【実施例】
【0092】
実施例1:in vitro活性用細胞株の作製
実施例1−1:GLP−1に対してcAMP反応を示す細胞株の作製
ヒトGLP−1受容体遺伝子のcDNA(OriGene Technologies, Inc. USA)においてORF(オープンリーデイングフレーム)に相当する部分を鋳型とし、HindIII切断部位とEcoRI切断部位をそれぞれ含む下記正方向及び逆方向プライマーを用いたPCRを行い、PCR産物を得た。
正方向プライマー:5’−CCCGGCCCCCGCGGCCGCTATTCGAAATAC−3’(配列番号47)
逆方向プライマー:5’−GAACGGTCCGGAGGACGTCGACTCTTAAGATAG−3’(配列番号48)
【0093】
前記PCR産物を公知の動物細胞発現ベクターであるx0GC/dhfrにクローニングして組換えベクターx0GC/GLP−1Rを製造した。
【0094】
前記製造した組換えベクターx0GC/GLP−1Rを、DMEM/F12(10%FBS)培地で培養したCHO DG44細胞株にリポフェクタミン(Lipofectamine, invitrogene, USA)を用いた方法で導入して形質転換体を得て、前記形質転換体を1mg/mLのG418及び10nMのメトトラキサート(methotraxate)を含む選択培地で選択培養し、次いでそこから単一クローン細胞株を選別し、GLP−1に対して優れた濃度依存的cAMP反応を示す細胞株を最終的に選別した。
【0095】
実施例1−2:グルカゴンに対してcAMP反応を示す細胞株の作製
ヒトグルカゴン受容体遺伝子のcDNA(OriGene Technologies, Inc. USA)においてORFに相当する部分を鋳型とし、EcoRI切断部位とXhoI切断部位をそれぞれ含む正方向及び逆方向プライマーを用いたPCRを行い、PCR産物を得た。
正方向プライマー:5’−CAGCGACACCGACCGTCCCCCCGTACTTAAGGCC−3’(配列番号49)
逆方向プライマー:5’−CTAACCGACTCTCGGGGAAGACTGAGCTCGCC−3’(配列番号50)
【0096】
前記PCR産物を公知の動物細胞発現ベクターであるx0GC/dhfrにクローニングして組換えベクターx0GC/GCGRを製造した。
【0097】
前記製造した組換えベクターx0GC/GCGRを、DMEM/F12(10%FBS)培地で培養したCHO DG44細胞株にリポフェクタミンを用いた方法で導入して形質転換体を得て、前記形質転換体を1mg/mLのG418及び10nMのメトトラキサートを含む選択培地で選択培養し、次いでそこから単一クローン細胞株を選別し、グルカゴンに対して優れた濃度依存的cAMP反応を示す細胞株を最終的に選別した。
【0098】
実施例2:オキシントモジュリン誘導体のin vitro活性
実施例2−1:オキシントモジュリン誘導体の合成
オキシントモジュリン誘導体のin vitro活性を測定するために、下記アミノ酸配列を有するオキシントモジュリン誘導体を合成した(表1)。
【0099】
【表1】
【0100】
表1において、太字及び下線で示すアミノ酸は環形成を意味し、Xと表記されたアミノ酸は非天然型アミノ酸であるα−メチルグルタミン酸を意味する。また、CAは4−イミダゾアセチル(4-imidazoacetyl)を意味し、DAはデスアミノ−ヒスチジル(desamino-histidyl)を意味する。
【0101】
実施例2−2:オキシントモジュリン誘導体のin vitro活性の測定
実施例2−1で合成したオキシントモジュリン誘導体の抗肥満効能を測定するために、実施例1−1及び1−2で製造した形質転換体を用いてin vitroで細胞活性を測定する方法を行った。
【0102】
前記各形質転換体は、CHO(チャイニーズハムスターの卵巣)にヒトGLP−1受容体及びグルカゴン受容体遺伝子をそれぞれ発現するように形質転換されたものであり、GLP−1とグルカゴンの活性を測定するのに適しているので、それぞれの形質転換体を用いて各オキシントモジュリン誘導体の活性を測定した。
【0103】
具体的には、前記各形質転換体を1週間に2又は3回継代培養し、96ウェルプレートに各ウェル当たり1×10
5個の継代培養した形質転換体を分注して24時間培養した。
【0104】
前記培養した細胞をKRB緩衝液で洗浄し、1mMのIBMXを含むKRB緩衝液40mLに懸濁させ、次いで5分間常温に静置した。オキシントモジュリン(配列番号1)又はオキシントモジュリン誘導体(配列番号2〜6、8、10〜13、17、18、23〜25、27及び28及び32〜34)を1000nMから0.02nMまで5倍ずつ連続的に希釈し、それを40mLずつ前記細胞に添加し、次いで37℃の温度条件でCO
2培養器にて1時間培養した。次に、細胞溶解緩衝液(cell lysis buffer)を20mLずつ加えて細胞を溶解させ、前記細胞溶解物をcAMPアッセイキット(Molecular Device, USA)にかけてcAMP濃度を測定し、そこからEC
50値を算出して相互に比較した(表2)。EC
50値を表2に示す。
【0105】
【表2】
【0106】
表2から分かるように、配列番号1の天然型オキシントモジュリンのin vitro活性に比べてGLP−1受容体及びグルカゴン受容体活性に優れたオキシントモジュリン誘導体が確認された。
【0107】
オキシントモジュリンは、GLP−1受容体及びグルカゴン受容体の活性化により、食欲抑制及び満腹感増進、脂肪細胞分解促進による肥満治療効果があることが知られている。本発明による前記誘導体は、GLP−1受容体及びグルカゴン受容体の両方に対して天然型オキシントモジュリンより高いin vitro活性を有するので、従来のオキシントモジュリンに比べて優れた効能を有する肥満治療剤として用いることができる。
【0108】
実施例3:オキシントモジュリン誘導体のin vivo活性
オキシントモジュリン誘導体のin vivo活性を測定するために、ob/obマウスにおいて、対照薬物として固有のオキシントモジュリンを用い、試験物質投与によるin vivoオキシントモジュリン誘導体の活性を測定した。
【0109】
具体的には、肥満糖尿病製剤の効能試験に一般に最も多く用いられるモデル動物であるob/obマウスを16時間絶食させ、1もしくは10mg/kgのオキシントモジュリン、又は0.02、0.1、1もしくは10mg/kgの配列番号2のオキシントモジュリン誘導体をそれぞれ投与し、2時間の飼料摂取量を測定した(
図1)。
図1はオキシントモジュリン又はオキシントモジュリン誘導体の投与量による飼料摂取量の変化を示すグラフである。
図1から分かるように、1mg/kgのオキシントモジュリン誘導体を投与した場合、10mg/kgのオキシントモジュリンを投与した場合よりも優れた飼料摂取抑制効果を示すことが確認された。
【0110】
すなわち、本発明のオキシントモジュリン誘導体は、従来の野生型オキシントモジュリンに比べて抗肥満効果が著しく高く、少量を投与しても肥満治療効果に優れるので、従来は抗肥満効能が低く、1日に3回高用量を投与しなければならなかった野生型オキシントモジュリンの問題が改善されたことが分かる。
【0111】
実施例4:オキシントモジュリンと免疫グロブリンFcとを含む結合体の製造
まず、3.4K PropionALD(2) PEG(プロピオンアルデヒド基を2つ有するPEG,NOF., 日本)をオキシントモジュリン(配列番号1)のアミノ酸配列の30番目のリシン残基にペグ化するために、オキシントモジュリンと3.4K PropionALD(2) PEGのモル比を1:12、タンパク質の濃度を5mg/mLとし、4℃で4.5時間反応させた。ここで、反応は、100mMのホウ酸ナトリウム緩衝液(pH9.0)と45%イソプロパノールの混合溶媒に還元剤である20mMのシアノ水素化ホウ素ナトリウム(cyanoborohydride,SCB(NaCNBH
3)が添加された環境下で行った。反応終了後に、前記反応液をSOURCE S(XK16,アマシャムバイオサイエンス)にかけ、リシンにモノペグ化されたオキシントモジュリンを精製した(カラム:SOURCE S(XK16,アマシャムバイオサイエンス),流速:2.0mL/分、勾配:A0→3%1分B→40%222分B(A:20mMのクエン酸ナトリウム,pH3.0+45%エタノール,B:A+1MのKCl))(
図2a)。
図2aはSOURCE S精製カラムによりモノペグ化オキシントモジュリンを精製した結果を示すグラフである。前記溶出したピークのモノペグ化はSDS−PAGEにより確認し、リシン選択性はAsp−Nタンパク質加水分解酵素を用いたペプチドマッピング(peptide mapping)法を用いて確認した(
図2b)。
図2bは精製したモノペグ化オキシントモジュリンのペプチドマッピングの結果を示すグラフである。
【0112】
次に、前記精製したモノペグ化オキシントモジュリンと免疫グロブリンFcのモル比を1:10、タンパク質の濃度を20mg/mLとし、4℃で16時間反応させた。反応は、100mMのリン酸カリウム緩衝液(pH6.0)に還元剤である20mMのSCBが添加された環境下で行った。反応終了後に、前記反応液をSOURCE 15Q精製カラムにかけ、オキシントモジュリンと免疫グロブリンFcとを含む結合体を精製した(カラム:SOURCE 15Q(XK16,アマシャムバイオサイエンス),流速:2.0mL/分,勾配:A0→20%100分B(A:20mMのトリス−HCl,pH7.5,B:A+1MのNaCl))(
図2c)。
図2cはオキシントモジュリンと免疫グロブリンFcとを含む結合体を精製した結果を示すグラフである。
【0113】
実施例5:オキシントモジュリン誘導体(配列番号29)と免疫グロブリンFcとを含む結合体の製造
まず、3.4K PropionALD(2) PEGをオキシントモジュリン誘導体(配列番号29)のアミノ酸配列の30番目のリシン残基にペグ化するために、オキシントモジュリン誘導体(配列番号29)と3.4K PropionALD(2) PEGのモル比を1:12、タンパク質の濃度を5mg/mLとし、4℃で4.5時間反応させた。ここで、反応は、100mMのホウ酸ナトリウム緩衝液(pH9.0)と45%イソプロパノールの混合溶媒に還元剤である20mMのSCBが添加された環境下で行った。反応終了後に、前記反応液をSOURCE Sにかけ、リシンにモノペグ化されたオキシントモジュリン誘導体を精製した(カラム:SOURCE S,流速:2.0mL/分,勾配:A0→3%1分B→40%222分B(A:20mMのクエン酸ナトリウム,pH3.0+45%エタノール,B:A+1MのKCl))(
図3a)。
図3aはSOURCE S精製カラムによりモノペグ化オキシントモジュリン誘導体(配列番号29)を精製した結果を示すグラフである。
【0114】
次に、前記精製したモノペグ化オキシントモジュリン誘導体(配列番号29)と免疫グロブリンFcのモル比を1:10、タンパク質の濃度を20mg/mLとし、4℃で16時間反応させた。反応は、100mMのリン酸カリウム緩衝液(pH6.0)に還元剤である20mMのSCBが添加された環境下で行った。反応終了後に、前記反応液をSOURCE 15Q精製カラムにかけ、オキシントモジュリン誘導体(配列番号29)と免疫グロブリンFcとを含む結合体を精製した(カラム:SOURCE 15Q,流速:2.0mL/分,勾配:A0→20%100分B(A:20mMのトリス−HCl,pH7.5,B:A+1MのNaCl))(
図3b)。
図3bはオキシントモジュリン誘導体(配列番号29)と免疫グロブリンFcとを含む結合体を精製した結果を示すグラフである。
【0115】
実施例6:オキシントモジュリン誘導体(配列番号30)と免疫グロブリンFcとを含む結合体の製造
まず、3.4K PropionALD(2) PEGをオキシントモジュリン誘導体(配列番号30)のアミノ酸配列の30番目のリシン残基にペグ化するために、オキシントモジュリン誘導体(配列番号30)と3.4K PropionALD(2) PEGのモル比を1:15、タンパク質の濃度を3mg/mLとし、4℃で4.5時間反応させた。ここで、反応は、100mMのHEPES緩衝液(pH7.5)と45%イソプロパノールの混合溶媒に還元剤である20mMのSCBが添加された環境下で行った。反応終了後に、前記反応液をSOURCE Sにかけ、リシンにモノペグ化されたオキシントモジュリン誘導体を精製した(カラム:SOURCE S,流速:2.0mL/分,勾配:A0→3%1分B→40%222分B(A:20mMのクエン酸ナトリウム,pH3.0+45%エタノール,B:A+1MのKCl))(
図4a)。
図4aはSOURCE S精製カラムによりモノペグ化オキシントモジュリン誘導体(配列番号30)を精製した結果を示すグラフである。前記溶出したピークのモノペグ化はSDS−PAGEにより確認し、リシン選択性はAsp−Nタンパク質加水分解酵素を用いたペプチドマッピング法を用いて確認した(
図4b)。
図4bは精製したモノペグ化オキシントモジュリン誘導体(配列番号30)のペプチドマッピングの結果を示すグラフである。
【0116】
次に、前記精製したモノペグ化オキシントモジュリン誘導体(配列番号30)と免疫グロブリンFcのモル比を1:10、タンパク質の濃度を20mg/mLとし、4℃で16時間反応させた。反応は、100mMのリン酸カリウム緩衝液(pH6.0)に還元剤である20mMのSCBが添加された環境下で行った。反応終了後に、前記反応液をSOURCE 15Q精製カラムにかけ、オキシントモジュリン誘導体(配列番号30)と免疫グロブリンFcとを含む結合体を精製した(カラム:SOURCE 15Q,流速:2.0mL/分,勾配:A0→20%100分B(A:20mMのトリス−HCl,pH7.5,B:A+1MのNaCl))(
図4c)。
図4cはオキシントモジュリン誘導体(配列番号30)と免疫グロブリンFcとを含む結合体を精製した結果を示すグラフである。
【0117】
実施例7:オキシントモジュリン誘導体(配列番号31)と免疫グロブリンFcとを含む結合体の製造
まず、3.4K PropionALD(2) PEGをオキシントモジュリン誘導体(配列番号31)のアミノ酸配列の30番目のリシン残基にペグ化するために、オキシントモジュリン誘導体(配列番号31)と3.4K PropionALD(2) PEGのモル比を1:15、タンパク質の濃度を3mg/mLとし、4℃で4.5時間反応させた。ここで、反応は、100mMのHEPES緩衝液(pH7.5)と45%イソプロパノールの混合溶媒に還元剤である20mMのSCBが添加された環境下で行った。反応終了後に、前記反応液をSOURCE Sにかけ、リシンにモノペグ化されたオキシントモジュリン誘導体を精製した(カラム:SOURCE S,流速:2.0mL/分,勾配:A0→3%1分B→40%222分B(A:20mMのクエン酸ナトリウム,pH3.0+45%エタノール,B:A+1MのKCl))(
図5a)。
図5aはSOURCE S精製カラムによりモノペグ化オキシントモジュリン誘導体(配列番号31)を精製した結果を示すグラフである。
【0118】
次に、前記精製したモノペグ化オキシントモジュリン誘導体(配列番号31)と免疫グロブリンFcのモル比を1:10、タンパク質の濃度を20mg/mLとし、4℃で16時間反応させた。反応は、100mMのリン酸カリウム緩衝液(pH6.0)に還元剤である20mMのSCBが添加された環境下で行った。反応終了後に、前記反応液をSOURCE 15Q精製カラムにかけ、オキシントモジュリン誘導体(配列番号31)と免疫グロブリンFcとを含む結合体を精製した(カラム:SOURCE 15Q,流速:2.0mL/分,勾配:A0→20%100分B(A:20mMのトリス−HCl,pH7.5,B:A+1MのNaCl))(
図5b)。
図5bはオキシントモジュリン誘導体(配列番号31)と免疫グロブリンFcとを含む結合体を精製した結果を示すグラフである。
【0119】
実施例8:オキシントモジュリン誘導体(配列番号2)と免疫グロブリンFcとを含む結合体の製造
まず、3.4K PropionALD(2) PEGをオキシントモジュリン誘導体(配列番号2)のアミノ酸配列の30番目のリシン残基にペグ化するために、オキシントモジュリン誘導体(配列番号2)と3.4K PropionALD(2) PEGのモル比を1:10、タンパク質の濃度を3mg/mLとし、4℃で4時間反応させた。ここで、反応は、100mMのHEPES緩衝液(pH7.5)と45%イソプロパノールの混合溶媒に還元剤である20mMのSCBが添加された環境下で行った。反応終了後に、前記反応液をSOURCE Sにかけ、リシンにモノペグ化されたオキシントモジュリン誘導体を精製した(カラム:SOURCE S,流速:2.0mL/分,勾配:A0→3%1分B→40%222分B(A:20mMのクエン酸ナトリウム,pH3.0+45%エタノール,B:A+1MのKCl))(
図6a)。
図6aはSOURCE S精製カラムによりモノペグ化オキシントモジュリン誘導体(配列番号2)を精製した結果を示すグラフである。前記溶出したピークのモノペグ化はSDS−PAGEにより確認し、リシン選択性はAsp−Nタンパク質加水分解酵素を用いたペプチドマッピング法を用いて確認した(
図6b)。
図6bは精製したモノペグ化オキシントモジュリン誘導体(配列番号2)のペプチドマッピングの結果を示すグラフである。
【0120】
次に、前記精製したモノペグ化オキシントモジュリン誘導体(配列番号2)と免疫グロブリンFcのモル比を1:8、タンパク質の濃度を20mg/mLとし、4℃で16時間反応させた。反応は、100mMのリン酸カリウム緩衝液(pH6.0)に還元剤である20mMのSCBが添加された環境下で行った。反応終了後に、前記反応液をSOURCE 15Q精製カラム(カラム:SOURCE 15Q,流速:2.0mL/分,勾配:A0→4%1分B→20%80分B(A:20mMのトリス−HCl,pH7.5,B:A+1MのNaCl))(
図6c)とSOURCE ISO精製カラム(カラム:SOURCE ISO(XK16,アマシャムバイオサイエンス),流速:2.0mL/分,勾配:A0→100%100分B,(A:20mMのトリス−HCl,pH7.5,B:A+1.3MのAS))(
図6d)にかけ、オキシントモジュリン誘導体(配列番号2)と免疫グロブリンFcとを含む結合体を精製した。
図6cはSOURCE 15Q精製カラムによりオキシントモジュリン誘導体(配列番号2)と免疫グロブリンFcとを含む結合体を精製した結果を示すグラフであり、
図6dはSOURCE ISO精製カラムによりオキシントモジュリン誘導体(配列番号2)と免疫グロブリンFcとを含む結合体を精製した結果を示すグラフである。
【0121】
実施例9:オキシントモジュリン誘導体(配列番号3)と免疫グロブリンFcとを含む結合体の製造
まず、3.4K PropionALD(2) PEGをオキシントモジュリン誘導体(配列番号3)のアミノ酸配列の27番目のリシン残基にペグ化するために、オキシントモジュリン誘導体(配列番号3)と3.4K PropionALD(2) PEGのモル比を1:10、タンパク質の濃度を3mg/mLとし、4℃で4時間反応させた。ここで、反応は、100mMのHEPES緩衝液(pH7.5)と45%イソプロパノールの混合溶媒に還元剤である20mMのSCBが添加された環境下で行った。反応終了後に、前記反応液をSOURCE Sにかけ、リシンにモノペグ化されたオキシントモジュリン誘導体を精製した(カラム:SOURCE S,流速:2.0mL/分,勾配:A0→3%1分B→40%222分B(A:20mMのクエン酸ナトリウム,pH3.0+45%エタノール,B:A+1MのKCl))(
図7a)。
図7aはSOURCE S精製カラムによりモノペグ化オキシントモジュリン誘導体(配列番号3)を精製した結果を示すグラフである。前記溶出したピークのモノペグ化はSDS−PAGEにより確認し、リシン選択性はAsp−Nタンパク質加水分解酵素を用いたペプチドマッピング法を用いて確認した(
図7b)。
図7bは精製したモノペグ化オキシントモジュリン誘導体(配列番号3)のペプチドマッピングの結果を示すグラフである。
【0122】
次に、前記精製したモノペグ化オキシントモジュリン誘導体(配列番号3)と免疫グロブリンFcのモル比を1:8、タンパク質の濃度を20mg/mLとし、4℃で16時間反応させた。反応は、100mMのリン酸カリウム緩衝液(pH6.0)に還元剤である20mMのSCBが添加された環境下で行った。反応終了後に、前記反応液をButyl FF精製カラム(カラム:Butyl FF(XK16,アマシャムバイオサイエンス),流速:2.0mL/分,勾配:B0→100%5分A(A:20mMのトリス−HCl,pH7.5,B:A+1.5MのNaCl))(
図7c)とSOURCE 15Q精製カラム(カラム:SOURCE 15Q,流速:2.0mL/分,勾配:A0→4%1分B→20%80分B(A:20mMのトリス−HCl,pH7.5,B:A+1MのNaCl))(
図7d)にかけ、オキシントモジュリン誘導体(配列番号3)と免疫グロブリンFcとを含む結合体を精製した。
図7cはButyl FF精製カラムによりオキシントモジュリン誘導体(配列番号3)と免疫グロブリンFcとを含む結合体を精製した結果を示すグラフであり、
図7dはSOURCE 15Q精製カラムによりオキシントモジュリン誘導体(配列番号3)と免疫グロブリンFcとを含む結合体を精製した結果を示すグラフである。
【0123】
実施例10:オキシントモジュリン誘導体(配列番号23)と免疫グロブリンFcとを含む結合体の製造
まず、MAL−10K−ALD PEG(NOF., 日本)をオキシントモジュリン誘導体(配列番号23)のアミノ酸配列の24番目のシステイン残基にペグ化するために、オキシントモジュリン誘導体(配列番号23)とMAL−10K−ALD PEGのモル比を1:3、タンパク質の濃度を3mg/mLとし、常温で3時間反応させた。ここで、反応は、50mMのトリス緩衝液(pH8.0)に1Mのグアニジンが添加された環境下で行った。反応終了後に、前記反応液をSOURCE Sにかけ、システインにモノペグ化されたオキシントモジュリン誘導体を精製した(カラム:SOURCE S,流速:2.0mL/分,勾配:A0→100%50分B(A:20mMのクエン酸ナトリウム,pH3.0+45%エタノール,B:A+1MのKCl))(
図8a)。
図8aはSOURCE S精製カラムによりモノペグ化オキシントモジュリン誘導体(配列番号23)を精製した結果を示すグラフである。
【0124】
次に、前記精製したモノペグ化オキシントモジュリン誘導体(配列番号23)と免疫グロブリンFcのモル比を1:5、タンパク質の濃度を20mg/mLとし、4℃で16時間反応させた。反応は、100mMのリン酸カリウム緩衝液(pH6.0)に還元剤である20mMのSCBが添加された環境下で行った。反応終了後に、前記反応液をSOURCE 15Q精製カラム(カラム:SOURCE 15Q,流速:2.0mL/分,勾配:A0→4%1分B→20%80分B(A:20mMのトリス−HCl,pH7.5,B:A+1MのNaCl))(
図8b)とSOURCE ISO精製カラム(カラム:SOURCE ISO,流速:2.0mL/分,勾配:B0→100%100分A,(A:20mMのトリス−HCl,pH7.5,B:A+1.1MのAS))(
図8c)にかけ、オキシントモジュリン誘導体(配列番号23)と免疫グロブリンFcとを含む結合体を精製した。
図8bはSOURCE 15Q精製カラムによりオキシントモジュリン誘導体(配列番号23)と免疫グロブリンFcとを含む結合体を精製した結果を示すグラフであり、
図8cはSOURCE ISO精製カラムによりオキシントモジュリン誘導体(配列番号23)と免疫グロブリンFcとを含む結合体を精製した結果を示すグラフである。
【0125】
実施例11:オキシントモジュリン誘導体(配列番号24)と免疫グロブリンFcとを含む結合体の製造
まず、MAL−10K−ALD PEGをオキシントモジュリン誘導体(配列番号24)のアミノ酸配列の30番目のシステイン残基にペグ化するために、オキシントモジュリン誘導体(配列番号24)とMAL−10K−ALD PEGのモル比を1:3、タンパク質の濃度を3mg/mLとし、常温で3時間反応させた。ここで、反応は、50mMのトリス緩衝液(pH8.0)に1Mのグアニジンが添加された環境下で行った。反応終了後に、前記反応液をSOURCE Sにかけ、システインにモノペグ化されたオキシントモジュリン誘導体を精製した(カラム:SOURCE S,流速:2.0mL/分,勾配:A0→100%50分B(A:20mMのクエン酸ナトリウム,pH3.0+45%エタノール,B:A+1MのKCl))(
図9a)。
図9aはSOURCE S精製カラムによりモノペグ化オキシントモジュリン誘導体(配列番号24)を精製した結果を示すグラフである。
【0126】
次に、前記精製したモノペグ化オキシントモジュリン誘導体(配列番号24)と免疫グロブリンFcのモル比を1:5、タンパク質の濃度を20mg/mLとし、4℃で16時間反応させた。反応は、100mMのリン酸カリウム緩衝液(pH6.0)に還元剤である20mMのSCBが添加された環境下で行った。反応終了後に、前記反応液をSOURCE 15Q精製カラム(カラム:SOURCE 15Q,流速:2.0mL/分,勾配:A0→4%1分B→20%80分B(A:20mMのトリス−HCl,pH7.5,B:A+1MのNaCl))(
図9b)とSOURCE ISO精製カラム(カラム:SOURCE ISO,流速:2.0mL/分,勾配:B0→100%100分A,(A:20mMのトリス−HCl,pH7.5,B:A+1.1MのAS))(
図9c)にかけ、オキシントモジュリン誘導体(配列番号24)と免疫グロブリンFcとを含む結合体を精製した。
図9bはSOURCE 15Q精製カラムによりオキシントモジュリン誘導体(配列番号24)と免疫グロブリンFcとを含む結合体を精製した結果を示すグラフであり、
図9cはSOURCE ISO精製カラムによりオキシントモジュリン誘導体(配列番号24)と免疫グロブリンFcとを含む結合体を精製した結果を示すグラフである。
【0127】
実施例12:オキシントモジュリン誘導体(配列番号25)と免疫グロブリンFcとを含む結合体の製造
まず、MAL−10K−ALD PEGをオキシントモジュリン誘導体(配列番号25)のアミノ酸配列の30番目のシステイン残基にペグ化するために、オキシントモジュリン誘導体(配列番号25)とMAL−10K−ALD PEGのモル比を1:3、タンパク質の濃度を3mg/mLとし、常温で3時間反応させた。ここで、反応は、50mMのトリス緩衝液(pH8.0)に1Mのグアニジンが添加された環境下で行った。反応終了後に、前記反応液をSOURCE Sにかけ、システインにモノペグ化されたオキシントモジュリン誘導体を精製した(カラム:SOURCE S,流速:2.0mL/分,勾配:A0→100%50分B(A:20mMのクエン酸ナトリウム,pH3.0+45%エタノール,B:A+1MのKCl))(
図10a)。
図10aはSOURCE S精製カラムによりモノペグ化オキシントモジュリン誘導体(配列番号25)を精製した結果を示すグラフである。
【0128】
次に、前記精製したモノペグ化オキシントモジュリン誘導体(配列番号25)と免疫グロブリンFcのモル比を1:5、タンパク質の濃度を20mg/mLとし、4℃で16時間反応させた。反応は、100mMのリン酸カリウム緩衝液(pH6.0)に還元剤である20mMのSCBが添加された環境下で行った。反応終了後に、前記反応液をSOURCE 15Q精製カラム(カラム:SOURCE 15Q,流速:2.0mL/分,勾配:A0→4%1分B→20%80分B(A:20mMのトリス−HCl,pH7.5,B:A+1MのNaCl))(
図10b)とSOURCE ISO精製カラム(カラム:SOURCE ISO,流速:2.0mL/分,勾配:B0→100%100分A,(A:20mMのトリス−HCl,pH7.5,B:A+1.1MのAS))(
図10c)にかけ、オキシントモジュリン誘導体(配列番号25)と免疫グロブリンFcとを含む結合体を精製した。
図10bはSOURCE 15Q精製カラムによりオキシントモジュリン誘導体(配列番号25)と免疫グロブリンFcとを含む結合体を精製した結果を示すグラフであり、
図10cはSOURCE ISO精製カラムによりオキシントモジュリン誘導体(配列番号25)と免疫グロブリンFcとを含む結合体を精製した結果を示すグラフである。
【0129】
実施例13:オキシントモジュリン誘導体(配列番号28)と免疫グロブリンFcとを含む結合体の製造
まず、3.4K PropionALD(2) PEGをオキシントモジュリン誘導体(配列番号28)のアミノ酸配列の20番目のリシン残基にペグ化するために、オキシントモジュリン誘導体(配列番号28)とMAL−10K−ALD PEGのモル比を1:5、タンパク質の濃度を3mg/mLとし、4℃で3時間反応させた。ここで、反応は、50mMのホウ酸ナトリウム緩衝液(pH9.0)に2Mのグアニジンが添加された環境下で行った。反応終了後に、前記反応液をSOURCE Sにかけ、リシンにモノペグ化されたオキシントモジュリン誘導体を精製した(カラム:SOURCE S,流速:2.0mL/分,勾配:A0→3%1分B→40%222分B(A:20mMのクエン酸ナトリウム,pH3.0+45%エタノール,B:A+1MのKCl))(
図11a)。
図11aはSOURCE S精製カラムによりモノペグ化オキシントモジュリン誘導体(配列番号28)を精製した結果を示すグラフである。
【0130】
次に、前記精製したモノペグ化オキシントモジュリン誘導体(配列番号28)と免疫グロブリンFcのモル比を1:10、タンパク質の濃度を20mg/mLとし、4℃で16時間反応させた。100mMのリン酸カリウム緩衝液(pH6.0)に還元剤である20mMのSCBが添加された環境下で行った。反応終了後に、前記反応液をSOURCE 15Q精製カラム(カラム:SOURCE 15Q,流速:2.0mL/分,勾配:A0→4%1分B→20%80分B(A:20mMのトリス−HCl,pH7.5,B:A+1MのNaCl))(
図11b)とSOURCE ISO精製カラム(カラム:SOURCE ISO,流速:2.0mL/分,勾配:B0→100%100分A,(A:20mMのトリス−HCl,pH7.5,B:A+1.1MのAS))(
図11c)にかけ、オキシントモジュリン誘導体(配列番号28)と免疫グロブリンFcとを含む結合体を精製した。
図11bはSOURCE 15Q精製カラムによりオキシントモジュリン誘導体(配列番号28)と免疫グロブリンFcとを含む結合体を精製した結果を示すグラフであり、
図11cはSOURCE ISO精製カラムによりオキシントモジュリン誘導体(配列番号28)と免疫グロブリンFcとを含む結合体を精製した結果を示すグラフである。
【0131】
実施例14:オキシントモジュリン誘導体(配列番号32)と免疫グロブリンFcとを含む結合体の製造
まず、MAL-10K-ALD PEGをオキシントモジュリン誘導体(配列番号32)のアミノ酸配列番号30番目のシステイン残基にベグ化するためオキシントモジュリン誘導体(配列番号32)とMAL-10K-ALD PEGのモル比を1:3、タンパク質の濃度を1mg/mLとし、常温で3時間反応させた。 ここで、反応は、50mMのトリス緩衝液(pH8.0)に2Mのグアニジンが添加された環境下で行った。反応終了後に、前記反応液をSOURCE Sにかけ、システインにモノペグ化されたオキシントモジュリン誘導体を精製した(カラム:SOURCE S,流速:2.0mL/分,勾配:A0→100%50分B(A:20mMのクエン酸ナトリウム,pH3.0+45%エタノール,B:A+1MのKCl)。
【0132】
次に、前記精製したモノペグ化オキシントモジュリン誘導体(配列番号32)と免疫グロブリンFcのモル比を1:8、タンパク質の濃度を20mg/mLとし、4℃で16時間反応させた。反応は、100mMのリン酸カリウム緩衝液(pH6.0)に還元剤である20mMのSCBが添加された環境下で行った。反応終了後に、前記反応液をSOURCE 15Q精製カラム(カラム:SOURCE 15Q,流速:2.0mL/分,勾配:A0→4%1分B→20%80分B(A:20mMのトリス−HCl,pH7.5,B:A+1MのNaCl))(
図10b)とSOURCE ISO精製カラム(カラム:SOURCE ISO,流速:2.0mL/分,勾配:B0→100%100分A,(A:20mMのトリス−HCl,pH7.5,B:A+1.1MのAS))にかけ、オキシントモジュリン誘導体(配列番号32)と免疫グロブリンFcとを含む結合体を精製した。
【0133】
実施例15:オキシントモジュリン誘導体(配列番号33)と免疫グロブリンFcとを含む結合体の製造(免疫グロブリンFc領域結合オキシントモジュリン誘導体33)
まず、MAL-10K-ALD PEGをオキシントモジュリン誘導体(配列番号33)のアミノ酸配列番号30番目のシステイン残基にベグ化するためオキシントモジュリン誘導体(配列番号33)とMAL-10K-ALD PEGのモル比を1:1、タンパク質の濃度を1mg/mLとし、常温で3時間反応させた。 ここで、反応は、50mMのトリス緩衝液(pH8.0)に2Mのグアニジンが添加された環境下で行った。反応終了後に、前記反応液をSOURCE Sにかけ、システインにモノペグ化されたオキシントモジュリン誘導体を精製した(カラム:SOURCE S,流速:2.0mL/分,勾配:A0→100%50分B(A:20mMのクエン酸ナトリウム,pH3.0+45%エタノール,B:A+1MのKCl)。
【0134】
次に、前記精製したモノペグ化オキシントモジュリン誘導体(配列番号33)と免疫グロブリンFcのモル比を1:5、タンパク質の濃度を20mg/mLとし、4℃で16時間反応させた。反応は、100mMのリン酸カリウム緩衝液(pH6.0)に還元剤である20mMのSCBが添加された環境下で行った。反応終了後に、前記反応液をSOURCE 15Q精製カラム(カラム:SOURCE 15Q,流速:2.0mL/分,勾配:A0→4%1分B→20%80分B(A:20mMのトリス−HCl,pH7.5,B:A+1MのNaCl))とSOURCE ISO精製カラム(カラム:SOURCE ISO,流速:2.0mL/分,勾配:B0→100%100分A,(A:20mMのトリス−HCl,pH7.5,B:A+1.1MのAS))にかけ、オキシントモジュリン誘導体(配列番号33)と免疫グロブリンFcとを含む結合体を精製した。
【0135】
実施例16:オキシントモジュリン誘導体(配列番号34)と免疫グロブリンFcとを含む結合体の製造(免疫グロブリンFc領域結合オキシントモジュリン誘導体34)
まず、MAL-10K-ALD PEGをオキシントモジュリン誘導体(配列番号34)のアミノ酸配列番号30番目のシステイン残基にベグ化するためオキシントモジュリン誘導体(配列番号34)とMAL-10K-ALD PEGのモル比を1:1、タンパク質の濃度を3mg/mLとし、常温で3時間反応させた。 ここで、反応は、50mMのトリス緩衝液(pH8.0)に1Mのグアニジンが添加された環境下で行った。反応終了後に、前記反応液をSOURCE Sにかけ、システインにモノペグ化されたオキシントモジュリン誘導体を精製した(カラム:SOURCE S,流速:2.0mL/分,勾配:A0→100%50分B(A:20mMのクエン酸ナトリウム,pH3.0+45%エタノール,B:A+1MのKCl)。
【0136】
次に、前記精製したモノペグ化オキシントモジュリン誘導体(配列番号34)と免疫グロブリンFcのモル比を1:5、タンパク質の濃度を20mg/mLとし、4℃で16時間反応させた。反応は、100mMのリン酸カリウム緩衝液(pH6.0)に還元剤である20mMのSCBが添加された環境下で行った。反応終了後に、前記反応液をSOURCE 15Q精製カラム(カラム:SOURCE 15Q,流速:2.0mL/分,勾配:A0→4%1分B→20%80分B(A:20mMのトリス−HCl,pH7.5,B:A+1MのNaCl))とSOURCE ISO精製カラム(カラム:SOURCE ISO,流速:2.0mL/分,勾配:B0→100%100分A,(A:20mMのトリス−HCl,pH7.5,B:A+1.1MのAS))にかけ、オキシントモジュリン誘導体(配列番号34)と免疫グロブリンFcとを含む結合体を精製した。
【0137】
実施例17:オキシントモジュリン誘導体−免疫グロブリンFc結合体のin vitro活性
上記実施例で製造されたオキシントモジュリン又はオキシントモジュリン誘導体と免疫グロブリンFcとを含む結合体の抗肥満効果を測定するために実施例2−2と同様の方法を行った。
【0138】
具体的には、実施例1−1及び1−2で製造した各形質転換体を1週間に2又は3回継代培養し、96ウェルプレートに各ウェル当たり1×10
5個の継代培養した形質転換体を分注して24時間培養した。前記培養した各形質転換体をKRB緩衝液で洗浄し、1mMのIBMXを含むKRB緩衝液40mLに懸濁させ、次いで5分間常温で静置した。GLP−1、グルカゴン、又はオキシントモジュリン誘導体(配列番号23、24、25、32,33又は34)−免疫グロブリンFc結合体をそれぞれ1000nMから0.02nMまで5倍ずつ連続的に希釈し、それを40mLずつ前記各形質転換体に添加し、次いで37℃の温度条件でCO
2培養器にて1時間培養した。次に、細胞溶解緩衝液(cell lysis buffer)を20mLずつ加えて細胞を溶解させ、前記細胞溶解物をcAMP アッセイキット(Molecular Device, USA)にかけてcAMP濃度をVictor(Perkin Elmer, USA)で測定し、そこからEC
50値を算出して相互に比較した(表3)。
【0139】
【表3】
【0140】
表3から分かるように、オキシントモジュリン誘導体−免疫グロブリンFc結合体は、固有のGLP−1受容体とグルカゴン受容体に対するin vitro活性を 維持することが確認された。
【0141】
実施例18:オキシントモジュリン誘導体−免疫グロブリン結合体のin vivo活性
前記実施例14の結果から、オキシントモジュリン誘導体−免疫グロブリンFc結合体が オキシントモジュリン誘導体よりも優れた活性を示すことが確認されたので、前記結合体が優れた体重減少効果を示すか否かの確認を試みた。
【0142】
具体的には、約6週齢の正常C57BL/6マウスに60kcalの高脂肪飼料を24週間給餌して体重を平均約50gずつ増加させた。前記マウスにオキシントモジュリン誘導体(配列番号24又は25)−免疫グロブリンFc結合体をそれぞれ0.03又は0.06mg/kg/週の投与量で3週間皮下注射し、各マウスの体重の変化を測定した(
図12及び
図13)。
図12及び
図13はオキシントモジュリン誘導体−免疫グロブリンFc結合体の種類及び投与量によるマウスの体重の変化を経時的に示すグラフである。
図12及び
図13から分かるように、オキシントモジュリン誘導体−免疫グロブリンFc結合体の種類によって多少差があるが、前記オキシントモジュリン誘導体−免疫グロブリンFc結合体の投与量が増加すると、それに比例して体重減少効果が現れたので、前記オキシントモジュリン誘導体−免疫グロブリンFc結合体は用量依存的に体重を減少させる効果を示すことが確認された。