(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6038911
(24)【登録日】2016年11月11日
(45)【発行日】2016年12月7日
(54)【発明の名称】積層プレート式熱交換器ハウジングおよびこのようなハウジングを備える交換器
(51)【国際特許分類】
F28F 3/08 20060101AFI20161128BHJP
F28D 9/00 20060101ALI20161128BHJP
【FI】
F28F3/08 311
F28D9/00
【請求項の数】9
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2014-517708(P2014-517708)
(86)(22)【出願日】2012年6月28日
(65)【公表番号】特表2014-522956(P2014-522956A)
(43)【公表日】2014年9月8日
(86)【国際出願番号】EP2012062590
(87)【国際公開番号】WO2013001017
(87)【国際公開日】20130103
【審査請求日】2015年6月26日
(31)【優先権主張番号】1102056
(32)【優先日】2011年6月30日
(33)【優先権主張国】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】505113632
【氏名又は名称】ヴァレオ システム テルミク
(74)【代理人】
【識別番号】100117787
【弁理士】
【氏名又は名称】勝沼 宏仁
(74)【代理人】
【識別番号】100179338
【弁理士】
【氏名又は名称】大野 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(72)【発明者】
【氏名】カルロス、マルタン
【審査官】
藤崎 詔夫
(56)【参考文献】
【文献】
特開2008−275244(JP,A)
【文献】
特開2005−315521(JP,A)
【文献】
国際公開第2009/156365(WO,A1)
【文献】
特表2009−501892(JP,A)
【文献】
特表2010−510424(JP,A)
【文献】
特開2010−223038(JP,A)
【文献】
特開2010−048536(JP,A)
【文献】
特開2000−337215(JP,A)
【文献】
特開2001−012887(JP,A)
【文献】
特開2009−019868(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F28F 3/08
F28D 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
積層プレート式熱交換器(1)のハウジング(10)であって、
前記ハウジング(10)は、冷却される流体および冷却剤を循環するように構成された複数の積層プレート(2)を受け入れるようにされた容積を画定し、
前記ハウジング(10)は、冷却される流体用のヘッダタンク(75、76、80)を受け入れることが可能なインタフェース(53、54)を画定し、前記積層プレート(2)がろう付けされているときに前記プレート(2)が積層される方向に移動可能な第1の部品(5)と、前記インタフェース(53、54)を画定する少なくとも1つの側面(51、52)を有する第2の部品(35)と、を備え、
前記プレート(2)がろう付けされているときに、前記第1の部品(5)および前記第2の部品(35)は、互いに組み付け可能であり、
前記第1の部品(5)は、2つの側壁(11、12)と上壁(13)とを備え、
前記1つまたは複数の側壁(11、12)および前記上壁(13)の各々は、前記側面(51、52)の1つの面(65)と少なくとも部分的に接触している上を向いた縁部(30)を有し、前記面(65)は、内面として前記容積の内部の方に向いており、
前記上壁(13)の前記上を向いた縁部(30)は、前記2つの側壁(11、12)の前記上を向いた縁部(30)と連結している、
ハウジング(10)。
【請求項2】
前記第2の部品(35)は、第1および第2の側面(51、52)と呼ばれる2つの前記側面(51、52)を有しており、
前記インタフェース(53、54)は、第1のインタフェース(53)として、前記第1の側面(51)によって画定され、冷却される流体用の入口ヘッダタンク(75)を受け入れることが可能であり、
前記インタフェース(53、54)は、第2のインタフェース(54)として、前記第2の側面(52)によって画定され、冷却される流体用の出口ヘッダタンク(76)を受け入れることが可能である、請求項1に記載のハウジング(10)。
【請求項3】
前記第2の部品は、前記複数の積層プレート(2)のエンドプレート(37)と対面した位置にあるようにされた底部(36)を備え、前記底部(36)および前記1つまたは複数の側面(51、52)は、ユニットアセンブリを形成する、請求項1または2に記載のハウジング(10)。
【請求項4】
前記インタフェース(53、54)は、周囲部(55)を画定し、前記周囲部の中央に、冷却される流体が前記ハウジング(10)に流入および/または流出することができる開口部(57)が存在する、請求項1から3のいずれか一項に記載のハウジング(10)。
【請求項5】
前記周囲部(55)は、カラー(56)によって縁取られており、前記カラー(56)は、前記ハウジング(10)の内部の方へ広がり、前記開口部(57)の範囲を定め、冷却される流体用の前記ヘッダタンク(75、76)と連携可能である、請求項4に記載のハウジング(10)。
【請求項6】
前記カラー(56)の一部分(56’)は、前記第2の部品(35)の前記底部(36)の側端部(33、34)と接触している、請求項5に記載のハウジング(10)。
【請求項7】
前記第2の部品(35)の前記底部(36)は、
中央部(38)と、
前記中央部(38)に対して肩部(41)を各々が画定する2つの長手端部(39、40)と、
を備え、
各肩部(41)は、前記第1の部品(5)の前記側壁(11、12)の遠位端(21、26)が、前記ハウジング(10)によって画定された前記容積の外部に広がる平面にあるようにする、請求項1に記載のハウジング(10)。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか一項に記載のハウジング(10)と、
冷却される流体および冷却剤を循環するように構成され、前記ハウジング(10)内に設置される複数の積層プレート(2)と、
を備える、積層プレート式熱交換器(1)。
【請求項9】
各プレート(2)は、
冷却される流体と冷却剤との間の熱交換を促すようにされた熱交換ゾーン(6)と、
冷却される流体が前記熱交換ゾーン(6)を迂回することが可能なバイパスゾーン(7)と、
を有し、
前記1つまたは複数の上を向いた側面の一部は、冷却される流体に前記熱交換ゾーンを通るように循環させる1つ以上のバッフル(70)を形成する、請求項8に記載の交換器(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、積層プレート式熱交換器ハウジングおよびこのようなハウジングを備える交換器に関する。
【0002】
本発明は、任意のタイプの熱交換器に関し、特に、例えば、給気冷却器(charge air coolar)(CAC)などの自動車のエンジン室に取り付けられるようにされた熱交換器のような自動車用の任意のタイプの熱交換器に関する。
【背景技術】
【0003】
当分野において、熱交換表面を形成する一連の積層プレートを備え、これらの積層プレート間で、冷却される流体および冷却剤が、交互に重なった層において、流体通路回路を通って循環する熱交換器が知られている。
【0004】
熱交換器が組み立てられているとき、ろう付け炉(brazing furnace)においてアセンブリをろう付けする前に、ハウジングの底部上にプレートの積層体を位置付け、プレートの積層体上にわたってカバーを位置付けることは、既知の慣例である。プレートを固定できるようにするために、ろう材(braze material)のコーティングがプレートに被覆される。ろう付け動作(brazing operation)中、このコーティングは溶融するため、プレートの積層体の高さは低減する。このような高さの低減は、プレートの圧縮(compaction)と呼ばれる。このように、カバーは、プレートが積層される方向に底部の方へ移動する必要があり、ハウジングの底部とハウジングのカバーとの間の高さは低減することになる。
【0005】
さらに、冷却される流体を収集するために、入口ヘッダタンクおよび/または出口ヘッダタンクを使用することは、既知の慣例である。これらのヘッダタンクは、ハウジングの両側に固定され、特に、ハウジングの底部の一部およびハウジングのカバーの一部に固定される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ヘッダタンクを取り付ける際に生じる1つの困難な点は、底部に対するカバーの相対位置が、ろう付け(brazing)および積層プレートの圧縮に依存することから生じる。したがって、ヘッダタンクとハウジングとの間のインタフェースに対して正確な制御を行うことは、ハウジングのカバーおよび底部の相対位置に依存するため困難である。これにより、特に、交換器の組み立て時に問題が起き、この問題は、不完全な密封を生じる事態を引き起こしかねない。
【0007】
本発明の目的は、上述した問題を解消することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的に対して、本発明は、積層プレート式熱交換器のハウジングであって、前記ハウジングは、冷却される流体および冷却剤を循環するように構成された複数の積層プレートを受け入れるようにされた容積を画定し、冷却される流体用のヘッダタンクを受け入れることが可能なインタフェースを画定し、積層プレートがろう付けされているときにプレートが積層される方向に移動可能な第1の部品と、前記インタフェースを画定する少なくとも1つの側面を有する第2の部品とを備え、前記第1の部品および第2の部品は、プレートがろう付けされているときに互いに対して組み立て可能であるハウジングを提案する。
【0009】
このようにして、本発明により、ヘッダタンクを受けるようにされたインタフェースは、圧縮の影響を受けないハウジングの部分によって画定される。したがって、インタフェースは、ろう付け動作および使用されるコーティングの厚みに依存しない。このようにして、ろう付け動作中に圧縮が起こったとしても、ハウジングでのインタフェースの位置を正確に予測することができ、1つまたは複数のヘッダタンクのハウジングでの位置決めの再現性が高められうる。これにより、連続的なインタフェースが得られる。
【0010】
本発明の1つの態様によれば、前記第2の部品は、第1および第2の上を向いた(turned-up)側面と呼ばれる2つの前記上を向いた側面を有しており、インタフェースは、第1のインタフェースとして、第1の側面によって画定され、冷却される流体用の入口ヘッダタンクを受け入れることが可能であり、インタフェースは、第2のインタフェースとして、第2の側面によって画定され、冷却される流体用の出口ヘッダタンクを受け入れることが可能である。
【0011】
本発明の別の態様によれば、第2の部品は、複数の積層プレートのエンドプレートと対面した位置にあるようにされた底部を備え、底部および1つまたは複数の側面は、ユニットアセンブリを形成する。
【0012】
1つの実施形態によれば、前記インタフェースは、周囲部を画定し、周囲部の中央には、冷却される流体がハウジングに流入および/または流出することができる開口部が存在する。このようにして、第1のインタフェースの周囲部の中央にある開口部により、流体はハウジングに流入でき、第2のインタフェースの周囲部の中央にある開口部により、流体はハウジングから流出できる。
【0013】
別の実施形態によれば、周囲部は、カラー(collar)によって隣接され、カラーは、ハウジングの内部の方へ広がり、開口部の範囲を定め、冷却される流体用のヘッダタンクと連携可能である。カラーは、インタフェースに対して突出し、ヘッダタンク内に貫通するようにされる。
【0014】
本発明の1つの態様によれば、カラーの部分は、第2の部品の底部の側端部と接触状態にある。このようにして、開口部は、冷却される流体が、ハウジングの底部に対して設置されたエンドプレートと、このプレートに隣接したプレートとの間を含む、積層体のすべてのプレート間を通過できるようにする。
【0015】
本発明の別の態様によれば、第1の部品は、2つの側壁と、上壁とを備える。2つの側壁および上壁は、例えば、特に、金属シートを屈曲および/またはプレス加工することによって得られるユニットアセンブリを形成する。このようにして、内部容積は、第2の部品の底部および1つまたは複数の側面と、第1の部品の側壁および上壁とによって範囲が定められる。
【0016】
1つの実施形態によれば、1つまたは複数の側壁および/または上壁の各々は、側面の1つの面と少なくとも部分的に接触状態にある上を向いた縁部を有し、この側面の1つの面は、内面として容積の内部の方に向いている。ろう付け動作中、第1の部品に固定される1つまたは複数の上を向いた縁部は、側面の内面に対して、プレートの積層方向に移動し、ろう付けの終了時には側面の内面に固定された状態になる。
【0017】
別の実施形態によれば、上壁の上を向いた縁部は、2つの側壁の上を向いた縁部と連結している。このようにして、ハウジングの第1の部品は、第1の側面の内面および/または第2の側面の内面と少なくとも部分的に接触状態にある連続した上を向いた縁部を備える。
【0018】
本発明の1つの態様によれば、第2の部品の底部は、中央部と、中央部に対して肩部を各々が画定する2つの長手端部とを備え、各肩部は、第1の部品の側壁の遠位端が、ハウジングによって画定された内部容積の外部に伸びる平面にあるようにする。側壁の遠位端は、例えば、同様に、前記上を向いた縁部を備える。
【0019】
また、本発明は、上述したようなハウジングと、冷却される流体および冷却剤を循環するように構成され、前記ハウジング内に設置される複数の積層プレートとを備える熱交換器に関する。
【0020】
本発明の1つの態様によれば、各プレートは、冷却される流体と冷却剤との間の熱交換を促すようにされた熱交換ゾーンと、冷却される流体が熱交換ゾーンを迂回することが可能なバイパスゾーンとを有し、1つまたは複数の前記上を向いた側面の部分は、熱交換ゾーンを通るように冷却される流体を循環させる1つ以上のバッフルを形成する。
【0021】
添付の図面は、本発明の実施方法を理解しやすいものにする。同図面において、同一の参照番号は、同様の要素を表す。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明によるハウジングと、ハウジング内に設置された複数の積層プレートとを備える積層プレート式熱交換器の分解斜視図である。
【
図2】組み立てられた状態にある
図1の熱交換器の斜視図である。
【
図3】交換器と、ヘッダタンクが装着されたハウジングとを示す
図2に類似した図である。
【
図4】別の実施形態を示す
図3に類似した図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明は、
図1および
図2に示すような熱交換器1に適用されうる。この熱交換器1は、例えば、自動車の燃焼機関などに吸気を供給するシステムの給気冷却器(CAC)である。この種の熱交換器において、冷却される流体は、例えば、ターボチャージャによって圧縮され、車両エンジンに供給されるようにされた空気であり、冷却剤は、特に、熱媒液である。
【0024】
交換器1は、複数の積層プレート2を備え、複数の積層プレート間で、冷却される流体および冷却剤が、交互に重なった層において、前記プレート2によって画定された2つの独立した回路内を循環する。各プレート2は、例えば、略矩形状である。
【0025】
各プレート2は、ここでは、例えば、プレス加工によって得られ、冷却剤用の回路を画定するカナル(canal)3を備える。プレート2は、始まりから終わりまで、すなわち、プレート2が延伸する平面に平行な対称面に配設される。カナル3が冷却剤循環回路を画定するように互いに対面した2つの隣接するプレートは、プレート2の対と呼ばれる。冷却される流体は、対照的に、2つの連続するプレート対の間、すなわち、2つの連続するプレート対に属する2つの隣接するプレート2の間を循環する。2つの流体間での熱交換を高めるために、冷却される流体を通過させるための回路上のプレート2の各対の間にスペーサ15が設けられる場合もありうる。
【0026】
各プレート2の1つの長手端部で、冷却剤がプレート2の1つの対から別の隣接するプレート2の対へ通過できるようにするために、第1および第2の開口プレス加工部4が存在する。プレート2の異なる対に属する2つの隣接するプレート2の開口プレス加工部4は、流体が1つのプレート対からもう1つのプレート対へ密封状態で通過できるようにするカナルを生じる。各プレートの2つの開口プレス加工部の第1の加工部は、冷却剤がプレート2の各対に流入することができるようにするのに対して、各プレートの2つの開口プレス加工部4の第2の加工部は、カナル3によって画定された回路を通過した流体がプレート2の各対から流出することができるようにする。
【0027】
このようにして、2つのゾーンは、複数の積層プレート2において範囲が定められうる。熱交換ゾーン6としての第1のゾーンは、流体間での熱交換を促すようにされ、冷却剤がプレート2の各対内を循環するゾーンに相当する。バイパスゾーン7としての第2のゾーンは、冷却される流体が熱交換ゾーンを迂回するようにすることが可能であり、冷却剤が1つのプレート対からもう1つのプレート対へ通過するゾーン、すなわち、開口プレス加工部4が位置するプレートにあるゾーンに相当する。
【0028】
本明細書の以下の記載において、前、後ろ、上、下、右および左という参照は、冷却される流体が交換器を通って循環する方向を参照しながら画定される。
【0029】
図1および
図2に示すように、交換器1は、複数のプレート2が設置される容積の範囲を定める、本発明に係るハウジング10を備える。このようなハウジング10は、特に、略平行六面体の形状である。
【0030】
このハウジング10は、第1の部品5を備え、第1の部品5は、交換器の左手側に位置し、ハウジングの延長部の長手軸Aに垂直な平面に延伸する第1の側壁11と、交換器の右手側に位置し、軸Aに垂直な平面に延伸する第2の側壁12と、2つの側壁11、12を接続し、側壁11、12が延伸する平面に垂直な平面に延伸する上壁13とを有する。側壁11、12および上壁13は、平坦であり、略矩形であり、ユニットアセンブリを形成する。
【0031】
上壁13は、第1の側壁11が始まる第1の長手端部16と、第2の側壁12が始まる第2の長手端部17とを備える。また、上壁13は、ハウジング10の前方に位置する第1の側端部18と、ハウジング10の後方の第2の側端部19とを備える。
【0032】
第1の側壁11は、上壁13の第1の長手端部16と接触した状態にある上端部20と、遠位端21と、ハウジング10の前方に位置する第1の側端部22と、ハウジング10の後方に位置する第2の側端部23とを備える。2つの側端部22、23は、上側端部20を遠位端21に接続する。
【0033】
同様に、第2の側壁12は、上壁13の第2の長手端部17と接触した状態にある上端部25と、遠位端26と、ハウジング10の前方に位置する第1の側端部27と、ハウジング10の後方に位置する第2の側端部28とを備える。2つの側端部27、28は、上端部25を遠位端26に接続する。
【0034】
第1の側壁11は、上を向いた縁部30を備える。上を向いた縁部30は、第1の側壁11および上壁13を接続する縁部の角16、20に垂直な平面に延伸する。上を向いた縁部30は、第1の側壁11の側壁端部22、23および遠位端21から始まる。
【0035】
上を向いた縁部30は、上壁13の側端部18、19から上壁13に沿って続く。上を向いた縁部は、前段落において画定されたものと同じ平面に延伸する。
【0036】
また、上を向いた縁部30は、第2の側壁12の側端部27、28および遠位端26から第2の側壁12に沿って延伸し、前述したものと同じ平面において再び延伸する。
【0037】
このように、上を向いた縁部30は、側壁および上壁の第1および第2の側端部に沿って連続的である。上を向いた縁部は、側壁の遠位端に沿って連続的に続くものであってもよい。側壁の遠位端で、上を向いた縁部30は、特に、上壁13が延伸する平面に平行な平面に延伸する。
【0038】
冷却剤入口ノズル31および冷却剤出口ノズル32は、特に、上壁13の第2の長手端部17の付近にあるゾーンにおいて、上壁13に取り付けられる。これらのノズルにより、冷却剤は交換器1に流出入することができるようになる。
【0039】
また、ハウジング10は、第1の部品5とともに、複数の積層プレート2が設置される内部容積を画定する第2の部品35を備える。
【0040】
この第2の部品35は、複数の積層プレート2のエンドプレート37と接触した状態にあるようにされた平坦な中央部38を有する底部36、例えば、矩形状の底部を備える。底部36の中央部38は、ハウジング10の左側に位置する第1の長手端部39と、ハウジング10の右側に位置する第2の長手端部40とを有する。底部36は、ハウジング10の前方に位置する第1の側端部33と、ハウジング10の後方の第2の側端部34とを備える。
【0041】
第1の長手端部39には、肩部41が存在する。この肩部41は、中央部38が延伸する平面に平行な平面に延伸する当接ゾーンを画定し、中央部38および肩部41が延伸する平面に垂直な平面に延伸するスカート43によって中央部38に接続される。このようにして、肩部41は、第1の側壁11の遠位端21と対面する。肩部41は、第1の側壁11の遠位端21に位置する上を向いた縁部30の部分を補完する。この肩部41は、第1の側壁11の遠位端21が前記当接ゾーンと接触状態になると底部36の下方に位置するように、内部容積の外部平面に位置する。
【0042】
同じことが、第2の長手端部40に当てはまる。
【0043】
ハウジング10の第2の部品35は、冷却される流体用のヘッダタンク(
図3に示す)を受け入れ可能なインタフェース53、54を画定する少なくとも1つの側面51、52を備える。
図1および
図2に示す実施例において、第2の部品35は、2つの側面、すなわち、ハウジング10の前方に位置する第1の側面51と、ハウジング10の後方に位置する第2の側面52とを備える。第1の側面51は、冷却される流体が内部容積に流入できるようにする入口ヘッダタンク(
図3の参照番号75)を受けることが可能な第1のインタフェース53を画定し、第2の側面52は、流体が内部容積を流出できるようにする出口ヘッダタンク(
図3の参照番号76)を受けることが可能な第2のインタフェース54を画定する。この特定の実施例において、底部36および1つまたは複数の側面51、52は、例えば、金属シートをプレス加工および/または屈曲させることによって得られたユニットアセンブリを形成する。
【0044】
第1の側面51は、底部36の第1の側端部33から始まり、中央部38が延伸する平面に垂直な平面に延伸する。
【0045】
第1のインタフェース53は、略矩形状の周囲部55を備え、周囲部55の内周部には、周囲部に対して突出し、内部容積の外側に位置するカラー56がある。カラー56は、内部容積に向けて広がる形状である。カラーは、開口部57の範囲を定め、開口部57を介して、冷却される流体は内部容積に流入でき、特に、冷却される流体を循環させるための回路に流入でき、この回路は、複数の積層プレート2によって画定される。
【0046】
カラー56および周囲部55は、冷却される流体用の入口ヘッダタンクと連携することができる。特に、周囲部55は、入口ヘッダタンクと接触した状態になるようにされるのに対して、カラー56は、入口ヘッダタンク内に貫通するようにされる。
【0047】
カラー56は、略矩形状の輪郭をたどる。カラー56は丸みのある断面であり、カラー56の一部分56’は底部に接している。特に、カラー56の一部分56’は、第2の部品35の底部36の第1の側端部33と接触した状態にある。
【0048】
第1の側面51は内面65を有し、内面65は、第1のインタフェース53の反対側にあり、内部容積の内側に向いている。前記内面65は、上を向いた縁部30と接触状態にある。
【0049】
これにより、交換器がろう付けされ、プレートが圧縮されているときに、第2の部品35への第1の部品5の誘導が高められる。また、2つの部品のろう付け接合(brazing-together)の品質およびハウジングの密封性も高められる。
【0050】
第1の部品5の第2の側壁12の側に、第1の側面51は、冷却される流体を交換ゾーン6において循環させるバッフル70を有する。言い換えれば、第1の側面51は、流体バイパスゾーン7に対面する周囲部55に位置するバッフル70を有する。このようにして、冷却され内部容積に入る流体が交換ゾーン内に誘導されるように、流体開口57は、熱交換ゾーン6に対面した位置にあり、バッフル70は、バイパスゾーン7に対面した位置にある。
【0051】
バッフル70は、内部容積の方に面して、バイパスゾーン7においてバッフル70とプレート2との間の接触を確保するプレス加工部72を有する。
【0052】
この場合、第1の側面51および第2の側面52は、同じ特徴を有するようにハウジング10の長手方向の中間面を中心に対称的である。
【0053】
図3は、上記に説明したように、第1のインタフェース53と接触した状態にある入口ヘッダタンク75と、入口ヘッダタンク75と同一の形状であり、第2のインタフェース54と接触した状態にある出口ヘッダタンク76とを備える熱交換器1を示す。
【0054】
入口および/または出口ヘッダタンクは、ここでは、ヘッダタンクを交換器の独立したノズルに接続可能にする連結部77を有し、連結部77は、特に、タンクの中間に位置する。このようなタンク75、76は、タンクが取り付けられるインタフェース53、54とともに容積を画定する壁78を有し、この容積は、前記インタフェースの開口部へ開口し、流体を交換器1から収集および/または交換器1へ分配することが可能である。このようにして、このヘッダタンクの壁78の内面は、タンクが取り付けられるインタフェース53、54のカラーおよび/または周囲部55と接触した状態になる。このようにして、カラーは、ヘッダタンクによって画定された容積内を貫通しうる。この場合、バッフル70は自由であり、ヘッダタンク75、76によって覆われていない。
【0055】
図4は、ハウジング10の第2の部品35の2つの側面51、52の1つに、熱交換器1を受ける環境、例えば、エンジンシリンダヘッドに熱交換器1を接続可能にする取り付けフランジ80の形状のヘッダタンクが配設されている別の実施形態を示す。もう1つの側面51、52は、ここでは、上記に説明したものと同じ方法で入口および/または出口ヘッダタンクを受けるが、フランジ80を同様に受け入れることもありうる。
【0056】
したがって、フランジ80は、フランジ80が設置される側面によって画定されたインタフェースと接触状態にある。このようにして、フランジ80は、周囲部と、この側面が有しうる任意のカラーと接触状態になる。カラーは、入口および/または出口ヘッダタンクの場合に上記に説明したものと同じように、フランジ80が設置される側面の周囲部の開口部と一致して、フランジ80の中間に存在する開口部を貫通する。ラグ81は、前記周囲部から突出し、熱交換器を車両内に固定できるようにする取り付け具を受けることが可能な穴を有する。
【0057】
このようにして、ろう付け動作前に、複数の積層プレート2は、第2の部品35の底部36上に配置され、第1の部品5の上壁13は、複数の積層プレート2上に配置される。次に、上を向いた縁部30は、第1および第2の側面51、52の内面65と接触状態になる。ハウジングおよび複数の積層プレートをろう付けする動作が実行されると、複数の積層プレート2の高さを低減する圧縮現象が観察され、第1の部品5は、プレートが積層される方向に第2の部品35の底部36の方へと移動する。第1のインタフェース53および第2のインタフェース54は、ろう付け中に移動しないハウジング10の第2の部品35に位置するため、このろう付け動作中に位置を変化させない。
【0058】
ハウジングおよび/またはプレートの積層体は、例えば、アルミニウムおよび/またはアルミニウム合金製である。