【課題を解決するための手段】
【0003】
本開示は、
飲料成分からの飲料の調製のためのカプセルであって、前記カプセルは、前記カプセルを保持するための容器を備えかつ前記容器に水媒体を供給するための流体分配装置を有している飲料調製機における使用に適しており、
前記カプセルは、前記カプセルの飲料成分区画を一緒に形成する第1セクションおよび第2セクションを備えており、前記飲料成分区画に飲料成分が受け入れられており、前記第1セクションは前記カプセル内への水媒体の進入のための予め形成された入口を備えており、前記第2セクションは使用時に前記飲料成分および前記水媒体から形成される飲料のための予め形成された出口を備えており、
前記第1または前記第2セクションの穴空けなしに前記カプセルの前記第2セクションの方へ前記カプセルの前記第1セクションを移動させるために、前記カプセルの前記第1セクションが前記飲料調製機の入口穴空け器に係合することによって前記カプセルが前記飲料調製機の前記容器内に挿入されるとき、前記カプセルが圧縮可能である、カプセルを提供している。
【0004】
有利には、前記カプセルの圧縮は、前記飲料成分区画内に保たれている前記飲料成分を圧縮するのに用いられてもよく、前記飲料成分区画は、前記飲料成分の抽出を改善するのに有益な効果を持っている。
【0005】
前記カプセルのための予め形成された入口および出口の使用は、分配中に穴を空けられる入口および出口と比べて、より一貫した、より予測可能な、前記カプセルを通る水媒体の流れを達成するかもしれない。
【0006】
前記第1および第2セクションは、可変セクションによって相互に連結されてもよい。
【0007】
可変セクションは、弾性的に変形可能であってもよい。
【0008】
有利には、一旦飲料調製機からカプセルが取り除かれると、可変セクションが部分的にまたは全くその最初の形状を回復してもよい。このことは、カプセルを再使用により適するようにするかもしれない。
【0009】
第1および第2セクションは、互いに関節で繋がれてもよい。代わりにあるいはさらに、第1および第2セクションはヒンジによって相互に連結されてもよい。代わりにあるいはさらに、第1および第2セクションは衝撃吸収帯によって相互に連結されてもよい。代わりにあるいはさらに、第1および第2セクションは折り畳み可能セクションによって相互に連結されてもよい。
【0010】
カプセルは、カップとカップ蓋とを備えてもよい。前記カップは、底部と、前記底部から前記底部と反対側に置かれるカップ開口を画定する縁へと延びる周縁側壁とを備えている。前記カップ蓋は、前記飲料成分区画を形成するように前記カップ開口を閉じる前記カップと接続可能である。前記カップの前記周縁側壁は前記可変セクションを備えている。
【0011】
この場合、前記カップは単一に形成されている。カップは、成形品として単一の部品で形成されてもよい。可変セクションは、成形工程の間に形成されてもよく、あるいは成形工程の後の、圧縮成形、切断、スコーリング、熱処理、曲げのような処理によって形成されてもよい。
【0012】
前記第1および前記第2セクションは別個であり、一緒に滑れるように互いに接続されている。
【0013】
滑り接続は、第1および第2セクション間の単一の締り嵌めであってもよい。代わりに、シール装置、例えば、ガスケットまたはOリングが、第1および第2セクション間に設けられてもよい。代わりに、第1および第2セクションは、第1および第2セクションの他方と係合する弾性の縁または面を備えていてもよい。
【0014】
前記カプセルは、前記カプセル内の1以上の入口フィルタと、前記カプセル内の出口フィルタとをさらに備えている。フィルタは、使用に先立って、カプセルの予め形成された入口および出口を通って飲料成分が逃れることを妨げるように作用する。使用中、出口フィルタは、カプセルを出る飲料の流れから飲料成分の微粒子を濾過するために用いられてもよい。入口フィルタは、カップの底部の内面に接着されてもよい。出口フィルタはカップ蓋に隣接してもよい。出口フィルタはカップ蓋の内面に接着されてもよい。
【0015】
代わりにあるいはさらに、前記カプセルは、前記飲料成分を含む分離フィルタバッグをさらに備えてもよく、前記フィルタバッグは前記飲料成分区画内に保持されている。
【0016】
有利には、分離フィルタバックの使用は、カプセルの入口および出口に入口フィルタおよび出口フィルタを設ける必要性を回避するかもしれない。フィルタバックは、濾紙のような濾過材から形成されてもよい。フィルタバックはカプセルの残りとは別に設けられてもよく、使用の直前にユーザによって飲料成分区画内に挿入されてもよい。そのような使用は、カプセルをより再使用に適するようにするかもしれない。
【0017】
代わりにあるいはさらに、入口および出口の開口または開口群の大きさは、飲料成分のために効果的なフィルタを提供するのに十分小さくなるように選択されてもよい。
【0018】
飲料成分は、焼き肉および挽きコーヒーまたは葉茶のような抽出可能な成分であってもよい。飲料成分は、チョコレートのような可溶または部分的に可溶の成分、ミルク、クリーム、クリーマーのような乳製品由来の成分、あるいは粉乳であってもよい。飲料成分は、粉末、粒状、または液体の形態で提供されてもよい。飲料成分は、2つ以上の成分の混合物あるいは組み合わせであってもよい。
【0019】
カプセルの第1および第2セクションは、飲料調製機の容器の部分に締まり嵌めを形成するように形作られてもよい。例えば、周縁側壁は、飲料調製機の容器の部分に、密封された、概して流体密封された、シールを形成するように、大きさが決められ、形作られてもよい。カプセルは、カプセルの容器内への挿入において飲料調製機によって把持される外部の周縁フランジを備えてもよい。フランジは、カプセルと飲料調製機との間に概して流体密封のシールを形成してもよい。有利には、これらの付属具は、単独または組み合わせで、使用時におけるカプセルを回避する水媒体の流れを妨げてもよく、飲料成分区画を通って入口から出口へと流れる水媒体の量を増大させるのに役立ってもよい。
【0020】
予め形成された入口は単一の開口を備えていてもよい。代わりに、入口開口は、多くの開口を備えていてもよい。
【0021】
予め形成された出口は多くの出口開口を備えていてもよい。
【0022】
第2セクションは、概して堅くてもよい。
【0023】
第2セクションは、スナップフィット接続により第1セクションと接続可能であってもよい。スナップフィット接続は、繰り返し、係合可能かつ取り外し可能であってもよい。有利には、このことは、カプセルを再使用により適するようにするかもしれない。有利には、第2セクションは、接着により第1セクションにしっかりと接続されてもよい。例えば、第2セクションは、第1セクションに超音波で溶着または接着されてもよい。
【0024】
第1および第2セクションは、プラスチック材料から形成されてもよい。例えばポリプロピレンである。第1および第2セクションの材料は、金属プローブ、ナイフまたは褐版のような金属の入口および/または出口穴空け器を持っている飲料調製機の中で使用されるときでさえ、穴空けや引き裂きに耐えてもよい。
【0025】
ガス浸透に強い材料から第1および第2セクションを形成してもよい。使用に先立って予め形成された入口および予め形成された出口のためのガス障壁を形成するために、第1および第2セクションの外面に取り外し可能なカバーを加えてもよい。容器の中へのカプセルの挿入に先立って取り外し可能なカバーを取り除いてもよい。代わりに、強化された障壁特性を欠く材料からカプセルを形成してもよい。代わりに、柔軟性のある包装紙のような外装内に、1以上のカプセルが設けられてもよい。この外装は、ガス浸透への障壁を提供できる。
【0026】
第1および第2セクションは可変セクションより厚くてもよい。中間壁セクションは、0.3mmの厚さを有してもよい。中間壁セクション以外のカップの周縁側壁は0.5mmの厚さを有してもよい。カップ蓋は、0.5mmの厚さを有してもよい。カップの底部は、1.0〜1.5mmの厚さを有してもよい。
【0027】
入口フィルタ、出口フィルタ、入口フィルタバック、出口フィルタバックは、それらが存在する場合、高湿潤強度材料、例えばポリエステルの不織ファイバー材料から、形成されてもよい。使用されてもよい他の材料は、織られた紙ファイバーを含むセルロース系材料のような遮水セルロース系材料を含んでもよい。織られた紙ファイバーは、ポリプロピレン/ポリ塩化ビニルおよび/またはポリエチレンのファイバーと、混合されてもよい。
【0028】
本開示は、飲料成分からの飲料の調製のためのシステムであって、
i)飲料調製機と、
ii)カプセルとを備えており、
前記飲料調製機は、代替の穴空け可能なカプセルを保持するための容器と、前記容器に水媒体を供給するための流体分配装置と、前記代替の穴空け可能なカプセルに入口を空けるための入口穴空け器とを備えており、
前記カプセルは、前記カプセルの飲料成分区画を一緒に形成する第1セクションおよび第2セクションを備えており、前記飲料成分区画に飲料成分が受け入れられており、前記第1セクションは前記カプセル内への水媒体の進入のための予め形成された入口を備えており、前記第2セクションは使用時に前記飲料成分および前記水媒体から形成される飲料のための予め形成された出口を備えており、
前記第1または前記第2セクションの穴空けなしに前記カプセルの前記第2セクションの方へ前記カプセルの前記第1セクションを移動させるために、前記カプセルの前記第1セクションが前記飲料調製機の入口穴空け器に係合することによって前記カプセルが前記飲料調製機の前記容器内に挿入されるとき、前記カプセルが圧縮可能である、カプセルも提供する。
【0029】
有利には、飲料調製機は、本来、使用において必ず穴空けされるかまたは引き裂かれる代替のカプセルを受け入れるように設計されてもよい一方、現在開示されているようなカプセルは、この種の飲料調製機で使用できる異なるカプセルを提供する。現在のカプセルは、上述したような利点を備えてもよい。特に、カプセルは再使用可能でもよく、カプセル内に予め包装されるかまたは分離フィルタバック内に設けられる飲料成分を利用してもよい。
【0030】
さらに、入口穴空け器によるカプセルの圧縮は、有利には、入口穴空け器の端と前記容器に対する第2セクションの接合点との間で前記カプセルに加えられる圧縮力により、上述で注意したような飲料成分の圧縮を生み出してもよく、容器内におけるカプセルの改善された把持および容器への第2セクションのよりよい密封を提供してもよい。
【0031】
システムのカプセルは、以前に記述されるようなカプセルであってもよい。
【0032】
本開示は、飲料成分から飲料を調製する方法であって、
i)飲料調製機の容器にカプセルを挿入する工程と、
ii)前記飲料調製機の入口穴空け器によって前記カプセルに穴を空けることなく、前記カプセルの前記第1セクションを前記飲料調製機の前記入口穴空け器に係合することによって、少なくとも一部分において前記容器内で前記カプセルを把持する工程と、
iii)前記カプセルを圧縮する工程と、
iv)飲料を形成するために水媒体が前記カプセルを通過するように、前記飲料調製機の流体分配装置から前記容器に前記水媒体を供給する工程と、を備えている方法も提供する。
【0033】
出口穴空け器によってカプセルに穴開けしたりまたはカプセルを引き裂いたりすることなしに、入口穴空け器と、飲料調製機の容器の出口のプローブまたは起伏面のような出口穴空け器との間で、カプセルが圧縮されてもよい。例えば、代替カプセルの表面に穴開けしたりまたは表面を引き裂いたりするように、飲料調製機の起伏面が設計されてもよい。しかしながら、本開示のカプセルは、出口を形成するために穴空けまたは引き裂きを必要としない。
【0034】
カプセルの周縁側壁の変形によって、カプセルの圧縮が提供されてもよい。
【0035】
上述の観点では、カプセルの飲料成分区画の容積を減少させるために、カプセルの圧縮が用いられてもよい。