型レンズ(GRINレンズ)等としてもよい。
また、レンズ全系において、最も外側(最も前方、最も後方)に位置するレンズには、使用時等に外部に晒される可能性もあることから、必要に応じて様々な加工を施すことも可能である。この加工の例としては、レンズ本体の曇り防止や水滴形成防止のために表面部を光触媒等により親水化すること等が挙げられる。
【0010】
上記構成の広角レンズにおいて、プラスチックレンズの焦点距離をfp、レンズ全系の焦点距離をfとするとき、下記条件式(2)
(2)0<1/fp<0.1
を満足する、構成を採用することができる。
この構成によれば、条件式(2)を満たすことにより、条件式(1)を満たす構成に加えてさらに、環境の温度変化に対してバックフォーカスの変動量をより小さく抑えること(具体的には、プラスチックレンズの曲率、厚み、屈折率等の変動を抑制してバックフォーカスの変動量を小さく抑えること)ができる。
【0011】
上記構成の広角レンズにおいて、第1レンズ群の焦点距離をf
G1、レンズ全系の焦点距離をfとするとき、下記条件式(3)
(3)−1.0<f
G1/f<−0.7
を満足する、構成を採用することができる。
この構成によれば、条件式(3)を満たすことにより、バックフォーカスを十分確保することができると共に、諸収差、特に像面湾曲及び非点収差を良好に補正することができる。
【0012】
上記構成の広角レンズにおいて、第1レンズ群の最前レンズの物体側の面から像面までの光軸上における距離をTL、レンズ全系の焦点距離をfとするとき、下記条件式(4)
(4)0.28<f/TL<0.35
を満足する、構成を採用することができる。
この構成によれば、条件式(4)を満たすことにより、諸収差を良好に補正することができ、小型化(コンパクト化)を達成することができる。すなわち、条件式(4)は、レンズ全系の焦点距離fとレンズ全系の光軸方向の全長TLの比を規定する(レンズ全系の大きさを決定する)ための条件式であり、f/TLの値が上限値を満たすことにより諸収差を良好に補正することができ、f/TLの値が下限値を満たすことにより小型化(コンパクト化)を達成すことができる。
【0013】
上記構成の広角レンズにおいて、第1レンズ群は、物体側から順に配設された、負の屈折力を有する第1レンズと、正の屈折力を有する第2レンズとからなり、第2レンズ群は、物体側から順に配設された、正の屈折力を有する第3レンズと、正の屈折力を有する第4レンズと、負の屈折力を有する第5レンズとからなり、第2レンズは、プラスチックレンズである、構成を採用することができる。
この構成によれば、2群5枚構成とすると共に第1レンズとして負の屈折力をもつ負レンズ及び第2レンズとして正の屈折力をもつプラスチックレンズを採用することにより、上述の条件式(1)から(4)等を満たす構成に加えてさらに、対角画角が広く(好ましくは140度以上の広画角を確保でき)、CCD等の撮像素子を搭載したデジタル一眼レフカメラ等に適用するために十分な長さのバックフォーカスを確保することができ、又、第2レンズをプラスチックレンズとすることにより、軽量化、低コスト化を達成しつつも、環境の温度変化に対してバックフォーカスの変動量を抑制できるレンズ配置を得ることができ、諸収差を良好に補正することができ、さらに、上記のレンズ配置とすることで、入射瞳位置を物体側に位置付けて第1レンズに入射する軸外光束の光線高を低くでき、それ故に、第1レンズ(前玉レンズ)の有効径(すなわち外径)を小さくできるため、小径化、小型化(コンパクト化)等を達成することができる。
【0014】
上記構成の広角レンズにおいて、第2レンズ及び第3レンズは、物体側及び像面側の少なくとも一方の面が非球面に形成されている、構成を採用することができる。
この構成によれば、開口絞りに隣接する第2レンズ及び第3レンズに非球面を設けることにより、特に球面収差及びコマ収差を良好に補正することができると共に第1レンズに入射する光線高さを小さくでき、広画角化を達成しつつも、小型化(コンパクト化)等を達成することができる。
【0015】
上記構成の広角レンズにおいて、第4レンズ及び第5レンズは、接合レンズである、構成を採用することができる。
この構成によれば、第4レンズ及び第5レンズを接合レンズとすることにより、小型化(コンパクト化)を達成しつつ、特に色収差(軸上色収差、倍率色収差)を良好に補正することができる。
【0016】
上記構成の広角レンズにおいて、第1レンズの物体側の面の曲率半径をR1及び像面側の面の曲率半径をR2とするとき、下記条件式(5)
(5)1.4<(R1+R2)/(R1−R2)<1.8
を満足する、構成を採用することができる。
この構成によれば、条件式(5)を満たすことにより、第1レンズの大径化を抑えつつ、140度以上の大画角を確保することができる。
【0017】
上記構成の広角レンズにおいて、第1レンズのアッベ数をν1、第4レンズのアッベ数をν4、第5レンズのアッベ数をν5とするとき、下記条件式(6)
(6)ν1≧45、ν4≧50、ν5≦30
を満足する、構成を採用することができる。
この構成によれば、解像度に影響を及ぼす色収差、すなわち軸上色収差及び倍率色収差を良好に補正することができる。
【0018】
上記構成の広角レンズにおいて、第1レンズは、物体側に凸面を向けかつ像面側に凹面を向けた凹メニスカスレンズであり、第2レンズは、物体側に凸面を向けかつ像面側に凸面又は凹面を向けた両凸レンズ又は凸メニスカスレンズであり、第3レンズは、物体側に凸面又は凹面を向けかつ像面側に凸面を向けた両凸レンズ又は凸メニスカスレンズであり、第4レンズは、物体側に凸面又は凹面を向けかつ像面側に凸面を向けた両凸レンズ又は凸メニスカスレンズであり、第5レンズは、物体側に凹面を向けかつ像面側に凸面を向けた凹メニスカスレンズである、構成を採用することができる。
この構成によれば、第1レンズ〜第5レンズとして、上記形態をなすレンズを採用することにより、コンパクト化(小型化)、軽量化、低コスト化等を達成しつつ、対角画角が広く(好ましくは140度以上で)、バックフォーカスを十分確保でき、環境の温度変化に対してバックフォーカスの変動量を抑制することができ、諸収差が良好に補正された、高性能かつ小型で安価な広角レンズとすることができる。
【0019】
上記構成の広角レンズにおいて、第1レンズ及び第5レンズは、ガラスレンズである、構成を採用することができる。
この構成によれば、レンズ全系において最も外側(最も前方、最も後方)に位置する第1レンズ及び第5レンズをガラスレンズとすることにより、汚れや傷付き等による品質及び性能の劣化を防止して、所期の光学特性を維持することができる。すなわち、最も外側のレンズは、例えば市場で販売される際や使用の際において外部環境に晒される等により、汚れや傷付き等がより起こり易いことから、品質及び性能の劣化を防止する必要性があり、その観点からガラスレンズを採用することが好ましい。
【0020】
本発明のレンズ鏡筒は、上記構成をなすいずれかの広角レンズと、広角レンズを保持する鏡筒と、を備えたレンズ鏡筒であって、上記鏡筒は、樹脂材料により形成されている、ことを特徴としている。
この構成によれば、上記構成をなす広角レンズと樹脂製の鏡筒を組み合わせることにより、プラスチックレンズを含む広角レンズの温度変化によるバックフォーカスの変動量を、鏡筒の温度変化による変形に基づくレンズ間隔の変化に伴い発生するバックフォーカスの変動量で相殺するように構成することができ、幅広い温度変化において焦点結像位置の変化量を小さくしたレンズ鏡筒を得ることができる。
なお、広角レンズと鏡筒を組み合わせる方法は、例えば、熱かしめ、接着剤による接着、公知の押え環やCリングの挿入等により行われる。
【0021】
上記構成のレンズ鏡筒において、広角レンズに含まれるプラスチックレンズの−40℃〜+85℃の温度範囲における線膨張係数が60〜70(×10
−6/℃)であり、鏡筒の−40℃〜+85℃の温度範囲における線膨張係数が60〜70(×10
−6/℃)である、構成を採用することができる。
この構成によれば、幅広い温度範囲(例えば、−40℃〜+85℃)において、ピントのズレ量が−0.02mm〜+0.02mmの範囲に収まり、被写界深度内にピントのズレ量を抑えたレンズ鏡筒を得ることができる。
【0022】
本発明の光学機器は、上記構成をなすいずれかの広角レンズを含むこと、又は、上記構成をなすいずれかの広角レンズ及び広角レンズを保持する樹脂製の鏡筒を含むこと、を特徴としている。
これらの構成によれば、コンパクト化(小型化)、軽量化、低コスト化等を達成しつつ、対角画角が広く(好ましくは140度以上で)、バックフォーカスを十分確保でき、環境の温度変化に対してバックフォーカスの変動量を抑制することができ、諸収差が良好に補正され、高性能かつ小型で安価な光学機器を提供することができる。
すなわち、上記構成の広角レンズやレンズ鏡筒は、例えば、カメラなどの光学機器(デジタルカメラ等の民生用カメラ、車載カメラ、監視カメラ、内視鏡カメラ等に搭載する医療用カメラ、動画撮影を行うカムコーダー(ムービーカメラ)、各種検査カメラ、ロボット用カメラ等)等に用いることが可能である。
【発明の効果】
【0023】
上記構成をなす広角レンズによれば、コンパクト化(小型化)、軽量化、低コスト化等を達成しつつ、対角画角が広く(好ましくは140度以上で)、バックフォーカスを十分確保でき、環境の温度変化に対してバックフォーカスの変動量を抑制することができ、諸収差が良好に補正された、高性能かつ小型で安価な広角レンズを得ることができ、又、それを搭載したレンズ鏡筒及び光学機器を得ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照しつつ説明する。
この実施形態に係る広角レンズは、
図1に示すように、負の屈折力を有する第1レンズ群G1と、所定の口径をなす開口絞りSDと、正の屈折力を有する第2レンズ群G2とが、光軸L上において物体側から像面側に向けて順に配設されている。
ここで、第1レンズ群G1は、物体側から順に配設された、負の屈折力を有する第1レンズ1と、正の屈折力を有する第2レンズ2とからなり、第2レンズ群G2は、物体側から順に配設された、正の屈折力を有する第3レンズ3と、正の屈折力を有する第4レンズ4と、負の屈折力を有する第5レンズ5とからなる。
また、上記構成において、第5レンズ5の後方(像面側寄り)には、赤外線カットフィルタやローパスフィルタ等の役割をなす平行平板としての(パワーを殆ど生じない)ガラスフィルタ6が配設され、ガラスフィルタ6の後方に(固体撮像素子としてのCCD等の結像面である)像面Pが配設されるようになっている。
【0026】
ここでは、第1レンズ1、第2レンズ2、開口絞りSD、第3レンズ3、第4レンズ4、第5レンズ5、ガラスフィルタ6、及び像面Pが、光軸Lに沿って物体側から像面側に向けて順に配設される構成において、
図1に示すように、それぞれの面をSi(i=1〜12)、それぞれの面Siの曲率半径をRi(i=1〜12)、d線に対する屈折率をNi(i=1〜6)及びアッベ数をνi(i=1〜6)、第1レンズ1〜像面Pまでのそれぞれの光軸L上における間隔(厚さ、空気間隔)をDi(i=1〜12)、第5レンズ5の像面側の面S10から像面Pまでのバックフォーカス(空気換算距離)をBF、第1レンズ群G1の最前レンズ(第1レンズ1)の物体側の面S1から像面Pまでの光軸L上における距離をTLで表す。
また、レンズ全系の焦点距離をf、第1レンズ群G1の焦点距離(第1レンズ1と第2レンズ2との合成焦点距離)をf
G1、第1レンズ群G1及び第2レンズ群G2を構成する各レンズ(第1レンズ1〜第5レンズ5)の焦点距離をfi(i=1〜5)、第1レンズ群G1又は第2レンズ群G2に含まれるガラスレンズの焦点距離をfp(ここでは、fp=f2)、第1レンズ群G1及び第2レンズ群G2を構成する各レンズ(第1レンズ1〜第5レンズ5)の線膨張係数をKi(i=1〜5)で表す。
【0027】
第1レンズ1は、ガラス材料により形成されたガラスレンズであり、かつ、負の屈折力をもつように、物体側の面S1が凸面でかつ像面側の面S2が凹面をなす凹メニスカスレンズである。ここで、面S1及び面S2は球面として形成されている。
第2レンズ2は、樹脂材料により形成されたプラスチックレンズであり、かつ、正の屈折力をもつように、物体側の面S3が凸面でかつ像面側の面S4が凹面をなす凸メニスカスレンズである。ここで、面S3及び面S4は非球面として形成されている。
開口絞りSDは、
図1に示す構成図においては、第3レンズ3と第4レンズ4の間でかつ第3レンズ3寄り(面S4の近傍)に配設されており、所定の口径をなす共に面S5及び曲率半径R5(∞)として示されている。
第3レンズ3は、ガラス材料により形成されたガラスレンズであり、かつ、正の屈折率をもつように、物体側の面S6が凸面でかつ像面側の面S7が凸面をなす両凸レンズである。ここで、面S6及び面S7は非球面として形成されている。
第4レンズ4は、ガラス材料により形成されたガラスレンズであり、かつ、正の屈折率をもつように、物体側の面S8が凸面でかつ像面側の面S9が凸面をなす両凸レンズである。ここで、面S8及び面S9は球面として形成されている。
第5レンズ5は、ガラス材料により形成されると共に第4レンズ4の像面側の面S9に接合され、負の屈折力をもつように、物体側の面S9が凹面でかつ像面側の面S10が凸面をなす凹メニスカスレンズである。ここで、面S10は球面として形成されている。
【0028】
このように、第4レンズ4及び第5レンズ5を接合レンズとすることにより、小型化(コンパクト化)を達成しつつ、特に色収差(軸上色収差、倍率色収差)を良好に補正することができる。
また、第2レンズ2及び第3レンズ3は、物体側及び像面側の少なくとも一方の面(ここでは、S3、S4,S6,S7)が非球面に形成されている、すなわち、開口絞りSDに隣接する第2レンズ2及び第3レンズ3に非球面を設けることにより、特に球面収差及びコマ収差を良好に補正することができると共に第1レンズ1に入射する光線高さを小さくでき、広画角化を達成しつつも、小型化(コンパクト化)等を達成することができる。
【0029】
ここで、第2レンズ2及び第3レンズ3に設けられた非球面を表す式は、次式で規定される。
Z=Cy
2/[1+(1−εC
2y
2)
1/2]+Dy
4+Ey
6+Fy
8+Gy
10
ただし、Z:非球面の頂点における接平面から,光軸Lからの高さがyの非球面上の点までの距離、y:光軸からの高さ、C:非球面の頂点における曲率(1/R)、ε:円錐定数、D,E,F,G:非球面係数を表す。
【0030】
上記構成をなす広角レンズにおいては、第1レンズ群G1及び第2レンズ群G2を構成する各レンズ(第1レンズ1〜第5レンズ5)の焦点距離fi(i=1〜5)、第1レンズ群G1及び第2レンズ群G2を構成する各レンズ(第1レンズ1〜第5レンズ5)の線膨張係数Ki(i=1〜5)、及びレンズ全系の焦点距離fの関係が、条件式(1)
(1)0<[Σ(Ki/fi)]/f<0.5
を満足するように形成される。
条件式(1)は、各レンズの焦点距離の逆数にその線膨張係数を乗じた値の総和Σ(Ki/fi)とレンズ全系の焦点距離fとの関係を規定したものであり、[Σ(Ki/fi)]/fの値が上記範囲を満たすことにより、環境の温度変化に対してバックフォーカスの変動量を小さくすることができる。
すなわち、プラスチックレンズ(ここでは、第2レンズ2)を含むレンズ全系において、条件式(1)を満たすことにより、軽量化、小型化、低コスト化等を達成しつつ、所望の光学特性を確保でき、十分なバックフォーカスを確保できると共に環境の温度変化に対してバックフォーカスの変動量を小さく抑えることができる。
【0031】
また、上記構成をなす広角レンズにおいては、プラスチックレンズ(ここでは、第2レンズ2)の焦点距離fp(=f2)、及びレンズ全系の焦点距離fの関係が、条件式(2)
(2)0<1/fp<0.1
を満足するように形成される。
条件式(2)は、プラスチックレンズ(第2レンズ2)の焦点距離の逆数(1/fp)に関する値を規定したものであり、逆数(1/fp)の値が上記範囲を満たすことにより、条件式(1)を満たす構成に加えてさらに、環境の温度変化に対してバックフォーカスの変動量をより小さく抑えることができる。
【0032】
また、上記構成をなす広角レンズにおいては、第1レンズ群G1の焦点距離f
G1、及びレンズ全系の焦点距離fの関係が、条件式(3)
(3)−1.0<f
G1/f<−0.7
を満足するように形成される。
条件式(3)は、第1レンズ群G1の焦点距離f
G1とレンズ全系の焦点距離fとの関係、すなわち、レンズ系全体の最適なパワー配置を規定するための条件式であり、f
G1/fの値が上限値を満たすことにより諸収差特に像面湾曲及び非点収差を良好に補正することができ、f
G1/fの値が上限値を満たすことによりバックフォーカスを十分確保することができる。
【0033】
また、上記構成をなす広角レンズにおいては、第1レンズ群G1の最前レンズ(第1レンズ1)の物体側の面S1から像面Pまでの光軸L上における距離TL、及びレンズ全系の焦点距離fの関係が、条件式(4)
(4)0.28<f/TL<0.35
を満足するように形成される。
条件式(4)は、レンズ全系の焦点距離fとレンズ全系の光軸方向の全長TLの比を規定する(レンズ全系の大きさを決定する)ための条件式であり、f/TLの値が上限値を満たすことにより諸収差を良好に補正することができ、f/TLの値が下限値を満たすことにより小型化(コンパクト化)を達成すことができる。すなわち、条件式(4)を満たすことにより、諸収差を良好に補正しつつ小型化(コンパクト化)を達成することができる。
【0034】
また、上記構成をなす広角レンズにおいては、第1レンズ1の物体側の面S1の曲率半径R1及び像面側の面S2の曲率半径R2の関係が、条件式(5)
(5)1.4<(R1+R2)/(R1−R2)<1.8
を満足するように形成される。
条件式(5)は、最前レンズの物体側及び像面側の両面の曲率半径の関係を規定したものであり、条件式(5)を満たすことにより、第1レンズ1の大径化を抑えつつ、140°以上の大画角を確保することができる。
【0035】
さらに、上記構成をなす広角レンズにおいては、第1レンズ1のアッベ数ν1、第4レンズ4アッベ数をν4、第5レンズ5のアッベ数ν5が、条件式(6)
(6)ν1≧45、ν4≧50、ν5≦30
を満足するように形成される。
条件式(6)を満たすことにより、解像度に影響を及ぼす色収差、すなわち軸上色収差及び倍率色収差を良好に補正することができる。
【0036】
上記構成をなす広角レンズによれば、2群5枚構成とすると共に第1レンズ1として負の屈折力をもつ負レンズ及び第2レンズ2として正の屈折力をもつ樹脂製のレンズ(プラスチックレンズ)を採用することにより、対角画角が140度以上の適切な広画角を確保しつつも、又、レトロフォーカスタイプにすることにより、CCD等の撮像素子を搭載したデジタル一眼レフカメラ等に適用するために十分な長さのバックフォーカスを確保することができ、又、第2レンズ2を樹脂製のプラスチックレンズとすることにより、軽量化、低コスト化を達成しつつ、環境の温度変化に対してバックフォーカスの変動量を抑制することができるレンズ配置を得ることができ、諸収差を良好に補正することができる。
また、上記のレンズ配置とすることで、入射瞳位置を物体側に位置付けて第1レンズ1に入射する軸外光束の光線高を低くでき、それ故に、第1レンズ1(前玉レンズ)の有効径(すなわち外径)を小さくできるため、小径化、小型化(コンパクト化)等を達成することができる。
さらに、レンズ全系において最も外側(最も前方、最も後方)に位置する第1レンズ1及び第5レンズ5をガラスレンズとすることにより、汚れや傷付き等による品質及び性能の劣化を防止して、所期の光学特性を維持することができる。
【0037】
尚、上記構成において、レンズの材料としては、ガラスレンズの材料として、クラウンガラス、フリントガラス等が挙げられ、プラスチックレンズの材料として、アクリル、ポリカーボネート等の樹脂材料が挙げられる。また、ガラスレンズの材料の線膨張係数としては、1〜10(×10
−6/℃)の範囲のもの、プラスチックレンズの材料の線膨張係数としては、60〜70(×10
−6/℃)の範囲のものが好ましく適用される。
【0038】
次に、上記構成をなす広角レンズの具体的な数値による実施例を、実施例1として以下に示す。
【実施例1】
【0039】
広角レンズのレンズ構成は、
図1に示す通りであり、第1レンズ1〜第5レンズ5、ガラスフィルタ6の主な仕様諸元、種々の数値データ(設定値)、条件式(1)〜(6)の数値データは以下の通りである。
<仕様諸元>
物体距離(mm)→∞
レンズ全系の焦点距離(mm)→f=9.145
第1レンズ群G1の焦点距離(mm)→f
G1=−6.7
第1レンズ1〜第5レンズ5の焦点距離(mm)→f1=−4.298、f2(fp)=14.57、f3=9.271、f4=9.2、f5=−13.151
第1レンズ1〜第5レンズ5の線膨張係数(×10
−6/℃)→K1=5.9、K2=66、K3=5.8、K4=5.7、K5=8.8
Fナンバー=8.0
画角(2ω)=146°
射出瞳位置(mm:∞)→−28.71
バックフォーカス(mm:空気換算)→BF=15.550
レンズの光線通過高さが最小の値(mm)→H1=6.4
レンズの光線通過高さが最大の値(mm)→H5=11.6
第1レンズ1の物体側の面S1〜像面Pまでの距離(mm:空気換算)→TL=30.955
【0040】
<曲率半径:mm>
R1=12.000、R2=2.415、R3=8.065(非球面)、R4=58.737(非球面)、R5(開口絞り)=∞、R6=28.620(非球面)、R7=−5.413(非球面)、R8=260.845、R9=−6.528、R10=−16.444、R11=∞、R12=∞
<光軸上の間隔:mm>
D1=0.800、D2=1.170、D3=1.270、D4=0.150、D5=0.700、D6=4.900、D7=0.150、D8=4.250、D9=0.6、D10=11.955、D11=4.00、D12=1.0
<屈折率(Nd)>
N1=1.73、N2=1.64、N3=1.52、N4=1.70、N5=1.85、N6=1.52
<アッベ数(νd)>
ν1=54.7、ν2=24.0、ν3=64.1、ν4=55.5、ν5=23.8、ν6=64.2
【0041】
<非球面係数の数値データ>
<S3面>
ε=1.0000000、D=6.6952×10
−4、E=0、F=0、G=0
<S4面>
ε=1.0000000、D=−4.567×10
−4、E=0、F=0、G=0
<S6面>
ε=1.0000000、D=2.8458×10
−3、E=−2.839×10
−4、F=1.7536×10
−5、G=0
<S7面>
ε=1.0000000、D=8.0000×10
−4、E=2.7688×10
−5、F=3.1006×10
−6、G=0
<レンズの外径寸法:mm>
第1レンズ1の外径(直径)→7.8、第2レンズ2の外径(直径)→6.1、第3レンズ3の外径(直径)→9.0、第4レンズ4の外径(直径)→10.7、第5レンズ5の外径(直径)→13.0
<条件式の値>
(1)[Σ(Ki/fi)]/f=0.408
(2)1/fp=0.69
(3)f
G1/f=−0.733
(4)f/TL=0.298
(5)R1+R2)/(R1−R2)=1.504
(6)ν1=54.7、ν4=55.5、ν5=23.8
【0042】
実施例1における球面収差、非点収差、歪曲収差(ディストーション)に関する収差線図は、
図2に示すような結果となる。尚、
図2において、gはg線、FはF線、eはe線、dはd線、CはC線、Sはサジタル平面での収差、Mはメリジオナル平面での収差を示す。
実施例1によるレンズ仕様によれば、バックフォーカスBFが15.550mm、画角(2ω)が146度で、環境の温度変化に対してバックフォーカスの変動量を抑制することができ、諸収差が良好に補正された、高性能かつ小型で安価な広角レンズが得られる。
【実施例2】
【0043】
広角レンズのレンズ構成は、
図3に示す通りであり、第1レンズ1〜第5レンズ5、ガラスフィルタ6の主な仕様諸元、種々の数値データ(設定値)、条件式(1)〜(6)の数値データは以下の通りである。
この広角レンズにおいては、
図3に示すように、第2レンズ2は、物体側の面S3が凸面でかつ像面側の面S4が凸面をなす両凸レンズであり、第3レンズ3は、物体側の面S6が凹面でかつ像面側の面S7が凸面をなす凸メニスカスレンズであり、第4レンズ4は、物体側の面S8が凹面でかつ像面側の面S9が凸面をなす凸メニスカスレンズであり、それ以外は、
図1に示すレンズの形態(凹凸等)と同一である。
【0044】
<仕様諸元>
物体距離(mm)→∞
レンズ全系の焦点距離(mm)→f=9.148
第1レンズ群G1の焦点距離(mm)→f
G1=−8.60039
第1レンズ1〜第5レンズ5の焦点距離(mm)→f1=−4.944、f2(fp)=14.569、f3=8.596、f4=9.543、f5=−12.432
第1レンズ1〜第5レンズ5の線膨張係数(×10
−6/℃)→K1=5.7、K2=66、K3=5.8、K4=5.7、K5=8.8
Fナンバー=7.98
画角(2ω)=147°
射出瞳位置(mm:∞)→−25.048
バックフォーカス(mm:空気換算)→BF=14.87
レンズの光線通過高さが最小の値(mm)→H1=6.4
レンズの光線通過高さが最大の値(mm)→H5=10.6
第1レンズ1の物体側の面S1〜像面Pまでの距離(mm:空気換算)→TL=27.89
【0045】
<曲率半径:mm>
R1=10.253、R2=2.496、R3=12.379(非球面)、R4=−35.479(非球面)、R5(開口絞り)=∞、R6=−53.158(非球面)、R7=−4.179(非球面)、R8=−36.306、R9=−5.830、R10=−13.737、R11=∞、R12=∞
<光軸上の間隔:mm>
D1=0.800、D2=1.240、D3=1.070、D4=0.150、D5=1.190、D6=3.150、D7=0.100、D8=3.300、D9=0.650、D10=11.150、D11=4.00、D12=1.0
<屈折率(Nd)>
N1=1.70、N2=1.64、N3=1.52、N4=1.70、N5=1.85、N6=1.52
<アッベ数(νd)>
ν1=55.5、ν2=24.0、ν3=64.1、ν4=55.5、ν5=23.8、ν6=64.2
【0046】
<非球面係数の数値データ>
<S3面>
ε=1.0000000、D=−3.512×10
−3、E=0、F=0、G=0
<S4面>
ε=1.0000000、D=−3.878×10
−3、E=0、F=0、G=0
<S6面>
ε=1.0000000、D=4.5556×10
−4、E=−2.861×10
−4、F=0、G=0
<S7面>
ε=1.0000000、D=7.5202×10
−4、E=9.9988×10
−5、F=0、G=0
<レンズの外径寸法:mm>
第1レンズ1の外径(直径)→7.8、第2レンズ2の外径(直径)→6.1、第3レンズ3の外径(直径)→8.5、第4レンズ4の外径(直径)→9.7、第5レンズ5の外径(直径)→12.0
<条件式の値>
(1)[Σ(Ki/fi)]/f=0.431
(2)1/fp=0.69
(3)f
G1/f=−0.941
(4)f/TL=0.328
(5)R1+R2)/(R1−R2)=1.644
(6)ν1=55.5、ν4=55.5、ν5=23.8
【0047】
実施例2における球面収差、非点収差、歪曲収差(ディストーション)に関する収差線図は、
図4に示すような結果となる。尚、
図4において、gはg線、FはF線、eはe線、dはd線、CはC線、Sはサジタル平面での収差、Mはメリジオナル平面での収差を示す。
実施例2によるレンズ仕様によれば、バックフォーカスBFが14.87mm、画角(2ω)が147度で、環境の温度変化に対してバックフォーカスの変動量を抑制することができ、諸収差が良好に補正された、高性能かつ小型で安価な広角レンズが得られる。
【実施例3】
【0048】
広角レンズのレンズ構成は、
図5に示す通りであり、第1レンズ1〜第5レンズ5、ガラスフィルタ6の主な仕様諸元、種々の数値データ(設定値)、条件式(1)〜(6)の数値データは以下の通りである。尚、
図5に示す広角レンズの形態(凹凸等)は、
図1に示す広角レンズの形態(凹凸等)と同様である。
<仕様諸元>
物体距離(mm)→∞
レンズ全系の焦点距離(mm)→f=9.149
第1レンズ群G1の焦点距離(mm)→f
G1=−6.7392
第1レンズ1〜第5レンズ5の焦点距離(mm)→f1=−4.298、f2(fp)=14.569、f3=8.596、f4=9.543、f5=−12.432
第1レンズ1〜第5レンズ5の線膨張係数(×10
−6/℃)→K1=6.2、K2=66、K3=5.8、K4=7.2、K5=8.3
Fナンバー=8.0
画角(2ω)=142°
射出瞳位置(mm:∞)→−28.69
バックフォーカス(mm:空気換算)→BF=15.55
レンズの光線通過高さが最小の値(mm)→H1=6.2
レンズの光線通過高さが最大の値(mm)→H5=11.6
第1レンズ1の物体側の面S1〜像面Pまでの距離(mm:空気換算)→TL=30.963
【0049】
<曲率半径:mm>
R1=9.852、R2=2.395、R3=8.899(非球面)、R4=216.959(非球面)、R5(開口絞り)=∞、R6=33.425(非球面)、R7=−5.329(非球面)、R8=166.586、R9=−6.696、R10=−17.244、R11=∞、R12=∞
<光軸上の間隔:mm>
D1=0.800、D2=1.165、D3=1.260、D4=0.150、D5=0.690、D6=4.880、D7=0.150、D8=4.300、D9=0.6、D10=11.828、D11=4.14、D12=1.0
<屈折率(Nd)>
N1=1.73、N2=1.64、N3=1.52、N4=1.70、N5=1.85、N6=1.52
<アッベ数(νd)>
ν1=49.6、ν2=24.0、ν3=63.8、ν4=55.3、ν5=22.8、ν6=64.2
【0050】
<非球面係数の数値データ>
<S3面>
ε=1.0000000、D=4.8363×10
−4、E=−9.195×10
−5、F=5.2639×10
−5、G=0
<S4面>
ε=1.0000000、D=−4.607×10
−4、E=1.4603×10
−4、F=1.8636×10
−4、G=0
<S6面>
ε=1.0000000、D=3.2828×10
−3、E=−4.038×10
−4、F=3.6290×10
−5、G=0
<S7面>
ε=1.0000000、D=8.6833×10
−4、E=2.9622×10
−5、F=3.4541×10
−6、G=0
<レンズの外径寸法:mm>
第1レンズ1の外径(直径)→7.6、第2レンズ2の外径(直径)→6.0、第3レンズ3の外径(直径)→9.0、第4レンズ4の外径(直径)→10.7、第5レンズ5の外径(直径)→13.0
<条件式の値>
(1)[Σ(Ki/fi)]/f=0.421
(2)1/fp=0.69
(3)f
G1/f=−0.737
(4)f/TL=0.295
(5)R1+R2)/(R1−R2)=1.643
(6)ν1=49.6、ν4=55.3、ν5=22.8
【0051】
実施例3における球面収差、非点収差、歪曲収差(ディストーション)に関する収差線図は、
図6に示すような結果となる。尚、
図6において、gはg線、FはF線、eはe線、dはd線、CはC線、Sはサジタル平面での収差、Mはメリジオナル平面での収差を示す。
実施例1によるレンズ仕様によれば、バックフォーカスBFが15.55mm、画角(2ω)が142度で、環境の温度変化に対してバックフォーカスの変動量を抑制することができ、諸収差が良好に補正された、高性能かつ小型で安価な広角レンズが得られる。
【0052】
図7は、上記構成をなす広角レンズを、鏡筒10に搭載したレンズ鏡筒を示すものである。ここで、広角レンズを構成する第1レンズ1〜第5レンズ5は、前述の実施例1ないし3に示す通り第2レンズ2が樹脂材料により形成されたプラスチックレンズであり、それ以外はガラス材料を用いて形成されたガラスレンズである。
また、鏡筒10は、樹脂材料を用いて形成されている。ここで、鏡筒10を形成する樹脂材料としては、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、アクリロニトリルブタジエンスチレン等の樹脂材料を用いることができる。ここで、樹脂材料の線膨張係数としては、好ましくは60〜70(×10
−6/℃)のものが適用される。
すなわち、広角レンズに含まれるガラスレンズの−40℃〜+85℃の温度範囲における線膨張係数としては、1〜10(×10
−6/℃)のものが適用され、プラスチックレンズの−40℃〜+85℃の温度範囲における線膨張係数としては、60〜70(×10
−6/℃)のものが適用され、鏡筒10の−40℃〜+85℃の温度範囲における線膨張係数としては、60〜70(×10
−6/℃)のものが適用される。
【0053】
図8は、上記実施例1〜3に係る広角レンズを、樹脂製と金属製の鏡筒10にそれぞれ組み込んで形成したそれぞれのレンズ鏡筒において、環境の温度変化(−40℃〜+85℃)に対するバックフォーカスの変動量(ズレ量)を比較したものである。
ここでは、実施例1〜3の広角レンズを樹脂製の鏡筒に組み込んだものを実施例1〜3で示し、実施例1〜3の広角レンズを金属製の鏡筒に組み込んだものを比較例1〜3として示している。
なお、実施例1〜3としての樹脂製の鏡筒10に用いられた樹脂材料としては、より所望の加工をし易くすることや、より所望の強度を満たすようにすることも考慮して、ポリカーボネートを採用しており、−40℃〜+85℃の温度範囲におけるその線膨張係数は60〜70(×10
−6/℃)である。
また、比較例1〜3としての金属製の鏡筒に用いられた金属材料としては、アルミニウム材料であり、−40℃〜+85℃の温度範囲におけるその線膨張係数は23(×10
−6/℃)である。
図8に示す結果から明らかなように、樹脂製の鏡筒を用いたレンズ鏡筒の場合、幅広い温度範囲(例えば、−40℃〜+85℃)において、ピントのズレ量が−0.02mm〜+0.02mmの範囲に収まり、被写界深度内にピントのズレ量を抑えたレンズ鏡筒を得ることができる。
このように、広角レンズと樹脂製の鏡筒を組み合わせることにより、プラスチックレンズを含む広角レンズの温度変化によるバックフォーカスの変動量を、鏡筒の温度変化による変形に基づくレンズ間隔の変化に伴い発生するバックフォーカスの変動量で相殺するように構成することができ、幅広い温度変化において焦点結像位置の変化量を小さくしたレンズ鏡筒を得ることができる。
【0054】
すなわち、
図8で示されるように、本発明の実施例は、高温時において、第2レンズ(プラスチックレンズ)2の曲率変動により、焦点結像位置が像面側にずれるが、樹脂製の鏡筒10の温度変化による間隔変動や各レンズの厚み変動等で焦点結像位置が物体側にずれることで相殺して、幅広い温度変化において焦点結像位置の変化量を小さくしたレンズ鏡筒を得ることが可能である。
より具体的には、第2レンズ2としてのプラスチックレンズは、ガラスレンズに比べると線膨張係数が大きいため、温度変化時における曲率、厚み、屈折率等の変動が大きくなることもあり、条件式(2)0<1/fp<0.1を満たすこと、さらには、条件式(1)0<[Σ(Ki/fi)]/f<0.5を満たすことにより、バックフォーカスの変動
を抑制できる、というものである。
【0055】
上記実施形態においては、第1レンズ群G1として、第1レンズ1及び第2レンズ2からなり、第2レンズ群G2として、第3レンズ3、第4レンズ4、第5レンズ5からなるレンズ構成を示したが、これに限定されるものではなく、条件式(1)0<[Σ(Ki/fi)]/f<0.5を満たす限り、その他のレンズ構成をなす広角レンズを採用することができる。また、上記実施形態においては、第1レンズ群G1に含まれる第2レンズ2をプラスチックレンズとした場合を示したが、これに限定されるものではなく、その他のレンズをプラスチックレンズとしたレンズ構成を採用してもよい。