特許第6039101号(P6039101)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6039101自動二輪車用プロジェクターライトアセンブリの追加ライト構造
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6039101
(24)【登録日】2016年11月11日
(45)【発行日】2016年12月7日
(54)【発明の名称】自動二輪車用プロジェクターライトアセンブリの追加ライト構造
(51)【国際特許分類】
   F21S 8/10 20060101AFI20161128BHJP
   B62J 6/02 20060101ALI20161128BHJP
   B60Q 1/04 20060101ALI20161128BHJP
   B60Q 1/26 20060101ALI20161128BHJP
   F21S 2/00 20160101ALI20161128BHJP
   F21V 29/503 20150101ALI20161128BHJP
   F21V 29/83 20150101ALI20161128BHJP
   F21W 101/10 20060101ALN20161128BHJP
   F21Y 101/00 20160101ALN20161128BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20161128BHJP
【FI】
   F21S8/10 151
   B62J6/02 E
   B60Q1/04 A
   B60Q1/26 A
   F21S8/10 353
   F21S2/00 373
   F21V29/503
   F21V29/83
   F21W101:10
   F21Y101:00 100
   F21Y115:10
【請求項の数】16
【全頁数】28
(21)【出願番号】特願2015-545013(P2015-545013)
(86)(22)【出願日】2012年11月30日
(65)【公表番号】特表2016-504721(P2016-504721A)
(43)【公表日】2016年2月12日
(86)【国際出願番号】TH2012000051
(87)【国際公開番号】WO2014084801
(87)【国際公開日】20140605
【審査請求日】2015年7月3日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000523
【氏名又は名称】アクシス国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】松▲崎▼ 哲平
(72)【発明者】
【氏名】ワサンパス・プーリナッタプーム
【審査官】 丹治 和幸
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−068680(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/070169(WO,A1)
【文献】 特開2006−298045(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 8/10,8/12
B60Q 1/00−1/56
B62J 6/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両ライトアセンブリであって、
光源から光を照射するプロジェクターレンズ及び、該プロジェクターレンズが取り付けられる光透過レンズホルダーを有するプロジェクター照明ユニットと、
前記光透過レンズホルダーを通って進む光により、前記プロジェクターレンズの端縁を越えて又はその周囲に、照明をもたらす追加光源と
を備え、
少なくとも二個のプロジェクター照明ユニットが、互いに近接して取り付けられるとともに、前記追加光源が、前記プロジェクター照明ユニットの間に取り付けられて、前記プロジェクター照明ユニットが、自動二輪車に取り付けられ、
前記光透過レンズホルダー内もしくは上に、前記追加光源からの光を散乱させる光散乱手段が形成されており、
前記プロジェクターレンズの周囲に、光透過内部レンズが取り付けられており、前記光透過内部レンズが、前記光散乱手段から光を受けることにより、光を発するべく構成されたライトアセンブリ。
【請求項2】
前記光透過内部レンズが、プロジェクター照明ユニットのそれぞれの異なる側の部分から離れて延びる一体構造として形成された請求項に記載のライトアセンブリ。
【請求項3】
前記光透過内部レンズが、前記プロジェクターレンズのそれぞれの外側に対応する第一照明部分、及び、前記プロジェクター照明ユニットと前記追加光源との間の第二照明部分を備え、前記第二照明部分が、前記追加光源から光を直接的に受けることにより、追加照明をもたらすものである請求項に記載のライトアセンブリ。
【請求項4】
前記プロジェクターレンズが、前記光透過レンズホルダーに弾力的もしくは弾性的に取り付けられた請求項1に記載のライトアセンブリ。
【請求項5】
少なくとも二個のプロジェクターライト照明ユニットが、前記自動二輪車の前部に取り付けられたヘッドライトであり、前記プロジェクターレンズが、低ビーム照明を照射するものであり、当該ライトアセンブリが、
低ビーム反射器と、
前記低ビーム反射器の下方に一体に形成された高ビーム反射器と
を備え、
前記光透過レンズホルダーが、前記自動二輪車の前部に面する正面から見たときに、上側半円形状を呈する請求項1に記載のライトアセンブリ。
【請求項6】
前記光透過レンズホルダーのそれぞれの前記上側半円形状に、穴手段が形成された請求項に記載のライトアセンブリ。
【請求項7】
前記穴手段が、前記自動二輪車の正面及び、前記追加光源から前記光散乱手段へ通過する光の位置に対し、対称的に形成された請求項に記載のライトアセンブリ。
【請求項8】
前記追加光源が、前記光透過レンズホルダーのそれぞれの上側にて、前記プロジェクター照明ユニットの両方の間で中央に取り付けられた請求項に記載のヘッドライトアセンブリ。
【請求項9】
前記追加光源が、前記自動二輪車の単独のポジションバルブである請求項に記載のヘッドライトアセンブリ。
【請求項10】
前記プロジェクターレンズのそれぞれが中心点を含み、前記ポジションバルブが、前記光透過レンズホルダーのそれぞれの上側半円部分に形成された穴手段に向かう方向で、各プロジェクターレンズ中心点に対し、垂直にずれている請求項に記載のヘッドライトアセンブリ。
【請求項11】
前記穴手段が、一連の光学窓を備え、該光学窓が、そこを通るポジションバルブ照明の通路及び、そこを通るプロジェクターバルブ熱の対流伝達を可能にするよう構成された請求項10に記載のヘッドライトアセンブリ。
【請求項12】
プロジェクターバルブ照明が第一色彩を呈し、前記光透過内部レンズが、前記第一色彩とは容易に視覚的に区別できる第二色彩を呈する請求項に記載のライトアセンブリ。
【請求項13】
前記光透過内部レンズの部分を選択的に覆うよう構成された延長部材をさらに備え、前記延長部材が、一連の開口部を含み、前記一連の開口部におけるそれぞれの開口部が、各プロジェクターレンズの外側に対応する前記第一照明部分を受容するよう構成された請求項に記載のライトアセンブリ。
【請求項14】
前記光透過内部レンズが、その内側に一体に形成された少なくとも二個の円形部分を備え、前記円形部分のそれぞれが、対応するプロジェクターレンズを取り囲む請求項12に記載のライトアセンブリ。
【請求項15】
各光透過レンズホルダーのプロジェクターレンズ保持部分が、前記光透過レンズホルダーに対応する前記プロジェクターレンズの周囲全体を取り囲む又はほぼ取り囲む周囲を有し、各光透過レンズホルダーの本体部が、前記光透過レンズホルダーに対応する前記プロジェクターレンズの周囲全体にかなり満たないで取り囲む請求項に記載のライトアセンブリ。
【請求項16】
前記高ビーム反射器が、プロジェクターバルブにより発される高ビーム照明及び、前記追加光源により発される追加光の両方を直接的に受けるよう構成された請求項に記載のヘッドライトアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は概して、たとえば、オートバイ、自動二輪車またはスクーター等の鞍乗(saddle-ride)もしくはストラドルライド(straddle-ride)型の車両を含む車両用のヘッドランプ又はヘッドライトアセンブリのようなプロジェクターライト装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の車両ヘッドライトでは、プロジェクターレンズを有するプロジェクター照明装置を用いて、プロジェクターバルブ等の一次ヘッドライト照明光源により出力される光を、進行方向に(すなわち、車両ヘッドライトの外側で車両から離れるほうに)照射するものがよく知られている。プロジェクターレンズは通常、プロジェクター照明装置のレンズホルダーに保持される。レンズホルダーは、透明な樹脂またはプラスチック材料のような光透過材料からなることがある。
【0003】
また従来の車両ヘッドライトでは、補助バルブのような追加光源を含むものが知られており、これは、プロジェクター照明装置の外部で、一般にそれに隣接して存在する。そのような追加光源は、プロジェクターレンズの外部に設置された追加の照明要素により受光されることのできる光を出力するよう構成され、それにより、追加の照明要素は、プロジェクターレンズの周囲の更なる照明をもたらすことができる。たとえば、特許文献1の図1は、プロジェクターレンズを保持するレンズホルダーを有するプロジェクター照明装置に隣接して固定された追加光源の断面図を提供する。追加の照明要素は、特許文献1の図2及び図3に示されているように、内側に中央開口部を有するフレネルレンズにより与えられる。フレネルレンズは、プロジェクターレンズの周りに円周方向に配置されて、プロジェクターレンズの外周の全体を取り囲む。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第6193400号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の従来技術の車両ヘッドライトでは、別個の追加光源が、それぞれプロジェクター照明装置に関連付けられる。たとえば、左右のヘッドライト及び、それによる左右のプロジェクター照明装置を有する自動二輪車のようなデュアルヘッドライト車両では、二個の追加光源、すなわち、左側プロジェクター照明装置に対応する第一追加光源、及び、右側プロジェクター照明装置に対応する第二追加光源が用いられる。このことは、不必要に車両パーツ点数及びコストを増大させる。単一の追加光源により、二個以上のプロジェクターレンズの周りの追加照明をもたらすことができれば有用であるが、そのような単一の追加光源は、対象とする全てのプロジェクターレンズの周囲の追加照明の適切な均一性及び/又は強度を確保するために、より大きな光出力電力を必要とする。このようなより大きな光出力電力は、デュアルプロジェクター照明装置が互いに比較的接近するデュアルヘッドライト自動二輪車のような状況でさえも、単一の追加光源の更なるコスト上昇につながり好ましくない。
【0006】
対応するプロジェクターレンズをそれぞれ保持する二個(又はそれより多く)のプロジェクター照明装置と、各プロジェクターレンズの異なる部分又は側(たとえば左及び右側)の周囲に配置された追加照明要素に、効果的に追加照明をもたらすことのできる単一の追加光源とを有し、低コストで、低減された又は最小限のパーツ点数の車両ライトアセンブリ(たとえばヘッドライトアセンブリ)を提供することが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に従うこの発明は、(a)光源から光を照射するプロジェクターレンズ及び、前記プロジェクターレンズに取り付けられた光透過レンズホルダーを有するプロジェクター照明ユニットと、(b)前記光透過レンズホルダーを通って進む光により、前記プロジェクターレンズの周囲を超えて又はその周囲に照明をもたらす追加光源とが設けられた自動二輪車ライトアセンブリ(たとえばヘッドライトアセンブリ)であって、少なくとも二個の前記プロジェクター照明ユニットが互いに接近して取り付けられるとともに、前記追加光源が、前記プロジェクター照明ユニットの間に取り付けられて、前記プロジェクター照明ユニットが自動二輪車に取り付けられており、前記光透過レンズホルダー内又は、その上に、前記追加光源からの光を散乱させる光散乱手段が形成されており、前記プロジェクターレンズの周囲に、光透過内部レンズが取り付けられており、前記光透過内部レンズが、前記光散乱手段から光を受けることにより、光を発するべく構成された自動二輪車ライトアセンブリである。
【0009】
請求項に従うこの発明は、請求項の自動二輪車ライトアセンブリにおいて、前記光透過内部レンズが、前記プロジェクター照明ユニットのそれぞれの異なる側部(たとえば、右及び左側部)から離れて延びる一体構造として形成されるとの特徴を有するものである。
【0010】
請求項に従うこの発明は、請求項の自動二輪車ライトアセンブリにおいて、前記光透過内部レンズが、前記プロジェクターレンズのそれぞれの外側に対応する第一照明部分及び、前記プロジェクター照明ユニットと前記追加光源との間の第二照明部分を含み、前記第二照明部分が、前記追加光源から光を直接的に受けることにより、追加照明をもたらすものであるとの特徴を有するものである。
【0011】
請求項に従うこの発明は、請求項1の自動二輪車ライトアセンブリにおいて、前記プロジェクターレンズが、前記光透過レンズホルダーに、弾力的に(resiliently)又は弾性的に(elastically)取り付けられるとの特徴を有するものである。
【0012】
請求項に従うこの発明は、請求項1の自動二輪車ライトアセンブリにおいて、当該少なくとも二個のプロジェクター照明ユニットが、前記自動二輪車の前部に取り付けられており、前記プロジェクターレンズが、低ビーム照明を照射するものであり、自動二輪車ライトアセンブリがさらに、低ビーム反射器及び、前記低ビーム反射器の下側に一体に形成された高ビーム反射器を含み、前記光透過レンズホルダーが、前記自動二輪車の前部を臨む正面視で上側半円形状を呈するとの特徴を有するものである。
【0013】
請求項に従うこの発明は、請求項の自動二輪車ライトアセンブリにおいて、前記光透過レンズホルダーのそれぞれの前記上側半円形状内に、穴手段(a hole means)が形成されるとの特徴を有するものである。
【0014】
請求項に従うこの発明は、請求項の自動二輪車ライトアセンブリにおいて、前記穴手段が、前記自動二輪車の正面及び、前記追加光源から前記光散乱手段への光の通る位置に対して対称的に形成されるとの特徴を有するものである。
【0015】
請求項に従うこの発明は、請求項のヘッドライトアセンブリにおいて、前記追加光源が、前記光透過レンズホルダーのそれぞれの上側にて、前記プロジェクター照明ユニットの両方の間で中央に取り付けられるとの特徴を有するものである。
【0016】
請求項に従うこの発明は、請求項のヘッドライトアセンブリにおいて、前記追加光源が、前記自動二輪車の単一のポジションバルブであるとの特徴を有するものである。
【0017】
請求項10に従うこの発明は、請求項のヘッドライトアセンブリにおいて、前記プロジェクターレンズのそれぞれが中心点を含み、前記ポジションバルブが、各光透過レンズホルダーの上側半円部分内に形成された穴手段に向かう方向で、各プロジェクターレンズの中心点に対して垂直にずれるとの特徴を有するものである。
【0018】
請求項11に従うこの発明は、請求項10のヘッドライトアセンブリにおいて、前記穴手段が一連の光学窓を含み、該光学窓が、そこを通るポジションバルブ照明の通過及び、そこを通るプロジェクターバルブ熱の対流伝達を可能にするべく構成されるとの特徴を有するものである。
【0019】
請求項12に従うこの発明は、請求項の自動二輪車ライトアセンブリにおいて、プロジェクターバルブ照明が、第一色彩を呈し、前記光透過内部レンズが、前記第一色彩とは視覚的に容易に区別可能な第二色彩を呈するとの特徴を有するものである。
【0020】
請求項13に従うこの発明は、請求項の自動二輪車ライトアセンブリにおいて、光透過内部レンズの部分を選択的に覆うべく構成された延長部材(an extension member)を有し、前記延長部材が一連の開口部を含み、前記一連の開口部における各開口部が、各プロジェクターレンズの前記外側に対応する前記第一照明部分を受容するべく構成されたものである。
【0021】
請求項14に従うこの発明は、請求項12の自動二輪車ライトアセンブリにおいて、前記光透過内部レンズが、その内部に一体に形成された少なくとも二個の円形部分を含み、前記円形部分のそれぞれが、対応するプロジェクターレンズを取り囲むとの特徴を有するものである。
【0022】
請求項15に従うこの発明は、請求項の自動二輪車ライトアセンブリにおいて、光透過レンズホルダーのそれぞれのプロジェクターレンズ保持部分が、前記光透過レンズホルダーに対応する前記プロジェクターレンズの周囲全体を取り囲む又はほぼ取り囲む周囲を有し、光透過レンズホルダーのそれぞれの本体部が、前記光透過レンズホルダーに対応するプロジェクターレンズの周囲全体にかなり満たないで取り囲むとの特徴を有するものである。
【0023】
請求項16に従うこの発明は、請求項のヘッドライトアセンブリにおいて、前記高ビーム反射器が、プロジェクターバルブにより発される高ビーム照明と、前記追加光源により発される追加光との両方を直接的に受けるべく構成されるとの特徴を有するものである。
【発明の効果】
【0024】
請求項1に開示した発明によれば、追加光源が、互いに近接して(たとえば、接近させて、概して接近させて、又は比較的接近させて)配置されたプロジェクター照明ユニットの間に配置される。プロジェクター照明ユニットに対応する光源間の距離が、十分にあり得るにもかかわらず、単一の追加光源は、各プロジェクターレンズの異なる周縁もしくは側に、追加の又は補助の照明(たとえばポジション照明)をもたらすために使用することができる。この単一の追加光源は、高い光出力電力を与えることを要しないものであり、その理由の一つは、光透過レンズホルダー内又は上に形成された光散乱手段にあり、これは、プロジェクターレンズの周囲(たとえば外周縁)を越える追加照明の供給を促進させるため、追加光源から受ける光を効果的に散乱させ、又は分布させることができる。それ故に、請求項1に開示された発明は、特徴的で(視覚的に区別でき)かつ高い可視性の追加照明を有し、そしてまたパーツの数及びコストが低減ないし最小化された自動二輪車ライトアセンブリをもたらす。
【0025】
さらに請求項に開示した発明によれば、光透過/光放出内部レンズが、各プロジェクターレンズの部分の周囲に取り付けられる。光透過内部レンズは、光透過レンズホルダー内/上に形成された光散乱手段から光を受けることにより、光を発することができる。その結果として、内部レンズは、所望もしくは所定の製造時の特徴的な形態もしくは形状に従い、たとえば、内部レンズの特定の部分の形状及び/又は寸法に基き、追加照明(たとえばポジション照明)を伝え、又は発することができる。説明のための例として、所定の内部レンズ(たとえば、自動二輪車の第一モデルに対応する)は、所定の特徴的な追加照明形状をもたらすように製造することができ、また、他の内部レンズ(たとえば、自動二輪車の第二モデルに対応する)は、異なる特徴的な追加照明形状をもたらすように製造することができる。その結果として、異なる自動二輪車モデルは、最小のパーツ点数、低コストの車両照明アセンブリを通じて、異なる特徴的な追加照明形状を示すことができ、これは、多数の自動二輪車モデルにわたって容易に調整もしくは適用することのできる構造的側面を含む共通の構造的側面もしくは特徴を示す。説明のための他の例として、特定の自動二輪車モデルの特徴的な追加照明形状は、自動二輪車モデルの新しいバージョンが製造されたときのように、時間とともに容易に変更することができる。
【0026】
請求項に開示した発明によれば、光透過内部レンズは、(たとえば、射出成形プロセスのような成形プロセスにより)一体型又は一体成形構造として形成される。プロジェクター照明ユニットの周囲に取り付けられたとき、この一体の内部レンズは、プロジェクター照明ユニットのそれぞれの異なる側もしくは部分(たとえば右及び左側)に対応する光を発することができる。それ故に、一体型もしくは一体成形の形態もしくは形状を有する光透過内部レンズは、パーツ点数の低減及びコストの低減をもたらす。
【0027】
請求項に開示した発明によれば、一体成形の内部レンズは、(a)各プロジェクターレンズの外側もしくは外部に対応し、又はそれから離れて延びる第一照明部分と、(b)(プロジェクター照明ユニットと追加光源との間に)各プロジェクターレンズの内側もしくは内部に対応する第二照明部分とを有し、ここでは、それぞれの第二照明部分が、追加光源から光を直接的に受けることができる。それぞれの第一照明部分は、その対応する光透過レンズホルダーの光散乱手段から散乱される光を受けることができる。その結果として、内部レンズは、各プロジェクターレンズの外側及び内側(たとえば右側及び左側)の両方で光を発することができる。すなわち、一体成形の内部レンズは、各プロジェクターレンズに対し、各プロジェクターレンズから、又は各プロジェクターレンズの右側及び左側の両方で、追加照明(たとえばポジション照明)を発することができる。前述したものと一致又は類似する態様では、内部レンズは、その第一及び第二照明部分が、各プロジェクターレンズの両側で、所望もしくは所定の特徴的な追加照明形状をもたらすように作り出し、又は製造することができる。
【0028】
請求項に開示した発明によれば、プロジェクターレンズは、(たとえば、弾性変位可能なラッチ、金具、スプリング式または他の要素により)光透過レンズホルダーに弾力的もしくは弾性的に取り付けられる。プロジェクションレンズ及び、そのレンズホルダーを所定位置に保持するために、更なる追加のパーツは必要ではなく、それにより、パーツ点数及びコストの低減をもたらすことができる。また、追加光源により出力される光及び/又は、内部レンズにより発される光を遮ることのできる追加のパーツを使用することは回避される。
【0029】
請求項に開示した発明によれば、プロジェクター照明ユニットは、自動二輪車の前部に取り付けられて、自動二輪車ヘッドライト照明(たとえば、右側及び左側ヘッドライト照明)をもたらす。プロジェクターレンズは低ビーム照明を照射し、また、車両ライトアセンブリは、低ビーム反射器及び高ビーム反射器を有し、ここでは、高ビーム反射器が、低ビーム反射器の下側に又は下に一体に形成される。光透過レンズホルダーは、自動二輪車の前部に向かって見た場合に上側半円形状を有する。より具体的には、各光透過レンズホルダーは、その上側半円形状の下方で、空間的に開いており、それにより、光透過レンズホルダーは、底部もしくは下部を省略又は除外する。その結果として、プロジェクターバルブのような光源からの光は十分に、直接的に放出され、又は高ビーム反射器へ妨げられないものとすることができる。また、各光透過レンズホルダーは、その上部の下の下部又は下側構造要素を除去するので、各レンズホルダーを製造するための材料数量が低減され、それにより、コスト及び重量の低減をもたらす。
【0030】
請求項に開示した発明によれば、各光透過レンズホルダーの上側半円形状は、その内部に形成された穴手段を有し、これはまた、レンズホルダーの製造に必要な材料の量を低減させ、それにより、コスト及び重量の低減をもたらす。さらに、穴手段は、光源により生じる熱のための通気路をもたらすことができる。
【0031】
請求項に開示した発明によれば、光透過レンズホルダーの穴手段は、自動二輪車の正面及び、追加光源から光透過レンズホルダーの光散乱手段への光の通る位置に対して対称的に形成される。それ故に、追加光源からの光は、遮るものがない又は減衰されない穴手段を通過することができる。また、右側光透過レンズホルダー及び左側光透過レンズホルダーは、同一構造を有するものとすることができる。それにより、一体の光透過レンズホルダー構造は、右側及び左側プロジェクターレンズを保持することに用いることができ、これは、パーツ点数、複雑性及びコストを低減する。
【0032】
請求項の発明によれば、追加光源は、少なくとも二個のプロジェクター照明ユニットの間(たとえば、右−左デュアルヘッドライト構成における両プロジェクター照明ユニットの間)で中央に配置され、また、二個のプロジェクター照明ユニットの光透過レンズホルダーの上側に配置される。(a)そのような追加光源の中央配置、(b)低ビーム反射器の下部の高ビーム反射器の構造的構成、及び、(c)光透過レンズホルダーの上側半円形状の下の開いた構造により、追加光源からの光はまた、高ビーム反射器により発されることができ、それにより、自動二輪車の前部の左右両側で、車両ライトアセンブリにより出力される追加照明(たとえばポジション照明)の明るさを増加させる。
【0033】
請求項の発明によれば、追加光源は、単一のポジションバルブである。単一のポジションバルブからの光は、各光透過レンズホルダーの光散乱手段へ進むことができ、そしてその後すぐに、そのような光は、二個のプロジェクター照明ユニットの周囲の適切な又は適した空間的均一性及び強度を有するポジション照明の供給を促進させる方法で散乱され得る。その結果として、この発明は、低減されたパーツ点数、低減されたコストの車両ライトアセンブリを提供し、ここでは、一個の通常の、やや低い又は低い電力ポジションバルブが、右及び左のプロジェクターレンズの両方の部分の周囲にポジション照明をもたらすことができる。
【0034】
請求項10の発明によれば、ポジションバルブは、各光透過レンズホルダーの上側半円部分内に形成された穴手段に向かう方向で、各ポジションバルブの中心点から垂直にずれている。ポジションバルブからの光は、穴手段を、遮るものがなく又は減衰されずに通過することにより、各光透過レンズホルダーの内側部分に対応する空間的領域もしくは体積を通って又は横切って進むことができ、それにより、各光透過レンズホルダーの光散乱手段に到達することができる。
【0035】
請求項11の発明によれば、各光透過レンズホルダーにおける穴手段は、ポジションバルブ照明及び、プロジェクターバルブにより生じる対流熱の両方の通過を許容するべく構成される一連の光学窓(たとえば、右及び左の光学窓のような一対の光学窓)である。その結果として、そのような光学窓は、蓄積するプロジェクターバルブ熱に通気する更なる効用をもたらす。
【0036】
請求項12の発明によれば、プロジェクターバルブ照明は、第一色彩(たとえば白色)を呈し、また、光透過内部レンズは、第一色彩とは容易に視覚的に区別することのできる第二色彩(たとえば青色又は琥珀色)を呈する。それ故に、光透過内部レンズは、当該車両を他のものに対してより見やすく又は目立つものとすることのできる所定又は所望の特徴的な色彩を有する追加照明を発するように、容易に設計もしくは製造することができ、これは、車両安全性の向上を促進させる。
【0037】
請求項13の発明によれば、光透過内部レンズの部分を選択的に覆う延長部材が、各プロジェクターレンズの外側もしくは外部に対応する第一照明部分を受容する開口部を含む。それ故に、延長部材は、車両ライトアセンブリ光の部分を、選択的に光学的に絶縁し、もしくは遮ることができ、それにより、追加照明(たとえばポジション照明)が、製造時の延長部材設計に従う所定又は所望の方法で与えられ得る。
【0038】
請求項14の発明によれば、円形部分は、光透過内部レンズ内に一体に形成されており、ここでは、それぞれの円形部分が、プロジェクターレンズの一個を取り囲む。光透過内部レンズにおけるそのような円形部分は、光透過レンズホルダーへの内部レンズの取り付けを、光の潜在的な遮蔽(potential obstruction of light)を避ける単純な方法で容易にする。
【0039】
請求項15の発明によれば、各光透過レンズホルダーは、対応するプロジェクターレンズの周囲の部分を、完全に又は大きく取り囲むプロジェクターレンズ保持部分と、プロジェクターレンズの周囲全体にかなり満たないで取り囲む本体部(たとえば被覆部材)とを含む。その結果として、光透過レンズホルダーは、追加光源からの光を遮蔽し又は減衰し得る不要な部分を除いた空間的に開いた又は非常に空間的に開いた構造であり、これは、低減された又は最小の重量及びコストを示す。
【0040】
請求項16の発明によれば、車両ライトアセンブリの高ビーム反射器は、プロジェクターバルブにより発される高ビーム照明及び、追加光源により発される光を直接的に受けることができる。それ故に、高ビーム反射器は、追加光源により発される光を、車両ライトアセンブリの外へ反射することができ、これは、パーツ点数及びコストに対して有効な方法で、観察者に把握され得る追加照明(たとえばポジション照明)の量又は強度の全体を増加させ、車両の可視性及び安全性の向上を促進させる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
図1】本開示の実施形態に従う自動二輪車ライトアセンブリ(例えば、ヘッドライトアセンブリ)が取り付けられた代表的な自動二輪車の側面図である。
図2】本開示の実施形態に従い、自動二輪車の外部正面の裏側又は下側、特に自動二輪車ライトアセンブリの外側レンズの裏側に配置された自動二輪車ライトアセンブリの特定の部分を示す、図1の自動二輪車の正面図である。
図3図1の自動二輪車の他の部分正面図である。
図4】本開示の実施形態に従い、自動二輪車の外部正面の部分の裏側、下側又は下方に配置された自動二輪車ライトアセンブリの部分に関する更なる詳細を示す、図1〜3の自動二輪車の他の部分正面図である。
図5】本開示の実施形態に従い、自動二輪車ライトアセンブリの特定の内側部分を覆うよう構成された延長部材を含む、自動二輪車ライトアセンブリの第一左右断面概略図である。
図6】本開示の実施形態に従い、第一/外部及び第二/内部の右照明部分ならびに、第一/外部及び第二/内部の左照明部分を与えるよう構成された内側レンズ部材を含む、図5に対応する自動二輪車ライトアセンブリの第二左右断面概略図である。
図7】本開示の実施形態に従う自動二輪車ライトアセンブリの第三左右断面概略図である。
図8A】本開示の実施形態に従い、内部レンズの第一/外部及び第二/内部の照明部分とプロジェクターレンズホルダーの部分との間の空間関係を描写し、追加照明サブアセンブリの部分を示す背面概略図である。
図8B】本開示の実施形態に従う垂直基準線205に沿う図8Aの断面図である。
図9】本開示の実施形態に従い、追加光源により出力される光が、左側及び右側のプロジェクターレンズの両方の周囲で、及び/又は、該両方から離れて延びる第一/外部及び第二/内部の照明部分へ進み、及び/又は、該照明部分にわたって分散され得る代表的な光路を示す、図7の車両ライトアセンブリの第一左右断面概略図である。
図10】本開示の実施形態に従い、ポジションライトのような追加光源によりもたらされる照明が、追加照明をもたらすべく進む内部車両ライトアセンブリ到達先を示す概略図である。
図11A】本開示の実施形態に従い、右及び左プロジェクターレンズの両方に対応する多数の内部レンズ照明部分に、照明を伝達することのできる単一の追加光源(たとえば、単一のポジションバルブ)を用いる追加、補助又はポジション照明をもたらし又は出力するよう構成された追加照明サブアセンブリの部分を示す平面概略図である。
図11B】本発明の開示に従う図11Aの追加照明サブアセンブリの部分の詳細を示す断面図である。
図12】低ビームヘッドライト照明の生成及び出力を示す、本開示の実施形態に従う車両ライトアセンブリの部分の第一前後切欠き断面概略図である。
図13】高ビームヘッドライト照明の生成及び出力を示す、図12の車両ライトアセンブリの部分の第二前後切欠き断面概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0042】
図1は、本開示の実施形態に従い、自動二輪車ライトアセンブリ(たとえばヘッドライトアセンブリ)100が取り付けられた自動二輪車2の左側面図であり、図2は、図1の自動二輪車2の正面図である。図1及び2を参照すると、いくつかの実施形態では、自動二輪車2は、関連する技術における当業者によって理解される形のアンダーボーン型自動二輪車であり、又はそれに相当する構造的要素もしくは特徴を示す。従って、自動二輪車2は、ライダーが座るとともに、シート4の下のラゲッジボックス6を開閉することができるシート4に連結された基本的な構造フレームと、ライダーの足を支持するための上面を有するステップフロア8L(たとえば、自動二輪車2の両側の別々の右及び左ステップフロア)と、シート4及びラゲッジボックス6の下側に位置し、リアアクスルに連結されたリアホイール15に伝達可能な推進力もしくは駆動力を生成するべく構成されたエンジンユニット10と、ステアリングステム20と、リアフェンダー70と、グラブレールもしくはグリップ80と、一体型のテールライト及びリアウィンカーもしくはブリンカーライトのようなリアコンビネーションライト90と、関連する技術における当業者により容易に理解される形の他のコンポーネントもしくは要素とを含む。
【0043】
エンジンユニット10は、自動二輪車2のフレームに揺動自在に取り付けられるものであって、エンジン10dに連結された吸気システム10b(燃料噴射システムを含む)と、吸気システム10bに連結されたエアクリーナケース10cと、エンジン駆動力をリアホイール15に伝達するベルト式無段変速機(ベルトコンバータ変速機)10aとを備える。エンジンユニット10は、エンジンユニット10の前部で枢動可能に移動することができるとともに、リアサスペンション10eによって、エンジンユニット10の後部で支持される。ベルト式無段変速機(ベルトCVT)10aを適用されたこの自動二輪車スタイルは一般に、「スクーター」と呼ばれる。
【0044】
ステアリングステム20は、一対のフロントフォーク22に連結され、その内部では、フロントアクスル24により回転可能に支持されたフロントホイール25が配置される。ステアリングステム20の上部はさらに、(たとえばメインパイプ又はヘッドパイプにより)ハンドルバーに連結され、これは、右ハンドルグリップ40R及び左ハンドルグリップ40Lを含む。ライダーによる、ステアリング軸周りの右ハンドルグリップ40R及び左ハンドルグリップ40Lの相対回転変位に応じて、ハンドルバーに伝えられるステアリング運動は、右もしくは左方向へのフロントホイール25の旋回を引き起こす。
【0045】
自動二輪車の構造フレームは、関連する技術における当業者により理解される方法で、多数のパネル又はカバー部材によりカバーされ又は覆われる。たとえば、自動二輪車2は、自動二輪車の両側でシートの下に又はそれに隣接して配置される一対のリアボディカバー50と、自動二輪車2の右及び左フロント下側部分をそれぞれ覆うアンダーカバー52と、ライダーの両足の前方を覆う自動二輪車2のレッグシールド部の右及び左側に対応する一対のメインパイプ・サイドカバー54及び一対のメインパイプ・アッパーカバー56と、メインパイプ・アッパーカバー56の後方からシート4の下側までを覆って、ライダーの足の間に位置するセンターカバー58を含むことができる。いくつかの実施形態では、センターカバー58の一部の内部に、フューエルリッドカバー57を配置することができ、これは、センターカバー58の下に配置された燃料タンク7に相当する。自動二輪車2はさらに、自動二輪車2の外側前面もしくは前方を向く部分に対応する多くのパネル部材、たとえば、図1及び2に示す表示されたものでは、右フロントカバー60R及び左フロントカバー60Lと、右フロントロワーカバー62R及び左フロントロワーカバー62Lと、トップフロントカバー64と、フロントハンドルカバー66と、メーターバイザー68とを含むことができる。
【0046】
自動二輪車ライトアセンブリ100は、フロントホイール25の上側、フロントハンドルカバー66の下側で、フロントカバー60内に存在し、トップフロントカバー64ならびに右及び左フロントカバー60R、Lのそれぞれに対応する自動二輪車2の前部もしくは正面領域に取り付けられる。右及び左フロントカバー60R、Lはそれぞれ、自動二輪車ライトアセンブリ100の右及び左の部分もしくは側の周囲に取り付けるように構成され、また、トップフロントカバー64は、自動二輪車ライトアセンブリ100の中間部分を選択的に覆うよう構成される。自動二輪車ライトアセンブリ100は、半透明もしくは透明の外側レンズ102を含み、それを通って、自動二輪車ライトアセンブリ100により出力される照明は、自動二輪車の走行方向に対応する一以上の方向で、自動二輪車2から離れて向けられ又は照射され得る。多くの実施形態では、自動二輪車ライトアセンブリの外側レンズ102、右フロントカバー60R、左フロントカバー60L及び、トップフロントカバー64は、互いに関連して協同的に整列もしくは係合し、自動二輪車2のフロント外面の部分を形成するべく構成される。このフロント外面の内部もしくは内側で、自動二輪車ライトアセンブリ100は、以下に詳細に述べるような様々な要素を含む。
【0047】
図1の自動二輪車2の正面図である図2は、本開示の実施形態に従い、自動二輪車の外部正面の内側で、特に自動二輪車ライトアセンブリの外側レンズ102の内側に配置された自動二輪車ライトアセンブリ100の特定の部分を示す。図4は、図1及び2の自動二輪車2の部分正面図であり、ここでは、本開示の実施形態に従う自動二輪車2の外部正面の後ろ側、下側もしくは裏側に配置された自動二輪車ライトアセンブリ100の部分に関する更なる内部の詳細及び配置を示す。
【0048】
ある実施形態では、自動二輪車ライトアセンブリ100は、右プロジェクターレンズ104R及び左プロジェクターレンズ104Lを含み、それらのそれぞれは、さらに以下に詳説するように、右及び左のプロジェクターバルブのような右及び左光源により生成される右及び左低ビーム照明を出力するようそれぞれ構成される。右プロジェクターレンズ104R及び左プロジェクターレンズ104Lのそれぞれは、プロジェクターレンズ端縁、周縁もしくは周囲に対する中心点もしくは重心105R、105Lを含む。各プロジェクターレンズ104R、Lは、関連する技術における当業者により理解される形での所定の断面積もしくは直径を示す。
【0049】
様々な実施形態では、右プロジェクターレンズ104R及び左プロジェクターレンズ104Lは、関連する技術における当業者により理解される形で、自動二輪車の側方方向に対して水平に又は外側に、所定の又は既定の距離で(たとえば、x軸に対して)互いに分離されている。たとえば、右及び左プロジェクターレンズ104R、Lの中心点105R、Lは、右及び左プロジェクターレンズ104R、Lが、地面に対する等しい又はほぼ等しい鉛直高さ(たとえば、そのような高さはy軸に対して規定される)で、共通の水平プロジェクターレンズ中心線111に沿って配置されるように、共通の水平面で、又は図4に示す共通の線に沿って存在し、又はほぼ存在するものとすることができる。
【0050】
自動二輪車ライトアセンブリ100はまた、複数の照明部分、部材又はレンズ要素、たとえば、(a)第一もしくは外部右照明部分もしくは要素(すなわち、第一/外部右側照明部分)306R及び、第二もしくは内部右照明部分要素(すなわち、第二/内部右側照明部分)308Rと、(b)第一もしくは外部左照明部分もしくは要素(すなわち、第一/外部左側照明部分)306L及び、第二もしくは内部左照明部分もしくは要素(すなわち、第二/内部左側照明部分)308L等を含む。自動二輪車の照明部分、部材又は要素は、左及び右プロジェクターレンズ104L、Rをそれぞれ取り囲む左及び右円形部分310L、Rをさらに含むことができる。
【0051】
自動二輪車2の対称な右及び左半分を規定し又はほぼ規定する垂直左右中心線もしくはセンターライン5に関し、第一/外部右照明部分306Rは、第二/内部右照明部分308Rよりも、自動二輪車の左右センターライン5からさらに離れて配置することができ、また、第一/外部左照明部分306Lは、第二/内部左照明部分308Lよりも、自動二輪車の左右センターライン5からさらに離れて配置することができる。言い換えれば、第一/外部右及び第一/外部左照明部分306R、Lは、車両ライトアセンブリ100の右及び左外縁に向かって、その近くに又は概ね近くで、それらに対応する右及び左ポジションレンズ104R、Lの外側に配置されており、また、第二/内部右及び第二/内部左照明部分308R、Lは、第一/外部右及び第一/外部左照明部分306R、Lよりも、自動二輪車の左右センターライン5に近い。
【0052】
図2に示すように、また図4により詳細を示すように、様々な実施形態では、第一/外部及び第二/内部右側照明部分306R、308Rは、右プロジェクターレンズ306Rの端縁の異なる側(たとえば反対側または、右及び左側)に配置され、又はそれから離れて延びる。より具体的には、所定の第一/外部照明部分306は、第一/外部のそれに対応するプロジェクターレンズ104上に配置され、又はそれから離れて延び、また、所定の第二/内部照明部分308は、第二/内部のそれに対応するプロジェクターレンズ104上に配置され、又はそれから離れて延びる。図示の実施形態では、第一/外部及び第二/内部右側照明部分306R、308Rはそれぞれ、右プロジェクターレンズ104Rの中心点105R上で右上側に延びる図4に描かれた共通の右斜線109Rに沿って、右プロジェクターレンズ104Rの端縁の右側及び左側に配置される。同様に、第一/外部及び第二/内部左側照明部分306L、308Lはそれぞれ、左プロジェクターレンズ104Lの中心点105L上で左上側に延びる共通の左斜線109Lに沿って、左プロジェクターレンズ104Lの端縁の左側及び右側に配置される。従って、右側照明部分306R、308R、左側照明部分306L、308L及び、円形部分310L、Rのそのような構造は、人間の顔に類似し、又はそのように見え、ここでは、一対のプロジェクターレンズ104R、L及び、それらを取り囲む円形部分310L、Rは目のように見え、また各プロジェクターレンズ104に対応する照明部分306、308は眉毛のように見える。その結果として、歩行者、カードライバー又は他の自動二輪車ドライバーは、自動二輪車2の存在及び速度を容易に認識することができる。これは、特に、照明要素306R、L、308R、L、310R、Lのそのような人間の顔の構造が、顔のイメージに対する人間の脳に固有の神経反応(すなわち、脳の自然な顔の特徴認識/解読能力)を引き起こし得るからである。さらに、照明要素306R、L、308R、L、310R、Lのそのような構造は、視覚的に特有の追加照明パターンもしくは設計をもたらし、これは、観察者に、強い視覚的印象を伝えるとともに、非常に記憶しやすい。
【0053】
第一及び第二右照明部分306R、308Rならびに第一及び第二左照明部分306L、308Lは、追加の又は補助の照明(たとえばポジション照明)を出力するよう構成され、これは、以下に詳しく述べるように、コストの上昇及びパーツの増加なしに、自動二輪車の視認性を向上もしくは促進させる。いくつかの実施形態では、第一及び第二右照明部分306R、308Rならびに第一及び第二左照明部分306L、308Lは、以下に詳しく述べるように、ポジションレンズホルダーと係合(たとえば、嵌込み係合)するよう構成される一体の内部レンズ構造の部分に連結され、又はそれを形成する。
【0054】
車両ライトアセンブリ100はさらに、右ウインカーもしくはブリンカーバルブ118R及び、左ウインカーもしくはブリンカーバルブ118Rを含み、これらは、右及び左の方向指示器にそれぞれ対応する照明を、断続的または定期的に点滅させるよう構成される。多くの実施形態では、各ウインカーバルブ118は、右及び左側の車両ライトアセンブリ100のそれぞれにおいて、プロジェクターレンズ104から側方かつ上方で、第一照明部分306の上方に垂直にずれ、又はその上方に配置される。
【0055】
いくつかの実施形態では、自動二輪車ライトアセンブリ100は、車両ライトアセンブリ100内で、トップフロントカバー64の裏側又は下方に配置された(それにより覆われた)追加/補助光源114(たとえば、一連のLEDのようなポジションバルブ又は他の光源)を含む。追加光源114は、一体の光源とすることができ、これは、(a)右及び左プロジェクターレンズ104R、Lの間のほぼ中ほどで、自動二輪車2のセンターライン5上に水平に配置され、また、(b)右及び左プロジェクターレンズ104R、Lの対応する中心点105R、Lの上方に垂直にずれている。特に、追加光源114の中心点115は、共通の水平なプロジェクターレンズ中心線111上の所定の垂直距離で、それと平行する水平な補助光源中心線113上に配置することができる。追加光源114の中心点115は、追加光源の中心点115と右プロジェクターレンズ104Rの中心点105Rとの間の距離が、追加光源114の中心点115と左プロジェクターレンズ104Lの中心点105Lとの間の距離とほぼ等しくなるように、右及び左プロジェクターレンズ104R、Lのそれぞれの中心点105R、Lに関連させて配置することができる。
【0056】
追加光源114により発される光が、各プロジェクターレンズ104の内側及び外側を含む各プロジェクターレンズ104の両側に進み、又はそこに送られ得るので、追加光源114の最良の位置は、プロジェクターレンズ104又は第一照明部分306の上方である。また、追加光源のこの位置により、追加光源114により発される光は、各プロジェクターレンズ104に対応するレンズホルダーを通って照射することができ、また、そのような光は、以下にさらに詳説するような単純又は簡単な方法で、プロジェクターレンズ104に関連するそれぞれの第一/外部照明部分308に指向されることができる。
【0057】
図4に示すように、自動二輪車ライトアセンブリ100はまた、右高ビーム反射器120R及び左高ビーム反射器120Lを含み、これらは、外側レンズ102を通って、右及び左プロジェクターバルブにより発される高ビーム照明を反射又は指向するべく構成される。
【0058】
図3は、図1及び2の自動二輪車2の他の部分正面図を与え、これは、外側レンズ部分102が、(a)右及び左プロジェクターレンズ104R、L、(b)第一及び第二右照明部分306R、308R、(c)第一及び第二左照明部分306L、308L及び、(d)右及び左のウインカーバルブ118R、Lのそれぞれに適合し、それを取り囲み又は覆うよう構成される様々な実施形態で示す。従って、様々な実施形態では、外側レンズ部分102は、材料の一体型又は一体成形である。外側レンズ102は、自動二輪車ライトアセンブリ100の正面、最も外側又は外装の部分を形成することができる。
【0059】
様々な実施形態では、自動二輪車ライトアセンブリ100は、自動二輪車ライトアセンブリ100の後部もしくはベース部と、自動二輪車ライトアセンブリ100の正面、外装又は最も外側の部分との間で、互いに隣接して配置され、整列され、又は組み立てられる多数の構造層を含む。たとえば、図5〜7を参照して以下にさらに説明するように、自動二輪車ライトアセンブリ100は、自動二輪車の後方から前方の方向において、(たとえば、ねじにより)光透過内部レンズ300で外側レンズ102に固定された延長部材130を含む。延長部材130は、自動二輪車ライトアセンブリ100の特定の内部を選択的又は部分的に覆うものであって、プロジェクターレンズ104R、Lならびに、第一/外部右及び第一/外部左照明部分306R、Lと整列又は係合(たとえば嵌め合い係合)するために構成された多くの開口部を有するものである。自動二輪車ライトアセンブリ100の詳細な側面は、特定の積層された又は隣接配置された内部構造自動二輪車ライトアセンブリ要素を含むものであるが、図5〜13に関して以下に詳細に述べる。
【0060】
図5は、自動二輪車ライトアセンブリ100の第一左右断面概略図であり、これには、本開示の実施形態に従い、光透過材料からなるものではなく、車両ライトアセンブリ100の特定の内部を覆うように構成された延長部材130が含まれる。延長部材130の表面(たとえば内面)は、その上にアルミニウムを堆積させることにより処理され、又は被覆されたものとすることができる。ある実施形態では、延長部材130は、(a)内部レンズの右及び左の円形部分310R、L、(b)第一/外部及び第二/内部の右及び左の照明部分306R、L、ならびに、場合によっては(c)ハウジング101の部分(たとえば、ハウジング101の上部または、それに連結される取り付け部材)に対して整列させ、及び/又は、それに取り付け、又は、それと係合(たとえば嵌め合い係合)するために構成される。延長部材130は、右及び左プロジェクターレンズ104R、Lの部分をそれぞれ取り囲む又は包囲するよう構成された右及び左プロジェクターレンズ開口部もしくは穴134R、Lを含むことができ、それにより、右及び左プロジェクターレンズ104R、Lは、延長部材の右及び左プロジェクターレンズ開口部134R、L内に配置(たとえば中央に配置)される。延長部材130はさらに、第一/外部右照明部分306R及び第一/外部左照明部分306Lを受容するべく構成された右及び左の照明部分開口部135R、Lを含むことができ、それにより、第一/外部右照明部分306R及び第一/外部左照明部分306Lはそれぞれ、延長部材130の照明部分開口部135R、Lを越えて又は通過して延び、又は突出することができる。延長部材130はまた、下部もしくは底部境界138を有するものとすることができ、その下側に又はそれに隣接して、第二/内部右照明部分308R及び第二/内部左照明部分308Lが存在することができる。従って、内部レンズ130は、照明部分306、308及び円形部分310だけを、延長部材130の穴及び境界を通して露出させる。その結果として、照明部分306、308及び円形部分310により与えられる特徴的な追加照明形状、輪郭又は形、たとえば、人間の顔のイメージを代表する又はそれに対応する特徴的な追加照明形状は、明らかに光学的に強調されるとともに視覚的に区別され得る。
【0061】
延長部材130はまた、低ビームヘッドライト照明を出力することに関して最小の/無視できるほどの重要性又は無関係であるプロジェクターレンズ領域に対応する右及び左プロジェクターレンズ104R、Lの上部を覆うよう構成することができる。いくつかの実施形態では、図8を参照して以下に説明するように、低ビームヘッドライト照明は、主に右及び左プロジェクターレンズ104R、Lの下側半部を通って、又はそれだけを通って出力される。それ故、延長部材130は、低ビームヘッドライト照明の車両ライトアセンブリの出力に悪影響を及ぼすことなしに、右及び左プロジェクターレンズ104R、Lのそれぞれの上側の一部(たとえば、およそ上側半部)を覆い、又は光学的に遮断することができる。図5に示すように、延長部材の下側境界138は、上側横方向(an upper-sideways direction)に角度配置又は傾斜されるとともに、各プロジェクターレンズ10の部分に吊り下げられる。その結果として、車両照明アセンブリ100により伝えられる視覚イメージ、たとえば前述の人間の顔のイメージは、観察者に力強く強烈な印象を与え、それにより、自動二輪車の視認性を向上することができる。延長部材130の下側境界138は、右及び左の高ビーム反射器120R、Lに対応する空間領域内に大きく延びることを回避し、それにより、延長部材130は、高ビームヘッドライト照明の出力に悪影響を及ぼすことを回避する。
【0062】
いくつかの実施形態では、延長部材130は、右ウインカーバルブ118Rを取り囲む右ウインカーバルブ穴116R、及び、左ウインカーバルブ118Lを取り囲む左ウインカーバルブ穴116Lを支持し、それと係合し、又はそれを含むことができる。左右ウインカー反射器119R、Lはそれぞれ、左右バルブ穴116R、Lの周囲に形成され得る。ウインカー反射器119の表面は、その上にアルミニウムを堆積させることにより処理することができる。図5に示すように、延長部材130は、追加光源114により出力される照明を部分的に覆い又は光学的に遮断するべく構成される。その結果として、標準的な光出力電力追加光源114(たとえば、低コストの標準的な光出力電力ポジションバルブ)でさえも、容易に見える又は明瞭に知覚できるポジション照明の出力もしくは放射をもたらす方法で、内部レンズ300の照明部分306、308及び円形部分310に、光をもたらすことに用いられ得る。
【0063】
図6は、図7及び9に対応する自動二輪車ライトアセンブリ100の第二左右断面概略図であり、これには、各プロジェクターレンズ104R,Lの異なる側(たとえば右及び左)における第一/外部及び第二/内部照明部分306R、L、308R、Lを与える光透過内部レンズもしくは内部レンズ部材300が含まれる。内部レンズ300は、透明の又は半透明の樹脂もしくはアクリル材料のような光透過材料からなるものであって、本開示の実施形態に従い、第一/外部及び第二/内部右照明部分306R、308Rならびに、第一/外部及び第二/内部左照明部分306L、308Lを与えるための材料の一体成形として一体に形成される。第一及び第二右及び左照明部分306R、L、308R、Lは、プリズム及び/又はフレネルレンズ構造、たとえば、図8Aに示すような、のこぎり形状又は鋸歯形状を有する要素等を含むことができ、これは、関連する技術における当業者により理解される形において、多数の方向で、それへの入射光を散乱させ/分散させ、指向させ、方向変更させ、及び/又は反射させるべく構成される。
【0064】
内部レンズ300は、(たとえば、射出成形プロセスのような成形プロセスにより)材料の一体の、単一の又は一体型の成形(たとえば、ポリカーボネートのようなポリマー又はプラスチック材料の一体成形)として形成され、製造され又は組み立てられ、これは、低及び高ビーム照明の色彩(たとえば白色又は広域スペクトル色)に対して異なる色彩(たとえば青色又は琥珀色等の他の色彩)を有するものとすることができ、それにより、第一及び第二照明部分306R、L、308R、Lにより出力されるポジション照明は、プロジェクターライト照明と容易に見分けることができる。従って、第一及び第二照明部分306、308は、ブルーライトを放射することができ、これは、ヘッドライト照明色と容易に視覚的に見分けることができる。いくつかの実施形態では、右の第一/外部照明部分306R、左の第一/外部照明部分306L、右の第二/内部照明部分308R及び、左の第二/内部照明部分308Lは、そのような照明部分306R、L、308R、Lから離れて発する又は伝わる光が、低ビーム照明の前方向又は高ビーム照明の前方向に平行な又は概して平行なベクトル成分及び、垂直上向き及び下向きのベクトル成分を含むように、入射光を散乱させ/分散させ、指向させ、方向変更させ又は反射させることができる。従って、第一/外部及び第二/内部照明部分306、308は、ポジション照明部分として明瞭かつ強力に見られることができる。
【0065】
いくつかの実施形態では、内部レンズ300は、右及び左円形部分又はプロジェクターレンズ嵌合要素310R、Lを含み、これらは、右及び左プロジェクターレンズホルダー200R、Lの部分に隣接して配置され、その周囲に取り付けられ、又は、その上にもしくはそれを越えて適合することができる。右及び左円形部分310R、Lはそれぞれ、右及び左プロジェクターレンズ104R、Lを取り囲み、又は実質的に取り囲む。すなわち、円形部分310R、Lは、内側にプロジェクターレンズ104R、Lが配置され得る内部レンズ部材300内に開口部を含み又は形成する。さらに、円形部分310R、Lは、グルービングラインもしくは凹部310aを含み、これらは、円形部分310R、Lから離れて外側レンズ102に向かってそれを通る自動二輪車の外部環境への多数の方向(たとえば、前ならびに垂直上向き及び下向き)での光の分散、散乱、方向変更もしくは反射を促進もしくは向上させる光分散手段を与えることができる。従って、プロジェクターレンズ104R、Lの周囲(たとえば、各プロジェクターレンズ104の端縁に円形に隣接する箇所、又はそれと同心の箇所)で、内部レンズ300は、追加光源114から伝わる光を受けるとともに、各プロジェクターレンズ104の周囲で、ブルーライトを円形分散に発することができる。そのように円形に分散されたブルーライトは、人間の目の前述のイメージを強調することができるとともに、自動二輪車2の視認性の促進に寄与することができる。いくつかの実施形態では、内部レンズ部材300はまた、追加光源114を覆うよう構成された上部315を含む。
【0066】
一般に、内部レンズ部材300は、たとえば、特定の実施形態の詳細又は車両ライトアセンブリ設計目的/制約に基く、空間的構造もしくは配向、寸法/サイズ/空間的規模、及び/又は角度関係の極めて広い範囲に従い、互いに関連付けて配置された(それによりプロジェクターレンズ104に対して傾斜する)第一/外部及び第二/内部照明部分306、308を与えるよう組み立てることができる。
【0067】
多くの実施形態では、車両ライトアセンブリ100内の追加照明又はポジション照明サブアセンブリは、各プロジェクターレンズホルダー200R、L及び、その内部に形成された穴手段210と、照明部分306R、L、308R、Lならびに右及び左円形部分または取り付けセグメント310R、Lを含む、内部レンズ300の特定の部分とを含むように規定することができる。追加照明サブアセンブリの詳細な側面は、図8A及び11Aを参照して以下に述べる。
【0068】
図7は、本開示の実施形態に従う自動二輪車ライトアセンブリ100の第三左右断面概略図である。いくつかの実施形態では、自動二輪車ライトアセンブリ100は、右及び左ウインカーバルブ118R、Lと、追加光源114と、右及び左高ビーム反射器120R、Lと、さらに右及び左光透過プロジェクターレンズホルダー200R、Lとを含む自動二輪車ライトアセンブリ要素を保持し又は支持するよう構成された構造的支持体、フレーム部材又はハウジング101を与える。ハウジング101は、ボルトやねじのような締結具により、自動二輪車2に固定し又は取り付ける(たとえば、取外し可能に取り付ける)ことができる。
【0069】
右及び左プロジェクターレンズホルダー200R、Lはそれぞれ、右及び左プロジェクターレンズ104R、Lを、右及び左プロジェクターバルブ400R、Lに対する所定の配置に保持又は維持するよう構成される。図12及び13を参照して以下にさらに詳細に述べるように、右及び左プロジェクターバルブ400R、Lはそれぞれ、右及び左プロジェクターレンズ104R、L及び、右及び左プロジェクターレンズホルダー200Rのそれぞれの裏側もしくは後ろ側に配置される。右及び左プロジェクターレンズ104R、Lの裏側の右及び左プロジェクターバルブ400R、Lのそのような位置は、図7に、右及び左プロジェクターレンズ104R、Lの周囲の内側の破線で示されている。
【0070】
多くの実施形態では、右及び左プロジェクターバルブ400R、Lのそれぞれは、低ビーム照明又は高ビーム照明を選択的に生じさせ又は出力するよう構成される。図12に示すように、所定のプロジェクターバルブ400R、Lにより出力される低ビーム照明は、対応するプロジェクターレンズ104の特定の部分(たとえば下部)を通って、前方の低ビーム光分散に向けられた低ビーム反射器410により、図12に示す形で、外側レンズ102の部分(たとえば、中央又は概して中央の部分)に向けてそれを通って、自動二輪車の外部環境へ反射される。右及び左プロジェクターバルブ400R、Lにより出力される高ビーム照明はそれぞれ、右及び左高ビーム反射器120R、Lに向けられるとともに、それによって前方の高ビーム光分散に反射され、それにより、図13に示す形で、外側レンズ102の他の部分(たとえば下部)に向けてそれを通って、自動二輪車外部環境へ伝わる。
【0071】
図7に示すように、各プロジェクターレンズホルダー200は、その内部に形成された一連の窓もしくは隙間のような穴手段210を含む。より具体的には、右プロジェクターレンズホルダー200Rは、右及び左光学窓もしくは隙間210R、Lを含み、それを通って、追加光源114により出力された照明が、第一/外部照明部分306Rに向けて伝わることができる。同様に、左プロジェクターレンズホルダー200Rは、右及び左隙間もしくは窓210R、Lを含み、それを通って、追加光源照明が、第一/外部左照明部分306Lに伝わることができる。
【0072】
図9は、図7の車両ライトアセンブリ100の第一左右断面概略図であって、方向もしくは光路を示し、それに沿って、追加光源114により出力される光が、本開示の実施形態に従い、右及び左プロジェクターレンズ104R、Lの両方の周囲の及び/又はそれから離れて延びる第一/外部照明部分306R、L及び第二/内部照明部分308R、Lにわたって伝えられ、及び/又は分散され得る。ある実施形態では、追加光源114により発される光は、右及び左プロジェクターレンズ104R、Lの内側から離れて延びる第二/内部照明部分308R、Lのそれぞれに直接伝わるものとすることができる。また、図10及び11Aをさらに参照して後述するように、追加光源114により発される光は、穴手段210を通って、各プロジェクターレンズホルダー200内又は上に形成された光散乱手段に伝わることができ、その後、第一/外部照明部分306が、外側レンズ102を通る多数の方向に、追加照明(たとえばポジション照明)を自動二輪車の外部環境へもたらし、又は放射することができるように、第一/外部照明部分306のそれぞれに向けて散乱されるものとすることができる。共通の左右斜線109R、Lは、第一/外部照明部分306R、Lに対する第二/内部照明部分308R、Lの配置を示す。照明部分306R、L、308R、Lは、実質的に細長い形状であって、(たとえばX軸に対し)延長部材の底辺138の方向もしくは傾きと同じ又は実質的に平行な角度で、指向され、もしくは傾斜する。
【0073】
図10は、本開示の実施形態に従い、ポジションライトのような追加光源114により与えられる照明が、自動二輪車の視認性もしくは目立ちやすさを強めるために進むことのできる内部自動二輪車ライトアセンブリ到達先を示す概略図である。明瞭さ/簡潔さの目的で、また理解を助けるため、図10には、追加照明をもたらす内部レンズ300のそれらの部分だけが示されている。図10には、自動二輪車ライトアセンブリ100の左側部分を示すが、自動二輪車ライトアセンブリ100の右側部分に、同一の、同等の又は類似の考察を適用する。ある実施形態では、追加光源照明は、第二/内部左照明部分308Lに直接的に伝わることができる。また、いくつかの追加光源照明は、左プロジェクターレンズホルダー200Lに形成された穴手段210R、Lを通過することにより、第一/外部左照明部分306Lに直接的に伝わることができる。それ故に、穴手段210を通過することにより、追加光源114により発されるいくらかの光は、脚部202aの間の空間領域を通って遮られず又は減衰されずに、第一/外部左照明部分306Lに直接的に伝わることができる。そのような直接的に伝わる光は、追加光源114から、穴手段210を通り上側被覆部材202の下の空間領域を横切って、第一/外部左照明部分306Lへのかなりの距離を伝わることができる。しかしながら、プロジェクターレンズホルダー200が光の減衰を引き起こさないことを、プロジェクターレンズホルダー200の穴手段210及び開口構造が確保するので、追加光源114により発される光は、このようなかなりの距離にわたって減衰されない。従って、第一/外部照明部分306Lへのそのような直接的な光の伝達は、第一/外部照明部分306Lにより発される光に、制限された又は小さな大きさの光強度を与える。
【0074】
いくつかの実施形態では、たとえば、左プロジェクターレンズホルダー200Lが、左高ビーム反射器120Lに向けて伝わる追加光源照明を遮蔽し又は大きく遮る構造要素もしくは特徴(たとえば、下側被覆部材のような裏側もしくは下側構造)を除外又は除去するので、追加光源照明はまた、左高ビーム反射器120Lに直接的に伝わることができる。それにより、左高ビーム反射器120L上に入射する追加光源照明は、前もしくは概して進行方向に反射され、又は指向されるとともに、外側レンズ102により出力され得る。追加光源照明が左高ビーム反射器120L上に入射する角度は、左プロジェクターバルブ400Lにより出力される高ビーム照明が、左高ビーム反射器120L上に入射する角度とは相違し得るので、左高ビーム反射器120Lが追加光源照明を反射もしくは指向する方向に沿う進行方向は、高ビーム照明の前方向とは相違し得る。
【0075】
図11Aは、本開示の実施形態に従う自動二輪車ライトアセンブリ100内の追加照明サブアセンブリ500の部分を示す平面概略図であり、ここでは、追加照明サブアセンブリ500は、右及び左プロジェクターバルブ400R、Lに関連する多数の照明部分306R、L、308R、Lに照明を送ることのできる一体のポジションバルブのような一体の追加光源114を用いて、ポジション照明をもたらし又は出力するよう構成される。ある実施形態では、追加照明サブアセンブリ500は、内部に右プロジェクターバルブ400Rが存在することができる右プロジェクターバルブ・ハウジング406Rと、右プロジェクターレンズ104Rを保持するとともに、右プロジェクターバルブ・ハウジング406Rに連結されるよう構成された右プロジェクターレンズホルダー200Rと、内部に左プロジェクターバルブ400Lが存在することができる左プロジェクターバルブ・ハウジング406Lと、左プロジェクターレンズ104Lを保持するとともに、左プロジェクターバルブ・ハウジング406Lに連結されるよう構成された左プロジェクターレンズホルダー200Lとを含む。
【0076】
右プロジェクターレンズ104Rは、右プロジェクターレンズホルダー200Rの前部、境界もしくは縁部を越えて延在もしくは突出し、また、左プロジェクターレンズ104Lは、左プロジェクターレンズホルダー200Lの前部、境界もしくは縁部を越えて延在もしくは突出する。右プロジェクターレンズホルダー200Rは、内側に形成された右及び左の窓210R、Lのような穴手段210を有する被覆部材202を含む。同様に、左プロジェクターレンズホルダー200Lは、内側に形成された右及び左の窓210R、Lのような穴手段210を有する被覆部材202を含む。
【0077】
追加照明サブアセンブリ500はまた、低ビーム及び高ビーム・プロジェクターバルブ照明に対応する白色又は全もしくは広いスペクトル色とは容易に区別可能な青色及び/又は他の色彩を呈するポリマー又はプラスチック材料のような光透過材料の一体型もしくは一体成形として形成される。内部レンズ300は、右円形部分もしくは取り付けセグメント310Rに連結される第一/外部照明部分306R及び第二/内部照明部分308Rを含み、これは、プロジェクターレンズ保持部分204のような右プロジェクターレンズホルダー200Rの部分との嵌め合い係合により、右プロジェクターレンズホルダー200Rに取り付け可能である。内部レンズ300はまた、左円形部分もしくは取り付けセグメント310Lに連結される第一/外部左照明部分306L及び第二/内部左照明部分308Lを含み、これは、図11Bに示すように、プロジェクターレンズ保持部分204及び、位置決め突出部分204aのような左プロジェクターレンズホルダー200Lの前方もしくは露出部分との嵌め合い係合により、左プロジェクターレンズホルダー200Lに取り付け可能であり、これは、拡大断面図における図11Aの構造的な内部レンズ―レンズホルダー―プロジェクターレンズの関係の詳細を与える。内部レンズ300はまた、第二/内部右及び左照明部分308R、Lを連結もしくは結合するブリッジセグメント304を含み、これは、ある実施形態では、内部レンズ300の、延長部材130の部分との嵌合を容易にする。
【0078】
追加照明サブアセンブリ100は、ハウジング101の部分により、右及び左プロジェクターレンズホルダー200R、Lの間のほぼ中ほどに水平に配置された一のポジションバルブ114のような一体の追加光源114をさらに含む。ポジションバルブ115はさらに、右及び左プロジェクターレンズホルダー200R、Lに対して垂直に配置され、それにより、ポジションバルブ照明は、第一/外部右及び左照明部分306R、Lに向かう途中で、各プロジェクターレンズホルダーの穴手段210を通って伝わることができる。
【0079】
図11Aはさらに、ポジションバルブ115により発されるポジションバルブ照明が、本開示の実施形態に従い、内部レンズ300の第一/外部右及び左照明部分306L、Rならびに第二/内部右及び左照明部分308L、Rに到達することのできる代表的な光路を示す。図11Aに示すように、ポジションバルブ照明は、ポジションバルブ115から第二/内部右及び左照明部分308R、Lへ直接的に伝わることができ、これは、その内側/上に形成されたプリズム及び/又はフレネル構造的特徴(たとえば、図8Aに描いたような、のこぎり形状もしくは鋸歯状の断面を有する要素等)により、ポジション照明をもたらし又は出力することができる。
【0080】
図11Aの実施形態では、ポジションバルブ照明はさらに、右及び左プロジェクターレンズホルダー200R、Lに形成された右及び左の窓210R、Lを通って延びる光路に沿って伝わることができる。すなわち、右プロジェクターレンズホルダー200Rに向けて伝わるポジションバルブ照明は、右プロジェクターレンズホルダーの被覆部材202に形成された左の窓210Lを通って伝わることができ、また、左プロジェクターレンズホルダー200Lに向けて伝わるポジションバルブ照明は、左プロジェクターレンズホルダーの被覆部材202に形成された右の窓210Rを通って伝わることができる。
【0081】
図10を参照して先に述べたように、ポジションバルブのような追加光源114により発される少なくともいくらかの光(たとえば、比較的制限された又は少量の光)は、追加光源114から、プロジェクターレンズホルダーの穴手段210を通って、第一/外部右及び左照明部分306R、Lへ直接的に伝わることができ、それにより、第一/外部照明部分306R、Lによるポジション照明の放射に寄与することができる。従って、第一/外部右及び左照明部分306R、Lは、その後の直接入射ポジションバルブ光の結果として、いくらかの追加/ポジション照明を発することができる。
【0082】
しかしながら、本開示の実施形態によれば、第一/外部右及び左照明部分306R、Lにより発される追加/ポジション照明の大部分は、各プロジェクターレンズホルダーの光散乱手段208に入射する光を、第一/外部右及び左照明部分306R、Lに向けて又はそれに散乱させることから生じる。従って、それぞれの突出レンズホルダーの光散乱手段208により一体の追加光源から受ける光を散乱させることは、第一/外部右及び左照明部分306R、Lにより発される追加/ポジション照明の全体量もしくは強度への多くの又は主要な貢献をもたらす。
【0083】
図8Aは、追加照明サブアセンブリ500の左側部分を示す背面概略図であって、本開示の実施形態に従う内部レンズ300の第一/外部及び第二/内部照明部分306R、Lと、左側プロジェクターレンズホルダー200Lとの間の空間的関係を描いたものである。図8Aには、追加照明サブアセンブリ500の左側部分を示すが、以下の説明材料は、追加照明サブアセンブリ500の右側部分に類似し又は等しく適用する。プロジェクターレンズホルダー200は、ハウジング部分200aを有し、ここでは、レンズホルダー200が、低ビーム及び高ビーム反射器410、120に取り付けられる。プロジェクターレンズホルダー200は、角度的に約90度で離れて間隔をおいた三個の脚部202a、b、cを含む。第一脚部202aは、前後方向もしくは長手方位に形成された溝部208を有する。第二及び第三脚部202b、cはそれぞれ、円方向もしくは周方位に形成された溝部208を含む。それぞれの脚部202a、b、cにおける溝部208は、光の拡散、伝達もしくは散乱手段をもたらし又は形成する。
【0084】
図8A及び11Aを参照するに、いくつかの実施形態では、ポジションバルブ照明が、プロジェクターレンズホルダーの右もしくは左の窓210R、Lを通って伝わると、そのようなポジションバルブ照明の大部分は、右及び左プロジェクターレンズホルダーの上側被覆部材を形成する脚部202a、b、cの外側もしくは最も外側の部分又は表面領域の内面及び/又は外面に到達するとともに入射する。そのような脚部202a、b、cは、それらの内面及び/又は外面内もしくは上に形成された光の拡散、伝達もしくは散乱手段208、たとえば、第一/外部右及び左照明部分306R、Lに向かう光の拡散、散乱もしくは分散の向上を促進させるプリズム及び/又はフレネル構造的特徴、のこぎり状の断面及び/又は鋸歯状の形状を有するリッジ及び/又は刻み目(indentations)及び/又は要素を含む。第一/外部右及び左照明部分306R、Lに向かう光のこのような強められた拡散もしくは散乱/分散は、(たとえば、光散乱手段208から離れて第一/外部照明部分306に向けて伝わる光の角度の広がりを増加させ又は最大化させることにより)ポジションバルブ照明が伝わる第一/外部右及び左照明部分の表面領域の大きさを増やし、それにより、第一/外部右及び左照明部分306R、Lによるポジション照明の生成もしくは放射を増加もしくは強化する。
【0085】
それ故に、本開示に従う実施形態により与えられる光散乱手段208は、この発明の主要な目的もしくは利点を達成することができ、これは、光電力出力の増加又は上昇とともに、ポジションバルブのようなコストのかかる追加光源114の使用を回避する車両ライトアセンブリ100を提供することにあり、また、単一で、低コスト、標準的もしくは安価な出力追加光源114(たとえば、通常のポジションバルブ)により、二個以上のプロジェクターレンズ104の周囲で、容易にもしくは高度に視認できる空間的形状及び、容易にもしくは高度に知覚できる強度を有する追加/ポジション照明を効果的に発することにある。
【0086】
プロジェクターレンズホルダー200は、光透過材料、たとえば、透明な樹脂もしくはアクリル材料のような透明の、実質的に透明の又は部分的に透明の材料からなり、この内側で、穴手段210及び光散乱手段208は、(製造又は、射出成形プロセスのような成形プロセスに関連して、又はその間に)容易に形成することができる。光散乱手段208のリッジ、刻み目及び/又は鋸歯状の縁(serrations)は、互いに同心型の構成を呈し又は概して呈する円弧の部分に対応し、それに倣い、又はそれを形成することができる。光散乱手段208は、第一/外部照明部分306に向けて多数の方向に入射する光を角度的に指向(方向変更)させ、伝達させ、拡散させ又は分散させる。第一/外部照明306は、関連する光散乱手段208により第一/外部照明部分306に与えられる照明の角度分散に関連する又は対応する方法で、光散乱手段208から受ける照明に応じて、ポジション照明を生成し又は発する。
【0087】
いくつかの実施形態では、プロジェクターレンズホルダー200は、たとえば、プロジェクターレンズホルダー200を鏡像の右及び左半分に表現もしくは分割する垂直基準もしくは境界線205に対して、左右対称構造であり、ここでは、右の窓210R及び左の窓210Lは、垂直境界線205に対して対称に、又はそれから等距離に、水平に配置される。また、各プロジェクターレンズホルダー200に形成された穴手段210は、垂直境界線205に対して対称に形成される。それ故に、プロジェクターレンズホルダー200及び、その穴手段210は、垂直基準線205に対して鏡像対称性を呈する。さらに、穴手段210は、追加光源114により発される光が、光散乱手段208に向けて穴手段210を通過することによって、プロジェクターレンズホルダー200を通って伝わることのできる方向に沿う方向に対して、対称に形成される。それ故に、右プロジェクターレンズホルダー200R及び、左プロジェクターレンズホルダー200Lは、構造的に同一のものとすることができ、これは、プロジェクターレンズホルダーの製造プロセス及び、ヘッドライトアセンブリの構成プロセスを単純化させる。言い換えれば、追加照明サブアセンブリ500の右側もしくは左側のいずれかには、同一のプロジェクターレンズホルダー200を用いることができる。このことは、パーツ点数を低減させるだけでなく、プロジェクターレンズホルダー200の製造コストをも低減させる。
【0088】
先に示したように、いくつかの実施形態では、プロジェクターレンズホルダー200は、プロジェクターレンズホルダー200に取り付けられたプロジェクターレンズ104の周囲全体を取り囲み、本質的に取り囲み、又はほぼ取り囲み/包囲する開口部を画定する周囲を有する。プロジェクターレンズホルダー200は、三個のプロジェクターレンズ保持部分204及び、三個の位置決め突出部204aを有し、これらは、図8Aに示すように、プロジェクターレンズホルダー200の周囲に沿って交互に分配される。プロジェクターレンズホルダー200の周囲に沿って、プロジェクターレンズ保持部分204は、約120度で離して形成することができ、また、位置決め突出部204aは、互いに約120度で離して形成することができる。図8Aの垂直基準線205に沿う断面図である図8Bに示すように、プロジェクターレンズ保持部分204のそれぞれは、プロジェクターレンズ104を配置し又は取り付け/固定的に保持するため、位置決め突出部204aと拮抗的及び/又は弾力的に協同するよう構成されたフック形状を有するものとすることができる。しかしながら、上側被覆部材202は、プロジェクターレンズ104の周囲全体にかなり満たないで取り囲み又は包囲する。たとえば、図8Aに示すように、各プロジェクターレンズホルダー200の上側被覆部分202の部分は、上側半円形状に対応し、又はそれを呈する。被覆部材202のこの上側半円形状はまた、被覆部材202を正面から見た際、すなわち、正面視から観察し、又は自動二輪車2の前部に向かって見た際に見えるものである。それ故に、各プロジェクターレンズホルダー200は、円、楕円又は、一以上の特徴的な円弧もしくは曲線を含む他の幾何学的形状の上側半部として形成されるものとすることができ、ここでは、この上側半部の幾何学的形状は、自動二輪車2の前部に向かって見た際に把握することができる。被覆部材202及び、それによるプロジェクターレンズホルダー200それ自身は、それに応じて、下側半円部分、構造もしくは形状を除去もしくは除外する。それ故に、プロジェクターレンズホルダー200は、構造的に、被覆部材202の下側縁部もしくは境界の下部、たとえば、被覆部材202の上側半円形状の下部で開いている。それにより、プロジェクターレンズホルダー200は、低減された量の材料を用いて製造され又は組み立てられることができ、そして、プロジェクターレンズホルダー200は、低減されたコスト及び重量をもたらすことができる。
【0089】
上側被覆部材202の内部もしくは下部における空間領域を通る又は横切る光の通路を可能にするため、各プロジェクターレンズホルダー200における穴手段210は、熱が、プロジェクターレンズホルダー200の下方に配置されたプロジェクターバルブ400から放散もしくは放出することを可能にする。すなわち、プロジェクターバルブ400から離れる熱の伝達、及び、それによるプロジェクターバルブ400の温度調整、維持又は冷却は、上側被覆部材200に形成された穴手段210を通る熱対流により促進される。プロジェクターレンズホルダー200が、半円形状に関連もしくは対応する小さな体積形状を有するとしても、プロジェクターレンズホルダー200は、穴手段210を通る上方向における放熱に起因して、プロジェクターバルブ400による光の生成に関連する実質的な熱量に耐えることができる。
【0090】
図12は、本開示の実施形態に従う自動二輪車ライトアセンブリ100の部分の第一前後切欠き断面概略図であって、低ビームヘッドライト照明の生成及び出力を示す。ある実施形態では、プロジェクターバルブ又はヘッドライトバルブ400は、自動二輪車ライトアセンブリ・ハウジング101の後部内に挿入される。プロジェクターバルブ400は、低ビーム照明放出器もしくはフィラメント402を含み、これは、低ビーム照明を、低ビームバルブ排出方向(a low beam bulb exit direction)、たとえば上方向に従い、低ビーム角度排出範囲(a low beam angular exit range)にわたって出力するための下部で遮断される。低ビーム反射器410は、プロジェクターバルブ400により出力される低ビーム照明を受けるとともに、低ビーム照明を、プロジェクターバルブ400に関連するプロジェクターレンズ104に向かって延びる光学的伝達経路に沿って、焦点もしくは焦点領域に向けて収束するように指向もしくは反射するべく構成される。低ビーム反射器410の前方で焦点領域に近接して配置される一連の低ビーム遮蔽要素420は、プロジェクターレンズ104に向けて焦点領域から離れて伝わるときに、低ビーム照明の角度発散もしくは分散を限定もしくは制限するよう構成される。プロジェクターレンズ104は、そこを通過する低ビーム照明を集中させ、それにより、低ビームヘッドライト照明が、前方の低ビーム光分布で、プロジェクターレンズ104から出力される。低ビームヘッドライト照明は、前方の低ビーム光分布に沿って、外側レンズ102の部分(たとえば、外側レンズ102の中間部分)に、それを通って、自動二輪車外部環境へ進む。
【0091】
図12に示すように、低ビーム反射器410及び低ビーム遮蔽体420は協同して、低ビーム光分布が、主にプロジェクターレンズ104のほぼ下半分のような特定の部分を通って、又はそれだけを通って出力されることを確保する。図12はまた、延長部材130が、プロジェクターレンズ104からの低ビームヘッドライト照明の出力に悪影響を及ぼすことなしに、プロジェクターレンズ104の上部を覆う又は遮ることができることを示す。図12に示すように、突出レンズホルダー200は、ねじのような一以上の締結具201により、低ビーム及び/又は高ビーム反射器410、120に連結し、固定し、又は取り付ける(たとえば、取外し可能に設置する)ことができる。いくつかの実施形態では、低ビーム及び高ビーム反射器410、120は、一体構造としてともに連結もしくは形成され、また、突出レンズホルダー200は、このような連結もしくは一体化された低ビーム/高ビーム反射器構造に連結される。
【0092】
図13は、図12の自動二輪車ライトアセンブリ100の部分の第二前後切欠き断面概略図であって、高ビームヘッドライト照明の生成及び出力を示す。ある実施形態では、プロジェクターバルブ400はまた、高ビーム照明放出器もしくはフィラメント404を含み、これは、高ビーム照明を、高ビームバルブ排出方向、たとえば下方向に従い、高ビーム角度排出範囲にわたって出力するよう構成される。高ビーム反射器120は、プロジェクターバルブ400により出力される高ビーム照明を受けるとともに、高ビーム照明を、前方の高ビーム光分布で、高ビーム反射器120から離れて伝わるように指向もしくは反射するよう構成される。この高ビームヘッドライト照明は、前方の高ビーム光分布に沿って、外側レンズ102の部分(たとえば、低ビームヘッドライト照明が通過して進む外側レンズ102の部分に対し、外側レンズ102の下部)に、それを通って、自動二輪車外部環境へ伝わる。
【0093】
低ビーム反射器410及び高ビーム反射器120が一体に連結もしくは形成されるので、高ビーム反射器120には、関連する技術における当業者により理解される形で、照準調整機構(たとえば、ボルト等のねじ要素)121を連結して、前方の低及び高ビーム光分布に対応する光軸の調整を促進させることができる。調整ボルト121が調整されたとき、高ビーム及び低ビーム反射器120、140は、ヘッドライトバルブ400とともに移動し、また、ハウジング101に対し、プロジェクターレンズホルダー200及びプロジェクターレンズ104も移動させる。さらに、単独の調整ボルト121は、右及び左両側の自動二輪車ライトアセンブリ要素を調整するべく構成することができ、それにより、調整ボルト121を回した際に、左右両側の反射器120、410は、対応する右側及び左側のヘッドライトバルブ400とともに移動し、また、ハウジング101に対し、一対のレンズホルダー200及び一対のプロジェクターレンズ104も移動させる。光軸の照準の間に、自動二輪車ライトアセンブリ100の位置固定された部分は、外側レンズ102、延長部材130及び内部レンズ300を含み、これは、内部レンズ部材の裏側から、一連のねじにより固定される。
【0094】
図12及び13に示すように、プロジェクターレンズホルダー200は、ボルト201等の締結具により、低ビーム及び高ビーム反射器410、120の部分に固定され又は固定可能な上側被覆部材202のような本体部を含む。上側被覆部材202の前方部分、箇所もしくは端部に配置又は形成されたプロジェクターレンズ保持部分204は、プロジェクターレンズホルダー200へのプロジェクターレンズ104の弾性的及び/又は弾力的な取り付けを可能にするよう構成される。プロジェクターレンズ保持部分204は、プロジェクターレンズの周囲の全体もしくは実質的に全体を取り囲み、又は包囲することができるが、いくつかの実施形態では、被覆部材202は、プロジェクターレンズ104の周囲全体には遠く及ばない部分を取り囲み、又は包囲する。たとえば、被覆部材202は、プロジェクターレンズ104の上半分又はほぼ上半分を取り囲み、又は包囲することができる。従って、プロジェクターレンズホルダー200は構造的に、被覆部材202の下方で開いており、又は空所であり、それにより、プロジェクターレンズホルダー200は、高ビーム反射器120に向けて進む照明を遮る又は覆う下部を除去もしくは除外する。他の方法で述べると、プロジェクターレンズホルダー200は、上側被覆部材202のものと等しい円周寸法もしくは長さを有する下側被覆部材を除去もしくは除外することができる。
【0095】
本開示の特定の実施形態の側面は、既存の車両ライトアセンブリへの追加/ポジション照明の提供に関連する少なくとも一の側面、問題、制約及び/又は不都合に対処する。本開示では、特定の実施形態に関連する特徴、側面及び/又は利点を説明したが、他の実施形態もまた、そのような特徴、側面及び/又は利点を呈することができ、また、本開示の範囲内に含まれるためには、全ての実施形態が、そのような特徴、側面及び/又は利点を呈することを要しない。たとえば、ここで説明した特定の代表的な実施形態は、互いに関連して水平に配置されたデュアルヘッドライトに相当するものであるが、他の実施形態は、追加的に又は代替的に、互いに関連して垂直に配置された多数のヘッドライトに相当するものとすることができる。上述したシステム、コンポーネント、プロセス又はその代替手段のいくつかは、他の異なるシステム、コンポーネント、プロセス又は適用に望ましく組み合せることができると、当業者には理解される。また、本開示の範囲内において当業者が開示する様々な実施形態には、様々な修正、変更及び/又は改良を行うことができ、このことは、添付の特許請求の範囲によってのみ制限される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B
図9
図10
図11A
図11B
図12
図13