【氏名又は名称】ザ・ユナイテッド・ステイツ・オブ・アメリカ・アズ・リプレゼンテッド・バイ・ジ・アドミニストレーター・オブ・ザ・ナショナル・エアロノーティクス・アンド・スペース・アドミニストレーション
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
複数の前記通信パラメータは、通信プロトコル、送信優先度、送信方法、送信形式、送信周波数、更新周波数、冗長度のレベル、および誤り検査のレベルのうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の通信システム。
複数の前記データストリームは、視覚データストリーム、動作状態データストリーム、ならびにコマンドおよび制御データストリームを含む、請求項3に記載の通信システム。
複数の前記通信パラメータは、通信プロトコル、送信優先度、送信方法、送信形式、送信周波数、更新周波数、冗長度のレベル、または誤り検査のレベルを含む、請求項6に記載の方法。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
[0005]高遅延、低帯域幅ネットワークを通じて通信するための通信システムは、ローカルシステムからデータの集合を受信するように構成される通信プロセッサ、および通信プロセッサと通信する送受信機を含む。
【0005】
[0006]送受信機は、複数の通信パラメータにしたがって、ネットワークを通じてデータを送受信するように構成される。通信プロセッサは、データの集合を複数のデータストリームに分割し、個々のデータストリームの重要性を反映する優先度のレベルを、個々のデータストリームのそれぞれに割り当て、少なくとも1つのデータストリームの優先度にしたがって、複数のデータストリームのうちの少なくとも1つの通信パラメータを変更するように構成される。1つの構成において、複数の通信パラメータは、通信プロトコル、送信優先度、送信方法、送信形式、送信周波数、更新周波数、冗長度のレベル、および誤り検査のレベルのうちの少なくとも1つを含むことができる。
【0006】
[0007]通信プロセッサは、データストリームを受信し、送信されるデータストリーム内の冗長な情報の量を最小化するための帯域幅節約技法を実施するように構成される、処理モジュールをさらに含むことができる。そのような帯域幅節約技法は、データストリームを複数の対象に構文解析するステップ、対象内の変化を検出するため以前のバージョンの対象と対象を比較するステップ、以前に記録されたバージョンの対象からの変化が閾値を超えた場合にのみ、対象を送信するステップを含むことができる。
【0007】
[0008]1つの構成において、ローカルシステムは、器用なロボットおよびコントローラを含む、ロボットシステムであって良い。器用なロボットは、同様に、42自由度を含むことができる。このやり方では、複数のデータストリームは、視覚データストリーム、動
作状態データストリーム、ならびにコマンドおよび制御データストリームを含むことができる。
【0008】
[0009]加えて、高遅延、低帯域幅ネットワークを通じてデータを通信するための方法は、各データストリームが複数の通信パラメータにしたがい、ネットワークの全体を通じてそれぞれ送信されるよう構成される、複数のデータストリームにデータを分割するステップ、優先度をそれぞれの個々のデータストリームに割り当てるステップであって、優先度が個々のデータストリームの重要性を反映するステップ、少なくとも1つのデータストリームの優先度を反映するように、複数のデータストリームのうちの少なくとも1つのために通信パラメータを適応させるステップ、および通信パラメータを使用して複数のデータストリームを送信するステップを含み得る。
【0009】
[0010]本発明の、上の特徴および利点ならびに他の特徴および利点は、添付の図面に関して解釈されるとき、本発明を実行するための最良の形態の、以下の詳細な説明から、容易に明らかになる。
【0010】
本発明は、ローカルシステムからデータの集合を受信するように構成された通信プロセッサと、前記通信プロセッサと通信し、複数の通信パラメータにしたがってネットワークを通じてデータを送受信するように構成された送受信機とを備え、前記通信プロセッサは、前記データの集合を複数のデータストリームに分割し、前記データストリームの各々に優先度のレベルを割り当て、前記優先度のレベルが前記データストリームの各々の重要性を反映し、少なくとも1つの前記データストリームの前記優先度にしたがって、複数の前記データストリームのうちの少なくとも1つの通信パラメータを変更するように構成されたことを特徴とする。
【0011】
この場合において、複数の前記通信パラメータは、通信プロトコル、送信優先度、送信方法、送信形式、送信周波数、更新周波数、冗長度のレベル、および誤り検査のレベルのうちの少なくとも1つを含んでもよい。前記通信プロセッサは、データストリームを受信し、帯域幅節約技法を実施して、前記送信されるデータストリーム内の冗長な情報の量を最小化するように構成されてもよい。前記帯域幅節約技法は、データストリームを複数の対象に構文解析するステップと、対象を前記対象の以前のバージョンと比較し、前記対象の変化を検出するステップと、前記対象の前記以前に記録されたバージョンからの前記変化が閾値を超える場合にのみ前記対象を送信するステップとを含んでもよい。前記ローカルシステムは、器用なロボットとコントローラとを含んでもよい。前記器用なロボットは、42自由度を含んでもよい。複数の前記データストリームは、視覚データストリーム、動作状態データストリーム、ならびにコマンドおよび制御データストリームを含んでもよい。
【0012】
また、本発明は、高遅延、低帯域幅ネットワークを通じてデータを通信するための方法であって、前記データを複数のデータストリームに分割するステップであって、各データストリームが複数の通信パラメータにしたがい、ネットワークを通じて個々に送信されるよう構成されたステップと、データストリームの各々に優先度を割り当てるステップであって、前記優先度は前記データストリームの各々の重要性を反映するステップと、少なくとも1つの前記データストリームの前記優先度を反映するように、複数の前記データストリームのうちの少なくとも1つに通信パラメータを適応させるステップと、前記通信パラメータを使用して複数の前記データストリームを送信するステップとを含むことを特徴とする。
【0013】
この場合において、複数の前記通信パラメータは、通信プロトコル、送信優先度、送信方法、送信形式、送信周波数、更新周波数、冗長度のレベル、または誤り検査のレベルを
含んでもよい。複数の前記データストリームのうちの少なくとも1つに帯域幅節約技法を実施して、少なくとも1つの前記データストリーム内の冗長な情報の量を最小化するステップをさらに含んでもよい。前記帯域幅節約技法は、前記データストリームを複数の対象に構文解析するステップと、対象を前記対象の以前のバージョンと比較し、前記対象の変化を検出するステップと、前記対象の前記以前に記録されたバージョンからの前記変化が閾値を超える場合にのみ前記対象を送信するステップとを含んでもよい。前記複数のデータストリームを送信するステップは、データストリームの各々を別個のネットワークチャンネル上で送信するステップを含んでもよい。
【0014】
さらに、本発明は、データの集合をロボットシステムから受信するように構成された通信プロセッサと、前記通信プロセッサと通信し、複数の通信パラメータにしたがってネットワークを通じてデータを送受信するように構成された送受信機とを備え、前記通信プロセッサは、前記データの集合を複数のデータストリームに分割し、前記データストリームの各々に優先度のレベルを割り当て、前記優先度のレベルは前記データストリームの各々の重要性を反映し、複数の前記データストリームのうちの少なくとも1つの通信パラメータを前記少なくとも1つのデータストリームの前記優先度にしたがって変更し、前記複数のデータストリームは、視覚データストリーム、動作状態データストリーム、ならびにコマンドおよび制御データストリームを含むように構成されたことを特徴とする。
【0015】
この場合において、複数の前記通信パラメータは、通信プロトコル、送信優先度、送信方法、送信形式、送信周波数、更新周波数、冗長度のレベル、および誤り検査のレベルのうちの少なくとも1つを含んでもよい。前記通信プロセッサは、データストリームを受信し、帯域幅節約技法を実施して、送信された前記データストリーム内の冗長な情報の量を最小化するように構成された処理モジュールをさらに含んでもよい。前記帯域幅節約技法は、データストリームを複数の対象に構文解析するステップと、対象を前記対象の以前のバージョンと比較し、前記対象の変化を検出するステップと、前記対象の前記以前に記録したバージョンからの前記変化が閾値を超える場合にのみ前記対象を送信するステップとを含んでもよい。
【発明を実施するための形態】
【0017】
[0016]図面を参照すると、複数の図にわたって、同じ参照番号は、同一の構成要素または同様の構成要素を意味し、先ず
図1では、ロボットシステム10が示されており、ロボットシステム10は、器用なロボット11およびコントローラ12を含む。ロボット11は、複数の腱駆動指14を含む、様々なマニピュレータを含むことができる。コントローラ12は、ロボット11と電気通信が可能なプロセッサまたは他の好適な制御装置として組み込まれ得る。コントローラ12は、それぞれが1つまたは複数の制御ルーチンを実行可能な、1つまたは複数の制御システムを含むまたは組み込むことができる。
【0018】
[0017]コントローラ12は、作業を達成可能な調整されたやり方で、ロボット11の1つまたは複数のロボット作動される関節(例えば、肩関節13、肘関節15、手首関節17、首関節19、腰関節21または指14の関節23)を操作するよう動作可能であって
良い。例えば、対象29を握るとき、コントローラは、1つまたは複数の腱(図示せず)を介して適用される張力を動的に変えることによるなど、器用なロボット11の指14を操作することができる。コントローラ12は、限定でなく例として、力に基づく制御および/または位置に基づく制御を使用して、腱内に保たれる張力を調整することができる。そのような制御技術は、可制御性をさらに精密にすることができる、閉ループ力フィードバックおよび/または閉ループ位置フィードバックに基づくことができる。コントローラ12内で適用される特定の制御法、換言すれば力または位置は、作動の種類、および運動の近傍に配設されるセンサからのフィードバックの可用性に基づいて選択され得る。
【0019】
[0018]
図1に示されるロボット11は、人間と同様の外観と、所与の課業を完了するために必要な程度の人間と同様の水準の器用さを有して構成され得る。そのため、ロボット11は、遠隔の人間の操作者/使用者の動きを模倣し、特にロボットの運動が使用者の運動に非常に近似するようプログラムされると、使用者がロボット11の環境と直接相互作用している感覚を使用者に提供するよう構成され得る。この遠隔ロボットがあることにより、使用者は、通常の人間が存在するには苛酷すぎるまたは危険すぎる可能性がある環境で、ロボット11を介して作業を達成することができる。
【0020】
[0019]ロボット11は、それぞれが1または複数の自由度(DOF)を有し得る、複数の、独立して可動な作動装置駆動型ロボット関節、および相互に依存し合って可動な作動装置駆動型ロボット関節を有することができる。そのため、ロボット11は、特定の関節が重複する運動範囲を有する、冗長な運動が可能であって良い。例えば、肩関節13および肘関節15などの、特定の応従する関節は、上下動および回転の形で、少なくとも2DOFを有することができる。同様に、首関節19は少なくとも3DOFを有して良く、一方、腰21および手首17は、それぞれ、1または複数のDOFを有して良い。作業の複雑さに依存して、ロボット11は、42を超えるDOFをもって動くことができる。各ロボット関節は、内部で、モータ、線形アクチュエータ、回転型アクチュエータなど、1つまたは複数の作動装置によって駆動され得る。
【0021】
[0020]1つの実施形態において、ロボット11は、単に前腕アセンブリ25を含むことができる。別の実施形態において、ロボット11が、頭部16、胴体18、腰20、腕22、手24、指14および対置できる母指26などの人間と同様の追加の構成要素を含むことができ、上記の様々な関節は、これらの構成要素内または構成要素間に配設される。人間と同様に、両腕22および他の構成要素は、ある程度まで重なる運動範囲を有することができる。ロボット11は、ロボットの特定の適用または意図される使用に応じて、脚、接地面、または別の可動もしくは固定基体など、作業に好適な固定具または基体(図示せず)も含むことができる。例えば、胴体18の背部に背負うまたは装着される充電池パックまたは別の好適なエネルギー源といった、電源28が、ロボット11に一体に取り付けられて良く、または電源28が、繋ぐケーブルを介して、遠く離れて接続されて良く、様々な関節に、関節が運動するために十分な電気エネルギーを提供する。
【0022】
[0021]コントローラ12は、サーバまたはホストマシン、換言すれば、それぞれが1つまたは複数のマイクロプロセッサまたは中央処理装置(CPU)、読取り専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、電気消去可能プログラマブル読取り専用メモリ(EEPROM)、高速クロック、アナログデジタル(A/D)回路、デジタルアナログ(D/A)回路、任意の要求される入出力(I/O)回路および装置、ならびに信号調整および緩衝電子機器を有する、1つまたは複数のデジタルコンピュータまたはデータ処理装置として具体化され得る。
【0023】
[0022]話を簡単かつ明確にするために、
図1では単一の装置として示されたが、制御システム12の様々な要素は、ロボット11を最適に制御するために要求されるように、多
くの異なるハードウェアおよびソフトウェア構成要素として分散され得る。コントローラ12内に存在する、またはコントローラ12によって容易にアクセス可能な、個々の制御ルーチン/システムは、ROMまたは他の好適な有形のメモリ位置および/またはメモリ装置内に記憶され、制御システムの関連するハードウェア構成要素により自動的に実行されて、個々の制御機能性を実現することができる。
【0024】
[0023]
図2は、例えば、遠隔制御端末32が、高遅延、低帯域幅ネットワーク34を通じて、器用なロボット11の挙動および動作を制御することを可能にし得る通信システム30を示す。システム30は、ネットワーク接続を通じて複数の種類のデータを送信する他のシステムに、等しく適用可能であって良い。示したように、通信システム30は、ロボット11に部分的にあっても良い、少なくとも通信プロセッサ36および送受信機38を含むことができる。加えて、同様の通信システム(図示せず)が、遠隔制御端末32の近傍に配設され(または、遠隔制御端末32と一体化され)、双方向通信を実施できることが意図される。コントローラ12と同様に、通信プロセッサ36は、それぞれが1つまたは複数のマイクロプロセッサまたは中央処理装置(CPU)、読取り専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、電気消去可能プログラマブル読取り専用メモリ(EEPROM)、高速クロック、アナログデジタル(A/D)回路、デジタルアナログ(D/A)回路、任意の要求される入出力(I/O)回路および装置、ならびに信号調整および緩衝電子機器を有する、1つまたは複数のデジタルコンピュータまたはデータ処理装置として具体化され得る。
【0025】
[0024]送受信機38は、任意の既知のまたは以後開発されるデータ送信プロトコルを使用して動作して良い、無線または有線送受信機であって良い。送受信機38は、任意のまたは全ての必要な回路を含み、通信システム30が距離を隔ててデータ信号を送信および/または受信することを可能にし得る。例えば、送受信機38は、1つまたは複数のマイクロプロセッサ、読取り専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、電気消去可能プログラマブル読取り専用メモリ(EEPROM)、高速クロック、信号バッファ、送信アンテナ、受信アンテナ、信号増幅器、信号昇圧器、または他の関連するI/O構成要素を使用することができる。実施形態において、送受信機38は、地球外環境における双方向データ通信を実施するように適合されて良く、データは数千キロメートル(マイル)または数百万キロメートル(マイル)の全体を通じて送信される必要がある可能性がある。
【0026】
[0025]器用なロボット11が、国際宇宙ステーション搭載など地球外環境で動作するとき、ネットワーク34は、例えば、ローカル通信システム30と双方向通信し得る1つまたは複数の中継衛星40を含むことができる。加えて、ネットワーク34は、1つまたは複数の中継衛星40と双方向通信し得る1つまたは複数の地上通信アンテナ42を含むことができる。ネットワーク34は、データの双方向送信を実施するために必要とされ得る、任意の中継器、開閉器、送受信機、ホストコンピュータ、または通信回路をさらに含むことができる。実施形態において、ネットワーク34の様々な構成要素を接続する通信リンク44は、多チャンネルデータリンク(太い送信矢印として
図2に概略的に示される)であって良く、各データチャンネルは、ネットワーク34上に、データチャンネル自身の個々の帯域幅、周波数、および/または送信優先度を有して良い。ネットワーク34が物理的に数百キロメートル(マイル)または数千キロメートル(マイル)に広がる実施形態において、ネットワーク帯域幅全体または各チャンネルの帯域幅は、大電力信号を送信する費用、ならびに信号誤りおよび/またはデータ破損の可能性を減少させるための重要な誤り検査、ノイズフィルタリング、および/または冗長性を組み込む必要性があるために著しく制限され得る。
【0027】
[0026]遠隔制御端末32は、使用者が器用なロボット11の挙動および動作を制御する
ことを可能とし得る一方で、使用者にロボット11により得られた視覚的フィードバックおよび操作的フィードバックを介して実時間テレプレゼンスも提供する。遠隔制御端末32は、例えば、ジョイスティック、マウス、計装手袋(システムが使用者の手/腕の動きを記録可能)、または使用者の意図した動きを取得する任意の他の同様なやり方などの人間機械インターフェイス(HMI)を含むことができる。加えて、遠隔制御端末32は、コンピュータモニタまたは立体視ゴーグルなど1つまたは複数の視覚ディスプレイを含むことができ、視覚ディスプレイは使用者に視覚的フィードバックおよび操作的フィードバックを提供し得る。例えば、視覚的フィードバックは、ロボット11の頭部16に配置される立体視カメラにより取得されて良く、使用者に実際に存在する感覚を提供することができる。操作的フィードバックは、ロボット11の機能的な配置、またはロボットの挙動を直接制御し得る様々な制御システム/ルーチンの動作状態に関連し得るコントローラ12によって生成され得る、情報のシステムレベルのフィードバックであって良い。
【0028】
[0027]通信システム30は、機能および動作において遠隔制御端末32と同様であり得るローカル制御端末46から、入力を受け取ることもできる。用語「ローカル」および「遠隔」は、ロボット11の物理的な場所を基準にして指定される。そのため、ローカル制御端末46は、制御されるロボット11(換言すれば、数十センチメートル(数フィート)から数十メートル(数百フィート))と比較的に近接していて良く、一方、遠隔制御端末32は、ロボット11から非常に遠距離に分離されて良く、かつ/または遠隔制御端末32は、ロボット11とネットワーク34を介してのみ通信して良い。遠隔制御端末32およびローカル制御端末46は、酷似した配置に構成されて良く、または協調的な仕事/作業共有配置に構成されて良い。
【0029】
[0028]酷似した配置において、通信プロセッサ36は、所定の計画にしたがって、制御端末32、46からのコマンド信号に優先度を付けて良い。例えば、ローカル制御端末46は、ローカルの使用者が遠隔制御端末32からロボット11の制御を奪うことを可能にし得る、オーバライド能力を備えて構成されて良い。この酷似した構成は、例えば通信リンク44が切断された場合に、ローカルの使用者が操作を続けることを可能にし得る。反対に、協調的な配置において、各制御端末32、46がロボット制御の特定の局面の役目を担って良く、制御端末32、46は、共通の目的を達成するため協力して作動して良い。
【0030】
[0029]通信リンク44の、比較的低い、固定の帯域幅を達成するために、通信プロセッサ36は、視覚化、動作状態、および/またはロボット制御を別個のデータストリーム(例えば、それぞれデータストリーム50、52、54)に分割するように構成されて良く、別個のデータストリームは、それぞれが様々な通信パラメータ(例えば、通信プロトコル、送信優先度、送信方法、送信形式、送信周波数、更新周波数、および/または冗長度/誤り検査のレベル)にしたがい送受信機を介してネットワーク34を通じて通信され得る。1つの実施形態において、データ通信のやり方および/または優先度は、送信されるデータの重要性および/または重要度に基づいて異なって良い。例えば、重要と考えられるデータは、より広い帯域幅および/またはより速い送信速度を有するデータチャンネル上で送信されて良く、より重要でないと考えられるデータよりも、より速い再ポーリングまたはより大きな誤り検査を施して良い。
【0031】
[0030]
図3は、通信プロセッサ36の実施形態を概略的に図示し、データ61の集合をローカルシステムとの間(例えば、ロボット11とコントローラ12の間)で送受信するように構成される、データマネージャ60を有するプロセッサ36をより詳細に示す。データマネージャ60は、データ61の集合を複数のデータストリームに分割し(または受信データを連結し)、各データストリームと様々な処理モジュール(例えば、視覚化処理モジュール62、動作状態処理モジュール64、および制御処理モジュール66)を用い
て通信することができる。遠隔システムの性質、およびネットワークを通じて送信される必要があり得る情報の種類に基づいて、より多いまたはより少ない処理モジュールが組み込まれ得ることが理解されるであろう。例えば、各処理モジュール62、64、66は、データマネージャ60からデータストリームを受信するように構成され、どんな種類の情報(例えば、全てのデータ、新しいデータまたは最近変更されたデータのみ、および/または具体的に要求されたデータのみ)が送信される必要があるかを決定し、および/またはデータに対して圧縮または冗長性の好適なレベルを決定して適用することができる。
【0032】
[0031]ネットワークインターフェイスモジュール68、70、72が、個々の処理モジュール62、64、66のそれぞれと通信することができ、ネットワーク34を通じて(送受信機38を介して)ネットワーク接続を実施するように構成され得る。ネットワークインターフェイスモジュール62、64、66は、それぞれ双方向通信または単方向通信を実現することができ、送信機、受信機、または送受信機のいずれかとして指定され得る。例えば、送信ネットワークモジュール68、70は、ネットワーク34を介して遠隔制御端末32に、視覚データ50および動作データ52を送信するように構成され得る。送信ネットワークモジュール68、70は、個々に接続された処理モジュール62、64から受信したデータをパケット化して良く、新たなデータが送信される周波数を制御して良い(例えば、実時間プッシュ送信、周期的プッシュ送信、公開/申込み、または要求に基づく送信)。反対に、受信ネットワークモジュール72は、例えば、ネットワーク34から制御データ54を受信するように構成され、データ54を検証/誤り検査し、かつ/または送り手に対し適切なチェックサム値または同様の受領応答を応答することができる。次いで、受信ネットワークモジュール72は、任意の受信データを制御処理モジュール66に提供することができ、受信データは制御処理モジュール66で圧縮解除され、ローカル制御信号74を用いて優先度を付けられ、データマネージャ60を介してコントローラ12に利用可能とされ得る。
【0033】
[0032]器用なロボット11が遠隔制御端末32を介して制御される実施形態において、3つの個々のデータストリームのそれぞれ、すなわち、視覚データストリーム50、動作状態データストリーム52、ならびにコマンドおよび制御データストリーム54が、データの重要性に基づいて、別個の優先度を割り当てられ得る(例えば、「高」、「中間」および/または「低」優先度)。例えば、コマンドおよび制御データストリーム54は、コマンドおよび制御データストリーム54がロボット11の移動および制御と直接関係があることにより、「高」優先度を割り当てられ得る。視覚的なフィードバックは、使用者によって高く評価される場合があるが、コマンドデータほど重要でない可能性があるので、視覚データストリーム50は、「中間」優先度を割り当てられ得る。最後に、動作状態データストリーム52は、単に情報提供するものであり、ロボット11の制御に直接関係がない可能性があるので、「低」優先度を割り当てられ得る。
【0034】
[0033]基礎をなすデータの割り当てられた優先度は、各データストリーム50、52、54に割り当てられるまたは適用される通信パラメータを規定することができる。通信パラメータは、最も重要なことには、データ送信で使用されるネットワーク通信チャンネルの種類を指定し、データが更新される周波数およびやり方を指定することができる。加えて、通信パラメータは、通信プロトコル、送信優先度、送信形式、および/または使用される可能性がある、冗長度/誤り検査のレベルを指定することができる。例えば、「高」優先度コマンドおよび制御データストリーム54は、高い信頼性のリンク、比較的大きな誤り訂正および/もしくは冗長度、ハンドシェーキング、ならびに/またはチェックサムを使用して、一定のデータストリームで連続的に送信され得る。「中間」優先度動作状態データストリーム52は、周期的に更新する公開/申込み法を使用して送信され得るが、コマンドおよび制御データよりも少ない誤り検査/検証を含む場合があり、またはコマンドおよび制御データを通信するため使用されるチャンネルより比較的低い性能のネットワ
ークチャンネルを使用して送信され得る。最後に、「低」優先度視覚データストリーム50は、単にベスト−エフォート更新を採用する一定のデータストリームを使用して、さらに狭い送信チャンネルで送信され得る。
【0035】
[0034]さらに帯域を節約するために、様々なデータストリーム50、52、54は、高度に圧縮される場合があり、かつ/または様々な他の帯域幅節約技法を使用することができる。例えば、
図4に一般的に例示されるように、視覚化処理モジュール62は、画像パーサ80を含むことができ、画像パーサ80は、ビデオフィード82(複数の連続したビデオフレームからなる)を別個の要素、領域または層(一般的に、「視覚対象」と呼ばれる)に分割することができる。例えば、ビデオフィード82は、1つまたは複数の背景層上に配設された1つまたは複数の前景要素に分割され得る。別法として、ビデオフィード82は、複数の領域(例えば、象限)に細分化され得、または他の好適な分割のやり方を使用して構文解析され得る。
【0036】
[0035]各視覚対象は、画像パーサ80から個々の画像プロセッサ(例えば、画像プロセッサ84a乃至84d)に渡され得、画像プロセッサにおいて、個々の視覚対象は、検出可能な動きがある場合その動きを分析され得る。例えば、画像プロセッサは、視覚対象の現在の表現を、以前に取得されたビデオフレームからの、同一の対象の表現と比較することができる。変化がない場合、個々の画像プロセッサは、変化がないことを示すことができる、例えば空集合または何らかの他の識別子を出力することができる。しかし、知覚される動きがある場合、画像プロセッサは、圧縮プロセッサ86に更新された視覚対象を出力することができ、圧縮プロセッサ86において、視覚対象は圧縮され、ネットワーク34を通じて送信するために準備され得る。例えば、以前のビデオフレームからの視覚的な変化の大きさが、あらかじめ規定された閾値を超える場合、対象内で検出された任意の視覚的な変化は、「動き」として見なされて良い。加えて、生画像が時間フィルタまたは周波数フィルタされ、任意の画像アーティファクト(例えば、画像取込装置、ビデオ圧縮、および/またはデータ送信に主に起因するアーティファクト)が、対象の検知可能な動きであると考えられることを防止することができる。
【0037】
[0036]視覚化処理技法と同様に、コマンドおよび制御データストリーム54および動作状態データストリーム52は、データが以前の送信から変化した場合にのみデータを伝達することにより、帯域を節約するように構成され得る。システムの特定の局面が比較的に静的であるとき、そのような技法は、冗長なデータパケットの送信を最小化することができる。
【0038】
[0037]本通信システム30は、器用なロボット11に関して記載されるが、本明細書に記載の通信技法は、任意の他のシステムまたはネットワーク構成に均等に適用可能であることを理解されたい。この通信方法は、離れて位置された地球外の装置と通信するときなど、高遅延、低帯域の応用例に特に好適な場合がある一方、帯域が制限されるまたはデータ送信が好ましくは最小化される、完全に地上の応用例においても均等に有利な場合がある。一構成において、本通信技法は、ネットワーク化されたマスタスレーブロボット応用例、または他のシステムレベル通信に、特に好適な場合がある。
【0039】
[0038]
図5に一般的に例示されるように、本通信技法は、通信方法100によって一般的に例示されて良い。この方法100は、データの集合を複数のデータストリームに分割するステップ110を含んで良く、各データストリームは、複数の通信パラメータ(例えば、通信プロトコル、送信優先度、送信方法、送信形式、送信周波数、および/または冗長性/誤り検査のレベル)にしたがってネットワークを通じて送信されるように構成される。一度分割されると、各データストリームは、データストリームの重要性を反映する個々の優先度を割り当てられて良い(112)。方法100は、データストリームの優先度
を反映するように、複数のデータストリームのうちの少なくとも1つのために通信パラメータを適応させるステップ114、および適応された通信パラメータにしたがって複数のデータストリームを送信するステップ118をさらに含み得る。
【0040】
[0039]固定された帯域の制約をさらに考慮するため、送信されるデータストリーム内の冗長な情報または静的な情報の量を最小化するために、方法100は、帯域幅節約技法を使用するステップ116を含むことができる。そのような帯域幅節約技法は、データを複数の対象に構文解析するステップ120、対象を対象の以前に記録されたバージョンと比較して対象内の変化を検出するステップ122、および対象の以前に記録されたバージョンからの変化が閾値を超える場合にのみ対象を送信するステップ124を含むことができる。
【0041】
[0040]本発明を実行するための最良の形態が詳細に記載されてきたが、本発明に関係する技術分野の当業者は、添付の特許請求の範囲内で本発明を実施するための、様々な代替設計および代替実施形態を認めるであろう。上の記載に含まれるまたは添付の図面に示される全ての事項は、例示としてのみ解釈されるべきであって、限定するものと解釈されるべきでないことが意図される。
[形態1]
ローカルシステムからデータの集合を受信するように構成された通信プロセッサと、
前記通信プロセッサと通信し、複数の通信パラメータにしたがってネットワークを通じてデータを送受信するように構成された送受信機とを備え、
前記通信プロセッサは、前記データの集合を複数のデータストリームに分割し、前記データストリームの各々に優先度のレベルを割り当て、前記優先度のレベルが前記データストリームの各々の重要性を反映し、少なくとも1つの前記データストリームの前記優先度にしたがって、複数の前記データストリームのうちの少なくとも1つの通信パラメータを変更するように構成された、通信システム。
[形態2]
複数の前記通信パラメータは、通信プロトコル、送信優先度、送信方法、送信形式、送信周波数、更新周波数、冗長度のレベル、および誤り検査のレベルのうちの少なくとも1つを含む、形態1に記載の通信システム。
[形態3]
前記通信プロセッサは、データストリームを受信し、帯域幅節約技法を実施して、前記送信されるデータストリーム内の冗長な情報の量を最小化するように構成された、処理モジュールをさらに含む、形態1に記載の通信システム。
[形態4]
前記帯域幅節約技法は、
データストリームを複数の対象に構文解析するステップと、
対象を前記対象の以前のバージョンと比較し、前記対象の変化を検出するステップと、
前記対象の前記以前に記録されたバージョンからの前記変化が閾値を超える場合にのみ前記対象を送信するステップとを含む、形態3に記載の通信システム。
[形態5]
前記ローカルシステムは、器用なロボットとコントローラとを含む、形態1に記載の通信システム。
[形態6]
前記器用なロボットは、42自由度を含む、形態5に記載の通信システム。
[形態7]
複数の前記データストリームは、視覚データストリーム、動作状態データストリーム、ならびにコマンドおよび制御データストリームを含む、形態5に記載の通信システム。
[形態8]
高遅延、低帯域幅ネットワークを通じてデータを通信するための方法であって、
前記データを複数のデータストリームに分割するステップであって、各データストリームが複数の通信パラメータにしたがい、ネットワークを通じて個々に送信されるよう構成されたステップと、
データストリームの各々に優先度を割り当てるステップであって、前記優先度は前記データストリームの各々の重要性を反映するステップと、
少なくとも1つの前記データストリームの前記優先度を反映するように、複数の前記データストリームのうちの少なくとも1つに通信パラメータを適応させるステップと、
前記通信パラメータを使用して複数の前記データストリームを送信するステップとを含む方法。
[形態9]
複数の前記通信パラメータは、通信プロトコル、送信優先度、送信方法、送信形式、送信周波数、更新周波数、冗長度のレベル、または誤り検査のレベルを含む、形態8に記載の方法。
[形態10]
複数の前記データストリームのうちの少なくとも1つに帯域幅節約技法を実施して、少なくとも1つの前記データストリーム内の冗長な情報の量を最小化するステップをさらに含む、形態8に記載の方法。