(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら特許文献1の関節機構(
図10〜
図13参照)において、1本の指を構成する3つの指部の内の中間の指部(中間部材)と先端側の指部(先端部材)は、何れも板材からなり、内側(掌側)に向けて開口するU字状に折り曲げた形状となっている。このためU字の中央の底面部が外側(甲側)を向き、この底面部を把持対象物との当接面として機能させることができず、別途当接面となる部品を取り付ける必要が生じ、部品点数が増大し、構造も複雑化し、重量も重くなってしまう恐れがあった。また根元側の指部(基端部材)と中間の指部(中間部材)間を回転自在に連結する接続部(第1ヒンジ部)の下方(内側、掌側)に、駆動部材(第1リンク部材)と中間の指部(中間部材)間を回転自在に連結する接続部(第2支軸部)を設置しているので、指部の高さ寸法が大きくなり、関節機構の高さ寸法の薄型化が図れないという問題もあった。
【0006】
一方特許文献2の関節機構においては、3つの指部(リンク)が何れも板材からなり、外側(甲側)に向けて開口するU字状に折り曲げた形状となっているので、U字の中央の底面部を把持対象物との当接面として機能させることができる。しかしながら各指部の外側にそれぞれ流体圧アクチュエータを設置しているので、指部の高さ寸法が大きくなり、関節機構の高さ寸法の薄型化が図れないばかりか、構造が複雑で部品点数も多く重量も重くなるという問題があった。
【0007】
本発明は上述の点に鑑みてなされたものでありその目的は、構造の簡素化を図ることができるハンドを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係るハンドは、取付部材と、前記取付部材に取り付けられる駆動機構と、前記取付部材に連結部材を介して取り付けられ前記駆動機構によって駆動される一対の指と、を具備し、前記各指は何れも、根元側の第1接続部にて取付部材に回動自在に接続される第1指部と、前記第1指部の先端側の第2接続部にて根元側が回動自在に接続される第2指部と、先端側が前記第2指部の根元側の第4接続部にて回動自在に接続され且つ根元側が駆動動力を印加する第3接続部に接続される第1駆動部とを少なくとも有し、前記第3接続部を前記第4接続部方向に向けて押し出すことで、第1指部と第2指部を同時に駆動して両者を前記第1接続部を中心に一体に回動するか或いは第1指部の回動が阻止された際は第2指部が第2接続部を中心に回動する関節機構を備え、一方、前記連結部材には、側面から見て三角形の頂点となる位置に、それぞれ第1接続部用シャフトと第3接続部用シャフトと連結ロッドとを取り付け、前記連結ロッドを前記駆動機構に接続し、前記第1接続部用シャフトを前記取付部材に回動自在に取り付けると共に、この第1接続部用シャフトの両端にそれぞれ前記一対の第1指部の第1接続部を回動自在に取り付け、前記第3接続部用シャフトの両端にそれぞれ前記一対の第1駆動部の第3接続部を回動自在に取り付け、前記駆動機構によって前記連結部材を前記第1接続部を中心にして回動することで、前記第3接続部を前記第4接続部方向に向けて押し出して前記一対の指を同時に駆動することを特徴としている。
【0009】
また本発明は、前記ハンドであって、前記連結ロッドは、前記連結部材に設けた一対の側壁部間を回動自在に連結するように取り付けられ、この連結ロッドの中央に、前記駆動機構から進退可能に突出するロッドを取り付け、これによって2本の指を1つの連結部材を介することで1つの駆動機構によって同時に駆動する構成としたことを特徴としている。
【0010】
また本発明は、前記ハンドであって、前記連結部材は、その下部に前記第1接続部用シャフトを回動自在に挿通し、またその2つに分かれる一方の上部に前記第3接続部用シャフトを回動自在に挿通し、さらにもう一方の上部に前記連結ロッドを取り付けたことを特徴としている。
また本発明は、前記ハンドであって、前記第1接続部用シャフトの両端部分は、前記取付部材に回動自在に取り付けられると共に、この取付部材を貫通してその両外側に突出した部分に前記第1指部の第1接続部をそれぞれ回動自在に取り付けることを特徴としている。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、構造の簡素化を図ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明の一実施形態にかかる関節機構を適用したハンド1の側面図、
図2はハンド1を斜め上側から見た斜視図、
図3はハンド1を斜め下側から見た斜視図である。これらの図に示すようにハンド1は、取付部材10と、取付部材10に取り付けられる駆動機構30と、取付部材10に取り付けられ駆動機構30によって駆動される一対の指80A,80Bとを具備して構成されている。なお以下の説明において、指80A,80Bが折れ曲がっていく方向(
図1の下方向)を内側又は掌側、その反対方向(
図1の上方向)を外側又は甲側ということとする。
【0014】
取付部材10は一点鎖線による仮想線で記載されており、駆動機構30のリニアアクチュエータ31を取り付けると共に、連結部材50と第1指部81を第1接続部87の位置においてそれぞれ独立に回動自在に軸支している。
【0015】
駆動機構30は、リニアアクチュエータ31と連結部材50とを具備して構成されている。リニアアクチュエータ31は、概略円筒形をなすアクチュエータ本体33とアクチュエータ本体33の一方の端面から進退可能に突出するロッド35とを有している。リニアアクチュエータ31は電動で、ロッド35の進退量を調節し得る。
【0016】
図4は連結部材50の斜視図である。同図に示すように連結部材50は、側面から見て概略ハート形となっているブロック形状である。連結部材50の下部中央には回動自在に第1接続部用シャフト61が挿通され、また連結部材50の2つに分かれる一方の上部には回動自在に第3接続部用シャフト63が挿通され、さらに連結部材50のもう一方の上部には一対の側壁部55間を回動自在に連結する連結ロッド65が取り付けられている。
【0017】
連結部材50はその第1接続部用シャフト61の両側部分が取付部材10に取り付けられると共に、取付部材10を貫通してその両外側に突出した第1接続部用シャフト61の両端にそれぞれ下記する第1指部81の第1接続部87を回動自在に取り付けている。つまり連結部材50と第1指部81はそれぞれ独立して回動自在となるように取付部材10に取り付けられている。
【0018】
一方連結部材50の連結ロッド65の中央には、リニアアクチュエータ31のロッド35の先端が取り付けられている。また連結部材50の第3接続部用シャフト63の両端には下記する第1駆動部111の第3接続部113が取り付けられている。以上のことからわかるように、連結部材50は側面から見て第1接続部87と第3接続部113と連結ロッド65とがそれぞれ三角形の頂点になるように配置されており、1つのリニアアクチュエータ31と2本の指80A,80Bとを連結している。
【0019】
指80A,80Bは同一構造なので、主として一方の指80Aについて説明する。指80Aは、根元側(取付部材10側)の第1接続部87にて取付部材10に回動自在に接続される第1指部81と、第1指部81の先端側(取付部材10と離れる側)の第2接続部97にて根元側が回動自在に接続される第2指部91と、第2指部91の先端側の第5接続部107にて根元側が回動自在に接続される第3指部101と、先端側が第2指部91の根元側の第4接続部115にて回動自在に接続され且つ根元側が駆動動力を印加する前記第3接続部113に接続される第1駆動部111と、先端側が第3指部101の根元側の第7接続部125に回動自在に接続され且つ根元側が第1指部81の先端側の第6接続部123に回動自在に接続される第2駆動部121と、を具備して構成されている。
【0020】
図5は第1指部81を示す図であり、
図5(a)は側面図、
図5(b)は
図5(a)のA−A断面図である。同図及び
図1〜
図3に示すように第1指部81は、1枚の平板(板材)を下辺において略U字状に折り曲げることで、中央の底面部82の両側に平行になるように一対の側面部83,83を設けて構成されている。一対の側面部83,83の根元側部分には前述のように第1接続部87が設けられており、この部分において取付部材10に回動自在に接続され、その際中央の底面部82は内側(掌側)に向けて配置される。従って開口部分85は外側(甲側)を向く。第1接続部87にはベアリングが設置されている。第1指部81の先端側には第2接続部97が設けられ、さらに第2接続部97よりも先端側に突出させた部分に第6接続部123が設けられている。第1指部81の第2接続部97付近から先端側の下部は底面部82が切り欠かれた第2指部挿入部821となっている。
【0021】
図6は第2指部91の側面図である。同図及び
図1〜
図3に示すように第2指部91は、1枚の平板(板材)を下辺において略U字状に折り曲げることで、中央の底面部92の両側に平行になるように一対の側面部93,93を設けて構成されている。一対の側面部93,93の根元側部分には第2接続部97が設けられており、この部分において第1指部81の一対の側面部83,83に回動自在に接続される。第2接続部97では両側面部83,83(93,93)間に軸が渡されている(以下の各接続部も同様である)。第2指部91の両側面部93には第2接続部97よりも根元側に突出する部分を設け、その部分に第1駆動部111に回動自在に接続される第4接続部115を設けている。また第2指部91の左右両側面部93の甲側の辺93aの第2接続部97よりも先端側の位置には、第6接続部123を挿入する略U字状の第6接続部挿入凹部931が形成されている。甲側の辺93aの第6接続部挿入凹部931よりも根元側の部分は先端側の部分よりも高さを低くしている。また第2指部91の左右両側面部93の内側(掌側)の辺93bの第5接続部107よりも根元側の位置には、第7接続部125を挿入する略U字状の第7接続部挿入凹部933が形成されている。内側の辺93bの第7接続部挿入凹部933よりも先端側の部分は根元側の部分よりも高さを高くしている。第2指部91の両側面部93の外側面間の幅寸法は、前記第1指部81の両側面部83の内側面間の幅寸法よりも若干小さい寸法に形成されており、従って第2指部91と第1指部81を第2接続部97において接続する際は、第2指部91の根元側部分が第1指部81の先端側部分の左右両側面部83の間に挿入される。このとき第6接続部挿入凹部931は、第1指部81の両側面部83の間に配置される。また第2指部91の根元側部分は第1指部81の第2指部挿入部821に嵌り込む。また第2指部91の中央の底面92は掌側に向けて配置される。
【0022】
図7は第3指部101の側面図である。同図及び
図1〜
図3に示すように第3指部101は、1枚の平板(板材)を下辺において略U字状に折り曲げることで、中央の底面部102の両側に平行になるように一対の側面部103,103を設けて構成されている。一対の側面部103,103の根元側の上部には第5接続部107が設けられており、この部分において第2指部91に回動自在に接続されている。第5接続部107の下部には第7接続部107が設けられている。
【0023】
図1〜
図3に示すように第1駆動部111は棒状の平板であり、その根元側の第3接続部113において前述のとおり、連結部材50に回動自在に接続されている。一方第1駆動部111の先端側は第2指部91の第2接続部97よりも根元側に突出させた部分の第4接続部115において回動自在に接続されている。さらに第4接続部115は、
図1に示すように、その一部が第1指部81の外側(甲側)の開口部分85内に入り込んでいる。
【0024】
第2駆動部121は第1駆動部111と同様の棒状の平板であり、その根元側の第6接続部123において第1指部81の第2接続部97よりも先端側に突出させた部分に回動自在に接続されている。一方第2駆動部121の先端側の第7接続部125において第3指部101の根元側の部分が回動自在に接続されている。
【0025】
第2指部91と第3指部101の間には、引っ張りバネからなる付勢手段140が取り付けられ、第2,第3指部91,101間が常に開く方向(第5接続部107を中心にして第2指部91に対して第3指部101の先端側部分が外側(甲側)に移動する方向)の付勢力が付与されている。なお第5接続部107は付勢手段140の第2指部91側の支点a1より内側(掌側)に位置している。言い換えれば付勢手段140は、第2指部91に係止された支点a1と第3指部101に係止された支点a2間の離間距離が近づくように付勢しており、第2指部91に対して第3指部101を内側(掌側)に移動した際は両支点a1,a2間が遠ざかるので、元の開いた位置に向けて付勢される。これにより、第1,第2指部81,91間も開く方向に付勢され、結局第1,第2,第3指部81,91,101全体は開く方向に付勢されている。なお付勢手段140は前記位置の代りに、第1,第2指部81,91間に、第1,第2指部81,91間が常に開く方向の付勢力が付与されるように、取り付けても良い。
【0026】
次にハンド1の動作を説明する。まず
図1は、リニアアクチュエータ31のロッド35をアクチュエータ本体33内に最も引き込んだ状態を示しており、この状態では連結部材50は第1接続部87を中心にして最も右回転(矢印Cの逆方向)した位置に移動している。このとき各指80A,80Bは開いている。
【0027】
この状態からリニアアクチュエータ31を駆動してそのロッド35を押し出す。このとき
図1に示す把持対象物130が存在しないとすると、連結部材50が第1接続部87を中心にして左回転(矢印C方向)し、第3接続部113が第4接続部115方向に向かって押し出される。これによって第1接続部87を中心として第1,第2,第3指部81,91,101全体がそのまま一体に回動していく(
図1の一点鎖線E1で示す)。第1,第2,第3指部81,91,101全体がそのまま一体に回動するのは、付勢手段140によって第1,第2,第3指部81,91,101全体が開いている状態を維持する付勢力が付与されているからである。この動作は例えば指先で物をつまむ場合に用いられる。一方リニアアクチュエータ31を駆動して前記押し出したロッド35を後方に引き込めると、前記とは逆の動作によって第1,第2,第3指部81,91,101全体がそのまま第1接続部87を中心にして一体に回動して
図1に示す状態に戻る。
【0028】
次に第1指部81の移動していく側(内側)の底面部82に把持対象物130が当接しているとする。この状態でリニアアクチュエータ31を駆動してそのロッド35によって連結部材50を第1接続部87を中心に左回転すると、第3接続部113が第4接続部115方向に向かって押し出される。このとき第1指部81は回動できないので、第3接続部113を押圧する押圧力が付勢手段140の付勢力に打ち勝つと、
図8に示すように第2指部91が第2接続部97を中心に回動していく。このとき
図8に示すように、第1指部81に設けた静止している第6接続部123が、第2接続部97を中心に回動する第4接続部115に対して相対的に第4接続部115側に移動するので、第2駆動部121は第2指部91に対して後方に引き込められ、第6接続部123は第6接続部挿入凹部931内から抜け出る方向に移動する。これによって第7接続部125が後方に引き込められて第7接続部挿入凹部933内に入り込み、第3指部101は第2指部91に対して第5接続部107を中心に回動していく。そして
図8に示すように、第1指部81に対して第2指部91を内側に折り曲げた際、第4接続部115は第1指部81の開口部分85内から外側に向けて露出していく。
【0029】
これによって第2指部91と第3指部101が折れ曲がり、最後に把持対象物130が把持される(
図1の一点鎖線E2で示す)。言い換えれば、第1指部81の先端の第6接続部123において第2駆動部121を接続し、第6接続部123の内側の第2接続部97において第2指部91を第1指部81に接続しているので、第1指部81に対して第2指部91を回動した際は第2駆動部121が第3指部103を第5接続部107の内側の第7接続部125において引っ張り、第2指部91と第3指部103は同時に内側に向かって回転し、折れ曲がり、把持対象物130を把持する。つまり第1指部81に対して第2指部91が回動した際は必ず同時に第3指部103が第2指部91に対して回動する。ところで第1指部81と第2指部91と第3指部101は何れも板材をU字状に折り曲げてその中央の底面部82,92,102を内側に向けて配置しているので、これら底面部82,92,102を把持対象物130との当接面として直接機能させることができる。このため当接面となる部品を別途取り付ける必要がなく、構造の簡素化、軽量化が図れる。
【0030】
次にリニアアクチュエータ31を駆動して、第1接続部87を中心に連結部材50を右回転すると、前記とは逆の動作によって第2,第5接続部97,107を中心に第2,第3指部91,101が回動して前記
図1の実線で示す状態に戻る。即ち物を掴む際は第1指部81側から回動し、離す際は付勢手段140側(第2,第3指部91,101側)から、つまり逆の側から回動する。
【0031】
第1指部81が
図1に示す状態から所定角度回動した後に把持対象物130に当接して静止した場合も、第1指部81が静止した位置から第2,第3指部91,101が第1指部81に対して相対的に前述したように屈曲していく。
【0032】
また第1駆動部111は第2指部91に第4接続部115において連結され、第1指部81は第4接続部115よりも内側の第2接続部97において第2指部91に連結されているので、駆動機構30に連結した第1駆動部111の駆動力がまず第2指部91に伝わり、次に第1指部81に伝わり、第1,第2指部81,91に第1,第2接続部87,97を中心とするトルクを生じさせている。
【0033】
ところで
図1に示すようにこのハンド1においては、第2指部91の第2接続部97よりも根元側に突出させた部分に第4接続部115を設けたので、第2,第4接続部97,115が高さ方向に重ならず、これによって第1,第2指部81,91を接続した第2接続部97近傍部分の高さ寸法の薄型化を図ることができる。同時に第4接続部115の一部が第1指部81の外側に開口する開口部分85内に入り込むことで、第1指部81の内部を第4接続部115の揺動スペースの一部として使用するので、第1指部81に対して第2指部91を内側に折り曲げた際に第4接続部115が第1指部81の開口部分85内から外側に向けて突出する突き出し量(突き出し寸法)を小さくすることができる。つまり第1,第2指部81,91間がどのような折り曲げ状態にあっても(開いていても、閉じていても)、第1,第2指部81,91を接続した第2接続部97近傍部分の高さ寸法の薄型化を図ることができる。
【0034】
一方第2接続部97よりも先端側に突出させた部分に第6接続部123を設けているので、第2,第6接続部97,123は高さ方向に重ならない。第6接続部123は第3指部101を駆動する第2駆動部121を連結するために第1指部81に設けたものであるが、これによっても第1,第2指部81,91を接続した第2接続部97近傍部分の高さ寸法の薄型化を図ることができる。また第2指部91に設けた第6接続部挿入凹部931を第1指部81の左右両側面部83の間に配置したので、第6接続部123が第2指部91から外側に向けて突出する突き出し量(突き出し寸法)を小さくできる。つまり第1,第2指部81,91間がどのような折り曲げ状態にあっても(開いていても、閉じていても)、第1,第2指部81,91を接続した第2接続部97近傍部分の高さ寸法の薄型化をこの構成からも図ることができる。
【0035】
また第1,第2駆動部111,121は何れも棒状の平板なので、第2指部91の両側面部93の間に嵌り込んでも、両側面部93間の幅は小さくてよく、第2指部91を必要最小限の幅寸法にすることができる。
【0036】
ところで上記ハンド1において、把持対象物130が一方の指80Aの第1指部81に当接する位置と,他方の指80Bの第1指部81に当接する位置とが異なっていた場合、両者の第3接続部113の位置は同一位置のまま、各指80A,80Bはそれぞれ異なる動作を行う。即ち、並列に配置した2組の指80A,80Bを同時に単一の駆動機構30によって駆動するだけで、把持しようとする把持対象物130の形状に応じて各指80A,80Bの第1,第2,第3指部81,91,101の屈曲状態を容易に異ならせることができ、これによって人の複数本の指の動作と略同一の動作を容易に行わせることができる。
【0037】
また第1,第2,第3,第4接続部87,97,113,115の何れかの位置を両指80A,80B間で異ならせることで、把持対象物に触れなくても、各指80A,80Bの屈曲状態を異ならせることもできる。
【0038】
以上本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲、及び明細書と図面に記載された技術的思想の範囲内において種々の変形が可能である。なお直接明細書及び図面に記載がない何れの形状や構造であっても、本願発明の作用・効果を奏する以上、本願発明の技術的思想の範囲内である。例えば上記ハンド1では第4接続部115の一部を第1指部81の開口部分85内に入り込ませたが、第4接続部115の全部を第1指部81の開口部分85内に入り込ませてもよい。また上記ハンド1では2本の指80A,80Bを1つの連結部材50を介することで1つの駆動機構30によって同時に駆動する構成としたが、各指80A,80Bを別々の駆動機構によってそれぞれ独立に駆動するように構成しても良い。また連結部材50以外の部材(例えばリニアガイド等)によってリニアアクチュエータ31の動力を第3接続部113に伝達しても良い。