特許第6039063号(P6039063)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6039063
(24)【登録日】2016年11月11日
(45)【発行日】2016年12月7日
(54)【発明の名称】サテライト及び音響追跡装置
(51)【国際特許分類】
   B63B 35/00 20060101AFI20161128BHJP
   B63B 49/00 20060101ALI20161128BHJP
   B63H 25/42 20060101ALI20161128BHJP
   B63H 21/17 20060101ALI20161128BHJP
【FI】
   B63B35/00 N
   B63B35/00 T
   B63B49/00 B
   B63B49/00 Z
   B63H25/42 E
   B63H21/17
【請求項の数】26
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2015-512888(P2015-512888)
(86)(22)【出願日】2013年5月17日
(65)【公表番号】特表2015-523258(P2015-523258A)
(43)【公表日】2015年8月13日
(86)【国際出願番号】US2013041622
(87)【国際公開番号】WO2014028084
(87)【国際公開日】20140220
【審査請求日】2015年2月23日
(31)【優先権主張番号】61/648,886
(32)【優先日】2012年5月18日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】514285966
【氏名又は名称】キング アブドラ ユニバーシティ オブ サイエンス アンド テクノロジー
(74)【代理人】
【識別番号】100097456
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 徹
(72)【発明者】
【氏名】マイケル エル.ベルメン
(72)【発明者】
【氏名】イー.ルロイド スミス
(72)【発明者】
【氏名】ペドロ デ ラ トルレ
【審査官】 中村 泰二郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−308766(JP,A)
【文献】 特開2008−128968(JP,A)
【文献】 米国特許第06097670(US,A)
【文献】 特開2010−139270(JP,A)
【文献】 特開2009−227086(JP,A)
【文献】 特開平03−081682(JP,A)
【文献】 特開平11−034973(JP,A)
【文献】 米国特許第08152577(US,B1)
【文献】 特開2002−112463(JP,A)
【文献】 特開2007−307967(JP,A)
【文献】 特表2007−500638(JP,A)
【文献】 特開2001−270496(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B63B,B63C,B63J,B63H,B63G,
G01S5/20,5/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
海洋動物又は物体に取り付けられた音響送信機を追跡するための無人水上船であって:
海洋動物又は物体に取り付けられた音響送信機の動きを追跡して後を追うように構成された水上船;
遠隔通信基地と通信するように構成された、該船に取り付けられた2方向通信モジュール;
全地球測位システムから位置情報を受信する、該船に取り付けられたGPS受信機;
該海洋動物又は該物体に取り付けられた該音響送信機から送信される音響信号を受信するように構成された、該船の底面に取り付けられた音響ハイドロフォン;及び
該船が該音響送信機の動きを追うことを可能にするように構成され、該船を推進させる速度又は方向を選択する際に該動物の動きの特徴を考慮する、該船の底面に取り付けられた推進システムを含む、前記無人水上船。
【請求項2】
前記音響ハイドロフォンが、3素子ハイドロフォンアレイの一部である、請求項1記載の無人水上船。
【請求項3】
前記各ハイドロフォン素子が、独立増幅回路に接続されている、請求項2記載の無人水上船。
【請求項4】
水温、水の塩分濃度、水の透明度、海流情報、プランクトン濃度、水深、水の伝導度、又は酸素濃度を決定するための1つ以上のセンサをさらに含む、請求項1記載の無人水上船。
【請求項5】
前記推進システムが、前記船の底面に取り付けられた少なくとも1つのスラスタを含む、請求項1記載の無人水上船。
【請求項6】
バッテリ、前記船の上面に取り付けられたソーラーパネル、及び該バッテリと該ソーラーパネルとの間に電気的に接続された充電制御装置を有するソーラー充電システムをさらに含む、請求項1記載の無人水上船。
【請求項7】
前記バッテリが、それぞれ前記充電制御装置に接続された複数のバッテリバンクを含む、請求項6記載の無人水上船。
【請求項8】
前記バッテリが、リチウムポリマーバッテリである、請求項7記載の無人水上船。
【請求項9】
前記通信モジュールが、前記遠隔通信基地からコマンドを受信するように構成されている、請求項1記載の無人水上船。
【請求項10】
前記通信モジュールが、前記遠隔通信基地に情報を送信するように構成されている、請求項1記載の無人水上船。
【請求項11】
デジタルコンパスをさらに含む、請求項1記載の無人水上船。
【請求項12】
加速度計をさらに含む、請求項1記載の無人水上船。
【請求項13】
前記水上船が、約2メートルの長さ及び約1メートルの幅を有する、請求項1記載の無人水上船。
【請求項14】
海洋動物又は物体に取り付けられた音響送信機を追跡するための方法であって:
無人水上船に取り付けられたハイドロフォンアレイを用いて音響送信機から送信された音響信号を受信するステップ;
該受信音響信号に基づいて該船に対する該音響送信機の距離、速度、及び移動方向を決定するステップ;
該船に取り付けられたGPS受信機を用いて全地球測位システムからGPS信号を受信するステップ;
該受信GPS信号に基づいて該船の位置を決定するステップ;
該音響送信機の該距離、該速度、該移動方向に基づいて該音響送信機に向けて該船を推進させるステップ;及び
該船を推進させる速度又は方向を選択する際に該動物の動きの特徴を考慮するステップを含む、前記方法。
【請求項15】
前記音響信号に基づいて前記船に対する前記音響送信機の距離、速度、及び移動方向を決定するステップが:
該船に搭載されたマイクロプロセッサを用いて前記ハイドロフォンアレイの各ハイドロフォンからの出力を受信すること;及び
該マイクロプロセッサを用いて該ハイドロフォンアレイの各ハイドロフォンで該音響信号が受信され順番を決定することを含む、請求項14記載の方法。
【請求項16】
前記船を推進させる速度又は方向を選択する際にバッテリの充電レベルを考慮するステップをさらに含む、請求項14記載の方法。
【請求項17】
前記船を推進させる速度又は方向を選択する際に海流又は風の状態を考慮するステップをさらに含む、請求項14記載の方法。
【請求項18】
情報を前記船に取り付けられた通信モジュールから遠隔通信基地に送信するステップをさらに含む、請求項14記載の方法。
【請求項19】
前記通信モジュールから前記遠隔通信基地に送信される前記情報が、バッテリの充電レベル、前記船の時間に対する速度、動物の時間に対する位置、動物の時間に対する速度、動物の時間に対する深度、又は該船の時間に対するGPS座標を含む、請求項18記載の方法。
【請求項20】
情報を遠隔通信基地から前記船に取り付けられた通信モジュールに送信するステップをさらに含む、請求項14記載の方法。
【請求項21】
前記遠隔通信基地から前記通信モジュールに送信される前記情報が、高水準コマンドを含む、請求項20記載の方法。
【請求項22】
前記遠隔通信基地が、陸上、海面、又は空中に位置する、請求項20記載の方法。
【請求項23】
前記船の近傍の1つ以上のセンサからセンサ情報を該船で受信するステップをさらに含む、請求項14記載の方法。
【請求項24】
前記船の近傍のセンサから受信する前記センサ情報に基づいて、水温、水の塩分濃度、水の透明度、海流情報、プランクトン濃度、水深、水の伝導度、又は酸素濃度を決定するステップをさらに含む、請求項23記載の方法。
【請求項25】
前記音響送信機の近傍の1つ以上の遠隔センサから遠隔センサ情報を前記船で受信するステップをさらに含む、請求項14記載の方法。
【請求項26】
前記音響送信機の近傍の遠隔センサから受信する前記遠隔センサ情報に基づいて、水温、水の塩分濃度、水の透明度、海流情報、プランクトン濃度、水深、水の伝導度、又は酸素濃度を決定するステップをさらに含む、請求項25記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(優先権の主張)
本出願は、引用により全開示内容が本明細書中に組み込まれている2012年5月18日出願の米国特許出願第61/648,886号(名称:「サテライト及び音響追跡装置(Satellite and Acoustic Tracking Device)」)の優先権を主張するものである。
【0002】
(技術分野)
本発明は、巨大水域において相当な距離に亘って海洋動物又は物体の動きを追跡するための方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0003】
(背景)
ジンベイザメ(Rhincodon typus)は、動きの遅いろ過摂食ザメであり、現存する最大の魚類である。12.6メートルのジンベイザメが計測されており、この種には、さらに大きいものもいると思われる。その魅力にもかかわらず、ジンベイザメの基礎的な生物学及び生態学については殆ど知られていない。例えば、ジンベイザメの成長速度、成熟体長や年齢、生殖生産、寿命、又は繁殖場所や産卵地については殆ど知られていない。地球上に生息するジンベイザメの総数の推定値は、不確かであるが、約25,000〜500,000個体と幅広い。
【0004】
ジンベイザメは、海面付近での摂食がよく観察されるが、1000メートルを超える深さまで潜ることができる。ジンベイザメは鰓を有するため、呼吸のために海面に浮上する必要がなく、長期間に亘ってかなりの深度に留まることができる。これにより、観察に基づいた従来の科学的な個体数の推定方法が頼りにならない。さらに、ジンベイザメは、熱帯地方の至る所に生息しており、他の種では観察によって確実な個体数推定値が得られる珊瑚礁の近傍に生息が限られるものではない。このような地理学的に広大な分布により、地球上に生息する総数の推定が複雑であり、従って、保護管理局が効果的な計画を作成することができない。
【0005】
回遊性の大型の種、例えば、ジンベイザメ、ホホジロザメ、マグロ、及びクジラの動きのパターンを理解することが、効果的な管理計画の実施に向けての重要なステップである。これらの種の動きについての情報を得ることは、これまでに観察されていない行動の窓を開けることであり、効果的な管理計画によって、特定の種が絶滅寸前又は絶滅危惧状態から脱することが可能となる個体数の増加もたらすことができる。これらの種の動きを理解することにより、回遊経路に近い地域経済に恩恵をもたらすことができ、これにより、持続可能なエコツーリズムの収益が得られ、その収益の一部を、効果的な管理計画の維持に使用することができる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
概して、海洋動物又は物体に取り付けられた音響送信機を追跡するための無人水上船が説明される。この無人水上船は、海洋動物又は他の物体に取り付けられた音響送信機の動きを追跡して後を追うように構成された水上船を含み得る。2方向通信モジュールを該船に取り付けることができ、該通信モジュールは、遠隔通信基地と通信するように構成することができる。少なくとも1つの実施態様では、該通信モジュールは、情報を遠隔通信基地に送信するように構成することができる。GPS受信機を該船に取り付けることができる。該GPS受信機は、全地球測位システムから位置情報を受信するように構成することができる。加えて、音響ハイドロフォンを該船の底面に取り付けることができる。該音響ハイドロフォンは、海洋動物又は物体に取り付けられた音響送信機から送信される音響信号を受信するように構成することができる。少なくとも1つの実施態様では、該音響ハイドロフォンは、3素子ハイドロフォンアレイの一部である。各ハイドロフォン素子は、独立増幅回路に接続することができる。
【0007】
該船の底面に推進システムを取り付けることができる。該推進システムは、該船が、音響送信機の動きを追うことを可能にするように構成することができる。該推進システムはまた、該船の底面に取り付けられた少なくとも1つのスラスタも含み得る。少なくとも1つの実施態様では、該水上船は、デジタルコンパスを含み得る。加えて、該水上船は、該船の加速度を決定する加速度計を含む。該水上船はまた、水温、水の塩分濃度、水の透明度、海流情報、プランクトン濃度、水深、水の伝導度、又は酸素濃度を決定するために1つ以上のセンサも含み得る。該水上船はまた、バッテリ、該船の上面に取り付けられたソーラーパネル、及び該バッテリと該ソーラーパネルとの間に電気的に接続された充電制御装置を有するソーラー充電システムも含み得る。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、ソーラーパネル、スラスタマウント、及び通信マストを装備した船の一例の斜視図である。
図2図2は、ソーラーパネルが取り外されて電子機器及び充電式バッテリパックを収納するチューブが示されている図1の船の一例の斜視図である。
図3図3は、排出孔を示す図2の船の上面図である。
図4図4は、音響ハイドロフォンアレイが船の底面の近傍に取り付けられている該船の底面からの簡易斜視図である。
図5図5は、3つのハイドロフォン及び六分儀を有する音響ハイドロフォンアレイを備えた船の底面図である。
図6図6は、音響ハイドロフォンアレイを備えた船の底面図であり、音響送信機からアレイの各ハイドロフォンへの音響信号の距離が異なることを示している。
図7図7は、船の回路基板の図の一例である。
図8図8は、サテライトタグ及び音響送信機を海洋動物に取り付ける必要がある、該動物を追跡するための既存のアプローチである。
図9図9は、海上にある船の簡易図である。
図10図10は、船の一例の前方からの斜視図である。
図11図11は、船の一例の側方からの斜視図である。
図12図12は、音響送信機の一例である。
図13図13は、ハイドロフォン用の独立増幅回路の一例である。
図14図14は、ハードウェアとソフトウェアが船上でどのようにインターフェイスするかを示す図の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(詳細な説明)
ジンベイザメは、1年に数千キロメートルも移動することができるが、既存の追跡及びタギング技術の欠点によりジンベイザメの動きの詳細が殆ど分かっていない。例えば、第1の既存の追跡システムは、図8に示されているように、動物に取り付けられたサテライトタグ805に依存している。サテライトタグ805は、全地球測位システム(「GPS」)に依存し、該GPSは、米国防総省によって軌道に乗せられた24のサテライトのネットワークから構成されている。GPSサテライトは、L1及びL2として示される2つの低出力無線信号を送信する。民間用GPSは、UHF帯域である1575.42MHzのL1周波数を使用する。無線信号は、雲、ガラス、及びプラスチックを通過することができるが、殆どの固体、例えば、建築物や山は通過することができない。液体、例えば、海水を通過する場合、無線信号は著しく減衰する。従って、サテライトタグは、海洋動物が海面にいる場合にしか機能しないため、空気呼吸する動物、例えば、頻繁に海面に浮上するクジラやイルカには適するが、長期間海面下に留まるジンベイザメには適していない。たとえ空気呼吸する動物であっても、サテライトタグは、動物が海面に浮上したときに定期的に情報を供給するだけである。結果として、小さい範囲の動きを追跡することができない。サテライトタグの別のマイナス面は、該サテライトタグのジンベイザメからの脱落、又は魚が海面に浮上したときのデータの転送の失敗を含め、現場での失敗の割合が高いことである。また、研究が完了した後にサテライトタグをジンベイザメから回収することが困難であり得、従って、高価なサテライトタグが、常に選択されるわけではない。
【0010】
各サテライトタグ805は、GPS受信機を備え、該GPS受信機は、動物が瞬間的に海面に浮上するときにサテライト情報を非常に迅速に得なければならず、そして、位置情報を遠隔通信基地に送信するか、又はローカルメモリに該情報を保存しなければならない。このアプローチは、特別に設計された構成要素、例えば、自動車に一般的に使用されている低価格のポータブルGPS受信機に使用されている構成要素よりも高性能であるGPS受信機及び通信ハードウェアを必要とする。当然ながら、サテライトタグ805は、高価であり、典型的には1つ数千ドルである。
【0011】
第2の既存の追跡システムは、約100メートルの分解能で小さい範囲の動きについての詳細を供給するために音響タグを必要とする。サテライトタグと同様に、音響タグ810は、図8に示されているように動物に取り付けなければならない。音響タグ810は、一般に、深海又は塩水の生息地における海洋生物の生息又は動きを監視するために使用され、多様な海洋動物、例えば、サケ、マス、プレイス、タラ、カニ、ウミガメ、及び多くの他の種類の追跡に使用することができる。このシステムの1つのマイナス面は、ハイドロフォンを装備した固定された水中受信基地を必要することである。この技術は、限定された領域内、例えば、珊瑚礁付近でジンベイザメを監視するのには有用であるが、その領域外の大きな範囲の動き、例えば、回遊を監視するのには有用でない。このタイプの音響追跡システムの運転及び維持は単調で退屈である。例えば、データを個々の受信基地から回収しなければならず、該受信基地は、乗物で行くのが困難であり得る、沖にある遠隔地である場合が多い。加えて、受信基地は、ダイバーが水中で行わなければならない定期的な整備を必要とする。データの回収及び受信基地の維持に関連したコストがすぐに嵩み得る。
【0012】
本明細書で説明される、海洋動物又は物体を追跡するための方法及びシステムは、少なくとも上記の様々な欠点を解消する新たな方法で、既存の追跡システムの利点を含む。この方法及びシステムは、海洋動物の行動及び動きのパターンについての前例のない洞察を行うことができ、これにより、これらの動物の理解が深まり、結果として保護活動が改善される。
【0013】
陸上動物を追跡する場合には電波が一般的に使用される。しかしながら、塩水は、海洋動物を追跡する際に特有の課題を提示する。上述したように、電波は、海水によって急激に減衰されるため、水中でメッセージを送信するための選択肢が限定される。他方、音波は、海水によって妨害されず、実際に空気中よりも水中で速く移動することができ、これにより、適切な器具を使用すると長距離でもほぼリアルタイムで受信することができる。従って、音響信号は、リアルタイムで海洋動物を追跡するための有用なアプローチを実現する。
【0014】
音響テレメトリーシステムは、音波を送信する音響送信機、該音響送信機によって送信される音波を受信するハイドロフォン、及び音波に応答して該ハイドロフォンから電気信号を受け取る受信機を含み得る。岩礁をベースとするテレメトリーシステムでは、ハイドロフォンは、音波を受信するように構成することができ、生じる電気信号は、メモリに保存するか、又は陸上に位置する受信機まで空気中を迅速に送信するために無線信号に変換することができる。これらの固定された位置システムの制限を解消するために、音響テレメトリーシステムを、かなりの距離に亘って対象とする海洋動物又は物体の後を追うのを可能にする推進システムを備えた固定されていない無人水上船に含めることができる。
【0015】
海洋動物を追跡するための無人水上船は、海洋動物に取り付けられた音響送信機の動きを追跡して後を追うように構成することができる。これらの音響送信機は、単純に「タグ」と呼ばれる場合が多い。この船は、海面に留まったまま海面下の海洋動物の位置を自動的に追跡することができる。この船は、動物の位置、速度、及び進行方向を決定し、この情報から、該動物の位置が音響追跡システムの範囲を超えないようにして、該動物を見失わないようにすると共に、船の貯蔵エネルギーを節約するように該動物の後を追って追跡する最適な方法を決定することができる。
【0016】
図1に示されているように、船100は、自律性で頑丈、そして比較的小型の船とすることができる。この船は、10メートル未満、より好ましくは5メートル未満、さらに好ましくは約2メートルの長さを有し得る。上記の長さに対して、船は、5メートル未満、より好ましくは2.5メートル未満、さらに好ましくは約1メートルの幅を有し得る。図2及び図3に示されているように、船は、電子機器及び充電式バッテリパックを含む、本明細書で説明される様々なシステムを収容するための1つ以上の水密区画205を備え得る。一例では、船は、海上で数日かかる任務を果たすことができる、完全に密閉されて水密の自家動力式無人船とすることができる。
【0017】
排水を容易にするために、船は、図3に示されているように、該船の上面105から底面110まで延びた1つ以上の排水孔305を備え得る。排水孔305により、船が自己排水し、ビルジポンプの必要性を完全に排除することができる。排水孔305はまた、電線の通路を画定し、本明細書で説明される様々なセンサ、モジュール、及びシステムの配線を容易にする。
【0018】
船が、外洋で動物又は物体を追跡して後を追うことができるように、該船は、電源を含む推進システムを備え得る。推進システムは、別個又は一体である操舵システムを含み得る。例えば、ある一体の構成では、船は、該船の底面に取り付けられた2つのスラスタを備え得る。これらのスラスタは、船の底面110に直接取り付けても良いし、又は図1に示されているように、船の底面110に取り付けられたスラスタハウジング125内に取り付けても良い。スラスタは、平行に配置して、船尾に直接向けられた排出開口の向きに合わせることができる。スラスタは、任意の適切な距離、互いにオフセットすることができる。各スラスタからの相対的な排出を制御することにより、船を前方に推進させ、かつ左右に舵を切ることができる。代替の構成では、船は、排出開口の近傍に配置されたラダーを有する1つのスラスタを備え得る。ラダーを調整することにより、排出の方向が変更され、結果として、水上バイクの運転と同様に船の進行方向が変わる。別の例では、図10及び図11に示されているように、各スラスタ1010は、船から下方に延びたマウント1015に取り付けることができる。各スラスタ1010は、船の側面の外側に取り付けて、安定性を付与し、かつ該船の回転半径を縮小することができる。一例では、スラスタ1010は、最大約7.408km/h(約4ノット)の速度で船を推進するように構成することができる。
【0019】
連続的な運転を必要とする船の長時間の配備を可能にするためには、船上にエネルギー回収システムを備えることが望ましいであろう。このシステムは、任意の適切な形態をとることができるが、1つの低コストの選択肢はソーラー式充電システムであり、該ソーラー式充電システムは、船の貯蔵エネルギーを補給するように容易に構成することができる。ソーラー式充電システムは、図1に示されているように、船100の上面105に取り付けられた1つ以上のソーラーパネル120、及びバッテリと該ソーラーパネル120との間に接続された充電制御装置を備え得る。別の例では、ソーラーパネルは、冷却及びガラス表面の汚れ防止のために水面下に取り付けることができる。例えば、ソーラーパネルは、水面下0〜15センチメートルの深さで船の下に取り付けることができる。より好ましくは、ソーラーパネルは、水面下5〜10センチメートルの深さで船の下に取り付けることができる。
【0020】
エネルギーは、任意の適切な形式、例えば、バッテリに蓄えることができる。一例では、バッテリは、リチウムポリマーバッテリとすることができる。バッテリは、バッテリの充電及び放電を柔軟にするために複数のバンクに分割することができる。例えば、スマート充電戦略を使用してバッテリの寿命を向上させることができる。複数のバッテリバンクを有することにより、貯蔵システムに冗長性が得られるため、1つのバッテリバンクが故障した場合でも、他のバンクは機能し続ける。
【0021】
船は、風力エネルギーを利用するシステムを備え得る。例えば、船は、風の条件、例えば、風速及び風向に基づいて展開及び格納が可能な帆を備え得る。例えば、風速が適切な場合は、帆は、船又は該船自体の上面から延出したマストから展開することができる。しかしながら、風が不適切になった場合は、船の転覆を防止するために帆を格納することができる。あるいは、船は、バッテリを充電するように構成された風力タービンを備え得る。風力タービンは、船の上面に取り付けることができ、かつ固定ピッチ又は可変ピッチの羽根を有し得る。風力タービンは、悪天候の際のタービンの損傷を防止するため、及び強風のさなかに該風力タービンが帆として機能して船を転覆させるのを防止するために格納可能にすることができる。
【0022】
利用可能な貯蔵エネルギーの全てが消費されないように、電力の使用を慎重に制御することができる。システムは、海洋動物又は物体の後を追って追跡する最適な方法を決定する際に様々な情報源を考慮することができる。動物の動きの特徴が分かっている場合は(例えば、動物が、一般的には一定の距離を移動した後に休息する)、その情報を使用して船の追跡効率を改善することができる。一例では、動物が特定の速度で移動する場合、動物が最終的には停止して休息し、船が該動物に追いつくという予測の基に、船は、より遅い速度で進んでエネルギーを節約することができる。このアプローチでは、動物が船のセンサの限界に達して該動物を見失わないように、船は、該動物の位置を連続的に監視する必要がある。
【0023】
船は、該船を推進させる速度を選択する際に天候を考慮することができる。数日間の晴天が予測される場合は、十分な太陽エネルギーがこれから数日間収集されると予想され、該船は、エネルギーの節約をそれほど考慮しなくても良く、動物をより積極的に追跡することができる。また、船は、遠隔通信基地に情報を送信する頻度を高めることができる。逆に、数日間の曇天が予測される場合は、太陽エネルギーが殆ど収集されないと予想され、システムは、そのエネルギーの使用をより控えることができる。同様に、ルーチンの機能の頻度を減らすことができ、かつ必要な場合にのみ推進システムを使用することができる。また、船の特定の部分、例えば、センサ及びデータロガーを、十分なエネルギーの貯蔵が再び達成されるまで一時的に作動停止させることができる。また、一次バッテリが完全に使い切られたら、バックアップバッテリを作動させることも可能である。
【0024】
船は、動物を追跡するコースを選択する際に海流の情報を考慮することができる。これにより、システムは、海流の方向及び程度を考慮することによって電力消費を低減することができる。例えば、システムは、迂回ルートが、該システムが卓越流に向かって進まなければならない直行ルートよりも速く、かつ電力消費が少ないか否かを決定することができる。海流をさらに利用するために、船は、水中帆(underwater sail)を備え得る。この水中帆は、必要ない場合は格納することができる。水中帆は、ラダーと同様に、船に安定性を付与し、かつ強風の際に転覆の可能性を低くするために展開することができる。さらに安定性を高めるために、船は、図11及び図12に示されているようにスタビライザ1005を備え得る。一例では、スタビライザ1005は、確実に浮揚性とすることができ、かつ船のそれぞれの角に配設することができる。
【0025】
音響ハイドロフォンは、典型的には、圧力変化を受けると電気を発生する圧電トランスデューサを備える。音波は圧力変化であるため、圧電トランスデューサは、音響トランスデューサによって送信された音波を電気信号に変換する。周知の方法により、様々なハイドロフォンから得られる電気信号を使用して、ハイドロフォンアレイに対する音響トランスデューサの位置を決定することができる。次いで、船は、該船自体と音響トランスデューサとの間の距離を縮めるために自己推進することができる。
【0026】
船の位置に対する動物の位置を決定するために、船100は、任意の適切な方法で該船に取り付けられた少なくとも1つのハイドロフォンを備え得る。例えば、ハイドロフォンは、船の下の水中に沈めることができる、又は該船の胴体に取り付ける、もしくは該胴体の中に配設して水に露出させることができる。一例では、ハイドロフォン405は、図4図6に示されているように、ハイドロフォンアレイ410、例えば、船100の底部に三角形のアレイに配置された3つのハイドロフォンの一部とすることができる。各ハイドロフォン405は、信号を処理又は増幅するように構成された、図13に示されている、独立増幅回路1305に接続することができる。ハイドロフォン405が、適切なハイドロフォンアレイ410に配設されている場合は、図6に示されているように、音響トランスデューサ605のアレイ410に対するおおよその方向を、マイクロプロセッサによって決定することができる。
【0027】
一例では、船は、図4図6に示されているように六分儀を形成するハイドロフォンアレイ410を使用する。音響送信機(「タグ」)605は、音響信号(「ピング」)を送信することができ、該音響信号は、該音響送信機605の位置に対する各ハイドロフォンの位置によって決まる異なる時間に個々のハイドロフォン405によって検出することができる。ハイドロフォン405は、音響信号が各ハイドロフォンに到達する順序を決定することができるマイクロプロセッサに接続することができる。この受信の順番に基づいて、六分儀に対するタグ605の位置を決定することができる。図6に示されている例では、音響信号は、まず第1のハイドロフォン610によって受信され、次いで第2のハイドロフォン615によって受信され、最後に第3のハイドロフォン620によって受信され得る。表1に示されているように、この順番は、六分儀Aに対応し、音響信号は、六分儀Aの範囲内の位置を起源とすることを示す。
【0028】
表 1
【表1】
この例では、船は、スラスタに動力を供給して音響信号の起源である位置に該船の進行方向を合わせ、標的の動物又は物体を追跡し続けることができる。進行方向修正のこのプロセスは、正確な追跡を可能にするために連続して行う、又は定期的に繰り返すことができる。マイクロプロセッサは、本明細書で説明される任意のシステム又はセンサからの入力を受信して追跡の精度をさらに高め、より効率的に追跡するように構成することができる。
【0029】
動物又は物体の移動方向が決定されたら、船は、これに応じることができる。船はまた、音響トランスデューサ605からハイドロフォンアレイまでの距離を計算することもできる。この距離が分かると、船は、時間が経過すると、この距離情報から動物の速度を決定することができ、これにより、該船がどの程度積極的に該動物を追跡するべきかが分かるため、より高度に対応することができる。
【0030】
任意の適切な種類のハイドロフォン又は同等の装置を使用して、追跡を容易にすることができる。同様に、既存のハイドロフォンに対する改善点が見出されたら、その装置を船に使用することができる。一例では、ハイドロフォン405は、動物に取り付けられた音響送信機605から送信される信号を集束させる、球体で覆われた集束トランスデューサとすることができる。
【0031】
船は、該船100に取り付けられた2方向通信モジュールを備えることができ、該通信モジュールは、遠隔通信基地に対して通信信号を送信及び受信するように構成することができる。通信モジュールは、図1に示されているように、船100に取り付けるか、又は情報を確実に送受信する該モジュールの能力を高めるために該船の上面105から上方に延出したマスト130に取り付けることができる。一例では、マスト130は、船の上に約150センチメートル延出させることができる。通信モジュールを海面よりも高くすることは、うねり又は風波によって引き起こされる信号の減衰を回避するのに役立ち得る。通信モジュールは、船上の他の全ての電気部品と同様に、1つ以上の防水ケース又は区画に収納することができるが、通信モジュールを船よりも高くすることにより、連続的な水没により永続される海水の腐食作用に曝されにくくして該モジュールをさらに保護することができる。
【0032】
通信モジュールは、UHF、GSM(登録商標)、及び/又はサテライト通信システムを含み得る。これらの各システムは、十分に開発され信頼性が高く、冗長通信システムを組み込むことで、信頼性をさらに高めることができる。必ずしも必要ではないが、冗長システムを有することにより、信号を送信及び受信する適切なチャネル又は周波数を選択する際により多くの選択肢を提供することができる。また、遠隔通信基地に対する船の位置及び貯蔵エネルギーの量によって、該船は、消費電力を最小にすると共に、通信の成功の可能性を最大にする適切な通信モードを選択することができる。陸上、外航船、又は任意の種類の乗物に設置することができる遠隔通信基地の使用者は、高水準コマンドを通信モジュールに送信して、船の任務を即座に変更することができる。このような変更により、使用者は、特定の危険、例えば、船舶の通過や悪天候を回避するように船に命令することができる。また、遠隔では解決できない問題が検出された場合、又は船が追跡している動物もしくは物体を見失った場合は、該船に帰還命令を出すこともできる。
【0033】
遠隔通信基地からコマンド及び情報を受信するのに加えて、船は、該遠隔通信基地に情報を送信することもできる。例えば、通信モジュールは、様々なセンサから得られる情報、例えば、水温及び海流情報、並びに様々な搭載システム、例えば、推進システム及びエネルギー貯蔵システムから得られる情報に基づいてリアルタイム更新及び状態報告を送信することができる。船から遠隔通信基地への1回のサンプル送信は、情報、例えば、バッテリの充電レベル、船の時間に対する速度、動物の時間に対する位置、動物の時間に対する速度、動物の時間に対する深度、及び船の時間に対するGPS座標を含む。
【0034】
船と遠隔通信基地との間の長距離の通信を改善するために、通信リレーを使用することができる。通信リレーは、船と遠隔通信基地との間の任意の位置に配置することができる。例えば、通信リレーは、外航船又は任意の種類の航空機、例えば、無線操縦の飛行機もしくは高高度飛行船に搭載することができる。通信リレーは、船の有効範囲を拡大することができ、かつ遠隔通信基地に対する長距離の信号の送受信に関連した消費電力を低減することができる。通信リレーは、遠隔通信基地を容易に設置できない過酷な場所又は遠い場所、例えば、北極に船が配備されたときに特に有用であり得る。
【0035】
船は、様々な海洋学的センサを備え得る。例えば、船は、水面温度、水の塩分濃度、海水の透明度、海流情報、プランクトン濃度、水深、水の伝導度、又は酸素濃度を決定するために1つ以上のセンサを備え得る。同様のセットの遠隔センサを音響送信機に取り付けることができ、かつ遠隔センサ情報を船に送信し、該情報をハイドロフォンが受信することができる。従って、船は、動物に取り付けられて海面よりも十分に深い可能性が高い音響トランスデューサの近傍の状態についての情報を得ることができる。これにより、動物の行動及び嗜好についての有用な情報を提供することができる。
【0036】
船は、図7に示されているように、1つ以上の回路基板705を備え得る。一例では、回路基板705は、約5.08×5.08cm(2×2インチ)未満のサイズを有し得る。回路基板は、図2に示されているように、ソーラーパネル120の下に位置する水密区画205内に収納することができる。回路基板は、船の様々な構成要素専用の様々な制御及び処理システムを備え得る。一例では、主制御基板が、船上の複数の他の回路基板からデータを受信して処理することができる。より詳細には、主回路基板が、センサ情報、推進システムの情報、及びバッテリの充電情報を得て処理し、そしてリアルタイムデータを出力することができ、該リアルタイムデータは、メモリに保存しても良いし、又は遠隔通信基地に送信しても良い。回路基板は、ローカルでインストールされたソフトウェアに依存し得る。船は、該船からのデータの処理及び任務のコマンドの決定を遠隔通信基地に依存することができ、これらのコマンドが該船に送信され、実行され得る。特定の計算を遠隔通信基地に委託することにより、船はエネルギーを節約することができる。
【0037】
船100は、例えば、デジタルコンパス、GPS受信機、及び/又は加速度計を有し得る航海モジュールを含み得る。航海モジュールは、回路基板に組み入れられた1つ以上のこれらの航海構成要素を含み得る。航海モジュールは、船が、該船の向き、移動速度、及び加速度を決定することを可能にし得る。航海モジュールは、ハイドロフォンアレイ410と通信して、該ハイドロフォンアレイに対する音響送信機605の方向及び距離を決定することができる。
【0038】
船は、様々な構成要素及びシステムを統合して、これらの様々な構成要素とシステムとの間の通信を可能にする中央制御モジュールを備え得る。例えば、中央制御モジュールは、航海モジュールからの位置、向き、及び速度についての情報の受信を可能にし、これにより、この情報に従って推進システムを制御することができる。同様に、中央制御モジュールは、通信モジュールが、航海モジュール及び推進システムから情報を受信して、遠隔通信基地に送信することを可能にする。次いで、遠隔通信基地の使用者は、この情報を再検討して、必要に応じて船に対する新しいコマンドを発行することができる。あるいは、計算を船上で完了し、船は、ホストの因子及び本明細書で説明されたセンサ情報に基づいて任務を自動修正することができる。
【0039】
本明細書に開示されるシステム及び方法は、ジンベイザメの追跡に限定されるものではなく、あらゆる種類の海洋動物、物体、水中船、又は人間にも使用することができる。このシステム及び方法は、単調な作業、例えば、海底のマッピング、又は海水温及び塩分濃度の測定にも使用することができる。このシステム及び方法はまた、危険な活動、例えば、夜間作業又は軍事行動にも使用することができる。本明細書に開示されるシステム及び方法は、例えば、環境管理及び保護プログラム、エコツーリズム、レクリエーション、公的及び民間の研究、並びに防衛を含む様々な市場において幅広い適用性を有する。
【0040】
本明細書に開示されるシステム及び方法は、海面下のスキューバダイバーの追跡用の安全装置として使用することができる。例えば、スキューバダイバーが音響送信機を携帯して、船が該スキューバダイバーの動きを追跡することができ、これにより、ダイビングボートの船長が、該ダイバーの位置を容易に追跡することができる。船の視認性を高めるために、該船は、マスト又はその上面に取り付けられた明るい色の旗又はライトを備え得る。船上の通信モジュールを使用して、ダイバーとダイビングボートの船長との間で情報を中継することができる。
【0041】
別の例では、船は、スキューバダイバーの検出器具としても機能し得る。例えば、スキューバダイバーは、無人水上船と音響的に通信するように構成された水中検出装置を有し得る。水中検出装置は、引用により全開示内容が本明細書中に組み込まれている2011年7月28日出願の米国特許出願第13/193,295号及び2011年8月1日出願の国際出願PCT/US2011/046085号に記載されているように、防水ケース内に収納されるタブレットコンピュータ又は他の電子装置を備え得る。一例では、水中検出装置は、無人水上船の音響送信機及びハイドロフォンアレイと互換性がある音響送信機及びハイドロフォンを備える通信装置を備え得る。
【0042】
水中検出装置は、水中音響通信を行うための構成要素、例えば、音響送信機を備え得る。メッセージ、例えば、電話、テキストメッセージ、電子メール、データ、又はファイルは、マイクロプロセッサによって符号化して音波にし、該音波を、水中検出装置の音響送信機が、水中を介して無人水上船のハイドロフォンアレイに送信することができる。音波の受信に応答して、水上船上のハイドロフォンアレイが、電気信号を出力し、マイクロプロセッサが、該電気信号を解読して保存する、又は遠隔通信基地に送信することができる。水中検出装置は、無人水上船の音響送信機からの水中音響通信を受信する構成要素、例えば、ハイドロフォンを備え得る。
【0043】
本システムは、2匹以上の動物、例えば、魚群の中の数匹の魚を同時に追跡し、これにより、たとえ1匹の魚を見失っても該システムが継続して残りの魚を追跡できるように構成することができる。これに対応するために、該システムは、1つの音響周波数でいくつかの個々の個体の同時検出を可能にする、携帯電話に採用されているものと同様の符号分割多重アクセス方式(CDMA)を利用することができる。
【0044】
1つ以上の実施態様の詳細は、添付の図面及び明細書に記載されている。他の特徴、目的、及び利点は、明細書、図面、及び特許請求の範囲から明らかになるであろう。本発明の多数の実施態様を説明してきたが、本発明の概念及び範囲から逸脱することなく様々な変更が可能であることを理解されたい。また、添付の図面は、必ずしも縮尺通りである必要はなく、本発明の様々な特徴及び基本原理のやや簡易的な表現を表すことも理解されたい。
図1
図2
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図5
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