特許第6039022号(P6039022)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6039022
(24)【登録日】2016年11月11日
(45)【発行日】2016年12月7日
(54)【発明の名称】エネルギー管理システム
(51)【国際特許分類】
   H04B 3/58 20060101AFI20161128BHJP
   H02J 13/00 20060101ALI20161128BHJP
   H04Q 9/00 20060101ALI20161128BHJP
【FI】
   H04B3/58
   H02J13/00 B
   H04Q9/00 311S
【請求項の数】5
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2015-158770(P2015-158770)
(22)【出願日】2015年8月11日
(62)【分割の表示】特願2013-27379(P2013-27379)の分割
【原出願日】2013年2月15日
(65)【公開番号】特開2016-1909(P2016-1909A)
(43)【公開日】2016年1月7日
【審査請求日】2015年11月24日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003687
【氏名又は名称】東京電力ホールディングス株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000211307
【氏名又は名称】中国電力株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】502036826
【氏名又は名称】埼広エンジニヤリング株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000280
【氏名又は名称】特許業務法人サンクレスト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中城 陽
(72)【発明者】
【氏名】井出崎 功
(72)【発明者】
【氏名】水戸 克己
(72)【発明者】
【氏名】下口 剛史
【審査官】 川口 貴裕
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−004389(JP,A)
【文献】 特開2008−141601(JP,A)
【文献】 特開平05−218912(JP,A)
【文献】 特開2003−188780(JP,A)
【文献】 上杉武弘,三宅成也,我が国“スマートグリッド”の最新動向と新たな事業機会,スマートグリッド,株式会社大河出版,2012年 7月15日,第2巻,第3号,p.53−60
【文献】 見えてきた、スマートメーターの実像,日経エレクトロニクス,2012年11月12日,第1095号,p.33−51
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 3/54 − 3/58
H02J 13/00
H04Q 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
単相3線式で受電する需要家に用いられるエネルギー管理システムであって、
電力メーターから分電盤までの3線集約部位で、電圧線の2線間に接続され、電力線通信の機能を有する上位側モデムと、
前記需要家に設けられ、前記上位側モデムを介して、電力線通信のネットワークを構成するエネルギー管理機器と、を備え、
前記上位側モデムは、PHY層、MAC層では、受信した電力線通信の信号を前記電圧線の2線間に再配信する機能を有し、上位層では、前記エネルギー管理機器のみと通信を行う機能を有するエネルギー管理システム。
【請求項2】
前記上位側モデムは、前記電力メーターに設けられている請求項1に記載のエネルギー管理システム。
【請求項3】
前記上位側モデムは、前記エネルギー管理機器に搭載され、かつ、当該エネルギー管理機器が前記分電盤に設けられている請求項1に記載のエネルギー管理システム。
【請求項4】
電力供給元と通信する通信機能部を有する電力メーターを介して単相3線式で受電する需要家に用いられるエネルギー管理システムであって、
前記電力メーターに搭載され、前記通信機能部とリンクし、電圧線の2線間に接続され、電力線通信の機能を有する上位側モデムと、
前記需要家に設けられ、単相3線のいずれか2線間に接続されることにより、前記上位側モデムを介して、電力線通信のネットワークを構成するエネルギー管理機器と、を備え、
前記上位側モデムは、PHY層、MAC層では、受信した電力線通信の信号を前記電圧線の2線間に再配信する機能を有し、上位層では、前記エネルギー管理機器のみと通信を行う機能を有するエネルギー管理システム。
【請求項5】
前記上位側モデムは、前記エネルギー管理機器から送信されてきた情報のみを前記通信機能部に提供する請求項4に記載のエネルギー管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主として家庭用のエネルギー管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、一般家庭で使用する電力量への関心が高まっており、家庭内でエネルギー管理を行うエネルギー管理システム(HEMS:Home Energy Management System)が注目されている。このシステムでは、宅内に設置されたエネルギー管理機器が、宅内の電気機器の消費電力を監視し、必要に応じてパワーセーブ等の制御を行うことも可能である。エネルギー管理機器と、電気機器とは、互いに、情報の送受信や制御のために信号伝送を行う必要がある。かかる信号伝送には、信号線の新設を必要としない電力線通信(PLC:Power Line Communication)が好適である。
【0003】
一方、各家庭には、単相3線式で交流100/200Vが、変圧器から供給されるのが一般的である。単相3線式は、接地された1本の中性線及び、非接地の2本の電圧線の合計3線によって電路が構成され、電圧線の一方には+100V、他方には−100Vが印加されている。従って、電圧線2本から電圧を取り出せば200Vが供給され、電圧線2本のいずれか一方と中性線とから電圧を取り出せば、100Vが供給される。100Vを供給するための2本の電圧線は、概ね負荷が均等になるように分電盤で2系統に分けて、屋内に配線されている。かかる単相3線式の屋内配線を信号伝送路として電力線通信を行うために、例えば、電力線通信装置内に分岐部を設ける3本の線に対してそれぞれ、信号の注入・抽出を行う構成が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−312114号公報(図1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記のような分岐部を設けると、電力線通信装置の回路構成が複雑化し、コスト増加の原因となる。
かかる従来の課題に鑑み、本発明は、単相3線式で受電する需要家に、簡単で、かつ、確実な通信ができるように電力線通信を取り入れたエネルギー管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本発明は、単相3線式で受電する需要家に用いられるエネルギー管理システムであって、電力メーターから分電盤までの3線集約部位で、電圧線の2線間に接続され、電力線通信の機能を有する上位側モデムと、前記需要家に設けられ、前記上位側モデムを介して、電力線通信のネットワークを構成するエネルギー管理機器とを備えたものである。なお、上位側モデムとは、電圧線が集約された場所に設置するモデムであるという位置的な関係を示すものであり、通信ネットワークにおける機能を示すものではない。また、前記ネットワークには、前記需要家の電気機器に付随して設けられ、電圧線の第1線と中性線との間に接続され、電力線通信を行う機能を有する第1の端末側モデムと、前記需要家の電気機器に付随して設けられ、電圧線の第2線と前記中性線との間に接続され、電力線通信を行う機能を有する第2の端末側モデムと、を加えることもできる。
また、例えば、前記上位側モデムは、PHY層、MAC層では、受信した電力線通信の信号を前記電圧線の2線間に再配信する機能を有し、上位層では、前記エネルギー管理機器のみと通信を行う機能を有する。
【0007】
上記のように構成されたエネルギー管理システムでは、上位側モデムが電圧線の2線間に接続されていることによって、これら2線間での電力線通信が可能となるほか、例えば変圧器の巻線を介して、または、線間の浮遊容量や負荷を介して、電圧線の2線の任意の一方と、中性線との間でも、電力線通信が可能となる。従って、上位側モデムに中継機能を発揮させることで、送信・受信が互いに異なる線間であっても、電力線通信が可能となる。その結果、全ての端末側モデムからエネルギー管理機器へ情報が確実に集約され、また、エネルギー管理機器は、全ての端末側モデム及び電気機器を管理下に置くことができる。
【0008】
(2)また、上記(1)のエネルギー管理システムにおいて、上位側モデムは、電力メーターに設けられていてもよい。
この場合、電力メーター内には、単相3線が集約された状態で存在するので、上位側モデムの設置及び接続が容易である。また、上位側モデムを、電力メーターの内蔵機能として搭載することができるので、システム全体の構成が簡素である。
【0009】
(3)また、上記(1)のエネルギー管理システムにおいて、上位側モデムは、エネルギー管理機器に搭載され、かつ、当該エネルギー管理機器が分電盤に設けられていてもよい。
この場合、分電盤内には、単相3線が集約された状態で存在するので、上位側モデムの設置及び接続が容易である。また、上位側モデムを搭載したエネルギー管理機器をさらに、分電盤の内蔵機能として搭載することができるので、システム全体の構成が簡素である。
【0010】
(4)一方、本発明は、電力供給元と通信する通信機能部を有する電力メーターを介して単相3線式で受電する需要家に用いられるエネルギー管理システムであって、前記電力メーターに搭載され、前記通信機能部とリンクし、電圧線の2線間に接続され、電力線通信の機能を有する上位側モデムと、前記需要家に設けられ、単相3線のいずれか2線間に接続されることにより、前記上位側モデムを介して、電力線通信のネットワークを構成するエネルギー管理機器とを備えているものである。
また、前記ネットワークには、前記需要家の電気機器に付随して設けられ、電圧線の第1線と中性線との間に接続され、電力線通信を行う機能を有する第1の端末側モデムと、前記需要家の電気機器に付随して設けられ、電圧線の第2線と前記中性線との間に接続され、電力線通信を行う機能を有する第2の端末側モデムと、を加えることもできる。
また、例えば、前記上位側モデムは、PHY層、MAC層では、受信した電力線通信の信号を前記電圧線の2線間に再配信する機能を有し、上位層では、前記エネルギー管理機器のみと通信を行う機能を有する。
【0011】
上記(4)のように構成されたエネルギー管理システムでは、上位側モデムが電圧線の2線間に接続されていることによって、これら2線間での電力線通信が可能となるほか、例えば変圧器の巻線を介して、または、線間の浮遊容量や負荷を介して、電圧線の2線の任意の一方と、中性線との間でも、電力線通信が可能となる。従って、上位側モデムに中継機能を発揮させることで、送信・受信が互いに異なる線間であっても、電力線通信が可能となる。その結果、全ての端末側モデムからエネルギー管理機器へ情報が確実に集約され、また、エネルギー管理機器は、全ての端末側モデム及び電気機器を管理下に置くことができる。
【0012】
さらに、エネルギー管理機器は、上記ネットワークから論理的に隔離された状態で上位側モデムと通信を行い、上位側モデムは電力メーターの通信機能部とリンクすることで情報を共有する。従って、エネルギー管理機器は、電力供給元と、セキュリティを保って通信を行うことができ、これにより、電力供給元による電力使用状況の監視や、電力供給元からの遠隔制御により例えば電気機器のパワーセーブを行うことができる。なお、セキュリティの確保により、不正な情報が電力供給元に届くことを、防止できる。
【0013】
(5)また、上記(4)のエネルギー管理システムにおいて、上位側モデムは、エネルギー管理機器から送信されてきた情報のみを通信機能部に提供するようにしてもよい。
この場合、宅内のネットワーク上の情報は電力供給元に直接的には送信されない。これにより、エネルギー管理機器のみが電力メーターに情報を送信することができるので、情報の信頼性維持が容易である。
【発明の効果】
【0014】
本発明のエネルギー管理システムによれば、単相3線式で受電する需要家において、簡単かつ確実に、電力線通信を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の一実施形態に係る、例えば家庭を対象としたエネルギー管理システムの一例を示す概略図である。
図2】電力メーターの構成の主要部を示すブロック図である。
図3】分電盤内の配線構造の一例を示す図である。
図4】本発明の他の実施形態に係るエネルギー管理システムの例を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1は、本発明の一実施形態に係る、例えば家庭を対象としたエネルギー管理システムの一例を示す概略図である。図において、この家(需要家)1は、例えば、送電線2から変圧器3を介して単相3線式で受電する。変圧器3の出力線は、接地された中性線Nと、非接地の電圧線L1,L2とを有する。中性線Nの対地電圧は0Vであり、この中性線Nに対する電圧線L1,L2の交流電圧は、一方が+100V、他方が−100Vである。従って、電圧線L1と中性線Nとの間、及び、電圧線L2と中性線Nとの間は、それぞれ100Vが印加され、電圧線L1−L2間には200Vが印加されている。家1の受電点には、通信機能を有する電力メーター(いわゆるスマートメーター)4が設置されている。電力メーター4を介した3線(L1,L2,N)は、宅内に設置される分電盤11に接続される。
【0017】
図2は、電力メーター4の構成の主要部を示すブロック図である。図2において、電力メーター4は、計測部41、表示部42、通信機能部43及び、PLCモデム(電力線通信用のモデム)40を備えている。計測部41は、家1で使用される電力及び電力量の計測を行う。表示部42は、例えば電力量の表示を行う。計測部41で取得された計測データは、通信機能部43に提供される。通信機能部43は、例えば無線通信により、電力供給元(電力会社)と通信を行うことができる。この通信ルートを例えばAルートとすれば、このAルートにより、計測データは通信機能部43から電力供給元へ送信される。
【0018】
一方、電力メーター4内のPLCモデム40は、屋内配線を利用した電力線通信における「上位側モデム」となる。PLCモデム40は、電圧線L1−L2間すなわち200V線間に接続されている。電力メーター4内には、単相3線が集約された状態で存在するので、PLCモデム40の設置及び接続が容易である。また、PLCモデム40を、電力メーター4の内蔵機能として搭載することができるので、エネルギー管理システム全体の構成が簡素である。
また、PLCモデム40は、後述する宅内のエネルギー管理機器12との通信ルートを構成する。これを例えばBルートとすれば、上述のAルートとは別の通信ルートである。
【0019】
図3は、分電盤11内の配線構造の一例を示す図である。図において、分電盤11内には、主幹のブレーカ(回路遮断器)BMと、複数の屋内配線保護用のブレーカB3,B11,B12,B13,B21,B22,B23が設けられている。ブレーカB3は、電圧線L1−L2間に接続され、200Vの配線及びその保護用である。ブレーカB11,B12,B13は、電圧線L1と中性線Nとの間に接続され、それぞれ、100Vの配線及びその保護用である。また、ブレーカB21,B22,B23は、電圧線L2と中性線Nとの間に接続され、それぞれ、100Vの配線及びその保護用である。
【0020】
図1に戻り、分電盤11(図3を簡略に記載している。)を介して、電圧線L1側の100V系統には、PLCモデム13の機能を含むエネルギー管理機器12及び、PLCモデム14が接続されている。また、電圧線L2側の100V系統には、PLCモデム15が接続されている。さらに、電圧線L1,L2を用いる200V系統には、PLCモデム16が接続されている。PLCモデム14,15,16は、総称すると、「端末側モデム」である。なお、ここに示すPLCモデム14〜16の数は、図示の都合上の一例に過ぎない。
【0021】
ここで、PLCモデム14〜16は、宅内の電気機器に組み込まれるか又は少なくとも付随して用いられ、例えば、パワーセーブ、オン/オフ、稼働時間シフトなど、制御が可能な電気機器に用いられる。具体的には、エアコン、照明、ヒートポンプ、蓄電池、EV(電気自動車)、太陽光発電用PCS装置や蓄電池を用いた電源装置等の電気機器である。エネルギー管理機器12は、これらの電気機器に対して、例えば設定されたピーク電力を超えそうな場合は、パワーセーブや停止等の制御を行うことができる。また、太陽光発電その他の自家発電装置が設置されている場合は、その発電電力も考慮して、制御を行うことができる。
【0022】
次に、電力線通信について説明する。外部から見た宅内のゲートウェイはエネルギー管理機器12であり、宅内の電力に関する情報は、エネルギー管理機器12に集約される。また、エネルギー管理機器12は、必要に応じて、PLCモデム14〜16に対して、それらに付随する電気機器への制御信号を送る。従って、各PLCモデム14〜16は常に、エネルギー管理機器12と良好な通信が可能な状態になければならない。
【0023】
今、仮に、電力メーター4内のPLCモデム40(上位側モデム)の役割を考慮せずに、宅内のみで電力線通信を考えると、図1において、PLCモデム14と、エネルギー管理機器12とは、互いに同じ2線(L1,N)に接続されているので、両者は良好に電力線通信を行うことができる。一方、PLCモデム15は、エネルギー管理機器12とは、電圧線が互いに異なるので、電力線通信の信号が減衰する(例えば30〜40dB程度の減衰)。この場合、PLCモデム15と、エネルギー管理機器12との通信状態が悪くなり、通信できない場合がある。
【0024】
ここで、電力メーター4内のPLCモデム40について考察する。200V線間(L1−L2)に接続されたPLCモデム40は、同じ200V線間に接続されたPLCモデム16と良好な通信ができることは言うまでもないが、さらに、電圧線L1−中性線N間に接続されたPLCモデム14、及び、電圧線L2−中性線N間に接続されたPLCモデム15とも、信号強度の若干の減衰(最大10dB程度)はあるものの、確実に通信(送受信)を行うことができる。
【0025】
このような通信ができる理由の一つは、200V線間(L1−L2)の場合、変圧器3の2次側巻線を介して2系統の100V線間(L1−N,L2−N)のそれぞれとインダクタンスを一部共有しているか又は、これら2系統の100V線間に接続される負荷を一部共用しているからであると解される。また、高い周波数帯域(例えば2〜30MHz)を用いる電力線通信の信号伝送に対しては線間の浮遊容量が影響し、200V線間(L1−L2)の浮遊容量は、2系統の100V線間(L1−N,L2−N)のそれぞれの浮遊容量と、キャパシタンスを一部共有しているからであると解される。
【0026】
そこで、電力メーター4内のPLCモデム40に、電力線通信の機能と共に、信号の中継機能を持たせる。従って、PLCモデム40が受信した電力線通信の信号は、200V線間に再配信される。この結果、PLCモデム15が送出した信号は、PLCモデム40で中継され、エネルギー管理機器12に届く。逆に、エネルギー管理機器12が送出した信号は、PLCモデム40で中継され、PLCモデム15に届く。また、PLCモデム16が送出した信号は、PLCモデム40で中継され、エネルギー管理機器12に届く。逆に、エネルギー管理機器12が送出した信号は、PLCモデム40で中継され、PLCモデム16に届く。
【0027】
以上のように、このエネルギー管理システムでは、上位側モデムであるPLCモデム40が、電圧線の2線間(L1−L2)に接続されていることによって、これら2線間での電力線通信が可能となるほか、変圧器3の巻線を介して、または、線間の浮遊容量を介して、電圧線の2線の任意の一方(L1又はL2)と、中性線Nとの間でも、電力線通信が可能となる。すなわち、PLCモデム40に中継機能を発揮させることで、送信・受信が互いに異なる線間であっても、電力線通信が可能となる。その結果、全てのPLCモデム14〜16からエネルギー管理機器12へ情報が確実に集約され、また、エネルギー管理機器12は、全てのPLCモデム14〜16及びそれを含む(又は付随させる)電気機器を管理下に置くことができる。
【0028】
次に、ネットワークについて補足説明する。
図1において、PLCモデム13〜16、40は、電力線通信のネットワークを構成し、エネルギー管理機器12は、当該ネットワークから情報を収集し、かつ、当該ネットワークに情報を送出する。上位側モデムであるPLCモデム40は、PHY層、MAC層では、上記ネットワークに接続されており、中継機能を有するが、上位層では、エネルギー管理機器12のみと、一対一の電力線通信を行う。言い換えれば、エネルギー管理機器12は、PLC14〜16が属するネットワークとは論理的に隔離された状態で、PLCモデム40と電力線通信を行う。
【0029】
このように、エネルギー管理機器12は、宅内のネットワークから論理的に隔離された状態でPLCモデム40と通信を行い、PLCモデム40は電力メーター4の通信機能部43とリンクすることで情報を共有する。従って、エネルギー管理機器12は、電力供給元と、セキュリティを保って通信を行うことができ、これにより、電力供給元による電力使用状況の監視や、電力供給元からの遠隔制御によりエネルギー管理機器12に指示を与えて、例えば電気機器のパワーセーブを行うことができる。なお、セキュリティの確保により、例えば宅内のネットワークに不正にアクセスして、誤った情報を電力メーター4に送り込もうとしても、それはできない。従って、不正な情報が電力供給元に届くことを、防止できる。
【0030】
また、PLCモデム40は、エネルギー管理機器12から送信されてきた情報のみを、電力メーター4の通信機能部43に提供する。従って、宅内のネットワーク上の情報は、電力供給元に対して、直接的には送信されない。これにより、エネルギー管理機器12のみが電力メーター4に情報を送信することができるので、情報の信頼性維持が容易である。
【0031】
なお、上記実施形態では、分電盤11の外に、エネルギー管理機器12を設けたが、他の設置形態も可能である。
図4は、他の設置形態を採用した場合の、本発明の他の実施形態に係るエネルギー管理システムの例を示す概略図である。
図4において、エネルギー管理機器12は、分電盤11に設けられている。また、エネルギー管理機器12は、内蔵するPLCモデム13と共に、200V線間(L1−L2)に接続されている。
【0032】
この場合、中継機能を有する上位側モデムは、PLC40ではなく、PLC13とすることができる。
分電盤11内には、単相3線が集約された状態で存在するので、このように上位側モデムを設置し、接続することも容易である。また、上位側モデムを搭載したエネルギー管理機器12をさらに、分電盤11の内蔵機能として搭載することができるので、エネルギー管理システム全体の構成が簡素である。
【0033】
中継機能を持つ上位側モデムの設置場所としては、実用的には電力メーター4内、又は、分電盤11内が好適であるが、それらの途中にも設けることは可能である。従って、上位側モデムは、電力メーター4から分電盤11までの3線集約部位に設けることができると言える。
【0034】
なお、上記実施形態では一般家庭でのエネルギー管理システムとして説明したが、オフィス、店舗等、単相3線式で受電するその他各種の需要家でも同様のエネルギー管理システムを適用することができる。
【0035】
なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0036】
1 家(需要家)
4 電力メーター
11 分電盤
12 エネルギー管理機器
13 PLCモデム
14〜16 PLCモデム(端末側モデム)
40 PLCモデム(上位側モデム)
43 通信機能部
図1
図2
図3
図4