(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記絶縁システムは、機能的絶縁バリアと患者絶縁バリアとを含み、前記容量性カップリングは、前記患者絶縁バリアを通して接続され、前記絶縁システムの前記機能的接地は、前記機能的絶縁バリアによって前記制御回路段から電気的に絶縁されている、請求項1に記載のシステム。
前記絶縁システムは、絶縁された機能段を含み、前記絶縁された機能段は、前記機能的接地と、前記患者回路段と前記制御回路段との間で前記信号および電力を通過させるように構成された接続と、を含み、前記絶縁された機能段は、前記機能的絶縁バリアを介して前記制御回路段から絶縁され、かつ、前記患者絶縁バリアを介して前記患者回路段から絶縁されている、請求項2に記載のシステム。
前記容量性カップリングの静電容量は、前記患者の接地とアース接地との間の寄生容量を超えて、前記患者回路段のノイズを低減する低インピーダンスの経路を与えるように構成されている、請求項1に記載のシステム。
請求項1に記載の前記医療用増幅器システムを複数備えるマルチチャネル増幅器システムであって、前記複数の医療用増幅器システムは各々、少なくとも1つの信号を受信するように構成されている、システム。
前記患者回路段は、前記受信された電気信号を増幅するように構成された差動増幅器を備え、前記差動増幅器は、前記絶縁システムによってアース接地から電気的に絶縁された前記患者の接地に結合され、前記容量性カップリングは、測定対象となる前記電気信号の帯域幅内の外部ノイズ用に、前記差動増幅器の入力からの低インピーダンスの経路を与える、請求項1〜7のいずれか1項に記載のシステム。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本開示は、医療用増幅器の絶縁システムおよび関連する方法に関する。一例として、医療用増幅器システムは、増幅器を含む患者回路と非絶縁制御/処理回路との間に、複数の絶縁段を有する絶縁システムを含んでもよい。たとえば、患者の接地と絶縁された機能的接地とを容量的に結合することによって、患者側の絶縁バリアを通して、静電容量を与えることができる。このような接地間に静電容量があると、ノイズ電流用に、増幅器システムのアース接地に対する寄生容量よりインピーダンスの低い経路を確立することができる。よって、この医療用増幅器は、寄生容量を介して患者とアース接地との間を流れる電流の大きさを実質的に小さくすることができるので、信号対雑音比を高めつつ、絶縁および漏れ電流の要求水準を満たすか超えることができる。
【0009】
図1は、医療用増幅器システム12を含むシステム10の一例を示す。医療用増幅器システム12は、たとえば患者14に治療を施したり患者14から診断情報を取得したりするためなどの、多岐にわたる医療用途で実現可能である。医療用増幅器システム12は、患者回路段16を含み、これは、電極またはプローブなどのセンサー素子18で終端している導電性のリードを介して患者14に結合してもよい。センサー素子は受動的なセンサー電極であってもよいし、電極に能動的な回路部品を実装してもよい。
【0010】
このため、患者回路段16は、センサー素子18を介して患者14から信号SGNL
PTNTを受信できる。センサー素子18はいくつあってもよく、患者回路16は、このような導体の各々から提供される信号を処理するための回路を含んでもよい。センサー素子18は、非侵襲的(たとえば、患者の体表面に配置される)であってもよいし、および/または侵襲的(たとえば、経皮的にまたはそれ以外の方法で患者の体内に配置される)であってもよい。
【0011】
図1の概略図では、患者回路段16は、信号回路20と電力回路22とを含む。信号回路20と電力回路22とを含む患者回路16は、患者の接地24を基準に電気的に動作可能である。電力回路22は、信号回路20を含む患者回路16に電力(たとえば安定化DC電力)を送るように構成可能である。説明を容易にするために、信号回路20と電力回路22を別々のブロックで図示してあるが、他の例では電力回路と処理回路を構造的に一体にしてもよいことは、理解できよう。
【0012】
信号回路20は、解剖学的に生じたインパルスなどの患者信号SGNL
PTNTを各々増幅するよう構成可能な1つ以上の増幅器を含んでもよい。信号回路20は、信号SGNL
PTNTを増幅して、これに対応する増幅信号SGNL
AMPを1つ以上の対応する非絶縁回路32に供給するよう構成可能である。非絶縁回路32は、患者の接地24から電気的に絶縁されたアース接地を基準に、電気的に動作可能である。具体的には、増幅器システム12は、患者回路を非絶縁回路32から電気的に絶縁するように構成された絶縁システム25を含む。
【0013】
さらに別の例として、信号回路20は、(たとえば、A/D変換器を含むなどの方法によって)増幅信号SGNL
AMPをデジタル信号として供給するように構成してもよい。一例として、非絶縁回路32は、たとえば絶縁された患者回路16から供給される増幅信号SGNL
AMPの信号調整およびフィルタリングを行うための処理回路を含んでもよい。こうすることで、非絶縁回路32は、信号経路を介して、(たとえばECマッピングハードウェアおよびソフトウェアおよび/または他の診断機器による)以後の処理用に、処理済みの増幅信号SGNL
AMPを供給できる。
【0014】
他の例では、非絶縁回路32は、患者回路段16および/または患者14への制御信号を生成してもよい。たとえば、この制御信号を使用して、信号回路20を含む患者回路段16を設定してもよい。もうひとつの例として、この制御信号を使用して、絶縁システム25を通しての患者14に対する治療を制御してもよい。あるいは、制御信号を患者回路16によって生成し、絶縁システム25を通る信号経路で非絶縁回路32に供給してもよい。
【0015】
絶縁システム25は、患者回路16を非絶縁回路32から電気的に絶縁するように構成されている。絶縁システム25は、2つ以上の絶縁バリア26および30を含んでもよい。各絶縁バリア26、30は、データ/情報信号に対して、あるタイプの絶縁(たとえば、光学的絶縁)を行い、患者回路と非絶縁回路32との間に供給されている電力信号に対しては、他のタイプの電気的な絶縁(たとえば、磁気的絶縁)を行うように構成可能である。患者回路と非絶縁回路との間でデータや電力を送受信するのに、他のタイプの絶縁を実現することも可能である。
【0016】
図1の例では、非絶縁回路32を、電源(図示せず;たとえば、約120VAC/60Hzもしくは230VAC/50Hz、または安定化DC電源)からの入力電力を受けるように結合してもよい。たとえば、非絶縁回路32を、ライン電圧とアース接地36との間に接続してもよい。このように、絶縁システム25は、回路32が接続されるアース接地36に対して患者の接地24が電気的に結合されることのないようにして、患者14と電源とを電気的に絶縁するように構成されている。よって、非絶縁回路32と患者回路16との間では、絶縁システム25を通して、データおよび情報信号(たとえば、信号SGNL
AMPを含む)と電力とを送受信可能である。
図1の例では、非絶縁回路32は、アース接地36と結合される形で図示されているが、患者の接地24から電気的に絶縁された多岐にわたる低電圧振幅が低電圧レール基準になり得るため、アース接地に限定されないことは、理解できよう。
【0017】
状況によっては、絶縁システム25を使用すると、ライン周波数ノイズや測定対象となる帯域幅内に存在する他のノイズなどの放射ノイズに対する医療用増幅器システム12の感受性がさらに増してしてしまうことがある。この感受性は、アース接地36に対する患者の接地24の絶縁状態に応じて決まる。患者14を絶縁すると、たとえば患者14に作用する電界を基準として患者の接地の電位が「フロート」して、患者の接地24からアース接地36への寄生容量C
Pを介した漏れ電流を発生させることがある。装置やケーブルの周囲には寄生容量C
Pが分散しているため、装置のあらゆる部分を流れる電流が変化することになる。結果として、患者回路段16では、アース接地36に対して十分に大きなコモンモード電圧が生じる。コモンモード電圧は、増幅信号SGNL
AMPの差動電圧の原因となり得るコモンモード電流を発生させる場合があるが、このような差動電圧は、医療用増幅器システム12で除去することはできない。たとえば、コモンモード電流は、信号回路20に付帯する入力抵抗に対する差動電圧を生み出して、信号SGNL
AMPのノイズとして送られることがある。整合抵抗器を使用すれば、漏れ電流の量は抑えられるかもしれないが、これだけでは、高い(−100dBを超える、たとえば約−140dB以上の)コモンモード除去を達成するには不十分なことが多い。
【0018】
コモンモード電流を実質的に低減するために、医療用増幅器システム12は、患者の接地24と機能的接地28(絶縁システムの別々の絶縁段の間にある)との間に、患者絶縁システム25を通して接続された容量性カップリングC
GNDを含む。たとえば、容量性カップリングC
GNDは、寄生容量C
Pよりも静電容量の大きい1つ以上の物理的コンデンサーとして構成してもよい。結果として、容量性カップリングC
GNDは、絶縁システム25を通る、よりインピーダンスの低い経路を作り出すことができる。低インピーダンスの経路は、患者絶縁段とほぼ同じ電圧で、機能的絶縁段を効果的にフロートさせる。このような低インピーダンスの経路は、寄生容量C
Pの電圧差を実質的に低減する。結果として、コモンモード電流の原因となり得る漏れ電流の大半が、寄生容量C
Pではなく容量性カップリングC
GNDを流れるようになり、漏れ電流の有意な低減と、これに対応する信号回路20の入力における差動電圧の低減につながる。さらにその結果として、増幅器の入力で検知される信号は、コモンモード除去比が改善(たとえば、約20dBぶん、またはそれ以上)されることになる。
【0019】
また、システム10における漏れ電流の総量は、単一の絶縁バリアを有するシステムとほぼ同一である。これは、漏れ電流の大きさが、患者段における、アース接地に対する最終的な絶縁バリアを通した寄生容量の大きさ次第で決まるためである。たとえば本明細書で開示するように機能的絶縁段を追加しても、寄生容量の大きさは変化しないため、患者の安全が損なわれることはない。
【0020】
図2は、実装可能な医療用増幅器システム50の一例の概略図を示す。増幅器システム50は、患者側回路段52を含む。この患者側回路段52は、たとえば、
図1の例における医療用増幅器システム12の患者回路段16と対応するものであってもよい。したがって、
図2の例についての以下の説明では、
図1を参照できる。
【0021】
患者回路段52は、患者入力信号SGNL
PTNTに応答して増幅信号SGNL
AMPを生成するように構成された増幅器54を含む。患者信号SGNL
PTNTは、たとえば患者と結合された導電性の素子(たとえば、センサー電極)を介して患者で測定される1つ以上の電気信号に対応してもよい。いくつかの例では、導電性素子は、患者の胴に分散された複数の電極(たとえば胴全体またはそのあらかじめ定められた部分を非侵襲的に覆うもの)であってもよい。たとえば電極は、心電図マッピング用の電気信号を取得する目的や、心電計(ECG)または脳波計(EEG)による診断情報を集めるといった目的で、患者の胴に配置されてもよい。また、各電極は、対応する患者信号SGNL
PTNTをそれぞれの増幅器54に供給する、それぞれの入力チャネルを画定してもよい。これらの増幅器は各々、本明細書に記載の教示内容に基づいて、電気的に絶縁されていてもよい。増幅器54のみならず他の患者側回路52も、患者側電力回路62から電力を得てもよい。この患者側電力回路62は、本明細書で開示するような絶縁システム63の電力経路を介して、電力を供給されている。このように、電力回路62は、患者の接地60に対応する低電圧レールを基準に、V+で示される高電圧レール(たとえば安定化電圧)を確立できる。また、同様に、電力回路62はたとえば患者の接地60を基準に負の電圧レールV−(図示せず)を確立できる。
【0022】
図2の単純化した例では、増幅器54は、非反転入力に結合された第1の入力抵抗R
1と、反転入力に結合された第2の入力抵抗R
2とを含んでもよい。こうして、増幅器54は、増幅された出力信号SGNL
AMPを、64および66で示す2つ以上の絶縁段を介して信号処理/制御回路(図示しないが、たとえば、
図1の回路32を参照)に供給できる。各絶縁段64、66は、その入力および出力に電気的絶縁を与えるような方法で、電力やデータをやり取りするように構成してもよい。実装対象となる電気的絶縁の方法は、設計上の考慮事項や用途ごとの要件に応じて変わり得るため、データおよび電力の絶縁については、絶縁バリア64および66に対応するブロックをまたぐ点線で図示してある。上述したように、たとえばデータの通信用には、光学的絶縁を利用してもよく、これには、たとえば増幅された出力信号SGNL
AMPのデジタル光通信を用いてもよい。磁気的な、または誘導的な電気的絶縁(たとえば、変圧器を介するなど)を利用して、絶縁バリア64および66各々を介して電力をやり取りすることなども可能である。
【0023】
図2の例では、医療用増幅器システム50は、患者信号SGNL
PTNT上に印加され得るノイズ電圧V
NOISEを表すために、電圧源58を含むものとして示されている。もしも本明細書に記載の教示内容に基づいて実装される絶縁システムが存在しないと、電圧V
NOISEは、入力抵抗R
1およびR
2の各々を流れる電流(
図2の例では、それぞれ電流I
1およびI
2として示される)を誘導してしまう。これらの電流は、回路の場所によって寄生容量が異なるがゆえ、変化することになる。また、誘導される電流I
1およびI
2の相対的な大きさは、増幅器54の内部コンポーネントでの変動はもとより、抵抗R
1およびR
2の抵抗値が原因で変化する場合もあるため、増幅器54の入力に差動電圧V
DIFFが現れる。よって、この差動電圧V
DIFFは出力信号SGNL
AMPにおいてノイズとして伝搬されることがあり、抑制せずにおくと、絶縁バリアとクロスして、付帯する医療用増幅器システムの性能を低下させる場合がある。
【0024】
本明細書に開示するような方法で絶縁を実現すれば、患者の接地60は「フロート」される。本明細書では、これをノイズ電圧V
NOISEと対応する電流I
NOISE(患者の接地60からアース接地70まで寄生容量C
Pを介して流れる電流)で表す。寄生容量C
Pは、たとえば患者回路段52を患者につなぐケーブルが原因で生じる場合もあるし、患者回路段52を収容した金属製のケースによって生じる場合もあり、その他さまざまな形で生じ得る。寄生容量C
Pは、電流I
NOISEの一部をアース接地70への電流として導通するような、実質的に高インピーダンスの電流経路として示すことができる。
【0025】
ノイズ電圧V
NOISEの影響を緩和するために、システム50は、(患者の接地に接続された)患者回路のまわりのシールドと、患者の接地60と機能的接地68との間に絶縁バリア64を通して接続された容量性カップリングC
GNDと、を含む。容量性カップリングC
GNDは、それぞれの絶縁バリア64と66との間の機能段にある機能的接地68と患者の接地60との間に低インピーダンスの電流経路を生じるような、想定される寄生容量C
Pより大きい(C
GND>C
P)静電容量で構成される。このため、容量性カップリングC
GNDは、電流I
NOISEのうちのずっと多くの部分を電流I
GNDとして機能的接地68まで導通させることができる。機能的接地68は、1つ以上の追加の絶縁バリア66によって、アース接地70から電気的に絶縁されている。
【0026】
電流I
GNDをアース接地70まで導通させる容量性カップリングC
GNDを用いることで、誘導される電流I
1およびI
2に基づく増幅器54の入力におけるノイズの影響を、大幅に低減することが可能である。増幅器54の入力でノイズが相当に低減されると、これに伴って信号SGNL
AMPのノイズも低減可能である。たとえば、従来の回路と、患者の接地と機能的接地68との間に絶縁バリア64を介して結合される容量性カップリングC
GNDを用いた回路との間で、コモンモード除去比の最大約20dBの改善が想定可能である。このため、付帯する医療用増幅器システム50(たとえば、医療用増幅器システム12)では、アース接地70を含む付帯する電源から患者を絶縁した状態に維持することができ、患者から受信した後に絶縁システムを通して制御/処理回路に送信される信号SGNL
AMPのノイズを緩和するという観点で、より優れた性能を達成可能である。
【0027】
図3は、絶縁システム100の一例を示す。このシステムは、たとえば
図1および
図2の例で示した医療用増幅器システム中で実装可能である。絶縁システム100は、患者側回路102と非絶縁段104との間に接続されている。
図3の例では、患者側回路102は、本明細書で開示するように(たとえば、
図2)、増幅器、フィルターなどを含んでもよい。また、
図3に示すように、患者側回路102は、絶縁システムを介して付帯する非絶縁電力回路(たとえば、電源)114から電力を受けるように結合された、患者電力回路106を含んでもよい。
【0028】
患者電力回路106は、1つ以上の電圧レールを駆動してもよいし、患者の接地110を確立してもよい。たとえば、患者電力回路106は、108で示すA/D変換器をはじめとする他の患者側回路に電力を供給するための電圧レールを提供できる。このようにして、検知された入力信号のデジタルバージョンを、絶縁システム100の信号経路に送られる増幅信号SGNL
AMPとして供給できる。こうすることで、絶縁システム100は、対応するデジタル出力を、非絶縁信号処理回路112を含む非絶縁段に供給可能である。フィルタリング、デジタル信号処理などを含む信号処理回路112は、測定された信号を整えるように設計されている。信号処理回路112はさらに、ECマッピングまたはECGおよび/またはEEGによる診断情報などの、検知された信号の後処理および可視化(これらは通常、高い信号対雑音比を必要とする)を含んでもよい。非絶縁電力回路114は、非絶縁信号処理回路へ直接的に電力を供給し、かつ、患者電力回路へは、本明細書で開示するような絶縁バリアを通して電力を供給するように構成されてもよい。
【0029】
本明細書で開示するように、絶縁システム100は、120および122で示すような複数の絶縁バリアを含んでもよい。絶縁バリア120と122との間には、機能段124が設けられてもよい。この医療用増幅器システムは、2つの絶縁バリア120および122に限定されるものではなく、本明細書に開示するよりも多くの絶縁段を含んでもよいことは、理解されたい。2つ以上の絶縁段を備えることは、それぞれの段を、特定の医療装置基準に定められている所要の耐電圧を比例按分するように設計できる、という別の利点もある。たとえば、4KV ACの耐電圧が必要な事例で2つの絶縁段120および122が与えられている場合、各絶縁段の構成要素(たとえば、変圧器および光アイソレーター)を、約2KV ACの耐電圧で設計できる。また、4KVではなく2KVを絶縁するのであれば、変圧器のほうが効率的である。
【0030】
患者側絶縁バリア120は、信号経路と電力の両方を電気的に絶縁するための複数の経路を含んでもよい。たとえば、絶縁バリア120を通る信号経路を与える目的で、A/D変換器108と機能段124との間に、光アイソレーター回路を接続してもよい。光学的絶縁素子(たとえば、オプトアイソレーターまたはオプトカプラーを含む)は、たとえば患者電力回路からの電力を受信可能である。電力経路用の電気的な絶縁は、変圧器128を用いて実現可能である。
【0031】
本明細書で開示するように、絶縁システム100は、変圧器128に付帯する患者の接地と、機能段124に存在する機能的接地129との間に接続された容量性カップリングC
GNDを含んでもよい。絶縁段122は、絶縁段120と同一であっても異なっていてもよく、たとえば、信号経路用の光学的絶縁素子130と、電力経路に沿って電気的に絶縁するための変圧器132とを含んでもよい。
【0032】
図3の例では、機能段124は、光学的絶縁素子126と130との間の信号経路のみならず、機能的電力回路も完成させるための、追加の回路および接続を含んでもよく、たとえば変圧器128と132との間に接続された接続136を含んでもよい。一例として、機能的絶縁段回路134は、増幅信号SGNL
AMPに対して追加の前処理を行うように構成された、追加のフィルタリングおよび/または増幅器を含んでもよい。たとえば、光学的絶縁素子126から供給されるデジタル信号に、デジタルフィルタリング処理を行ってもよい。また、患者電力回路106に供給される電力を改善するために、機能的電力回路136を介してフィルタリングおよび電力調整を実現してもよい。
【0033】
以上、絶縁段120および122の各々を、光学的絶縁素子と変圧器とを含むものとして開示したが、異なる段における絶縁のタイプは、(図面に示すように)同一であってもよいし、異なっていてもよい。また、情報を運ぶ信号および電力については、光絶縁および誘導絶縁とは異なる形態で絶縁してもよく、これはたとえば、容量的、巨大磁気抵抗的、電磁波、音響的、または機械的な手段を含んでもよい。
【0034】
さらに、ここでの医療用増幅器システムは、絶縁システムの2つ以上の信号チャネルで複数の患者信号SGNL
PTNTおよび増幅信号SGNL
AMPを通信できるよう、マルチチャネル機能を有するものとして説明してきた。このようなマルチチャネルの実施形態は、システムのそれぞれの絶縁段におけるそれぞれのチャネルで共有されるような、単一のアース接地、単一の機能的接地、単一の患者の接地を含んでもよい。それとは異なる例として、医療用増幅器システムは、各々が自己の相対的な接地接続を有するような、個別の医療用増幅器システムを個々のチャネルに対して実装してもよい。このように、医療用増幅器システムは、本明細書に開示したものとは異なる場合もあり得る多岐にわたる方法で構成可能である。
【0035】
以上説明してきたものは、例である。もちろん、構成要素または方法の考えられるあらゆる組み合わせを説明するのは不可能であるが、さらに別の多くの組み合わせや入れ替えが可能であることは、当業者であれば認識するであろう。このため、本発明は、添付の特許請求の範囲を含めて本出願の範囲に入るそのような変更、修正、改変すべてを包含することを意図している。本明細書で使用する場合、「含む(includes)」という表現は、含むことを意味するがこれに限定されるものではなく、「含んで(including)」という表現は、含んでいることを意味するがこれに限定されるものではない。「基づいて」という表現は、少なくとも部分的に基づくことを意味する。また、開示内容または特許請求の範囲で「a」、「an」、「第1の」または「もうひとつの」要素あるいはその等価物に言及する場合、これは、2つまたは3つ以上のそのような要素を必要とすることもなければ除外することもなく、1つまたは2つ以上のそのような要素を含むものと解釈されるべきである。