特許第6038870号(P6038870)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6038870ビデオゲーム処理装置、及びビデオゲーム処理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6038870
(24)【登録日】2016年11月11日
(45)【発行日】2016年12月7日
(54)【発明の名称】ビデオゲーム処理装置、及びビデオゲーム処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/53 20140101AFI20161128BHJP
   A63F 13/79 20140101ALI20161128BHJP
   A63F 13/30 20140101ALI20161128BHJP
   A63F 13/847 20140101ALI20161128BHJP
【FI】
   A63F13/53
   A63F13/79 500
   A63F13/30
   A63F13/847
【請求項の数】5
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2014-261846(P2014-261846)
(22)【出願日】2014年12月25日
(62)【分割の表示】特願2013-80668(P2013-80668)の分割
【原出願日】2013年4月8日
(65)【公開番号】特開2015-83197(P2015-83197A)
(43)【公開日】2015年4月30日
【審査請求日】2014年12月25日
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 [刊行物1]平成25年2月1日掲載、掲載アドレスitmss://itunes.apple.com/jp/app/kuo−san−xingmirionasa/id497936185?mt=8
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 [刊行物2]平成25年2月1日掲載、掲載アドレスhttps://play.google.com/store/apps/details?id=com.square_enix.android_googleplay.million
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 [刊行物3]平成25年2月1日掲載、掲載アドレスhttp://an.sqexm.net/sp/site/DownloadApp/sqmk/million/app?binid=common
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】308033283
【氏名又は名称】株式会社スクウェア・エニックス
(74)【代理人】
【識別番号】100114720
【弁理士】
【氏名又は名称】須藤 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100128749
【弁理士】
【氏名又は名称】海田 浩明
(74)【代理人】
【識別番号】100184583
【弁理士】
【氏名又は名称】上田 侑士
(74)【代理人】
【識別番号】100188662
【弁理士】
【氏名又は名称】浅見 浩二
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 泰弘
(72)【発明者】
【氏名】琢磨 尚文
(72)【発明者】
【氏名】岩野 弘明
【審査官】 植野 孝郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−131082(JP,A)
【文献】 特開2011−377(JP,A)
【文献】 特開2010−99161(JP,A)
【文献】 特開2008−96542(JP,A)
【文献】 特開2006−239450(JP,A)
【文献】 【ファミ通App NO.004】”騎士団バトル”の中身を先行で公開『拡散性ミリオンアーサー』,ファミ通Appベータ版,株式会社エンターブレイン,2012年10月,URL,http://web.archive.org/web/20121014153717/http://app.famitsu.com/20121013_99021
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F13/00−13/98
A63F 9/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のプレイヤが共通の課題に取り組むビデオゲームの進行を制御するビデオゲーム処理装置であって、
前記プレイヤからの課題提供要求に対応する課題を特定する課題特定手段と、
特定された課題に対応する他プレイヤを示す他プレイヤ関連情報を生成する他プレイヤ関連情報生成手段と、
前記特定された課題を示す課題画面に、当該課題の進行中に表示条件が満たされた文字列を含む画像を前記他プレイヤに関連付けて表示する表示手段とを有し、
前記課題は、複数のプレイヤが順次行動を行うものであり、
前記表示手段は、前記他プレイヤに前記課題を進行させない状況であり、かつ前記プレイヤによる操作入力を受け付けるための状況を表す画面としての前記課題画面において前記画像を表示する
ことを特徴とするビデオゲーム処理装置。
【請求項2】
前記表示手段は、前記課題画面の表示後、前記プレイヤによる操作入力に応じて前記ビデオゲームが進行するまでの間に、前記ビデオゲームの進行状況に関する表示条件が満たされた文字列を含む画像を表示する
請求項1記載のビデオゲーム処理装置。
【請求項3】
前記表示手段は、前記課題が開始されてからの経過時間に関する表示条件が満たされた文字列を含む画像を表示する
請求項1記載のビデオゲーム処理装置。
【請求項4】
前記プレイヤまたは前記他プレイヤの行動履歴に応じた文字列とは異なる文字列を含む画像を生成する生成手段を含み、
前記表示手段は、前記生成手段により生成された文字列を含む画像を所定時機に表示する
請求項1から請求項3のうち何れかに記載のビデオゲーム処理装置。
【請求項5】
複数のプレイヤが共通の課題に取り組むビデオゲームの進行を制御する機能をコンピュータに実現させるためのビデオゲーム処理プログラムであって、
前記コンピュータに、
前記プレイヤからの課題提供要求に対応する課題を特定する課題特定機能と、
特定した課題に対応する他プレイヤを示す他プレイヤ関連情報を生成する他プレイヤ関連情報生成機能と、
前記特定した課題を示す課題画面に、当該課題の進行中に表示条件が満たされた文字列を含む画像を前記他プレイヤに関連付けて表示する表示機能とを実現させ、
前記課題は、複数のプレイヤが順次行動を行うものであり、
前記表示機能では、前記他プレイヤに前記課題を進行させない状況であり、かつ前記プレイヤによる操作入力を受け付けるための状況を表す画面としての前記課題画面において前記画像を表示する機能を
実現させるためのビデオゲーム処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のプレイヤが順次行動を行うことにより所定の行動効果が発生するビデオゲームの進行を制御するビデオゲーム処理装置、及びビデオゲーム処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、通信ネットワークを介して複数のユーザが参加可能なビデオゲームを提供するシステムが多数提案されている。
【0003】
このようなシステムには、ユーザがネットワークに接続して他のユーザとチャットを行う場合に、ゲームの進行上味方関係にあるユーザと、敵対関係にあるユーザとを識別し、識別結果に応じてチャット情報を送信する構成とすることで、同じゲームに参加している各遊戯者に対して、それぞれ必要なチャット情報を送信し、送信した遊戯者にとってゲームの進行上有利に働くようにしたり、敵の存在を意識できるようにしたりするものもある(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−34303号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、このようなシステムでは、あるユーザがビデオゲームをプレイしている場合に、他のユーザがビデオゲームを遊戯中でないときには当該ユーザが操作するユーザ端末の表示画面にチャット情報が表示されないため、当該ユーザが他のユーザとの共闘感や連帯感を得られない場合があるという課題があった。
【0006】
本発明は、他のユーザとの共闘感や連帯感を提供することができるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
非限定的な観点によると、本発明のビデオゲーム処理装置は、複数のプレイヤが共通の課題に取り組むビデオゲームの進行を制御するビデオゲーム処理装置であって、前記プレイヤからの課題提供要求に対応する課題を特定する課題特定手段と、特定された課題に対応する他プレイヤを示す他プレイヤ関連情報を生成する他プレイヤ関連情報生成手段と、前記特定された課題を示す課題画面に、当該課題の進行中に表示条件が満たされた文字列を含む画像を前記他プレイヤに関連付けて表示する表示手段とを有することを特徴とする。
【0008】
非限定的な観点によると、本発明のビデオゲーム処理プログラムは、複数のプレイヤが共通の課題に取り組むビデオゲームの進行を制御する機能をコンピュータに実現させるためのビデオゲーム処理プログラムであって、前記コンピュータに、前記プレイヤからの課題提供要求に対応する課題を特定する課題特定機能と、特定した課題に対応する他プレイヤを示す他プレイヤ関連情報を生成する他プレイヤ関連情報生成機能と、前記特定した課題を示す課題画面に、当該課題の進行中に表示条件が満たされた文字列を含む画像を前記他プレイヤに関連付けて表示する表示機能とを実現させるためのものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、他のユーザとの共闘感や連帯感を提供することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】ビデオゲーム処理システムの構成の例を示すブロック図である。
図2】ビデオゲーム処理サーバの構成の例を示すブロック図である。
図3】課題関連情報の格納状態の例を示す説明図である。
図4】課題関連処理の例を示すフローチャートである。
図5】課題画面の例について説明するための説明図である。
図6】疑似ログ表示処理の例を示すフローチャートである。
図7】バトル履歴表示画面の例について説明するための説明図である。
図8】行動履歴の表示態様の例について説明するための説明図である。
図9】賑やかし文の表示態様の例について説明するための説明図である。
図10】与ダメージバーの例について説明するための説明図である。
図11】与ダメージバー関連処理の例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の一実施の形態の例について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施の形態におけるビデオゲーム処理システム100の構成の例を示すブロック図である。図1に示すように、ビデオゲーム処理システム100は、ビデオゲーム処理サーバ10と、複数のユーザがそれぞれ使用するユーザ端末21〜2N(Nは任意の整数)とを含む。なお、ビデオゲーム処理システム100の構成はこれに限定されず、単一のユーザ端末を複数のユーザが使用する構成としてもよいし、複数のサーバを備える構成としてもよい。
【0012】
ビデオゲーム処理サーバ10と複数のユーザ端末21〜2Nは、それぞれインターネットなどの通信ネットワーク30に接続されている。なお、図示しないが、複数のユーザ端末21〜2Nは、通信業者によって管理される基地局と無線通信回線によるデータ通信を行うことによって、通信ネットワーク30と接続する。
【0013】
ビデオゲーム処理システム100は、複数のプレイヤが同一の仮想空間(同期された仮想空間と非同期の仮想空間とを含む)で遊戯するビデオゲーム(いわゆるオンラインゲーム)の進行を制御するための各種機能を有する。
【0014】
ビデオゲーム処理サーバ10は、ビデオゲーム処理システム100の管理者によって管理され、ユーザ端末21〜2Nに対してビデオゲームに関する情報を提供するための各種の機能を有する。
【0015】
ビデオゲーム処理サーバ10は、WWWサーバなどの情報処理装置によって構成され、各種情報を格納する記憶媒体を備える。なお、ビデオゲーム処理システム100においては、複数のユーザ端末21〜2Nそれぞれにかかる処理負荷を軽減させるといった観点から、ビデオゲームに関する情報はビデオゲーム処理サーバ10が管理することが好ましい。ただし、ビデオゲームに関する情報の一部を複数のユーザ端末21〜2Nそれぞれが管理する構成としてもよい。
【0016】
図2は、ビデオゲーム処理サーバ10の構成の例を示すブロック図である。図2に示すように、ビデオゲーム処理サーバ10は、制御部11と、通信部12と、検索部13と、判定部14と、更新部15と、ビデオゲーム情報記憶部16とを含む。
【0017】
制御部11は、CPUやROMなどを含み、ビデオゲーム情報記憶部16に記憶された制御プログラムに従ってビデオゲーム処理サーバ10全体の制御を行うための機能を有する。
【0018】
通信部12は、インターネット等の通信ネットワーク30を介して、複数のユーザ端末21〜2Nとの間で通信を行うための機能を有する。
【0019】
検索部13は、ビデオゲーム情報記憶部16に記憶された各種情報の中から、ビデオゲームの進行に応じた情報(例えば、各ユーザ端末におけるビデオゲームの進行状況に応じた情報)を検索するための機能を有する。
【0020】
判定部14は、ビデオゲームの進行に応じて各種判定を行うための機能を有する。本例においては、判定部14は、ビデオゲーム情報記憶部16に記憶された各種判定条件に基づいて、後述する課題関連処理(図4参照)における各種判定を行う機能を有する。
【0021】
更新部15は、ビデオゲームの進行に応じてビデオゲーム情報記憶部16に記憶された各種情報を更新するための機能を有する。なお、更新処理に用いる情報は、複数のユーザ端末21〜2Nから取得する構成としてもよいし、ビデオゲーム情報記憶部16に予め準備されている構成としてもよい。
【0022】
ビデオゲーム情報記憶部16は、例えばデータベース装置によって構成され、ビデオゲーム処理システム100がその進行を制御するビデオゲームに関する各種情報や、ビデオゲーム用の制御プログラムなどの各種のデータが格納される記憶媒体である。
【0023】
ここで、ビデオゲーム処理システム100にて進行が制御されるビデオゲームの概要について説明する。本例においては、ビデオゲーム処理システム100は、複数のユーザ端末21〜2Nそれぞれにおいて遊戯される、いわゆるオンラインRPG(オンラインロールプレイングゲーム)の進行を制御する。
【0024】
本例においては、ビデオゲームは、プレイヤ(すなわち、ユーザ端末のユーザ)が、物語の主人公(プレイヤキャラクタ)に仮想カードを使用させるバトルシーンを含む構成(いわゆるオンラインカードバトルRPGの構成)となっている。そして、本例におけるビデオゲームでは、複数のプレイヤが取り組む共通の課題として、特定の敵キャラクタと複数のプレイヤとが対戦するバトル(ボスバトル)とが設けられている。以下、ボスバトルについて説明する。ボスバトルでは、各プレイヤは、バトル開始前に自分が所持する仮想カードを組み合わせてデッキを構築し、HPと攻撃力(ATK)を含む各種ステータスを示すデッキを用いて敵キャラクタを攻撃する。そして、各プレイヤによる攻撃により敵キャラクタに対する勝利条件(例えば、敵キャラクタのHPを制限時間内に0にすること)を満たすことにより、ボスバトルに参加したプレイヤそれぞれに、敵キャラクタのレベルや各プレイヤが敵キャラクタに与えたダメージの量などに応じて各プレイヤに特典(例えば、倒した敵キャラクタに対応する仮想カード)が付与される。また、各プレイヤキャラクタには、敵キャラクタ与えたダメージの量などに応じて経験値が付与される。プレイヤキャラクタに付与された経験値は、プレイヤキャラクタのレベルに影響を与える。
【0025】
上述したビデオゲームの進行を制御すべく、本例においては、ビデオゲーム情報記憶部16は、プレイヤ情報記憶部16aと、課題関連情報記憶部16bとを含む(図2参照)。
【0026】
プレイヤ情報記憶部16aは、各プレイヤに関する情報であるプレイヤ情報を記憶する記憶媒体である。本例においては、プレイヤ情報は、プレイヤの識別情報やレベル、所持アイテムなど、プレイヤがビデオゲームを行うために必要とされる情報を示す(図示せず)。
【0027】
課題関連情報記憶部16bは、ビデオゲームにおいてプレイヤが挑戦可能な課題を示す情報である課題関連情報を記憶する記憶媒体である。本例においては、課題関連情報が、ビデオゲームの進行に応じて実行されるバトルに関する情報(バトル関連情報)である場合を例にして説明する。なお、課題関連情報が示す課題は敵キャラクタとの戦闘に限定されるものではなく、クイズやパズル等、複数のプレイヤが課題として共有できるものであればよい。
【0028】
本例においては、バトル関連情報は、ボスバトル、特に、所定期間(例えば、1週間)各プレイヤが偶発的に遭遇できる敵キャラクタと、敵キャラクタに遭遇したプレイヤが属するグループとで行われるバトル(グループバトル)に関する情報を示す。
【0029】
図3は、課題関連情報記憶部(以下、適宜「バトル関連情報記憶部」という。)16bにおける課題関連情報(以下、適宜「バトル関連情報」という。)の格納状態の例を示す説明図である。図3に示すように、バトル関連情報は、各グループを一意に特定可能なグループ番号と、敵キャラクタの一意に特定可能な敵キャラクタ番号と、敵キャラクタのレベルを示す敵レベルと、バトル履歴とを含む。
【0030】
グループは、所定規則(例えば、レベルの近いプレイヤを優先など。ランダムでもよい。)に従って所定数(例えば、30名)のプレイヤにより結成されるグループである。また、本例においては、例えばイベント期間中に、所定間隔(例えば、1週間毎)でグループの結成と解散が自動で行われる。なお、グループを決定する規則は特に限定されず、プレイヤ同士がグループ登録を行う構成としてもよい。
【0031】
敵レベルは、グループが敵キャラクタに勝利する度に所定数(例えば、1レベル)上昇するものとする。すなわち、グループに属するプレイヤは、探索により敵キャラクタと遭遇することでグループバトルを行い、グループバトルが終了すると、再度探索により敵キャラクタを探索することでビデオゲームを遊戯する。
【0032】
バトル履歴は、グループに属するプレイヤの行動履歴である。本例においては、行動として敵キャラクタへの攻撃を行ったプレイヤを示すプレイヤ番号や、当該行動による効果(行動効果。具体的には、敵キャラクタに与えたダメージの量。)など、課題に挑戦したプレイヤの行動履歴(本例においては、バトルに参加したプレイヤが実行した行動の履歴。バトル履歴)を示す情報が保存される。なお、本例においては、バトル履歴は、最新の30件が保存される。
【0033】
複数のユーザ端末21〜2Nは、それぞれ、ビデオゲームを行うユーザ(プレイヤ)によって管理され、例えば携帯電話端末やPDA(Personal Digital Assistants)、携帯型ゲーム装置などのネットワーク配信型のゲームを行うことが可能な携帯通信端末によって構成される。複数のユーザ端末21〜2Nは、それぞれ、通信ネットワーク30に接続し、ビデオゲーム処理サーバ10との通信を行うことによりビデオゲームを実行するためのハードウェア(例えば、ゲーム画面を表示する表示装置や音声出力装置など)およびソフトウェアを備える。なお、複数のユーザ端末21〜2Nは、ビデオゲーム処理サーバ10を介さずに直接通信を行うこともできる構成とされていてもよい。
【0034】
次に、本例のビデオゲーム処理システム100の動作について説明する。なお、本発明に関係しない動作や処理については、その内容を省略している場合がある。
【0035】
図4は、ビデオゲーム処理システム100が実行する課題関連処理の例を示すフローチャートである。課題関連処理では、プレイヤが課題に挑戦することに関連する処理が行われる。以下、ビデオゲーム処理サーバ10(サーバ10)とユーザ端末21(端末21)とが課題関連処理を実行する場合を例にして説明する。なお、本例においては、サーバ10が実行する処理に100番台のステップ番号を付し、端末21が実行する処理200番台または300番台のステップ番号を付して説明する。
【0036】
課題関連処理は、例えば端末21において、端末21のユーザ(プレイヤP1)による課題の提供要求が受け付けられたことに応じて開始される。
【0037】
ゲーム処理において、先ず、端末21は、プレイヤ情報を提示した課題提供要求を、サーバ10に送信する(ステップS201)。本例においては、端末21は、プレイヤP1の識別情報を提示した敵キャラクタを示すバトル画面の表示要求をサーバ10に送信する。
【0038】
サーバ10は、課題提供要求を受信すると、提示されたプレイヤ情報に応じた課題を特定する(ステップS101)。本例においては、サーバ10は、プレイヤ情報と課題情報とを参照して、プレイヤが対戦可能な敵キャラクタを特定する。
【0039】
サーバ10は、課題を特定すると、特定した課題に対応する他のプレイヤ(他プレイヤ)を特定する(ステップS102)。本例においては、サーバ10は、特定した課題を示す課題情報を参照し、バトル履歴が保存されているプレイヤ(プレイヤP1を除く。)を、他プレイヤとして特定する。なお、サーバ10が、予め定められた除外条件を満たすプレイヤを他プレイヤとしない構成としてもよい。なお、除外条件としては、「現在時刻から30分以上前にバトル履歴が登録されたこと」などの時間的な条件や、「特定量のダメージを与えていないこと」など行動結果に関連する条件など、種々の条件が考えられる。
【0040】
サーバ10は、他プレイヤを特定すると、特定した他プレイヤの行動履歴を特定する(ステップS103)。本例においては、サーバ10は、課題情報が示す内容(本例においては、バトル履歴)を、他プレイヤの行動履歴として特定する。
【0041】
サーバ10は、他プレイヤの行動履歴を特定すると、他プレイヤ関連情報を生成する(ステップS104)。本例においては、サーバ10は、課題に挑戦したプレイヤの行動履歴に順番を設定し、各行動履歴を示す文字列を生成(または、予め用意された文字列群から選択)することで、他プレイヤ関連情報を生成する。なお、本例においては、バトル履歴を時系列で管理するため、サーバ10は、何時間前までの(または、いくつ前までの)バトル履歴を利用するかを決定することで、バトル履歴に順番を設定したこととなる。また、本例においては、サーバ10は、他プレイヤそれぞれのプレイヤ情報を参照し、他プレイヤがリーダに設定している仮想カードを他プレイヤそれぞれの識別画像として利用できるように他プレイヤ関連情報を生成する。
【0042】
サーバ10は、他プレイヤ関連情報を生成すると、課題情報と、他プレイヤ関連情報とを、端末21に送信する(ステップS105)。
【0043】
端末21は、課題情報と他プレイヤ関連情報とを受信すると、表示装置の表示画面に、課題情報に基づいた課題画面を表示する(ステップS202)。本例においては、端末21は、敵キャラクタと、プレイヤによる操作入力を受け付けるための仮想ボタンと備えたバトル画面を、タッチパネルを備えた表示装置の表示画面に表示する。
【0044】
図5は、課題画面の例について説明するための説明図である。図5に示すように、本例における課題画面としてのバトル画面には、敵キャラクタNPCと、敵キャラクタNPCとのボスバトルの実行要求を受け付けるための仮想ボタン501と、ログボタン502と、敵キャラクタNPCのHPを示すHPゲージ503と、敵キャラクタNPCとのバトルに参加する2種類のグループ(プレイヤP1が属するグループと、プレイヤP1が属さないグループ)がそれぞれ敵キャラクタに与えたダメージ(与ダメージ)の割合を示す与ダメージバー504とが設けられる。なお、与ダメージバー504については、後で説明する(図10参照)。
【0045】
端末21は、課題画面を表示すると、操作情報送信要求を受け付けたか否かを判定する(ステップS203)。本例においては、端末21は、仮想ボタン501の表示位置に対するプレイヤのタッチ操作を検出した場合に、操作情報送信要求を受け付けたと判定する。
【0046】
端末21は、例えば所定時間内に仮想ボタン501の表示位置に対するタッチ操作を受け付けていないことにより、操作情報送信要求を受け付けていないと判定すると(ステップS203のN)、他プレイヤ関連情報の表示条件が充足されたか否かを判定する(ステップS204)。本例においては、端末21は、特定時間プレイヤからの操作を受け付けていない場合に、他プレイヤ関連情報の表示条件が充足されたと判定する。
【0047】
端末21は、他プレイヤ関連情報の表示条件が充足されたと判定すると、課題画面に疑似的な行動履歴(疑似ログ)を表示するための処理(疑似ログ表示処理)を実行する(ステップS300)。なお、本例においては、端末21が、他プレイヤ関連情報を参照して適宜行動履歴または賑やかし文を表示する構成とする場合を例にして説明するが、疑似ログ表示処理の構成はこれに限定されず、時間経過に応じて他プレイヤ関連情報が表示され得る構成であればよい。すなわち、例えば、サーバ10が、時間の経過に応じて表示または消去される行動履歴または賑やかし文を示す情報(疑似ログ表示情報)をステップS105の処理にて端末21に送信し、端末21が、受信した疑似ログ表示情報に従って課題画面の表示を行う構成としてもよい。また、端末21が、疑似ログを表示するときに、所定の更新条件が満たされているか否かを判定し、所定の更新条件が満たされていると判定した場合に、サーバ10との通信を開始して他プレイヤ関連情報を更新する構成としてもよい。すなわち、端末21が、後述するステップS205の処理(サーバ10に対して操作情報を送信する処理)を実行する前の画面(騎士団TOP画面)を表示しているときに、他プレイヤ関連情報を自動更新する構成としてもよい。この場合、更新条件としては、例えば、課題画面を表示してから特定時間(例えば、3分)が経過するまでに操作情報送信要求を受け付けなかった場合など、サーバ10において他プレイヤ関連情報が更新されている可能性が高いと考えられる状況で満たされ得る条件であることが好ましい。
【0048】
図6は、端末21が実行する疑似ログ表示処理の例を示すフローチャートである。本例における疑似ログ表示処理では、バトル履歴(または、戦闘ログ情報)と、戦闘とは関係のない賑やかしのために表示する文(賑やかし文。例えば、「プレイヤP2は、敵に見惚れている」など)を表示する。ここで、バトル履歴とは、他プレイヤ情報に含まれるバトル履歴を意味する。本例においては、端末21は、敵キャラクタが登場している状態のバトル画面におけるログボタン502(図5参照)がプレイヤにより選択されたことに応じて、バトル履歴が表示される。
【0049】
図7は、バトル履歴表示画面の例について説明するための説明図である。図7に示すように、バトル履歴表示画面には、画面左側に、プレイヤP1と同一のグループ(騎士団)に属する他プレイヤのバトル履歴を示す画像が配置される。一方、画面右側には、プレイヤP1とは異なるグループに属する他プレイヤのバトル履歴を示す画像が配置される。なお、これらの画像は、例えば色分けなど、プレイヤP1にとって自分の騎士団と相手の騎士団とが識別可能となる構成であることが好ましい。なお、本例においてバトル履歴表示画面に表示される他プレイヤの名称、画像、行動時間、および行動内容(特に、発動したサポート効果と、スキルと、一度の攻撃が複数のターンで構成される場合の各ターンで敵キャラクタに与えたダメージの累計)は、サーバ10から取得したものである。
【0050】
端末21は、疑似ログ表示処理において、先ず、他プレイヤ関連情報を参照する(ステップS301)。本例においては、端末21は、他プレイヤ関連情報を参照し、課題画面を表示してから既に表示したバトル履歴と、表示していないバトル履歴とを識別する。なお、サーバ10から受信する他プレイヤ関連情報に、プレイヤP1の行動履歴を含む構成とする場合、端末21が、プレイヤP1のバトル履歴を表示対象から除外する構成としてもよい。このような構成とすることで、プレイヤP1自身のバトル履歴を表示することにより共闘感が阻害される可能性を排除することができる。
【0051】
端末21は、他プレイヤ関連情報を参照すると、過去に表示していないバトル履歴があるか否かを判定する(ステップS302)。ここで、過去に表示していないバトル履歴があると判定すると(ステップS302のY)、端末21は、古いバトル履歴(すなわち、実行された時間が早い行動を示すバトル履歴)を優先して表示画面に表示する(ステップS303)。本例においては、端末21は、予め定められた時間間隔で、バトル履歴を所定数(例えば、1つ)のバトル履歴を示す画像を順次表示する。
【0052】
図8は、行動履歴(本例においては、バトル履歴)の表示態様の例について説明するための説明図である。図8に示す課題場面(バトル画面)において、バトル履歴は、バトル履歴を示す画像801により示される。なお、端末21が、バトル履歴を示すが画像を所定数(例えば、1つ)ずつ表示する構成としてもよい。すなわち、端末21が、例えば他プレイヤP2のバトル履歴を所定時間(例えば、1秒間)表示し、その間にプレイヤP1からの操作入力を受け付けなかった場合、次に実行されたバトル履歴を示す画像を表示する代わりにそれまで表示していたバトル履歴を示す画像を消去する構成としてもよい。
【0053】
一方、過去に表示していないバトル履歴がないと判定すると(ステップS302のN)、端末21は、賑やかし文を表示する(ステップS304)。本例においては、端末21は、他プレイヤ関連情報の内容と、所定の文字列出力規則とに従って文字列を含む画像を生成し、生成した画像を表示する。なお、生成する文字列は内容が連続しない構成とされることが好ましく、例えば、予め準備された文字列群の中から順次またはランダムに、他プレイヤ文字列が対応付けされる構成としてもよい。
【0054】
図9は、賑やかし文の表示態様の例について説明するための説明図である。図9に課題画面において、賑やかし文は、賑やかし文を示す画像によって表示される。なお、賑やかし文も、バトル履歴と同様に、種々の表示態様が考えられるが、課題画面の視認性を低下させないものであることが好ましい。
【0055】
なお、本例においては、バトル履歴を示す画像801と賑やかし文を示す画像901とは、画面上の特定範囲内で決定された座標(例えば、ランダム座標)に表示される。すなわち、端末21は、表示する画像を決定するときに、画像を表示する位置も決定する。順次表示する画像の位置にバラつきを設けることで、課題画面に動きを与えることができるようになる。なお、画像の表示位置に関して、画像に対応する他プレイヤが属するグループが影響する(例えば、プレイヤP1と同一グループの他プレイヤに対応する画像は画面左側に表示する)構成としてもよい。
【0056】
端末21は、行動履歴または賑やかし文を表示すると、表示履歴を保存して(ステップS305)、課題関連処理のステップS203の処理に移行する(図4参照)。このような構成とすることにより、バトル履歴を全て表示しきる前にバトルに入った場合(すなわち、操作情報送信要求を受け付けた場合)、その後にバトル画面を表示するときには、表示していないバトル履歴から表示することができる。すなわち、例えばプレイヤP1にとって「自分が敵に攻撃→Aさんが敵に攻撃→Bさんが敵に攻撃→Cさんが敵に攻撃」とバトル履歴が記憶されていて、疑似ログに「Aさんが攻撃」までしか表示されない状態(すなわち、画面上に「Aさんが攻撃」に対応する画像まで表示された状態)でバトルに入り、バトル終了すると、端末21が次に表示するのは「Bさんが敵に攻撃」に対応する画像となる。ただし、バトル履歴には過去30件の情報しかとっていないため、端末21は、流れてしまったバトル履歴(過去ログ)はスキップする。
【0057】
端末21は、課題画面における仮想ボタン501の表示位置に対するタッチ操作を受け付けたことにより、操作情報送信要求を受け付けたと判定すると(ステップS203のN)、操作情報をサーバ10に送信する(ステップS205)。本例においては、端末21は、操作情報として、プレイヤP1による敵キャラクタNPCへの攻撃要求をサーバ10に送信する。
【0058】
サーバ10は、操作情報を受信すると、受信した操作情報に従って課題情報を更新する(ステップS106)。本例においては、サーバ10は、プレイヤP1が敵キャラクタNPCに与えるダメージを算出し、算出したダメージを敵キャラクタNPCの残りHPから減算するように課題情報を更新する。なお、端末21は、プレイヤ情報を参照し、プレイヤP1の現在の攻撃力とHP(それぞれ、デッキを構成する仮想カードにより算出される値)と、デッキコストと、プレイヤP1の現在のバトルコスト(使用可能なデッキコストを示す値。攻撃することにより消費される。)とを含む所定項目の数値に従って、プレイヤP1が敵キャラクタNPCに与えるダメージを算出する。
【0059】
課題情報を更新すると、プレイヤP1は、プレイヤP1が課題をクリアしたか否かを判定する(ステップS107)。本例においては、端末21は、更新した課題情報がクリア条件を満たしている場合(具体的には、敵キャラクタNPCのHPが0になっている場合)に、課題をクリアしたと判定する。ここで、課題をクリアしていないと判定すると、サーバ10は、ステップS104の処理に移行する。一方、課題をクリアしたと判定すると、サーバ10は、プレイヤP1がクリアした課題に応じた特典をプレイヤP1に付与する(ステップS108)本例においては、サーバ10は、プレイヤP1と、敵キャラクタNPCとの対戦に参加した他プレイヤとに関して、それぞれが敵キャラクタNPCに与えたダメージの割合(例えば、敵キャラクタNPCの最大HPに対する与ダメージの割合)に基づいて、予め付与条件が設定された特典の中から各プレイヤが付与条件を満たした特典を付与する(具体的には、各プレイヤに対応するプレイヤ情報を更新する)。
【0060】
なお、サーバ10が各プレイヤに対して付与する特典の決定方法は、与ダメージに基づくものに限定されず、例えば、各キャラクタが敵キャラクタNPCを倒すことに貢献した度合(貢献度)に基づく方法を用いる構成としてもよい。この場合、例えばサーバ10が、貢献度として、「攻撃貢献度」と「残HP貢献度」との2種類の貢献度を決定する構成としてもよい。この場合、攻撃貢献度は、その敵に対して1バトル中に与えたダメージに基づいて算出される(与えるダメージが多いほど貰える量が増える。)構成とし、残HP貢献度は、その敵との1バトル終了時に自分の残ったHPに基づいて算出される(HPが多いほど貰える量が増える。)構成としてもよい。また、貢献度の決定方法として、サーバ10が、例えば攻撃回数や消費アイテム等を貢献度に反映させるなど、バトル経過を貢献度に反映させる方法を用いる構成としてもよい。
【0061】
ここで、本例における与ダメージに関連する要素である「与ダメージバー」について説明する。図5に示した与ダメージバー504は、プレイヤP1が属するグループが敵キャラクタNPCに与えたダメージの総和と、プレイヤP1が属さないグループが敵キャラクタNPCに与えたダメージの総和との割合を示すものである。本例においては、サーバ10は、各グループが敵キャラクタNPCに与えたダメージの大小に応じて、敵キャラクタを討伐した際に各プレイヤに付与する特典に差を設ける。そのため、各プレイヤは、与ダメージバーを見てグループダメージの大小を判断し、バトルコストを消費して攻撃をするか否かを考えるといったこともできる。なお、端末21が、与ダメージバーではなく(または、与ダメージバーと併せて)、例えば複数のグループの貢献度の割合を示すバー(貢献度バー)など敵キャラクタとのバトルの状況を示す要素を表示する構成としてもよい。なお、この場合、端末21が、攻撃貢献度と残HP貢献度それぞれをユーザが識別できるように示す構成としてもよい。貢献度を種類別に表示することにより、例えばユーザに対して、他のプレイヤの行動の傾向を示唆することができるようになる。
【0062】
図10は、与ダメージバーの例について説明するための説明図である。本例における与ダメージバーを表示するための構成のポイントは、「敵の現在HPに対して変動する絶対値を決めている」点にある。すなわち、このような構成とすることで、敵に対して1回目の攻撃で与ダメージの割合が「自分100%、相手0%」のようになってしまうことによる不自然さの発生を回避することができるようになる。すなわち、プレイヤP1が属するグループ(自分)と、プレイヤP1が属さないグループ(相手)との与ダメージの大小に応じて変化する与ダメージバーの振り幅は、「(敵の最大HP−敵の現在HP)/敵の最大HP」の結果とする。例えば、敵の最大HPが500だったときに、敵のHPを50減らしたときは、「(500−50)/500=0.1」なので、与ダメージバーの振り幅が±10%内になる。すなわち、例えば「自分しか50ダメージを与えてないとき。つまり相手は一切攻撃して無いとき」には、与ダメージバーは図10(A)の状態となる。また、「相手しか50ダメージを与えてないとき。つまり自分は一切攻撃して無いとき」には、与ダメージバーは図10(B)の状態となる。また、「自分が37.5ダメージ、相手が12.5ダメージ与えたとき」には、与ダメージバーは図10(C)の状態となる。また、「自分と相手が両方とも25ダメージを与えたとき。つまり与ダメージが同じだったとき」には、与ダメージバーは図10(D)の状態となる。なお、与ダメージバーを表示するための情報は、課題情報記憶部16bに格納されるものとする。
【0063】
サーバ10は、プレイヤ情報を更新すると、プレイヤP1に付与した特典を示す特典情報を端末21に送信する(ステップS109)。本例においては、サーバ10は、特典情報のほか、課題をクリアした旨(すなわち、敵キャラクタを倒した旨)を示す情報を端末21に送信する。
【0064】
端末21は、特典情報を受信すると、受信した特典情報に基づいて特典等を示す特典画面(図示せず)を表示し(ステップS206)、ここでの処理を終了する。
【0065】
以上に説明したように、上述した実施の形態においては、複数のプレイヤが共通の課題(例えば、敵キャラクタの討伐)に取り組むビデオゲームの進行を制御するビデオゲーム処理装置(例えば、サーバ10または端末21)が、ビデオゲームにおいてプレイヤが挑戦可能な課題と、当該課題に挑戦したプレイヤの行動履歴とを示す課題関連情報を記憶する課題関連情報記憶手段(例えば、課題情報記憶部16b)を備え、プレイヤP1からの課題提供要求を受け付け(例えば、ステップS201)、課題提供要求に対応する課題を特定し(例えば、ステップS101)、特定した課題関連情報を参照し、特定した課題に対応する他プレイヤを示す他プレイヤ関連情報を生成し(例えば、ステップS104)、特定した課題を示す課題画面を表示し(例えば、ステップS202)、生成した他プレイヤ関連情報の少なくとも一部(例えば、バトル履歴)を表示する構成としているので(例えば、ステップS300)、他のユーザとの共闘感や連帯感を提供することができるようになる。
【0066】
すなわち、ユーザ(プレイヤ)のゲーム画面に他のユーザの存在を示す情報を表示することができるようになるので、一人でゲームをプレイしているユーザに対しても、他のユーザと一緒にゲームを進めている感覚を提供することができるようになる。
【0067】
また、上述した実施の形態においては、ビデオゲーム処理装置(例えば、サーバ10または端末21)が、プレイヤの識別情報を提示した課題提供要求を受け付け(例えば、ステップS101)、課題に挑戦したプレイヤの行動履歴に順番を設定することで他プレイヤ関連情報を生成し(例えば、ステップS104)、順番に従ってプレイヤの行動履歴を示す画像を表示する構成としているので(例えば、ステップS300)、ゲーム画面に動きを持たせることができるようになり、他のユーザとの共闘感や連帯感を効果的に演出することができるようになる。
【0068】
また、上述した実施の形態においては、課題関連情報(例えば、バトル関連情報)は、時系列で課題に挑戦したプレイヤの行動履歴を示し、ビデオゲーム処理装置(例えば、サーバ10または端末21)が、時系列に従って順番を設定し(例えば、バトル履歴が示すバトルの実行時間を利用し)、課題に挑戦したプレイヤの行動履歴に応じた文字列とは異なる文字列である賑やかし文を生成し、生成した賑やかし文を所定時機(例えば、バトル履歴を全て表示したとき)に表示する構成としているので(例えば、ステップS300)、同じ行動履歴をいつまでも表示することなくユーザに共闘感や連帯感を提供することができるようになる。
【0069】
また、上述した実施の形態においては、ビデオゲーム処理装置(例えば、サーバ10または端末21)が、順番を設定した課題に挑戦したプレイヤの行動履歴(例えば、端末21が受信した他プレイヤ関連情報に含まれるバトル履歴)を全て表示したか否かを判定し(例えば、ステップS302)、全て表示したと判定したことに応じて、生成した賑やかし文を表示する構成としているので、実際のバトル履歴(実ログ)と、生成した疑似的なログ(疑似ログ)とを適当に使い分けて利用することができるようになる。
【0070】
なお、上述した実施の形態では特に言及していないが、ビデオゲーム処理装置(例えば、サーバ10または端末21)が、課題関連情報(例えば、バトル関連情報)が示す課題に挑戦したプレイヤの行動履歴(例えば、バトル履歴)に基づいて、課題が課題提供要求が受け付けられたときの状態になるまでの過程を示す過程情報(例えば、他プレイヤキャラクタの行動内容と、行動内容によって変動した敵キャラクタの状態とを示す画像情報)を含む他プレイヤ関連情報を生成し、過程情報に基づいて、課題が課題提供要求が受け付けられたときの状態になるまでの過程を示す画像を表示する構成としてもよい。すなわち、ビデオゲーム処理装置(例えば、サーバ10または端末21)が、課題画面に疑似ログを表示するとき(例えば、図8の画像801参照)、その表示に合わせて攻撃演出を行い、攻撃演出に合わせて敵のHPを減少させる構成としてもよい。この場合、例えば予め疑似ログで減らすHP分をローカル上(例えば、端末21での処理)で表面上の加算をしておく構成とすればよい。なお、このような構成とする場合、ビデオゲーム処理装置が、プレイヤがバトル履歴を見た後には(例えば、図7参照)、表面上加算しておいたHPを加算していない状態にする構成とし、プレイヤにとって、バトル履歴に表示されているダメージ分いきなり敵のHPが減ったように見える構成としてもよい。さらに、この場合、ビデオゲーム処理装置(例えば、サーバ10または端末21)が、表面上のHPと同様に、プレイヤが属するグループと他のグループとの与ダメージのメータ(例えば、与ダメージバー504。図5図10参照)の表示形態もローカル上(例えば、端末21での処理)で変化させる構成としてもよい。
【0071】
なお、上述した実施の形態では特に言及していないが、ビデオゲーム処理装置(例えば、サーバ10または端末21)が、賑やかし文に、ローカル上(例えば、端末21での処理)の課題の進行状況(例えば、バトルの状況)から判定した内容を表示する構成としてもよい。この場合、例えばビデオゲーム処理装置が、表示した攻撃演出(例えば、バトル履歴を示す画像801が敵キャラクタNPCに対して攻撃する演出)を行い、演出の進行に応じて敵キャラクタのHPを減算し(例えば、HPゲージの表示形態を変更し)、ビデオゲームの進行状況(例えば、敵キャラクタのHPや各プレイヤまたは各グループが敵キャラクタに与えたダメージ)が賑やかし文の表示条件を満たしたときに、表示条件が満たされた賑やかし文を他プレイヤに対応付けて表示する(例えば、敵キャラクタNPCのHPが1/10になったときに「プレイヤP3はもう少しで勝てそうだと喜んでいる」と表示したり、相手グループに与ダメージが逆転されたときに「プレイヤP3は相手騎士団に与ダメージが逆転されて嘆いている」と表示したりする構成としてもよい。このような構成とすることにより、ゲーム画面に表示する文字列のバリエーションを豊富にすることができるようになる。
【0072】
なお、上述した実施の形態では、ビデオゲーム処理装置(例えば、サーバ10または端末21)が他のビデオゲーム処理装置と同期しない場合(すなわち、非同期とする場合)について説明したが、複数のビデオゲーム処理装置(例えば、サーバ10または端末21)が同期してそれぞれ他プレイヤ関連情報を自己の表示装置の表示画面に表示する構成としてもよい。この場合、例えばサーバ10が、共通の課題に取り組む複数のプレイヤそれぞれの行動履歴を記録する度に、行動履歴を記録したプレイヤ以外の他プレイヤが操作する端末に行動履歴を送信し、行動履歴を送信しないときは、各プレイヤの端末に賑やかし文を表示させる構成としてもよい。この場合、サーバ10が、例えば、賑やかし文を生成して端末21に送信してもよいし、端末21に記憶された賑やかし文を表示する命令を端末21に送信してもよい。このような構成とすることにより、MMO(Massively Multiplayer Online Role−Playing Game)において、他のユーザとの共闘感や連帯感を提供することができるようになる。また、複数のビデオゲーム処理装置を同期させる場合、与ダメージバーの変動を同期通信でリアルタイムで反映させる構成としてもよい。
【0073】
なお、上述した実施の形態においては、与ダメージバーの構成について図面を参照して説明した。以下、与ダメージバーなどビデオゲームの進行に応じて形態が変化するオブジェクト(可変オブジェクト)を上述した実施の形態にて取り扱う場合の例について説明する。
【0074】
図11は、サーバ10が実行する可変オブジェクト関連処理の例を示すフローチャートである。可変オブジェクト関連処理では、上述した与ダメージバー(図10参照)を可変オブジェクトとして管理し、複数の端末21〜2Nそれぞれにおいて課題(本例においては、バトル)の進行状況に応じた形態で表示させるための処理が行われる。
【0075】
可変オブジェクト関連処理は、例えば、上述した課題関連処理(図4参照)におけるステップS107の処理において、サーバ10が、課題がクリアされていないと判定したことに応じて開始される。
【0076】
サーバ10は、端末21から受信した操作応報に従って行動結果値を算出する(ステップS401)。本例においては、サーバ10は、プレイヤP1が敵キャラクタNPCに与えたダメージを行動結果値として算出する。
【0077】
サーバ10は、行動結果値を算出すると、算出した行動結果値に応じた可変オブジェクトの変化率を決定する(ステップS402)。本例においては、サーバ10は、「行動結果値/敵キャラクタNPCの最大HP」を、変化率として決定する。
【0078】
サーバ10は、変化率を決定すると、可変オブジェクトの変化率の上限値を決定する(ステップS403)。本例においては、サーバ10は、「(敵キャラクタの最大HP−敵キャラクタの現在HP)/敵キャラクタの最大HP」を、変化率の上限値に決定する。
【0079】
サーバ10は、上限値を決定すると、決定した変化率が決定した上限値を上回っているか否かを判定する(ステップS404)。ここで、決定した変化率が決定した上限値を上回っていると判定すると(ステップS404のY)、サーバ10は、上限値に基づいて可変オブジェクトの表示形態を決定する(ステップS405)。本例においては、サーバ10は、与ダメージバーにおけるグループ間の境界位置を、上限値(例えば、10%)に基づいて変動させる。
【0080】
一方、決定した変化率が決定した上限値を上回っていないと判定すると(ステップS404のN)、サーバ10は、決定した変化率に基づいて可変オブジェクトの表示形態を決定する(ステップS406)。
【0081】
サーバ10は、可変オブジェクトの変化率を決定すると、決定した表示形態に従って課題情報を更新し(ステップS407)、課題関連処理(図4参照)におけるステップS104の処理に移行する。これにより、サーバ10は、次に同一の課題に挑戦するプレイヤが操作する端末に、更新後の可変オブジェクトを表示させることができるようになる。
【0082】
上述したように、可変オブジェクトの変化率に上限を設ける構成(例えば、プレイヤが敵キャラクタを1回攻撃することによる与ダメージバーの変動に関して、敵キャラクタの現在HPに対して変動する絶対値を決める構成)とすることにより、可変オブジェクトが課題の序盤から一気に変化する事態が発生することを防止することができるようになり、ゲームの趣向性を向上させることができるようになる。すなわち、例えば2つのグループで共通の敵に与えたダメージの合計を競う場合に、各グループが現在までに与えたダメージの割合を与ダメージバーにより表示することとする。このとき、1回の攻撃により与ダメージバーが変動する割合の上限を設けていないと、与ダメージバー上では、課題の序盤であるにもかかわらず一方のグループが敵に与えたダメージの割合と他方のグループが敵に与えたダメージの割合とに大きな差があるように見える事態が生じ、他方のグループに属するプレイヤのやる気を削いでしまう場合がある。これに対し、上述した実施の形態のように、1回の攻撃により与ダメージバーが変動する割合の上限を設ける構成とすることにより、競争するグループ間の情勢が課題の後半になるほど変動しやすく、序盤においては変動しにくいビデオゲームを提供することができるようになり、課題の序盤からプレイヤのやる気を削ぐような事態を効果的に回避することができるようになる。
【0083】
また、上述した可変オブジェクト関連処理のように、ビデオゲーム処理装置(例えば、サーバ10または端末21)が、複数のプレイヤが属する複数のグループが共通の敵キャラクタを討伐するバトルを課題とし、当該バトルに関して、複数のグループまたは当該グループに属するプレイヤそれぞれが敵キャラクタに与えたダメージを行動結果値として算出し(例えば、ステップS401)、算出した行動結果値に基づいて、複数のグループそれぞれの行動結果値に応じて形態が変化する可変オブジェクト(例えば、与ダメージバー504)の変化率を決定し(例えば、ステップS402)、敵キャラクタのダメージ許容量の初期値(例えば、最大HP)と、グループまたはプレイヤにより当該敵キャラクタに与えられたダメージの蓄積値(例えば、ダメージの蓄積から算出可能な敵キャラクタの現在HP)とに基づいて、可変オブジェクトの変化率の上限値を決定し(例えば、ステップS403)、決定した変化率と決定した上限値とが所定の関係にある場合(例えば、変化率が上限値を上回っている場合)、当該上限値に基づいて、可変オブジェクトの表示形態を決定する(例えば、ステップS405)、構成としているので、可変オブジェクトによってユーザの興味を引くことが可能なビデオゲームを提供することができるようになる。
【0084】
また、上述した実施の形態では、複数のユーザ端末21〜2Nとビデオゲーム処理サーバ10は、自己が備える記憶装置に記憶されている各種制御プログラム(例えば、ビデオゲーム処理プログラム)に従って、上述した各種の処理を実行する。
【0085】
なお、ビデオゲーム処理システム100の構成は上述した構成に限定されず、例えばユーザ端末が実行する処理として説明した処理の一部または全部をサーバ10が実行する構成としてもよいし、サーバ10が実行する処理として説明した処理の一部または全部を複数のユーザ端末21〜2Nの何れか(例えば、ユーザ端末21)が実行する構成としてもよい。また、サーバ10が備える記憶部の一部または全部をユーザ端末21〜2Nが備える構成としてもよい。すなわち、ビデオゲーム処理システム100におけるユーザ端末21とビデオゲーム処理サーバ10のどちらか一方が備える機能の一部または全部を、他の一方が備える構成とされていてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0086】
本発明によれば、他のユーザとの共闘感や連帯感を提供することができるようにするのに有用である。
【符号の説明】
【0087】
10 ビデオゲーム処理サーバ
11 制御部
12 通信部
13 検索部
14 判定部
15 更新部
16 ビデオゲーム情報記憶部
21〜2N ユーザ端末
30 通信ネットワーク
100 ビデオゲーム処理システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11