【課題を解決するための手段】
【0018】
上記目的は、独立項に従う、実質的に完全に組み立てられかつ直立した浮遊風力タービンの輸送および設置用の浮遊輸送および設置構造体、浮遊風力タービンおよび実質的に完全に組み立てられかつ直立した浮遊風力タービンを輸送および設置するための方法によって達成される。
【0019】
詳細には、当該目的は、実質的に完全に組み立てられかつ直立した浮遊風力タービンの輸送および設置用の浮遊輸送および設置構造体によって達成される。当該輸送および設置構造体は、浮遊風力タービンが安定しかつ輸送および設置構造体を移動することによって移動可能となるように、浮遊輸送および設置構造体を直立した浮遊風力タービンに着脱可能かつ一時的に固定するための固定手段を有する。
【0020】
また、上記目的は、本明細書において定義されるような浮遊輸送および設置構造体の固定手段に結合可能なカウンタ固定手段を有する浮遊風力タービンによって達成される。
【0021】
最後に、上記目的は、実質的に完全に組み立てられかつ直立した浮遊風力タービンの輸送および設置方法によって達成される。当該方法は、直立した浮遊風力タービンが安定し、輸送および設置構造体を移動させることによって移動可能なように、実質的に完全に組み立てられかつ直立した浮遊風力タービンを浮遊輸送および設置構造体に固定することと、浮遊輸送および設置構造体を指定位置まで移動させることにより浮遊風力タービンを指定位置に輸送することと、指定位置に設けられた固定手段に浮遊風力タービンを固定することと、固定された浮遊風力タービンから輸送および設置構造体を取り外し、それを風力タービンから分離することを含む。
【0022】
本願発明の主要な態様は、風力タービンが実質的に完全に組み立てられるように、より詳細には風力タービンが直立状態で移動可能であるように、浮遊風力タービンに取付可能で、好適に再利用可能な浮遊輸送および設置構造体を使用することである。これは、与えられた陸上クレーンおよび付加的に必要な機材の使用により、風力タービンが陸上で組み立て可能であり、タグボートまたは類似の標準的な移動装置を除いて、風力タービンを持ち上げまたは移動するための沖合装置が不要であることを意味する。この点で、実質的に完全に組み立てられることは、タグボートまたは類似の標準的な輸送およびリフト装置を除き、リフトおよび移動するための高価な沖合装置を使用することなく、沖合での設置が可能であるように、浮遊風力タービンが組み立てられることを意味する。
【0023】
好適には、浮遊輸送および設置構造体は、例えば、浮遊風力タービンが設置されるべき指定された沖合位置まで水平軸線に沿って移動可能な方法で、直立した浮遊風力タービンに固定される。また、浮遊輸送および設置構造体により、浮遊風力タービンの垂直方向の移動が可能となり、これは明細書で説明される。この垂直方向の移動は、例えば、浮遊風力タービンおよびその浮遊支持構造体をTLP支持構造体のテンドンに取り付ける際に有効である。
【0024】
浮遊輸送および設置構造体を浮遊風力タービンに一時的に結合することにより、輸送および設置構造体が再利用可能となり、設置コストを劇的に減少させることができる。理論的には、従来技術の周知の任意の固定手段が使用可能であるが、本願発明では好適に、必要に応じて容易に切断または取り外し可能な一時的な結合または固定手段を使用する。したがって、本願発明は、風力タービンを浮遊輸送および設置構造体から取り外すことがより複雑となる周知技術の溶接等のような結合手段は除外することを前提としている。
【0025】
詳細には、構造体は好適には、再利用可能、牽引可能、半潜水の輸送および設置構造体を与える。それは、浮遊風力タービンおよび/またはTLP支持構造体または類似部品に容易に脱着可能な予め組み立てられた単一ユニットからなる。
【0026】
また、再利用可能な浮遊輸送および設置構造体によってすべての必要な設置および移動手段が与えられるので、浮遊風力タービンのコストが減少する。このような例は、明細書で詳細に説明するように、輸送および設置構造体に加えて、別個のバラストまたは移動手段は必要ない場合である。
【0027】
好適には、浮遊輸送および設置構造体は、受動的構造であり、アクティブな牽引手段や、特に、モータを含まない。しかし、好適には、少なくともひとつのアクティブな牽引手段および特にタグボートに結合するための結合手段を有する。これは、実際の浮遊輸送および設置構造体のコストを削減し、タグボートのような標準的で比較的廉価なアクティブな牽引手段のみを必要とする。沖合の風力発電設備の設置および建設中にほとんどの場合すでに存在するので、特に、タグボートの使用は最も有利である。タグボートのような既存のサポート手段の多目的な使用はさらにコストを減少させる。
【0028】
好適には、浮遊輸送および設置構造体は、それぞれの手段をバラストおよびデバラストすることにより、特に、海水を取り込みかつ海水をはき出すことによって、浮遊輸送および設置構造体の浮遊深さが調節可能であるように構成されたバラストおよびデバラスト手段を有する。好適には、バラストまたはデバラストは、浮遊輸送および設置構造体が浮遊風力タービンに固定される場合、および/または、それが浮遊風力タービンから分離される場合に実行される。
【0029】
輸送および設置構造体は、浮遊輸送および設置フレームとともに浮遊風力タービンおよびその支持構造体の下降を生じさせるバラストによって好適に下げることができる。逆に、浮遊輸送および設置構造体は、浮遊輸送および設置構造体を上昇させるようにデバラストすることが可能であり、それによって、好適には取り付けられた浮遊風力タービンも上昇させることができる。
【0030】
上述したTLP構造の場合、したがって、浮遊輸送および設置構造体をバラストし、それを水中に沈め、取り付けられた浮遊風力タービンも下降させることができ、その後、アンカー止めされたテンドンおよびカテナリー係留ラインまたは類似のTLP固定手段を下降した浮遊風力タービンまたは浮遊風力タービンの浮遊支持構造に取り付けることができる。浮遊風力タービンをこれらのTLP固定手段に取り付けた後、浮遊輸送および設置構造体を固定した浮遊風力タービンから取り外し、それを上昇させるために浮遊輸送および設置構造体をデバラストし、それによって、固定した浮遊風力タービンからそれを分離することができる。
【0031】
言い換えれば、浮遊輸送および設置構造体は、沈めるために、特に、風力タービンの浮遊支持構造体を好適には完全に沈めるために、バラストおよびデバラストすることができる。このバラストおよびデバラスト可能な浮遊手段は、非固定構成に減衰および安定性を適応させ、かつ、輸送中の海水の抵抗に順応させるべく、取り付けられた輸送および設置構造体並びに浮遊風力タービンを荒れた海上および嵐の天候で牽引する際に有用である。
【0032】
海底または対応する固定物に固定された風力タービンを分離した後、浮遊輸送および設置構造体はデバラスト可能となり、それによって、その浮遊深さが減少し、水の抵抗が減少するために輸送コストが減少する。
【0033】
したがって、浮遊輸送および設置構造体は、風力タービンおよび特にその浮遊支持構造が海中に下降し、その結果、浮遊風力タービンおよび浮遊支持構造が海底にアンカーされるように、バラスト可能であることが好ましい。
【0034】
また、浮遊輸送および設置構造体は、その浮遊深さが調節可能である、固定した浮遊風力タービンからそれを分離するために、および/または、輸送中および特にタグボートによる牽引中に海水の抵抗を減少させるために、調節できるように、デバラスト可能であることが好ましい。
【0035】
好適には、浮遊輸送および設置構造体は、浮遊輸送および設置構造体が少なくとも部分的に浮遊風力タービンを包囲するように、浮遊風力タービンを収容可能な収容領域を有する。この収容領域は、好適には、風力タービンを浮遊輸送および設置構造体に固定するための固定ポイントを与え、それにより、固定が単純かつ効果的となる。また、この収容領域は、直立した浮遊風力タービンおよびその浮遊支持構造体の安全な支持を保証する。たとえ、荒れた天候条件のもとにおいても、風力タービンタワーへのダメージのリスクを最小限にする。
【0036】
好適には、収容領域および浮遊輸送および設置構造体は、特に浮遊風力タービンのタワーが少なくとも部分的に包囲されるように組み込まれる。このタワーは例えば、水平軸方向の風力タービンのエンジン室を、先端部で担持するタワーである。しかし、それは、垂直軸線方向の風力タービンを担持するタワーエレメントまたは類似のエレメントであってもよい。
【0037】
好適には、浮遊輸送および設置構造体は、浮遊風力タービンの周りの収容領域を可逆的に実質的に完全に包囲するための少なくともひとつの開閉構造または類似のゲート構造を有する。このゲート構造は、例えば、収容領域の内部で浮遊風力タービンを保護しつつ開閉可能なゲートであり、構造体に開口部を設けることによって浮遊風力タービンを浮遊輸送および設置構造体から好適に分離することができる。これは特に、沖合サイトにおいて浮遊風力タービンを取り外す際に有効である。
【0038】
好適には、ゲート構造は、輸送および設置構造体の少なくともひとつの側壁に適用され、それによって浮遊輸送および設置構造体は輸送するために実質的に完全に組み立てられた直立の風力タービンの周りに配置され、タービンまたは分解した輸送および設置構造体を持ち上げることなく、設置後に風力タービンの周りから除去できる。概して、浮遊輸送および設置構造体は、風力タービンを持ち上げるためのリフト手段なしで浮遊輸送および設置構造体への浮遊風力タービンの脱着および分離が可能であるように構成される。これは、風力タービンが非常に効果的かつ経済的に組み込まれかつ設置されており、特に、浮遊風力タービン支持構造体内にバラスト手段を組み込む必要がない。したがってバラスト手段は浮遊輸送および設置構造体の一部として設けられるのみである。
【0039】
好適には、浮遊輸送および設置構造体は、少なくとも部分的に浮遊支持構造体の頂部に配置可能および/または固定可能であるように組み込まれる。輸送および設置構造体を浮遊支持構造体の頂部および風力タービンベースの周りにそれぞれ配置することにより、輸送および設置構造体は、輸送するべき構造全体をサポートするように設計する必要がなくなり、既存の浮遊支持構造体の円柱ブイを有効利用することができる。
【0040】
概して、円柱ブイまたは風力タービンの浮遊支持構造体は、バラスト可能に作成される必要はなく、円柱ブイは効果的に利用可能である。製造および技術に関するフレキシビリティ、バラストおよび/または他の高価な特徴は、浮遊風力タービンおよびそのアンカーのコストを減少させるために、すべて再利用可能な輸送および設置構造体上に置かれる。風力発電設備全体のコストは、浮遊輸送および設置構造体を繰り返し使用することにより減少する。
【0041】
好適には、浮遊輸送および設置構造体はフレーム構造および特に格子構造を有する。
【0042】
さらに本願発明において、このフレームまたは格子構造は好適に浮遊風力タービンを取り付けるための包囲可能な収納領域を有する。フレーム状の輸送および設置構造体を与えることにより、材料の過剰な使用および重量が減少し、組み立てが簡単となり、かつ、浮遊輸送および設置構造体を扱うことが簡単となりコストが非常に安くなる。これは、特に、フレーム構造が中空エレメントから形成される場合に顕著である。
【0043】
好適には、浮遊輸送および設置構造体ならびに特にフレーム構造は、空洞チャンバを有し、特に中空エレメントはバラストおよびデバラスト浮遊手段を有する。輸送および設置構造、特に、フレームまたは別個の安定化ユニットの空洞部分は、バラスト可能に作成されており、構造体を重くして下降させ、輸送中に風力タービンを安定化させる。上述したように、TLPまたは類似の固定手段のカテナリー係留ラインまたはテンドンと結合するために、構造体全体を下降させることにより、浮遊風力タービンのアンカーが容易になる。好適には、構造体は、テンドンおよび/または係留ラインがたるんで、結合が容易になるような距離まで、下降される。
【0044】
もちろん、これらの空洞チャンバまたは浮遊手段もまた、浮遊輸送および設置構造に取付可能な別個の空洞チャンバまたは浮遊手段であってもよい。この場合、例えば、ボルト結合またはそれに類似する取付手段がそれぞれに与えられる。これらの空洞チャンバまたは浮遊手段は海水に浮き、かつ、個々にバラストかつデバラスト可能である。
【0045】
上述したように、フレームはそれ自身、収容領域を開閉するためのゲート構造を有する。また、ゲートの必要性およびその取り扱いを減少させるべく、浮遊輸送および設置構造体並びに特に少なくともひとつの開口側面を有するフレーム構造を与えることが可能である。代替的に、フレームまたは浮遊輸送および設置構造体のそれぞれの側面はダイバーによって手で開けられるゲートを必要としない水圧または類似のメカニズムを使って開口されてもよい。それは、現行の沖合設置方法において付加的な高価なコストとなっている。ゲート構造の開閉に関して、すべての関連する技術および特に駆動機構が使用可能である。
【0046】
設置後、浮遊輸送および設置構造体並びに特にフレームは、上述したように、デバラスト可能であり、特にボルトを外して浮遊風力タービンから取り外し可能である。ゲートは、もしあれば、風力タービンの周りからフレームを除去するために、特に、沖合クレーンを必要とせず、ダイバー用の最小限必要なもので、構造体を陸上まで牽引するために、開放される。
【0047】
好適には、浮遊輸送および設置構造体は、複数の浮遊風力タービンの輸送および設置用に再利用可能である。これは上述した。また、浮遊輸送および設置構造体が、異なる種類の浮遊風力タービンの輸送および設置用に使用可能であるように、アダプタ手段が設けられる。アダプタ手段は、輸送および設置構造体の固定手段を、輸送されかつ設置されるべき浮遊風力タービンのカウンタ固定手段と互換させるために使用される。
【0048】
概して、これらの固定およびカウンタ固定手段は、周知の技術および方法から当業者によって選択可能である。ここで、溶接または他の方法とともに、ボルト結合、水圧クランプ、ねじ結合または類似の結合がすべて応用可能である。
【0049】
輸送および設置構造体と風力タービンとの間の結合は、必要な時間および労力の範囲で、脱着可能であるように、できるだけ単純であるように意図されている。浮遊輸送および設置構造体は、ボルト結合プレートによって浮遊風力タービンおよびTLPブイサポートにそれぞれ取り付けられる。その後結合部品は、ひとつ以上のタイプの浮遊風力タービンおよび支持構造体に対して浮遊輸送および設置構造体を使用可能にするために、異なる支持構造上に組み込まれる。
【0050】
上述したように、浮遊輸送および設置構造体は好適に、異なる種類の浮遊風力タービンを輸送および設置用に固定するためのアダプタ手段を有する。
【0051】
好適には、浮遊輸送および設置構造体は、互いに取付可能でかつさまざまな配列で組み合わせ可能であるように、複数の部品および特にフレーム状の部品を含むモジュール構造として組み込まれる。それによって、浮遊輸送および設置構造体は異なる種類の浮遊風力タービンの輸送および設置に適応可能となる。この場合、特に、フレーム構造および格子構造に関して、異なるサイズおよび特に長さを有する異なる種類の中空エレメントが使用され、一緒に取り付けられて浮遊輸送および設置構造体を形成する。
【0052】
言い換えれば、提案した構造は、特に、モジュール設計に適したフレームおよび中空構造を有することによって、より多用途に作成されている。しばしばフレームは、少なくともひとつの特別な種類の浮遊風力タービンの輸送および設置用に形成される。ひとつの風力発電設備の設置に使用された後、それらは正確に同じ風力タービンの次回の設置用に保存されるか、または、他の目的のためにスクラップ/リサイクルされる。
【0053】
フレームがモジュール式である場合、それは異なる風力タービンおよびTLPまたは類似の支持構造に適応可能である。この中空スチールおよび類似のフレーム構造の水平および垂直方向の長さは、例えば、結合部品によって容易に結合可能であり、対角線の長さは、枢着することにより水平/垂直方向の長さに対してフレキシブルである。
【0054】
浮遊風力タービンは、特定の場所に配置することができる固定手段を必要とする。上述したように、TLP構造は、それによって、浮遊風力タービンが沖合サイトに固定される固定手段を有する。このTLP固定手段は、テンドン、テンドンアンカー手段、カテナリー係留ライン、カテナリー係留ラインアンカー手段等を含む。したがって、浮遊輸送および設置構造体は、好適に固定手段のいくつかまたは全体を輸送中に一時的に構造体に固定するための取付手段を有する。言い換えれば、浮遊輸送および設置構造体および/または浮遊風力タービンは、それが少なくとも部分的にそれ自身の固定手段を海底に固定される位置まで運ぶような固定手段を有する。これは、廉価かつ設置が速いオールインワン設置システムを与える。
【0055】
上述したように、本願発明はまた、上記した浮遊輸送および設置構造体の固定手段に結合可能なカウンタ固定手段を有する浮遊風力タービンに関する。この点で、本願明細書に開示したすべての特徴は当該浮遊風力タービンにも応用可能である。
【0056】
好適には、浮遊風力タービンはさらに、浮遊支持構造および浮遊支持構造に取り付けられる少なくともひとつの風力タービン装置を有する。浮遊支持構造はバラストおよびデバラスト手段を含まず、特に、海水を注水および/または排水することによってバラストまたはデバラストするような手段または類似のバラスト手段を含まない。TLP支持構造によって浮遊タービンを輸送し、それを指定されたサイトに設置し、かつ、アンカーすることは複雑でかつ労力を要するが、上述した浮遊輸送および設置構造体の使用により、輸送および設置が容易になり、風力タービンを非常に経済的に製造することができる。
【0057】
好適には、浮遊風力タービンは、輸送中に固定手段のいくつかまたは全部を少なくとも一時的にこの位置に取り付けるための取付手段を有する、それによって、浮遊風力タービンは沖合の設置位置に固定可能となる。浮遊風力タービンの浮遊支持構造がテンドンアンカー手段に結合されたテンドンおよび/または係留ラインアンカー手段に結合されたカテナリー係留ラインをさらに含むテンションレッグプラットフォームタイプの基礎の少なくとも一部を有するとき、浮遊風力タービンおよび特に浮遊支持構造は、好適に、輸送中に風力タービンに一時的に固定されるべきアンカー手段の少なくとも一部の取付手段を有する。上述したように、浮遊輸送および設置構造体に関して、この浮遊風力タービンは、TLPまたは他の固定手段、すなわち、テンドンまたはカテナリー係留ライン等を、輸送中に一時的に浮遊風力タービンに取り付けるための取付手段を有する。したがってこの構成は、浮遊風力タービンを海底に固定するのに必要なすべての部品を容易に与えることができる。
【0058】
もちろん、これらの取付手段は、従来技術として周知の他の浮遊風力タービンの固定用の他の固定手段の取付および輸送用としても与えられる。
【0059】
上述したように、本願発明はまた、実質的に完全に組み立てられかつ直立した浮遊風力タービン、特に、上述したような浮遊風力タービンを輸送および設置するための方法に関する。当該方法は、直立した浮遊風力タービンが安定しかつ輸送および設置構造体を移動させることにより移動可能となるように、実質的に完全に組み立てられかつ直立した浮遊風力タービンを浮遊輸送および設置構造体に固定する段階と、浮遊輸送および設置構造体を指定された位置まで移動することにより浮遊風タービンを指定された位置に移動する段階と、所与の位置に設けられた固定手段に浮遊風力タービンを固定する段階と、新たに固定された浮遊風力タービンから輸送および設置構造体を取り外しかつ風力タービンからそれを分離する段階とを有する。
【0060】
もちろん、本願明細書に記載された他のすべての特徴は当該方法に適応可能であり、したがってそれらを含む。
【0061】
好適には、輸送および設置の方法はさらに、固定した浮遊風力タービンが海水中にさらに下降するように、浮遊輸送および設置構造体をバラストする段階と、下降した浮遊風力タービンを固定手段に固定する段階と、下降した浮遊輸送および設置構造体を固体した浮遊風力タービンから分離する段階と、海中で持ち上げるように、浮遊輸送および設置構造体をデバラストする段階とを有する。
【0062】
特定の実施形態において、浮遊風力タービンを輸送および設置するための方法は、ゲートまたは開口部を使って、輸送および設置構造体および特にフレームが風力タービンの周囲、特に風力タービンのタワーの周りに、好適には、それの浮遊支持構造の頂部に配置される段階を有する。輸送および設置構造体は、その後、既存の固定手段によって浮遊サポート構造体に固定され、浮遊輸送および設置構造体はタグボートまたは類似の輸送大型船に結合され、かつ、指定された位置まで牽引される。フレームは、風力タービン、好適には、TLP支持構造または類似の固定構造、例えば、アンカー手段、結合ラインまたは他の任意の固定手段を支持する。浮遊輸送および設置構造体は、風力タービンをさらにバラストすることにより加重され、風力タービンが下降して、その結果、浮遊支持構造が特に完全に潜水し、潜水した支持構造は固定手段、特に、前もって配置されたTLP構造に取り付けられる。フレームはその後、浮遊支持構造から取り外され、そのバラストは除去される、その結果、フレームは上昇し、その後、港まで牽引されるか、または、さらに使用するために陸上の組み立て領域まで牽引される。
【0063】
好適には、当該方法はまた、沖合の指定された位置で、浮遊風力タービンを固定するための固定手段および特にTLP固定手段を浮遊輸送および設置構造体および/または浮遊風力タービンから取り外す段階と、指定された位置にそれを固定するために浮遊風力タービンへ結合可能なように、それらを配置する段階を有する。
【0064】
本願発明の他の特徴は、従属項に示されている。
【0065】
本願発明の上述した特徴および他の特徴ならびに利点は、図面を参照しながら説明する以下の本願発明の詳細な説明からより良く理解されよう。当該図面は例示に過ぎず、本願発明の範囲を限定するものではない。