特許第6039104号(P6039104)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6039104
(24)【登録日】2016年11月11日
(45)【発行日】2016年12月7日
(54)【発明の名称】フィードスルー
(51)【国際特許分類】
   G01F 1/84 20060101AFI20161128BHJP
   G01F 1/00 20060101ALI20161128BHJP
   G01F 15/18 20060101ALI20161128BHJP
   G01F 15/06 20060101ALI20161128BHJP
   G01N 9/00 20060101ALI20161128BHJP
   G01D 11/24 20060101ALI20161128BHJP
   G12B 9/02 20060101ALI20161128BHJP
   G08C 19/00 20060101ALI20161128BHJP
   H01R 13/533 20060101ALI20161128BHJP
【FI】
   G01F1/84
   G01F1/00 G
   G01F15/18
   G01F15/06
   G01N9/00 D
   G01D11/24 W
   G12B9/02
   G08C19/00 M
   H01R13/533 E
【請求項の数】20
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2015-547899(P2015-547899)
(86)(22)【出願日】2012年12月12日
(65)【公表番号】特表2016-500444(P2016-500444A)
(43)【公表日】2016年1月12日
(86)【国際出願番号】US2012069240
(87)【国際公開番号】WO2014092701
(87)【国際公開日】20140619
【審査請求日】2015年8月5日
(73)【特許権者】
【識別番号】500205770
【氏名又は名称】マイクロ モーション インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】特許業務法人 有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】マンスフィールド, ウィリアム エム.
(72)【発明者】
【氏名】シャナハン, ショーン イー.
(72)【発明者】
【氏名】ゾーム, ハワード アーヴィング ジュニア
【審査官】 森 雅之
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第5399807(US,A)
【文献】 特許第3502043(JP,B2)
【文献】 国際公開第2007/097690(WO,A1)
【文献】 特許第3137341(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01F1/84
G01F15/06
G01F15/18
G01N9/00
G01D11
G12B9
G08C19
H01R13
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気信号および/または電力の交換を可能とするように構成されたフィードスルー(300)であって、
通路(320)を有する本体(305)と、
前記通路(320)に配置され該通路(320)を実質的に閉鎖するプラグ(325)と、
前記プラグ(325)を貫通する1つ以上のコンダクタ(328)と、
前記本体(305)の外面に配置される縮径部(313)とを備えており、
前記縮径部(313)が第二のコンポーネントの1つ以上の突出ファスナー(330)の端部を受けるように構成されてなる、フィードスルー(300)。
【請求項2】
前記フィードスルー(300)が第一のコンポーネントに取り外せるようにまたは取り外せないよう取り付けられるように構成され、前記フィードスルー(300)が前記第一のコンポーネントを前記第二のコンポーネントと結合させてなる、請求項1に記載のフィードスルー(300)。
【請求項3】
前記第二のコンポーネントの前記1つ以上の突出ファスナー(330)が前記第二のコンポーネントを前記フィードスルー(300)へ引き寄せて完全締結をもたらすために、前記縮径部(313)と係合してなる、請求項1に記載のフィードスルー(300)。
【請求項4】
前記縮径部(313)が少なくとも1つのほぼ垂直な側壁(333)を有してなる、請求項1に記載のフィードスルー(300)。
【請求項5】
前記縮径部(313)が少なくとも1つの傾斜した側壁(333)を有してなる、請求項1に記載のフィードスルー(300)。
【請求項6】
前記縮径部(313)が少なくとも1つの傾斜した側壁(333)を有し、前記1つ以上の突出ファスナー(330)が前記少なくとも1つの傾斜した側壁(333)と係合し、前記1つ以上の突出ファスナー(330)が前記縮径部(313)の中へ突き出すように操作されると、前記少なくとも1つの傾斜した側壁(333)が前記第二のコンポーネントに対する締結力を生じるように構成されてなる、請求項1に記載のフィードスルー(300)。
【請求項7】
前記縮径部(313)が、前記1つ以上の突出ファスナー(330)の先端角度に実質的に一致する側壁角度を具備する少なくとも1つの傾斜した側壁(333)を有してなる、請求項1に記載のフィードスルー(300)。
【請求項8】
前記プラグ(325)が1つ以上の電気絶縁材料および耐熱材料のうちの一方または両方から形成されてなる、請求項1に記載のフィードスルー(300)。
【請求項9】
前記本体(305)の外面に配置され、前記縮径部(313)よりも大きな第一のフランジ部(312)と、前記外面に配置され、前記縮径部(313)を挟んで前記第一のフランジ部(312)の向かい側に配置される第二のフランジ部(314)とをさらに備えてなる、請求項1に記載のフィードスルー(300)。
【請求項10】
前記フィードスルー(300)が前記第二のコンポーネントを前記フィードスルー(300)の前記第二のフランジ部(314)に引き寄せて摩擦接触させるよう作用するように構成されてなる、請求項9に記載のフィードスルー(300)。
【請求項11】
電気信号および/または電力の交換を可能とするように構成されたフィードスルーを形成する方法であって、
通路を有する本体を設ける工程と、
前記通路内に配置されて該通路を実質的に閉鎖するプラグを設ける工程と、
前記プラグを貫通する1つ以上のコンダクタを設ける工程と、
前記本体の外面に配置される縮径部を設ける工程とを含み、
前記縮径部が第二のコンポーネントの1つ以上の突出ファスナーの端部を受けるように構成される、方法。
【請求項12】
前記フィードスルーを第一のコンポーネントに取り外せるようにまたは取り外せないように取り付ける工程をさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記フィードスルーを第一のコンポーネントに取り外せるようにまたは取り外せないように取り付け、前記フィードスルーを用いて前記第二のコンポーネントを前記第一のコンポーネントと結合させる工程をさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記フィードスルーを第一のコンポーネントに取り外せるようにまたは取り外せないように取り付け、前記フィードスルーを用いて前記第二のコンポーネントを前記第二のコンポーネントと結合させる工程をさらに含んでおり、前記第二のコンポーネントを前記フィードスルーに引き寄せて完全締結をもたらすために、前記第二のコンポーネントの前記1つ以上の突出ファスナーが前記縮径部と係合する、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記縮径部が少なくとも1つのほぼ垂直な側壁を有する、請求項11に記載の方法。
【請求項16】
前記縮径部は少なくとも1つの傾斜した側壁を有する、請求項11に記載の方法。
【請求項17】
前記縮径部が少なくとも1つの傾斜した側壁を有し、前記1つ以上の突出ファスナーが前記少なくとも1つの傾斜した側壁と係合し、前記1つ以上の突出ファスナーが前記縮径部の中へ突き出すように操作されると、前記少なくとも1つの傾斜した側壁が前記第二のコンポーネントに対する締結力を生じる、請求項11に記載の方法。
【請求項18】
前記縮径部が、前記1つ以上の突出ファスナーの先端角度に実質的に一致する側壁角度を具備する少なくとも1つの傾斜した側壁を有する、請求項11に記載の方法。
【請求項19】
前記本体の外面に配置され、前記縮径部よりも大きな第一のフランジ部を設ける工程と、前記外面に配置され、前記縮径部を挟んで前記第一のフランジ部の向かい側に配置される第二のフランジ部を設ける工程とをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項20】
前記フィードスルーが前記第二のコンポーネントを前記フィードスルーの前記第二のフランジ部に引き寄せて摩擦接触させるよう作用する、請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
1.発明の分野
本発明は、フィードスルー(両面間接続端子)に関するものであり、とくに保持具としてのさらなる機能を有するフィードスルーに関するものである。
【背景技術】
【0002】
2.問題の記載
コリオリ式質量流量計(フローメータ)および振動式密度計(デンシトメータ)の如き振動式導管センサは、一般的に、流動物質を収容している振動する導管の運動を検出するよう動作するようになっている。導管に接続されている運動トランスデューサから受け取る測定信号を処理することにより、質量流量、密度などの如き導管内の物質に関する物性を求めることができる。物質を充填した振動システムの振動モードは、収容している導管およびその導管に収容されている物質の質量、剛性およびダンピング特性を組み合わせたものに影響されるのが一般的である。
【0003】
典型的なコリオリ式質量流量計は、配管または他の移送システムにインラインで接続されているとともに、そのシステム内の例えば流体、スラリ、エマルジョンなどの物質を移送する1つ以上の導管を有している。各導管は、例えば単純曲げモード、ねじれモード、ラジアルモードおよび結合モード含む一組の固有の振動モードを有していると考えられる。コリオリ式質量流量測定の典型的な用途では、物質が導管を流れている時に導管が1つ以上の振動モードで励振され、導管の運動が、導管に沿って間隔をあけて位置する複数の部位において測定される。通常、励振は、導管を周期的に摂動するボイスコイル式ドライバの如き電気機械デバイスのようなアクチュエータによって加えられる。質量流量は、複数のトランスデューサの設置位置での振動と振動との間の遅延時間または位相差を測定することによって求めることが可能である。このようなトランスデューサ(または、ピックオフセンサ)を通常2つ用いて1つ以上のフロー導管の振動応答が測定される。これらの2つのピックオフセンサは、通常アクチュエータの上流側および下流側に配置され、電子計装装置に接続される。この電子計装装置は、2つのピックオフセンサから信号を受け取った後、これらの信号を処理して例えば質量流量測定値などを算出する。従って、コリオリ式の質量流量計および密度計を含む振動式フローメータには、流体を測定するために振動する1つ以上のフローチューブが用いられている。
【0004】
環境によっては、電気的信号を防炎性の物理的バリアまたはハウジングを通して伝達させる必要がある場合もある。例えば、ハウジングは、メータ電子機器またはトランスミッタの電気回路を取り囲むようになっていてもよい。それに代えて、バリアは、現場で取り付けるトランスミッタハウジング内のコンパートメントを区切るものであってもよい。危険な環境で用いるように設計されたプロセス制御トランスミッタでは、制御不能な可燃性ガスの爆発を回避するために防炎性のハウジングおよび/またはバリアを含む複数の防護方法を組み合わせたものが用いられることが多い。国際規格には、防炎性のデバイスおよび構造についての順守要件が規定されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
コリオリ流量計のトランスミッタの場合には、電気機器内の電気エネルギーに起因して生じる恐れのある気体の爆発がエンクロージャを越えて伝搬しないように能動的電子機器部品を防炎性のコンパートメントの中に入れることが周知になっている。複数のコンパートメントまたは複数の領域の間を電気的に接続するために、防炎性および/または防爆形のフィードスルーを採用することが可能である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の態様
本発明の1つの態様によれば、フィードスルーは、流路を有する本体と、流路内に配置されて流路を実質的に閉鎖するプラグと、プラグを貫通する1つ以上のコンダクタと、本体の外面に配置される縮径部とを備えており、縮径部が第二のコンポーネントの1つ以上の突出ファスナーの端部を受けるように構成されている。
好ましくは、かかるフィードスルーは、取り外せるようにまたは取り外せないよう第一のコンポーネントに取り付けられるように構成され、第一のコンポーネントを第二のコンポーネントと結合させる。
好ましくは、第二のコンポーネントの1つ以上の突出ファスナーは、第二のコンポーネントをフィードスルーへ引き寄せて完全締結をもたらすために縮径部と係合する。
好ましくは、縮径部は少なくとも1つのほぼ垂直な側壁を有している。
好ましくは、縮径部は少なくとも1つの傾斜した側壁を有している。
【0007】
好ましくは、縮径部は少なくとも1つの傾斜した側壁を有し、1つ以上の突出ファスナーは少なくとも1つの傾斜した側壁と係合し、1つ以上の突出ファスナーが縮径部の中へ突き出すように操作されると、少なくとも1つの傾斜した側壁は第二のコンポーネントに対する締結力を生じる。
好ましくは、縮径部は、1つ以上の突出ファスナーの先端角度に実質的に一致する側壁角度を具備する少なくとも1つの傾斜した側壁を有している。
好ましくは、プラグは、1つ以上の電気絶縁材料および耐熱材料のうちの一方または両方から形成される。
好ましくは、かかるフィードスルーは、本体の外面に配置され縮径部よりも大きな第一のフランジ部と、 外面に配置され縮径部を挟んで第一のフランジ部の向かい側に配置される第二のフランジ部とをさらに備えている。
好ましくは、かかるフィードスルーは、第二のコンポーネントをフィードスルーの第二のフランジ部に引き寄せて摩擦接触させるよう作用するように構成されている。
【0008】
本発明の1つの態様によれば、フィードスルーを形成する方法は、流路を有する本体を設ける工程と、流路内に配置されて流路を実質的に閉鎖するプラグを設ける工程と、プラグを貫通する1つ以上のコンダクタを設ける工程と、本体の外面に縮径部を設ける工程とを含み、縮径部は、第二のコンポーネントの1つ以上の突出ファスナーの端部を受けるように構成されている。
好ましくは、かかる方法は、フィードスルーを第一のコンポーネントに取り外せるようにまたは取り外せないよう取り付ける工程をさらに含む。
好ましくは、かかる方法は、フィードスルーを第一のコンポーネントに取り外せるようにまたは取り外せないよう取り付け、フィードスルーを用いて第二のコンポーネントを第一のコンポーネントと結合させる工程をさらに含む。
好ましくは、かかる方法は、フィードスルーを第一のコンポーネントに取り外せるようにまたは取り外せないよう取り付け、フィードスルーを用いて第二のコンポーネントを第二のコンポーネントと結合させる工程をさらに含み、第二のコンポーネントの1つ以上の突出ファスナーは、第二のコンポーネントをフィードスルーに引き寄せて完全締結をもたらすために、縮径部と係合する。
【0009】
好ましくは、縮径部は少なくとも1つのほぼ垂直な側壁を有している。
好ましくは、縮径部は少なくとも1つの傾斜した側壁を有している。
好ましくは、縮径部は少なくとも1つの傾斜した側壁を有し、1つ以上の突出ファスナーは少なくとも1つの傾斜した側壁と係合し、少なくとも1つの傾斜した側壁は、1つ以上の突出ファスナーが縮径部の中へ突き出すように操作されると、第二のコンポーネントに対する締結力を生じる。
好ましくは、縮径部は、1つ以上の突出ファスナーの先端角度に実質的に一致する側壁角度を具備する少なくとも1つの傾斜した側壁を有している。
好ましくはかかる方法は、本体の外面に配置され縮径部よりも大きな第一のフランジ部を設ける工程と、 外面に配置され縮径部を挟んで第一のフランジ部の向かい側に配置される第二のフランジ部を設ける工程とをさらに含んでいる。
好ましくは、フィードスルーは第二のコンポーネントをフィードスルーの第二のフランジ部に引き寄せて摩擦接触させるよう作用する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
全ての図面上において同一の参照番号は同一の部品を表わしている。図面の縮尺は必ずしも均一ではない。
図1】本発明にかかる振動式フローメータを示す図である。
図2】本発明のある実施形態にかかるフィードスルーによりセンサに取り付けされているトランスミッタを示す図である。
図3】本発明のある実施形態にかかるフィードスルーを示す図である。
図4】フィードスルーを示す図であり、適所に取り付けられフィードスルーに固定された第二のコンポーネントと第一のコンポーネントとを備えている。
図5】本発明のある実施形態にかかるフィードスルーを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1図5および下記の記載には、本発明の最良のモードを作成および利用する方法を当業者に開示するための具体的な実施形態が示されている。本発明の原理を教示するために、従来技術の一部が単純化または省略されている場合もある。当業者にとって明らかなように、これらの実施形態の変形例もまた本発明の技術範囲内に含まれる。また当業者にとって明らかなように、以下に記載の構成要素をさまざまな方法で組み合わせて本発明の複数の変形例を形成することもできる。従って、本発明は、以下に記載の特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲およびその均等物によってのみ限定されるものである。
【0012】
図1には、本発明にかかる振動式フローメータ5が示されている。振動式フローメータ5は、フローメータ組立体10と、メータ電子機器20とを備えている。メータ電子機器20は、リード線100を通じてフローメータ組立体10へ接続され、密度、質量流量、体積流量、総質量流量、温度、および他の測定値もしくは情報のうちの一つ以上の測定値を通信経路26を通じて提供するように構成されている。当業者にとって明らかなように、振動式フローメータ5は、ドライバ、ピックオフセンサ、フロー導管または動作振動モードの数にかかわらず、いかなる振動式フローメータであってもよい。実施形態によっては、振動式フローメータ5がコリオリ式質量流量計である場合もある。それに加えて、振動式フローメータ5が振動式デンシトメータであってもよいことはいうまでもない。
フローメータ組立体10は、一対のフランジ101a、101bと、マニホールド102a、102bと、ドライバ104と、ピックオフセンサ105a、105bと、フロー導管103A、103Bとを備えている。ドライバ104およびピックオフセンサ105a、105bは、フロー導管103A、103Bに接続されている。
【0013】
フランジ101a、101bはマニホールド102a、102bに固定されている。実施形態によっては、マニホールド102a、102bは、スペーサ106の両端に固定されている場合もある。スペーサ106は、配管の力がフロー導管103A、103Bにまで伝達されないように、マニホールド102aとマニホールド102bとの間の間隔を維持している。測定される流動流体を運ぶ配管(図示せず)の中にフローメータ組立体10が挿入されると、流動流体がフランジ101aを通ってフローメータ組立体10の中に流入し、流入口マニホールド102aを通り、ここで流動流体の全量がフロー導管103A、103Bの中に流れ、フロー導管103A、103Bを流れ、流出口マニホールド102bの中へ流入し、ここでフランジ101bからメータ組立体10の外へと流出する。
流動流体は液体であってもよい。流動流体は気体であってもよい。流動流体は、混入気体および/または混入固体を含有する液体の如き多相流体であってもよい。
【0014】
フロー導管103A、103Bは、曲げ軸Wa−Wa、Wb−Wbに対して実質的に同一の質量分布、慣性モーメントおよび弾性モジュールを有するように、選択され、流入口マニホールド102aおよび流出口マニホールド102bに適切に取り付けられる。フロー導管103A、103Bは、マニホールド102a、102bから外側に向けてほぼ並列に延出している。
フロー導管103A、103Bは、それぞれ対応する曲げ軸線Wa、Wbを中心としてかつ振動式フローメータ5のいわゆる第一の逆位相曲げモードで、互いに反対方向に向けてドライバ104により振動させられる。ドライバ104は、例えばマグネットをフロー導管103Aに取り付け、それと対をなすコイルをフロー導管103Bに取り付けたような構成の如き複数の公知の構成のうちの一つの構成を有していてもよい。この対向するコイルに交流を流して両方の導管を振動させる。メータ電子機器20により、適切なドライブ信号がリード線110を通じてドライバ104へ加えられる。他のドライバデバイスも考えられており、それらもまた本願の明細書および特許請求の範囲に含まれる。
【0015】
メータ電子機器20は、リード線111aおよびリード線111bからそれぞれセンサ信号を受信する。メータ電子機器20はリード線110上にドライブ信号を生じさせ、この信号により、ドライバ104はフロー導管103A、103Bを振動させる。他のセンサデバイスも考えられており、それらもまた本願の明細書および特許請求項の範囲に含まれる。
メータ電子機器20は、ピックオフセンサ105a、105bからの左側速度信号および右側速度信号を処理し、例えば流量などを計算する。通信経路26は、メータ電子機器20にオペレータまたは他の電子装置との通信を可能とさせる入力手段および出力手段を提供している。図1の記載は、コリオリ流量計の動作の例示のみを意図したものであり、本発明の教示を限定することを意図したものではない。
【0016】
一実施形態では、メータ電子機器20は、フローチューブ103A、103Bを振動させるように構成されている。振動はドライバ104によって実行される。また、メータ電子機器20は、ピックオフセンサ105a、105bから得られる振動信号をさらに受信する。これらの振動信号は、フローチューブ103A、103Bの応答振動である。メータ電子機器20は、これらの応答振動を処理して応答周波数および/または位相差を求める。また、メータ電子機器20は、応答振動を処理して流動流体の質量流量および/または密度を含む1つ以上のフロー(流れ)に関する測定値を求める。他の応答振動特性および/またはフローに関する測定値も考えられており、それらもまた本願の明細書および特許請求の範囲に含まれる。
【0017】
一実施形態では、フローチューブ103A、103Bは図示されているような実質的にU字形のフローチューブであってもよい。それに代えて、他の実施形態では、フローチューブ103A、103Bは、実質的に真っ直ぐなフローチューブであってもよいしまたはU字型のフローチューブ以外の1つ以上の湾曲したフローチューブであってもよい。さらなるフローメータの形状および/または形態を用いてもよく、それらもまた本願の明細書および特許請求の範囲に含まれる。
【0018】
図2には、本発明のある実施形態にかかるフィードスルー300によりセンサ400に取り付けられているトランスミッタ500が示されている。実施形態によっては、センサ400は、振動式フローメータ5であってもよいしまたはそれを含んでいてもよい。フィードスルー300は、センサ400に対してトランスミッタ500を回転可能とするようなものであってもよいし、またはセンサ400に対してトランスミッタ500を適切に配置可能とするようなものであってもよい。トランスミッタ500をセンサ400に取り付けるにことに加えて、フィードスルー300は、トランスミッタ500とセンサ400との間にワイヤーを通すためのチャンネルまたは導管として働くようになっていてもよい。しかしながら、フィードスルー300は、単に通すための導管ではなく、フィードスルー300を貫通するワイヤーまたはコンダクタのまわりをシールするようにもなっている。従って、フィードスルー300は、気体、液体または他の物質がハウジング200に流出流入することができないようになっている。
【0019】
いうまでもなく、図示されているフィードスルー300は例示のみを意図したものである。いうまでもなく、フィードスルー300はトランスミッタ500および/またはセンサ400の他の部位に配置されてもよい。さらに、本発明の実施形態にかかるフィードスルー300は振動式フローメータまたはフローメータトランスミッタへの使用に限定されるものではない。フィードスルー300は、フィードスルーを必要とするいかなるバリア、ハウジングまたはデバイスに用いられてもよい。さらに、フィードスルー300は、防炎性および/または防爆形のフィードスルーを必要とするいかなるバリア、ハウジングまたはデバイスに用いられてもよい。
【0020】
図3には、本発明の実施形態にかかるフィードスルー300が示されている。フィードスルー300は、第一のコンポーネント400、例えばセンサまたは振動式センサ400に取り外せないようまたは取り外せるように(permanently or removably)取り付けられていてもよい。それに加えて、フィードスルー300は、第二のコンポーネント500、例えばトランスミッタ500に取り外し可能かつ位置合わせ可能に(positionably)取り付けるように構成されている。第二のコンポーネント500は、フィードスルー300に対して回転可能にまたは回転による位置合わせを可能とするように、フィードスルー300に取り外せるように取り付けられてもよい。第二のコンポーネントまたは構造体は、第一のコンポーネント400に対して、フィードスルー300を介して選択的に回転することが可能となっていてもよい。
フィードスルー300は第二のコンポーネント500に対する接続インターフェースを形成している。フィードスルー300は第二のコンポーネント500に対する回転可能接続インターフェースを形成している。例えば、フィードスルー300は、用途によっては、コリオリ式フローメータのトランスミッタをフローメータ組立体またはハウジングにマウントするために用いられる場合もある。しかしながらいうまでもなく、フィードスルー300の他の利用または用途も考えられており、それらもまた本願の明細書および請求項の範囲に含まれる。
【0021】
フィードスルー300は、取り外せないようまたは取り外せるように、第一のコンポーネント400に取り付けられてもよい。フィードスルー300はいかなる適切な方法で第一のコンポーネント400に取り付けられてもよい。実施形態によっては、フィードスルー300は、収容部の中へ受けられるようになっている場合もある、または、第一のコンポーネント400の開口部の中へもしくは開口部を貫通して延びるようになっている場合もある。
フィードスルー300は、電気信号および/または電力の交換を可能とする電気的フィードスルーのことである。フィードスルー300は、第一のコンポーネント400と第二のコンポーネント500との間の電気信号の交換を可能となっているものの、第一のコンポーネント400と第二のコンポーネント500との間に気体、液体または他の物質が通ることは可能となっていない。
【0022】
実施形態によっては、フィードスルー300は防炎性のフィードスルーである場合もある。従って、フィードスルー300は、適用可能な防炎性基準に準拠するように設計されていてもよい。防炎性の場合の実施形態では、フィードスルー300を炎が通り抜けることは可能となっていない。従って、フィードスルー300の一方側の発火がフィードスルー300の他方側の発火を引き起こしてしまうようなことはない。
実施形態によっては、フィードスルー300が防爆形のフィードスルーである場合もある。フィードスルー300は、適用可能な防爆形基準に準拠するように設計されていてもよい。防爆形の場合の実施形態では、フィードスルー300は、フィードスルー300の一方側において爆発が発生した場合に気体、液体または他の物質が流れてしまうことを可能とするようにはなっていない。フィードスルー300は前もって決められた圧力しきい値までの圧力スパイクならば封じ込めることができるように構成されていてもよい。
【0023】
フィードスルー300は、近位端部301および遠位端部302を有する本体305を備えている。実施形態によっては本体305がほぼ円筒状である場合もあるが、いうまでもなく他の断面形状を有していてもよい。シール溝340を本体305の外面に形成してシール346を受けるように構成してもよい(図4参照)。いうまでもなく、シール溝340は本体305のいかなる所望の部位に配置されてもよい。
フィードスルー300は、本体305を貫通する流路320を備えている。流路320は、一様であってもよいし、または異なる形状および/もしくは直径を有する部分を有していてもよい。流路320は、直線状であってもよいし、または、湾曲もしくは屈曲していてもよい。
【0024】
流路320にはプラグ325が形成されている。プラグ325は、電気絶縁材料から形成されていてもよいし、および/または、耐熱材料から形成されていてもよい。プラグ325は、不燃性、耐炎性または耐熱性の材料であってもよい。プラグ325は流路320を実質的に閉鎖するようになっている。従って、プラグ325と流路320の内面との間のギャップは、炎に流路320を通り抜けさせることを可能とする深さおよび長さよりも小さなギャップ深さおよび/またはギャップ長さを有するようになっている。従って、実施形態によっては、ギャップ深さおよびギャップ長さが適用可能な防炎性基準に準拠するようになっている場合もある。
一実施形態では、プラグ325はガラスから形成されている。実施形態によっては、プラグ325は溶解ガラスから形成されている場合もある。プラグ325が溶解ガラスから形成されている場合、ガラスは液体状態または半液体状態で流路320に注入されて冷却されるようになっていてもよい。この場合、ガラス製のプラグ325は流路320の内面と実質的に一致する。従って、プラグ325と流路320の内面との間のギャップが最小限に抑えられる。また、プラグ325と流路320の内面との間のギャップがフィードスルー300を防炎性または防爆形の一方または両方とするのに十分足りるように最小限に抑えられる。
【0025】
実施形態によっては、ガラスプラグ325は、当該ガラスプラグ325を流路320内の適所において柔らかく流動するまで加熱して流路320の内面と一致させるようになっている場合もある。次いで、フィードスルー300が冷却される。ここで、ガラスプラグ325の体積は本体305の体積未満にまで減少し、本体305による圧縮力がプラグ325に加えられることになる。従って、プラグ325を適所に堅固に保持することが可能となる。さらに、圧縮力は実質的に密閉シールを形成することを可能とする。その結果、この圧縮力により、フィードスルー300は、高圧の気体の圧力に耐えることができるようになり、防爆要件を満たすことができるようになる。
プラグ325と本体305との間には、ギャップが、存在しないこと、または少なくとも前もって決められた最大ギャップしきい値未満であることが望ましい。ギャップは、発火の際に生じる物質にフィードスルー300を通り抜けさせて伝搬させてしまうことを可能としてしまう恐れがある。
【0026】
プラグ325と流路320の内面との間の炎路は、ギャップ深さおよび炎路長さの両方に依存する。耐炎性基準に準拠するには、ギャップ深さが小さいこと、炎路長さが小さいこと、またはその両方を維持することが必要とされている。
プラグ325と流路320の内面との間のギャップ深さが最小となるようにプラグ325が形成される。プラグ325と流路320の内面との間のギャップ深さが前もって決められた最大ギャップしきい値未満となるようにプラグ325が形成される。前もって決められた最大ギャップしきい値とは、適用可能な防爆基準により規定されているギャップ深さのことであってもよい。前もって決められた最大ギャップしきい値とは、適用可能な防爆基準により規定されているギャップ深さのことであってもよい。
【0027】
プラグ325は、所定の最小炎路長さを超えるプラグ高さHを有していてもよい。プラグ高さHは、適用可能な防炎性基準により規定される前もって決められた最小炎路長さを超えるように設計されてもよい。プラグ325と流路320の内面との間にあるギャップが存在する場合、炎のプラグ高さHPは、発火を引き起こすのに十分足りる熱量またはエネルギー量を有して炎が防炎性のフィードスルー300の一方側から他方側にまで伝搬することのないよう選択されるようになっていてもよい。
他の炎路は本体高さHである。本体高さHは、第一のフランジ部312から本体305の頂部までの高さのことである。実施形態によっては、本体高さHとは、本体305と第二のコンポーネント500との間を通過する炎が冷却してエネルギーを喪失して本体高さHに沿って逃げることができない距離のことを指す場合もある。
【0028】
また、フィードスルー300は、プラグ325を貫通する1つ以上のコンダクタ328をさらに有していてもよい。プラグ325は、流路320を実質的に閉鎖し、流路320を通って気体、液体または他の物質が交換されることを防止するようになっている。
1つ以上のコンダクタ328はいかなる導電体であってもよい。1つ以上のコンダクタ328は、ワイヤー、ケーブル、ピン、舌形状のもの(shaped tongues)、または、他のいかなる所望のコンダクタもしくはコンダクタ構成を有するものであってもよい。1つ以上のコンダクタ328はプラグ325を貫通するようになっている。さらに、1つ以上のコンダクタ328は、プラグ325の両側から延出し、フィードスルー300の近位端部301および遠位端部302の両方へ少なくとも部分的に延びている。1つ以上のコンダクタ328は、近位端部301とフィードスルー300の遠位端部302との間を電気信号を送信するようになっていてもよい。1つ以上のコンダクタ328は、近位端部301と遠位端部302との間を電力を伝えるようになっていてもよい。
【0029】
近位端部301において利用可能な1つ以上のコンダクタ328の端部は、電気的に接触または結合することが可能なように露出されている。それと同様に、遠位端部302において利用可能な1つ以上のコンダクタ328の端部は、電気的に接触または結合することが可能なように露出されている。近位端部301において利用可能な1つ以上のコンダクタ328の端部に第一の電気コネクター(または、同様のデバイス)が取り付けられていてもまたは固定されていてもよい。また、遠位端部302において利用可能な1つ以上のコンダクタ328の端部に第二の電気コネクター(または、同様のデバイス)が取り付けられていてもまたは固定されていてもよい。
フィードスルー300のある実施形態では、第一のフランジ部312および第二のフランジ部314が本体305の外面に形成されるようになっていてもよい。第二のフランジ部314は第一のフランジ部312と等しいまたは異なる円周または外周を有していてもよい。第一のフランジ部312および第二のフランジ部314は、縮径部313により分離されている。縮径部313は第一のフランジ部312または第二のフランジ部314よりも小さな円周または外周を有している。
【0030】
縮径部313はフィードスルー300の近位端部301に配置されてもよい(すなわち、第一のフランジ部312が最小サイズに縮小されてもよい)。それに代えて、縮径部313は遠位端部302に配置されてもよい(すなわち、第二のフランジ部314が最小サイズに縮小されてもよい)。さらに、縮径部313は近位端部301と遠位端部302との間のいかなる場所に配置されてもよい。
縮径部313は1つ以上の突出ファスナー330の端部を受けるように構成されている(図4参照)。1つ以上の突出ファスナー330は、縮径部313の中へまたはその奥へとさらに突き出るように操作されてもよい。それに代えて、1つ以上の突出ファスナー330は縮径部313の中に余り突き出ないように操作されてもよい。このように、1つ以上の突出ファスナー330は、第二のコンポーネント500をフィードスルー300の適所に保持するようになっている。このフィードスルー300の構成の利点は、1つ以上の突出ファスナー330を緩めることにより第二のコンポーネント500を回転させることを可能とすることができるという点にある。さらに、1つ以上の突出ファスナー330は、フィードスルー300から第二のコンポーネント500を取り外すことも可能とするようになっている。
【0031】
実施形態によっては、1つ以上の突出ファスナー330とは、例えばねじ切りされているねじまたはボルトの如きねじ切りされているファスナーのことである場合もある。しかしながら、他のファスナーも考えられており、それらもまた本願の明細書および請求項の範囲に含まれている。例えば、1つ以上の突出ファスナー330とは、適所にスナップ式に嵌め込まれる成形デバイスまたはスプリングデバイスのことであってもよい。
複数の突出ファスナー330を用いる場合、これらの複数の突出ファスナー330は一つの強力な保持デバイスを形成する。複数の突出ファスナー330は一つの安定した接続インターフェースを形成する。複数の突出ファスナー330は冗長性を提供する。複数の突出ファスナー330は接続インターフェース上の振動および不均等な負荷に対する抵抗を提供する。
【0032】
いかなる数の突出ファスナー330が用いられてもよい。第一のコンポーネント400と第二のコンポーネント500との間の回転位置を緩めて調節する場合、1つ以上のファスナー330を完全に取り外す必要はない。
側壁333はほぼ平坦であってもよい。それに代えて、側壁333は、湾曲していてもよいしまたは複数の共存する表面であってもよい(すなわち、側壁3333は、異なる傾斜を有する複数の表面部分から構成されていてもよい)。
実施形態によっては、縮径部313は少なくとも1つのほぼ垂直な側壁333を有している場合もある。ここで、垂直とは、中央軸に対してほぼ直角の方向のこと、すなわちほぼ半径方向外側に向けて延びていることを意味する。
【0033】
実施形態によっては、縮径部313は少なくとも1つの傾斜した側壁333を有している場合もある。傾斜した側壁の場合の実施形態では、1つ以上の突出ファスナー330は少なくとも1つの傾斜した側壁333と係合するようになっており、1つ以上の突出ファスナー330が縮径部313の中に向けて突き出すように操作されると、少なくとも1つの傾斜した側壁333が第二のコンポーネントに対する締結力を生じる。縮径部313は1つ以上の鋭い角部を有していてもよいし、または湾曲したもしくは滑らかな移行部を有していてもよい。
実施形態によっては、突出ファスナー330はほぼ円錐形または湾曲した円錐形を有する円錐頂部を備えている場合もある。実施形態によっては、突出ファスナー330は側壁333の傾斜に実質的に一致するほぼ円錐形または湾曲した円錐形を有する円錐頂部を備えている場合もある。傾斜を一致させることにより、側壁333に対するファスナーの接触面が最大限に大きくなり、接続インターフェースの回転に対する安全性を向上することが可能となる。それに加えて、傾斜を一致させることにより、力をコンポーネント間により均等に分配することが可能となる。
【0034】
1つ以上の突出ファスナー330に対して外部からのアクセスが可能である。従って、第一のコンポーネント400および/または第二のコンポーネント500のうちの一方または両方を回転することが可能となるかつ/または回転可能に配置することが可能となる。有利には、フィードスルー300は組立体許容差が小さいことを必要としない。有利には、フィードスルー300は自動位置合わせ機能を有している。有利には、1つ以上の突出ファスナー330が縮径部313の中に可能な限り奥に突き出されるように操作されるにつれて、フィードスルー300は接続インターフェースが引き合わせられるようになっている。有利には、フィードスルー300は安価である。フィードスルー300は操作が単純で易しい。フィードスルー300は、1つ以上の既存のデバイスに容易に取り付けることができる。
【0035】
図4には、第二のコンポーネント500が適所に配置されかつフィードスルー300と第一のコンポーネント400とに取り付けられているフィードスルー300が示されている。第二のコンポーネント500は、フィードスルー300の近位端部301に適合する流路または収容部501を有していてもよい。実施形態によっては、第二のコンポーネント500は、フィードスルー300の遠位端部302の少なくとも一部にまで延びるようになっている場合もある。図示されている実施形態では、第二のコンポーネント500は第二のフランジ部314に接触していてもよい。シール346をシール溝340に配置して流路または収容部501の内面と密封状態を形成して接触するようにしてもよい。実施形態によっては、シール346は、Oリングであってもよいが、いかなる適切なシールであってもよい。
【0036】
第二のコンポーネント500は、下部を貫通する1つ以上のファスナー孔508をさらに有していてもよい。実施形態によっては、1つ以上のファスナー孔508は、ねじ切りされた孔である場合もある。1つ以上の突出ファスナー330を1つ以上のファスナー孔508の中へねじ込むことにより、当該1つ以上の突出ファスナー330を1つ以上のファスナー孔508の中へ挿入するようにしてもよい。
1つ以上の突出ファスナー330は、1つ以上のファスナー孔508を通り抜けて縮径部313の中へと突き出されるよう操作されるようになっていてもよい。従って、1つ以上の突出ファスナー330は、縮径部313の一部と係合してフィードスルー300の適所に第二のコンポーネント500を保持するようになっていてもよい。
【0037】
さらに、縮径部313は、図示されているような傾斜した側壁333を有していてもよい。1つ以上の突出ファスナー330と縮径部313および傾斜した側壁333との係合は、第二のコンポーネント500を引き寄せ、フィードスルー300と実質的に完全接触(または、実質的に完全な係合)をもたらす働きをする。実施形態によっては、この接触は第二のフランジ部314の上面との接触のことである場合もある。
1つ以上の突出ファスナー330の先端は縮径部313と接触して相互作用するようになっていてもよい。1つ以上の突出ファスナー330を縮径部313の中に向けてさらに突き出すことにより、第二のコンポーネント500に対する下方向きの力を生み出し、第二のコンポーネント500を下方に向けて引き、フィードスルー300と完全係合をもたらす。それに加えて、1つ以上の突出ファスナー330と傾斜した側壁333との間にも摩擦接触が存在すると考えられる。
【0038】
明らかなように、1つ以上の突出ファスナー330は、丸みをおびた先端を有していてもよいし、または、いかなる所望の形状の先端を有していてもよい。それに代えて、1つ以上の突出ファスナー330の先端は、円錐形であってもよいし、先細り形状であってもよいし、または、いかなる所望の形状であってもよい。
図から明らかなように、第二のコンポーネント500の底面は第二のフランジ部314の上面と接触するようになっている。1つ以上の突出ファスナー330が縮径部313および側壁333と係合することにより、第二のコンポーネント500が下方に向けて引き寄せられて第二のフランジ部314と接触するようになると考えられる。この接触により、第二のコンポーネント500の安定性が増大されることになる。接触領域は、ファスナー330と側壁333との接触よりさらに外側にある。特筆すべき点は、第二のコンポーネント500が第一のフランジ部312と接触しないように、第二のコンポーネント500と第一のフランジ部312との間の許容差が設計されるようになっていてもよいということである。
【0039】
第二のコンポーネント500と第二のフランジ部314との間に摩擦接触が形成されていてもよい。第二のコンポーネント500が回転すると摩擦力が生じる。この摩擦力は第二のコンポーネント500の回転に対抗するものである。特筆すべき点は、1つ以上の突出ファスナー330と側壁333との間の摩擦接触も、第二のコンポーネント500の回転に対抗するように作用するということである。図5には本発明のある実施形態にかかるフィードスルー300が示されている。この実施形態では、フィードスルー300は、第一のフランジ部312と、縮径部313と、第二のフランジ部314とを備えている。しかしながらこの実施形態では、縮径部313は、切削加工、旋盤加工、鋳造加工または他の方法によりフィードスルー300に形成されるようになっている。図示されているように、第一のフランジ部312および第二のフランジ部314は、サイズが等しくてもよいしまたはサイズが異なっていてもよい。しかしながら、縮径部313は、サイズ(または直径)がより小さくなっている。1つ以上の突出ファスナー330を縮径部313の中へ突き出して係合させることによりフィードスルー300の適所に第二のコンポーネント500を保持するようにすることが可能となる。
【0040】
この実施形態では、区別可能な側壁は存在しておらず、縮径部313は、第一のフランジ部312から第二のフランジ部314へ移行する単一の滑らかな側壁333から構成されている。この実施形態では、側壁333は滑らかで弓状の凹部から構成されている。しかしながらいうまでもなく、縮径部313に対していかなる所望の形状およびサイズが採用されてもよい。
上述の実施形態の詳細な記載は、本発明の技術範囲内に含まれるものとして本発明者が考えているすべての実施形態を完全に網羅したものではない。さらに正確にいえば、当業者にとって明らかなように、上述の実施形態のうちの一部の構成要素をさまざまに組み合わせてまたは除去してさらなる実施形態を作成してもよいし、また、このようなさらなる実施形態も本発明の技術範囲および教示範囲に含まれる。また当業者にとって明らかなように、本発明の技術範囲および教示範囲に含まれるさらなる実施形態の作成のために、上述の実施形態を全体的にまたは部分的に組み合わせてもよい。従って、本発明の技術範囲は下記の特許請求の範囲によって決まる。
図1
図2
図3
図4
図5